JPH11138468A - 機械の安定制御装置及びマスタ・スレーブ型ロボットの制御装置 - Google Patents

機械の安定制御装置及びマスタ・スレーブ型ロボットの制御装置

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JPH11138468A
JPH11138468A JP30556897A JP30556897A JPH11138468A JP H11138468 A JPH11138468 A JP H11138468A JP 30556897 A JP30556897 A JP 30556897A JP 30556897 A JP30556897 A JP 30556897A JP H11138468 A JPH11138468 A JP H11138468A
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JP
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robot
mechanical system
master
operator
learning
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Application number
JP30556897A
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Inventor
Yukihiko Ooashi
幸彦 大芦
Sadao Fujii
貞雄 藤井
Hiroshi Yokoi
浩史 横井
Yukinori Kakazu
侑昇 嘉数
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujitsu Ltd
Original Assignee
Fujitsu Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、マンインザループの機械系を、操
作者が意図する任意の動作に対して、追従性良く駆動制
御することができるとともに、機械と干渉物との接触情
報を操作者に伝達することができる機械の安定制御装置
及びマスタ・スレーブ型ロボットの制御装置を提供する
ことを課題とする。 【解決手段】 安定制御装置は、所定の自由度を有する
機械系aと、操作者が機械系aに任意の動作をさせる操
作手段bと、操作手段bと一体的に設けられた検出手段
cと、操作手段bに印加される力と機械系aの駆動制御
との相関関係を学習する学習手段dと、検出手段cから
出力される電気信号に基づき、学習手段dの相関関係を
参照して、操作手段bに印加される力に追従するように
機械系aを駆動制御する駆動制御手段eと、学習手段d
及び駆動制御手段eとを包含する演算制御系fとを有し
て構成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、機械の安定制御装
置及びマスタ・スレーブ型ロボットの制御装置に関し、
特に、人間が介在する機械系における円滑な動作制御
と、機械系と干渉物との相互作用の伝達が可能な機械の
安定制御装置及びマスタ・スレーブ型ロボットの制御装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、宇宙空間や深海、原子炉内等の
特殊な環境下においては、人命保護や、人間の作業力の
増幅(パワーアシスト)という観点から、人間の操作に
従って機械が種々の作業を行うのが望ましい。例えば、
スペースシャトルや深海探査船に搭載されるマニピュレ
ータ等においては、現実にこうした作業が行われてい
る。
【0003】このような人間の動作意志を機械の動作に
反映させる方法としては、人間が操作するマスタ側のロ
ボットと同じ動作をスレーブ側のロボットにも行わせる
マスタ・スレーブシステムが知られている。マスタ・ス
レーブシステムは、上述した悪環境下での作業のみなら
ず、微細加工や微細手術(マイクロサージャリー)の分
野において、数μmの単位で工具やメス等を制御するこ
とができるため、人間によっては実現不可能な作業を容
易に実現することができる。
【0004】また、近年では、福祉の分野において、非
健常者の精神面のケアの観点から、非健常者に代わっ
て、スレーブ側のロボットが山や海等の所望の場所に出
向き、その景色を視覚的に捉えるとともに、景色内の任
意の物体との接触を触覚的に捉えて非健常者にフィード
バックするといった試みも行われている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述したマスタ・スレ
ーブシステムのように人間が内在(或いは、介在)す
る、いわゆるマンインザループの機械系においては、操
作者が機械系に印加する力や動作に対する機械系の追従
性の低さ等(いわゆる、インピーダンス不整合)により
機械の動作に異常振動が発生するという問題を有してい
る。
【0006】従来、このような異常振動を抑制するため
にインピーダンスマッチングと呼ばれる安定制御方法が
採用されている。インピーダンスマッチング手法は、一
般に、機械系の動作特性に関する種々のパラメータを予
め同定し、機械系を動作させる操作部に設けられたセン
サからの検出情報に基づいて、駆動制御部のパラメータ
を実時間で変化させている。ここで、駆動制御部により
制御される機械系を単純な理想系と仮定して動作制御が
行われている。
【0007】そのため、従来のインピーダンスマッチン
グ手法によれば、機械系の動作特性に関するパラメータ
の全てを高精度で同定する作業を必要とする上、駆動制
御部におけるパラメータの設定においても複雑な演算処
理を必要とする問題を有していた。したがって、操作者
の動作意志を的確に機械に伝達し、所望の動作を実現す
ることができず、上述した種々の分野への良好な適用が
促進され得なかった。
【0008】そこで、本発明は、上記問題点を解決し
て、マンインザループの機械系を、操作者が意図する任
意の動作に対して、異常振動を生じることなく追従性良
く駆動制御することができるとともに、機械と干渉物と
の接触情報(相互作用)を的確に操作者に伝達すること
ができる機械の安定制御装置及びマスタ・スレーブ型ロ
ボットの制御装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載の発明は、所定の自由度を有する機械
系と、該機械系を任意の状態に動作させる操作手段と、
前記機械系を任意の状態に動作させる際に、前記操作手
段に印加される力を電気信号として検出する検出手段
と、該検出された電気信号と前記機械系の動作との相関
関係を学習する学習手段と、該学習手段が有する相関関
係に基づいて、前記操作手段に印加される力に応答して
前記機械系を前記任意の状態に動作させるように駆動制
御する駆動制御手段と、を具備することを特徴としてい
る。
【0010】請求項1記載の機械の安定制御装置によれ
ば、操作手段を介して機械系に印加される力を、検出手
段が電気信号として検出し、この電気信号と機械系の動
作との相関関係を、学習手段が学習、蓄積することによ
り、駆動制御手段が操作手段に印加される力に応答して
機械系の動作を追従させるように制御することができる
ため、従来技術として示した、機械系の全パラメータを
同定し、操作部のセンサ情報に基づいてパラメータを設
定するという複雑かつ時間を要するインピーダンスマッ
チング手法を用いることなく、簡易かつ的確に、操作者
の動作意志を把握し、異常振動を生じることなく機械系
を動作させることができる。
【0011】また、請求項2記載の発明は、請求項1記
載の機械の安定制御装置において、前記検出手段は、前
記操作手段に印加される力を、歪信号として検出する歪
検出部を有していることを特徴としている。請求項2記
載の機械の安定制御装置によれば、検出手段が歪ゲージ
等の歪検出部を有することにより、操作手段に印加され
る力を力の位置、大きさ、方向等の種々の要素として検
出することができるため、操作者の動作意志と操作手段
へに印加される力との相関関係を多面的かつ的確に捉
え、学習手段に蓄積することができる。
【0012】また、請求項3記載の発明は、請求項1又
は2記載の機械の安定制御装置において、前記機械系
が、マスタ・スレーブ型ロボットのマスタ側ロボットで
あることを特徴としている。請求項3記載の機械の安定
制御装置によれば、マスタ・スレーブ型ロボットのマス
タ側ロボットに上記請求項1又は2記載の安定制御装置
を備えることにより、マスタ側ロボットを操作する操作
者の動作意志に追従性良く動作させることができるた
め、連動するスレーブ側ロボットを円滑に動作制御する
ことができる。
【0013】また、請求項4記載の発明は、マスタ側ロ
ボットに作用する任意の動作を制御信号として伝達し、
スレーブ側ロボットに前記任意の動作に対応する動作を
させるように駆動制御するマスタ・スレーブ型ロボット
の制御装置において、前記スレーブ側ロボットは、干渉
物との接触状態を触情報として検出する触情報検出手段
を具備するとともに、前記マスタ側ロボットは、請求項
1又は2記載の機械の安定制御装置を具備し、前記マス
タ側ロボットに設けられた前記操作手段は、前記スレー
ブ側ロボットからの触情報に基づいて、前記操作手段に
印加される力に対する反力を変化させる反力生成部を有
していることを特徴としている。
【0014】請求項4記載のマスタ・スレーブ型ロボッ
トの制御装置によれば、スレーブ側ロボットの触情報検
出手段が検出した触情報に基づいて、反力生成部が操作
者により操作手段に印加される力に対する反力を発生す
ることにより、スレーブ側ロボットの触情報をマスタ側
ロボットの操作者に良好に伝達することができる。ここ
で、本発明の機械の安定制御装置及びマスタ・スレーブ
型ロボットの制御装置に適用される基本原理を説明す
る。
【0015】本発明の基本原理は、マンインザループの
機械系を異常振動なく、高速かつ柔軟に移動させるため
には、操作者である人間の意志に基づいて機械系を駆動
させる駆動制御手段のゲインを動的に調整できることが
必要であるという観点に基づいている。すなわち、人間
と機械系のインピーダンス整合を図るためには、人間が
行う動作の方向や速度等を検知して、機械系の動作を追
従させるように駆動制御する必要がある。
【0016】一般に、人間が物を動かすときの動作意志
と、人間が対象物を把持する力との間には密接な関係が
あることが知られている。そこで、本発明は、機械系の
操作者の動作意志、すなわち、操作手段を介して機械系
に印加される力の大きさや方向等を電気信号として検出
し、この電気信号と機械系に要求される動作との相関関
係を学習、蓄積し、操作者の動作意志に対応して機械系
を追従させるように駆動制御手段のゲインを調整するこ
とを特徴としている。
【0017】具体的には、駆動制御手段により制御され
る時刻t+Δtのロボットの動作速度は、一般に、 VR(t+Δt)=C×VR(t)+D×F(t) ・・・(1) で表現される。ここで、Cは粘性項、Dは調整項、Fは
検出手段からの出力であって、C、D、Fは各々、操作
者の把持力gの関数として記述されるため、操作手段を
介して機械系に印加された力によるロボットの変位XR
は、 XR={C(g)×VR+D(g)×F(g)}×Δt ・・・(2) で表現される。操作者の手の変位をXHとし、操作者の
手がロボットにバネ剛性γで結合されていると仮定する
と、両者間の力の差、すなわち、検出手段からの出力F
(g)は、 F(g)=γ(XHーXR) ・・・(3) で表現される。この力の差F(g)を2乗して積分した
ものを目的関数Eとし、この目的関数Eを最小とする把
持力gと粘性項C及び調整項Dとの関係を数値解析的に
求め、その結果を駆動制御手段のゲイン調整に使用す
る。
【0018】この一連の処理は、検出手段からの出力
(電気信号)が”0”(印加力なし)の状態となる方向
に、機械系を追従動作させる駆動制御信号を生成するこ
とに相当する。なお、上記相関関係の解析について、複
数の実験とバックプロパゲーション等の学習アルゴリズ
ムを利用することにより、操作者の把持力と機械系の動
作との相関関係が確立され、機械系が操作者の動作に追
従性良く駆動制御される。
【0019】
【発明の実施の形態】まず、本発明に係る機械の安定制
御装置の基本構成について、図1を参照して説明する。
図1に示すように、安定制御装置は、機械系a、操作手
段b、検出手段c、学習手段d、駆動制御手段e及び演
算制御系fとを有して構成されている。
【0020】機械系aは、任意の動作を実現するための
自由度、例えば、6自由度を有するロボットであって、
後述する操作手段b及び検出手段cをその先端部分に有
している。操作手段bは、操作者が機械系aに任意の動
作をさせるために把持する操作子であって、後述するよ
うな球形状、或いは、棒形状等の種々の形状のものが適
宜採用される。
【0021】検出手段cは、操作手段bと一体的に設け
られた力検出センサであって、操作者により操作手段b
に印加された力を電気信号として検出する。詳しくは後
述する。学習手段dは、上述した基本原理に示したよう
に、操作手段bに印加される力と機械系aの駆動制御信
号との相関関係を解析して学習し、蓄積する。
【0022】駆動制御手段eは、検出手段cから出力さ
れる電気信号に基づいて、学習手段dに蓄積された相関
関係を参照し、機械系aを操作手段bに印加される力に
追従するように駆動させる駆動制御信号を抽出して、機
械系aに出力する。演算制御系fは、学習手段dと駆動
制御手段eとを包含する機械系a全体の制御手段であっ
て、機械系aに対峙する構成として示した。
【0023】このような構成によれば、学習手段dによ
る相関関係の学習処理において、図2に示すように、操
作者により操作手段bに印加された力(操作力)が電気
信号として検出され(S11)、操作者が印加する力と
機械系aの駆動制御信号との相関関係が解析されて学
習、蓄積される(S12、S13)。そして、相関関係
の学習後、操作手段bを介して印加される力に基づい
て、学習手段dに蓄積された相関関係を参照して、最適
な追従動作を行う機械系aへの駆動制御信号を抽出して
出力する。
【0024】このように、学習手段dに蓄積された操作
者が印加する力と機械系aの駆動信号との相関関係を参
照するという方法を用いることにより、従来技術として
示したインピーダンスマッチング手法における複雑かつ
時間を要するパラメータ同定作業を用いることなく、ま
た、異常振動を生じることなく、機械系aを追従性良く
駆動動作させることができる。
【0025】次に、本発明に係る機械の安定制御装置を
適用した第1の実施例について、図3を参照して説明す
る。ここで、図3は、操作者の力を倍増するパワーアシ
ストデバイスへの適用例を示すものである。図3におい
て、ロボット10は、関節部11a〜11c、アーム部
12a〜12cと、ロボットハンド13、操作子14を
有して構成されている。
【0026】一方、サーボ演算制御部30は、操作信号
処理部31、ロボットハンド信号処理部32、学習部3
3、機構駆動制御部34を有して構成されている。ロボ
ット10は、周知の関節部11a〜11c及びアーム部
12a〜12cから構成され、並進3自由度と回転3自
由度の計6自由度を有している。ロボットハンド13
は、所定の作業内容を実現するためのものであって、ア
ーム部12cのヘッド部に力トルクセンサ13aを介し
て設けられている。ここで、力トルクセンサ13aは、
ロボットハンド13に印加される力の大きさ、方向、位
置等を検出するセンサであって、歪ゲージを配した構成
が一般的に用いられている。
【0027】操作子14は、操作者が把持して力を印加
し、ロボット10に任意の動作をさせるものであって、
アーム部12cに設けられている。後述するように、操
作者がロボット10に印加する力を電気信号として検出
する。ここで、ロボット10は機械系aを構成し、操作
子14は操作手段b及び検出手段cを構成する。
【0028】また、サーボ演算制御部30は、ロボット
10全体の駆動制御を行う。操作信号処理部31は、操
作子14により検出された操作者が印加した力に対応す
る電気信号を増幅等信号処理する。ロボットハンド信号
処理部32は、ロボットハンド13に印加される力に対
応する電気信号を増幅等信号処理する。
【0029】学習部33は、操作信号処理部31により
処理された信号に基づいて、ロボット10に印加される
力、すなわち、ロボット10に要求される動作を解析
し、操作子14に印加される力をなくす方向にロボット
10を動作させる駆動制御信号を生成する。機構駆動制
御部34は、学習部33により生成された駆動制御信号
に基づいて、駆動制御に係るゲインを調整してロボット
10の動作を制御する。
【0030】ここで、学習部33は学習手段dを構成
し、機構駆動制御部34は、駆動制御手段eを構成す
る。また、サーボ演算制御部30は、演算制御系fを構
成する。次に、本実施例に適用される操作子14の一実
施例(その1)について、図4を参照して説明する。図
4において、操作子14は、例えば、スリットにより分
離した操作片14a〜14dと、操作片14a〜14d
を剛性的に支持する基部14eと、基部14eとアーム
部12cから延在するステーとの間に設けられた力トル
クセンサ14fとを有して構成されている。
【0031】操作片14a〜14dの内部、或いは、基
部14eとの接合部には、図示を省略した歪ゲージが複
数箇所設けられ、操作者の把持力Fa〜Fdを電気信号
として検出する。力トルクセンサ14fは、操作片14
a〜14d全体を押圧、或いは、ひねるように変位させ
る力Fe、Ffを電気信号として検出する。
【0032】このようにして、操作者がロボット10に
印加する力が電気信号として検出され、基本原理に示し
たように、操作者の動作に追従するようにロボット10
の動作制御が行われる。次に、第1の実施例におけるロ
ボット10の駆動制御について、図5を参照して説明す
る。
【0033】まず、図2に示した学習処理より、学習部
33には、操作者が印加する力に対するロボット10の
駆動制御のパターンが学習され、異常振動を生じず、高
速で柔軟な動作を実行することができるように、これら
の相関関係が蓄積されているものとする。そして、操作
者が操作子14に任意の力を印加してロボット10に動
作を伝達する。このとき、操作子14に設けられた歪ゲ
ージを介して操作者が所望する動作が電気信号として検
出される(S21)。操作信号処理部31により所定の
信号処理を施した後、学習部33に蓄積された相関関係
を参照し(S22)、機構駆動制御部に所定のゲインを
与える駆動制御信号を出力する。これにより、ロボット
10の駆動制御に係るゲインが調整され(S23)、印
加された力の大きさ、方向等に追従するようにロボット
10が駆動制御される(S24)。
【0034】次に、本発明に係る機械の安定制御装置を
適用した第2の実施例について、図6を参照して説明す
る。なお、図3と同等の構成には、同一の符号を付し
て、その説明を省略する。ここで、図6は、操作者の力
を離間して設けられたロボットに伝達するマスタ・スレ
ーブ型ロボットへの適用例を示すものである。図6にお
いて、ロボット10aは、図3に示した構成と同様に、
並進3自由度と回転3自由度の計6自由度を有する機械
系であって、アームのヘッド部分には操作子15を有し
て構成されている。
【0035】また、ロボット20は、ロボット10aと
同様に、6自由度を有する機械系であって、アームのヘ
ッド部分には干渉物との接触情報を検出する触覚センサ
21を有して構成されている。一方、サーボ演算制御部
30bは、操作子15に印加された力に対応して検出さ
れた電気信号に基づいて、ロボット20に同等の動作制
御をするものであって、少なくとも図3に示した操作信
号処理部31、機構駆動制御部34に相当する構成を有
している。
【0036】また、サーボ演算制御部30aは、図3に
示したサーボ演算制御部30と同様に、操作子14を介
して印加された力に追従するようにロボット10aを駆
動制御する構成に加え、ロボット20の触覚センサによ
り検出された接触情報に応じて、操作者が印加する力に
対して抵抗となる反力を操作子15に発生させる反力制
御部35を有している。
【0037】ここで、ロボット10aはマスタ側ロボッ
トを構成し、ロボット20はスレーブ側ロボットを構成
する。また、触覚センサ21は触情報検出手段を構成
し、反力制御部35は反力生成部を構成する。次に、本
実施例に適用される操作子15の一実施例(その2)に
ついて、図7を参照して説明する。
【0038】図7において、操作子15は、例えば、ス
リットにより分離した操作片15a、15bと、操作片
15a、15bに接合されたリンク部16a、16b
と、リンク部16a、16bの回動を制御するリンク回
転制御部17と、リンク回転制御部17を包含して操作
子15全体を支持する基部18と、基部から操作片15
a、15b間に延伸する支持部19と、リンク部16
a、16bの各々と支持部19との間に設けられた形状
記憶部材20a、20bと、リンク部16a、16bの
各々と基部18との間に設けられた形状記憶部材21
a、21bと、リンク部16a、16bの回動支点17
a、17b近傍に設けられた歪ゲージ22a、22bと
を有して構成されている。ここで、形状記憶部材20
a、20b及び21a、21bとしては、通電、或い
は、加熱作用により形状記憶動作を生じる周知の形状記
憶合金を良好に適用することができる。
【0039】このような構成の操作子15において、操
作者が印加する力Fx、Fy、Fzを検出する際には、
リンク回転制御部17によりリンク部16a、16bの
回動を規制して、基部、リンク回転制御部17、リンク
部及び操作片15a、15bを一体的な剛性状態とし
て、リンク部16a、16bに設けられた歪ゲージ22
a、22bにより、電気信号を検出する。
【0040】一方、ロボット20の触覚センサ21によ
り検出された接触情報を操作子15に伝達する際には、
リンク回転制御部17によりリンク16a、16bの回
動を可能な状態として、形状記憶部材20a、20b及
び21a、21bに接触情報に対応する制御信号を印加
して、変形状態から原形状態に回復動作させる。すなわ
ち、反力制御部35は、ロボット20の触覚センサ21
により検出された接触情報に基づいて、リンク回転制御
部17を駆動して、基部18に対する操作片15a、1
5bの変位を自由な状態とするとともに、接触情報に対
応して形状記憶部材20a、20b及び21a、21b
が回復動作するように制御信号を生成、出力する。
【0041】これにより、操作者は、操作子15を介し
て印加している力Fx、Fy、Fzに対して、抵抗とな
る反力Fx´、Fy´、Fz´を認識することができ
る。次に、第2の実施例におけるマスタ・スレーブ型ロ
ボットの駆動制御について、図8を参照して説明する。
まず、図2に示した学習処理より、サーボ演算制御部3
0aには、操作者が印加する力に対するロボット10a
の駆動制御のパターンが学習され、異常振動を生じず、
高速で柔軟な動作を実行することができるように、これ
らの相関関係が蓄積されているものとする。
【0042】そして、操作者が操作子15に任意の力を
印加してロボット10aに動作を伝達する(S31)。
このロボット10aの動作状態が電気信号として抽出さ
れ(S32)、サーボ演算制御部30bを介して、ロボ
ット20が同等の動作状態を実現するように駆動制御さ
れる(S33)。このとき、ロボット20の動作状態は
サーボ演算制御部30aにより常時監視される。ロボッ
ト20が周囲の干渉物と接触することなく、ロボット1
0aに同調して動作している場合には、ロボット10a
からロボット20へ電気信号が継続的に伝達される。
【0043】そして、ロボット20が周囲の干渉物に接
触した場合には、触覚センサ21により接触情報が検出
される(S34)。接触情報としては、例えば、干渉物
に対するロボット20の接触方向fや、接触圧力等が検
出され、電気信号としてサーボ演算制御部30aに伝達
される(S35)。サーボ演算制御部30aは、ロボッ
ト20から伝達された接触情報に基づいて、干渉物への
接触方向fに対応する操作方向f´へのロボット10a
の動作を規制する。同時に、サーボ演算制御部30a内
に設けられた反力制御部35が、接触情報に基づいて、
操作子15に印加された力により変形状態となっている
形状記憶部材を原形状態に回復させる制御信号を生成す
る。この制御信号に基づいて、形状記憶部材を回復動作
させることにより、操作子15に印加される力に対して
抵抗となる反力が発生し(S36)、操作者にロボット
20と干渉物との接触情報が伝達される。
【0044】なお、上述した実施例においては、操作子
14、15の形状として略円形状の外観を有するものを
示して説明したが、本発明に適用される操作子はこの形
状に限定されるものではなく、また、操作者により印加
される力を検出する機構についても、これに限定される
ものではない。要するに、操作者の動作意志、すなわち
操作力を電気信号として良好に検出することができるも
のであれば他の構成を有していてもよい。
【0045】また、マスタ・スレーブ型ロボットにおけ
る接触情報の伝達機構についても、形状記憶部材による
ものに限定されるものではなく、操作者が印加する力に
対して反発する方向、或いは、大きさを有する力(反
力)を発生させる機構、例えば空気圧を利用した膨張作
用等を利用するものであってもよいことは言うまでもな
い。
【0046】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載の機
械の安定制御装置によれば、操作手段を介して機械系に
印加される力を、検出手段が電気信号として検出し、こ
の電気信号と機械系の動作との相関関係を、学習手段が
学習、蓄積することにより、駆動制御手段が操作手段に
印加される力に応答して機械系の動作を追従させるよう
に制御することができるため、従来技術として示した、
機械系の全パラメータを同定し、操作部のセンサ情報に
基づいてパラメータを設定するという複雑かつ時間を要
するインピーダンスマッチング手法を用いることなく、
簡易かつ的確に、操作者の動作意志を把握し、異常振動
を生じることなく機械系を動作させることができる。
【0047】また、請求項2記載の機械の安定制御装置
によれば、検出手段が歪ゲージ等の歪検出部を有するこ
とにより、操作手段に印加される力を力の位置、大き
さ、方向等の種々の要素として検出することができるた
め、操作者の動作意志と操作手段へに印加される力との
相関関係を多面的かつ的確に捉え、学習手段に蓄積する
ことができる。
【0048】また、請求項3記載の機械の安定制御装置
によれば、マスタ・スレーブ型ロボットのマスタ側ロボ
ットに上記請求項1又は2記載の安定制御装置を備える
ことにより、マスタ側ロボットを操作する操作者の動作
意志に追従性良く動作させることができるため、連動す
るスレーブ側ロボットを円滑に動作制御することができ
る。
【0049】また、請求項4記載のマスタ・スレーブ型
ロボットの制御装置によれば、スレーブ側ロボットの触
情報検出手段が検出した触情報に基づいて、反力生成部
が操作者により操作手段に印加される力に対する反力を
発生することにより、スレーブ側ロボットの触情報をマ
スタ側ロボットの操作者に良好に伝達することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る機械の安定制御装置の基本構成を
示す概念図である。
【図2】本発明に係る相関関係の学習処理を示すフロー
チャートである。
【図3】第1の実施例の装置構成を示す図である。
【図4】本発明に適用される操作子の実施例(その1)
を示す外観構成図である。
【図5】第1の実施例の駆動処理を示すフローチャート
である。
【図6】第2の実施例の装置構成を示す図である。
【図7】本発明に適用される操作子の実施例(その2)
を示す断面構成図である。
【図8】第2の実施例の触情報伝達処理を示すフローチ
ャートである。
【符号の説明】
a 機械系 b 操作手段 c 検出手段 d 学習手段 e 駆動制御手段 f 演算制御系 10 ロボット 10a マスタ側ロボット 11a〜11c 関節部 12a〜12c アーム部 13 ロボットハンド 13a、14f 力トルクセンサ 14、15 操作子 14a〜14d、15a、15b 操作片 14e、18 基部 16a、16b リンク部 17 リンク回転制御部 17a、17b 回動支点 19 支持部 20a、20b、21a、21b 形状記憶部材 20 スレーブ側ロボット 21 触覚センサ 30、30a、30b サーボ演算制御部 31 操作信号処理部 32 ロボットハンド信号処理部 33 学習部 34 機構駆動制御部 35 反力制御部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 嘉数 侑昇 北海道江別市文京台2−18

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】所定の自由度を有する機械系と、 該機械系を任意の状態に動作させる操作手段と、 前記機械系を任意の状態に動作させる際に、前記操作手
    段に印加される力を電気信号として検出する検出手段
    と、 該検出された電気信号と前記機械系の動作との相関関係
    を学習する学習手段と、 該学習手段が有する相関関係に基づいて、前記操作手段
    に印加される力に応答して前記機械系を前記任意の状態
    に動作させるように駆動制御する駆動制御手段と、を具
    備することを特徴とする機械の安定制御装置。
  2. 【請求項2】前記検出手段は、前記操作手段に印加され
    る力を、歪信号として検出する歪検出部を有しているこ
    とを特徴とする請求項1記載の機械の安定制御装置。
  3. 【請求項3】 前記機械系が、マスタ・スレーブ型ロボ
    ットのマスタ側ロボットであることを特徴とする請求項
    1又は2記載の機械の安定制御装置。
  4. 【請求項4】マスタ側ロボットに作用する任意の動作を
    制御信号として伝達し、スレーブ側ロボットに前記任意
    の動作に対応する動作をさせるように駆動制御するマス
    タ・スレーブ型ロボットの制御装置において、 前記スレーブ側ロボットは、干渉物との接触状態を触情
    報として検出する触情報検出手段を具備するとともに、 前記マスタ側ロボットは、請求項1又は2記載の機械の
    安定制御装置を具備し、 前記マスタ側ロボットに設けられた前記操作手段は、前
    記スレーブ側ロボットからの触情報に基づいて、前記操
    作手段に印加される力に対する反力を変化させる反力生
    成部を有していることを特徴とするマスタ・スレーブ型
    ロボットの制御装置。
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