JPH11138347A - ねじ転造ダイスおよびその製造方法 - Google Patents

ねじ転造ダイスおよびその製造方法

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JPH11138347A
JPH11138347A JP30197097A JP30197097A JPH11138347A JP H11138347 A JPH11138347 A JP H11138347A JP 30197097 A JP30197097 A JP 30197097A JP 30197097 A JP30197097 A JP 30197097A JP H11138347 A JPH11138347 A JP H11138347A
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teeth
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die
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JP30197097A
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Kazutoshi Hanami
和敏 花見
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Original Assignee
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 雄ねじを転造加工するねじ転造ダイスをコン
パクトに構成し得るとともに安価に製造できるようにす
る。 【解決手段】 挿通穴12よりも十分に小さい回転工具
(研削ホイール)を軸心まわりに回転駆動しつつ、挿通
穴12の中心線Oまわりに転造加工すべき雄ねじのつる
巻き線に沿って公転させるとともに、その公転の半径を
周期的に増減させることにより、ダイス本体11に多数
の転造歯14を一体に設けるようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はねじ転造ダイスおよ
びその製造方法に係り、特に、ねじ素材が相対的に軸心
まわりに回転させられつつ挿通穴内を軸方向へ送られる
ことにより、その挿通穴の内周面に設けられた多数の転
造歯によって雄ねじを転造加工する転造ダイスおよびそ
の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】(a) 円柱形状のねじ素材を挿通させる挿
通穴を有するダイス本体と、(b) 前記挿通穴の内周面で
あって加工すべき雄ねじと同じピッチのつる巻き線上に
位置するように設けられた多数の転造歯とを有し、(c)
前記ねじ素材が相対的に軸心まわりに回転させられつつ
前記挿通穴内を軸方向へ送られることにより、前記転造
歯がそのねじ素材の外周面に食い込んで雄ねじを転造加
工するねじ転造ダイスが提案されている。特開平9−5
2138号公報に記載されている装置はその一例で、ダ
イス本体と転造歯とが別体に構成され、雌ねじを加工す
る盛上げタップなどを用いて転造歯が構成されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うにダイス本体と転造歯とが別体に構成されていると、
構造が複雑でコンパクトに構成できず、雄ねじを切削加
工するねじ切りダイスに比べて大型になるとともに、コ
スト高になるという問題があった。
【0004】本発明は以上の事情を背景として為された
もので、その目的とするところは、雄ねじを転造加工す
るねじ転造ダイスをコンパクトに構成し得るとともに安
価に製造できるようにすることにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めに、第1発明は、(a) 円柱形状のねじ素材を挿通させ
る挿通穴を有するダイス本体と、(b) 前記挿通穴の内周
面であって加工すべき雄ねじと同じピッチのつる巻き線
上に位置するように設けられた多数の転造歯とを有し、
(c) 前記ねじ素材が相対的に軸心まわりに回転させられ
つつ前記挿通穴内を軸方向へ送られることにより、前記
転造歯がそのねじ素材の外周面に食い込んで雄ねじを転
造加工するねじ転造ダイスであって、(d) 前記多数の転
造歯が前記ダイス本体に一体に設けられていることを特
徴とする。
【0006】第2発明は、第1発明のねじ転造ダイスに
おいて、前記多数の転造歯は、前記挿通穴の内周面であ
ってその挿通穴の中心線まわりに設定された複数の歯部
に、それぞれその中心線と略平行な方向に連続して設け
られているとともに、その中心線まわりにおいて各転造
歯の前後には径寸法が徐々に大きくなる傾斜が付けられ
ており、且つ、前記ねじ素材の挿入側には、その挿通穴
の開口端に向かうに従って転造歯全体の径寸法が徐々に
大きくなる食付き部が設けられていることを特徴とす
る。
【0007】第3発明は、第1発明または第2発明のね
じ転造ダイスにおいて、前記転造歯は、前記挿通穴の中
心線まわりにおける1〜10°の角度範囲に径寸法が等
しいマージンを有することを特徴とする。
【0008】第4発明は、第1発明〜第3発明の何れか
のねじ転造ダイスにおいて、前記転造歯は、前記挿通穴
の中心線まわりにおいて前記ねじ素材の外周面に食い込
むアプローチ側が、その中心線まわりにおいて1°当り
0.002〜0.012mmずつ径寸法が大きくなるよ
うに滑らかに拡径させられていることを特徴とする。
【0009】第5発明は、第1発明〜第4発明の何れか
のねじ転造ダイスにおいて、前記多数の転造歯は、前記
挿通穴よりも小さく且つ前記雄ねじに対応する形状の加
工部が外周部に設けられた回転工具を、軸心まわりに回
転駆動しつつその挿通穴の中心線まわりに前記つる巻き
線に沿って公転させるとともに、その公転の半径を周期
的に増減させることによって形成されていることを特徴
とする。
【0010】第6発明は、(a) 円柱形状のねじ素材を挿
通させる挿通穴を有するダイス本体と、(b) 前記挿通穴
の内周面であって加工すべき雄ねじと同じピッチのつる
巻き線上に位置するように設けられた多数の転造歯とを
有し、(c) 前記ねじ素材が相対的に軸心まわりに回転さ
せられつつ前記挿通穴内を軸方向へ送られることによ
り、前記転造歯がそのねじ素材の外周面に食い込んで雄
ねじを転造加工するねじ転造ダイスの製造方法であっ
て、(d) 前記挿通穴に対応する下穴を有するダイス素材
を用意する素材準備工程と、(e) 前記下穴よりも小さく
且つ前記雄ねじに対応する形状の加工部が外周部に設け
られた回転工具を、軸心まわりに回転駆動しつつその下
穴の中心線まわりに前記つる巻き線に沿って公転させる
とともに、その公転の半径を周期的に増減させることに
より、前記多数の転造歯を形成する転造歯加工工程とを
有することを特徴とする。
【0011】
【発明の効果】第1発明のねじ転造ダイスは、多数の転
造歯がダイス本体に一体に設けられているため、転造歯
を別体に構成してダイス本体に一体的に固設する場合に
比較して、ねじ転造ダイスの構造が簡単になり、例えば
ねじ切りダイスと同程度にコンパクトに構成できるとと
もに、安価に製造できるようになる。
【0012】第2発明では、挿通穴の中心線まわりに複
数の歯部が設定されて、その中心線と略平行な方向に連
続して転造歯が設けられているとともに、各転造歯の前
後には径寸法が徐々に大きくなる傾斜が付けられてお
り、且つねじ素材の挿入側に設けられる食付き部では転
造歯全体の径寸法が徐々に変化しているため、第6発明
の製造方法により挿通穴の内周面に食付き部を含めて多
数の転造歯を簡単に設けることができる。
【0013】第3発明の転造歯は、挿通穴の中心線まわ
りにおける1〜10°の角度範囲にマージンを有するた
め、転造加工精度が安定するとともに工具寿命が向上す
る。
【0014】第4発明では、転造歯のアプローチ側が、
挿通穴の中心線まわりにおいて1°当り0.002〜
0.012mmずつ径寸法が大きくなるように滑らかに
拡径させられているため、転造抵抗を抑制しながら良好
に転造加工を行うことができる。
【0015】第5発明では、回転工具を軸心まわりに回
転駆動しつつ挿通穴の中心線まわりにつる巻き線に沿っ
て公転させるとともに、その公転の半径を周期的に増減
させることによって多数の転造歯が形成されているた
め、ねじ転造ダイスが簡単且つ安価に製造される。
【0016】第6発明でも、実質的に第5発明と同様の
効果が得られ、多数の転造歯がダイス本体に一体に設け
られているねじ転造ダイスが簡単且つ安価に製造される
とともに、このようなねじ転造ダイスによればコンパク
トに構成できる。
【0017】
【発明の実施の形態】ここで、本発明のねじ転造ダイス
は、アルミニウムや真鍮などの軟質のねじ素材に比較的
小径(例えば、M20程度以下)の雄ねじを加工する場
合に好適に適用され、ねじ転造ダイスの材質としてはダ
イス鋼や高速度工具鋼、超硬合金などが好適に用いられ
る。但し、本発明はこれ等に限定されるものではない。
【0018】ねじ転造ダイスの挿通穴は、略円形であっ
ても三角形や正方形などの角形状であっても良い。外周
形状も特に限定されず、円形でも四角形などでも良い。
多数の転造歯は、第2発明のように中心線と略平行な方
向に連続して設けることが望ましいが、例えば中心線ま
わりに144°間隔で設けられるなどつる巻き線に沿っ
た2回転で元の位相に戻るようにしても良いし、特に等
角度間隔でなくても良いなど、転造歯の配置形態は適宜
定められる。第2発明の転造歯は、中心線まわりに等角
度間隔で設けられることが望ましい。
【0019】転造歯のマージンの幅は、第3発明のよう
に1〜10°の角度範囲で設けることが望ましいが、摩
擦抵抗を小さくする上で、ねじ素材の材質によっても異
なるが、歯欠けなどが生じ難い範囲で5°以下の角度範
囲とすることが望ましい。但し、小さくし過ぎると工具
寿命が短くなり、1°以下では、ダイス作製上、また工
具寿命が悪くなるなどのため好ましくない。転造歯のア
プローチ側の傾斜は、例えば第4発明のように定められ
るが、ねじ素材の材質やねじの大きさなどにより適宜設
定される。食付き部における転造歯については、製造上
第2発明のように全体的に径寸法を変化させることが望
ましいが、歯底部分の径寸法は完全山部と同じで単に歯
先を除去した形状であっても良いし、転造時の抵抗を小
さくしたり高い精度で転造加工できるようにしたりする
などのため、種々の形態を採用できる。なお、アプロー
チと反対の逃げ側は、少なくともマージンより大径とさ
れておれば良い。
【0020】第6発明の素材準備工程は、例えば金属製
のダイス素材に下穴を切削加工する切削工程と、その下
穴が形成されたダイス素材に熱処理を施して硬化させる
熱処理工程とを有して構成されるとともに、転造歯加工
工程は、例えば回転工具として砥石または研削ホイール
(CBNホイールなど)を用いて転造歯を研削加工する
ように構成され、その場合は転造歯が高い寸法精度で設
けられる。但し、転造歯をフライスなどで切削加工した
後に硬化熱処理を行う場合でも、その後に研削ホイール
などで歪を修正するようにすれば良い。また、超硬合金
製のねじ転造ダイスは、素材準備工程で下穴を有する超
硬合金のダイス素材を用意し、転造歯加工工程では、ダ
イヤモンドホイールを用いて研削加工すれば良い。転造
歯の表面を、耐摩耗性に優れたTiN、TiCN、或い
はTiAlNなどの硬質被膜で被覆するようにしても良
い。
【0021】上記転造歯加工工程では、マシニングセン
タやグラインディングセンタ等のNC工作機械が好適に
用いられる。回転工具の加工部は、例えば加工すべき雄
ねじのねじ山に対応する凸部と溝底に対応する円筒部或
いは円弧状凹部等とを有して構成され、ダイス素材の下
穴内周面には雄ねじの溝と同一形状の転造歯が形成され
る。回転工具の加工部を、雄ねじのねじ溝に対応する凹
部とねじ山の頂に対応する円筒部或いは円弧状凸部等と
を有して構成することも可能で、その場合もダイス素材
の下穴内周面には雄ねじの溝と同一形状の転造歯が形成
される。なお、ダイス素材の下穴内周面が、転造加工す
べき雄ねじの谷径と同じであれば、回転工具の加工部形
状は、その雄ねじのねじ山に対応する凸形状のみであっ
ても差し支えない。また、転造歯の径寸法が等しい完全
山部については、多山の回転工具を用いて軸方向に連な
る複数の転造歯を同時に加工することもできるなど、複
数種類の回転工具を用いて複数工程で転造歯を加工する
ようにしても良い。
【0022】以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ
詳細に説明する。図1は、本発明の一実施例であるねじ
転造ダイス10を示す図で、(a) は正面図、(b) は(a)
におけるI−I断面を示す図である。このねじ転造ダイ
ス10は、アルミニウムや真鍮などの軟質材にM10×
1.5の雄ねじを加工するためのもので、略円板形状を
成す高速度工具鋼製のダイス本体11によって一体に構
成されており、中央には中心線Oと同心に円形の挿通穴
12が設けられている。挿通穴12の内周面には、加工
すべき雄ねじと同じピッチのつる巻き線上に位置するよ
うに多数の転造歯14が設けられており、円柱形状のね
じ素材16が中心線O上において相対的に軸心(中心線
O)まわりに回転させられつつ挿通穴12内を軸方向へ
送られることにより、転造歯14がねじ素材16の外周
面に食い込んで雄ねじを転造加工する。
【0023】挿通穴12の内周面は、中心線Oまわりに
90°間隔で設けられた4本の円形の油溝18により4
つの歯部20に分断されており、多数の転造歯14は、
それ等4つの歯部20においてそれぞれ中心線Oと平行
な方向に連続して設けられている。また、軸方向におい
てねじ素材16の挿入側、すなわち図1の(b) における
右側には、挿通穴12の開口端に向かうに従って転造歯
14全体の径寸法が徐々に大きくなる食付き部22が設
けられている。食付き部22は、挿通穴12の開口端か
ら2ピッチの範囲に設けられており、その間に存在する
8つの転造歯14の径寸法は、図2に示すように徐々に
小さくなる。図2は、転造歯14が設けられているつる
巻き線に沿って中心線Oまわりに展開した断面図で、0
°の位置が挿通穴12の開口端で、(0) 〜(9) が転造歯
14を表しており、この実施例では展開した状態におい
て直線的に転造歯14の径寸法が小さくされている。な
お、図2および後述の図3(b) では油溝18が省略され
ている。また、食付き部22における転造歯14の径寸
法変化は、中心線Oまわりに展開した状態において放物
線などの曲線に沿って変化するようになっていても良
い。
【0024】上記各転造歯14には、図3に拡大して示
すように挿通穴12の中心線Oまわりにおいて1〜10
°の角度範囲に径寸法が等しいマージン14aが設けら
れているとともに、そのマージン14の前後には径寸法
が徐々に大きくなる傾斜が付けられ、アプローチ部14
bおよび逃げ部14cが設けられている。アプローチ部
14bは、ねじ素材16の外周面に食い込む食い込み側
の部分で、逃げ部14cはその反対側の部分であり、本
実施例では図3(b) に示すように中心線Oまわりに展開
した状態で直線的に径寸法が変化し、複数の歯部20の
中間位置における逃げ寸法dが0.1〜0.5mmの範
囲内となるように定められている。すなわち、中心線O
まわりにおいて約45°の角度範囲で0.1〜0.5m
m大きくなるのであり、1°当りに換算すると0.00
2〜0.012mm程度になる。図3の(a) は中心線O
と直角な断面図で、(b) は中心線Oまわりに展開した断
面図で前記図2に対応する。
【0025】このようなねじ転造ダイス10は、例えば
図4に示す製造方法に従って製造される。工程1では、
図5に示すように円柱形状を成す高速度工具鋼製のダイ
ス素材30に、前記挿通穴12に対応する下穴32およ
び4本の油溝18をドリル等によって切削加工する。下
穴32の径寸法は、転造加工すべき雄ねじの谷径と略同
じかそれより小さい寸法に定められる。また、食付き部
22に相当する部分に、食付き部22に対応するテーパ
面或いは螺旋溝等を設けておくことも可能である。工程
2では、その下穴32や油溝18が形成されたダイス素
材30に熱処理(焼入れ、焼もどし)を行って硬化さ
せ、工程3では、CBNホイール等を用いて上記下穴3
2や食付き部22に対応するテーパ形状等の食付き下穴
を仕上げ研削し、これにより下穴32の内径寸法が転造
加工すべき雄ねじの谷径と一致させられる。これ等の工
程1〜3は素材準備工程に相当する。図5の(a) は正面
図で、(b) は(a) におけるV−V断面図である。
【0026】続く工程4では、マシニングセンタやグラ
インディングセンタ等のNC工作機械を用いて、図6に
示すようにCBNホイールなどの研削ホイール34を軸
心Sまわりに回転駆動しつつ、下穴32の中心線(挿通
穴12の中心線O)まわりに転造加工すべき雄ねじのつ
る巻き線に沿って公転させるとともに、その公転の半径
を前記逃げ寸法dや食付き部22の山数、径寸法変化な
どに応じて周期的に増減させることにより、前記マージ
ン14a、アプローチ部14b、逃げ部14cを有する
多数の転造歯14を連続的に研削加工する。図6の実線
は、研削ホイール34による研削部位のうち中心線Oか
ら最も遠い位置の移動軌跡を表したもので、(0) 〜(11)
は多数の転造歯14に対応し((0) 〜(9) は図2の(0)
〜(9) に対応)、そのうちの(8) までは食付き部22に
位置するものであり、研削部位は(0) から(1) 、(2) ・
・・と実線に沿って右まわりに回転させられつつ、1回
転で1ピッチずつ軸方向へ移動させられる。(11)以降
は、(8) 〜(11)と同じ軌跡で回転させられる。なお、油
溝18部分ではエアカットとなる。
【0027】図7は、研削ホイール34の一例で、その
径寸法は下穴32よりも小さく、転造加工すべき雄ねじ
の外径寸法の0.7〜0.9程度である。また、外周部
の加工部36は、転造加工すべき雄ねじのねじ山に対応
する凸形状を成しており、ダイス素材30の下穴32の
内周面には雄ねじの溝と同一形状の転造歯14が形成さ
れる。この工程4は転造歯加工工程に相当し、研削ホイ
ール34は回転工具に相当する。なお、必要に応じて別
途仕上げ研削などを行うこともできる。
【0028】このような本実施例のねじ転造ダイス10
によれば、多数の転造歯14がダイス本体11に一体に
設けられているため、転造歯14を別体に構成してダイ
ス本体11に一体的に固設する場合に比較して、ねじ転
造ダイス10の構造が簡単になり、例えばねじ切りダイ
スと同程度にコンパクトに構成できるとともに、安価に
製造できるようになる。
【0029】特に、本実施例では挿通穴12の中心線O
まわりに複数の歯部20が設定されて、その中心線Oと
平行な方向に連続して転造歯14が設けられているとと
もに、各転造歯14の前後には径寸法が徐々に大きくな
る傾斜が付けられており、且つねじ素材16の挿入側に
設けられる食付き部22では転造歯14全体の径寸法が
徐々に変化しているため、図4〜図7を参照して説明し
たように研削ホイール34による研削加工により、挿通
穴12の内周面に食付き部22を含めて多数の転造歯1
4を簡単に設けることができる。
【0030】また、上記転造歯14は、中心線Oまわり
における1〜10°の角度範囲にマージン14aを有す
るため、転造加工時の雄ねじの加工精度が安定し、且つ
工具寿命が向上するとともに、転造歯14のアプローチ
部14bには所定の傾斜が設けられているため、転造抵
抗を抑制しながら良好に転造加工を行うことができる。
【0031】また、本実施例ではダイス素材30に下穴
32等を切削加工するとともに硬化熱処理を施した後、
研削ホイール34を用いて転造歯14を研削加工してい
るため、転造歯14が高い寸法精度で設けられる利点が
ある。
【0032】以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳
細に説明したが、これはあくまでも一実施形態であり、
例えば寸法精度面で問題がなければ硬化熱処理前に総て
の加工を完了させても良いなど、本発明は当業者の知識
に基づいて種々の変更,改良を加えた態様で実施するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例であるねじ転造ダイスを示す
図で、(a) は正面図、(b) は(a) におけるI−I断面に
相当する図である。
【図2】図1のねじ転造ダイスの食付き部付近を中心線
Oまわりに展開して示す断面図である。
【図3】図1のねじ転造ダイスの転造歯を説明する図
で、(a) は中心線Oと直角な断面図、(b) は中心線Oま
わりに展開した断面図である。
【図4】図1のねじ転造ダイスの製造方法の一例を説明
する工程図である。
【図5】図4の工程1で製造されるダイス素材を示す図
で、(a) は正面図、(b) は(a) におけるV−V断面図で
ある。
【図6】図4の工程4で転造歯を研削加工する際の研削
ホイールの移動軌跡を説明する図である。
【図7】図6の研削加工で使用する研削ホイールの一例
を示す図である。
【符号の説明】
10:ねじ転造ダイス 11:ダイス本体 12:挿通穴 14:転造歯 16:ねじ素材 20:歯部 22:食付き部 30:ダイス素材 32:下穴 34:研削ホイール(回転工具) 36:加工部 O:中心線

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円柱形状のねじ素材を挿通させる挿通穴
    を有するダイス本体と、 前記挿通穴の内周面であって加工すべき雄ねじと同じピ
    ッチのつる巻き線上に位置するように設けられた多数の
    転造歯とを有し、前記ねじ素材が相対的に軸心まわりに
    回転させられつつ前記挿通穴内を軸方向へ送られること
    により、前記転造歯が該ねじ素材の外周面に食い込んで
    雄ねじを転造加工するねじ転造ダイスであって、 前記多数の転造歯が前記ダイス本体に一体に設けられて
    いることを特徴とするねじ転造ダイス。
  2. 【請求項2】 前記多数の転造歯は、前記挿通穴の内周
    面であって該挿通穴の中心線まわりに設定された複数の
    歯部に、それぞれ該中心線と略平行な方向に連続して設
    けられているとともに、該中心線まわりにおいて各転造
    歯の前後には径寸法が徐々に大きくなる傾斜が付けられ
    ており、且つ、前記ねじ素材の挿入側には、該挿通穴の
    開口端に向かうに従って転造歯全体の径寸法が徐々に大
    きくなる食付き部が設けられていることを特徴とする請
    求項1に記載のねじ転造ダイス。
  3. 【請求項3】 前記転造歯は、前記挿通穴の中心線まわ
    りにおける1〜10°の角度範囲に径寸法が等しいマー
    ジンを有することを特徴とする請求項1または2に記載
    のねじ転造ダイス。
  4. 【請求項4】 前記転造歯は、前記挿通穴の中心線まわ
    りにおいて前記ねじ素材の外周面に食い込むアプローチ
    側が、該中心線まわりにおいて1°当り0.002〜
    0.012mmずつ径寸法が大きくなるように滑らかに
    拡径させられていることを特徴とする請求項1〜3の何
    れか1項に記載のねじ転造ダイス。
  5. 【請求項5】 前記多数の転造歯は、前記挿通穴よりも
    小さく且つ前記雄ねじに対応する形状の加工部が外周部
    に設けられた回転工具を、軸心まわりに回転駆動しつつ
    該挿通穴の中心線まわりに前記つる巻き線に沿って公転
    させるとともに、該公転の半径を周期的に増減させるこ
    とによって形成されていることを特徴とする請求項1〜
    4の何れか1項に記載のねじ転造ダイス。
  6. 【請求項6】 円柱形状のねじ素材を挿通させる挿通穴
    を有するダイス本体と、 前記挿通穴の内周面であって加工すべき雄ねじと同じピ
    ッチのつる巻き線上に位置するように設けられた多数の
    転造歯とを有し、前記ねじ素材が相対的に軸心まわりに
    回転させられつつ前記挿通穴内を軸方向へ送られること
    により、前記転造歯が該ねじ素材の外周面に食い込んで
    雄ねじを転造加工するねじ転造ダイスの製造方法であっ
    て、 前記挿通穴に対応する下穴を有するダイス素材を用意す
    る素材準備工程と、 前記下穴よりも小さいく且つ前記雄ねじに対応する形状
    の加工部が外周部に設けられた回転工具を、軸心まわり
    に回転駆動しつつ該下穴の中心線まわりに前記つる巻き
    線に沿って公転させるとともに、該公転の半径を周期的
    に増減させることにより、前記多数の転造歯を形成する
    転造歯加工工程とを有することを特徴とするねじ転造ダ
    イスの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102179575A (zh) * 2010-05-14 2011-09-14 李仕清 分径导向复合切削板牙

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