JPH11138188A - 有機酸塩含有廃液の好気的分解方法 - Google Patents

有機酸塩含有廃液の好気的分解方法

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JPH11138188A
JPH11138188A JP31247297A JP31247297A JPH11138188A JP H11138188 A JPH11138188 A JP H11138188A JP 31247297 A JP31247297 A JP 31247297A JP 31247297 A JP31247297 A JP 31247297A JP H11138188 A JPH11138188 A JP H11138188A
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JP
Japan
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waste liquid
acid salt
organic acid
containing waste
acid
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JP31247297A
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Takuhei Kimura
拓平 木村
Tsuguhito Itou
世人 伊藤
Takashi Seki
隆志 関
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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    • Y02WCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
    • Y02W10/00Technologies for wastewater treatment
    • Y02W10/10Biological treatment of water, waste water, or sewage

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  • Biological Treatment Of Waste Water (AREA)
  • Activated Sludge Processes (AREA)
  • Purification Treatments By Anaerobic Or Anaerobic And Aerobic Bacteria Or Animals (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 有機酸塩、特にテレフタル酸含有廃液を好気
的に微生物処理する際に、硫酸等の酸の添加によるpHの
調整工程を、低減あるいは不要にする方法を提供する。 【解決手段】 有機酸塩特にテレフタル酸2ナトリウム
含有廃液の連続分解処理過程において、処理時のpHをア
ルカリ条件下(pH7.8〜9.5)に維持することを特徴とす
る有機酸塩含有廃液の好気的分解方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は有機酸塩、特にテレ
フタル酸2ナトリウムを含有する廃液を、好気的に微生
物で分解する、有機酸塩含有廃液の処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリエステル繊維やポリエステルフィル
ムの加工、製造工程などから排出される廃液には、主と
してテレフタル酸とエチレングリコールが含まれる。特
に、ポリエステル繊維の水酸化ナトリウム溶液による減
量加工処理で発生する廃液には、これらが高濃度で含ま
れている。
【0003】現在、このような廃液は活性汚泥法により
一般的に処理されているが、高濃度のままで処理しよう
とするとバルキングを引き起こしやすく、大きな処理槽
の設置・廃液の希釈操作等により汚泥負荷を下げる必要
があり、そのため容積負荷を高くする事ができず、効率
的に処理されているとはいえない。
【0004】従って、高濃度テレフタル酸を分解する微
生物が存在すれば、該廃液を高効率に処理することが可
能となるが、テレフタル酸に限らず、有機酸を好気的に
分解処理すると、pHが著しく上昇するため、中性付近に
生育の最適pHを持つ一般の分解菌は処理能力を失い、さ
らには死滅する場合がある。特に単一の有機酸分解菌で
の培養ではなく、1種以上の非分解菌が存在する混合培
養系の場合は、仮に分解菌が途中で分解を停止し、炭素
数の少ない有機酸を蓄積してpHを中性付近に維持したと
しても、その有機酸を他の非分解菌が代謝するため、結
局pHが分解菌の生育範囲を越えてしまうことになる。そ
こで連続処理を行う場合、一般的には硫酸等の添加によ
りpHを最適条件に調整することになるが、pHの調整は高
価な装置を必要とする上、調整のため大量の酸を添加す
る必要があり、コスト的に負担となる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、有機
酸塩、特にテレフタル酸2ナトリウムを含有する廃液を
連続的に処理する際に、中和工程を低減あるいは省略す
る方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は基本的に
は下記の構成により達成される。即ち本発明は、有機酸
塩含有廃液の連続分解処理過程において、処理時のpHを
最適条件よりも高い状態、すなわちアルカリ条件下に維
持することを特徴とする高濃度テレフタル酸2ナトリウ
ム含有廃液の好気的分解方法である。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の有機酸の好気的分解方法とは、一般的に好気性
微生物による有機酸の分解方法であり、有機酸を分解す
る好気性微生物は、土壌、汚泥などから集積培養及び、
馴養によって得ることができる。特に排水がテレフタル
酸塩等の有機酸塩を含有する処理設備の活性汚泥からは
容易に取得することができる。例としてシュードモナス
sp. C4S(生命工研菌寄15544号)、アルカリゲネス s
p. K1(生命工研菌寄16154号)、ロドコッカス sp. L1
(生命工研菌寄16213号)等が好ましく挙げられるが、
特にこれらに限定されるものではない。
【0008】使用する微生物が高pH条件に耐性であれば
特に問題はないが、一般に各種土壌、汚泥などから得ら
れるテレフタル酸分解菌の最適pHは中性付近にある。例
えば上記の3種のテレフタル酸分解微生物の最適pHは7.0
〜7.6に存在する。テレフタル酸2ナトリウムのような有
機酸塩が分解されると、最終的に炭酸ガスが放出される
ため、液中では炭酸ナトリウムあるいは重曹の形で存在
することになり、pHが上昇する。従って、最適分解速度
を維持するためには硫酸等で、pHを最適条件に調整する
必要がある。本発明は、pHが最適条件よりも高くなれば
なるほどテレフタル酸分解速度は低下するが、高pHであ
っても使用上差し支えない分解速度が維持できれば、pH
が高いほど溶存炭酸ガス濃度が高くなり、pHの上昇が抑
制されるため、酸によりpHを調整しなくても安定したpH
を維持することができることを見出した点に特徴があ
る。本発明における維持するpHは一般的にはpH 7.5〜1
0.5、好ましくはpH 7.8〜9.5、より好ましくはpH 8.0〜
9.2にある。
【0009】分解処理中にpHを上昇させる要因として、
廃液中のテレフタル酸2ナトリウム濃度と通気量があ
る。供給するガスは酸素を含むもので、一般的には空気
を用いる。その他酸素ガス、酸素富化ガスでもよい。通
気量はテレフタル酸濃度に大きく依存し、濃度が高くな
るほど、通気量を上げる必要があるが、通気量を上げる
とpHが上昇するため、テレフタル酸濃度と希釈率(滞留
時間の逆数)が高くなると、全てを分解することができ
なくなる。
【0010】温度条件は、一般に30〜55℃であるが、使
用する微生物により異なるが。温度が高いほど炭酸ガス
の溶解度が下がるため、pHは上昇する傾向にあるが、分
解速度は向上する。従って、好ましくは40〜55℃、より
好ましくは45〜52℃である。
【0011】本発明の効果は、連続処理における滞留時
間が短い時ほど発揮される。通常は10時間以内、好まし
くは2時間〜8時間である。
【0012】本発明で処理される有機酸塩含有廃液は、
廃液中に有機酸塩を含むものであれば特に限定されない
が、テレフタル酸2ナトリウム含有廃液の分解処理に特
に有効である。テレフタル酸2ナトリウム含有廃液と
は、代表的にはテレフタル酸製造工程、ポリエステル系
繊維織物のアルカリ減量加工廃液である。前記廃液に
は、テレフタル酸2ナトリウム以外にエチレングリコー
ル、水酸化ナトリウム、その他の微量無機物、有機物が
含まれるが、これらは本発明の分解処理能力を何ら妨害
するものではない。必要ならば、アンモニア水、硫安、
塩安、リン安、硝酸ナトリウム、硝酸アンモニウム、硝
酸カリウム、肉エキス、酵母エキス、ペプトンなどの有
機・無機窒素源から選ばれた化合物、さらにはマグネシ
ウム塩、カリウム塩、リン酸(塩)、鉄塩、その他の金
属塩などから選ばれた化合物を添加する。
【0013】本発明で処理される廃液は、テレフタル酸
2ナトリウム含有廃液の場合は、好ましくはテレフタル
酸2ナトリウムを0.5%以上含有するものであり、より好
ましくは、0.6%以上、さらに好ましくは、0.8%以上で効
果が顕著に発揮される。一方上限に関しては、高濃度に
なればなるほどナトリウムイオン濃度が高くなるため、
pHの上昇が著しくなる。従って、適正な処理能力を維持
するためには、好ましくは、2.0%以下、より好ましくは
1.5%以下である必要がある。
【0014】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に詳しく説明
する。 [比較例1]テレフタル酸2ナトリウム、1%;硫安、0.1
6%;リン酸、0.016%;硫酸マグネシウム7水和物、0.00
6%;塩化カリウム、0.006%;硫酸第1鉄7水和物、2 pp
mからなる培地(水酸化ナトリウムでpH 7.5に調整)に
各種土壌および汚泥を加え、50℃でフラスコ振盪培養を
行った。生育が認められた後、これを種菌として、集積
培養を繰り返した。2 L 培養槽に前述の培地を1 L 入
れ、この集積培養菌を接種して、pHを硫酸で7.5に制御
しながら、50℃で通気撹拌培養(1 NL/min.、600rpm)
を行った。更に培養液を1 Lに保った状態で、前述の培
地を添加して連続的に1カ月以上培養を続けた。添加培
地の流速が0.4 L/hの時、排出された培養液中のテレフ
タル酸2ナトリウム量を240 nmの吸光度から換算した結
果、常に100 ppm以下であった。この時硫酸の添加量
は、1 g/h(濃硫酸換算)であった。
【0015】[実施例1]温度45℃、撹拌速度500 rpm
で、pH制御を行わないで、比較例1と同様に連続培養を
行った。添加培地の流速を0.1および0.2 L/hとした時
の、通気量の変化に伴うpHの変化とテレフタル酸残存量
を調べた。表1に示すように、通気量が高くなるほどpH
が高くなったが、テレフタル酸2ナトリウムはいずれの
場合も50 ppm以下であった。
【0016】
【表1】
【0017】[実施例2]2 L培養槽に、テレフタル酸2
ナトリウムを1%およびエチレングリコール0.3%を含むポ
リエステルのアルカリ減量加工廃液に無機塩類(硫安、
0.16%;リン酸、0.016%;硫酸マグネシウム7水和物、
0.006%;塩化カリウム、0.006%;硫酸第1鉄7水和物、
2 ppm)を加えた培地を1 L入れ、テレフタル酸塩分解菌
としてアルカリゲネス sp. K1を、エチレングリコール
分解菌としてシュードモナス sp. K4(生命工研菌寄161
56号)を接種して、50℃で通気撹拌培養(0.4 NL/mi
n.、500rpm)を行った。pHは硫酸で7.5に制御した場合
と無制御の場合を行った。更に培養液を1Lに保った状
態で、前述の培地(全有機炭素量が約5,800 ppm)を連
続的に0.2 L/hの流速で添加し、馴養を続けた。排出さ
れた培養液中の全有機炭素量を測定したところ、常に10
0 ppm以下であり、テレフタル酸2ナトリウムおよびエチ
レングリコールがともにほぼ分解されていた。pHを7.5
に制御した場合の硫酸の添加量は、0.5 g/h(濃硫酸換
算)であった。一方pHを制御しない場合のpHは8.4〜8.5
であった。
【0018】
【発明の効果】以上のように、有機酸塩、特に高濃度の
テレフタル酸2ナトリウム含有廃液を好気的に微生物処
理する際に、pHをアルカリ条件とすることで、使用上差
し支えのない処理速度を維持しながら、硫酸等の酸の添
加によるpH調整を不要にすることが可能となる。この結
果、処理に要する費用を著しく低減することができる。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有機酸塩含有廃液の連続分解処理過程に
    おいて、処理時のpHをアルカリ条件に維持することを特
    徴とする有機酸塩含有廃液の好気的分解方法。
  2. 【請求項2】 維持するpHが7.8〜9.5であることを特徴
    とする請求項1記載の有機酸塩含有廃液の好気的分解方
    法。
  3. 【請求項3】 維持するpHが8.0〜9.2であることを特徴
    とする請求項1記載の有機酸塩含有廃液の好気的分解方
    法。
  4. 【請求項4】 有機酸塩がテレフタル酸2ナトリウムで
    ある請求項1〜3のいずれかに記載の有機酸塩含有廃液
    の好気的分解方法。
  5. 【請求項5】 有機酸塩の濃度が0.5%以上であることを
    特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の有機酸塩
    含有廃液の好気的分解方法。
  6. 【請求項6】 連続処理温度が40℃以上であることを特
    徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の有機酸塩含
    有廃液の好気的分解方法。
  7. 【請求項7】 有機酸塩分解微生物がシュードモナス
    属、アルカリゲネス属、ロドコッカス属のいずれかに属
    することを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載
    の有機酸塩含有廃液の好気的分解方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2005089287A (ja) * 2003-08-08 2005-04-07 Ube Ind Ltd セメントの製造方法
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