JPH11136503A - 画像入力装置 - Google Patents

画像入力装置

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JPH11136503A
JPH11136503A JP9293913A JP29391397A JPH11136503A JP H11136503 A JPH11136503 A JP H11136503A JP 9293913 A JP9293913 A JP 9293913A JP 29391397 A JP29391397 A JP 29391397A JP H11136503 A JPH11136503 A JP H11136503A
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signal
pixel
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optical axis
image
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JP9293913A
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English (en)
Inventor
Keiichi Nitta
啓一 新田
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Nikon Corp
Original Assignee
Nikon Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 微小ミラーアレイを光学系に備え、微小ミラ
ーの傾き切替により光学的に領域別に露光時間を制御す
る装置において、微小ミラーの傾きを切り替える際に、
各画素位置の光が、光軸の移動によって、隣接する別の
画素位置に入射し、偽信号の成分が生じるので、入力画
像の品質が低くなる。 【解決手段】 微小可動ミラーの光軸の傾きが中間的な
位置にある時に、光電変換素子の各々に入射する光の露
光量を、偽信号Daとして求め、この偽信号の成分を低
減するように、前記光電変換素子が出力する信号を処理
する、偽信号成分除去処理109を実行する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光学系に微小ミラ
ーアレイを用いた画像入力装置に関し、例えばビデオカ
メラのような画像入力装置に適用しうる。
【0002】
【従来の技術】例えばビデオカメラにおいては、一般
に、レンズ,ミラーなどで構成される光学系を介して、
CCDイメージセンサなどの撮像装置の撮像面に、被写
体からの光を結像し、撮像装置で、光学像を電気信号に
変換して読み取る。この種の画像入力装置において、入
力画像の各フレームの露光時間を決定するシャッター機
能,シェーディング補正などの画像処理は、一般的に、
電気的な処理によって実現される。
【0003】しかし、光学系に微小ミラーアレイを配置
すれば、例えば画素単位で、露光/遮光の切替ができる
ので、微小ミラーアレイを制御して、光学的に、シャッ
ター機能などを実現することができる。微小ミラーアレ
イは、微小ミラーの各々の面の傾きが、2値的にあるい
は複数種類に切り替え制御可能な、多数の微小ミラー
を、例えば2次元配置して構成したものである。この微
小ミラーアレイは、静電吸引力を利用して微小ミラーの
面の傾きを切り替えるものであり、電気的に制御でき
る。
【0004】光学系に微小ミラーアレイを備えた装置で
は、被写体からの光は、画素毎、あるいは領域毎に、光
学系の各微小ミラーで反射して、撮像装置に入射する。
各微小ミラーの傾きを変えると、それの光軸の向きが、
撮像装置の撮像面からずれるので、非露光(遮光)状態
になる。微小ミラーアレイに関する技術は、例えば、
「DIGITAL LIGHT PROCESSING ANDMEMS: TIMELY CONVERG
ENCE FOR A BRIGHT FUTURE (MICROMACHINING AND MICRO
FABRICATION '95 Part of SPIE's Thematic Applied Sc
ience and Engineering Series, 23-24, Oct., 1995)」
に示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】光学系に微小ミラーア
レイを配置して、シャッター機能などを実現する場合、
微小ミラー面の傾き制御は、2値的に実施される。しか
し、例えば微小ミラーの光軸の向きを、ある安定位置A
と別の安定位置Zのいずれかに2値的に切替制御する場
合でも、実際の光軸の向きは、前記安定位置AとZの間
の中間位置B,C,D,E,F,・・・をその並び順に
通過して、Z又はAの位置に到達する。
【0006】例えば、多数の光電変換素子が2次元配置
された撮像装置を用いる場合、各微小ミラーの光軸の、
A−Z間での移動軌跡は、多数の光電変換素子の検出面
を順番に通過して、撮像装置の撮像面を外れた位置に到
達する。撮像装置の各光電変換素子で検出される各画素
と、微小ミラーアレイの各微小ミラーとが、1対1に対
応している場合、例えば1番の微小ミラーの光軸が安定
位置Aにあるときには、1番の微小ミラーを通った光が
1番の画素として撮像装置で検出される。
【0007】そして、例えば1番の微小ミラーの光軸
が、中間位置B,C,D及びEにあるときには、1番の
微小ミラーを通った光が、それぞれ、1番の画素と隣接
する2番,3番,4番及び5番の画素として撮像装置で
検出される。つまり、微小ミラーの光軸が中間位置B,
C,D,E,・・・にあるときは、撮像装置における画
素位置と、被写体上の各位置との間に位置ずれが生じ
る。換言すれば、微小ミラーの光軸が中間位置B,C,
D,E,・・・にあるときは、本来の被写体各部からの
光とは異なる光の成分が撮像装置に入射し、撮像装置で
は偽信号の成分が検出される。
【0008】実際には、微小ミラーの光軸が中間位置
B,C,D,E,・・・にあるときに、撮像装置の各光
電変換素子に入射する光の光量の大小に応じて、撮像装
置で検出される画像信号のレベルが変動するので、露光
時間に比例した正確な画像信号が得られない。また、撮
像装置で検出される偽光成分の大きさは、画素位置に応
じて変化する。例えば、2番の画素位置では、1番の微
小ミラー移動時に入射する偽光成分のみが検出され、3
番の画素位置では、1番と2番の微小ミラー移動時に入
射する偽光成分が検出され、4番の画素位置では、1
番,2番及び3番の微小ミラー移動時に入射する偽光成
分が検出される。
【0009】本発明は、微小ミラーアレイを用いる画像
入力装置において、微小ミラー移動時に生じる偽光成分
の悪影響を軽減し、被写体からの光の強度と露光時間に
応じた正確な画像信号を検出することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1では、複数の光
電変換素子で構成される撮像手段と該撮像手段の撮像面
に光像を導く光学手段を含む画像入力装置において、前
記光学手段に配置され、互いに独立して光軸を制御可能
な複数の微小可動ミラーと、前記複数の微小可動ミラー
の光軸の向きを切り替えるタイミングを調整して前記光
電変換素子の露光時間を制御する露光制御手段と、前記
微小可動ミラーの光軸の傾きが中間的な位置にある時に
前記光電変換素子の各々に入射する、光の露光量を偽信
号として求め、この偽信号の成分を低減するように、前
記光電変換素子が出力する信号を処理する信号補正手段
を設けたことを特徴とする。
【0011】請求項2では、請求項1記載の画像入力装
置において、前記信号補正手段が、撮像手段の出力する
信号の値を、少なくとも1行もしくは1列の画素の全て
について記憶する記憶手段を備え、該記憶手段に記憶さ
れた信号の値に基づいて、各々の画素の信号の値から、
その画素に対して一方向に隣接するかもしくは影響を及
ぼす画素の信号の値と前記微小可動ミラーの動作速度に
応じて算出される偽信号の値を減算して、補正された信
号を各々の画素について出力することを特徴とする。
【0012】請求項3では、請求項2記載の画像入力装
置において、前記信号補正手段が、補正対象画素に対し
て影響を及ぼす各画素の、前記偽信号の補正後の値に基
づいて、前記補正対象画素の偽信号の値を求めることを
特徴とする。
【0013】請求項4では、請求項3記載の画像入力装
置において、前記信号補正手段が、補正対象画素を、前
記微小可動ミラーの光軸の移動軌跡に沿って配列され
る、複数の画素の中から、前記光軸の移動方向に向かっ
て、順番に割り当てることを特徴とする。
【0014】(作用) (請求項1)被写体からの光は、微小可動ミラーを含む
光学手段を介して、撮像手段の撮像面に導かれる。従っ
て、微小可動ミラーの光軸の向きを切り替えることによ
り、撮像手段の各領域に対する露光/遮光(非露光)状
態が切り替わる。
【0015】露光制御手段は、前記複数の微小可動ミラ
ーの光軸の向きを切り替えるタイミングを調整して、前
記光電変換素子の露光時間を制御する。前記微小可動ミ
ラーの光軸の傾きは、制御上は2値的に切り替わるが、
実際の光軸位置は、一方の安定位置から、中間的な位置
を通って、他方の安定位置に移動する。
【0016】光軸が前記中間的な位置にある時に、前記
光電変換素子の各々に入射する光は、その位置に対応付
けられた像の領域と隣接する領域の偽光成分であり、こ
のときに前記光電変換素子の各々に入射する光の露光量
が偽信号になる。信号補正手段は、前記偽信号の成分を
低減するように、前記光電変換素子が出力する信号を処
理する。
【0017】従って、偽信号の成分が低減され、被写体
からの光の強度と露光時間に応じた正確な画像信号を検
出できる。 (請求項2)信号補正手段に設けられた記憶手段は、撮
像手段の出力する信号の値を、少なくとも1行もしくは
1列の画素の全てについて記憶する。信号補正手段は、
前記記憶手段に記憶された1行もしくは1列の各画素の
値に基づいて、各画素の補正結果を求める。
【0018】この補正においては、各々の画素の信号の
値から、偽信号の値を減算する。偽信号の値は、各々の
画素について、その画素に対して一方向に隣接するか、
もしくは影響を及ぼす画素の信号の値(入射光の強さ)
と、前記微小可動ミラーの動作速度(偽光信号の露光時
間)に応じて算出される。各々の画素に隣接する画素及
び影響を及ぼす画素の信号の値は、前記記憶手段に1行
もしくは1列の画素として記憶されるので、補正に必要
な多数の画素の値を同時に参照でき、正確な補正結果が
得られる。
【0019】(請求項3)撮像手段の出力する信号につ
いては、補正対象画素に対して影響を及ぼす各画素のほ
とんどが、他の画素の影響による偽信号を含んでいる。
そこで、信号補正手段は、偽信号の補正が完了した各画
素の値に基づいて、前記補正対象画素の偽信号の値を求
める。これにより、より正確に偽信号の成分を除去でき
る。
【0020】(請求項4)補正対象画素は、信号補正手
段によって、前記微小可動ミラーの光軸の移動軌跡に沿
って配列される、複数の画素の中から、前記光軸の移動
方向に向かって、順番に割り当てられる。通常、光軸の
移動軌跡の最上流位置にある画素については、偽信号成
分は含まれない。また、画素位置が光軸の移動軌跡の上
流から下流に向かうにしたがって、画素の偽信号成分が
増大する。
【0021】光軸の移動方向に向かって、上流側から下
流側に順番に補正対象画素を割り当て、補正対象画素を
割り当てる度に、補正対象画素の補正処理をすることに
より、常に、偽信号の補正が完了した各画素の値を利用
して、補正対象画素の偽信号の値を求めることができ
る。これにより、より正確に偽信号の成分を除去でき
る。
【0022】
【発明の実施の形態】
(第1の実施の形態)この形態における装置の構成と動
作を、図1,図2,図3,図4,図5,図6及び図7に
示す。この形態は、請求項1,請求項2,請求項3及び
請求項4に対応する。
【0023】図1はビデオカメラの主要部を示すブロッ
ク図、図2は図1のビデオカメラにおける走査とミラー
制御を示すタイミングチャート、図3は図1のミラーア
レイドライバ12の詳細を示すブロック図、図4は図1
のマイクロミラーアレイ3と撮像面と被写体からの光の
進行方向を示す模式図、図5は図1のマイクロミラーア
レイ3の各部からの反射光の光軸の向きの変化を示すタ
イムチャート、図6は図1の中央制御回路9のメインル
ーチンを示すフローチャート、図7は図6のステップ1
11のサブルーチンの詳細を示すフローチャートであ
る。
【0024】図1に示すビデオカメラについて、以下に
説明する。このビデオカメラの光学系には、レンズ1,
固定ミラー2,マイクロミラーアレイ3及びイメージセ
ンサ4が備わっている。被写体からの反射光は、図1に
示すように、レンズ1で集光され、固定ミラー2で反射
され、更にマイクロミラーアレイ3で反射されて、イメ
ージセンサ4の撮像面4aに入射する。
【0025】尚、マイクロミラーアレイ3と撮像面4a
との間には、リレーレンズを設置してもよい。この場合
には、マイクロミラーアレイ3で反射された光を、撮像
面4aに効率よく入射させることができる。マイクロミ
ラーアレイ3は、微小な多数の可動ミラー3aを、等間
隔で2次元に配置して構成したものである。可動ミラー
3aの各々は、所定の電極に印加するバイアス電圧のオ
ン/オフにより、面の傾きが2値的に変わる。傾きの変
化量は約10度である。
【0026】可動ミラー3aを動かすために、静電吸引
力を利用している。各々の可動ミラー3aは、例えば矩
形の平板状に形成され、17μmのピッチで等間隔に配
列される。実際には、マイクロミラーアレイ3として、
例えば、テキサスインスツルメンツ社が開発したDMD
(登録商標)が利用できる。
【0027】イメージセンサ4は、CCD素子を内蔵し
た2次元の撮像装置であり、横方向及び縦方向に、それ
ぞれ数百画素程度の分解能を有している。この例では、
マイクロミラーアレイ3の可動ミラー3aの数と、イメ
ージセンサ4の画素数とが同一であり、各々の可動ミラ
ー3aとイメージセンサ4の画素は、図4に示すように
1対1に対応付けられている。
【0028】つまり、マイクロミラーアレイ3の可動ミ
ラー3aの各々の傾きを切り替えることにより、可動ミ
ラー3aの各々で反射された光の光軸の向きが切り替わ
り、イメージセンサ4の各画素に対する露光のオン/オ
フが変化する。イメージセンサ4は、撮像制御回路5に
よって制御され、露光期間に検出された2次元平面(撮
像面4a)の入射光量分布を、時系列のアナログ画像信
号S1として順次に撮像制御回路5に出力する。
【0029】撮像制御回路5は、イメージセンサ4の露
光制御や、イメージセンサ4からの画像信号読みだし制
御のための、様々なタイミング信号を生成するととも
に、イメージセンサ4からのアナログ画像信号S1に対
して、増幅,ノイズ除去などの適当な処理を施してアナ
ログ画像信号S2を生成する。撮像制御回路5が出力す
るアナログ画像信号S2は、A/D変換器6によって、
画素単位でデジタル画像データに変換される。このデジ
タル画像データは、各画素位置で検出された光量レベル
を示す。
【0030】この例では、A/D変換器6における量子
化ビット数が8ビットになっている。つまり、A/D変
換器6が出力する各画素のデジタル画像データは、各々
8ビットである。A/D変換器6が出力するデジタル画
像データは、切替回路10を介してメモリ11に印加さ
れ、メモリ11に一時的に記憶される。メモリ11は、
データの読み書きが可能で、画像の2フレーム以上のデ
ータを記憶可能な容量を有している。メモリ11の内部
は、それぞれ1フレームの記憶領域を有する2つの領域
に区分されている。
【0031】メモリ11上の一方の領域にA/D変換器
6が出力するデジタル画像データを書き込む際には、メ
モリ11上の他方の領域に対して、中央制御回路9がア
クセスすることができ、メモリ11上の一方の領域に中
央制御回路9がアクセスする際には、メモリ11上の他
方の領域に、A/D変換器6が出力するデジタル画像デ
ータを書き込むことができる。
【0032】メモリ11の2つの領域に対して、交互
に、A/D変換器6からのデジタル画像データの書き込
みと、中央制御回路9のアクセスとを実施することによ
り、多数フレームの画像データを、メモリ11を介し
て、連続的に処理することができる。メモリ11に記憶
されたデジタル画像データは、通常、中央制御回路9に
よって周期的に読み出され、所定の処理を受けて、画像
処理回路13に印加される。画像処理回路13は、入力
されるデジタル画像データに対して、例えばコントラス
ト調整などの適当なデジタル画像処理を実施する。
【0033】画像処理回路13で処理されたデジタル画
像データは、D/A変換器8に印加され、アナログ画像
信号、すなわち映像信号に変換されて、D/A変換器8
から出力される。ミラーアレイドライバ12は、これに
予めセットされたデータと、走査位置を示す信号等に基
づいて、マイクロミラーアレイ3の可動ミラー3aの各
々の面の傾きを2値的に制御する。
【0034】アドレスカウンタ7は、撮像制御回路5が
出力する各種タイミング信号に基づいて、現在の走査位
置、つまり現在処理中の画素の水平方向位置と垂直方向
位置を示すアドレス信号を生成する。アドレスカウンタ
7に入力されるタイミング信号には、画像の1フレーム
につき1回出力される垂直同期信号S3と、1走査ライ
ンにつき1回出力される水平同期信号S4と、1画素に
つき1回出力される画素同期信号S5が含まれる。
【0035】アドレスカウンタ7が出力するアドレス信
号は、切替回路10を介してメモリ11のアドレス端子
に印加され、同時にミラーアレイドライバ12にも印加
される。中央制御回路9は、マイクロコンピュータを内
蔵した制御要素であり、図1に示すビデオカメラの全体
の動作を制御する。中央制御回路9のアドレスバスとデ
ータバスは、切替回路10及びミラーアレイドライバ1
2に接続されている。中央制御回路9は、切替回路10
を介して、メモリ11にアクセスできる。
【0036】切替回路10は、中央制御回路9とそれ以
外の回路の、何れがメモリ11の各領域をアクセスする
かを切り替えるために設けてある。切替回路10の状態
は、中央制御回路9により制御される。ミラーアレイド
ライバ12について、図3を参照して説明する。ミラー
アレイドライバ12は、アドレスデコーダ22と、多数
のミラー制御回路23を備えている。ミラー制御回路2
3の数は、マイクロミラーアレイ3の可動ミラー3aの
数と同一である。
【0037】ミラー制御回路23の各々は、ラッチ3
1,比較器32及びフリップフロップ33を備えてい
る。ラッチ31は、8ビットのデータを一時的に保持す
るものであり、8ビットのデータ入力端子と、データ書
き込みの許可/禁止を制御する制御端子を備えている。
ラッチ31のデータ入力端子には、外部からの信号S2
1が印加される。信号S21は、中央制御回路9から、
そのデータバスを介して印加される8ビットデータであ
る。
【0038】比較器32は、2つの9ビット入力端子を
備えるデジタル比較器であり、2つの入力端子の値が一
致するときに一致信号を出力する。比較器32の一方の
入力端子には、ラッチ31の出力するデータが印加さ
れ、他方の入力端子には、信号S22が印加される。比
較器32が扱うデータは9ビットなので、この例では、
ラッチ31の出力する8ビットデータを上位ビットに向
かって1ビットシフトし、9ビットデータに変換してい
る。実際には、ラッチ31の出力と比較器32の入力と
の結線において、各ビット位置を1ビットずらすだけで
ある。
【0039】ミラーアレイドライバ12の比較器32に
印加される信号S22は、アドレスカウンタ7が出力す
るアドレス信号のうち、現在処理中の画素の垂直方向位
置(走査行番号)を示す信号である。フリップフロップ
33は、セット端子とリセット端子を有するRSフリッ
プフロップである。フリップフロップ33のセット端子
には、撮像制御回路5が出力する信号S23が印加され
る。フリップフロップ33のリセット端子には、比較器
32の出力が印加される。
【0040】フリップフロップ33の出力信号S26
は、マイクロミラーアレイ3の可動ミラー3aの1つ
に、バイアス電圧として印加される。従って、フリップ
フロップ33の状態(S26)の変化に応じて、マイク
ロミラーアレイ3の可動ミラー3aの各々の傾きが、2
値的に変化し、これと対応する位置の画素について、イ
メージセンサ4の露光のオン/オフが切り替わる。
【0041】アドレスデコーダ22の一方の入力端子に
は、中央制御回路9のアドレスバスからの信号S24が
印加され、他方の入力端子には、中央制御回路9からの
書き込みのためのタイミング信号S25が印加される。
【0042】アドレスデコーダ22は、信号S24に応
じて、多数のミラー制御回路23の1つを選択し、選択
したミラー制御回路23のラッチ31に、データ書き込
みの許可を与える。選択されないミラー制御回路23の
ラッチ31は、データ書き込みが禁止される。従って、
中央制御回路9は、信号S21,S24,S25を使用
して、ミラー制御回路23の各々のラッチ31に、個別
に8ビットデータを書き込むことができる。
【0043】フリップフロップ33の出力信号S26
は、信号S23によりセットされ、比較器32が出力す
る一致信号によりリセットされる。信号S23がセット
状態の期間、つまり特定の画素に関する露光期間は、比
較器32が一致信号を出力するタイミングに応じて変化
する。比較器32が一致信号を出力するのは、走査位置
の行番号が、ラッチ31の保持する8ビットデータの2
倍(1ビットシフトしているので)と一致するときであ
る。
【0044】図2に示すように、画像走査の各フレーム
において、走査行番号は、1,2,3,4,・・・・と
順に変化するので、信号S23が有効レベル(高レベ
ル)になってから、比較器32が一致信号を出力するま
での時間は、ラッチ31の保持する8ビットデータに応
じて変化する。つまり、ラッチ31に保持するデータを
変えることにより、各フレームの露光期間を、画素単位
で調整できる。実際には、ラッチ31に保持するデータ
を調整して、シャッター動作,シェーディング補正及び
γ補正を光学的に実施する。
【0045】図2の例では、1フレームを構成する有効
な画素の配列が、水平方向に800画素、垂直方向に5
12画素の場合を想定している。走査方式は、ノンイン
ターレースである。また、標準の有効露光期間を、1フ
レーム期間の半分に定めてある。
【0046】露光期間の補正をしないn番目の画素につ
いては、ラッチ31に保持するデータの値を128にセ
ットする。これにより、図2に示すように、1番目から
256番目の走査行までが有効露光期間になる。また、
露光期間を補正するために、m番目の画素について、ラ
ッチ31に保持するデータの値を129にセットする
と、図2に示すように、1番目から258番目の走査行
までが有効露光期間になる。
【0047】この場合、m番目の画素については、標準
の画素に比べて2/256だけ、露光期間が長くなり、
イメージセンサ4が出力する信号S1のレベルが増大す
る方向に補正される。イメージセンサ4が出力する信号
S1のレベルを、標準画素に比べて減少する方向に補正
するときには、対応する画素位置のラッチ31のデータ
の値を128より小さくすればよい。
【0048】この例では、走査タイミングの垂直ブラン
キング期間中に、信号S26をセットし、水平ブランキ
ング期間中に、信号S26をリセットするように制御し
ている。垂直ブランキング期間は、互いに隣接する2つ
の有効フレームの間の、無効な信号が現れる期間であ
り、水平ブランキング期間は、互いに隣接する2つの走
査線の間の、無効な信号が現れる期間である。
【0049】ミラーアレイドライバ12のラッチ31の
各々にデータをセットするための処理を含む、中央制御
回路9の動作の一部分を、図6に示す。中央制御回路9
の動作について、図6を参照して説明する。特に指摘し
ない限り、処理を実行するのは、中央制御回路9のマイ
クロコンピュータである。電源が投入されると、最初に
ステップ101を実行する。ステップ101では、装置
全体の初期化を実行する。ここで、メモリ11の内容は
クリアされる。また、ミラーアレイドライバ12のラッ
チ31の全てに、標準値である128を初期値としてセ
ットする。
【0050】ステップ102では、図示しない開始スイ
ッチがオンするまで待機する。ここで、シェーディング
補正の基準画像を得るために、明るさが均一な白色の基
準板(図示せず)を、被写体としてレンズ1の前面に配
置する必要がある。操作者が、この基準板を所定位置に
配置して、前記開始スイッチをオンにすると、中央制御
回路9の処理は、ステップ102から103に進む。
【0051】ステップ103では、撮像制御回路5に、
撮影をするための所定の制御信号を出力する。これによ
り、被写体である基準板からの反射光による光像が、レ
ンズ1,固定ミラー2及びマイクロミラーアレイ3を通
って、イメージセンサ4で撮影される。そして、イメー
ジセンサ4から得られる画像データを、1フレーム分、
メモリ11に記憶する。
【0052】仮に、光学系等の入力特性が全ての位置で
同じであれば、ステップ103でメモリ11に記憶され
る画像データは、全ての画素について同じ値になる。し
かし、実際には、光学系等の入力特性が位置によって変
わるので、メモリ11に記憶される画像データの値は、
光学系等の入力特性に応じた分布になる。つまり、メモ
リ11に記憶された画像データを参照することで、光学
系等の入力特性が識別できる。
【0053】ステップ104では、1つの画素の露光時
間に関する8ビットデータを生成する。露光時間の基準
値T0は128に定めてある。しかし、シェーディング
補正やγ補正により、補正の必要がある場合には、基準
値T0からずれた値が、露光時間としてセットされる。
ステップ104では、最初にシェーディング補正を実施
し、その後でγ補正を実施する。
【0054】シェーディング補正においては、メモリ1
1に記憶された画像データの1つの画素の値Vxと白レ
ベル基準値Vwとに応じて、次の第1式から補正結果T
1が算出される。 T1=T0(Vw/Vx) ・・・(1) 例えば、画面の周辺部等で光量が不足している場合に
は、画素の値Vxが白レベル基準値Vwよりも小さくな
るので、第1式から、基準値T0よりも大きな値が、シ
ェーディング補正後の露光時間T1としてセットされ
る。
【0055】また、画面の中央部等で光量が過大な場合
には、画素の値Vxが白レベル基準値Vwよりも大きく
なるので、第1式から、基準値T0よりも小さな値が、
シェーディング補正後の露光時間T1としてセットされ
る。シェーディング補正により露光時間T1を調整する
と、光学系等の入力特性の歪みを補正するように、出力
画像の光量分布が修正され、出力画像の光量分布が入射
光の光量分布に近づく。
【0056】γ補正においては、予め定めた変換曲線に
従って、露光時間T1を修正する。この例では、γ補正
のための入力値と出力値との相関を予め記憶したテーブ
ルを、中央制御回路9が内部ROMに保持しているの
で、このテーブルを参照して、露光時間T1の値に対応
するγ補正後の露光時間T2を生成する。図6のステッ
プ105では、ステップ104で生成した露光時間T2
の8ビットデータを、ミラーアレイドライバ12上の対
応画素位置のラッチ31にセットする。つまり、露光時
間T2を信号S21として出力し、現在処理中の画素位
置に対応するアドレス情報を、信号S24として出力
し、書き込み動作のために制御信号S25を出力する。
【0057】ステップ106では、全ての画素に対する
処理が終了したか否かを識別する。終了してなけれぱ、
ステップ104に戻り、処理対象の画素位置を変更し
て、ステップ104及び105の処理を繰り返す。全て
の画素について、ラッチ31への補正後のデータ書き込
みが完了すると、ステップ106から107に進む。
【0058】ステップ107では、図示しない撮影ボタ
ンが押されているか否かを識別する。撮影ボタンが押さ
れている時には、ステップ107から108に進む。ス
テップ108では、内部メモリ上に割り当てた所定のフ
ラグの状態を調べて、撮影動作が開始されているか否か
を識別する。撮影動作を停止している場合には、ステッ
プ108から109に進む。
【0059】ステップ109では、中央制御回路9は、
撮影を開始するための所定の制御信号を、撮像制御回路
5に出力する。また、ステップ108で参照されるフラ
グをセットする。これにより、被写体からの反射光によ
る光像が、レンズ1,固定ミラー2及びマイクロミラー
アレイ3を通って、イメージセンサ4で撮影される。そ
して、イメージセンサ4から得られる画像データの各フ
レームが、メモリ11に順次記憶される。
【0060】ステップ110では、撮像制御回路5が出
力する所定のタイミング信号を監視して、画像のフレー
ム単位の取り込みによって生じる、同期のタイミングか
否かを調べる。A/D変換器6からの画像データが、メ
モリ11に1フレーム分書き込まれる度に、ステップ1
10から111に進む。ステップ111は、画像データ
の1ラインについて、それに含まれる各画素データの偽
信号成分を除去するための処理である。ステップ111
の処理の詳細は、サブルーチンとして、図7に示されて
いる。これについては後述する。
【0061】ステップ112では、ステップ111で補
正処理の終了した1ラインの画像データを、画像処理回
路13に出力する。ステップ113では、1フレームの
画像データの処理が全て終了したか否かを調べる。未処
理の画像データが存在する場合には、ステップ113か
ら111に戻り、1フレームの画像データの処理が全て
終了した時には、ステップ113から107に戻る。
【0062】画像の各フレームにおいて、ステップ11
1と112が繰り返し実行されるので、画像処理回路1
3には、補正の終了した画像データが、1ラインずつ順
次に入力される。次に、画像データ中の偽信号の除去に
ついて説明する。この例では、制御上は、マイクロミラ
ーアレイ3の可動ミラー3aの各々の傾きを、2値的に
切り替える。しかし、実際に可動ミラー3aの各々で反
射された光の光軸の向きは、図4に示すような露光状態
の位置と非露光状態の位置の2種類だけでなく、それら
の中間の位置を通過する。
【0063】実際の可動ミラー3aの光軸の向きは、図
4に示す矢印Xの方向、つまり1つの画像フレームを構
成する各行の、画素の並び方向(ここでは水平方向)に
変化する。可動ミラー3aの傾きが、露光状態から非露
光状態に移行する時の、各光軸の移動軌跡を図5に示
す。なお、図5では、全ての可動ミラー3aについて、
同じタイミングで傾きを切り替える場合を示した。
【0064】図5において、露光期間中は、光軸A(n
+3),A(n+2),A(n+1),A(n),A(n−
1),A(n−2)及びA(n−3)が、それぞれ画素P(n
+3),P(n+2),P(n+1),P(n),P(n−
1),P(n−2)及びP(n−3)の感光範囲に位置決め
される。可動ミラー3aの傾きを切り替えるときには、
例えば、光軸A(n)の位置は、画素P(n),P(n+
1),P(n+2),P(n+3),・・・の感光範囲に、
時間の経過と共に順次に移動する。
【0065】また、例えば画素P(n)の感光範囲につい
ては、可動ミラー3aの傾きを切り替えるときに、光軸
A(n),A(n−1),A(n−2)及びA(n−3)が、時
間の経過と共に順次に位置決めされる。光軸A(n−
1),A(n−2)及びA(n−3)の光は、それぞれ画素
P(n+1),P(n+2)及びP(n+3)に対応する位置
の被写体からの光であるので、光軸A(n−1),A(n
−2)及びA(n−3)が画素P(n)の感光範囲に位置決
めされることは、画素P(n)の位置に、本来のP(n)と
は異なる信号成分、つまり偽信号が現れることを意味す
る。
【0066】なお、各光軸の移動方向Xの始端に位置す
る画素P(n−3)については、光軸A(n−3)より前
に、他の光軸が存在しないので、他の光軸の影響を受け
ることはなく、偽信号は発生しない。また、偽信号の影
響の大きさは、画素の位置に応じて異なる。つまり、画
素の位置が矢印Xの方向に進むにつれて、より多くの光
軸がその位置を通過するため、偽信号の成分が大きくな
る。
【0067】このような偽信号を除去する処理が、図6
のステップ111で実行される。ステップ111の詳細
について、図7を参照して説明する。図7において、特
に指摘しない限り、処理を実行するのは、中央制御回路
9のマイクロコンピュータである。なお、図7におい
て、各ステップ中の矢印は、データを転送する場合の転
送の方向を示す。
【0068】ステップ201では、画像データの1ライ
ンをメモリ11から中央制御回路9の内部メモリに読み
込む。読み込み対象の1ラインの行は、ステップ201
を実行する毎に更新される。また、ステップ201で読
み込む画像データの1ラインは、図4,図5に示す矢印
Xの方向に並ぶ、多数の画素の1行である。ステップ2
02では、内部メモリ上に割り当てたレジスタnの値
を、0にクリアする。なお、レジスタnの値は、補正対
象画素の位置(画素番号)及び影響を受ける他の画素の
数を示す。
【0069】ステップ203では、内部メモリ上に割り
当てたレジスタxに、レジスタnの値を転送(ストア)
する。レジスタxの値は、補正対象画素に対する注目画
素位置のオフセット量を画素数で示す値である。ステッ
プ204では、1ラインの画像データのうち、レジスタ
nの値で特定される1つの画素P(n)の8ビットデータ
(画素の明るさを示す)を入力する。最初は、レジスタ
nの値が0なので、X方向の始端の画素(図5のP(n
−3)に相当)のデータを入力する。
【0070】ステップ205では、内部メモリ上に割り
当てたレジスタDaの値を、0にクリアする。なお、レ
ジスタDaの値は、補正対象画素の偽信号成分の値、あ
るいはそれの計算途中の値を示す。ステップ206で
は、レジスタxの値と0とを比較する。補正対象画素に
影響を及ぼす他の画素が、1つ又は複数存在する場合、
全ての画素の影響量の計算が終了してなければ、ステッ
プ206から207に進む。全ての画素の影響量の計算
が終了すると、ステップ206から209に進む。
【0071】最初の画素を処理する場合には、補正対象
画素P(n)が図5のP(n−3)であり、これに対して影響
を及ぼす他の画素が存在しない(補正の必要がない)。
従って、レジスタxの値が最初から0になり、この場合
には、ステップ206から209に進む。ステップ20
7では、注目画素に影響を及ぼす各画素の偽信号の大き
さを計算し、その結果をレジスタDaに加算する。この
例では、レジスタn,xの値で特定される影響画素P
(n−x)の値に定数kをかけた結果を、偽信号の大きさ
に定めてある。
【0072】ここで、定数kは、補正対象画素に対する
有効な露光期間の大きさと、影響画素P(n−x)に相当
する光軸の移動によって補正対象画素が受ける露光の時
間との比率に相当する。定数kは、例えば0.1に定め
られる。例えば、3番目の画素を補正する場合、レジス
タnの値が3になり、ステップ207の1回目の処理で
は、レジスタxの値が3になる。この場合、補正対象画
素及び影響画素は、それぞれ、図5のP(n)及びP(n
−3)になる。つまり、図5の光軸A(n−3)の影響量
を、ステップ207で計算する。
【0073】なお、この例では、ステップ207で、定
数kを用いて偽信号の大きさを単純に計算している。し
かし、実際の装置においては、撮像装置の各画素位置に
配置されるオンチップマイクロレンズの影響,各画素位
置の光電変換特性の影響,各光軸の移動速度の変化の影
響,γ補正の影響などを考慮して計算することにより、
より精度の高い偽信号の除去が可能である。
【0074】ステップ208では、レジスタxの値を1
つ小さくする。これによって、ステップ207で参照さ
れる影響画素の位置(補正対象画素に対する影響画素の
位置のオフセット量)が更新される。ステップ208を
実行した後、ステップ206に進む。従って、レジスタ
xの値が0になるまで、ステップ207の処理が繰り返
される。例えば、3番目の画素(図5のP(n))を補正
する場合、ステップ207の1回目,2回目及び3回目
の処理で、それぞれ、図5の画素P(n−3),P(n−
2)及びP(n−1)が影響画素として参照され、これら
の影響量の総和が、レジスタDaに保持される。
【0075】ステップ209では、補正対象画素P(n)
の値から、レジスタDaの内容を減算する。つまり、各
光軸が中間的な位置にある光軸の移動中に受けた、露光
量に相当する偽信号の成分(Da)を、補正対象画素P
(n)の値から除去する。ステップ210では、ステップ
209の計算の結果Dnによって、画像データを更新す
る。更新する画像データは、ステップ201で読み込ん
だ、内部メモリ上の1ラインの画像データである。
【0076】ステップ211では、レジスタnの内容を
1つ大きくする。つまり、補正対象画素位置を、それま
での補正対象画素に隣接する画素位置に移動する。ステ
ップ212では、レジスタnの内容と定数Nmaxとを比
較する。定数Nmaxは、1ラインの画像データに含まれ
る画素数である。つまり、1ラインに含まれる全ての画
素の補正が終了したか否かを、ステップ212で識別す
る。終了してなければ、ステップ212から203に戻
り、終了した場合には、図6に示すメインルーチンの処
理に戻る。
【0077】ところで、ステップ207では、偽信号の
成分を、影響画素の値P(n−x)に基づいて計算してい
るが、仮に、影響画素の値P(n−x)が偽信号成分を含
んでいると、正しい結果は得られない。しかし、この例
では、次に説明するように、正しい結果が得られる。図
7の処理では、補正対象画素位置を、図5に示すX方向
に移動しながら、各補正対象画素に対する偽信号の除去
を、順番に実行する。つまり、補正対象画素は、図5に
示すP(n−3),P(n−2),P(n−1),P(n),P
(n+1),P(n+2),P(n+3),・・・の順に変化
する。
【0078】図5に示す画素P(n−3)を処理する場合
には、それに影響を及ぼす画素(光軸)が存在しないの
で、偽信号成分はなく、補正の必要はない。図5に示す
画素P(n−2)を処理する場合には、それに影響を及ぼ
す画素P(n−3)が既に補正処理済みなので、図7のス
テップ207で、正しい計算が実行される。
【0079】図5に示す画素P(n−1)を処理する場合
には、それに影響を及ぼす画素P(n−3)及びP(n−
2)が既に補正処理済みなので、図7のステップ207
で、正しい計算が実行される。上記以外の画素、つま
り、図5に示すP(n),P(n+1),P(n+2),P
(n+3),・・・を補正対象画素とする場合にも、上記
と同様に、図7のステップ207で、正しい計算が実行
される。
【0080】なお、この例では、可動ミラー3aの各々
とイメージセンサ4の各画素とが、1対1に対応付けら
れた場合を説明したが、可動ミラー3aの数を減らし
て、1つの可動ミラー3aで、複数画素の露光/遮光を
切り替えるようにしても良い。その場合にも、補正対象
画素に対して影響を及ぼす画素の影響量を、画素単位で
計算すれば、正しい偽信号成分が求められる。
【0081】(第2の実施の形態)上記形態では、可動
ミラー3aの各々の光軸の移動方向Xが、イメージセン
サ4の行方向の画素の配列方向と一致する場合を想定し
たが、これらが一致しない場合でも、偽信号の補正を実
施できる。この形態では、図8に示すように、光軸A
(z−3),A(z−2),A(z−1),A(z),A(z+
1),A(z+2),A(z+3)の移動方向が、行の画素
の並び方向に対して30度傾いている場合を想定してい
る。
【0082】この形態の装置のハードウェア構成は、光
軸の移動方向の違いを除き、第1の実施の形態と同一で
ある。中央制御回路9の実行する図7の処理が、図9に
示すように変更されているが、それ以外の動作は、第1
の実施の形態と同一である。この実施の形態は、請求項
1及び請求項2に対応する。図9に示すフローチャート
を参照して、各ステップの内容を説明する。図9におい
て、特に指摘しない限り、処理を実行するのは、中央制
御回路9のマイクロコンピュータである。
【0083】ステップ301では、画像データの1ライ
ンをメモリ11から中央制御回路9の内部メモリに読み
込む。読み込み対象の1ラインの行は、ステップ301
を実行する毎に更新される。また、ステップ301で読
み込む画像データの1ラインは、同じ行番号が割り当て
られた多数の画素で構成される1行の画素データであ
り、図8に示すX方向の1行である。
【0084】ステップ302では、内部メモリ上に割り
当てたレジスタn及びmに、それぞれ、0及び現在処理
中の画像データ1ラインの行番号をプリセットする。な
お、レジスタnの値は、補正対象画素の位置(画素番
号)を示す。ステップ303では、1ラインの画像デー
タのうち、レジスタnの値で特定される1つの画素P
(n)の8ビットデータ(画素の明るさを示す)を入力す
る。最初は、レジスタnの値が0なので、X方向の始端
の画素のデータを入力する。
【0085】ステップ304では、内部メモリ上に割り
当てたレジスタDa及びDbの値を、0にクリアする。
なお、レジスタDa,Dbの値は、補正対象画素の偽信
号成分の値、あるいはそれの計算途中の値を示す。ステ
ップ305では、補正対象画素P(n)に対して影響を及
ぼす、他の画素の全てについて、それの影響量の計算が
終了したか否かを識別する。終了してなければ、ステッ
プ305から306に進み、終了したら、ステップ30
5から311に進む。
【0086】ステップ306では、補正対象画素P(n)
が、可動ミラー3aからの反射光の光軸の移動軌跡上に
あるか否かを識別する。例えば、図8において、行番号
がm、列番号がnの画素P(m:n)は、光軸移動軌跡A
(z)上にあるので、これが補正対象画素の場合には、ス
テップ306から309に進む。また、図8において、
行番号がm、列番号がn−1の画素P(m:n−1)は、
光軸移動軌跡A(z)と、光軸移動軌跡A(z+1)との中
間に位置するので、これが補正対象画素の場合には、ス
テップ306から307に進む。
【0087】ステップ307では、補正対象画素P(n)
を通る光軸が存在しないので、補正対象画素P(n)の一
方に隣接する光軸移動軌跡について、各々の影響画素に
関する偽信号の大きさを計算し、その結果をレジスタD
aに加算する。例えば、図8に示す画素P(m:n−1)
が補正対象画素の場合、これの一方に隣接する位置を通
る、光軸移動軌跡A(z)について、計算を実施する。計
算の内容については、例えば、図7のステップ207と
同様で良い。
【0088】ステップ308では、補正対象画素P(n)
を通る光軸が存在しないので、補正対象画素P(n)の他
方に隣接する光軸移動軌跡について、各々の影響画素に
関する偽信号の大きさを計算し、その結果をレジスタD
bに加算する。例えば、図8に示す画素P(m:n−1)
が補正対象画素の場合、これの他方に隣接する位置を通
る、光軸移動軌跡A(z+1)について、計算を実施す
る。計算の内容については、レジスタDaがレジスタD
bに変わる他は、図7のステップ207と同様で良い。
【0089】ステップ309では、補正対象画素P(n)
を通る光軸移動軌跡について、各々の影響画素に関する
偽信号の大きさを計算し、その結果をレジスタDaに加
算する。例えば、図8に示す画素P(m:n)が補正対象
画素の場合、この位置を通る光軸移動軌跡A(z)につい
て、計算を実施する。計算の内容については、例えば、
図7のステップ207と同様で良い。
【0090】ステップ310では、前記ステップ30
7,308及び309で参照される影響画素の位置(補
正対象画素に対する影響画素の位置のオフセット量)が
更新される。ステップ310を実行した後、ステップ3
05に進む。従って、全ての影響画素の処理が完了する
まで、ステップ307及び308、あるいは309の処
理が繰り返される。
【0091】例えば、補正対象画素が図8のP(m:n
−1)の場合、ステップ307では、光軸移動軌跡A
(z)に対応する、画素P(m−1:n−2),P(m−
2:n−4),・・・が、影響画素として順次に参照さ
れ、これらの影響量の総和が、レジスタDaに保持され
る。そして、ステップ308では、光軸移動軌跡A(z
+1)に対応する、画素P(m:n−2),P(m−1:n
−4),・・・が、影響画素として順次に参照され、こ
れらの影響量の総和が、レジスタDbに保持される。
【0092】例えば、補正対象画素が図8のP(m:n)
の場合、ステップ309では、光軸移動軌跡A(z)に対
応する、画素P(m−1:n−2),P(m−2:n−
4),・・・が、影響画素として順次に参照され、これ
らの影響量の総和が、レジスタDaに保持される。ステ
ップ311では、レジスタDbの内容と0を比較する。
補正対象画素P(n)を通る光軸移動軌跡が存在するとき
には、レジスタDbはステップ304でクリアされたま
まである。しかし、補正対象画素P(n)を通る光軸移動
軌跡が存在しないと、ステップ308を実行するので、
レジスタDbの内容は、0より大きい値になる。
【0093】つまり、補正対象画素P(n)を通る光軸移
動軌跡が存在しない場合には、ステップ311から31
2に進み、存在する場合には、ステップ311から31
3に進む。ステップ312では、レジスタDaの値とレ
ジスタDbの値の平均値を求め、その結果をレジスタD
aに保存する。つまり、補正対象画素P(n)を通る光軸
移動軌跡が存在しない場合には、それに隣接する位置を
通る、2つの光軸移動軌跡に関する偽信号の影響量の平
均値を、補正対象画素P(n)に対する偽信号の影響量と
して求める。
【0094】ステップ313では、補正対象画素P(n)
の値から、レジスタDaの内容を減算する。つまり、各
光軸が中間的な位置にある、光軸の移動中に受けた、露
光量に相当する偽信号の成分(Da)を、補正対象画素
P(n)の値から除去する。ステップ314では、ステッ
プ313の計算の結果Dnによって、画像データを更新
する。更新する画像データは、ステップ301で読み込
んだ、内部メモリ上の1ラインの画像データである。
【0095】ステップ315では、レジスタnの内容を
1つ大きくする。つまり、補正対象画素位置を、それま
での補正対象画素に隣接する画素位置に移動する。ステ
ップ316では、レジスタnの内容と定数Nmaxとを比
較する。定数Nmaxは、1ラインの画像データに含まれ
る画素数である。つまり、1ラインに含まれる全ての画
素の補正が終了したか否かを、ステップ316で識別す
る。終了してなければ、ステップ316から303に戻
り、終了した場合には、図6に示すメインルーチンの処
理に戻る。
【0096】なお、この例では光軸の移動軌跡の方向
が、画素の行方向に対して30度傾いている場合を説明
したが、傾きが違う場合でも同様に実施できる。また、
この例では、ビデオカメラの場合について説明したが、
例えば電子カメラなど他の画像入力装置であっても、同
様に本発明を実施しうる。
【0097】
【発明の効果】
(請求項1)偽信号の成分が低減され、被写体からの光
の強度と露光時間に応じた画像信号を検出できる。
【0098】(請求項2)各々の画素に隣接する画素及
び影響を及ぼす画素の信号の値は、記憶手段に1行もし
くは1列の画素として記憶されるので、補正に必要な多
数の画素の値を同時に参照できる。 (請求項3)偽信号の補正が完了した各画素の値に基づ
いて、前記補正対象画素の偽信号の値を求めるので、偽
信号の低減効果が高まる。
【0099】(請求項4)常に、偽信号の補正が完了し
た各画素の値を利用して、補正対象画素の偽信号の値を
求めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ビデオカメラの主要部を示すブロック図であ
る。
【図2】図1のビデオカメラにおける走査とミラー制御
を示すタイミングチャートである。
【図3】図1のミラーアレイドライバ12の詳細を示す
ブロック図である。
【図4】図1のマイクロミラーアレイ3と撮像面と被写
体からの光の進行方向を示す模式図である。
【図5】図1のマイクロミラーアレイ3の各部からの反
射光の光軸の向きの変化を示すタイムチャートである。
【図6】図1の中央制御回路9のメインルーチンを示す
フローチャートである。
【図7】図6のステップ111のサブルーチンの詳細を
示すフローチャートである。
【図8】第2の形態における画素の配列と微小ミラーア
レイからの反射光の光軸の移動軌跡との位置関係を示す
模式図である。
【図9】第2の形態における偽信号成分除去のサブルー
チンを示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 レンズ 2 固定ミラー 3 マイクロミラーアレイ 3a 可動ミラー 4 イメージセンサ 4a 撮像面 5 撮像制御回路 6 A/D変換器 7 アドレスカウンタ 8 D/A変換器 9 中央制御回路 10 切替回路 11 メモリ 12 ミラーアレイドライバ 13 画像処理回路 22 アドレスデコーダ 23 ミラー制御回路 31 ラッチ 32 比較器 33 フリップフロップ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の光電変換素子で構成される撮像手
    段と該撮像手段の撮像面に光像を導く光学手段を含む画
    像入力装置において、 前記光学手段に配置され、互いに独立して光軸を制御可
    能な複数の微小可動ミラーと、 前記複数の微小可動ミラーの光軸の向きを切り替えるタ
    イミングを調整して前記光電変換素子の露光時間を制御
    する露光制御手段と、 前記微小可動ミラーの光軸の傾きが中間的な位置にある
    時に前記光電変換素子の各々に入射する、光の露光量を
    偽信号として求め、この偽信号の成分を低減するよう
    に、前記光電変換素子が出力する信号を処理する信号補
    正手段を設けたことを特徴とする画像入力装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の画像入力装置において、
    前記信号補正手段が、撮像手段の出力する信号の値を、
    少なくとも1行もしくは1列の画素の全てについて記憶
    する記憶手段を備え、該記憶手段に記憶された信号の値
    に基づいて、各々の画素の信号の値から、その画素に対
    して一方向に隣接するかもしくは影響を及ぼす画素の信
    号の値と前記微小可動ミラーの動作速度に応じて算出さ
    れる偽信号の値を減算して、補正された信号を各々の画
    素について出力することを特徴とする画像入力装置。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の画像入力装置において、
    前記信号補正手段が、補正対象画素に対して影響を及ぼ
    す各画素の、前記偽信号の補正後の値に基づいて、前記
    補正対象画素の偽信号の値を求めることを特徴とする画
    像入力装置。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の画像入力装置において、
    前記信号補正手段が、補正対象画素を、前記微小可動ミ
    ラーの光軸の移動軌跡に沿って配列される、複数の画素
    の中から、前記光軸の移動方向に向かって、順番に割り
    当てることを特徴とする画像入力装置。
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JP2013539319A (ja) * 2010-09-30 2013-10-17 アルカテル−ルーセント 時空間積分を使用してビデオの圧縮測定値を生成するための装置および方法

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