JPH11136064A - ノイズフィルタ - Google Patents

ノイズフィルタ

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JPH11136064A
JPH11136064A JP29399197A JP29399197A JPH11136064A JP H11136064 A JPH11136064 A JP H11136064A JP 29399197 A JP29399197 A JP 29399197A JP 29399197 A JP29399197 A JP 29399197A JP H11136064 A JPH11136064 A JP H11136064A
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JP
Japan
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line conductor
conductor coil
coil pattern
signal line
ground
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JP29399197A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Hayashi
洋志 林
Osamu Kamogawa
修 鴨川
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Sumitomo Metal SMI Electronics Device Inc
Original Assignee
Sumitomo Metal SMI Electronics Device Inc
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  • Fixed Capacitors And Capacitor Manufacturing Machines (AREA)
  • Filters And Equalizers (AREA)
  • Coils Or Transformers For Communication (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 広い周波数帯域で大きな減衰特性が得られ、
ICの誤動作を低減することのできる分布定数型ノイズ
フィルタを提供する。 【解決手段】 分布定数型ノイズフィルタにおいて、絶
縁体層の1MHzにおける誘電体損失を0.02以上か
つ0.5以下の範囲とすることにより、1MHz〜1G
Hzの間で反共振点が発生しないので、所定の動作周波
数よりも高周波の帯域においてノイズフィルタのインピ
ーダンスと挿入回路の入力インピーダンスとの差を大き
くすることができる。したがって、広い周波数帯域にお
いて大きな減衰効果を発揮する。さらに、ノイズフィル
タを通過できなかった高周波成分であるノイズは、誘電
体損失の大きな絶縁体層を通過してグランドに流れ込む
とき、絶縁体層で消費されて熱エネルギーに変わので、
グランドに流れ込む電流が小さくなる。したがって、I
Cの電源ラインに流れる電流変動が小さくなり、ICの
誤動作を低減することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ノイズフィルタに
関し、特に広帯域で高周波特性に優れた分布定数型のノ
イズフィルタに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、分布定数型のノイズフィルタ
として、信号ライン導体コイルパターンとグランドライ
ン導体コイルパターンとが実質的に相対するようにセラ
ミックス等の絶縁体層を介し、かつこの絶縁体層を積層
して成るノイズフィルタが知られている。
【0003】このようなノイズフィルタは、信号側のコ
イルとグランド側のコイルとによって発生するインダク
タンス成分、両コイル間に発生する相互インダクタンス
成分、ならびに両コイル間に発生する高いキャパシタン
ス成分によって構成される。このため、上記のノイズフ
ィルタは、複数の共振周波数が得られ、また、所定の減
衰特性が得られる。
【0004】一般に、ノイズフィルタは、除去したい周
波数帯域において、外部回路(挿入回路)のインピーダ
ンス(入力インピーダンス)とノイズフィルタのインピ
ーダンスとの絶対値の差を大きくするように設定してい
る。現在、多用されている分布定数型のノイズフィルタ
のインピーダンスは、周波数1MHzにおいて数十Ω程
度に設計されており、さらに周波数が高くなるにつれて
1000Ω以上になるように設計されている。これに対
して、挿入回路側の入力インピーダンスは、例えば周波
数1MHzにおいて約500Ωであっても、周波数50
〜200MHzにかけて大きく低下し、200〜600
MHzの帯域で入力インピーダンスが100Ω以下にな
る。例えば、100MHzで挿入回路側の入力インピー
ダンスは250Ω程度となり、200MHzで挿入回路
側の入力インピーダンスは100Ω程度となり、400
MHzで挿入回路側の入力インピーダンスは50Ω程度
となる。したがって、分布定数型のノイズフィルタは、
フィルタのインピーダンスと挿入回路の入力インピーダ
ンスとの大きな差により、所定の動作周波数の帯域より
も高周波側に発生する高調波成分を減衰させる作用を発
揮する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、分布定
数型のノイズフィルタは、複数の共振周波数の間の周波
数において、インピーダンスが数十Ω程度に減少する反
共振点が発生することがあった。この反共振点では、ノ
イズフィルタのインピーダンスと挿入回路の入力インピ
ーダンスとの絶対値の差が減少する。このため、反共振
点が発生する周波数帯域における減衰効果が劣化すると
いう問題があった。
【0006】さらに、分布定数型のノイズフィルタにお
いては、低い周波数成分、すなわち必要な信号を通過さ
せ、高い周波数成分、すなわちノイズをグランドに流す
働きをする。このようなノイズフィルタは、ICのゲー
トアレイやクロックの入力端子に挿入され、不要輻射対
策に効果を発揮する。しかし、グランドに流れる電流が
大きすぎると、ICの電源ラインに流れる電流の変動が
大きくなり、ICが誤動作する恐れがあるという問題が
あった。
【0007】さらにまた、分布定数型のノイズフィルタ
においては、グランドに流れ込んだ電流が再びグランド
から流れ出て回路の正常な動作に害を及ぼす恐れがある
という問題があった。本発明は、このような問題を解決
するためになされたものであり、広い周波数帯域で大き
な減衰特性が得られる分布定数型ノイズフィルタを提供
することを目的とする。
【0008】本発明の他の目的は、ICの誤動作を低減
することのできる分布定数型ノイズフィルタを提供する
ことにある。本発明のさらに他の目的は、回路の動作に
悪影響を与えるのを防止することができる分布定数型ノ
イズフィルタを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1記載の
ノイズフィルタによると、複数の絶縁体層を積層して成
る積層体の第1の層間に第1の信号ライン導体コイルパ
ターンと第1のグランドライン導体コイルパターンとを
配置し、第1の層間に隣接する第2の層間に第1のグラ
ンドライン導体コイルパターンと対向する第2の信号ラ
イン導体コイルパターンと、第1の信号ライン導体コイ
ルパターンと対向する第2のグランドライン導体コイル
パターンとを配置し、第1の信号ライン導体コイルパタ
ーンと第2の信号ライン導体コイルパターンとを接続し
て信号ライン導体コイルを形成し、第1のグランドライ
ン導体コイルパターンと第2のグランドライン導体コイ
ルパターンとを接続してグランドライン導体コイルを形
成して成る。このようなノイズフィルタは、分布定数型
ノイズフィルタと呼ばれ、複数の共振周波数を有するた
め、広い周波数帯域で大きな減衰特性を得ることができ
る。
【0010】さらに、絶縁体層は、1MHzにおける誘
電体損失が0.02以上かつ0.5以下の範囲であるの
で、複数の共振周波数の間の周波数において、インピー
ダンスが数十Ω程度に減少する反共振点の発生がなくな
る。このため、ノイズフィルタのインピーダンスと挿入
回路の入力インピーダンスとの絶対値の差を大きくする
ことができる。したがって、複数の共振周波数の間の周
波数帯域で減衰効果が劣化するのを防止することがで
き、広い周波数帯域で大きな減衰特性が得られる。
【0011】上記の理由を以下に説明する。分布定数型
ノイズフィルタの等価回路を図10〜図12に示す。分
布定数型ノイズフィルタは、前述のとおり、信号側のコ
イルL1 、L3 、L5 、L7 とグランド側のコイル
2 、L4 、L6 、L8 とによって発生するインダクタ
ンス成分、両コイル間の相互インダクタンス成分、なら
びに両コイル間に発生する高いキャパシタンス成分によ
って構成される。この両コイル間に発生するキャパシタ
ンス成分を構成するコンデンサC1 、C2 、C3 、C4
をインダクタンスのない理想的なものとすれば、図10
に示すとおりである。しかし、このような理想的なコン
デンサは存在しない。したがって、図11に示すよう
に、両コイル間に発生するキャパシタンス成分を構成す
るコンデンサC11、C12、C13、C14には仮想コイルL
11、L12、L13、L14によるインダクタンスが存在す
る。このインダクタンスとキャパシタンスからなる回路
は、共振回路であるため、共振周波数と反共振周波数が
交互に存在する。この反共振点の存在がノイズフィルタ
の特性に悪影響を与える。
【0012】この反共振点の発生は、図12に示すよう
に、コンデンサC11、C12、C13、C14に抵抗R11、R
12、R13、R14を直列に挿入することで防止することが
できる。この抵抗R11、R12、R13、R14の挿入は、コ
ンデンサC11、C12、C13、C14の内部で発生する損失
の大きな材料を絶縁体層に使用することと等価である。
このコンデンサC11、C12、C13、C14の内部で発生す
る損失は、材料の複素誘電率の損失係数 tanδによって
表示され、この損失係数 tanδは、誘電体損失と定義さ
れる。
【0013】ここで、絶縁体層の1MHzにおける誘電
体損失が0.02未満であると、反共振点の発生を防止
することはできない。また、絶縁体層の1MHzにおけ
る誘電体損失が0.5より大きいと、ノイズをグランド
に流す働きが弱くなり、信号ラインにノイズが残るとい
う悪影響を及ぼす。また、絶縁体層の1MHzにおける
誘電体損失は、0.02以上かつ0.08以下の範囲で
あることが好ましい。
【0014】さらに、絶縁体層の1MHzにおける誘電
体損失が0.02以上であると、低い周波数成分である
必要な信号はノイズフィルタを通過し、ノイズフィルタ
を通過できなかった高周波成分であるノイズは、誘電体
損失の大きな絶縁体層を通過してグランドに流れ込むと
き、その絶縁体層で消費され熱エネルギーに変わる。こ
のため、グランドに流れ込む電流が小さくなるという作
用が生ずる。したがって、ICの電源ラインに流れる電
流変動が小さくなり、ICの誤動作を低減することがで
きる。
【0015】さらにまた、絶縁体層の1MHzにおける
誘電体損失が0.02以上であると、グランドに流れ込
む電流を小さくすることができるので、グランドに流し
た電流が回路の動作に悪影響を与えるのを防止すること
ができる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図面に基
づいて説明する。本発明の一実施例による分布定数型ノ
イズフィルタを図1〜図6に示す。本実施例のノイズフ
ィルタは、図2〜図4に示すように、8層のセラミック
層11、12、13、14、15、16、l7、18が
積層して構成された積層体1と、この積層体1の外表面
に形成した入出力用外部電極6および7とグランド用外
部電極8および9とから主に構成されている。
【0017】積層体1は、ドクターブレード法によって
製造されたBaTiO3 系のセラミックス層11〜18
から成り、それぞれのセラミック層間11と12、12
と13、13と14、14と15、15と16、16と
17、および17と18には、Ag系(Ag単体、Ag
−PdのようなAg合金)材料を主成分とする導体ペー
ストをスクリーン印刷法により形成した信号ライン導体
コイルパターン22〜27、グランドライン導体コイル
パターン32〜36とグランド電極接続パターン31が
形成され、また、各セラミック層13〜17の厚み方向
には、それぞれの信号ライン導体コイルパターン22〜
26の一端部と厚み方向に隣接する信号ライン導体コイ
ルパターン23〜27の他端部を接続するAg系材料に
よるビアホール導体43〜47が形成されている。本ビ
アホール導体もスクリーン印刷法により形成した。ま
た、それぞれのグランドライン導体コイルパターン32
〜35の一端部と厚み方向に隣接するグランドライン導
体コイルパターン33〜36の他端部を接続するAg系
材料によるビアホール導体53〜56が形成されてい
る。ここで、信号ライン導体コイルパターン22、24
および26は、第1の信号ライン導体コイルパターンを
構成し、信号ライン導体コイルパターン23、25およ
び27は、第2の信号ライン導体コイルパターンを構成
する。また、グランドライン導体コイルパターン32、
34および36は、第1のグランドライン導体コイルパ
ターンを構成し、グランドライン導体コイルパターン3
3および35は、第2のグランドライン導体コイルパタ
ーンを構成する。また、セラミック層間12と13、1
4と15、および16と17は、第1の層間を構成し、
セラミック層間13と14、15と16、および17と
18は、第2の層間を構成する。
【0018】本発明品は、例えばドクターブレード法に
よって製造されたセラミック層にビアホール導体を充填
するための穴を開けた後、所定の導体パターンをスクリ
ーン印刷法によって形成し、その印刷されたセラミック
層の熱圧着、部品サイズに切断、約1100℃の大気中
で焼成、外部電極用ペースト塗布、その外部電極の焼き
付け、外部電極のNiメッキ、半田メッキという工程に
よって製造される。
【0019】積層体1は、例えば、図5(A)に示すセ
ラミック層13、15となるシートと、図5(B)に示
すセラミック層14、16となるシートが交互に積層さ
れて構成されている。なお、図5(A)には、セラミッ
ク層13となるシート上に形成された各コイルパターン
を示し、図5(B)には、セラミック層14となるシー
ト上に形成された各コイルパターンを示した。
【0020】図5(A)において、セラミック層13と
なるシート上にセラミック層13と14との層間に配置
される略コ字状の信号ライン導体コイルパターン23
と、その信号ライン導体コイルパターン23とセラミッ
ク層12となるシート上に形成された信号ライン導体コ
イルパターン22とを接続するビアホール導体43と、
略コ字状のグランドライン導体コイルパターン33と、
そのグランドライン導体コイルパターン33とセラミッ
ク層12となるシート上に形成されたグランドライン導
体コイルパターン32とを接続するビアホール導体53
とが形成されている。
【0021】また、図5(B)において、セラミック層
14となるシート上にセラミック層14と15との層間
に配置される略コ字状の形成された信号ライン導体コイ
ルパターン24と、その信号ライン導体コイルパターン
24とセラミック層13となるシート上に形成された信
号ライン導体コイルパターン23とを接続するビアホー
ル導体44と、略コ字状のグランドライン導体コイルパ
ターン34と、そのグランドライン導体コイルパターン
34とセラミック層13となるシート上に形成されたグ
ランドライン導体コイルパターン33とを接続するビア
ホール導体54とが形成されている。
【0022】また、セラミック層17となるシート上に
は、セラミック層17と18との層間に配置される略コ
字状の信号ライン導体コイルパターン26と、その信号
ライン導体コイルパターン26とセラミック層18とな
るシート上に形成された信号ライン導体コイルパターン
27とを接続するビアホール導体47が形成されてい
る。
【0023】また図2に示すように、積層体1の外表面
の両端面には人出力用外部電極6および7が形成され、
積層体1の外表面の両主面には複数のグランド用外部電
極8および9が形成されている。ビアホール導体43〜
47によって接続された信号ライン導体コイルパターン
22〜27の両端である信号ライン導体コイルパターン
22と信号ライン導体コイルパターン27とは、人出力
用外部電極6と人出力用外部電極7とにそれぞれ接続さ
れ、全体として図1に示すように、人出力用外部電極6
と人出力用外部電極7との間に信号ライン導体コイルを
形成する。
【0024】図6(A)に示すように、セラミック層1
2となるシート上には、略N字型のグランドライン導体
コイルパターン32と、略I字型の信号ライン導体コイ
ルパターン22とが形成される。ビアホール導体53〜
56によって接続されたグランドライン導体コイルパタ
ーン32〜36の一端である導体コイルパターン32
は、グランド用外部電極8に接続される。その結果、グ
ランドライン導体コイルパターン36の一端が開放さ
れ、グランドライン導体コイルパターン32の他端がグ
ランド用外部電極8に直接接続され、全体として図1に
示すように、グランドライン導体コイルを形成する。
【0025】さらに、グランド用外部電極9をグランド
ライン導体コイルパターン32〜36と電気的に接続さ
せるため、図6(B)に示すように、グランド用外部電
極8とグランド用外部電極9とを接続する略I字型のグ
ランド電極接続パターン31がセラミック層11となる
シート上に設けられる。この結果、グランド用外部電極
9は、グランド用外部電極8を介して間接的にグランド
ライン導体コイルパターン32〜36と接続される。
【0026】以上の構成により、信号ライン導体コイル
パターン22〜27とグランドライン導体コイルパター
ン32〜36とは、各セラミック層13〜17の厚みを
介して静電容量を発生させるため、コイルとコンデンサ
とを一素子内に分布的に存在させた分布定数型ノイズフ
ィルタが得られる。なお、積層体の絶縁体層は、BiT
iO3 系セラミックスを使用したが、この他、アルミ
ナ、TiO2 、Mn−Zn、Ni−Zn等のセラミック
ス、または樹脂材料を使用できる。また、コイル用導体
はAg系材料を使用したが、PdやCu系材料等も使用
できる。
【0027】ここで、本発明の特徴的なところは、絶縁
体層の1MHzにおける誘電体損失が0.02以上かつ
0.5以下の範囲であることである。本実施例において
は、絶縁体層を構成するBiTiO3 系セラミックスを
1MHzにおける誘電体損失が0.02以上かつ0.5
以下の範囲にあるものを用いた。
【0028】次に、上記のように構成した分布定数型ノ
イズフィルタの1MHzにおける誘電体損失と1MHz
〜1GHzの間におけるインピーダンスとを調べた。結
果を表1および図7に示す。
【0029】
【表1】
【0030】表1および図7に示した本実施例の測定結
果は、HP製インピーダンスメータ4192Aで誘電体
損失の測定を行い、HP製ネットワークアナライザ87
53Cで、入出力インピーダンス50ΩのときのS11
パラメータを測定することでインピーダンスの測定を行
った。本実施例の絶縁体層の1MHzにおける誘電体損
失は0.024であった。また、図7に示すように、本
実施例の1MHz〜1GHzの間におけるインピーダン
スは1000Ω以上であり、1MHz〜1GHzの間に
反共振点は存在しなかった。
【0031】次に、絶縁体層の1MHzにおける誘電体
損失を0.0008とした比較例1と、絶縁体層の1M
Hzにおける誘電体損失を0.012とした比較例2と
の1MHz〜1GHzの間におけるインピーダンスの測
定を行った。比較例1および比較例2は、本実施例と同
一構成であり、1MHzにおける誘電体損失のみが本実
施例と異なる材料の絶縁体層を用いた。また、本実施例
と同一の測定装置を用いて誘電体損失とインピーダンス
の測定を行った。結果を表1と、図8および図9とに示
す。
【0032】図8に示すように、比較例1は、700M
Hz近傍においてインピーダンスが100Ω未満に低下
している。また図9に示すように、比較例2は、600
MHz近傍においてインピーダンスが100Ω未満に低
下している。したがって、比較例1および比較例2は、
1MHz〜1GHzの間に反共振点が存在する。以上説
明した本発明の一実施例では、絶縁体層の1MHzにお
ける誘電体損失を0.02以上かつ0.5以下の範囲と
することにより、1MHz〜1GHzの間で反共振点が
発生しないので、所定の動作周波数よりも高周波の帯域
においてノイズフィルタのインピーダンスと挿入回路の
入力インピーダンスとの差を大きくすることができる。
したがって、広い周波数帯域において大きな減衰効果を
発揮する。さらに、ノイズフィルタを通過できなかった
高周波成分であるノイズは、誘電体損失の大きな絶縁体
層を通過してグランドに流れ込むとき、絶縁体層で消費
されて熱エネルギーに変わので、グランドに流れ込む電
流が小さくなる。したがって、ICの電源ラインに流れ
る電流変動が小さくなり、ICの誤動作を低減すること
ができる。さらにまた、グランドに流れ込む電流を小さ
くすることにより、グランドに流した電流が回路の動作
に悪影響を与えるのを防止することができる。
【0033】本実施例では、積層体1の外表面の両主面
に複数のグランド用外部電極8および9を形成したが、
本発明では、積層体の外表面の両端面に複数のグランド
用外部電極を形成してもよいし、積層体の外表面の一主
面あるいは一端面に一つのグランド用外部電極を形成し
てもよい。また本実施例では、積層体1の外表面の両端
面に人出力用外部電極6および7が形成したが、本発明
では、積層体の外表面の両主面に人出力用外部電極を形
成してもよい。
【0034】また本実施例では、グランド用外部電極8
とグランド用外部電極9とを接続する導体パターン31
をセラミック層11となるシート上に形成したが、本発
明では、複数のグランド用外部電極を接続する導体パタ
ーンを積層体の外表面に形成してもよい。また本発明で
は、積層体の積層構造あるいは積層数を任意に変更する
ことは可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例によるノイズフィルタの実体
的な各コイルパターンの接続状態を示す概略図である。
【図2】本発明の一実施例によるノイズフィルタの外観
斜視図である。
【図3】本発明の一実施例によるノイズフィルタの平面
図である。
【図4】図3のIV−IV線断面図である。
【図5】本発明の一実施例のシートのコイルパターンを
示す概略平面図である。
【図6】本発明の一実施例のシートのコイルパターンを
示す概略平面図である。
【図7】本発明の一実施例によるノイズフィルタのイン
ピーダンス周波数特性を示すデータ図である。
【図8】比較例1のインピーダンス周波数特性を示すデ
ータ図である。
【図9】比較例2のインピーダンス周波数特性を示すデ
ータ図である。
【図10】従来のノイズフィルタの等価的な回路図であ
る。
【図11】従来のノイズフィルタの実際に近い等価的な
回路図である。
【図12】本発明のノイズフィルタの等価的な回路図で
ある。
【符号の説明】
1 積層体 6、7 入出力用外部電極 8、9 グランド用外部電極 11〜18 セラミック層 22、24、26 信号ライン導体コイルパターン
(第1の信号ライン導体コイルパターン) 23、25、27 信号ライン導体コイルパターン
(第2の信号ライン導体コイルパターン) 31 グランド電極接続パターン 32、34、36 グランドライン導体コイルパタ
ーン(第1のグランドライン導体コイルパターン) 33、35 グランドライン導体コイルパターン
(第2のグランドライン導体コイルパターン) 43〜47 ビアホール導体 53〜56 ビアホール導体

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の絶縁体層を積層して成る積層体の
    第1の層間に第1の信号ライン導体コイルパターンと第
    1のグランドライン導体コイルパターンとを配置し、 前記第1の層間に隣接する第2の層間に前記第1のグラ
    ンドライン導体コイルパターンと対向する第2の信号ラ
    イン導体コイルパターンと、前記第1の信号ライン導体
    コイルパターンと対向する第2のグランドライン導体コ
    イルパターンとを配置し、 前記第1の信号ライン導体コイルパターンと前記第2の
    信号ライン導体コイルパターンとを接続して信号ライン
    導体コイルを形成し、 前記第1のグランドライン導体コイルパターンと前記第
    2のグランドライン導体コイルパターンとを接続してグ
    ランドライン導体コイルを形成して成るノイズフィルタ
    であって、 前記絶縁体層は、1MHzにおける誘電体損失が0.0
    2以上かつ0.5以下の範囲であることを特徴とするノ
    イズフィルタ。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010019865A (ja) * 2009-10-29 2010-01-28 Mitsubishi Electric Corp 周波数特性評価装置、tdr波形測定器、および周波数特性評価装置用のプログラム

Cited By (1)

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JP2010019865A (ja) * 2009-10-29 2010-01-28 Mitsubishi Electric Corp 周波数特性評価装置、tdr波形測定器、および周波数特性評価装置用のプログラム

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