JPH1113485A - ガスタービンエンジンの潤滑装置 - Google Patents

ガスタービンエンジンの潤滑装置

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JPH1113485A
JPH1113485A JP16403797A JP16403797A JPH1113485A JP H1113485 A JPH1113485 A JP H1113485A JP 16403797 A JP16403797 A JP 16403797A JP 16403797 A JP16403797 A JP 16403797A JP H1113485 A JPH1113485 A JP H1113485A
Authority
JP
Japan
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turbine engine
gas turbine
lubricating oil
lubricating
oil pressure
Prior art date
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Application number
JP16403797A
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English (en)
Inventor
Hiroyuki Ichikawa
浩之 市川
Hirotaka Kumakura
弘隆 熊倉
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Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ガスタービンエンジンの潤滑装置において、
潤滑油圧低下時を的確に判定する。 【解決手段】 電動モータ5によって駆動されるオイル
ポンプ4から吐出される潤滑油をガスタービンエンジン
20に循環させる潤滑装置において、電動モータ5に供
給される駆動電流Iを検出する電流センサ11と、駆動
電流Iが低下する変化率ΔIを算出する電流変化率計算
回路12とを備え、電流変化率ΔIがしきい値fを超え
て上昇する潤滑油圧低下時を判定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガスタービンエン
ジンの潤滑装置の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ガスタービンエンジンのタービン軸は高
速で回転するため、その軸受部等に供給される潤滑油量
の不足を的確に判定する必要がある。
【0003】従来、この種のガスタービンエンジンの潤
滑装置として、図7に示すようなものがある。
【0004】これについて説明すると、図中1は潤滑油
を貯溜するオイルパンであり、4は電動モータ5により
駆動されるオイルポンプである。オイルパン1に貯溜さ
れた潤滑油は、オイル供給配管2を通り、オイルポンプ
4を介して吸い上げられる。オイルポンプ4から吐出さ
れる潤滑油は、オイル供給配管2を通り、オイルクーラ
9を経てガスタービンエンジン20の潤滑部に送られ
る。ガスタービンエンジン20を潤滑した潤滑油はオイ
ル戻り配管3を通ってオイルパン1へと戻される。オイ
ルポンプ4から吐出した余剰オイルはレギュレータ8を
介してオイルポンプ4の吸込側へと戻され、オイルポン
プ4の吐出圧が所定値以下に保たれる。
【0005】コントロールユニット7はエンジン運転条
件を検出する各種信号を入力し、エンジン運転条件に応
じて燃料噴射量や補機類の作動を制御するとともに、オ
イルポンプ4の作動を制御する。
【0006】図9に示すように、オイルポンプ4からガ
スタービンエンジン20に供給される潤滑油圧は、外気
温度や始動後の運転時間等の条件に応じて変動するが、
所定値(0.2kg/cm2)より高く保たれることに
より、ガスタービンエンジン20の潤滑部に供給される
潤滑油量が不足しないようになっている。
【0007】ガスタービンエンジン20の潤滑油を取り
入れるオイル入口に圧力スイッチ10が設置される。圧
力スイッチ10は潤滑油圧が所定値(0.2kg/cm
2)以下でオンとなり、潤滑油圧が所定値を超えて上昇
するとオフになる。
【0008】コントロールユニット7は、圧力スイッチ
10によって検出される潤滑油圧が所定値(0.2kg
/cm2)以下となる潤滑油圧低下時を判定し、潤滑油
圧低下に伴ってガスタービンエンジン20の潤滑部に供
給される潤滑油量が不足することに対応してガスタービ
ンエンジン20の運転を制御するようになっている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところで、図8に示す
ように、オイルポンプ4とガスタービンエンジン20の
オイル入口を結ぶ配管中にエアー混入がなければ、オイ
ルポンプ4の吐出圧低下に伴ってオイル入口の油圧が顕
著に低下するので、オイル入口に設置された圧力スイッ
チ10はこれを瞬時に検知して、ガスタービンエンジン
20に供給される潤滑油量が不足する状態を的確に判定
することができる。
【0010】すなわち、オイルパン1内の潤滑油量不足
やオイルパン1の傾きによってオイル供給配管2の吸込
口が潤滑油面上に露出して、オイル供給配管2に空気が
混入する場合、オイルポンプ4とオイル入口を結ぶ配管
中にエアー混入がなければ、オイル入口に設置された圧
力スイッチ10はこれを瞬時に検知できる。
【0011】しかし、オイルポンプ4とオイル入口を結
ぶ配管中にエアー混入がある場合、配管中に混入したエ
アーがダンパーの働きをして、オイルポンプ4の吐出圧
低下はすぐにオイル入口に設置された圧力スイッチ10
まで到達せず、ガスタービンエンジン20に供給される
潤滑油量は不足する状態を的確に判定できない。このた
め、圧力スイッチ10によって検出される潤滑油圧に応
じてガスタービンエンジン20の運転が制御された場
合、ガスタービンエンジン20の潤滑部に供給される潤
滑油量が不足することに対応できない可能性がある。
【0012】本発明は上記の問題点を鑑みてなされたも
のであり、ガスタービンエンジンの潤滑装置において、
潤滑油圧低下時を的確に判定することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載のガスタ
ービンエンジンの潤滑装置は、電動モータによって駆動
されるオイルポンプを備え、オイルポンプから吐出され
る潤滑油をガスタービンエンジンの潤滑部に循環させる
ガスタービンエンジンの潤滑装置において、前記電動モ
ータに供給される駆動電流Iを検出する駆動電流検出手
段と、電動モータの駆動電流Iが低下する変化率ΔIを
算出する電流変化率算出手段と、電流変化率ΔIがしき
い値fを超えて上昇する潤滑油圧低下時を判定する潤滑
油圧低下時判定手段とを備えるものとした。
【0014】請求項2に記載のガスタービンエンジンの
潤滑装置は、請求項1に記載の発明において、前記オイ
ルポンプの吐出圧を検出する吐出圧検出手段を備え、オ
イルポンプの吐出圧が所定値を超えて上昇した後に前記
駆動電流変化率ΔIに基づく潤滑油圧低下時の判定を行
うものとした。
【0015】請求項3に記載のガスタービンエンジンの
潤滑装置は、請求項1に記載の発明において、前記ガス
タービンエンジンの起動後所定時間tが経過した後に前
記駆動電流変化率ΔIに基づく潤滑油圧低下時の判定を
開始するものとした。
【0016】請求項4に記載のガスタービンエンジンの
潤滑装置は、請求項1から3のいずれか一つに記載の発
明において、前記潤滑油圧低下時を判定するしきい値f
Tを潤滑油温度が上昇するのに伴って小さくなるように
設定するものとした。
【0017】請求項5に記載のガスタービンエンジンの
潤滑装置は、請求項1から4のいずれか一つに記載の発
明において、前記駆動電流変化率ΔIが所定時間内にし
きい値fを超えて上昇する回数nを計測し、計測された
回数nが設定値Nを超える運転時を潤滑油圧低下時と判
定するものとした。
【0018】請求項6に記載のガスタービンエンジンの
潤滑装置は、請求項5に記載の発明において、前記ガス
タービンエンジンの負荷が上昇するのに伴って前記設定
値Nを減少させるものとした。
【0019】請求項7に記載のガスタービンエンジンの
潤滑装置は、請求項1から6のいずれか一つに記載の発
明において、前記潤滑油圧低下時と判定された場合にガ
スタービンエンジンの運転を停止するものとした。
【0020】
【発明の作用および効果】請求項1に記載のガスタービ
ンエンジンの潤滑装置において、オイルパン内の潤滑油
量不足やオイルパンの傾きによってオイル供給配管の吸
込口が潤滑油面上に露出して、オイル供給配管に空気が
混入してタービンエンジンに供給される潤滑油量は急激
に低下するような場合に、電動モータの駆動電流Iは急
激に低下する。
【0021】本発明は、電動モータの電流変化率ΔIが
しきい値fを超えて上昇する潤滑油圧低下時を判定する
ことにより、ガスタービンエンジンに供給される潤滑油
量が不足する運転状態を的確に判定することが可能とな
る。この結果、ガスタービンエンジンに供給される潤滑
油量の低下に対応したガスタービンエンジンの運転制御
が行われ、ガスタービンエンジンの耐久性等を維持する
ことができる。
【0022】請求項2に記載のガスタービンエンジンの
潤滑装置において、オイルポンプの吐出圧が所定値を超
えて上昇した後に駆動電流変化率ΔIに基づく潤滑油圧
低下時の判定を行うことにより、ガスタービンエンジン
の起動時に何らかの原因でオイル供給配管に空気が混入
するような場合を誤って潤滑油圧低下時と判定すること
が避けられる。
【0023】請求項3に記載のガスタービンエンジンの
潤滑装置において、ガスタービンエンジンの起動後に所
定時間tが経過した後に駆動電流変化率ΔIに基づく潤
滑油圧低下時の判定を開始することにより、ガスタービ
ンエンジンの起動時に何らかの原因でオイル供給配管に
空気が混入するような場合に潤滑油圧低下時の判定が遅
れることを抑えられる。
【0024】すなわち、従来装置では、オイルポンプと
ガスタービンエンジンのオイル入口間の配管中にエアー
が混入する場合、イグニッションスイッチをONにして
から油圧が所定値まで上昇するのにかかる時間が、配管
中にエアーが混入しない場合に比べて長くなるうえに、
油圧上昇中にオイルパン内のオイル吸い込み口からエア
ーを吸い込んだ場合、供給油量低下の判定が遅れる。
【0025】このような場合に、供給油量低下の判定を
速やかに行うため、ガスタービンエンジンの起動後に所
定時間tが経過した後に駆動電流変化率ΔIに基づく潤
滑油圧低下時の判定を開始するのである。
【0026】請求項4に記載のガスタービンエンジンの
潤滑装置において、駆動電流変化率ΔIが潤滑油温度が
上昇するのに伴って小さくなることに対応して、潤滑油
圧低下時を判定するしきい値fTを潤滑油温度が上昇す
るのに伴って小さくなるように設定することにより、ガ
スタービンエンジンの潤滑部に供給される潤滑油量が不
足する潤滑油圧低下時を的確に判定できる。
【0027】請求項5に記載のガスタービンエンジンの
潤滑装置において、所定時間内に駆動電流変化率ΔIが
しきい値fを超えて上昇する回数nが設定値Nを超える
運転時を潤滑油圧低下時と判定することにより、外部か
らのノイズや、運転上問題とならない瞬間的に潤滑油圧
が低下するような場合を誤って潤滑油圧低下時と判定す
ることを回避できる。
【0028】請求項6に記載のガスタービンエンジンの
潤滑装置において、ガスタービンエンジンの負荷が上昇
するのに伴って前記設定値Nを減少させることにより、
ガスタービンエンジンの負荷変動に影響されることな
く、ガスタービンエンジンの潤滑部に供給される潤滑油
量が不足する運転状態を的確に判定することが可能とな
る。
【0029】請求項7に記載のガスタービンエンジンの
潤滑装置において、潤滑油圧低下時と判定された場合
に、ガスタービンエンジンの運転を停止することによ
り、ガスタービンエンジンの二次故障等を防止できる。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を添付図
面に基づいて説明する。
【0031】図1はガスタービンエンジン20に配設さ
れる潤滑装置の構成図である。図中1は潤滑油を貯溜す
るオイルパンであり、4は電動モータ5により駆動され
るオイルポンプである。オイルパン1に貯溜された潤滑
油は、オイル供給配管2を通り、オイルポンプ4を介し
て吸い上げられる。オイルポンプ4から吐出される潤滑
油は、オイル供給配管2を通り、オイルクーラ9を経て
ガスタービンエンジン20の潤滑部に送られる。オイル
クーラ9は潤滑油の放熱を促し、潤滑油を冷却するよう
になっている。ガスタービンエンジン20から排出され
る潤滑油はオイル戻り配管3を通ってオイルパン1に戻
される。
【0032】オイル供給配管2のオイルポンプ4より下
流側と上流側を結ぶ圧力レギュレータ8が介装される。
圧力レギュレータ8はオイルポンプ4の吐出圧が所定値
を超えて上昇すると開弁し、オイルポンプ4から吐出し
た余剰オイルをオイルポンプ4の吸込側へと戻すこと
で、オイルポンプ4の吐出圧を所定値以下に保つように
なっている。
【0033】コントロールユニット7はエンジン運転条
件を検出する各種信号を入力し、エンジン運転条件に応
じて燃料噴射量や補機類の作動を制御するとともに、オ
イルポンプ4の作動を制御する。
【0034】ガスタービンエンジン20の潤滑油を取り
入れるオイル入口に圧力スイッチ10が設置される。圧
力スイッチ10は潤滑油圧が所定値(0.2kg/cm
2)以下でオンとなり、潤滑油圧が所定値を超えて上昇
するとオフになる。
【0035】コントロールユニット7は、圧力スイッチ
10によって検出される潤滑油圧が所定値(0.2kg
/cm2)以下となる潤滑油圧低下時を判定し、潤滑油
圧低下に伴ってガスタービンエンジン20の潤滑部に供
給される潤滑油量が不足することに対応してガスタービ
ンエンジン20の運転が制御され、二次故障等の発生を
防止するようになっている。
【0036】ところで、オイルパン1内の潤滑油量不足
やオイルパン1の傾きによってオイル供給配管2の吸込
口が潤滑油面上に露出して、オイル供給配管2に空気が
混入するような場合、図3に示すように、ガスタービン
エンジン20の潤滑部に供給される潤滑油圧は経過時間
に応じて徐々に低下するものの、実際にガスタービンエ
ンジン20に供給される潤滑油量は急激に低下する傾向
がある。このため、圧力スイッチ10によって検出され
る潤滑油圧に応じてガスタービンエンジン20の運転が
制御された場合、ガスタービンエンジン20に供給され
る潤滑油量が不足することに対応できない可能性があ
る。
【0037】本発明はこれに対処して、オイルポンプ4
を駆動する電動モータ5に供給される駆動電流Iを検出
し、電動モータ5の駆動電流Iが低下する変化率ΔIが
しきい値fを超えて上昇するかどうかを判定し、駆動電
流Iの変化率ΔIがしきい値fを超えて上昇する運転時
をガスタービンエンジン20の潤滑部に供給される潤滑
油量が不足する潤滑油圧低下時と判定する。
【0038】コントロールユニット7は電動モータ5の
駆動電流を制御する駆動電流制御回路6を備える。駆動
電流制御回路6を介して電動モータ5に供給される電流
Iを検出する電流センサ(駆動電流検出手段)11が設
けられる。エンジン制御回路7は、電流センサ11の信
号を入力して電動モータ5の駆動電流Iが低下する変化
率ΔIを計算する回路(電流変化率算出手段)12を備
える。
【0039】図2のフローチャートは上記潤滑油圧低下
時を判定するルーチンを示しており、コントロールユニ
ット7において一定周期毎に実行される。
【0040】これについて説明すると、まずステップ6
にて圧力スイッチ10がオフかどうかを判定する。
【0041】圧力スイッチ10がオフとなり潤滑油圧が
所定値(0.2kg/cm2)より高い場合、ステップ
7に進んで油圧スイッチ10がオンとなるかどうかを判
定する。
【0042】ここで、圧力スイッチ10がオフからオン
に切り替わった場合、ステップ9に進んで潤滑油圧低下
時と判定する。
【0043】一方、圧力スイッチ10がオフのままの場
合、ステップ8に進んで電動モータ5の駆動電流Iが低
下する変化率ΔIがしきい値fを超えて上昇するかどう
かを判定する。
【0044】駆動電流Iの変化率ΔIがしきい値fを超
えて上昇する場合、ステップ9に進んで潤滑油圧が所定
値(0.2kg/cm2)以下となる潤滑油圧低下時と
判定する。
【0045】ステップ9で潤滑油圧低下時と判定された
場合、図示しない別のルーチンに進んで、ガスタービン
エンジン20の潤滑部に供給される潤滑油量が不足する
ことに対応した運転制御が行われる。
【0046】なお、ステップ9で潤滑油圧低下時と判定
された場合、図示しない別のルーチンに進んで、ガスタ
ービンエンジン20の運転を停止してもよい。この場
合、ガスタービンエンジン20の二次故障等を防止でき
る。
【0047】オイルパン1内の潤滑油量不足やオイルパ
ン1の傾きによってオイル供給配管2の吸込口が潤滑油
面上に露出するような場合に、図3に示すように、オイ
ルポンプ4とオイル入口を結ぶ配管中にエアー混入があ
る場合、配管中に混入したエアーがダンパーの働きをし
て、オイルポンプ4の吐出圧低下に伴ってオイル入口の
油圧が遅れて低下する。これに対して、オイルポンプ4
の吐出圧低下に伴って電動モータ5の駆動電流Iは急激
に低下する傾向があるしたがって、圧力スイッチ10が
オフとなっていても、電動モータ5の駆動電流Iが大き
く低下することを判定することにより、ガスタービンエ
ンジン20の潤滑部に供給される潤滑油量が不足する運
転状態を的確に判定することが可能となる。この結果、
ガスタービンエンジン20に供給される潤滑油量の低下
に対応したガスタービンエンジン20の運転制御が行わ
れ、ガスタービンエンジン20の耐久性等を維持するこ
とができる。
【0048】ところで、ガスタービンエンジン20の起
動直後はオイル供給配管2に潤滑油が充満するまでガス
タービンエンジン20に導かれる潤滑油圧が安定しない
ため、ガスタービンエンジン20に供給される潤滑油量
が不足する運転状態を的確に判定することが難しい。
【0049】これに対処して、圧力スイッチ10がオフ
となり潤滑油圧が所定値(0.2kg/cm2)を超え
て上昇した後に、駆動電流変化率ΔIに基づく潤滑油圧
低下時の判定を行うことにより、ガスタービンエンジン
の起動時に何らかの原因でオイル供給配管に空気が混入
するような場合を誤って潤滑油圧低下時と判定すること
が避けられる。
【0050】他の実施形態として、コントロールユニッ
ト7はガスタービンエンジン20の起動後、所定時間t
が経過するまで駆動電流Iの変化率ΔIに基づく潤滑油
圧低下時の判定を遅らせる構成とする。
【0051】図4のフローチャートは上記潤滑油圧低下
時を判定するルーチンを示しており、コントロールユニ
ット7において一定周期毎に実行される。
【0052】これについて説明すると、まずステップ1
に進んで図示しないイグニッションスイッチがオンとな
るガスタービンエンジン20の起動後から所定時間tが
経過したかどうかを判定する。
【0053】ガスタービンエンジン20の起動後から所
定時間tが経過した場合、ステップ7に進んで油圧スイ
ッチ10がオンとなるかどうかを判定する。
【0054】潤滑油圧が所定値(0.2kg/cm2
以下となる潤滑油圧低下時に、圧力スイッチ10がオフ
からオンに切り替わった場合、ステップ9に進んで潤滑
油圧低下時と判定する。
【0055】一方、圧力スイッチ10がオフのままの場
合、ステップ8に進んで電動モータ5の駆動電流Iが低
下する変化率ΔIがしきい値fを超えて上昇するかどう
かを判定する。駆動電流Iの変化率ΔIがしきい値fを
超えて上昇する場合、ステップ9に進んで潤滑油圧が所
定値(0.2kg/cm2)以下となる潤滑油圧低下時
と判定する。
【0056】ステップ9で潤滑油圧低下時と判定された
場合、図示しない別のルーチンに進んで、ガスタービン
エンジン20の潤滑部に供給される潤滑油量が不足する
ことに対応した運転制御が行われる。
【0057】すなわち、従来装置では、オイルポンプ4
とガスタービンエンジン20のオイル入口間の配管中に
エアーが混入する場合、イグニッションスイッチをON
にしてから油圧が所定値まで上昇するのにかかる時間
が、配管中にエアーが混入しない場合に比べて長くなる
うえに、油圧上昇中にオイルパン1内のオイル吸い込み
口からエアーを吸い込んだ場合、供給油量低下の判定が
遅れる。
【0058】このような場合に、供給油量低下の判定を
速やかに行うため、ガスタービンエンジンの起動後に所
定時間tが経過した後に駆動電流変化率ΔIに基づく潤
滑油圧低下時の判定を開始するのである。
【0059】この結果、ガスタービンエンジン20に供
給される潤滑油量の低下に対応したガスタービンエンジ
ン20の運転制御が起動後速やかに行われ、ガスタービ
ンエンジン20の耐久性を維持することができる。
【0060】ところで、オイル供給配管2に空気が混入
するような場合に発生する駆動電流変化率ΔIは、潤滑
油温度が上昇するのにしたがって小さくなる。
【0061】これに対処するため、他の実施形態とし
て、コントロールユニット7は駆動電流変化率ΔIに基
づいて潤滑油圧低下時を判定するしきい値fTを潤滑油
温度が上昇するのに伴って小さくなる構成とする。
【0062】このため、図示しない潤滑油温度センサが
設けられる。コントロールユニット7は潤滑油温度セン
サの信号を入力し、予め設定されたマップに基づいて潤
滑油温度に応じたしきい値fTを検索するようになって
いる。
【0063】図5のフローチャートは上記潤滑油圧低下
時を判定するルーチンを示しており、コントロールユニ
ット7において一定周期毎に実行される。
【0064】これについて説明すると、まずステップ6
にて圧力スイッチ10がオフかどうかを判定する。
【0065】圧力スイッチ10がオフの場合、ステップ
7に進んで油圧スイッチ10がオンとなるかどうかを判
定する。
【0066】圧力スイッチ10がオフからオンに切り替
わった場合、ステップ9に進んで潤滑油圧低下時と判定
する。
【0067】一方、圧力スイッチ10がオフのままの場
合、ステップ8に進んで電動モータ5の駆動電流Iが低
下する変化率ΔIがしきい値fTを超えて上昇するかど
うかを判定する。
【0068】駆動電流Iの変化率ΔIがしきい値fT
超えて上昇する場合、ステップ9に進んで潤滑油圧が所
定値(0.2kg/cm2)以下となる潤滑油圧低下時
と判定する。
【0069】この場合、駆動電流変化率ΔIが潤滑油温
度が上昇するのに伴って小さくなることに対応して、し
きい値fTを潤滑油温度が上昇するのに伴って小さくな
るように設定することにより、ガスタービンエンジン2
0の潤滑部に供給される潤滑油量が不足する潤滑油圧低
下時を的確に判定できる。
【0070】ところで、外部からのノイズや、運転上問
題とならない瞬間的な潤滑油圧の低下でも、駆動電流変
化率ΔIに基づいて潤滑油圧低下時と判定する可能性が
ある。
【0071】これに対処するため、他の実施形態とし
て、コントロールユニット7は所定時間の間に駆動電流
変化率ΔIがしきい値fを超えて上昇する回数nを計測
し、計測された回数nが設定値Nを超える運転時をガス
タービンエンジン20の潤滑部に供給される潤滑油量が
不足する潤滑油圧低下時と判定する。
【0072】図6のフローチャートは上記潤滑油圧低下
時を判定するルーチンを示しており、コントロールユニ
ット7において一定周期毎に実行される。
【0073】これについて説明すると、まずステップ5
にて所定時間tおよび回数n等の初期化が行われる。
【0074】続いてステップ6に進んで、圧力スイッチ
10がオフかどうかを判定する。
【0075】圧力スイッチ10がオフの場合、ステップ
7に進んで油圧スイッチ10がオンとなるかどうかを判
定する。
【0076】圧力スイッチ10がオフからオンに切り替
わった場合、ステップ9に進んで潤滑油圧低下時と判定
する。
【0077】一方、圧力スイッチ10がオフのままの場
合、ステップ8に進んで電動モータ5の駆動電流Iが低
下する変化率ΔIがしきい値fを超えて上昇するかどう
かを判定する。
【0078】駆動電流Iの変化率ΔIがしきい値fを超
えて上昇する場合、ステップ10に進んで、駆動電流変
化率ΔIがしきい値fを超えて上昇する回数nを計測す
る。
【0079】続いてステップ11に進んで、計測された
回数nが設定値Nを超えるかどうかを判定する。
【0080】計測された回数nが設定値Nを超える場
合、てステップ11に進んで、回数nが計測されるのに
かかった時間tが設定値より短いかどうかを判定する。
【0081】所定時間内に計測された回数nが設定値N
を超える場合、ステップ9に進んで潤滑油圧が所定値
(0.2kg/cm2)以下となる潤滑油圧低下時と判
定する。
【0082】この場合、駆動電流変化率ΔIがしきい値
fを超えて上昇する回数nが設定値Nを超える運転時を
潤滑油圧低下時と判定することにより、外部からのノイ
ズや、運転上問題とならない瞬間的に潤滑油圧が低下す
るような場合を誤って潤滑油圧低下時と判定することを
回避できる。
【0083】また、ガスタービンエンジン20の負荷が
上昇するのに伴って、運転上問題とならない潤滑油圧の
低下が発生する頻度が減少することに対応して、ガスタ
ービンエンジン20の負荷が上昇するのに伴って設定値
Nを減少させてもよい。この場合、ガスタービンエンジ
ン20の負荷変動に影響されることなく、ガスタービン
エンジン20の潤滑部に供給される潤滑油量が不足する
運転状態を的確に判定することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を示すシステム図。
【図2】同じく制御内容を示すフローチャート。
【図3】同じくエアー吸い込み時における潤滑油圧と電
動モータの駆動電流の関係を示す特性図。
【図4】他の実施形態の制御内容を示すフローチャー
ト。
【図5】さらに他の実施形態の制御内容を示すフローチ
ャート。
【図6】さらに他の実施形態の制御内容を示すフローチ
ャート。
【図7】従来例を示すシステム図。
【図8】同じくエアー吸い込み時における潤滑油圧と電
動モータの駆動電流の関係を示す特性図。
【図9】同じくエンジン運転条件に応じて潤滑油圧が変
動する様子を示す特性図。
【符号の説明】
1 オイルパン 2 オイル供給配管 3 オイル戻り配管 4 オイルポンプ 5 電動モータ 6 モータ制御回路 7 コントロールユニット 8 圧力レギュレータ 9 オイルクーラ 10 圧力スイッチ 11 電流センサ 12 電流変化率計算回路

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電動モータによって駆動されるオイルポン
    プを備え、 オイルポンプから吐出される潤滑油をガスタービンエン
    ジンの潤滑部に循環させるガスタービンエンジンの潤滑
    装置において、 前記電動モータに供給される駆動電流Iを検出する駆動
    電流検出手段と、 電動モータの駆動電流Iが低下する変化率ΔIを算出す
    る電流変化率算出手段と、 電流変化率ΔIがしきい値fを超えて上昇する潤滑油圧
    低下時を判定する潤滑油圧低下時判定手段と、 を備えたことを特徴とするガスタービンエンジンの潤滑
    装置。
  2. 【請求項2】前記オイルポンプの吐出圧を検出する吐出
    圧検出手段を備え、 オイルポンプの吐出圧が所定値を超えて上昇した後に前
    記駆動電流変化率ΔIに基づく潤滑油圧低下時の判定を
    行うことを特徴とする請求項1に記載のガスタービンエ
    ンジンの潤滑装置。
  3. 【請求項3】前記ガスタービンエンジンの起動後所定時
    間tが経過した後に前記駆動電流変化率ΔIに基づく潤
    滑油圧低下時の判定を開始することを特徴とする請求項
    1に記載のガスタービンエンジンの潤滑装置。
  4. 【請求項4】前記潤滑油圧低下時を判定するしきい値f
    Tを潤滑油温度が上昇するのに伴って小さくなるように
    設定したことを特徴とする請求項1から3のいずれか一
    つに記載のガスタービンエンジンの潤滑装置。
  5. 【請求項5】前記駆動電流変化率ΔIが所定時間内にし
    きい値fを超えて上昇する回数nを計測し、計測された
    回数nが設定値Nを超える運転時を潤滑油圧低下時と判
    定することを特徴とする請求項1から4のいずれか一つ
    に記載のガスタービンエンジンの潤滑装置。
  6. 【請求項6】前記ガスタービンエンジンの負荷が上昇す
    るのに伴って前記設定値Nを減少させることを特徴とす
    る請求項5に記載のガスタービンエンジンの潤滑装置。
  7. 【請求項7】前記潤滑油圧低下時と判定された場合にガ
    スタービンエンジンの運転を停止することを特徴とする
    請求項1から6のいずれか一つに記載のガスタービンエ
    ンジンの潤滑装置。
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