JPH11134259A - 情報の管理方法と管理装置 - Google Patents

情報の管理方法と管理装置

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JPH11134259A
JPH11134259A JP9312609A JP31260997A JPH11134259A JP H11134259 A JPH11134259 A JP H11134259A JP 9312609 A JP9312609 A JP 9312609A JP 31260997 A JP31260997 A JP 31260997A JP H11134259 A JPH11134259 A JP H11134259A
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JP9312609A
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English (en)
Inventor
Takashi Yanagisawa
剛史 柳澤
Shinya Yamamoto
真也 山本
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Oki Electric Industry Co Ltd
Original Assignee
Oki Electric Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 秘密保護を必要とする元情報1は、分割
装置2によって所定の規則に従って複数の分割情報4
A,4B,4Cに分割される。これらは、それぞれ別々
の媒体5A,5B,5Cに格納して保管される。これら
の媒体は、それぞれ別々の管理者により管理される。情
報を復元したい場合には、これらの管理者の許可を得
て、各媒体から分割情報を読み出し、元の分割規則に従
って復元する。 【効果】 複数の管理者の許可がないと情報が復元でき
ないので、秘密保護等の安全性が高まる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、機密性の高いデー
タ、例えば文字列や画像、文書、動画、プログラム等の
機密性を確保するための情報の管理方法と管理装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】機密性の高い情報を保管し、管理し、利
用するためには、特定の者が一定の手続きをした場合に
のみこれを利用できるような仕組みが必要になる。例え
ば、コンピュータに機密性の高い情報を格納した場合に
は、例えばそのコンピュータの使用を特定の者以外に禁
止するといった方法を採用する。また、コンピュータは
不特定多数の者が利用できるようにする一方で、特定の
データを保存したファイルについては、パスワードを入
力しない限り参照できないといった仕組みにする。更
に、保存されるデータを暗号化するといった方法もあ
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のよう
な従来の技術には次のような解決すべき課題があった。
コンピュータの利用を制限しても、悪意の第三者がその
コンピュータを起動して、特殊な方法で利用することは
不可能ではない。また、あるいは、コンピュータから記
憶装置を取り外して、別のコンピュータで内容を読め
ば、記憶された文書の読み出しが可能になる。また、コ
ンピュータを起動するためのパスワードや、ファイルを
開くためのパスワードは、必ずしも絶対的な安全性を保
証できるものではない。更に、暗号化した文書であって
も、その暗号化方法が見破られると、簡単にその内容が
知られてしまう。
【0004】更に、たとえ厳重な管理の基に特定の者の
みが参照できるようなデータ保管形態をとったとして
も、データを参照することが認められた者が第三者にそ
の参照方法を知らせたり、あるいは悪意を持ってそのデ
ータを盗むようなことがあれば、安全なデータ管理はで
きない。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は以上の点を解決
するため次の構成を採用する。 〈構成1〉コンピュータで処理できるデータにより構成
された元情報を、その元情報が示す情報の内容を全体的
に離散させる分割規則に従って分割し、複数の分割情報
を得るとともに、これらの分割情報を、それぞれ別々の
管理者が管理する媒体に格納して保管し、上記管理者の
許可によってのみ読み出しが可能な上記媒体から、所定
の要求に従って上記分割情報を読み出して、上記分割規
則に基づいて各分割情報を合成し、上記元情報を復元す
ることを特徴とする情報の管理方法。
【0006】〈構成2〉構成1に記載の方法において、
MとNとをM>Nの関係にある正の整数としたとき、元
情報をM個の分割情報に分割して保管し、これらの分割
情報の中から選択した任意のN個の分割情報を読み出す
ことにより、元情報を復元できるように分割規則を定め
ることを特徴とする情報の管理方法。
【0007】〈構成3〉構成1に記載の方法において、
元情報を分割情報に分割するための分割規則は、元情報
が示す情報の内容を全体的に離散させて分割情報を得る
過程中に、情報の暗号化処理を含めるように設定したこ
とを特徴とする情報の管理方法。
【0008】〈構成4〉構成1に記載の方法において、
元情報を分割情報に分割するための分割規則は、元情報
が示す情報の内容を全体的に離散させて分割情報を得る
過程中に、情報の圧縮処理を含めるように設定したこと
を特徴とする情報の管理方法。
【0009】〈構成5〉構成1に記載の方法において、
元情報を分割情報に分割するための分割規則は、元情報
とともに分割されて分割情報中に分割情報と一体に保管
されることを特徴とする情報の管理方法。
【0010】〈構成6〉構成1から5のうちのいずれか
1項に記載の方法において、元情報は、任意の対象物の
第三者による使用を禁止するためにロックを施す鍵情報
から成ることを特徴とする情報の管理方法。
【0011】〈構成7〉コンピュータで処理できるデー
タにより構成された元情報を、その元情報が示す情報の
内容を全体的に離散させる分割規則に従って分割し、複
数の分割情報を得るとともに、これらの分割情報を、そ
れぞれ別々の通信手続きにより送信し、受信側におい
て、上記分割情報を受信し、上記分割規則に基づいて各
分割情報を合成し、上記元情報を復元することを特徴と
する情報の管理方法。
【0012】〈構成8〉構成7に記載の方法において、
MとNとをM>Nの関係にある正の整数としたとき、元
情報をN個の分割情報に分割して送信し、これらの分割
情報の中から選択した任意のM個の分割情報を受信する
ことにより、元情報を復元できるように分割規則を定め
ることを特徴とする情報の管理方法。
【0013】〈構成9〉コンピュータで処理できるデー
タにより構成された元情報を受け入れる情報入力部と、
この情報入力部が受け入れた元情報を処理して、元情報
が示す情報の内容を全体的に離散させる分割規則に従っ
て分割し、複数の分割情報を得る分割処理部と、これら
の分割情報を、それぞれ別々の管理者の管理下で、その
管理者の許可によってのみ読み出しが可能な状態で保管
する媒体と、所定の要求に従って上記媒体から上記分割
情報を読み出して、上記分割規則に基づいて各分割情報
を合成し、上記元情報を復元する合成処理部とを備えた
ことを特徴とする情報の管理装置。
【0014】〈構成10〉構成9に記載の方法におい
て、MとNとをM>Nの関係に有る正の整数としたと
き、N個の媒体が、元情報をN個の分割情報に分割して
保管し、上記合成処理部は、これらの分割情報の中から
選択した任意のM個の分割情報を読み出すことにより、
元情報を復元することを特徴とする情報の管理装置。
【0015】〈構成11〉コンピュータで処理できるデ
ータにより構成された元情報を受け入れる情報入力部
と、この情報入力部が受け入れた元情報を処理して、元
情報が示す情報の内容を全体的に離散させる分割規則に
従って分割し、複数の分割情報を得る分割処理部と、こ
れらの分割情報を、それぞれ別々の通信手続きにより送
信する送信機と、上記各分割情報を受信する受信機と、
上記分割規則に基づいて各分割情報を合成し、上記元情
報を復元する合成処理部とを備えたことを特徴とする情
報の管理装置。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を具体
例を用いて説明する。 〈具体例〉図1は、本発明による情報の管理装置を示す
ブロック図である。図の装置は、元情報1を分割する分
割装置2と、分割された情報を復元する復元装置3を備
える。元情報1は秘密保護を要求するデータであって、
例えば文字列、画像、文書、動画、データベース、ある
いは所定のプログラム等各種の情報により構成される。
分割装置2は、元情報1を複数の分割情報4A,4B,
4Cに分割する機能を持つ。分割数は任意であるが、こ
の図では、情報を3分割した例を示している。これらの
分割情報4A,4B,4Cは、それぞれ別々の管理者
A,B,Cに管理される媒体5A,5B,5Cに格納さ
れ保管される。この媒体5A,5B,5Cは、例えば別
々の管理者A,B,Cが保有するコンピュータの記憶装
置あるいはフロッピーディスク、メモリカード、磁気カ
ード等の、データを記録しておくことができる任意のデ
バイスや装置により構成される。
【0017】分割装置2には、このように情報を分割す
るために、情報入力部6、分割処理部7及び分割情報出
力部8が設けられている。情報入力部6は、元情報1を
コンピュータで処理できるコード化されたデータに変換
する部分である。例えば、画像であればこれをスキャナ
で読み取り、イメージデータ化して分割装置2の内部に
送り込む。文字データであれば、文字コード群として受
け入れる。分割処理部7は、所定の分割規則9に従って
元情報1を分割する処理を行う部分である。分割手順に
ついては後で詳細に説明する。分割情報出力部8は、分
割された分割情報4A,4B,4Cをそれぞれ媒体5
A,5B,5Cに転送し保管する処理を行う部分であ
る。
【0018】分割情報4A,4B,4Cは、単体ではそ
の媒体の管理者といえども利用できない。元情報を利用
するには、復元装置3による復元が必要な構成となって
いる。即ち、複数の媒体に別々に保管した情報を復元
し、元情報1を再生するために、復元装置3が設けられ
る。この復元装置3は、分割情報入力部11、合成処理
部12、情報出力部13により構成される。分割情報入
力部11は、媒体5A,5B,5Cから分割情報4A,
4B,4Cを読み出し、復元装置3の内部に取り込む処
理を行う部分である。
【0019】合成処理部12は、分割装置2で用いた分
割規則9を参照して、分割情報を合成し、元情報1を復
元する機能を持つ部分である。情報出力部13は、合成
処理部12の出力を、例えばディスプレイやプリンタ、
その他、利用者が利用できるような形態にして、元情報
1を出力するための部分である。
【0020】図2を用いて、分割規則の内容を説明す
る。図2は、分割規則の説明図である。例えば、ここで
は元情報1を“a”〜“o”の15個のアルファベット
を並べた内容の情報とする。図1に示した分割装置2
は、これを例えば3個の分割情報4A,4B,4Cに分
割する。分割情報4Aは、元情報1から2文字を取り、
1文字を飛ばし、更に2文字を取り、再び1文字を飛ば
すといった規則で10文字分をピックアップした内容と
なっている。
【0021】また、分割情報4Bは、最初の1文字を飛
ばし、次の2文字を取り、その次の1文字を飛ばし、更
に次の2文字を取るといった要領で、合計10文字の情
報をピックアップしたものである。分割情報4Cは、最
初の1文字を取り、1文字飛ばし、次の2文字を取り、
1文字飛ばし、再び次の2文字を取り、1文字飛ばすと
いった要領で、10文字分の情報をピックアップした内
容のものである。
【0022】図の例では、元情報1をわかりやすく3分
割した。なお、長さ方向にそのまま3等分したわけでは
なく、予め設定した分割規則に従って元情報1から所定
の量の情報をピックアップした構成となっている。この
ように分割すると、後で説明するように、3個の分割情
報のうち2個の分割情報を利用して、元のデータを復元
できる。全ての分割情報を使用してのみ元情報を復元で
きるようにするならば、元情報1を物理的にそのまま3
分割して、3個の分割情報を得るようにしてもよい。
【0023】なお、いずれの場合にも、元情報の秘密性
を保持するためには、分割情報を参照することによっ
て、元情報が予測できるような分割方法は適切でない。
そこで、元情報が示す情報の内容を全体的に離散させる
ような分割規則を設定することが好ましい。この例とし
ては、例えばこの図に示したように、各分割情報は、そ
れぞれ元情報1の各部の情報を適当に分散してピックア
ップしたものにする。また、例えば、元情報1の順序を
所定の規則で並べ替えた後で、ピックアップするように
してもよい。また、例えば元情報1を暗号化し、その後
これを適当な数に分割するようにしてもよい。
【0024】また、分割後の分割情報を暗号化するよう
にしてもよい。更に、元情報1を圧縮アルゴリズム等を
用いて圧縮し、その後分割するようにしてもよい。一般
の圧縮アルゴリズムでは、圧縮されたデータを見ただけ
では元情報が推定できないものが多い。従って、こうし
た処理を利用すると、分割情報の秘密保持性が高まる。
もちろん、分割後の分割情報も圧縮するようにしてよ
い。
【0025】図3には、図1に示した情報の管理装置に
ついて、その概略動作フローチャートを示す。まず、こ
の図の左側のフローチャートによって情報の分割を行
う。即ち、ステップS1において、情報入力部6が元情
報1を受け入れて、ステップS2で、分割処理部7が情
報を分割する。次のステップS3では、分割情報出力部
8が分割情報を出力し、それぞれ別々の管理者が管理す
る媒体5A,5B,5Cに格納し保管する。この媒体5
A,5B,5Cは、例えば別々の管理者A,B,Cが保
有するコンピュータの記憶装置あるいはフロッピーディ
スク、メモリカード等である。
【0026】次に、図3の右側に示すフローチャートに
示すように、元情報を再現する要求があった場合、分割
情報入力部11がステップS4において、媒体5A,5
B,5Cから分割情報を入力する。そして、ステップS
5において、必要な数の分割情報が揃っているかどうか
を判断する。例えば、元情報を3分割し、全ての分割情
報即ち3個の分割情報がなければ元情報を復元できない
場合には、分割情報数が不足していると判断して、ステ
ップS6に進む。
【0027】3個中2個の分割情報があればよい場合で
も、1個しかなければステップS6に進む。ステップS
6では、全ての分割情報の入力が終わったかどうかを判
断し、まだ残りの分割情報があればステップS4に戻
る。全ての分割情報の入力が終わり、しかも必要な数の
分割情報が揃っていない場合には、元情報の復元は失敗
に終わる。一方、ステップS5で、全ての分割情報が揃
った場合にはステップS7に進み、合成処理部12が動
作を開始する。そして、ステップS7において、入力さ
れた分割情報の内容が正しいかどうかの判断がされる。
【0028】検査の結果、分割情報が不正な情報であっ
たり、元情報を復元するために無関係な情報であると判
断されたときは、処理を終了する。ステップS7におい
て、全ての分割情報が正しいと判断されると、ステップ
S8において、分割情報を合成する。合成が終了し、元
情報1が復元されると、情報出力部13が外部にその情
報を取り出し出力する(ステップS9)。例えば、図2
の場合では、分割情報4Aと4Bを組み合わせて元情報
1を再生することができるし、分割情報4Bと4Cを組
み合わせても元情報1を再生することができる。分割情
報4Aと4Cを組み合わせても同様である。
【0029】分割規則9は、例えば図1に示す分割処理
部7と合成処理部12に記憶しておく。即ち、分割処理
を実行するプログラムと合成処理を実行するプログラム
が、それぞれ上記分割規則を記憶しており、その分割規
則に沿った分割あるいは復元処理を行う。これによっ
て、分割と復元が可逆的に可能になる。また、このよう
な分割規則についても秘密性が必要ならば、分割規則の
全部または一部を分割情報4A,4B,4Cに含めると
よい。即ち、分割規則自体もデータ化し、これを分割し
て、それぞれ別々の管理者の管理下に置くことにより、
更に秘密性が高まる。
【0030】図4には、分割処理動作の具体的な処理内
容フローチャートを示す。例えば、ここで元情報をbと
し、それを分割して得られる分割情報をd0,d1,d
2で表すものとする。b[i]は元情報bの先頭からi
番目のデータを表す。d0[k0],d1[k1],d
2[k2]は、それぞれ分割情報d0,d1,d2の先
頭からk0,k1,k2番目のデータを表す。lenは
元情報bのデータ長を示す。このフローチャートは、図
2を用いて説明したような分割規則に従ってデータを分
割している。
【0031】即ち、ステップS1において、まずパラメ
ータであるi,k0,k2を0に初期化する。更に、ス
テップS2において、元情報の残りの長さを調べる。元
情報の長さlenからiを引くと、元情報のこれから処
理をするべき残りの長さとなる。これが3より小さい場
合には、既にもう3分割することができないため、右側
ステップS5以降の特別処理に進む。通常の処理はステ
ップS3とステップS4により行う。ステップS3で
は、元情報bのi番目のデータを分割情報d0のk0番
目とd2のk2番目にコピーする。
【0032】同様にして、元情報bのi+1番目のデー
タを分割情報d0のk0+1番目と分割情報d1のk1
+1番目にコピーする。元情報bのi+2番目のデータ
は、分割情報d1のk1+2番目のデータと分割情報d
2のk2+2番目のデータにコピーする。そして、ステ
ップS4において、k0,k1,k2に、それぞれ2を
加え、iに3を加える。こうしてパラメータを変更し、
順番にデータをコピーしていく。これによって、図2に
示したような分割処理が可能となる。最後尾の端数のデ
ータについては、ステップS5において、EM(エンド
マーク)を挿入して処理する。ステップS6において
は、元情報bの端数のデータを各分割情報d0,d1,
d2の最後に付け加える。これで処理を終了する。
【0033】図5には、合成処理動作フローチャート
(その1)を示す。また、このフローチャートのループ
d0,d1,d2のそれぞれの処理を図6に示す。即
ち、図6は、合成処理動作フローチャート(その2)で
あって、(a)は分割情報d0の処理であり、(b)は
分割情報d1、(c)は分割情報d2の処理である。ま
ず、図5に示したステップS1において、受け入れた情
報がどの分割情報かを判断する。そして、分割情報の内
容により処理を分岐する。分割情報d0の場合にはステ
ップS2のループd0を実行し、分割情報d1の場合に
はステップS3のループd1を実行する。また、分割情
報d2の場合はステップS4のループd2を実行する。
【0034】図6に示すループd0は、ステップS6〜
ステップS11により構成される。ステップS6では、
パラメータi,kを0に初期化する。そして、ステップ
S7とステップS10に挟まれたループを処理する。こ
のループのパラメータはkとiである。そして、復元す
るべき元情報bを保存する領域を設定しておき、分割情
報d0のk番目のデータを元情報bのi番目のデータに
コピーする。また、分割情報d0のk+1番目のデータ
を元情報bのi+1番目のデータにコピーする。その
後、パラメータkに2を加え、パラメータiに3を加
え、分割情報d0中にエンドマークEMが検出されるま
でこれを繰り返す。
【0035】エンドマークを検出すると、ステップS7
〜S10のループを抜けてステップS11に進む。そし
て、分割情報d0のk+1番目から最後までのデータを
元情報bの後ろにコピーする。
【0036】(b)は、分割情報d1についての処理ル
ープである。このループが(a)と異なるのは、ステッ
プS14において分割情報d1のk+0番目のデータを
元情報bのi+1番目のデータにコピーする点である。
即ち、ステップS8と比べるとわかるように、ステップ
S14では、1データ分シフトした位置に分割情報d1
の各データをコピーする。その他、ステップS12〜ス
テップS17の処理は、(a)に示すステップS6〜ス
テップS11の処理と対応し、ほぼ一致する。
【0037】(c)に示す処理も分割情報d2について
の処理で、(a)、(b)と対応する。そして、これら
と異なるのはステップS20のみである。即ち、ステッ
プS20において、分割情報d2のk番目のデータを元
情報bのi番目のデータにコピーし、分割情報d2のk
+1番目のデータを元情報bのi+2番目にコピーす
る。この点のみがこれまでの例と異なる。これらはいず
れも図4で説明した分割処理に対応する復元処理であ
る。
【0038】再び図5に戻って、ステップS2,ステッ
プS3,ステップS4のうちのいずれか2つのループを
実行すると、既に説明したように、この例では元情報全
体が復元される。従って、ステップS5において、2つ
以上の分割情報を処理したかどうかを判断し、処理済み
であれば合成復元処理を終了する。
【0039】以上のように、これまで説明した具体例で
は、実際には元情報をM個に分割した場合でも、そのM
より少ないN個の分割情報を集めることで元情報を復元
できるようにしている。これによって、多人数で一定の
情報を、お互いの信頼関係に基づいて保管し、一定以上
の人数の管理者がデータの復元を許可した場合にのみデ
ータが復元でき、これを利用できるといった管理が可能
となる。
【0040】図7には、分割処理動作変形例フローチャ
ートを示す。ここでは、分割数をMとし、そのうちn個
の分割情報を使用すれば元情報を復元できるようにする
分割手順を一般化して説明している。その手順は図4を
用いて説明したものとほぼ同様で、ステップS1におい
て、パラメータを初期化し、ステップS2において、端
数部分を検出する。即ち、元情報の最後の、端数部分の
処理でない場合には、ステップS3とステップS6に挟
まれたループを実行する。このループは、m個のうちか
らn個を取り出す組み合わせの数だけ実行される。これ
によって、元データをm個に分割し、しかもn個のデー
タで元情報を復元できるように元情報の各データを分配
する処理を行う。図中のCは、組み合わせの数(コンビ
ネーション)である。
【0041】ステップS5でパラメータjを切り換え
て、ステップS4とステップS5を繰り返し、その繰り
返しが終了するとステップS7に進み、j′を切り換え
てステップS2に戻る。こうして、元情報の全てのデー
タについて、そのデータを分割した分割情報中に、適当
に分配してコピーする処理が終了すると、端数部分の処
理をステップS8で行う。こうして、元情報の分割処理
が終了する。
【0042】図8には、合成処理動作変形例フローチャ
ートを示す。この合成処理を分割情報d[0]…d
[m]の中の任意のn個について行うことによって、図
7の処理により分割された分割情報が合成され、元情報
が復元される。まず、ステップS8において、パラメー
タjを初期化し、ステップS2では、データの末尾処理
を判断する。末尾処理のない場合にはステップS3に進
み、k番目の分割情報中のj番目のデータを元情報bの
j番目にコピーする。こうした処理を繰り返すことによ
って、受け入れた分割情報を基に元情報を復元できる。
【0043】図9には、分割規則の変形例説明図を示
す。上記のような分割は、便宜上、元情報を例えば文字
コード化したり、その他の符号化処理を行った後、その
データを1列に並べ、適当な順番でピックアップして、
分割情報を得るといった方法で説明をした。ここでは、
分割後の分割情報の内容から元情報を推測できないよう
に、更にセキュリティを高める。即ち、図9(a)では
元情報1を暗号化し、情報位置Xとし、これを分割して
分割情報4E,4F,4Gを得る。また、暗号化の方法
として、一般に良く知られた方法のほか、圧縮も含めて
よい。即ち、一定のアルゴリズムで暗号化する方法でも
よいし、圧縮処理をする方法でもよい。これらの手順、
特に圧縮手順は、従来よく知られた方法を採用すればよ
い。
【0044】(b)は、元情報1を一旦分割し、分割情
報4H,4I,4Jを得る。そして、その後この分割情
報4H,4I,4Jを暗号化し、あるいは圧縮処理して
最終的な分割情報4K,4L,4Mを得る。このように
分割した後に、暗号化処理あるいは圧縮処理して分割情
報を得てもよい。
【0045】図10には、本発明による情報管理方法の
変形例説明図を示す。ここでは、分割した情報を媒体に
保管するのではなく、適当な通信経路を用いて送受信す
る。即ち、元情報1を分割する分割装置2の出力側に
は、送信機20が設けられる。また、分割情報が送信さ
れた場合、これを受信する受信機21を設け、その出力
側に復元装置3を設ける。分割情報は、例えば物理的に
全く異なる通信回線を経由して、送信機20から受信機
21に伝えられる。こうすれば、通信経路の途中で、一
部の分割情報が第三者に盗まれたとしても、その分割情
報単独では元情報を復元しあるいは元情報を復元するこ
とができないから、通信の秘密を保護できる。
【0046】また、物理的に全く異なる通信回線を利用
する他、時間的に全く異なるタイミングでこれらの分割
情報を送信することによって同様の効果を得ることがで
きる。即ち、組み合わされる分割情報相互の関係が第三
者に知られなければ、別々の時間帯に送受信することに
よって、分割された情報を同時に第三者に取得されるこ
とも防げる。また、例えば全てのデータの送受信を行わ
なくても、その一部のデータの送受信を行うだけで元デ
ータを復元することも可能になる。
【0047】以下、本発明の様々な利用形態を図示して
説明する。図11と図12には、4人の管理者A,B,
C,Dがそれぞれ別々に管理する端末が示されている。
これらの端末に、分割情報4A,4B,4C,4Dが格
納され、保管されている。各使用者の端末は通信回線3
0によって相互に接続されている。ここで、例えば管理
者Aの管理する端末から、その他の各端末に分割情報の
送信要求を行ったとする(ステップS1)。ここで、管
理者Bの端末では、その要求に従って分割情報4Bを管
理者Aの端末に送信する(ステップS2)。同様に、管
理者Cの端末から分割情報4Cが管理者Aの端末に送信
される(ステップS3)。
【0048】なお、例えば、管理者Dは、ここで分割情
報4Dの送信を拒否したとする(ステップS4)。管理
者Aは、4個に分割された分割情報4A,4B,4C,
4Dのうちの、3個の分割情報を取得したことになる。
この場合、管理者Aは、既に説明した通りの要領で、元
データを復元できる。即ち、このシステムでは、管理者
4人のうち3人が同意すれば、元情報を復元し、利用す
ることが可能になる。もちろん、全員が同意しないと元
情報を利用できないようにすることもできる。
【0049】一方、図12の例では、同様のシステムで
管理者Aが各端末にデータを要求したとき、管理者Bの
みが分割情報を送信し(ステップS2)、その他の端末
を管理する管理者C,Dは、分割情報の送信を拒否して
いる。この場合、管理者Aは、分割情報を2個しか集め
ることができず、元データを復元できない。もちろん、
同一の分割情報を2回使用しても元データを復元する助
けにはならないことは言うまでもない。
【0050】以上のように、図11や図12に示したシ
ステムでは、複数の者が共有するデータを一定人数以上
の同意が得られた場合にのみ使用することを可能にす
る。従って、例えば特殊なデータベースやプログラム等
を共有し、互いに同意した場合にのみ、その利用によっ
ていずれかの管理者が利益を受けることができるといっ
たシステムを可能にする。
【0051】図13と図14には、管理者A,B,C,
Dが、それぞれ分割情報4A,4B,4C,4Dを管理
し、これらの同意の元に他の端末装置に分割情報を提供
する例を示す。ここで示した復元装置の付いた端末30
は、例えば銀行のロックを解除するための電子キー等を
制御するコンピュータとする。即ち、銀行の金庫の扉
は、ここに示す4人の管理者A,B,C,Dのうちの少
なくとも3人の合意が得られない限り開けることができ
ないといったシステムを組むことができる。
【0052】即ち、端末30から各端末に対し分割情報
の要求があったとき、管理者A,B,Cが分割情報4
A,4B,4Cを送信すると、ステップS6において、
端末30により元情報が復元される。なお、管理者D
は、この場合不在とする。従って、管理者Dによる分割
情報4Dは、端末30に届けられない。しかしながら、
少なくとも3人の管理者の同意が得られたことから、端
末30によって元情報が復元され、例えば銀行の金庫の
ロックが解除される。
【0053】一方、図14に示すように、各端末にデー
タ要求があったとき(ステップS1)、管理者Cと管理
者Dとが分割情報4C,4Dの送信を拒否したとする
(ステップS4,S5)。端末30では、管理者Aと管
理者Bの分割情報4A,4Bのみしか入手できないた
め、元情報を復元できない。これにより、一部の者の不
正な行為によってロックが解除されることがなく、極め
て安全性の高い鍵の管理等が可能になる。
【0054】なお、図11、図12、図13、図14に
示した各例は、それぞれ上記の具体例以外に様々な場合
に適用できる。図11と図12の場合は、数人でデータ
を管理し、誰かの裏切り行為によってデータが悪用され
るのを防ぐシステムである。また、図13と図14の行
為は、複数の者が共同管理する文書をその他の者に開示
するかどうか、分割情報を保持する者同士で、それぞれ
独立に判断するシステムに広く採用される。また、上記
の例では、復元された情報をコンピュータのディスプレ
イに表示したり、あるいはプリンタに印刷したり、その
他各種の媒体の出力して利用できるようにすることが可
能である。
【0055】
【発明の効果】以上説明した本発明の情報の管理方法と
管理装置によれば、それ自体では元情報を類推すること
のできないような分割情報を、複数の管理者が媒体に格
納して保管し、これらの全員あるいは大多数が合意した
場合にのみ元情報を復元できるようにしたので、完全な
データや文書を1つのパスワードで管理したり暗号化す
る場合よりもより機密性が向上し、安全性が高まるとい
う効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による情報の管理装置ブロック図であ
る。
【図2】分割規則の説明図である。
【図3】情報の管理装置概略動作フローチャートであ
る。
【図4】分割処理動作フローチャートである。
【図5】合成処理動作フローチャート(その1)であ
る。
【図6】合成処理動作フローチャート(その2)であ
る。
【図7】分割処理動作変形例フローチャートである。
【図8】合成処理動作変形例フローチャートである。
【図9】分割規則の変形例説明図である。
【図10】情報管理方法の変形例説明図である。
【図11】情報管理方法の例説明図(その1)である。
【図12】情報管理方法の例説明図(その2)である。
【図13】情報管理方法の例説明図(その3)である。
【図14】情報管理方法の例説明図(その4)である。
【符号の説明】
1 元情報 2 分割装置 3 復元装置 4A,4B,4C 分割情報 5A,5B,5C 媒体 6 情報入力部 7 分割処理部 8 分割情報出力部 9 分割規則 11 分割情報入力部 12 合成処理部 13 情報出力部

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コンピュータで処理できるデータにより
    構成された元情報を、その元情報が示す情報の内容を全
    体的に離散させる分割規則に従って分割し、複数の分割
    情報を得るとともに、 これらの分割情報を、それぞれ別々の管理者が管理する
    媒体に格納して保管し、 前記管理者の許可によってのみ読み出しが可能な前記媒
    体から、所定の要求に従って前記分割情報を読み出し
    て、 前記分割規則に基づいて各分割情報を合成し、前記元情
    報を復元することを特徴とする情報の管理方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の方法において、 MとNとをM>Nの関係にある正の整数としたとき、元
    情報をM個の分割情報に分割して保管し、これらの分割
    情報の中から選択した任意のN個の分割情報を読み出す
    ことにより、元情報を復元できるように分割規則を定め
    ることを特徴とする情報の管理方法。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の方法において、 元情報を分割情報に分割するための分割規則は、元情報
    が示す情報の内容を全体的に離散させて分割情報を得る
    過程中に、情報の暗号化処理を含めるように設定したこ
    とを特徴とする情報の管理方法。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の方法において、 元情報を分割情報に分割するための分割規則は、元情報
    が示す情報の内容を全体的に離散させて分割情報を得る
    過程中に、情報の圧縮処理を含めるように設定したこと
    を特徴とする情報の管理方法。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載の方法において、 元情報を分割情報に分割するための分割規則は、元情報
    とともに分割されて分割情報中に分割情報と一体に保管
    されることを特徴とする情報の管理方法。
  6. 【請求項6】 請求項1から5のうちのいずれか1項に
    記載の方法において、 元情報は、任意の対象物の第三者による使用を禁止する
    ためにロックを施す鍵情報から成ることを特徴とする情
    報の管理方法。
  7. 【請求項7】 コンピュータで処理できるデータにより
    構成された元情報を、その元情報が示す情報の内容を全
    体的に離散させる分割規則に従って分割し、複数の分割
    情報を得るとともに、 これらの分割情報を、それぞれ別々の通信手続きにより
    送信し、 受信側において、前記分割情報を受信し、 前記分割規則に基づいて各分割情報を合成し、前記元情
    報を復元することを特徴とする情報の管理方法。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載の方法において、 MとNとをM>Nの関係にある正の整数としたとき、元
    情報をN個の分割情報に分割して送信し、これらの分割
    情報の中から選択した任意のM個の分割情報を受信する
    ことにより、元情報を復元できるように分割規則を定め
    ることを特徴とする情報の管理方法。
  9. 【請求項9】 コンピュータで処理できるデータにより
    構成された元情報を受け入れる情報入力部と、 この情報入力部が受け入れた元情報を処理して、元情報
    が示す情報の内容を全体的に離散させる分割規則に従っ
    て分割し、複数の分割情報を得る分割処理部と、 これらの分割情報を、それぞれ別々の管理者の管理下
    で、その管理者の許可によってのみ読み出しが可能な状
    態で保管する媒体と、 所定の要求に従って前記媒体から前記分割情報を読み出
    して、前記分割規則に基づいて各分割情報を合成し、前
    記元情報を復元する合成処理部とを備えたことを特徴と
    する情報の管理装置。
  10. 【請求項10】 請求項9に記載の方法において、 MとNとをM>Nの関係に有る正の整数としたとき、N
    個の媒体が、元情報をN個の分割情報に分割して保管
    し、 前記合成処理部は、これらの分割情報の中から選択した
    任意のM個の分割情報を読み出すことにより、元情報を
    復元することを特徴とする情報の管理装置。
  11. 【請求項11】 コンピュータで処理できるデータによ
    り構成された元情報を受け入れる情報入力部と、 この情報入力部が受け入れた元情報を処理して、元情報
    が示す情報の内容を全体的に離散させる分割規則に従っ
    て分割し、複数の分割情報を得る分割処理部と、 これらの分割情報を、それぞれ別々の通信手続きにより
    送信する送信機と、前記各分割情報を受信する受信機
    と、 前記分割規則に基づいて各分割情報を合成し、前記元情
    報を復元する合成処理部とを備えたことを特徴とする情
    報の管理装置。
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