JPH11133623A - 被製版ロールへのパターン露光装置 - Google Patents

被製版ロールへのパターン露光装置

Info

Publication number
JPH11133623A
JPH11133623A JP9314275A JP31427597A JPH11133623A JP H11133623 A JPH11133623 A JP H11133623A JP 9314275 A JP9314275 A JP 9314275A JP 31427597 A JP31427597 A JP 31427597A JP H11133623 A JPH11133623 A JP H11133623A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pattern
plate making
making roll
index
chuck
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP9314275A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3868606B2 (ja
Inventor
Masaru Okamoto
優 岡本
Yoshiaki Kakinuma
良明 柿沼
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dai Nippon Printing Co Ltd filed Critical Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority to JP31427597A priority Critical patent/JP3868606B2/ja
Publication of JPH11133623A publication Critical patent/JPH11133623A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3868606B2 publication Critical patent/JP3868606B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ビーム走査による直接多重露光を行う際に、
正確な位置合わせを行う。 【解決手段】 表面にレジスト層を塗布した被製版ロー
ル100をチャック10で固定する。製版面110の端
部に指標Mを描いておく。回転駆動手段20で被製版ロ
ール100を回転させながら、指標検出手段50で光学
的に指標Mが所定位置にきたことを検出し、その時点で
ロータリエンコーダ40から与えられた回転角度信号θ
に基づいて、指標Mの回転角度変位量Δθを決定する。
パターンデータ格納手段70内に用意されたパターンの
ラスターデータを、変位量Δθに応じたタイミングで露
光ビーム照射手段30に与えることにより、製版面11
0上のパターン描画の起点位置が毎回同じになるように
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は被製版ロールへのパ
ターン露光装置に関し、特に、同一の被製版ロールに対
して複数回の露光を行うのに適したパターン露光装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】グラビア印刷用の刷版やエンボス加工用
のエンボス版は、通常、円柱状の被製版ロールの外面に
凹凸構造を形成することにより作成される。凹凸構造の
形成方法としては、打刻針やレーザ光などで彫刻する彫
刻方式と、エッチング液を用いて腐食する腐食方式と
が、広く利用されている。後者の腐食方式を採る場合、
パターン露光装置を用いた露光が行われる。すなわち、
被製版ロールの製版面(ロールの外周面)に感光性レジ
スト層をコーティングし、このレジスト層上に所定のパ
ターンを焼き付け、現像を行った後にエッチング液を作
用させ、所定のパターンに応じた部分のみを腐食除去す
る工程が行われる。
【0003】被製版ロールの製版面にパターンを焼き付
ける方法として、フィルムを用いた方法が古くから行わ
れている。この方法では、所定のパターンが二値画像と
して描かれたフィルムを、レジスト層をコーティングし
た被製版ロールの外周面に巻き付け、フィルムごしに光
を照射することになる。一方、フィルムを用いずに、ビ
ーム走査により直接露光を行う方法も近年盛んに行われ
ている。この方法では、焼き付けるパターンをデジタル
データの形式で用意し、このデジタルデータに基づい
て、レーザ光などのビームを走査するとともに照射/非
照射を制御し、製版面上に所望のパターンを描くことに
なる。このようなビームを用いた直接露光に利用される
パターン露光装置には、デジタルパターンデータに基づ
いて、ビームを走査する機構が備わっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】グラビア印刷用の刷版
やエンボス加工用のエンボス版には、平面的な二次元パ
ターンを表現するための凹凸構造が形成されるのが一般
的である。しかしながら、最近は、三次元の情報をもっ
たパターンを凹凸構造として形成し、製品の品質をより
高めようとする提案がなされている。たとえば、特許協
力条約に基づく国際公開第WO95/21060号公報
には、木目模様の壁紙に、木目導管溝の凹凸構造をエン
ボス加工により表現する手法が開示されている。この手
法によると、深部ほど径が小さくなるような導管溝がエ
ンボス加工により形成される。このような三次元形状を
もった導管溝用のエンボス版を腐食方式で作成するに
は、複数枚のパターンを用意し、個々のパターンごとに
焼き付け、現像、腐食といった工程を繰り返す多重露光
を行う必要がある。そのため、複数のパターン間での位
置合わせが必要になる。
【0005】パターンを焼き付ける際に、上述したフィ
ルムを用いる方法を採る場合、被製版ロールの外周面に
フィルムを巻き付けるときに、パターンの位置合わせを
行うことが可能である。すなわち、既に第1枚目のパタ
ーンが形成された被製版ロール上に、第2枚目のパター
ンが描かれたフィルムを巻き付ける場合、肉眼で両パタ
ーンの位置関係を把握しながら、フィルムを正しい位置
に合わせることが可能である。ところが、ビーム走査に
より直接露光を行う方法を採る場合、従来のパターン露
光装置では、両パターンの位置合わせ作業が非常に困難
である。従来の一般的なパターン露光装置は、もとも
と、同一の被製版ロール上に複数枚のパターンを重複露
光させるような利用形態を想定していないため、第1回
目の露光時の被製版ロールの位置(特に、軸回りの回転
位置)と第2回目の露光時の被製版ロールの位置とを正
確に合わせる機構をもちあわせていない。すなわち、既
に第1枚目のパターンが形成された被製版ロール上に、
第2枚目のパターンをビームによって描画する場合、第
1枚目のパターンは肉眼で確認することができる物理的
なパターンであるのに対し、第2枚目のパターンは、デ
ジタルデータとして用意されたパターンであるので、両
者を肉眼で位置合わせすることはできない。
【0006】このような事情から、ビーム走査による直
接露光を行うパターン露光装置を用いて多重露光を行う
際には、筆記具などを用いて被製版ロール上に目安線を
描いておき、この目安線に基づいて大まかな位置合わせ
を行っている。しかしながら、木目導管溝のように、1
0μm〜100μmのオーダーをもった細かなパターン
についての多重露光を行う場合、このような目安線に基
づく位置合わせでは、十分な精度は到底得ることができ
ない。もちろん、被製版ロールによっては、パターン露
光装置側のチャックに設けられたキー溝に嵌合するキー
が形成されているタイプのものがあり、このようなタイ
プの被製版ロールを用いれば、被製版ロール側のキー
を、チャック側のキー溝に嵌合させた状態で取り付ける
ことにより、正確な位置合わせは可能である。ただ、キ
ーとキー溝の組み合わせには種々の規格があり、実際に
は、キーなしタイプの被製版ロールが多数利用されてい
るのが現状である。
【0007】そこで本発明は、ビーム走査による直接多
重露光を行う際に、正確な位置合わせが可能な被製版ロ
ールへのパターン露光装置を提供することを目的とす
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】
(1) 本発明の第1の態様は、露光対象となる被製版ロ
ールの製版面にビームを照射して所定のパターンを露光
する被製版ロールへのパターン露光装置において、被製
版ロールの軸を把持固定するチャックと、このチャック
を被製版ロールの軸まわりに回転させる回転駆動手段
と、被製版ロールの製版面に照射する露光用のビームを
発生するビーム発生部と、発生したビームを被製版ロー
ルの軸方向に走査するビーム走査部と、を有する露光ビ
ーム照射手段と、露光すべきパターンを示すパターンデ
ータを格納したパターンデータ格納手段と、チャックの
回転位置を検出するロータリエンコーダと、被製版ロー
ル上に設けられた指標を所定位置にて検出する指標検出
手段と、この指標検出手段の検出信号と、ロータリエン
コーダの検出信号とに基づいて、チャックの基準回転位
置に対する指標の回転角度変位量を求める変位量検出手
段と、回転駆動手段に対して回転制御信号を与えるとと
もに、パターンデータに基づいて露光ビーム照射手段に
パターン描画信号を与える機能を有し、変位量検出手段
が求めた回転角度変位量に応じて、パターン描画信号を
与えるタイミングを調節する機能を有する制御手段と、
を設けるようにしたものである。
【0009】(2) 本発明の第2の態様は、上述の第1
の態様に係る被製版ロールへのパターン露光装置におい
て、指標検出手段が、被製版ロールの回転円周軌道面上
の固定位置からの反射光強度を光学的に検出する装置を
有するようにしたものである。
【0010】(3) 本発明の第3の態様は、上述の第1
または第2の態様に係る被製版ロールへのパターン露光
装置において、パターンデータ格納手段内に格納するパ
ターンデータを、ラスターデータの形式で用意してお
き、ロータリエンコーダの示すチャックの回転位置が、
変位量検出手段によって求められた回転角度変位量に一
致したタイミングで、ラスターデータの先頭を露光ビー
ム照射手段へ供給開始するようにしたものである。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図示する実施形態
に基づいて説明する。図1は本発明の一実施形態に係る
被製版ロールへのパターン露光装置の基本構成を示すブ
ロック図である。この装置は、露光対象となる被製版ロ
ール100の製版面110にビームを照射して所定のパ
ターンを露光する機能を有する。製版面110は、通
常、銅や鉄などの金属から構成されており、表面に感光
性のレジスト層(以下、単にレジスト層と呼ぶ)がコー
ティングされた状態になっている。このパターン露光装
置は、製版面110上のレジスト層にビームを照射し、
露光部と非露光部とからなるパターンを形成する露光処
理を行うことになる。この露光処理が完了した被製版ロ
ール100は、別の現像装置において現像され、レジス
ト層のうちの露光部(ポジ型レジストの場合)もしくは
非露光部(ネガ型レジストの場合)が除去されることに
なる。その後、製版面110に腐食液を作用させると、
レジスト層が除去されて露出した金属面が腐食を受けて
窪み、露光したパターンに応じた凹凸構造が形成される
ことになる。
【0012】このパターン露光装置の基本構成要素は、
図1に示されているとおり、チャック10と、回転駆動
手段20と、露光ビーム照射手段30と、ロータリエン
コーダ40と、指標検出手段50と、変位量検出手段6
0と、パターンデータ格納手段70と、制御手段80と
である。なお、図1では、各構成要素間における電気信
号の伝達経路を実線の矢印で示し、機械的な動力の伝達
経路を白抜きの太矢印で示し、光学的なビームや信号の
伝達経路を破線の矢印で示してある。
【0013】チャック10は、被製版ロール100の軸
を把持固定する機能をもった構成要素であり、図示のと
おり被製版ロール100の両端にそれぞれ設けられてい
る。被製版ロール100は、図に一点鎖線で示す回転軸
Aを中心軸として、この軸回りに回転駆動させられる円
柱状のシリンダーであり、その両端には、円柱状の軸芯
部120および軸端部130が設けられている。チャッ
ク10は、3組の把持爪11を備えており、この3組の
把持爪11によって、軸端部130を把持固定すること
ができる。図2は、チャック10による軸端部130の
固定状態を示す図であり、図1に示すチャック10を、
回転軸Aに沿った方向からみた図に相当する。図の中央
に描かれた円は、軸端部130の位置を示すものであ
る。3組の把持爪11は、チャック10の半径方向に摺
動可能になっており、それぞれを中心方向に摺動させ、
内端面を軸端部130の外周面に当接した状態で固定す
ることにより、軸端部130をしっかりと把持固定する
ことができる。
【0014】もっとも、図示したチャック10は、現
在、一般的に利用されているチャックの一形態の構造を
例として示したものであり、この他にも種々の形態のチ
ャックを用いてかまわない。たとえば、被製版ロール1
00によっては、軸芯部120および軸端部130を有
しておらず、単なる中空の円筒シリンダー状のタイプも
ある。このようなタイプの被製版ロールについては、別
途用意した軸芯部120および軸端部130に相当する
ホルダー部品を両端に嵌合させた後、チャック10に固
定することになる。
【0015】回転駆動手段20は、チャック10を回転
軸Aまわりに回転駆動させる手段であり、この実施形態
では、電動モータを内蔵した駆動装置により構成されて
いる。制御手段80から与えられる回転制御信号Cに基
づいて、回転駆動手段20は、所定の回転速度でチャッ
ク10を回転駆動させる機能を有する。なお、図示の例
では、一対のチャック10のうち、右側のチャック10
に対してのみ回転駆動手段20からの動力が伝達され、
左側のチャック10は、単に、被製版ロール100を把
持固定する機能のみを有する。
【0016】露光ビーム照射手段30は、被製版ロール
100の製版面110に照射する露光用のビームB(こ
の例では、レーザ光ビームを用いているが、電子線ビー
ムなど他の荷電粒子や電磁波のビームを用いてもかまわ
ない)を発生するビーム発生部31と、発生したビーム
Bを被製版ロール100の軸方向に走査するビーム走査
部32と、を有する。回転駆動手段20によって、製版
面110を回転させると、露光用のビームBを製版面1
10の円周方向に走査させることができるが、ビーム走
査部32によってビーム発生部31を軸方向に移動させ
れば、露光用のビームBを製版面110の回転軸A方向
に走査させることができる。こうして、露光ビーム照射
手段30は、制御手段80から与えられるパターン描画
信号Sに基づいて、製版面110の全面をビーム走査に
より露光する処理を行う。。
【0017】ロータリエンコーダ40は、チャック10
の回転位置を電気信号として検出する機能を有する。こ
の例では、ロータリエンコーダ40は、図の右側のチャ
ック10の回転角度を0°〜360°の範囲内の回転角
度信号θとして出力する機能を有する。この回転角度信
号θは、図の右側のチャック10の絶対的な回転角度位
置を示すものであるが、被製版ロール100の絶対的な
回転角度位置を示すものではない。なぜなら、被製版ロ
ール100とチャック10との相対的な回転角度位置
は、常に一定ではなく、チャック10への取り付け作業
を行うたびに変動するからである。すなわち、図2に示
すように、軸端部130を把持爪11によって把持固定
した状態では、被製版ロール100とチャック10との
相対的な回転位置は固定されるが、把持爪11を緩め、
被製版ロール100をチャック10から取り外してしま
うと、両者の相対的な回転位置関係は失われてしまう。
次に述べる指標検出手段50および変位量検出手段60
は、被製版ロール100とチャック10との相対的な回
転位置関係を記録する機能を果たす。
【0018】まず、指標検出手段50は、被製版ロール
100上に設けられた指標Mを所定位置にて検出する機
能を有する。指標Mは、図示の例では、製版面110上
に形成された十字状のマークになっているが、パターン
形成の邪魔にならない位置であれば、被製版ロール10
0の任意の位置に設けるようにしてかまわない。また、
指標Mの形状も任意の形状でよい。被製版ロール100
が回転駆動させられると、この指標Mは所定の円周軌道
上を移動することになる。指標検出手段50は、指標M
がこの円周軌道上の所定位置に到来したことを検出する
ことができれば、どのような手段で構成してもかまわな
い。この例では、指標検出手段50は、被製版ロール1
00の回転円周軌道面上の固定位置からの反射光強度を
光学的に検出する装置によって構成されている。すなわ
ち、被製版ロール100の回転によって指標Mが到来す
ることになる所定の固定位置に、光ビームを照射し、こ
の固定位置からの反射光の強度を半導体感光素子によっ
て電気信号として検出するようにしている。指標検出手
段50からの検出信号Dは、変位量検出手段60に与え
られる。
【0019】変位量検出手段60は、指標検出手段50
から与えられる検出信号Dと、ロータリエンコーダ40
から与えられる回転角度信号θとに基づいて、チャック
10の基準回転位置に対する指標Mの回転角度変位量Δ
θを求める機能を有する。図3は、この変位量検出手段
60による回転角度変位量Δθの検出原理を示すグラフ
である。グラフの上段には、指標検出手段50から与え
られる検出信号Dの信号波形が示されている。すなわ
ち、横軸に時間軸tをとり、縦軸に信号Dの強度をとる
と、指標Mが所定の固定位置に到来した時点において、
反射光強度が低下するため、信号Dの強度が低下してい
ることがわかる。一方、グラフの下段には、ロータリエ
ンコーダ40から与えられる回転角度信号θのとるべき
範囲である0°〜360°の目盛りが横軸上に示されて
いる。被製版ロール100を回転させると、ロータリエ
ンコーダ40からは、その時点での回転角度信号θの値
がリアルタイムで与えられることになる。したがって、
変位量検出手段60は、指標検出手段50から与えられ
る検出信号Dと、ロータリエンコーダ40から与えられ
る回転角度信号θとに基づいて、チャック10の基準回
転位置に対する指標Mの回転角度変位量Δθを求めるこ
とができる。図示の例では、ロータリエンコーダ40か
らの回転角度信号θが0°のときのチャック10の回転
位置を基準回転位置と定め、検出信号Dの信号強度が最
低となった時点において、ロータリエンコーダ40から
与えられた回転角度信号θの値をそのまま回転角度変位
量Δθとして取り扱えるようにしている。具体的には、
図示の例の場合、回転角度変位量Δθ=120°となっ
ている。
【0020】パターンデータ格納手段70は、製版面1
10上に露光すべきパターンを示すパターンデータを格
納している。通常、パターンデータは、縦横に配列され
た多数の画素からなるラスターデータの形式で用意され
ており、個々の画素ごとに、描画/非描画のいずれかを
示す画素値が定義されている。
【0021】制御手段80は、回転駆動手段20に対し
て回転制御信号Cを与えるとともに、このパターンデー
タに基づいて露光ビーム照射手段30にパターン描画信
号Sを与える機能を有する。パターン描画信号Sは、ビ
ーム発生部31に対して、ビームの照射/非照射を指示
するとともに、ビーム走査部32に対して走査指示を与
える信号である。制御手段80は、回転駆動手段20の
回転速度およびビーム走査部32による走査速度を考慮
して、製版面110上における露光用のビームBの走査
位置を認識し、パターンデータ格納手段70内のパター
ンデータを参照した上で、当該走査位置に対して、露光
用のビームBを照射すべきか、非照射とすべきかを判断
することになる。パターン描画信号Sは、このような照
射/非照射を示すビット列を含む信号になる。
【0022】本発明の重要な特徴は、制御手段80が、
変位量検出手段60が求めた回転角度変位量Δθに応じ
て、パターン描画信号Sを与えるタイミングを調節する
機能を有する点である。具体的には、ロータリエンコー
ダ40の示すチャック10の回転位置が、変位量検出手
段60によって求められた回転角度変位量Δθに一致し
たタイミングで、パターンデータ格納手段70内にパタ
ーンデータとして用意されているラスターデータの先頭
を、露光ビーム照射手段30へ供給する作業を開始する
処理が行われる。たとえば、図3のグラフに示されてい
る例のように、回転角度変位量Δθが120°であった
場合、ロータリエンコーダ40から与えられる回転角度
信号θの値が120°になったタイミングに合わせて、
パターン描画信号Sが露光ビーム照射手段30に与えら
れることになり、パターンは、指標Mに対して一定の位
置関係をもった位置から、製版面110上に描画される
ことになる。
【0023】本発明に係るパターン露光装置は、このよ
うな機能を有しているため、被製版ロール100に対し
て多重露光を行った場合であっても、毎回の露光時に個
々のパターンを正確に位置合わせすることが可能にな
る。たとえば、上述した手順に従って、製版面110上
に所定のパターンを露光し、ここで、被製版ロール10
0を、一旦、チャック10から取り外し、再びチャック
10に装着して再度露光を行った場合を考えてみよう。
この場合、被製版ロール100とチャック10との相対
的な回転位置は、1回目の露光時と2回目の露光時とで
は異なってしまう。それにもかかわらず、2回のパター
ン露光は、常に、同一の指標Mに対して一定の位置関係
をもった位置を起点として行われるため、合計2回のパ
ターン露光によって製版面110上に形成された2つの
パターンは、正確に位置合わせがなされたものになる。
【0024】ここでは、このような多重露光を利用した
エンボス製品を製造するプロセスに、本発明に係るパタ
ーン露光装置を利用した適用例を述べておく。たとえ
ば、図4に側断面図を示すような木目柄の壁紙シート2
00を考える。この壁紙シート200の表面には、木目
導管溝を模した溝がエンボス加工により形成されてお
り、図示の例では、第1段目の溝201と第2段目の溝
202とによって、疑似的な木目導管溝が形成されてい
る。このような段差構造をもった疑似的な木目導管溝
は、天然木の木目導管溝に近い構造を有しているため、
壁紙シート200の表面などに形成すると、より自然な
風合いを表現することができる。
【0025】このような段差構造をもった溝を壁紙シー
ト200上に形成するためには、段差構造をもったエン
ボス版を作成する必要がある。段差構造をもったエンボ
ス版を作成する手法には、いくつかの方法が知られてい
るが、最も単純な方法は、複数のパターンを用いて複数
回の腐食工程を繰り返す方法である。たとえば、図5の
平面図に示すような第1枚目のパターンP1(木目導管
溝の平面図に相当)を用意し、このパターンP1に基づ
いて、製版面110を腐食すれば、図6の側断面図に示
すように、第1の段差部111を形成することができ
る。続いて、図7の平面図に示すような第2枚目のパタ
ーンP2(第1枚目のパターンP1と相似形で、面積は
より小さい)を用意し、このパターンP2に基づいて、
図6に示す製版面110に対して再度の腐食を行えば、
図8の側断面図に示すように、第1の段差部111上に
第2の段差部112が形成された段差構造を得ることが
できる。この図8に示すような段差構造をもったエンボ
ス版を用いてエンボス加工を行えば、図4に示すような
壁紙シート200を製造することができる。
【0026】ところが、壁紙シート200上に形成され
る疑似的な木目導管溝は、幅が数10μm〜500μm
程度、長さが数100μm〜数mm程度と、比較的小さ
な寸法をもった模様である。このため、2枚のパターン
P1,P2の位置合わせ誤差を、少なくとも500μm
以下に抑えなければ、実用上、利用することはできな
い。本発明に係るパターン露光装置は、このような位置
合わせ誤差の条件を十分に満たしており、実用上十分な
位置精度をもったエンボス版を作成することが可能にな
る。
【0027】図9は、図8に示すような段差構造をもっ
たエンボス版を、本発明に係るパターン露光装置を利用
して作成する手順を示す流れ図である。まず、ステップ
S1において、n枚分のパターンデータを作成する。た
とえば、n=2の場合であれば、図5および図7に示す
ような2枚のパターンP1,P2(図には1つの導管溝
しか示されていないが、実際には、多数の導管溝が並べ
られたパターンを用いる)をラスターデータとして用意
し、パターンデータ格納手段70内に格納しておけばよ
い。続いて、ステップS2において、被製版ロール10
0の端部に指標Mを形成する。指標Mは、たとえば、鋭
利な刃物の先端部を利用して、けがき線として製版面1
10の端部に形成すればよい。そして、ステップS3に
おいて、繰り返しパラメータi=1に設定し、ステップ
S4〜S10までの工程をn回分だけ繰り返せばよい。
【0028】まず、ステップS4において、被製版ロー
ル100の外周面にレジスト層をコーティングする。続
いて、ステップS5で、この被製版ロール100のチャ
ッキングを行う。すなわち、両側の軸端部130をチャ
ック10によって把持固定する。このとき、作業者は、
チャック10に対する被製版ロール100の相対的な回
転方向に関する位置に留意する必要はない。ただし、軸
方向に関する相対的な位置関係は、常に一定となるよう
にする必要がある。もっとも、一般的なチャック10で
は、把持爪11の端面と軸芯部120の端面とを当接さ
せることにより、両者の軸方向に関する位置関係が常に
一定になるように配慮されており、作業者は、通常のチ
ャッキング作業を行うだけで十分である。
【0029】続いて、ステップS6において、回転角度
変位量Δθの検出を行う。すなわち、被製版ロール10
0を回転させることにより、指標検出手段50から検出
信号Dを得るとともに、ロータリエンコーダ40から回
転角度信号θを得るようにし、図3のグラフで説明した
原理に基づいて、回転角度変位量Δθ1を求める処理を
行う。そして、ステップS7において、i枚目(i=
1)のパターンの露光処理を行う。すなわち、パターン
データ格納手段70内に格納されている1枚目のパター
ンP1のラスターデータを、露光ビーム照射手段30に
与えて露光を行うが、このとき、回転角度変位量Δθ1
に応じたタイミングで、ラスターデータが与えられるこ
とになる。
【0030】こうして、製版面110への1枚目のパタ
ーン露光が完了したら、被製版ロール100をチャック
10から取り外し、ステップS8において、被製版ロー
ル100に対する現像を行い、ステップS9において、
被製版ロール100に対する腐食を行い、ステップS1
0において、被製版ロール100に対する洗浄を行うこ
とになる。これにより、製版面110には、図6に示す
ような第1の段差部111が形成されることになる。
【0031】続いて、ステップS11からステップS1
2へと進み、パラメータiの値を2に更新した後、再び
ステップS4へと戻り、被製版ロール100の外周面に
レジスト層をコーティングする作業が行われる。この場
合、図6に示すような段差構造が形成された製版面11
0の上に、更にレジスト層が形成されることになる。そ
して、ステップS5で、この被製版ロール100のチャ
ッキングを行う。このときも、作業者は、チャック10
に対する被製版ロール100の相対的な回転位置に留意
する必要はない。そして、ステップS6において、新た
な回転角度変位量Δθ2の検出を行い、ステップS7に
おいて、2枚目のパターンの露光処理を行う。すなわ
ち、パターンデータ格納手段70内に格納されている2
枚目のパターンP2のラスターデータを、露光ビーム照
射手段30に与えて露光を行うが、このときも、直前に
検出された新たな回転角度変位量Δθ2に応じたタイミ
ングで、ラスターデータが与えられることになる。した
がって、2枚目のパターンは、1枚目のパターンに対し
て、正確に位置合わせされた状態で多重露光されること
になる。
【0032】こうして、製版面110への2枚目のパタ
ーン露光が完了したら、被製版ロール100をチャック
10から取り外し、ステップS8において、被製版ロー
ル100に対する現像を行い、ステップS9において、
被製版ロール100に対する腐食を行い、ステップS1
0において、被製版ロール100に対する洗浄を行うこ
とになる。これにより、製版面110には、図8に示す
ような第2の段差部112が形成されることになる。最
後に、ステップS11からステップS13へと進み、必
要に応じて、サンドブラスト処理やクロムメッキ処理な
どの後処理を行えば、エンボス版の作成作業は完了す
る。
【0033】
【発明の効果】以上のとおり、本発明に係る被製版ロー
ルへのパターン露光装置によれば、被製版ロール上の指
標を基準とした位置合わせを行うことができるため、ビ
ーム走査による直接多重露光を行う際にも、正確な位置
合わせが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の一実施形態に係る被製版ロール
へのパターン露光装置の基本構成を示すブロック図であ
る。
【図2】図1に示すパターン露光装置におけるチャック
10による軸端部130の固定状態を示す図であり、図
1に示すチャック10を、回転軸Aに沿った方向からみ
た図である。
【図3】図1に示すパターン露光装置における変位量検
出手段60による回転角度変位量Δθの検出原理を示す
グラフである。
【図4】本発明に係るパターン露光装置を用いて作成し
た木目柄の壁紙シート200の側断面図である。
【図5】図4に示す壁紙シート200のエンボス加工に
用いるエンボス版を作成するために用いた第1枚目のパ
ターンP1の平面図である。
【図6】図5に示す第1枚目のパターンP1を用いて、
製版面110上に第1の段差部111を形成した状態を
示す側断面図である。
【図7】図4に示す壁紙シート200のエンボス加工に
用いるエンボス版を作成するために用いた第2枚目のパ
ターンP2の平面図である。
【図8】図7に示す第2枚目のパターンP2を用いて、
製版面110上に第2の段差部112を形成した状態を
示す側断面図である。
【図9】図8に示すような段差構造をもったエンボス版
を、本発明に係るパターン露光装置を利用して作成する
手順を示す流れ図である。
【符号の説明】
10…チャック 11…把持爪 20…回転駆動手段 30…露光ビーム照射手段 31…ビーム発生部 32…ビーム走査部 40…ロータリエンコーダ 50…指標検出手段 60…変位量検出手段 70…パターンデータ格納手段 80…制御手段 100…被製版ロール 110…製版面 111…第1の段差部 112…第2の段差部 120…軸芯部 130…軸端部 200…壁紙シート 201…第1段目の溝 202…第2段目の溝 A…回転軸 B…露光用のビーム C…回転制御信号 D…指標の検出信号 M…指標 S…パターン描画信号 P,P1,P2…露光用のパターン θ…回転角度信号 Δθ…回転角度変位量

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 露光対象となる被製版ロールの製版面に
    ビームを照射して所定のパターンを露光するパターン露
    光装置であって、 被製版ロールの軸を把持固定するチャックと、 このチャックを前記被製版ロールの軸まわりに回転させ
    る回転駆動手段と、 前記被製版ロールの製版面に照射する露光用のビームを
    発生するビーム発生部と、発生したビームを前記被製版
    ロールの軸方向に走査するビーム走査部と、を有する露
    光ビーム照射手段と、 露光すべきパターンを示すパターンデータを格納したパ
    ターンデータ格納手段と、 前記チャックの回転位置を検出するロータリエンコーダ
    と、 前記被製版ロール上に設けられた指標を所定位置におい
    て検出する指標検出手段と、 前記指標検出手段の検出信号と、前記ロータリエンコー
    ダの検出信号とに基づいて、前記チャックの基準回転位
    置に対する前記指標の回転角度変位量を求める変位量検
    出手段と、 前記回転駆動手段に対して回転制御信号を与えるととも
    に、前記パターンデータに基づいて前記露光ビーム照射
    手段にパターン描画信号を与える機能を有し、前記変位
    量検出手段が求めた回転角度変位量に応じて、前記パタ
    ーン描画信号を与えるタイミングを調節する機能を有す
    る制御手段と、 を備えることを特徴とする被製版ロールへのパターン露
    光装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のパターン露光装置にお
    いて、 指標検出手段が、被製版ロールの回転円周軌道面上の固
    定位置からの反射光強度を光学的に検出する装置を有す
    ることを特徴とする被製版ロールへのパターン露光装
    置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載のパターン露光
    装置において、 パターンデータ格納手段内に格納するパターンデータ
    を、ラスターデータの形式で用意しておき、 ロータリエンコーダの示すチャックの回転位置が、変位
    量検出手段によって求められた回転角度変位量に一致し
    たタイミングで、前記ラスターデータの先頭を露光ビー
    ム照射手段へ供給開始することを特徴とする被製版ロー
    ルへのパターン露光装置。
JP31427597A 1997-10-30 1997-10-30 被製版ロールへのパターン露光装置 Expired - Fee Related JP3868606B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP31427597A JP3868606B2 (ja) 1997-10-30 1997-10-30 被製版ロールへのパターン露光装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP31427597A JP3868606B2 (ja) 1997-10-30 1997-10-30 被製版ロールへのパターン露光装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH11133623A true JPH11133623A (ja) 1999-05-21
JP3868606B2 JP3868606B2 (ja) 2007-01-17

Family

ID=18051407

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP31427597A Expired - Fee Related JP3868606B2 (ja) 1997-10-30 1997-10-30 被製版ロールへのパターン露光装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3868606B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013057725A (ja) * 2011-09-07 2013-03-28 Asahi Kasei Corp 露光装置
JP2019144594A (ja) * 2019-05-13 2019-08-29 株式会社ニコン パターン形成装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013057725A (ja) * 2011-09-07 2013-03-28 Asahi Kasei Corp 露光装置
JP2019144594A (ja) * 2019-05-13 2019-08-29 株式会社ニコン パターン形成装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP3868606B2 (ja) 2007-01-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1885565B1 (en) Laser ablating of printing plates and/or printing rollers to decrease taper and total indicated run-out
EP0741335A1 (en) Laser apparatus and process of use
JPS5928160A (ja) 見当合せ用マ−クの形成方法
US6357976B1 (en) Method for positioning engraving organs
JP2006095931A (ja) 印刷版の製版方法および印刷版の製版装置
JP2001526988A (ja) 複数の彫刻デバイスを備えた彫刻システムおよび彫刻方法
JP3283534B2 (ja) 圧胴の彫刻方法
EP0366356A2 (en) Laser profiling of lenses
US6877423B2 (en) Method to produce a printing form for rotogravure, printing form for rotogravure and their use
JP2010214944A (ja) スリーブ印刷版の検査装置
CA2003949C (en) Process and device for forming a resist pattern on a cylindrical object, and an etched metal cylinder obtained using such a resist pattern
JP3868606B2 (ja) 被製版ロールへのパターン露光装置
JP2010237298A (ja) 彫刻モニタリング方法及び装置、製版装置、並びに印刷版の製造方法
CA2365948C (en) Creating a mask for producing a printing plate
CN110892334B (zh) 用于光敏聚合物印刷版的直接固化的系统和过程
JP4071327B2 (ja) 被製版ロールへの多重パターン形成方法
US5338627A (en) Method for manufacturing rotary screen
JPS61235151A (ja) レ−ザ−による網グラビア製版法
JPH1020507A (ja) レーザ露光方法
US5566618A (en) Method and apparatus for use in offset printing
KR100554743B1 (ko) 레이저를 이용한 롤식각 방법
JP2001109163A (ja) 製版用露光装置及び露光方法
US8154808B2 (en) Autofocus imaging apparatus
JP2002510570A (ja) 彫刻部材の位置決め方法
Bennett et al. The Zedcotm Rubber Roller Engraving Machine

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040902

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060608

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060711

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060911

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20061010

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20061011

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091020

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101020

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111020

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121020

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131020

Year of fee payment: 7

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees