JPH11133043A - 車輪速センサの異常検出装置およびその異常検出方法 - Google Patents

車輪速センサの異常検出装置およびその異常検出方法

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JPH11133043A
JPH11133043A JP23776898A JP23776898A JPH11133043A JP H11133043 A JPH11133043 A JP H11133043A JP 23776898 A JP23776898 A JP 23776898A JP 23776898 A JP23776898 A JP 23776898A JP H11133043 A JPH11133043 A JP H11133043A
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signal
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JP23776898A
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Hiroshi Iguchi
浩 井口
Teruaki Arata
輝明 荒田
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Aisin Corp
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Aisin Seiki Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 外付けのコンデンサや高価なマイクロコンピ
ュータを使用する事なく、簡単で安価な方法で車輪速セ
ンサの異常を検出する。 【解決手段】 車輪速センサ1の信号を基準電圧Vre
fと比較する比較回路IC1,IC2と、比較回路の出
力に応じて増または減を行うカウンタIC5と、カウン
タの増減タイミングを決める発振器IC9と、発振器の
出力を受けカウンタの増減勾配を可変させるプリスケー
ラIC3と、発振器の出力とプリスケーラの出力とを選
択的に切り換える選択回路IC4と、選択回路の出力に
同期して前記カウンタが作動し、カウンタ値が所定値を
越えたときにセンサ異常信号を発生する異常出力回路I
C8を備えた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車輪速センサの故
障検出に関するものであり、特に、車輪速センサが故障
した場合の異常検出装置およびその異常検出方法に係
る。
【0002】
【従来の技術】従来、車輪速センサは車両の車輪速を基
に制御を行う制御装置に用いられており、例えば、アン
チスキッド制御装置やトラクションコントロール制御装
置等の車両制御に使用されている。この車輪速センサが
異常である場合には正確な車両制御を行うことができな
くなるために、車輪速センサの異常を正確に検知しなく
てはならない。この車輪速センサの故障検知に関して
は、車輪速センサに対して制御装置(コンピュータ)か
ら直流電流を流し、車輪速センサにより発生した電位
と、あらかじめ設定した基準電圧と比較して、センサ信
号の断線、または、地絡を検出する方法が知られてい
る。
【0003】この場合、実際に車輪速が入力されると、
この直流電流に車輪速センサ自身で発生する誘起電流が
重畳するため、制御装置の入力信号は瞬時的に基準電位
を超え、フェイル状態になることがある。そこで、この
ように車輪速信号の瞬時的に基準電圧をこえることを抑
制する為、コンデンサと抵抗から成るCRフィルタが用
いられている。このようにCRフィルタを用いたもの
は、例えば、特開平5−133962号公報(図5参
照)に開示されている。
【0004】これは、図5に示されるように、車輪速セ
ンサ1からの信号を制御装置30の入力端子で受け、R
1とC1で構成されるCRフィルタを介し、マイクロコ
ンピュータのA/D入力に入力される構成になってい
る。A/D入力された信号をその後、マイクロコンピュ
ータ内部で基準値と比較することで、車輪速センサ信号
に異常が発生した状態(フェイル状態)を判断してい
る。
【0005】
【本発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記
の方法では、故障検出回路31で示す部位のほとんどは
集積化する場合には集積回路に収まるが、C1だけは非
常にコンデンサ容量の大きなものが必要となり、集積化
することは難しく、集積回路の周辺にディスクリート部
品として実装しなくてはならない。このため、電子部品
実装面積の増大、コスト増につながってしまう。
【0006】また、これを解決する為に、車輪速センサ
からの信号を直接マイクロコンピュータのA/D入力で
読み込み、コンピュータ内部でデジタルフィルタ処理す
る事も可能ではあるが、車輪速センサは、通常、0〜1
0kHz程度の周波数を出力するために、A/D入力は
最低でも20kHz以上の高速性が要求される。このた
め、高速で車輪速センサからの信号を処理するためにマ
イクロコンピュータの負荷が大きくなり廉価なマイクロ
コンピュータが使用できなくなり、コスト増となってし
まう。
【0007】よって、本発明は上記の問題点に鑑みてな
されたものであり、外付けのコンデンサや高価なマイク
ロコンピュータを使用する事なく、車輪速センサの異常
を検出する装置およびその異常検出方法を提供すること
を技術的課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに講じた第1の技術的手段は、車輪速センサの信号を
基準電圧と比較する比較回路と、該比較回路の出力に応
じて増または減を行うカウンタと、該カウンタの増減タ
イミングを決める発振器と、該発振器の出力を受けカウ
ンタの増減勾配を可変させるプリスケーラと、前記発振
器の出力と前記プリスケーラの出力とを選択的に切り換
える選択回路と、該選択回路の出力に同期して前記カウ
ンタが作動し、カウンタ値が所定値を越えたときにセン
サ異常信号を発生する異常出力回路を備えた。
【0009】上記の構成により、比較回路、発振器、カ
ウンタ、プリスケーラ、及び簡単な論理回路等で車輪速
センサの異常検出を行うことが可能となるため、外付け
の大容量のコンデンサや高価なマイクロコンピュータは
必要なく、集積化が可能となり、安価な構成で車輪速セ
ンサの異常を検出する装置が提供されるものとなる。
【0010】また、上記の課題を解決するために講じた
第2の技術的手段は、車輪速センサの信号を基準電圧と
比較回路により比較し、前記比較回路の出力に応じて増
または減させるカウンタの増減タイミングを発振器と該
発振器の出力を受け前記カウンタの増減勾配を変化させ
るプリスケーラの出力とを前記比較回路の出力により選
択的に切り換え、該選択回路の出力に同期して前記カウ
ンタが作動し、カウンタ値が所定値を越えたときにセン
サ異常信号を発生するようにした。
【0011】これによれば、比較回路、発振器、カウン
タ、プリスケーラ、及び簡単な論理回路等を用いて簡単
な方法で車輪速センサの異常検出を行うことが可能とな
る。
【0012】この場合、センサ異常時は、カウンタ値を
変化させ、センサ正常時はカウンタ値を異常時よりも速
く変化させるようにすれば、車輪速センサが車輪ロータ
の変形や偏心により、正弦波が歪んだ場合でも車輪速セ
ンサの異常が正確に検出されるものとなる。
【0013】上記の課題を解決するために講じた第3の
技術的手段は、車輪速センサからの信号を基準電圧と比
較回路により比較し、該比較回路からの信号の状態によ
りカウンタを動作させる周波数が選択され、該周波数で
カウンタを変化させると共に、前記比較回路からの信号
の状態により前記カウンタを増または減させるかを決定
し、前記カウンタの増勾配と減勾配が異なるよう変化さ
せることにより車輪速センサの異常検出を行うようにし
た。
【0014】これによれば、車輪速センサからの信号を
基準電圧と比較し、その比較した状態によりカウンタを
動作させる周波数が選択され、選択された周波数でカウ
ンタを変化させる。また、この場合、比較回路からの信
号の状態によりカウンタを増または減させるかを決定
し、比較回路の出力に基づいてカウンタの増勾配と減勾
配が異なるよう変化させることにより車輪速センサの異
常検出が行え、簡単な方法で車輪速センサの異常検出を
行うことが可能となる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面を
参照して説明する。
【0016】図1は、アンチスキッド制御装置(以下、
制御装置と称す)10の中のセンサ異常検出部11の電
気回路図である。
【0017】図1において、車両の各車輪に取り付けら
れた電磁誘導型(ピックアップ型ともいう)車輪速セン
サ1は、車輪と一体回転する図示しないロータの回転に
応じて正弦波を出力する。
【0018】車輪速センサ1で発生した信号は、制御装
置10の入力端子SP+、SP−を介して、マイクロコ
ンピュータ12に入力される。この場合、マイクロコン
ピュータ12の内部でSP+の電圧とSP−電圧との電
位差を比較し、パルス出力SPout がマイクロコンピュ
ータ12に入力され、マイクロコンピュータ12はその
周波数によって、各車輪の車輪速を認識する。
【0019】次に、センサ異常検出部11について説明
する。
【0020】このセンサ異常検出部11は、図1に示さ
れるように抵抗R1〜R3、車輪速センサ1からの信号
を基準電圧Vrefと比較する比較回路IC1,IC
2、クロックCK入力に入力される信号に同期してカウ
ンタアップ/ダウン(U/D)の信号状態によりカウン
タの増減を行うカウンタIC5、車輪速センサ1の異常
をセットまたはリセットするフリップフロップIC8、
カウンタに対して基準信号となる発振器IC9、カウン
タIC5の増減勾配を変化させるプリスケーラ(分周
器)IC3、カウンタIC5の同期をとる選択回路IC
4、及び論理回路IC6,IC7、IC10等から成り
立っている。
【0021】車輪速センサ1のSP+側は比較回路IC
1の+側に接続され、−側はSP−端子に接続される。
IC1の出力SPoutはマイクロコンピュータ12の
入力ポートに入力されている。また、車輪速センサ1の
SP−側は比較回路IC2の+側に接続され、−側は基
準電圧Vrefに接続され、このIC2の出力はインバ
ータ回路IC10を介して、カウンタIC5のU/D端
子に接続されている。カウンタIC5はIC10の出
力、つまり、U/D端子が低電位レベル(以下、Lレベ
ルと称す)でダウンカウントを行い、高電位(以下、H
レベルと称す)でアップカウントを行う抵抗R1は、セ
ンサ断線時にSP−の端子を0Vにプルダウンさせるプ
ルダウン抵抗であり、車輪速センサ1のコイルに断線が
生じた場合、または、車輪速センサ1と制御装置10を
つなぐ配線に断線が生じた場合にSP−は0Vになる。
【0022】IC2は、SP−電圧と基準電圧Vref
を比較し、SP−の電圧がVrefより高い時は出力が
Hレベルとなり、Vrefより低い時はLレベルの信号
を出力し、その信号をインバータ回路IC10により反
転させ、カウンタIC5のU/D端子に対して出力す
る。また、IC1はSP+の電圧とSP−の電圧を比較
し、SP+の電圧がSP−の電圧より高い時は出力がH
レベル、低い時はLレベルの信号をマイクロコンピュー
タ12に対して出力する。
【0023】IC9は、常に一定周波数を出力する発振
器であり、Fclockの周波数を出力する。Fclockの一部
はプリスケーラIC3を介して、Fclock/ n(n は2
以上の任意の自然数)に分周され、プリスケーラIC3
により分周された周波数はFcとなる。
【0024】IC4は、AND、OR、インバータ回路
から成り図1に示す回路構成となった選択回路であり、
カウンタIC5のクロックCK入力に与える周波数(同
期をとる周波数)をFclock かFcか選択するデータセ
レクタである。つまり、IC2の出力がHレベル時はF
clock を選択し、出力がLレベル時はFcを選択し、カ
ウンタIC5のクロック入力となる。
【0025】IC5は、12bitのバイナリアップダ
ウンカウンタであり、U/D入力がHレベルの時はCK
に入力されるクロック毎に内部カウンタをアップし、L
レベルの時はCK入力のクロック毎に内部カウンタをダ
ウンする。内部カウンタ値はリミッタがかかるようにな
っており、下限は$000でカウントダウンを停止、上
限は$FFFでカウントアップを停止する。また、内部
カウンタ値は、外部からのRESET信号によって$000
に初期化される。
【0026】IC6、7、8は、IC5の内部カウンタ
値に応じてマイクロコンピュータ12に車輪速センサ1
の異常状態(フェイル状態)を出力する為の処理回路で
あり、IC6はIC5のカウンタ値が$FFFの時、セ
ンサフェイルとして、IC8のRSフリップフロップを
セットする。IC7は図1に示されるようにIC5no
Q10,Q10の信号を基にしたAND回路,インバー
タ回路およびOR回路より成り、Q10,Q11の信号
を受けて、カウンタIC5のカウンタ値が$400〜7
FFの時、或いは、外部からのRESET信号発生時に、車
輪送センサ1が正常としてIC8から出力されるセンサ
異常信号をリセットし、センサ正常とするものである。
IC8は、上記IC6およびIC7が信号を出力しない
ときには、前の状態を保持する機能を有する。更に、I
C8はIC5、IC6の信号グリッジ(誤信号)による
誤作動を防止する為、発振器IC9からの周波数Fcloc
kにより同期ををとっている。
【0027】次に、図2を参照して、センサ異常検知部
11の動作を説明する。
【0028】車輪速センサ1が正常時は、Vavgを平均値
とする正弦波が制御回路10に入力される。ここで、電
圧Vavgは、Vcc、R1、R2、R3および、車輪速セン
サのもつ直流抵抗Rsen で決まり、以下の(数1)に示
す関係式から得られるものとなる。
【0029】
【数1】
【0030】IC2は、SP−の電圧と基準電圧Vre
fを比較し、初めはSP−の電圧が高いので出力はHレ
ベルとなる。IC2の出力はHレベルであるので、12
bitカウンタIC5のCKはFclockとなり、U/D
入力はインバータ回路IC10により反転されLレベル
となり、ダウンカウントを指示する。ここで、12bi
tカウンタは初期値は零であるので、CKに周波数が入
ってきても、カウントダウンはせず、零を維持する。ま
た、IC8についても、RESET信号がIC7を介してリ
セット入力Rに入るので、FAout出力は、センサ正常
を示すLレベルとなる。
【0031】車輪速センサ1の入力信号が時間と共に変
化し、下限値近傍になってVrefレベルを下回ると、I
C2の出力はLレベルとなり、その後、IC10で反転
されてカウンタIC5のU/DはHレベルとなって、カ
ウントアップを指示する。この場合、CK入力にはプリ
スケーラIC3からの周波数FcがIC4により選択さ
れて入力され、カウンタ値は徐々にインクリメントされ
る。しかしながら、通常の車輪速は、Vref以下にな
る時間が非常に短く、カウンタ値が$FFFに到達する
前に、SP−の電圧は基準電圧Vrefの電圧以上に復
帰するため、基準電圧Vrefの電圧以上に復帰した時
点でIC2の出力はHレベルとなる。このため、IC5
のU/D入力は、IC10により反転されLレベルとな
り、カウントダウンを指示すると共に、CK入力にはI
C4により選択された周波数Fclockが入力され、カウ
ンタ値はカウントアップより速くディクリメントされる
(図2参照)。ここで、非常に低速な車輪速信号が出た
場合であるが、車輪速センサ1の周波数と出力電圧には
両対数的には比例関係があり、超低車輪速の状態で信号
は基準電圧Vrefを下回る事がない。従って、車輪速
センサ1の誤まった異常検出を行わない。
【0032】次に、車輪速の入力中にセンサ断線などが
発生した場合について説明すると、車輪側センサ1が断
線した場合にはSP−側、プルダウン抵抗R1により0
Vとなる。これにより、IC2の出力はLレベルとな
り、カウンタIC5のU/D入力は、インバータ回路I
C10により反転されHレベルとなり、U/D入力がH
レベルとなりカウントアップを指示する。また、IC4
によりカウンタIC5のCK入力にはプリスケーラIC
3からの周波数Fcが選択されて入力され、カウンタ値
は徐々にインクリメントされる。その後、カウンタ値が
$FFFに達した時点で、IC5はカウントアップを停
止すると共に、Q0〜11の全出力がHレベルとなり、
IC6を介しIC8のS端子はHレベルになるため、F
Aout端子がHレベルとなり、マイクロコンピュータ1
2に車輪速センサ1が異常である信号が伝達される。
【0033】やがて、センサ異常が復帰した(センサが
正常になった)場合にはIC2の出力はHレベルとな
り、カウンタIC5のU/D入力はカウントダウンを指
示すると共に、CK入力には発振器IC9からの周波数
Fclock が入力され、カウンタ値はカウントアップより
速くディクリメントされるが、カウンタ値が$7FFに
なるまでは、FAoutの出力はHレベルを維持し、カウ
ンタ値が$7FFになった時点でIC7が作用し、IC
8はリセットされ、FAoutがLレベルとなり、センサ
正常の信号がマイクロコンピュータ12に出力される。
【0034】ここで、カウンタのカウントアップ速度と
カウントダウン速度に差をつけた点について説明する。
【0035】カウントアップとカウントダウンを同速度
にした場合、車輪速センサのロータの変形や偏心など
で、正弦波が歪むことがある。例えば、図3に示すよう
に、Vavgに対し上下非対称の波形が入力された時、カ
ウンタのカウントアップ時間の方が、カウントダウンの
時間を若干でも超えると、基準電圧Vrefを下まわる
時間が長くなり、その差分が時間と共に累積し、ついに
はセンサ正常であるにもかかわらず、センサ異常として
誤検知してしまう。
【0036】また、カウントアップに対して、正常時に
即座にカウンタ値を零に初期化する方法も考えられる
が、車輪速センサ1からのセンサ信号は非常に小さく、
このため、制御装置10の入力端子は、普通、高インピ
ーダンスとなっている。すなわち、センサ信号には図4
に示されるように外来ノイズ(例えば点火用プラグによ
るイグニションノイズやターンシグナル、ホーンなどの
誘起電流)が重畳し易く、車輪速センサ1の断線時に
は、SP+側に更にノイズが重畳した場合、センサ異常
であるにもかかわらず、ノイズによりセンサ異常が検出
できないという不具合が生じる。この外来ノイズは、車
輪速信号に対し短パルス的な変動を示すので、カウンタ
のカウントアップ速度とカウントダウン速度に差をつけ
れば、この短パルス的な変動に対し、カウンタ値が大幅
に変動することがなく、安定したセンサ異常検出を実現
する事ができる。
【0037】尚、ここでは、センサ端子の断線(オープ
ン)を主に説明したが、センサ端子が地絡(車両ボディ
にショート)した場合についても、SP−の電圧が、0
Vになるので、オープンと同様な作用をする。また、V
avgより低い電圧にVref を設定したが、車輪速センサ
1の天絡(バッテリー+電位へのショート)や制御装置
10のR3の断線を加味し、Vavg より高い電圧に2つ
目の基準電圧Vref2を設定することも可能である。ま
た、ここではカウンタをセンサ断線時はカウントアップ
させ、センサ正常時はカウントダウンさせるようにした
が、センサ断線時はカウントダウン、センサ正常時はカ
ウントアップさせて所定値を下回ったときにセンサ異常
信号を発生させることも可能である。
【0038】
【効果】本発明によれば、車輪速センサの信号を基準電
圧と比較する比較回路と、比較回路の出力に応じて増ま
たは減を行うカウンタと、カウンタの増減タイミングを
決める発振器と、発振器の出力を受けカウンタの増減勾
配を可変させるプリスケーラと、発振器の出力とプリス
ケーラの出力とを選択的に切り換える選択回路と、選択
回路の出力に同期してカウンタが作動し、カウンタ値が
所定値を越えたときにセンサ異常信号を発生する異常出
力回路を備えたことにより、比較回路、発振器、カウン
タ、プリスケーラ、及び簡単な論理回路等で車輪速セン
サの異常検出を行うことが可能となるため、外付けの大
容量のコンデンサや高価なマイクロコンピュータは必要
なくなり、集積化が可能となり、安価な構成で車輪速セ
ンサの異常を検出する装置が提供される。
【0039】また、車輪速センサの信号を基準電圧と比
較回路により比較し、比較回路の出力に応じて増または
減させるカウンタの増減タイミングを発振器と発振器の
出力を受けカウンタの増減勾配を変化させるプリスケー
ラの出力とを比較回路の出力により選択的に切り換え、
選択回路の出力に同期してカウンタが作動し、カウンタ
値が所定値を越えたときにセンサ異常信号を発生するよ
うにしたことにより、比較回路、発振器、カウンタ、プ
リスケーラ、及び簡単な論理回路等を用いて簡単に異常
検出を行うことができる。
【0040】この場合、センサ異常時は、カウンタ値を
変化させ、センサ正常時はカウンタ値を異常時よりも速
く変化させるようにすれば、車輪速センサが車輪ロータ
の変形や偏心により、正弦波が歪んだ場合でも車輪速セ
ンサの異常が正確に検出できる。
【0041】更に、車輪速センサからの信号を基準電圧
と比較し、その比較した状態によりカウンタを動作させ
る周波数が選択され、選択された周波数でカウンタを変
化させ、比較回路からの信号の状態によりカウンタを増
または減させるかを決定し、比較回路の出力に基づいて
カウンタの増勾配と減勾配が異なるよう変化させること
により、車輪速センサの異常検出が行え、簡単な方法で
車輪速センサの異常検出を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態における異常検出装置の
異常検出部の電気回路図である。
【図2】 本発明の一実施形態における車輪速センサが
正常な場合と異常な場合を示す状態遷移図である。
【図3】 本発明の一実施形態における車輪速センサが
歪んだ場合での状態遷移図である。
【図4】 本発明の一実施形態における車輪速センサに
ノイズがのった場合での状態遷移図である。
【図5】 車輪速センサの異常を検出装置の従来例であ
る。
【符号の説明】
1 車輪速センサ 10 制御装置 11 センサ異常検出部 12 マイクロコンピュータ IC1,IC2 比較回路 IC3 プリスケーラ(分周器) IC4 選択回路(データセレクタ) IC5 カウンタ IC8 異常出力回路(フリップフロップ)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車輪速センサの信号を基準電圧と比較す
    る比較回路と、該比較回路の出力に応じて増または減を
    行うカウンタと、該カウンタの増減タイミングを決める
    発振器と、該発振器の出力を受けカウンタの増減勾配を
    可変させるプリスケーラと、前記発振器の出力と前記プ
    リスケーラの出力とを選択的に切り換える選択回路と、
    該選択回路の出力に同期して前記カウンタが作動し、カ
    ウンタ値が所定値を越えたときにセンサ異常信号を発生
    する異常出力回路を備えたことを特徴とする車輪速セン
    サの異常検出装置。
  2. 【請求項2】 車輪速センサの信号を基準電圧と比較回
    路により比較し、前記比較回路の出力に応じて増または
    減させるカウンタの増減タイミングを発振器と該発振器
    の出力を受け前記カウンタの増減勾配を変化させるプリ
    スケーラの出力とを前記比較回路の出力により選択的に
    切り換え、該選択回路の出力に同期して前記カウンタが
    作動し、カウンタ値が所定値を越えたときにセンサ異常
    信号を発生することを特徴とする車輪速センサの異常検
    出方法。
  3. 【請求項3】 センサ異常時は、カウンタ値を変化さ
    せ、センサ正常時はカウンタ値を異常時よりも速く変化
    させることを特徴とする請求項2に記載の車輪速センサ
    の異常検出方法。
  4. 【請求項4】 車輪速センサからの信号を基準電圧と比
    較回路により比較し、該比較回路からの信号の状態によ
    りカウンタを動作させる周波数が選択され、該周波数で
    カウンタを変化させると共に、前記比較回路からの信号
    の状態により前記カウンタを増または減させるかを決定
    し、前記カウンタの増勾配と減勾配が異なるよう変化さ
    せることにより車輪速センサの異常検出を行う車輪速セ
    ンサの異常検出方法。
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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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