JPH11132403A - 多管式水管ボイラ - Google Patents

多管式水管ボイラ

Info

Publication number
JPH11132403A
JPH11132403A JP31615797A JP31615797A JPH11132403A JP H11132403 A JPH11132403 A JP H11132403A JP 31615797 A JP31615797 A JP 31615797A JP 31615797 A JP31615797 A JP 31615797A JP H11132403 A JPH11132403 A JP H11132403A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
water pipes
water
premixed gas
flame
boiler
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP31615797A
Other languages
English (en)
Inventor
Akinori Kawakami
昭典 川上
Takashi Morimatsu
隆史 森松
Tatsuki Kobayashi
立季 小林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Miura Co Ltd
Original Assignee
Miura Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Miura Co Ltd filed Critical Miura Co Ltd
Priority to JP31615797A priority Critical patent/JPH11132403A/ja
Publication of JPH11132403A publication Critical patent/JPH11132403A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 多管式水管ボイラにおいて、燃焼装置と缶体
とを一体的に構成することにより、燃焼形態と水管配置
とのマッチングを図り、ボイラの小型化と低NOx 化を
達成すること。 【解決手段】 ほぼ全面から予混合気を噴出する面状の
噴出部材7を備え、この噴出部材7の予混合気噴出面9
にほぼ密接させた状態で第一水管11を配置し、前記第
一水管11よりも予混合気噴出方向下流側の燃焼反応領
域に複数の第二水管12,12,…を配置した構成であ
る。さらに、前記第一水管11が複数本配置され、隣り
合う第一水管11間の隙間を適宜変更した構成であり、
前記第一水管11の隣り合うもの同士の隙間が、前記各
第一水管11の外径とほぼ同等かそれ以下とした構成で
ある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、貫流ボイラ,自
然循環式水管ボイラ,強制循環式水管ボイラなどの水管
ボイラにおいて、複数の水管によって缶体を構成した多
管式水管ボイラに関するものである。
【0002】
【従来の技術】燃焼室内に多数の水管を配設し、これら
の水管間の隙間で燃料を燃焼させ、ボイラの小型化と水
管による火炎の冷却効果により低NOx 化を図った多管
式水管ボイラがある。このような多管式水管ボイラは、
実開平2−28902号公報や特開平2−272207
号公報にて公知である。
【0003】しかしながら、前述の多管式水管ボイラに
おいては、燃焼性の良好な燃焼装置を前提としており、
前述のような効果を得るためには、燃焼装置と水管との
位置関係も重要な要素となっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】この発明が解決しよう
とする課題は、多管式水管ボイラにおいて、燃焼装置と
缶体とを一体的に構成することにより、燃焼形態と水管
配置とのマッチングを図り、ボイラの小型化と低NOx
化を達成することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】この発明は、前記課題を
解決するためになされたもので、請求項1に記載の発明
は、ほぼ全面から予混合気を噴出する面状の噴出部材を
備え、この噴出部材の予混合気噴出面にほぼ密設させた
状態で第一水管を配置し、前記第一水管よりも予混合気
噴出方向下流側の燃焼反応中ガスの存在する領域に複数
の第二水管を配置したことを特徴としている。
【0006】さらに、請求項2に記載の発明は、前記第
一水管が複数本配置され、隣り合う第一水管間の隙間を
適宜変更したことを特徴としており、請求項3に記載の
発明は、前記第一水管の隣り合うもの同士の隙間が、前
記各第一水管の外径とほぼ同等かそれ以下であることを
特徴としており、請求項4に記載の発明は、前記第一水
管と隣り合う前記各第二水管の隙間および前記各第二水
管の隣り合うもの同士の隙間が、前記各第二水管の外径
とほぼ同等かそれ以下であることを特徴としている。さ
らに、請求項5に記載の発明は、前記予混合気噴出面
が、平面状,湾曲面状,円筒面状のいずれかであること
を特徴としている。
【0007】
【発明の実施の形態】この発明は、多管式水管ボイラと
して実施される。さらに、この発明の多管式水管ボイラ
は、蒸気ボイラや温水ボイラのほか、熱媒を加熱する熱
媒ボイラなどとして適用される。
【0008】この発明の多管式水管ボイラは、面状の噴
出部材を備え、この噴出部材のほぼ全面から予混合気を
噴出する。この噴出部材の予混合気噴出面には、第一水
管をほぼ密接状態で1本あるいは複数本配置する。そし
て、この第一水管よりも予混合気噴出方向下流側の燃焼
反応中ガスの存在する領域(以下、「燃焼反応領域」と
いう)には、複数の第二水管を配置する。前記燃焼反応
中ガスとは、前記噴出部材の下流側において、燃焼反応
を生じている最中の高温のガスをいう。前記燃焼反応領
域としては、好ましくは燃焼反応中ガスに火炎が生じて
いる領域または燃焼反応中ガスの温度が900℃以上の
高温の燃焼反応中ガスが存在する領域とする。ここでい
う火炎は、燃焼反応が活発に行われている燃焼反応中ガ
スに生じる現象である。この火炎は、目視できる場合も
あるし、目視し難い場合や目視できない場合もある。
【0009】このような構成により、前記噴出部材から
の予混合気は、前記第一水管の存在によりその噴出領域
が分割されるため、前記第一水管の下流側に形成される
火炎も分割された状態となる。そして、この火炎を含む
燃焼反応中ガスから前記各第二水管によって熱回収を行
う。このように前記第一水管によって予混合気の噴出領
域を分割すると、分割されたそれぞれの領域において火
炎が形成される。前述のように、火炎は、燃焼反応が活
発に行われている領域において生じる現象であり、前述
の分割によってこの焼反応が活発に行われている領域が
拡大されるため、安定した燃焼を達成する。また、火炎
が分割して形成されるため、各火炎は小さいものとな
り、その内部の高温の領域も縮小化するので、サーマル
NOx の発生を防止することができる。さらに、分割さ
れた火炎を前記各第二水管に接触させることで、燃焼さ
せながら伝熱を行うことができ、そのため、火炎を効果
的に冷却することができるため、低NOx 化を達成でき
る。この理由は、ゼルドビッチ(Zeldovich )機構で説
明されるように、サーマルNOx は、燃焼反応の温度が
高いほど、その生成速度が著しく増えて生成量も増加す
るが、燃焼反応の温度が低いほど、その生成速度が減っ
て生成量が減少するためである。とくに燃焼反応の温度
が1400℃以下の場合には、サーマルNOx の生成速
度は著しく遅くなる。
【0010】さらに、この発明の多管式水管ボイラにお
いては、前記第一水管の下流側に形成される渦流によっ
て保炎されるため、前記第一水管の予混合気噴出方向下
流側に火炎が形成される。そのため、前記噴出部材や前
記第一水管の側方においては、予混合気の噴出による冷
却が行なわれる。また、このように第一水管によって火
炎を分割するため、燃焼装置側で火炎を分割するものよ
りもさらに保炎性を高めることができる。
【0011】また、前記第一水管を構成する水管は、通
常円柱状のものであり(楕円柱状のものもある)、前記
噴出部材からの予混合気は、前記第一水管の周面に沿っ
て流れる。そのため、前記第一水管は、この予混合気の
流れによって冷却され、過熱を防止できる。さらに、前
記第一水管を複数本配置する場合には、前記噴出部材か
らの予混合気は、前記各第一水管間を通過する際に一旦
絞られてから噴出するため、予混合気の流速を高めて燃
焼反応領域を下流側に向けて長く形成することができ
る。したがって、火炎を含む燃焼反応中ガスは、前記各
第二水管との伝熱を行いながら燃焼することになり、燃
焼温度が所定の温度範囲内に調整されるため、この点で
も低NOx 化を達成できる。
【0012】さらに、この発明の多管式水管ボイラで
は、前記第一水管の本数は、1本に限らず、複数本とす
ることもできる。前記第一水管を複数本とする場合に
は、隣り合う第一水管間の隙間は、前記各第一水管の外
径とほぼ同等かそれ以下に設定することもできる。とく
に、前記第一水管を複数本とする場合には、隣り合う第
一水管間の隙間を全て同じにすることも、適宜異ならせ
ることもできる。隣り合う第一水管間の隙間を適宜異な
らせる場合には、前記各第一水管間の隙間から延びる火
炎の大きさも適宜異なるため、火炎の固有振動数を分散
し、振動燃焼を防止できる。そのため、前記各第一水管
は、前記各第一水管の隙間が同じものが隣り合わないよ
うに配置するのが好ましい。
【0013】さらに、この発明の多管式水管ボイラで
は、前記第一水管と隣り合う前記各第二水管の隙間およ
び前記各第二水管の隣り合うもの同士の隙間が、前記各
第二水管の外径とほぼ同等かそれ以下とする。この構成
により、前記各第一水管や前記各第二水管の下流側に渦
流を生じさせ、この渦流によって保炎性を高めることが
できる。ここで、前記第二水管の配置は、千鳥状とする
ことも、格子状とすることもできる。
【0014】さらに、この発明の多管式水管ボイラで
は、実施する缶体の形状に応じて、前記予混合気噴出面
を、平面状,湾曲面状,円筒面状のいずれかとすること
ができる。たとえば、多管式水管ボイラの缶体を所謂角
型とする場合には、前記予混合気噴出面を平面状あるい
は湾曲面状に形成し、所謂丸型とする場合には、前記予
混合気噴出面を円筒面状とする。前記多管式貫流ボイラ
の缶体を角型とする場合には、小形化や省スペース化の
点で有利であり、丸型とする場合には、製造コストの点
で有利である。
【0015】
【実施例】以下、この発明に係る多管式水管ボイラの第
一実施例について、図1および図2を参照しながら説明
する。図1は、この発明の第一実施例の横断面の説明
図、図2は、図1の縦断側面の説明図である。
【0016】図1および図2において、多管式水管ボイ
ラの缶体1は、所定の距離を離して配置した上部ヘッダ
2と下部ヘッダ3とを有している。この上部ヘッダ2と
下部ヘッダ3との間には一対の水管壁4,4を配置して
ある。前記各水管壁4は、複数の壁構成水管5,5,…
を縦列配置し、隣り合う壁構成水管5,5間の隙間を適
宜の閉鎖部材6で閉鎖したものである。前記各水管壁4
は互いに平行に対面させて配置される。そして前記各壁
構成水管5の両端は、それぞれ前記上部ヘッダ2および
下部ヘッダ3に接続してある。そして、前記上部ヘッダ
2,前記下部ヘッダ3および前記各水管壁4によってほ
ぼ矩形の缶体1の外隔が構成される。そして、前記缶体
1の一方の開口部には予混合気の噴出部材7が配置さ
れ、他方の開口部には排ガス出口8が形成される。
【0017】前記噴出部材7は、ほぼ矩形平面状の予混
合気噴出面9を有している。前記噴出部材7は、多孔質
の部材、あるいは少なくとも耐熱性を有する素材を板状
に形成し、そのほぼ全面に予混合気の噴出孔(図示省
略)を形成したものを利用することができる。前記噴出
部材7には、予混合気の供給流路10を接続してある。
【0018】前記噴出部材7の予混合気噴出方向下流側
には、前記予混合気噴出面9にほぼ密接させた状態で複
数(第一実施例では5本)の第一水管11,11,…を
配置してある。前記各第一水管11は、予混合気噴出面
の両側部分とその間に配置され、前記各第一水管11は
ほぼ等間隔としてある。前記各第一水管11は、それぞ
れの上端および下端を前記上部ヘッダ2および前記下部
ヘッダ3に接続してある。前記各第一水管11の隣り合
うもの同士の各隙間は、第一実施例では等間隔としてあ
る。また、前記各第一水管11の隣り合うもの同士の隙
間は、前記各第一水管11の外径とほぼ同等かそれ以下
に設定するが、この第一実施例においては、前記各第一
水管11の外径とほぼ同等としてある。
【0019】前記各第一水管11よりも予混合気噴出方
向の下流側には、複数の第二水管12,12,…を配置
してある。これらの第二水管12,12,…も、それぞ
れの上端および下端を前記上部ヘッダ2および前記下部
ヘッダ3のそれぞれに接続してある。前記噴出部材7か
らの予混合気の燃焼により、前記各第一水管11の下流
側には燃焼反応領域が形成されるが、この燃焼反応領域
に、前記各第二水管12を位置させてある。前記各第二
水管12は、第一実施例では、前記各第一水管11を含
めてほぼ格子状配置となっている。また、前記各第二水
管12のうち、前記各水管壁4に隣接するものについて
は、前記各壁構成水管5に対して千鳥状配置となってい
る。そして、前記各第二水管12の相互の隙間は、前記
各第二水管12の外径とほぼ同等かそれ以下に設定する
が、この第一実施例では、前記各第二水管12の外径と
ほぼ同等としてある。
【0020】以上の構成において、前記供給流路10か
ら予混合気を供給すると、この予混合気は、前記噴出部
材7を介して前記予混合気噴出面9のほぼ全面から前記
各第一水管11側に向けて噴出する。そして、この予混
合気に適宜の着火手段(図示省略)によって着火し、燃
焼を開始させる。ここで、予混合気は、前記予混合気噴
出面9のほぼ全面から噴出するが、前記各第一水管11
の存在によって分断され、前記各第一水管11間の隙間
から噴出する。そのため、予混合気の燃焼によって生じ
る火炎は前記各第一水管11の隙間の数に対応して形成
される。すなわち、火炎は、前記各第一水管11によっ
て分割された状態となる。このように前記噴出部材7の
全面に形成されるはずの火炎を分割することにより、燃
焼反応が活発に行われる領域を拡大し、安定した燃焼を
行うことができる。また、前記予混合気の噴出により、
前記各第一水管11の下流側にはこの予混合気の渦流が
生じ、この渦流によって前記各第一水管11間に形成さ
れる各火炎は安定して保炎される。
【0021】そして、前記各第一水管11間に形成され
た火炎は、前記各第二水管12間の隙間に流入する。前
記各第二水管12間の隙間に流入した各火炎は、これら
の隙間を通過する間に、前記各第二水管12の下流側に
渦流を形成するが、この渦流によっても保炎されるとと
もに燃焼反応が促進される。また、前記各第二水管12
間の隙間に流入した各火炎は、前記各第二水管12との
間で伝熱を行うとともにその両側から前記各第二水管1
2によって冷却されるため、火炎温度を効果的に低減で
き、燃焼温度を所定の範囲内に維持することができるた
め、サーマルNOx の発生を防止できる。また、火炎を
分割して形成すると、分割後の各火炎が大きくなるのを
防止できるため、各火炎の内部の高温の領域を縮小化す
ることができ、この点においてサーマルNOx の低減化
が図れる。
【0022】さらに、前記予混合気噴出面9は平面状で
あり、前記各第一水管11は、ほぼ円筒形状であるた
め、前記予混合気噴出面9に前記各第一水管11をほぼ
密接状態で配置しても隙間が生じる。そのため、前記予
混合気噴出面9から前記各第一水管11の上流側の周面
に向けて噴出した予混合気は、前記各第一水管11の周
面に沿って流れた後、前記各第一水管11間の隙間に向
けて噴出する予混合気と合流する。そのため、前記予混
合気噴出面9からの予混合気は、前記各第一水管11に
よって一旦絞られてから噴出するため、予混合気の流速
を高めて燃焼反応領域を下流側に向けて長く形成するこ
とができる。また、前記各第一水管11の上流側におい
ては、予混合気の流れによって冷却される。
【0023】さらに、この第一実施例において、隣り合
う第一水管11間の隙間を前記各第一水管11の外径と
ほぼ同等あるいはそれ以下としているため、予混合気の
噴出速度の大きい高負荷燃焼時においても火炎の分割を
確実に行うことができ、燃焼量に関係なく前述の火炎の
分割による効果を得ることができる。またこの第一実施
例においては、前記各第二水管12も隣り合うもの同士
の隙間を前記各第二水管12の外径以下に設定してい
る。この設定によると、前記各第一水管11間の隙間を
流れる予混合気や前記各第二水管12間の隙間を流れる
火炎を含む燃焼反応中ガスの流速を高め、圧力損失の増
大を防止できる。そして、予混合気や燃焼反応中ガスの
流速を高く維持することにより、前記各第一水管11や
前記各第二水管12の下流側に渦流を発生させ、前述の
保炎性の向上を図り、また燃焼性の改善を図ることがで
きる。
【0024】以上の説明において、前記各第一水管11
は、前記予混合気噴出面9に密接させてほぼ等間隔に配
置したものであるが、この発明においては、隣り合う第
一水管11同士の間隔が適宜異なるように配置すること
もできる。この場合の第二実施例について図3を参照し
ながら説明する。図3は、この発明の第二実施例の要部
の横断面の説明図である。ここで、この図3は、前記図
2に対応する個所の要部を示すものである。以下の第二
実施例の説明では、前記第一実施例に対応する構成部材
には同一参照番号を附してその詳細説明を省略する。
【0025】図3において、前記各第一水管11は、前
記予混合気噴出面9に対して4本が配置されており、中
央の2本の第一水管11,11間の隙間を広く、これら
の中央の2本の第一水管11,11とその外側の第一水
管11,11との間の隙間を狭く設定してある。また、
第二実施例においては、前記各第一水管11のうち前記
予混合気噴出面9の幅方向両側に位置する第一水管11
を、前記予混合気噴出面9の両側縁よりも幅方向の中心
側に寄せて配置し、前記各第一水管11間の3つの隙間
とその外側からの合計5箇所に火炎を分割する構成であ
る。この構成によると、前記各第一水管11間の隙間か
ら延びる火炎の大きさも、中央側が大きく外側のものほ
ど小さくなっている。このように各火炎の大きさが異な
ると、各火炎の固有振動数も異なるため、火炎全体とし
てみると固有振動数が分散することになり、振動燃焼を
防止することができる。
【0026】さらに、この発明の多管式水管ボイラで
は、火炎を含む燃焼反応中ガスが前記各第二水管12の
隙間を流通しながら燃焼と伝熱を行うが、燃焼反応中ガ
スはこの伝熱によって前記各第二水管12の下流側ほど
温度が低下し、その流速も減少するため、熱回収量も低
下する。そこで、前記各第二水管12の下流側において
は、前記各第二水管12の有効長さを短くし、前述の流
速の低下を抑制して熱回収量の低下を防止することもで
きる。この場合の第三実施例を図4を参照しながら説明
する。ここで、以下の説明においては、前記各実施例と
対応する構成部材には同一の参照番号を附してその詳細
説明を省略する。すなわち、図4に示すように、前記各
第二水管12と前記上部ヘッダ2との接合部に施工する
上部耐火物層13および前記各第二水管12と前記下部
ヘッダ3との接合部に施工する下部耐火物層14の厚み
を下流側ほど厚くし、前記各第二水管12の下流側ほど
その有効長さを短くするとともに前記燃焼反応中ガスの
通路の幅や高さを小さく設定している。この構成によ
り、前記各第二水管12の下流側での燃焼反応中ガスの
流速の低下を防止して熱回収量を増加させることができ
るため、前記各第二水管12における熱負荷を均一化す
ることができる。
【0027】さらに、以上の説明では、前記予混合気噴
出面9は、平面状としてあるが、この発明においては、
実施する缶体の形状に応じて、前記予混合気噴出面9
を、平面状,湾曲面状,円筒面状のいずれかとすること
ができる。たとえば、図5に示す第四実施例のように、
前記予混合気噴出面9を湾曲面状とすることもできる。
さらに、この第四実施例においては、前記各第二水管1
2を千鳥状配置とし、前記各第一水管11との間隔を狭
くすることで、缶体の小型化を達成している。そのう
え、前記予混合気噴出面9を湾曲形状とすることによ
り、前記各第一水管11の間から噴出する各火炎は放射
状に形成されるため、千鳥状配列の各第二水管12間の
隙間に向けて各火炎を流通させることができる。
【0028】さらに、前記予混合気噴出面9を図6に示
す第五実施例のように、円筒面状とすることもできる。
この第五実施例における噴出部材7は、円筒形状であり
その軸線方向から予混合気を供給する構成である。前記
噴出部材7の周囲には、8本の第一水管11,11,…
を等間隔にほぼ密着状態で配置してある。この配置で
は、前記各第一水管11は、前記噴出部材7の周囲に環
状に配置された状態となっている。そして、前記各第一
水管11より予混合気噴出方向の下流側には、複数の第
二水管12,12,…を配置してある。これらの第二水
管12は、前記噴出部材7の周囲に多重の環状をなすよ
うに配置してある。この第五実施例においては、前記予
混合気噴出面9を円筒形状とすることにより、前記各第
一水管11の間から噴出する火炎は、前記噴出部材7の
全周囲に向けて放射状に形成されることになる。また、
前記噴出部材7は、多管式水管ボイラの缶体18のほぼ
中央に位置し、前記噴出部材7の周囲を前記各第一水管
11および前記各第二水管12が取り囲む構成であるた
め、予混合気の燃焼による熱を前記各第一水管11およ
び前記各第二水管12に均等に作用させることができ
る。
【0029】
【発明の効果】以上説明したように、この発明に係る多
管式水管ボイラによれば、面状の噴出部材のほぼ全面か
ら噴出する予混合気によって形成される火炎を、この噴
出部材の予混合気噴出面にほぼ密接させた状態で配置し
た第一水管によって分割するとともに、この第一水管の
下流側に形成される渦流によって保炎し、さらにこの第
一水管の下流側に配置した複数の第二水管の下流側に形
成される渦流によっても保炎することができるため、安
定した燃焼が可能となる。
【0030】さらに、前記第一水管および前記各第二水
管とによって保炎しながら燃焼を行うため、この燃焼と
前記第一水管および前記各第二水管への伝熱が同時に進
行する。そのため、燃焼温度を所定の温度範囲内に調整
できるため、サーマルNOxの発生を抑制できる。
【0031】さらに、この発明に係る多管式水管ボイラ
によれば、前記第一水管を複数配置する場合に、隣り合
う第一水管間の隙間を適宜調整することにより、前記第
一水管によって分割されて形成される各火炎の大きさを
調整し、各火炎の個々の固有振動数を分散させることで
振動燃焼を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第一実施例の横断面の説明図であ
る。
【図2】図1の縦断側面の説明図である。
【図3】この発明の第二実施例の要部の横断面の説明図
である。
【図4】この発明の第三実施例の縦断側面の説明図であ
る。
【図5】この発明の第四実施例の横断面の説明図であ
る。
【図6】この発明の第五実施例の横断面の説明図であ
る。
【符号の説明】
1 缶体 2 上部ヘッダ 3 下部ヘッダ 4 水管壁 5 壁構成水管 6 閉鎖部材 7 噴出部材 8 排ガス出口 9 予混合気噴出面 10 予混合気の供給経路 11 第一水管 12 第二水管 13 上部耐火物層 14 下部耐火物層

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ほぼ全面から予混合気を噴出する面状の
    噴出部材7を備え、この噴出部材7の予混合気噴出面9
    にほぼ密接させた状態で第一水管11を配置し、前記第
    一水管11よりも予混合気噴出方向下流側の燃焼反応中
    ガスの存在する領域に複数の第二水管12,12,…を
    配置したことを特徴とする多管式水管ボイラ。
  2. 【請求項2】 前記第一水管11が複数本配置され、隣
    り合う第一水管11間の隙間を適宜変更したことを特徴
    とする請求項1に記載の多管式水管ボイラ。
  3. 【請求項3】 前記第一水管11の隣り合うもの同士の
    隙間が、前記各第一水管11の外径とほぼ同等かそれ以
    下であることを特徴とする請求項2に記載の多管式水管
    ボイラ。
  4. 【請求項4】 前記第一水管11と隣り合う前記各第二
    水管12の隙間および前記各第二水管12の隣り合うも
    の同士の隙間が、前記各第二水管12の外径とほぼ同等
    かそれ以下であることを特徴とする請求項1乃至請求項
    3のいずれかに記載の多管式水管ボイラ。
  5. 【請求項5】 前記予混合気噴出面9が、平面状,湾曲
    面状,円筒面状のいずれかであることを特徴とする請求
    項1乃至請求項4のいずれかに記載の多管式水管ボイ
    ラ。
JP31615797A 1997-10-31 1997-10-31 多管式水管ボイラ Pending JPH11132403A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP31615797A JPH11132403A (ja) 1997-10-31 1997-10-31 多管式水管ボイラ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP31615797A JPH11132403A (ja) 1997-10-31 1997-10-31 多管式水管ボイラ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11132403A true JPH11132403A (ja) 1999-05-21

Family

ID=18073926

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP31615797A Pending JPH11132403A (ja) 1997-10-31 1997-10-31 多管式水管ボイラ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11132403A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011106739A (ja) * 2009-11-17 2011-06-02 Miura Co Ltd 給水制御装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011106739A (ja) * 2009-11-17 2011-06-02 Miura Co Ltd 給水制御装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5746159A (en) Combustion device in tube nested boiler and its method of combustion
US6116196A (en) Water-tube boiler
JPH11132404A (ja) 水管ボイラ
US11293702B2 (en) Heat exchanger and hot water apparatus
JPH11108308A (ja) 水管ボイラおよびバーナ
JP4309771B2 (ja) 多管式貫流ボイラ
JP4400921B2 (ja) 多管式貫流ボイラ
JPH0275805A (ja) 軸対称斜流式貫流ボイラー
JPH11132403A (ja) 多管式水管ボイラ
JP3946574B2 (ja) エアヒートバーナ
JP3533461B2 (ja) 水管ボイラ
JP3662599B2 (ja) 水管ボイラ
JPH10246403A (ja) 水管ボイラ
JP3772922B2 (ja) 貫流ボイラ
JP2669953B2 (ja) ガスバーナー
JPH11141815A (ja) 燃焼装置およびこの燃焼装置を用いたボイラ
JPH08110002A (ja) 水管ボイラ
JPH11193902A (ja) 多管式水管ボイラ
JP2553158Y2 (ja) 平面バーナを用いたボイラ
JPH09257208A (ja) 円筒形貫流ボイラ
JP3807697B2 (ja) 交互燃焼式蓄熱型ラジアントチューブバーナシステム
JPH08226603A (ja) ボイラー
JP3947153B2 (ja) 多管式貫流ボイラ
JP2004093023A (ja) 二段燃焼装置
JPH0791601A (ja) 水管ボイラ