JPH11131474A - 水中基礎マウンド造成装置および造成方法 - Google Patents

水中基礎マウンド造成装置および造成方法

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JPH11131474A
JPH11131474A JP30044897A JP30044897A JPH11131474A JP H11131474 A JPH11131474 A JP H11131474A JP 30044897 A JP30044897 A JP 30044897A JP 30044897 A JP30044897 A JP 30044897A JP H11131474 A JPH11131474 A JP H11131474A
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backhoe
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Masaharu Ito
雅春 伊藤
Hiroshi Nishihata
宏 西畑
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 海底等の水中下に沈設した水中バックホウを
走行レール上で自走させ、一連のバックホウ作動を作業
船上から遠隔操作して自動制御することにより、特に透
視の利かない濁水作業領域での水平均しや法面均しに格
別有効な水中基礎マウンド造成装置を提供する。 【解決手段】 傾斜沈下させて水底に達する長さを備え
たラダー2の先端部に走行レール10を横方向に延設
し、走行レール10の左右両端部に一対のアウトリガー
25がそれぞれ垂直に設け、着座した海底30からの高
さを単独調整して走行レール10の水平レベルを確保す
る。走行レール10上では自走式のバックホウ装置20
が造成作業を行いつつ横移動する。すなわち、屈伸運動
を行う作業アーム23の先端部に造成作業種に対応した
取付アタッチメントであるバケット24を取り付け、作
業船1上では、作業海域における自船位置およびアウト
リガー25の高さ調整操作を含み、自船位置を基準とす
るバックホウ装置20の座標位置、自走およびバケット
24の作動軌跡をプログラム制御して、所定の傾斜角度
を有する長大な法面31を造成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、海底、河川底およ
び湖沼底などの水底に橋梁、防波堤および護岸用の基礎
マウンドを造築する際の、特に大規模な長大法面均し工
事に有効な水中基礎マウンド造成装置および造成方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、水中基礎マウンド造成工事に
は、水底に造成中の基礎マウンドに捨石をガット船から
投入して捨込みを行い、捨石の不陸(凹凸)を均して平
坦化する捨石均し作業がある。この捨石均し作業は、従
来より、潜水士による人力を頼りにしてきたが、大水深
での人力作業に限界があること、また非能率であるなど
の理由から、現在では海洋土木技術の伸展に伴って大規
模な機械均し工法が主流となっている。
【0003】この機械均し工法を機構的に大別すると、 a.水底にバックホウを沈設けて石材を掴みながら均す
バックホウ均し方式。
【0004】b.バイブレータを用いた振動均し方式。
【0005】c.排土板やレーキを用いた掻き均し方
式。
【0006】d.重錘や衝撃ハンマーを用いた突き固め
均し方式。
【0007】e.転圧ローラを用いた転圧均し方式。 などが周知である。
【0008】一方、以上の各均し機構を作業船に装備し
た「ラダー」の先端に取り付けて、その均し機構を水中
下で駆動させることにより、捨石均しを水中捨石均し工
法も多く提案されている。
【0009】例えば、実公昭53−36594号公報に
は、ラダーの先端に均し用スクレーパを取り付け、大深
度の水中における基礎均し装置が記載されている。特開
昭57−15725号公報に記載された水中捨石の均し
装置の場合、多数の均し用翼を不連続の渦巻き放射状に
配置した回転円板を主機構部としている。この回転円板
を基礎マウンド上に水中投下し、油圧を回転駆動源にし
て回転円板を回転させ、均し用翼で捨石を外方へ飛ばす
ようにして均す構造となっている。また、同じく回転均
し方式例として、特開昭60−181419号公報に記
載された水中捨石均し方法及びその装置がある。この場
合、台船から水中に垂下したトレミー管を回転させる
か、あるいはトレミー管の下端に面板を回転可能に支持
した構造となっている。したがって、トレミー管に自重
をかけながら、この下端周縁で回転力によって捨石同士
を噛み合わせ、捨石密度を高めるようにして均す。後者
の面板を取り付けた場合も同様である。さらに、特開昭
55−101619号公報に記載されたマウンド造成装
置と、特開昭55−51688号公報に記載された捨
石、均し作業台船にあっては、いずれも捨石投下用コン
ベアまたはシュートを兼ねたラダーを有し、係るラダー
先端部に捨石均し用シュート、もしくは捨石均平用爪を
設けている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところで、これら従来
からの各例の場合、いずれも共通して平面均しに重点を
おいており、長大な傾斜面をもつ法面の均し造成工法と
しては有効な手段と成り得ていない。それらのなかにあ
って、バックホウを用いた均し施工は、上記他の方式と
比較した場合に法面の造成に効力を発揮すると考えられ
ている。しかしながら、このバックホウ均し方式では、
海中などにおける作業領域の透視度が問題となり、これ
まで濁水中での有効な施工方式が見出されてはいない。
【0011】したがって、本発明の目的は、沈設した水
中バックホウの作動を作業船上から遠隔操作して自動制
御することにより、特に透視の利かない濁水作業領域で
の有効な長大法面造成を実現できる水中基礎マウンド造
成装置および造成方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の水中基礎マウン
ド造成装置は、水底に基礎マウンドを造成する捨石均し
工程よりなっており、長手方向の基端部が作業船体に回
動可能に支持され、先端部が水底に達する長さを備えた
ラダーと、このラダーの先端部にラダー長手方向に直交
する横方向へ延びて設けられた走行レールと、この走行
レールの左右両端部にそれぞれ垂直に設けられ、着座し
た水底からの高さを単独調整して前記走行レールの水平
レベルを確保するための左右一対のアウトリガーと、前
記走行レールに案内されて自走可能であり、屈伸運動を
行うアーム先端部に造成作業種に対応した取付アタッチ
メントが着脱可能なバックホウ装置と、作業船上に配置
されて作業海域における自船位置および前記アウトリガ
ーの高さ調整操作を含み、自船位置を基準とする前記バ
ックホウ装置の座標位置、自走および前記取付アタッチ
メントの作動軌跡をプログラム制御する制御手段と、を
備えて構成されている。
【0013】この場合、ラダーの先端部で、走行レール
の左右両端部にアウトリガーがヒンジ連結され、ラダー
の沈下傾斜角度の変更に対応して常にアウトリガーの垂
直度を確保するため、例えば平行四辺形リンク機構によ
る平衡リンク機構が設けられている。
【0014】また、特に、バックホウ装置の作業アーム
先端に取り付けられるアタッチメントとして、バケット
を装着した場合は法面の造成に高効率を発揮する。
【0015】すなわち、係る装置による水中基礎マウン
ド造成方法は、作業船体から水中に所要の傾斜角度でラ
ダーの先端部を沈下させる。このラダー先端部の走行レ
ール上でバックホウ装置を自走させ、このバックホウ装
置の水深よりなる座標位置を、航法システム(GPS)
により計測された作業船の自船位置を基準点にして算出
する。算出されたバックホウ装置の座標位置に基づい
て、装置本体の自走移動位置および作業アームの先端の
作業アタッチメントの動作軌跡をプログラム制御して、
作業船上からの遠隔操作により所要の基礎マウンドを造
成する。
【0016】これから明らかなように、作業海域の海中
透視度が期待できない場合、作業船上からのプログラム
制御によって、長大な法面造成等に有効である。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明による水中基礎マウ
ンド造成装置および造成工法の実施の形態について、図
面を参照して詳細に説明する。
【0018】図1は、作業船1によって海底に基礎マウ
ンドの長大法面を造成する態様を示す本装置全体の外観
斜視図である。
【0019】作業船1は、船体の両舷から前方斜めに水
面下に沈下させる長大な平面鳥居形またはコ字形のラダ
ー2を装備している。図2以下の各図でも示すように、
海底30に造成される基礎マウンドまでの水深は時に数
10メートルにも及ぶため、傾斜沈下させるラダー2の
長さはその造成水深に達するだけの長尺物である。その
構造は、長尺であるがゆえに十分な剛性を備えさせるた
め、鋼材でトラス組みなどされる。根元基端部は船体と
の取付部であるトラニオン機構(回転機構)3によって
回動可能に支持され、そこを支点にして先端部が天地上
下方向へ首振り揺動する。上下揺動は、ガントリ・ウイ
ンチ装置4によるスリングワイヤ4aの吊り上げ下げで
行われる。
【0020】図1で明らかなように、こうしたラダー2
の水面下となる先端梁部には、自走式バックホウ装置2
0を要部とする自動均し装置が装備されている。
【0021】作業船1の船体長さ方向の縦軸に直交する
形で、そのバックホウ装置20が自走可能な走行レール
10が先端梁部の部分に横渡しされて取り付けられてい
る。この走行レール10には大型断面の定格H形鋼など
が使用され、自走に有効なスパン距離がかなりの長尺に
及ぶ場合は、梁材と考えて十分な機械強度や剛性をもっ
て設計される。必要な場合はH形鋼を母体にしてトラス
梁部11を付設することにより、レール梁として補強増
強することもできる。
【0022】この走行レール10上を案内され、バック
ホウ装置20が船体縦軸に直交する左右水平方向へ自走
方式で移動する。この自走式バックホウ装置20は、台
座フレーム21に原動モータおよび減速装置等よりなる
駆動部が搭載され、駆動部から例えば大径を有するピニ
オン歯車22に回転動力を出力して伝動する。一方、上
記走行レール10側には、走行有効なスパン距離のほぼ
全長にわたってラック歯車12がベルト状に形成してあ
る。このラック歯車ベルト12にピニオン歯車22を螺
合させラック&ピニオン機構により、走行動力を得てバ
ックホウ装置20が走行レール10上を自走可能とな
る。
【0023】また、台座フレーム21では、上記自走原
動機構の他、バックホウとして屈伸運動により均し作業
を行うためのアーム23の油圧駆動系が、水密構造とし
たハウジング内に搭載されている。作業アーム23は油
圧シリンダによって屈伸運動し、アーム先端のバケット
24を利用して基礎マウンド法面31の均し施工を含む
各種作業が可能である。
【0024】さらに、走行レール10上の自走式バック
ホウ装置20を所定レベルに支持し、かつラダー2の水
面沈下部を海底30に支持固定するために、走行レール
10の左右両端に垂直に脚立する左右一対の高さ調整用
アウトリガー25が装備されている。このアウトリガー
25は、海底30に着座した状態で、内蔵されたシリン
ダ装置の駆動で伸縮することにより全長高さ寸法が可変
する。左右のアウトリガー25は、それぞれ単独での伸
縮調整が可能となっており、造成領域の海底30の地形
の凹凸隆起に対応して走行レール10の水平度すなわち
自走式バックホウ装置20の走行レベルを確保するよう
になっている。
【0025】ところで、ラダー2の水没傾斜角度は、水
中基礎マウンドの造成水深に対応して自在にコントロー
ルされる。したがって、ラダー2の斜め水没角度の変更
ごとに、いかなる場合でもアウトリガー25の垂直度を
維持する必要がある。
【0026】図2は、このアウトリガー25の垂直調整
原理を模式的に示している。図中の符号2で示す模式線
はラダーである。ラダー2の船体における根元基端部2
aはトラニオン機構3の軸受ブラケット3aに揺動可能
に軸支されている(図1,図3参照)。このラダー根元
の基端軸支部2aは位置不動であるから、以下説明の便
宜上、固定ヒンジピンAと呼ぶ。一方、このラダー2と
ほぼ同等長さのアウトリガー垂直平衡用のリンク部材と
して平衡ロッド6(ラダー片側にてそれぞれ2本ずつと
することができる)が、ラダー2に平行に延設されてい
る。この平衡ロッド6の基端部6aはトラニオン機構3
の軸受ブラケット3aに回動可能に軸支されている。ロ
ッド基端の軸支部6aは軸受ブラケット3a上にて位置
不動であり、以下便宜的に固定ヒンジピンBと呼ぶ。
【0027】これに対して、ラダー2の水没先端部はア
ウトリガー25に軸受ブラケット26を介して回動可能
に軸支されている。同様に、平衡ロッド6の水没先端部
もまたその軸受ブラケット26に回動可能に軸支されて
いる。これらラダー2と平衡ロッド6の各先端軸支部2
b,6bは、ラダー2の水没傾斜角度の変更によって垂
直軸線上を上下に変位する。以下、これら2つの先端軸
支部2b,6bを可動ヒンジピンC,Dと呼ぶ。したが
って、上記2つの固定ヒンジピンA,Bと2つの可動ヒ
ンジピンC,Dを結んだ平行四辺形リンク機構を構成す
ることにより、ラダー2の水没傾斜角度が変更されて
も、アウトリガー25の垂直度は確保されることにな
る。
【0028】なお、トラニオン機構部3においては、ラ
ダー2の波揺れによる挙動を吸収する工夫がなされてい
る。作業船1が作業中波揺れを受けてピッチングやロー
リングすることにより、ラダー2も必ずしも位置不動で
静止している訳ではない。図3に概略的に示すように、
トラニオン機構部3を利用してラダー2への波揺れの影
響を抑えるために、固定ヒンジピンAである基端軸支部
2aを例えばラダー基端部に設けた長孔2cに係合さ
せ、その長孔2cで軸ずれを吸収するようになってい
る。
【0029】また、作業船1の船尾には、通常スパッド
と呼ばれて船体停錨具である1本の縦型アンカー7、も
しくは左右一対の2本の縦型アンカーが船体から水中に
没して水底に立ち上げられている。すなわち、縦型アン
カー7は、水底までの水深に対応できる長さをもって船
体から上下垂直方向に立ち上げられ、ワイヤ吊上式の起
重装置7aで水没長さを調整することができる。その
他、走行レール10の近傍位置を利用して、監視カメラ
8および音響測深機9が備わっている。
【0030】また、作業船1の操船室5においては、作
業海域における自船位置を測定するために、複数の人工
衛星利用によるGPS(Global Positioning System) に
よるナビゲーション航法システムが搭載されている。自
船位置および作業領域の海底30の地形精度の確認は、
GPSシステムと音響測深機9よりなる計測システムに
よって逐一データを収集可能となっている。ある程度の
透視度が望める作業領域の海底30の場合は、監視カメ
ラ8を利用して造成現場の撮像を操船室5にてモニタ監
視が可能である。
【0031】以上、要部の自走式バックホウ装置20の
自走駆動を含む船体各部の作動は、操船室5内に配備さ
れた作業監視&制御システムによる遠隔操作で自動的に
コントロールされる。
【0032】次に、図1〜図3を参照しながら、図4お
よび図5によって水中基礎マウンド造成工程の捨石均し
による法面造築施工例を説明する。
【0033】作業監視&制御装置においては、船体各装
置の作動オン/オフ信号を含め、捨石投入量、作業深
度、造成マウンド幅寸法、そして波浪等の海洋条件など
からなる種々の作業プログラムを記憶格納しておくこと
ができる。それら作業プログラムに基づいて中央演算処
理装置(CPU)から制御信号が各装置に送られる。
【0034】GPSシステムによるデータ受信で作業船
1の自船位置を、例えばラダー2の根元基端軸支部2a
である固定ヒンジピンA(図2参照)で表す。操船室5
では、作業監視&制御システムにより、固定ヒンジピン
Aを基準点にしてバックホウ装置20までの水平距離
L、深度Hによる沈設レベルを表す可動ピンCの座標軸
位置を算出する。それをモニタ画面で逐一把握すること
ができる。この場合、ラダー2の沈下傾斜角度α°を操
作調整し、水中下の走行レール10上のバックホウ装置
20の所望とされる水深すなわち可動ピンCの座標位置
が決定される。走行レール10の平行度も、左右両側の
アウトリガー25の高さを海底30の凹凸隆起地形に対
応して調整することで確保される。
【0035】そのようにして、作業開始前のバックホウ
装置20の座標位置が決められる。図5の平面模式図に
示すように、決定された深度上で走行レール10の例え
ば一端部の開始位置X1から法面31の造成作業が開始
される。
【0036】バックホウ装置20に対し、操船室5から
次の段階のコントロール信号が送られ、走行レール10
上を終点位置X3に向かって走行有効なスパン距離Wを
自走開始する。同時に、所定のプログラムに基づいて作
業アーム23が所定の屈曲および伸縮動作を行うべく、
油圧系に油圧駆動信号が送られる。アーム先端のバケッ
ト24は座標プログラムに基づいて所定の動作軌跡で駆
動し、所定の傾斜角度θ°で法面31を均し造成する。
【0037】走行レール10に案内されて走行スパン距
離W内での法面造成作業が終了すると、次の走行スパン
距離Wを得るべく、作業船1は横方向へずれて移動操船
される。この横移動によって、可動ピンCによる深度に
誤差が生じた場合は、ラダー2の前方斜め沈下角度やア
ウトリガー25の高さ調整等の上記一連の調整を行い、
予定の深度に修正する。
【0038】また、長大な法面31の造成長さに沿って
作業船1が横ずれ移動する際、水底30の地形には凹凸
による隆起が存在するが、それをアウトリガー25の高
さ調整で吸収する。そのとき、図2で原理が示されたよ
うに、アウトリガー25の垂直度は常に正常に維持され
る。
【0039】造成作業中、作業船1が波揺れなどの影響
を受けると、水中に大半没したラダー2も揺れを影響を
受ける。許される範囲内でのラダー2の微動移動は、ラ
ダー2の根元基端の軸支部2aが支持された作業船1上
のトラニオン機構3で吸収できる。
【0040】一方、以上の実施の形態による構造に対し
て、図6は、本発明の要部である自走式バックホウ装置
の他の機構例を示している。図1〜図5までの各図で示
した同一または同種部材に同一符号を付して説明する。
【0041】この場合、上記実施の形態でも示されたH
形鋼による走行レール10が利用され、この上をバック
ホウ装置20が自走可能である。その機構は、油圧及び
電気による駆動系を格納するハウジング41を有し、そ
の基盤であるベースプレート42に複数のガイドローラ
43a,43b・・・が軸受ブラケット44a,44b
・・・を介して回転自在に軸支されている。例えば、対
向一対のガイドローラ43a,43bを走行レール10
のH形鋼の上部フランジ10aの両端面に係合させ、そ
のローラ組の数組を図に垂直方向のレール長さ方向へ配
置してある。また、ガイドローラ43cのように、走行
レール10のH形鋼の下部フランジ10bに下方から係
合させることで、走行レール10に対するバックホウ装
置20全体の係合強度を補強できる。
【0042】走行レール10の上部フランジ10aの上
面には、図5で示された走行有効スパン距離Wの長さだ
け、長いベルト形状のラック歯車45が取り付けられて
いる。このラック歯車ベルト45に駆動するピニオン歯
車46がベースプレート42に回転自在に軸支されてい
る。ピニオン歯車46は、ハウジング41内に格納され
た原動モータおよびその回転出力を所要値まで減速する
歯車減速機構等の駆動系47に接続され、所要の回転動
力を受けることができる。ピニオン歯車46で受けた回
転動力を噛合相手のラック歯車ベルト45に伝動し、走
行レール10上を自走する動力が得られる。
【0043】なお、ハウジング41内では、バックホウ
の作業アーム23を屈伸運動させる油圧シリンダ装置4
8等に油圧動力を配分供給する油圧駆動系等一式もまた
格納されている。
【0044】以上説明した本発明の主旨から逸脱するも
のでなければ、上記各機構や部材はそれらに限定される
ものでなく、好適とする他の様々なメカニズムを採用す
ることができる。また、本実施の形態では、捨石均しに
関する法面31の造成工程について説明されたが、平面
均しも最適に施工可能であることは勿論である。すなわ
ち、水底に堆積または投入された土砂、砂利、被覆石な
どについて、簡易的に呼称を定義した造成土に対する種
々の水中土木工事にも有効である。作業種に対応して、
自走式バックホウ装置20の作業アーム23の先端部の
バケット24に代えて、他のアタッチメントの交換可能
であることは理解されよう。
【0045】
【発明の効果】以上説明したように、本発明による水中
基礎マウンド造成装置は、作業船体から水中に所要の傾
斜角度で沈下させたラダーの先端部に、水平横方向へ所
望の水深レベルに調整自在な走行レールを設けて、この
走行レール上を自走式のバックホウ装置を移動させつ
つ、平面均し施工はもとより法面の造成などに格別有効
である。特に、海中透視度の期待できない作業海域での
水中基礎マウンド造成において、航法システム(GP
S)を利用した自船位置からバックホウ装置の座標位置
と、作業アーム先端のアタッチメントであるバケットの
動作軌跡を作業船上から遠隔操作できるので、従前から
のこの種水中造成装置に比類なき作業能率をもたらす。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による水中基礎マウンド造成装置の実施
の形態として法面造成中の態様を示す作業船を含む全体
斜視図である。
【図2】ラダー先端のアウトリガーの垂直平衡用の平行
四辺形リンク機構の原理を模式的に示す側面図である。
【図3】ラダー根元基端部におけるトラニオン機構部を
概略的に示す側面図である。
【図4】自走式バックホウ装置による法面造成中の位置
態様を模式的に示す側面図である。
【図5】図4の位置態様を示す平面図である。
【図6】他の実施の形態による走行レール上の自走式バ
ックホウ装置の機構を示す部分断面による側面図であ
る。
【符号の説明】 1 作業船 2 ラダー 3 トラニオン機構部 5 造成の遠隔操作操船室 6 平衡リンク部材のロッド 10 走行レール 12 ラック歯車ベルト 20 自走式バックホウ装置 22 ピニオン歯車 23 作業アーム 24 取付作業アタッチメントのバケット 31 造成法面

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水底に基礎マウンドを造成する捨石均し工
    程よりなる水中基礎マウンド造成装置であって、 長手方向の基端部が作業船体に回動可能に支持され、先
    端部が水底に達する長さを備えたラダーと、 このラダーの先端部にラダー長手方向に直交する横方向
    へ延びて設けられた走行レールと、 この走行レールの左右両端部にそれぞれ垂直に設けら
    れ、着座した水底からの高さを単独調整して前記走行レ
    ールの水平レベルを確保するための左右一対のアウトリ
    ガーと、 前記走行レールに案内されて自走可能であり、屈伸運動
    を行うアーム先端部に造成作業種に対応した取付アタッ
    チメントが着脱可能なバックホウ装置と、 作業船上に配置されて作業海域における自船位置および
    前記アウトリガーの高さ調整操作を含み、自船位置を基
    準とする前記バックホウ装置の座標位置、自走および前
    記取付アタッチメントの作動軌跡をプログラム制御する
    制御手段と、を備えて構成されたことを特徴とする水中
    基礎マウンド造成装置。
  2. 【請求項2】前記ラダーの先端部でかつ前記走行レール
    の左右両端部に前記アウトリガーがヒンジ連結され、前
    記ラダーの沈下傾斜角度の変更に対応して常に前記アウ
    トリガーの垂直度を確保する平衡リンク機構が設けられ
    ていることを特徴とする請求項1に記載の水中基礎マウ
    ンド造成装置。
  3. 【請求項3】作業船上に前記ラダーの基端部がトラニオ
    ン機構部を介して揺動可能に軸支され、そのトラニオン
    機構部によって作業船の波揺れによる前記ラダーの基端
    部の位置ずれを吸収可能となっていることを特徴とする
    請求項1または2に記載の水中基礎マウンド造成装置。
  4. 【請求項4】前記バックホウ装置の取付アタッチメント
    として、バケットによって法面の造成が可能となってい
    ることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の水
    中基礎マウンド造成装置。
  5. 【請求項5】水底に基礎マウンドを造成する捨石均しよ
    りなる水中基礎マウンド造成方法であって、 作業船体から水中に所要の傾斜角度でラダーの先端部を
    沈下させて、このラダー先端部の走行レール上でバック
    ホウ装置を自走させ、このバックホウ装置の水深よりな
    る座標位置を、航法システムにより計測された作業船の
    自船位置を基準点にして算出するとともに、算出された
    バックホウ装置の座標位置に基づいて、装置本体の自走
    移動位置および作業アームの先端の作業アタッチメント
    の動作軌跡をプログラム制御して、作業船上からの遠隔
    操作により所要の基礎マウンドを造成することを特徴と
    する水中基礎マウンド造成方法。
  6. 【請求項6】前記ラダーの先端部に沈設した前記自走式
    のバックホウ装置により、前記基礎マウンドの法面を造
    成することを特徴とする請求項5に記載の水中基礎マウ
    ンド造成方法。
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