JPH11131155A - コバルト溶液からの銅の除去方法 - Google Patents

コバルト溶液からの銅の除去方法

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JPH11131155A
JPH11131155A JP9296501A JP29650197A JPH11131155A JP H11131155 A JPH11131155 A JP H11131155A JP 9296501 A JP9296501 A JP 9296501A JP 29650197 A JP29650197 A JP 29650197A JP H11131155 A JPH11131155 A JP H11131155A
Authority
JP
Japan
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cobalt
copper
solution
metal
sulfur
Prior art date
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Pending
Application number
JP9296501A
Other languages
English (en)
Inventor
Masaki Imamura
正樹 今村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Metal Mining Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Metal Mining Co Ltd
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Publication date
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P10/00Technologies related to metal processing
    • Y02P10/20Recycling

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ニッケル製錬の副産物などからコバルトを回
収するに際して、コバルト溶液から不純物である銅を効
率的に低濃度まで除去する方法を提供する。 【解決手段】 不純物として銅イオンを含むコバルト溶
液にコバルトメタルと硫黄を添加し、銅を沈澱として分
離する。この方法は、コバルト溶液が塩化コバルト溶液
である場合に特に有効であり、コバルトメタルと硫黄を
添加したコバルト溶液を40〜70℃に加熱することが
好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、銅イオンを含むコ
バルト溶液から銅イオンを効率的に除去し、高純度のコ
バルト溶液を得る方法に関する。
【0002】
【従来の技術】コバルトは、特殊合金や磁石材料などの
原料成分として広く使用されている金属である。一般に
コバルトは酸化物や硫化物などの形で鉱物として産出す
るが、ニッケル製錬の副産物として産出することも多
く、このニッケル製錬の副産物からコバルトを製造する
場合にはニッケルや銅を始めとする不純物の分離が不可
欠である。
【0003】近年、溶媒抽出やイオン交換樹脂技術の適
用により、コバルト溶液からニッケルや亜鉛などの金属
不純物イオンを分離除去することが可能となり、高純度
のコバルト化合物が製造されている。特に、ニッケルと
コバルトは化学的性質が非常に良く似ているため、沈澱
分離や結晶析出などの技術では両者の分離は困難である
ことから、上記溶媒抽出の適用は有効である。従って、
溶媒抽出は、他の方法で分離しにくいニッケルとの分離
に主眼が置かれている。
【0004】上記溶媒抽出法で使用される抽出剤として
は、コバルトイオンが高濃度の塩化物溶液中ではCoC
4 2-などの塩素錯イオンを形成することから、これら
陰イオンの抽出性に富むTNOA(トリn−オクチルア
ミン)などのアミン系抽出剤が広く用いられている。こ
のような溶媒抽出法を用いることにより、ニッケルの
他、塩素イオンと錯体を形成しないカルシウムやマグネ
シウムなどの分離も可能である。
【0005】また、D2EHPA、PC−88A(共に
大八工業(株)製)や、近年開発されたCyanex27
2(Cyatec社製)などのリン酸系抽出剤も、ニッ
ケルとコバルトの分離性が良く、コバルトのみを選択的
に抽出できる。これらの抽出剤を用いることにより、従
来分離の困難であったニッケルを含まないコバルト溶液
の製造が可能となっている。
【0006】上記の溶媒抽出法によりニッケルなどの不
純物を除去したコバルト溶液は、その後、電解操作によ
りコバルトをメタルとして回収することが一般的であ
る。この電解操作で得られるコバルトメタルは、使用す
る電解液の組成により純度が決定される。コバルトと電
気化学的に同程度又はより貴な金属は、コバルトと共に
電析されるので、これらの元素が溶液中に残存すると高
純度なコバルトメタルを製造することが難しくなる。
【0007】しかしながら、ニッケルは上記溶媒抽出法
により低濃度まで除去することが可能であるが、銅はコ
バルトと同様の化学的挙動を示すことが多く、上記抽出
法によってもコバルトと共に抽出剤に抽出されるため、
両者を完全に分離することは困難であった。その結果、
コバルトより電気化学的に貴な金属である銅が溶液中に
残ると、後の電解工程でコバルトより優先的に電着する
ため、高純度のコバルトメタルを得ることができなかっ
た。
【0008】例えば、アミン系の抽出剤であるTNOA
では、塩化物溶液中における塩素との錯イオンの形成能
で抽出挙動が決定される。ニッケルは塩素イオンと錯イ
オンを形成しないが、銅はコバルトと同様に塩素錯体を
形成し、TNOAに抽出されてしまうので両者の分離は
難しい。また、ニッケルとの分離性が良好なリン酸系抽
出剤は、コバルトのみならず銅も抽出するので、やはり
両者の完全な分離はできない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】このような現状におい
て、ニッケル製錬の副産物からコバルトを回収するに当
たり、溶媒抽出法によりニッケルを除去した後の電解工
程前に、コバルト溶液から銅を低濃度にまで除去するこ
とが強く望まれている。
【0010】その除去方法の一つとして、銅がコバルト
よりも電気化学的に貴な金属であることから、セメンテ
ーション反応を利用した方法が考えられる。銅に対して
卑な金属であれば原理的にセメンテーションは可能であ
り、両金属の電位差が大きなものほど効果的に作用す
る。その意味で、亜鉛やマグネシウムは有効なメタルで
ある。しかしながら、セメンテーションでは、コバルト
溶液中に反応に使用された亜鉛やマグネシウムがイオン
として残留し、コバルトと共に電析するなど電解操作に
支障をきたす。
【0011】また、還元剤としてコバルトメタルを添加
して銅をメタルまで還元することも可能であるが、銅と
コバルトのイオン化傾向の差が比較的小さいため、銅を
低濃度まで除去することは困難である。特に、塩化物溶
液のように銅が塩素との錯イオンになっている状態で
は、銅メタルまでの完全な還元は更に難しく、多量の銅
が溶液に残留することが避けられない。
【0012】更に、硫化反応による銅の除去も考えられ
る。これは、コバルトに比べ銅の硫化物が安定であるこ
とに基づくものであり、銅メタルを生成させるセメンテ
ーション反応に比べて低濃度まで銅の除去が可能とな
る。しかし、反応に用いる硫化水素ガスが有毒なこと、
反応後も溶液中に硫化水素ガスが残留して次工程に影響
しやすいため、反応終了後の溶液から硫化水素ガスを除
去する必要があること、銅を完全に除去するためには多
量のコバルトの共沈が避けられないこと、など不利な点
を有している。
【0013】本発明は、このように従来の事情に鑑み、
コバルト溶液から不純物である銅を効率的に低濃度まで
除去する方法を提供することも目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明が提供するコバルト溶液からの銅の除去方法
は、不純物として銅イオンを含むコバルト溶液にコバル
トメタルと硫黄を添加し、銅を沈澱として分離すること
を特徴とする。
【0015】上記本発明のコバルト溶液からの銅の除去
方法は、コバルト溶液が塩化コバルト溶液である場合に
特に有効である。また、コバルトメタルと硫黄を添加し
たコバルト溶液を40〜70℃に加熱することが好まし
い。
【0016】
【発明の実施の形態】銅に対して電気化学的に卑な金属
を用いたセメンテーションでは、例えばコバルトメタル
を用いた場合、下記化学式1に示すの反応式に従って反
応が進行し、銅を沈澱させることが可能である。
【0017】
【化1】Cu2++Co=Cu+Co2+
【0018】しかしながら、前記したように、銅とコバ
ルトとのイオン化傾向の差が小さいため、上記化学式1
の反応による銅の十分な除去は困難である。また、塩化
物溶液のように塩素イオンが多量にある状態では、銅が
塩素イオンと錯イオンを形成しているため、銅の除去は
一層困難となる。更には、生成した銅メタルの再溶解も
起こるため、銅を低濃度まで除去することはできない。
【0019】本発明方法は、上記化学式1のような単な
る還元反応を使用したセメンテーション反応にではな
く、更に硫黄を添加することによって、銅を安定な硫化
物として沈澱分離させるものである。即ち、本発明方法
により、硫黄が共存する場合には、下記化学式2の反応
が起こるものと考えられる。
【0020】
【化2】Cu2++Co+S=CuS+Co2+
【0021】本発明方法によれば、銅のメタルに比べて
硫化物は安定度が高く、酸に対する溶解性が低いことか
ら、単なるセメンテーションに比べて遥かに低濃度まで
銅を除去することが可能となる。そのため、塩化物溶液
のように銅イオンが塩素と錯イオンを形成している場合
においても、低濃度までの銅の除去が可能となる。
【0022】添加するコバルトメタル及び硫黄は、少な
くとも上記化学式2に示す反応に従って、溶液中の全て
の銅イオンが硫化銅となるのに必要な量を添加すれば良
いが、除去すべき銅イオンに対して過剰に添加するほど
有効であることはいうまでもない。しかも、多量のコバ
ルトメタルや硫黄を添加しても、未反応のコバルトメタ
ル及び硫黄は溶液中に残り、次回の銅除去に使用するこ
とができるので、多量のコバルトメタル及び硫黄を使用
することは差し支えない。
【0023】反応に際しての温度は、特に規定されるも
のではない。ただし、上記化学式2の反応は高温ほど反
応速度が大きく、その一方で高温では生成した銅硫化物
が再溶解しやすいことから、一般には40℃〜70℃の
反応温度とすることが望ましい。
【0024】また、使用するコバルトメタルや硫黄は、
粒度が小さいものほど反応が進行しやすく、短時間で反
応を終了することができ有利である。しかし、板状のコ
バルトメタルであっても、比較的表面積の小さいもので
あれば、短時間で銅の除去が可能である。
【0025】更に、純度の高いコバルトメタルや硫黄を
使用すれば、これら脱銅剤からの不純物の混入をなくす
ことができ、結果として純度の高いコバルト溶液を得る
ことが可能である。尚、コバルトメタルと硫黄として
は、硫黄を溶融付着させたコバルトメタルを使用するこ
ともできる。
【0026】
【実施例】実施例1 コバルトを60.7g/l及び銅を0.019g/l含む
塩化物溶液の1リットルに対して、板状のコバルトメタ
ル63gと硫黄粉末1gとを添加し、50℃に保ちなが
ら1時間反応させた。反応終了後、溶液を濾過し、得ら
れた濾液の分析を行ったところ、コバルト溶液中の銅濃
度は0.001g/l以下まで低下し、完全に銅イオン
を除去することができた。
【0027】実施例2 コバルトを60.7g/l及び銅を0.019g/l含む
塩化物溶液の1リットルに対して、予め硫黄4.6gを
溶触付着させた板状のコバルトメタル63gを添加し、
50℃に保ちながら1時間反応させた。反応終了後、溶
液を濾過し、得られた濾液の分析を行ったところ、コバ
ルト溶液中の銅濃度は0.001g/l以下まで低下
し、完全に銅イオンを除去することができた。
【0028】
【比較例】コバルトを60.7g/l及び銅を0.019
g/l含む塩化物溶液の1リットルに対して、板状のコ
バルトメタル63gのみを添加し、50℃に保ちながら
2時間反応させた。反応終了後、溶液を濾過して得られ
た炉液中の銅濃度は0.019g/lと変化なく、銅は
全く除去されなかった。
【0029】
【発明の効果】本発明によれば、銅イオンを含むコバル
ト溶液にコバルトメタルと硫黄を添加して反応させるこ
とにより、コバルト溶液から不純物である銅を極めて低
濃度まで、しかも効率的に除去することができる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 不純物として銅イオンを含むコバルト溶
    液にコバルトメタルと硫黄を添加し、銅を沈澱として分
    離することを特徴とするコバルト溶液からの銅の除去方
    法。
  2. 【請求項2】 前記コバルト溶液が塩化コバルト溶液で
    あることを特徴とする、請求項1に記載のコバルト溶液
    からの銅の除去方法。
  3. 【請求項3】 コバルトメタルと硫黄を添加した前記コ
    バルト溶液を40〜70℃に加熱することを特徴とす
    る、請求項1又は2に記載のコバルト溶液からの銅の除
    去方法。
JP9296501A 1997-10-29 1997-10-29 コバルト溶液からの銅の除去方法 Pending JPH11131155A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP3305923A4 (en) * 2015-05-29 2018-11-14 Sumitomo Metal Mining Co., Ltd. Aqueous cobalt chloride solution purification method
JP2020006337A (ja) * 2018-07-10 2020-01-16 住友金属鉱山株式会社 銅とニッケル及び/又はコバルトとを分離する方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP3305923A4 (en) * 2015-05-29 2018-11-14 Sumitomo Metal Mining Co., Ltd. Aqueous cobalt chloride solution purification method
JP2020006337A (ja) * 2018-07-10 2020-01-16 住友金属鉱山株式会社 銅とニッケル及び/又はコバルトとを分離する方法

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