JPH11131054A - 水性硬化型シーラー及び窯業系基材のインライン塗装方法 - Google Patents

水性硬化型シーラー及び窯業系基材のインライン塗装方法

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JPH11131054A
JPH11131054A JP2524898A JP2524898A JPH11131054A JP H11131054 A JPH11131054 A JP H11131054A JP 2524898 A JP2524898 A JP 2524898A JP 2524898 A JP2524898 A JP 2524898A JP H11131054 A JPH11131054 A JP H11131054A
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sealer
aqueous
copolymer
meth
weight
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JP2524898A
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English (en)
Inventor
Kazuo Nomoto
一夫 野本
Yuichi Inada
祐一 稲田
Yosei Nakayama
雍晴 中山
Masaaki Shinohara
政明 篠原
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Kansai Paint Co Ltd
Original Assignee
Kansai Paint Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】耐エフロレッセンス性と耐ブロッキング性に優
れた水性硬化型シーラーを提供する。 【解決手段】(A)共重合体を構成するモノマー成分と
してカルボニル基含有不飽和モノマーを31〜60重量
%含有する酸価20〜120KOHmg/gのアクリル
系水性共重合体に(B)ポリヒドラジド架橋剤を配合し
てなることを特徴とする水性硬化型シーラー。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水性硬化型シーラ
ー及び窯業系基材のインライン塗装方法に係わる。
【0002】
【従来の技術】近年、建物の外壁材として、無機材料を
板状に成形した後、一次養生、インラインシーラー塗
布、乾燥、オートクレーブ養生、切削加工、プレヒート
を行った後、セカンドシーラー塗装、次いで乾燥を行う
ことによりシーラー板を製造、もしくは上記プレヒート
後、上塗り、乾燥を行うことにより上塗り板を製造して
いる。
【0003】上記したインラインシーラーは、耐防黴
性、耐凍害性、耐候性、耐エフロレッセンス性及び無機
材料とセカンドシーラー塗膜又は上塗り塗膜との付着性
等の性能を向上させるために使用している。
【0004】従来、インラインシーラーとしてフミン酸
水溶液や熱可塑性アクリル樹脂エマルションが使用され
ていた。しかしながら、フミン酸水溶液はセカンドシー
ラー塗膜、上塗り塗膜との付着性が劣るといった欠点が
あり、また熱可塑性アクリル樹脂エマルションはオート
クレーブ養生(通常、160〜170℃、8〜9Kgf
/cm2、4〜8時間、水蒸気存在下)の際に基材同士
が互いに付着してブロッキングするために取り扱いが困
難となるといった欠点があった。
【0005】また、水性下塗り剤として、カルボニル基
含有不飽和モノマーを0.5〜30重量%含有する共重
合体が特開平5ー247376号公報、特開平6ー27
9707号公報に記載されている。しかしながら、この
ような共重合体をインラインシーラーに適用した場合に
は、耐ブロッキング性が充分でないといった問題点があ
った。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、特にインラ
インシーラーに必要な上記性能を満足させると共に耐ブ
ロッキング性に優れた窯業系基材のインラインシーラー
を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記した
問題点を解決するために鋭意研究を重ねた結果、水性硬
化型シーラーとしてカルボニル基とポリヒドラジド硬化
系を採用し、しかも特定量のカルボニル基含有不飽和モ
ノマーを使用したものが、従来からの問題点を解決する
ことを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】即ち、本発明は、1、(A)共重合体を構
成するモノマー成分としてカルボニル基含有不飽和モノ
マーを31〜60重量%含有する酸価20〜120KO
Hmg/gのビニル系水性共重合体に(B)ポリヒドラ
ジド架橋剤を配合してなることを特徴とする水性硬化型
シーラー、2、無機質多孔質基材の表面にインラインシ
ーラーを塗布、乾燥した後、オートクレーブ養生を含む
工程において、該インラインシーラーとして、(A)共
重合体を構成するモノマー成分としてカルボニル基含有
不飽和モノマーを31〜60重量%含有する酸価20〜
120KOHmg/gのビニル系水性共重合体に(B)
ポリヒドラジド架橋剤を配合してなる水性硬化型シーラ
ーであることを特徴とする窯業系基材のインライン塗装
方法に係わる。
【0009】本発明の水性硬化型シーラーについて以下
に述べる。
【0010】ビニル系水性共重合体(A):共重合体
(A)は、該共重合体を構成するモノマー成分としてカ
ルボニル基含有不飽和モノマー(a)を31〜60重量
%含有する酸価20〜120KOHmg/g、好ましく
は酸価30〜80KOHmg/gのビニル系水性共重合
体である。上記モノマー(a)の配合割合が31重量%
を下回るとオートクレーブ養生工程において無機質多孔
質基材が互いに付着して剥がれ難くなる(耐ブロッキン
グ性)といった重大な欠点があり、一方、60重量%を
上回ると耐水性等が悪くなる。また、酸価が20KOH
mg/gを下回ると、粒子径が大きくなるためにシーラ
ーの貯蔵安定性や無機質多孔質基材に対する浸透性が劣
り、一方、酸価が120KOHmg/gを越えると被膜
の耐水性、耐エフロレッセンス性等が劣るといった欠点
がある。
【0011】共重合体(A)を構成するモノマー成分と
しては、カルボニル基含有不飽和モノマー(a)31〜
60重量%、好ましくは35〜50重量%、カルボキシ
ル基含有不飽和モノマー(b)2.5〜20重量%、好
ましくは4〜18重量%、その他のラジカル重合性不飽
和モノマー(c)27〜66.5重量%、好ましくは4
0〜61重量%のものが好ましい。
【0012】カルボニル基含有不飽和モノマー(a)
は、1分子中に少なくとも1個のケト基又はアルデヒド
基と1個のラジカル重合可能な二重結合を有するモノマ
ー、即ち重合可能なモノオレフィン性不飽和のアルデヒ
ド化合物及びケト化合物である。代表的な具体例として
は、例えばダイアセトン(メタ)アクリルアミド、アク
ロレイン、ホルミルスチロール、(メタ)アクリルアミ
ドピバリンアルデヒド、ダイアセトン(メタ)アクリレ
ート、アセトニル(メタ)アクリレート、2ーヒドロキ
シプロピル(メタ)アクリレートアセチルアセテート、
ビニルアルキルケトンなどが挙げられる。これらの中で
もダイアセトン(メタ)アクリルアミドが好ましい。
【0013】カルボキシル基含有不飽和モノマー(b)
は1分子中に少なくとも1個のカルボキシル基(無水カ
ルボン酸基も含む)と1個のラジカル重合性不飽和基を
含有する不飽和化合物である。代表的な具体例として
は、例えば(メタ)アクリル酸、無水マレイン酸、フマ
ル酸、イタコン酸等が挙げられる。
【0014】その他のラジカル重合性不飽和モノマー
(c)としては、上記以外のラジカル重合性不飽和モノ
マーであって上記したカルボニル基やカルボキシル基と
実質的に悪影響(反応等)を起こさない非官能性の不飽
和化合物である。代表的な具体例としては、例えばメチ
ル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレー
ト、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メ
タ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、
tertブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル
(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリ
レート、n−オクチル(メタ)アクリレート、ラウリル
(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレー
ト、ステアリル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキ
シルカルビト−ル(メタ)アクリレ−ト、イソボルニル
(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸のアルキ
ル又はシクロアルキルエステルモノマー;メトキシブチ
ル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アク
リレート、エトキシブチル(メタ)アクリレート、トリ
メチロールプロパントリプロポキシ(メタ)アクリレー
ト等の(メタ)アクリル酸のアルコキシアルキルエステ
ルモノマー;スチレン、α−メチルスチレン、ビニルト
ルエンなどの芳香族ビニルモノマー;2−ヒドロキシエ
チル(メタ)アクリレ−ト、2−ヒドロキシプロピル
(メタ)アクリレ−ト、2ーヒドロキシー3ーフェノキ
シプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロ
ピル(メタ)アクリレ−ト、ヒドロキシブチル(メタ)
アクリレ−ト、(ポリ)アルキレングリコ−ルモノアク
リレ−ト、及びこれらのモノマ−とラクトン(例えば、
ε−カプロラクトン等)との付加物等の水酸基含有不飽
和モノマー;ベンジル(メタ)アクリレート等の芳香族
アルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル等が挙げ
られる。
【0015】共重合体(A)は、溶液重合法によって製
造することが好ましい。具体的には、例えばアルコール
溶媒類、エーテル溶媒等の親水性有機溶媒を含む溶媒中
で上記したラジカル重合性モノマーをラジカル重合開始
剤(例えば、アゾ系開始剤、パーオキサイド系開始剤
等)の存在下で約50〜140℃の温度で約4〜10時
間反応を行うことにより製造することができる。
【0016】該共重合体(A)は、数平均分子量約10
00〜100000、特に2000〜20000の範囲
が好ましい。数平均分子量が約1000未満になると耐
水性等が低下し、一方100000を越えると基材への
浸透性が劣り、そのために耐ブロッキング性が悪くなる
ので好ましくない。
【0017】ポリヒドラジド架橋剤(B):該架橋剤
(B)は、1分子中にヒドラジド基(−CO−NH−N
H2 )を2個以上含有する上記カルボニル基と反応し
て架橋構造を作る化合物である。
【0018】ポリヒドラジド架橋剤(B)の代表的な具
体例としては、例えば、カルボジヒドラジドなどのジヒ
ドラジド、蓚酸ジヒドラジド、マロン酸ジヒドラジド、
コハク酸ジヒドラジド、グルタル酸ジヒドラジド、アジ
ピン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド、エイコ
酸二酸ジヒドラジドなどのC2〜40個の脂肪族カルボ
ン酸ジヒドラジド、フタル酸ジヒドラジド、テレフタル
酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド、ピロメリ
ット酸ジヒドラジド、ピロメリト酸トリヒドラジド、ピ
ロメリット酸テトラヒドラジドなどの芳香族ポリヒドラ
ジド、及びマレイン酸ジヒドラジド、フマル酸ジヒドラ
ジド、イタコン酸ジヒドラジドなどのモノオレフィン性
不飽和ジヒドラジド、ビスセミカルバジド、ポリアクリ
ル酸ポリヒドラジド、1,3−ビス(ヒドラジ/カルボ
エチル)−5−イソプロピルヒダントインなどのその他
のポリヒドラジドなどが挙げられる。
【0019】ポリヒドラジド架橋剤(B)の配合割合
は、共重合体(A)の有するカルボニル基に対して0.
05〜2当量、好ましくは0.1〜1当量の範囲であ
る。ポリヒドラジド架橋剤(B)が0.05当量を下回
るとシーラー被膜の耐エフロレッセンス性、耐ブロッキ
ング性等が悪くなり、一方2当量を上回ると耐水性等が
悪くなる。
【0020】本発明の水性硬化型シーラーは、例えば上
記共重合体(A)の有機溶剤溶液に中和剤を配合して中
和した溶液に水を加えて水性化した後、このものに架橋
剤(B)を配合して製造することが好ましい。中和当量
は、カルボキシル基に対して約0.4〜1.8当量、好
ましくは約0.5〜1.2当量の範囲が望ましい。
【0021】中和剤としては、例えば、アンモニア;エ
チルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ベンジル
アミン、モノエタノールアミン、ネオペンタノールアミ
ン、2−アミノプロパノール、3−アミノプロパノール
などの第1級アミン;ジエチルアミン、ジエタノールア
ミン、ジ−n−またはジ−iso −プロパノールアミン、
N−メチルエタノールアミン、N−エチルエタノールア
ミンなどの第2級アミン;ジメチルエタノールアミン、
トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリイソプロピ
ルアミン、メチルジエタノールアミン、ジメチルアミノ
エタノールなどの第3級アミン、水酸化ナトリウム、水
酸化カリウムなどの無機水酸化物等が挙げられる。
【0022】上記した水性硬化型シーラーには、必要に
応じてコロイダルシリカを配合することができる。該コ
ロイダルシリカはSiO2を基本単位とする水中分散体
であり、粒子径が4〜100nmのものである。該コロ
イダルシリカは水分散液のPHが約7.1以上のものが
使用できる。具体的には、例えばスノーテックス20、
スノーテックスC、スノーテックスN(以上、日産化学
工業社製、商品名)等が挙げられる。
【0023】該コロイダルシリカの配合割合は、共重合
体(A)とポリヒドラジド架橋剤(B)の固形分総合計
量100重量部に対して固形分換算で0〜400重量
部、好ましくは0〜100重量部の範囲である。このよ
うなコロイダルシリカを配合することにより、シーラー
の被膜に耐ブロッキング性を付与することができる。
【0024】また、水性硬化型シーラーには、上記以外
に必要に応じて更に着色顔料、体質顔料、充填剤、硬化
触媒、流動性調整剤、消泡剤、有機溶剤等を配合するこ
とができる。
【0025】次に、本発明のインライン塗装方法につい
て述べる。
【0026】該インライン塗装方法は、無機質多孔質基
材の表面に上記した水性硬化型シーラーを塗布、乾燥し
た後、オートクレーブ養生してなる方法である。該オー
トクレーブ養生した後の基材は、更にセカンドシーラー
を塗装、乾燥を行ってシーラー板として出荷するか、も
しくは更に上塗り塗装、乾燥を行って上塗り板として出
荷される。
【0027】無機質多孔質基材は、セメント系、珪酸カ
ルシウム系等の無機質材料を主成分とする基材であり、
具体例としては、珪酸カルシウム板、石綿セメント板、
木片セメント板、パルプセメント板、軽量気泡コンクリ
ート板等の建築材料、構造材料、土木材料、あるいは工
業材料として使用されているものを示す。該基材は1次
養生(例えば加熱された水蒸気中に一定時間放置)した
ものであっても1次養生していないものであっても構わ
ない。
【0028】水性硬化型シーラーの固形分は1〜40重
量%、好ましくは3〜20重量%の濃度で使用される。
固形分が1重量%未満になると塗装膜厚を確保するため
に塗装回数が多くなるので塗装作業性が悪くなり、一方
40重量%を越えると基材に対する浸透性が劣るため耐
ブロッキング性が悪くなる。
【0029】水性硬化型シーラーの塗布量(固形分換
算)は、0.1〜30g/m2、好ましくは0.5〜2
0g/m2の範囲である。塗布量が0.1g/m2未満に
なると耐エフロレッセンス性が低下し、一方30g/m
2を越えると耐ブロッキング性等が低下するので好まし
くない。
【0030】水性硬化型シーラーの塗装方法は、特に制
限なしに従来から公知の塗装方法、例えばローラー、刷
毛、スプレー、浸漬、フローコーター(カーテンフロー
コーターなど)等の方法で行うことができる。
【0031】水性硬化型シーラーの乾燥は、例えば、基
材が1次養生などにより加熱されている場合にはその1
次養生による基材の余熱(約60℃)により乾燥を行う
ことが好ましい、また基材が余熱されていない場合に
は、基材の種類によって異なるが、通常約20〜200
℃、約3秒〜60分間の範囲で加熱乾燥を行うことが好
ましい。該乾燥において、特に基材の余熱による乾燥
は、基材が暖まった状態でシーラーが塗装されるため基
材に対する浸透性が優れるので架橋が基材内部にまで行
き渡るので耐水性、耐エフロレッセンス性、耐ブロッキ
ング性等の性能が優れるといった利点がある。
【0032】オートクレーブ養生は、特に制限なしに窯
業系基材で採用されている条件で行うことができる。通
常は約160〜170℃、約8〜9Kgf/cm2、約
4〜8時間、水蒸気存在下で行われる。
【0033】
【実施例】次に、実施例を掲げて本発明を詳細に説明す
る。
【0034】水性硬化型シーラーAの製造例 温度計、攪拌機、冷却器及び滴下ロートを備えた300
ccの4つ口フラスコにプロピレングリコールモノメチ
ルエーテル100g入れ、80〜90℃に昇温させ、こ
のものにメチルメタクリレート10g、Nーブチルアク
リレート30g、スチレン13g、ダイアセトンアクリ
ルアミド40g、アクリル酸7g及びアゾビスイソブチ
ロニトリル1gの混合物を3時間にわたり滴下した。そ
の後同温度で1時間熟成し後、アゾビスブチロニトリル
1gを追加触媒として配合し、更に2時間熟成して、樹
脂固形分50重量%、樹脂酸価56KOHmg/g、樹
脂の数平均分子量約6000のアクリル系水性共重合体
有機溶剤溶液を得た。
【0035】次いで、該溶液にトリエチルアミンの中和
剤を0.9当量配合し攪拌混合した後、固形分が約10
重量%になるまで脱イオン水を徐々に滴下混合攪拌して
水性樹脂液を製造した。該水性樹脂液は透明淡黄色であ
った。
【0036】得られた水性樹脂液100gにアジピン酸
ジヒドラジドを0.5当量(1g)配合して水性硬化型
シーラーAを製造した。
【0037】水性硬化型シーラーBの製造例 上記水性硬化型シーラーAにおいて、ダイアセトンアク
リルアミド40gを35gにメチルメタクリレート10
gを15gに置き換えた以外は水性硬化型シーラーAと
同様にして水性硬化型シーラーBを製造した。なお、共
重合体の有機溶剤溶液は樹脂固形分50重量%、樹脂酸
価56KOHmg/g、樹脂の数平均分子量6000で
あった。なお、シーラーBで使用した水性樹脂液は透明
淡黄色であった。
【0038】水性硬化型シーラーCの製造例 上記水性硬化型シーラーAにおいて、ダイアセトンアク
リルアミド40gを60gにNーブチルアクリレート3
0gを10gに置き換えた以外は水性硬化型シーラーA
と同様にして水性硬化型シーラーCを製造した。なお、
共重合体の有機溶剤溶液は樹脂固形分50重量%、樹脂
酸価56KOHmg/g、樹脂の数平均分子量6000
であった。なお、シーラーCで使用した水性樹脂液は透
明淡黄色であった。
【0039】水性硬化型シーラーDの製造例 上記水性硬化型シーラーA100gにスノーテックスN
(日産化学工業社製、コロイダルシリカ、固形分20重
量%)を15重量部配合したもの。
【0040】水性硬化型シーラーEの製造例 上記水性硬化型シーラーAにおいて、ダイアセトンアク
リルアミド40gを30gにメチルメタクリレート10
gを20gに置き換えた以外は水性硬化型シーラーAと
同様にして水性硬化型シーラーEを製造した。なお、共
重合体の有機溶剤溶液は樹脂固形分50重量%、樹脂酸
価56KOHmg/g、樹脂の数平均分子量6000で
あった。該シーラーEで使用した水性樹脂液は若干白濁
していた。
【0041】水性硬化型シーラーFの製造例 上記水性硬化型シーラーAにおいて、ダイアセトンアク
リルアミド40gを65gにNーブチルアクリレート3
0gを5gに置き換えた以外は水性硬化型シーラーAと
同様にして水性硬化型シーラーFを製造した。なお、共
重合体の有機溶剤溶液は樹脂固形分50重量%、樹脂酸
価56KOHmg/g、樹脂の数平均分子量6000で
あった。該シーラーFで使用した水性樹脂液は透明淡黄
色であった。
【0042】実施例及び比較例で得られたシーラーの塗
膜性能の試験結果を表1に示す。
【0043】
【表1】
【0044】表1において試験方法は次の様にして行っ
た。
【0045】耐エフロレッセンス性:上記で得られた水
性硬化型シーラーをセメントペースト(セメント/弁柄
/水=100/4/35重量比の調合したものを平板状
に加工して30分間放置したもの)表面に塗布量が50
g/m2になるようにスプレー塗装し、3日間放置乾燥
した後、オートクレーブ養生(160〜170℃、約8
〜9Kgf/cm2、約6時間、水蒸気存在下)を行っ
た後、シーラーの塗膜を観察した。評価は次の基準で行
った。◎は白化が全くないもの、○は若干白化するが実
用上問題がないもの、△は白化して悪いもの、×は白化
が著しいものである。
【0046】耐ブロッキング性:2枚のスレート板に水
性硬化型シーラーを塗布量が50g/m2になるように
スプレー塗装し、100℃で5分間乾燥を行った後、ス
レート板を塗装面同士を荷重が400g/cm2になる
ように加圧を行い、このものを170℃で1時間加熱し
た後、室温に冷却し2枚のスレート板間の剥がれ易さを
調べた。評価は次の基準で行った。◎は全く付着せずに
良好なもの、○は若干付着はしているが軽い力で剥離が
可能なもの、△は強い力をかけないと剥離できないも
の、×は剥離が困難なものである。
【0047】耐水性:上記で得られた水性硬化型シーラ
ーをスレート板の表面に塗布量が50g/m2になるよ
うにスプレー塗装し、3日間放置乾燥した後、オートク
レーブ養生(160〜170℃、約8〜9Kgf/cm
2、約6時間、水蒸気存在下)を行い、次いで上塗り塗
料(アレスアクアグロス、関西ペイント(株)社製、商
品名、水性エマルション塗料)を乾燥膜厚が約30μm
になるようにスプレー塗装し、100℃で20分間乾燥
を行って試験用塗装基材を作成した。このものを上水に
20℃で30日間浸漬した後、上塗り塗膜のワレ、剥が
れ、フクレなどの塗膜異常の有無を観察した。
【0048】耐アルカリ性:上記した耐水性と同様にし
て形成した試験用塗装基材をこの試験に使用した。この
基材を水酸化カルシウムの飽和水溶液に20℃30日間
浸漬した後、上塗り塗膜のワレ、剥がれ、フクレなどの
塗膜異常の有無を観察した。
【0049】
【発明の効果】本発明の水性硬化型シーラーは、特に耐
ブロッキング性、耐水性等の被膜性能に優れた効果を発
揮するものである。
【0050】窯業系多孔質基材の表面にインラインシー
ラーを塗布、乾燥した後、オートクレーブ養生を行う工
程において、従来から公知のカルボニル基含有不飽和モ
ノマーを0.5〜30重量%含有する共重合体の水性硬
化型下塗り剤を該インラインシーラーとして使用したも
のは、窯業系多孔質基材への浸透が十分でないために該
基材の耐ブロッキング性が劣り、そして被膜の架橋が十
分でないので耐水性等の被膜性能が劣るといった欠点が
あった。また、セメント成形品等の窯業系基材をオート
クレーブの過酷な条件で処理した際に、成型品内部から
溶出したアルカリ性物質により該インラインシーラー被
膜の架橋結合部分が切断され、そのために被膜の架橋密
度が低下し、耐水性、耐ブロッキング性等の性能が悪く
なるものと推察される。
【0051】これに対して、本発明の水性硬化型シーラ
ーは、親水性の強いカルボニル基含有不飽和モノマー成
分を多く含む、このために水分散粒子が少ない水溶液状
態であることから窯業系多孔質基材に容易に深く浸透す
るので耐ブロッキング性等の被膜性能に優れる、且つ得
られた被膜は高い架橋密度を有しているので強靱な被膜
が形成されるために耐ブロッキング性、耐水性等の被膜
性能に優れるといった顕著な効果を発揮すると推察され
る。また、該被膜は強靱であるためにアルカリ物質等の
腐食物質が被膜中に浸透し難いこと及び該被膜がアルカ
リ物質により架橋結合が多少切断されたとしても耐水性
や耐ブロッキング性等の性能を保持するだけの架橋密度
を有していることから上記した性能を満足するものと推
察される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C09D 133/14 C09D 133/14 (72)発明者 篠原 政明 神奈川県平塚市東八幡4丁目17番1号 関 西ペイント株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)共重合体を構成するモノマー成分と
    してカルボニル基含有不飽和モノマーを31〜60重量
    %含有する酸価20〜120KOHmg/gのビニル系
    水性共重合体に(B)ポリヒドラジド架橋剤を配合して
    なることを特徴とする水性硬化型シーラー。
  2. 【請求項2】無機質多孔質基材の表面にインラインシー
    ラーを塗布、乾燥した後、オートクレーブ養生を含む工
    程において、該インラインシーラーが、(A)共重合体
    を構成するモノマー成分としてカルボニル基含有不飽和
    モノマーを31〜60重量%含有する酸価20〜120
    KOHmg/gのビニル系水性共重合体に(B)ポリヒ
    ドラジド架橋剤を配合してなる水性硬化型シーラーであ
    ることを特徴とする窯業系基材のインライン塗装方法。
JP2524898A 1997-08-26 1998-02-06 水性硬化型シーラー及び窯業系基材のインライン塗装方法 Pending JPH11131054A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001181605A (ja) * 1999-10-14 2001-07-03 Kansai Paint Co Ltd 無機質材用水性シーラー及びシーラー塗装無機質材の製造方法
WO2014148636A1 (ja) * 2013-03-22 2014-09-25 横浜ゴム株式会社 水系プライマー

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