JPH11130905A - セルロース系組成物、成形物および成形方法 - Google Patents

セルロース系組成物、成形物および成形方法

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JPH11130905A
JPH11130905A JP29593897A JP29593897A JPH11130905A JP H11130905 A JPH11130905 A JP H11130905A JP 29593897 A JP29593897 A JP 29593897A JP 29593897 A JP29593897 A JP 29593897A JP H11130905 A JPH11130905 A JP H11130905A
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JP
Japan
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cellulose
film
molding
cellulosic
water
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JP29593897A
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English (en)
Inventor
Nobuyuki Doi
信之 土井
Masao Kameyama
正雄 亀山
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Mitsui Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Chemicals Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 成形性、吸水性および保水性に優れ、しかも
生分解性を有するセルロース系組成物、ならびにこの組
成物からなる成形物を提供する。 【解決手段】 セルロース(A)20〜98重量%と、
セルロース構造を主鎖とし、側鎖に糖が結合しているセ
ルロース系化合物(B)80〜2重量%とを含むセルロ
ース系組成物からなる成形物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、側鎖に糖が結合し
ているセルロース系化合物をセルロースに配合したセル
ロース系組成物、これからなるセルロース系成形物、特
に土壌用保水フィルム、農業用保水フィルム等の保水用
フィルムとして好適に用いられる成形物、ならびにこの
成形物の成形方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、土壌用保水剤、農業用保水フィル
ム等の農業・土木材料;生理用品、紙おむつ等の衛生材
料などの原料として吸水性樹脂が使用されている。しか
し、吸水性樹脂は成形性が十分ではなく、通常粉末状、
繊維状で用いられており、それ単独でフィルム状の成形
物を得るのは困難である。また生分解し難いため、廃棄
物の処理に問題が残る。
【0003】一方、多糖類であるセルロースは生分解性
を有し、廃棄物の問題には対処できるが、吸水性、保水
性が不十分である。例えば、セルロースのフィルムであ
るセロハンは、1g当りの吸水量が1g以下であり、農
業用保水フィルムとして用いるには吸水性、保水性が不
十分である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、成形
性、吸水性および保水性に優れ、しかも生分解性を有す
るセルロース系組成物、この組成物からなる成形物、な
らびにこの成形物の成形方法を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は次のセルロース
系組成物、成形物および成形方法である。 (1) セルロース(A)20〜98重量%と、セルロ
ース構造を主鎖とし、側鎖に糖が結合しているセルロー
ス系化合物(B)80〜2重量%とを含むセルロース系
組成物。 (2) セルロース系化合物(B)がザンサンガムであ
る上記(1)記載の組成物。 (3) 上記(1)または(2)記載の組成物からなる
セルロース系成形物。 (4) フィルム、シートまたは繊維状である上記
(3)記載の成形物。 (5) セルロース(A)と、セルロース系化合物
(B)とを第3級アミン−N−オキシドに溶解し、その
溶液を所定形状にして水中に押し出して上記(3)また
は(4)記載の成形物を成形するセルロース系成形物の
成形方法。
【0006】本発明で用いるセルロース(A)として
は、D−グルコピラノースがβ−1,4結合したβ−D
−1,4−グルカンが制限なく使用できる。結晶構造、
起源なども制限されず、植物由来のものでも、微生物由
来のものでも使用できる。セルロース(A)としては、
市販品を使用することもできる。
【0007】本発明で用いるセルロース系化合物(B)
は、D−グルコピラノースがβ−1,4結合したセルロ
ース構造を主鎖とし、側鎖に糖が結合している多糖類で
ある。側鎖に結合している糖としては、マンノース、グ
ルクロン酸などがあげられる。
【0008】セルロース系化合物(B)の具体的なもの
としては、ザンサンガム(キサンタンガムとも呼ばれて
いる)、ガラクトマンナン(ガラクトースとマンノース
を構成糖とする天然多糖類)などがあげられる。上記ザ
ンサンガムはセルロース構造を主鎖とし、側鎖がマンノ
ース、グルクロン酸およびピルビン酸から構成されてい
るアニオン性天然多糖類である。ザンサンガムは米国の
ケルコ社(Kelco Division of Merck & Co., Inc.)か
らケルザンの商品名で市販されており、この市販品をセ
ルロース系化合物(B)として使用することもできる。
【0009】本発明のセルロース系組成物中のセルロー
ス(A)の含有量は20〜98重量%、好ましくは30
〜90重量%、セルロース系化合物(B)の含有量は8
0〜2重量%、好ましくは70〜10重量%である。
【0010】本発明のセルロース系組成物は、セルロー
ス(A)およびセルロース系化合物(B)をN−メチル
モルフォリン−N−オキシドなどの第3級アミン−N−
オキシドに溶解した後、この溶液を水中に投入して凝固
沈殿させるなどの方法により製造することができる。
【0011】本発明のセルロース系組成物は、成形性に
優れており、例えばプレス成形、押出成形、インフレー
ション成形などの成形法により任意の形状に容易に成形
することが可能であり、フィルム、シートまたは繊維状
に成形することも容易である。特にセルロース系組成物
を前記凝固沈殿させる方法により製造した場合、成形が
容易である。また(B)成分が配合されているため、吸
水性および保水性にも優れており、かつ吸水性および保
水性は繰り返し使用しても低下しないという性質を持
つ。しかも多糖類を成分とするため生分解性を有してお
り、廃棄物による環境汚染を生じさせない。
【0012】このため本発明のセルロース系組成物は、
土壌用保水フィルム、農業用保水フィルムなどの保水用
フィルムなどの原料として好適に利用することができ
る。
【0013】本発明のセルロース系成形物は前記セルロ
ース系組成物を成形してなる成形物であり、形状、大き
さなどは限定されず、使用目的に応じた形状、大きさを
選択することができる。具体的な形状としては、フィル
ムもしくはシート状、フィラメント状などがあげられ
る。
【0014】フィルムもしくはシート状に成形した成形
物は、土壌用保水フィルム、農業用保水フィルムなどの
保水フィルムとして好適に利用することができる。この
場合、フィルムは生分解性を有しているので、土中に放
置された状態で生分解し、このため回収、廃棄の作業は
必要なく省力化に極めて有効であるほか、環境汚染も起
こさない。
【0015】成形物を成形する好ましい成形方法として
は、次のような方法があげられる。まずセルロース
(A)およびセルロース系化合物(B)をN−メチルモ
ルフォリン−N−オキシドなどの第3級アミン−N−オ
キシドと水とを含有する溶媒に実質上均質に溶解させた
後、水を蒸発させてセルロース系組成物の粘性溶液を得
る。次に得られた溶液を押出成形または紡糸などによ
り、空気中または他の非沈殿媒体中でフィルム、繊維状
など、意図する形状に成形した後、この成形物をセルロ
ース系組成物を沈殿させる非溶媒中で沈殿させて成形物
を得る。成形物の成形方法は特に限定されず、公知の成
形方法が採用できる。例えば、プレス成形、押出成形、
インフレーション成形などの方法があげられる。セルロ
ース系組成物を沈殿させる上記非溶媒としては、例えば
水があげられる。溶液を冷却して得られた固体生成物
は、直ちに適当な装置に供給して成形することもできる
し、後日使用するまで貯蔵することもできる。
【0016】
【発明の効果】本発明のセルロース系組成物は、セルロ
ース(A)および特定のセルロース系化合物(B)を特
定量含有しているので、成形性、吸水性および保水性に
優れ、しかも生分解性を有している。本発明のセルロー
ス系成形物は上記組成物からなっているので、成形性、
吸水性および保水性に優れ、しかも生分解性を有してい
る。特に、フィルム状成形物は土壌用保水フィルム、農
業用保水フィルムなどの保水フィルムとして好適に使用
できる。本発明のセルロース系成形物の成形方法は、セ
ルロース(A)とセルロース系化合物(B)とを第3級
アミン−N−オキシドに溶解した後、溶液を水中に押し
出して成形するようにしたので、任意の形状の上記セル
ロース系成形物を容易に成形することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】次に本発明の実施例について説明
する。 実施例1〜5 特に断らない限り以下の試薬を用いて、セルロース系組
成物(1)〜(6)の溶液を調製した。 ・セルロース(日本製紙製:W−4) ・ザンサンガム(ケルコ製:商品名ケルザン) ・N−メチルモルフォリン−N−オキシド(以下、NM
MOと略記する)50%水溶液(東京化成)
【0018】《組成物の調製》セルロース粉末60gお
よびザンサンガム粉末30g(混合比2:1)をNMM
O 1128gに分散させた。次にエアーオーブン中、
常圧、100℃〜110℃で264gの水分を蒸発させ
てNMMOを濃縮し、セルロース粉末およびザンサンガ
ム粉末を溶解させ、組成物(1)の溶液を得た。
【0019】表1に示す量でセルロース粉末およびザン
サンガム粉末を用いた以外は組成物(1)の場合と同様
にして組成物(2)〜(5)の溶液を得た。
【表1】
【0020】《成形》表1の組成物(1)〜(5)の溶
液を100〜110℃に調節されたシリンダー中に投入
し、数時間脱泡処理した後、ピストンにて成形用Tダイ
金型(ダイ温度=60℃、ダイ幅=10cm、リップク
リアランス=0.2mm)に送り、フィルム状に連続的
に押し出した。このときの吐出量は5〜10cm3/m
inに調節した。押し出されたフィルムは水中に投入
し、組成物を沈殿させた。その後、引取速度25〜15
0cm/minにてロールで引き取った。
【0021】このようにして得られたフィルム状成形物
をSUS板上に保持し、40℃で数時間乾燥した。得ら
れたフィルム状成形物は厚み約20〜40μmで、セロ
ハンと同等の透明性の高いフィルムであった。吸水性を
測定した結果を表2に示す。なおこの吸水能は繰り返し
試験しても低下することはなかった。また各フィルム状
成形物を土中に埋没して生分解試験を行った結果、1か
月後には原形を留めないほどまでに崩壊した。
【0022】比較例1 セルロースを用いないで、ザンサンガム粉末90gだけ
を用いて実施例1と同様にしてフィルムの成形を試み
た。しかし、水浴中の沈殿物を引き取ろうとしたが、強
度が低く、もろくて破れやすいため、フィルム状に成形
することができなかった。
【0023】比較例2 ザンサンガムを用いないで、セルロース粉末90gだけ
を用いて実施例1と同様にしてフィルムを成形した。結
果を表2に示す。
【0024】
【表2】
【0025】表2の注 *1 吸水能の測定方法サンプル形状:50mm×50
mm正方形 エアオーブン中、80℃で2時間乾燥後のフィルムの重
量:aグラム 水中に24時間浸漬して吸水させた後、表面の水分を拭
き取った後のフィルムの重量:bグラム 計算式:吸水能(g/g)=(b−a)/a *2 引張強度の測定方法 JIS−Z1521(セロハンの評価法)に準じて行っ
た。 *3 沈殿後の成形物は非常にもろく、取扱い中にぼろ
ぼろに破れた。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セルロース(A)20〜98重量%と、
    セルロース構造を主鎖とし、側鎖に糖が結合しているセ
    ルロース系化合物(B)80〜2重量%とを含むセルロ
    ース系組成物。
  2. 【請求項2】 セルロース系化合物(B)がザンサンガ
    ムである請求項1記載の組成物。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の組成物からなる
    セルロース系成形物。
  4. 【請求項4】 フィルム、シートまたは繊維状である請
    求項3記載の成形物。
  5. 【請求項5】 セルロース(A)と、セルロース系化合
    物(B)とを第3級アミン−N−オキシドに溶解し、そ
    の溶液を所定形状にして水中に押し出して請求項3また
    は4記載の成形物を成形するセルロース系成形物の成形
    方法。
JP29593897A 1997-10-28 1997-10-28 セルロース系組成物、成形物および成形方法 Pending JPH11130905A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2012133824A1 (ja) * 2011-03-30 2012-10-04 ユニ・チャーム株式会社 保水助剤ならびにそれを含む吸収材、吸収体及び吸収性物品
JP2018174986A (ja) * 2017-04-03 2018-11-15 花王株式会社 吸収構造体及びそれを備えた吸収性物品

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2012133824A1 (ja) * 2011-03-30 2012-10-04 ユニ・チャーム株式会社 保水助剤ならびにそれを含む吸収材、吸収体及び吸収性物品
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