JPH11130534A - 誘電体磁器組成物 - Google Patents
誘電体磁器組成物Info
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- JPH11130534A JPH11130534A JP9297050A JP29705097A JPH11130534A JP H11130534 A JPH11130534 A JP H11130534A JP 9297050 A JP9297050 A JP 9297050A JP 29705097 A JP29705097 A JP 29705097A JP H11130534 A JPH11130534 A JP H11130534A
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- Japan
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- dielectric
- rare earth
- dielectric constant
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- Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)
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Abstract
(57)【要約】
【課題】高周波領域において加工に適した低い比誘電率
と高いQ値を有する誘電体磁器組成物を提供する。 【解決手段】金属元素としてNa、Mg、Wおよび希土
類元素を含有し、これらの金属元素酸化物のモル比によ
る組成式をx〔aNaO1/2 ・(1−a)AO3/ 2 〕・
yMgO・zWO3 (AはSc、Y、La、Yb、Lu
を除く希土類元素)と表した時、前記x、y、zおよび
aが、0.40≦x≦0.55、0.15≦y≦0.3
0、0.20≦z≦0.30、0.40≦a≦0.6
0、x+y+z=1を満足するものである。
と高いQ値を有する誘電体磁器組成物を提供する。 【解決手段】金属元素としてNa、Mg、Wおよび希土
類元素を含有し、これらの金属元素酸化物のモル比によ
る組成式をx〔aNaO1/2 ・(1−a)AO3/ 2 〕・
yMgO・zWO3 (AはSc、Y、La、Yb、Lu
を除く希土類元素)と表した時、前記x、y、zおよび
aが、0.40≦x≦0.55、0.15≦y≦0.3
0、0.20≦z≦0.30、0.40≦a≦0.6
0、x+y+z=1を満足するものである。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、マイクロ波、ミリ
波等の高周波領域において低い比誘電率及び高いQ値を
有する誘電体磁器組成物に関し、特に、誘電体共振器、
フィルタ、コンデンサ等の高周波用の電子部品やMIC
用誘電体基板、ミリ波用導波路等に最適な誘電体磁器組
成物に関するものである。
波等の高周波領域において低い比誘電率及び高いQ値を
有する誘電体磁器組成物に関し、特に、誘電体共振器、
フィルタ、コンデンサ等の高周波用の電子部品やMIC
用誘電体基板、ミリ波用導波路等に最適な誘電体磁器組
成物に関するものである。
【0002】
【従来技術】従来、誘電体磁器は、マイクロ波やミリ波
等の高周波領域において、誘電体共振器やMIC用誘電
体基板等に広く利用されている。また最近では、ミリ波
用導波路に誘電体線路が応用されている。
等の高周波領域において、誘電体共振器やMIC用誘電
体基板等に広く利用されている。また最近では、ミリ波
用導波路に誘電体線路が応用されている。
【0003】従来より、この種の誘電体磁器としては、
例えばZrO2 −SnO2 −TiO2 系材料、BaO−
TiO2 系材料、(Ba,Sr)(Zr,Ti)O3 系
材料及びBa(Zn,Ta)O3 系材料等が知られてお
り、これらの材料は各種の改良により周波数500MH
z〜5GHzにおいて比誘電率20〜40、Q値が10
00〜3000(Qf=15000以下)、さらに共振
周波数の温度係数(τf)が0ppm/℃付近の特性を
有している。
例えばZrO2 −SnO2 −TiO2 系材料、BaO−
TiO2 系材料、(Ba,Sr)(Zr,Ti)O3 系
材料及びBa(Zn,Ta)O3 系材料等が知られてお
り、これらの材料は各種の改良により周波数500MH
z〜5GHzにおいて比誘電率20〜40、Q値が10
00〜3000(Qf=15000以下)、さらに共振
周波数の温度係数(τf)が0ppm/℃付近の特性を
有している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、近年に
おいては使用する周波数がより高くなる傾向にあるとと
もに、誘電体材料に対してさらに優れた誘電特性、特に
Q値の向上が要求されている。ところが、前述した従来
の誘電体材料では、10GHzの使用周波数領域におい
て実用的レベルの高いQ値を有していないのが現状であ
る。
おいては使用する周波数がより高くなる傾向にあるとと
もに、誘電体材料に対してさらに優れた誘電特性、特に
Q値の向上が要求されている。ところが、前述した従来
の誘電体材料では、10GHzの使用周波数領域におい
て実用的レベルの高いQ値を有していないのが現状であ
る。
【0005】また、近年では、加工性の面から比誘電率
が小さい材料が要求されているが、上記従来の誘電体材
料では比誘電率が20〜40であり、加工性という観点
からさらに比誘電率の小さい材料が要求されていた。
が小さい材料が要求されているが、上記従来の誘電体材
料では比誘電率が20〜40であり、加工性という観点
からさらに比誘電率の小さい材料が要求されていた。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記問題点
に対して種々検討を加えた結果、金属元素としてNa、
Mg、Wおよび希土類元素(Sc、Y、La、Yb、L
uを除く)を含有し、これらの金属元素酸化物のモル比
による組成式をx〔aNaO1/2 ・(1−a)A
O3/2 〕・yMgO・zWO3 と表した時、x、y、z
およびaが所定値である誘電体磁器組成物では、比誘電
率が小さく、かつ、高周波領域において高Q値を有する
ことを見出し、本発明に至った。
に対して種々検討を加えた結果、金属元素としてNa、
Mg、Wおよび希土類元素(Sc、Y、La、Yb、L
uを除く)を含有し、これらの金属元素酸化物のモル比
による組成式をx〔aNaO1/2 ・(1−a)A
O3/2 〕・yMgO・zWO3 と表した時、x、y、z
およびaが所定値である誘電体磁器組成物では、比誘電
率が小さく、かつ、高周波領域において高Q値を有する
ことを見出し、本発明に至った。
【0007】即ち、本発明の誘電体磁器組成物は、金属
元素としてNa、Mg、Wおよび希土類元素を含有し、
これらの金属元素酸化物のモル比による組成式をx〔a
NaO1/2 ・(1−a)AO3/2 〕・yMgO・zWO
3 (AはSc、Y、La、Yb、Luを除く希土類元
素)と表した時、前記x、y、zおよびaが、0.40
≦x≦0.55、0.15≦y≦0.30、0.20≦
z≦0.30、0.40≦a≦0.60、x+y+z=
1を満足するものである。ここで、(Na1/2 A1/2 )
(Mg1/2 W1/2 )O3 で表されるペロブスカイト型結
晶を主結晶相とすることが望ましい。
元素としてNa、Mg、Wおよび希土類元素を含有し、
これらの金属元素酸化物のモル比による組成式をx〔a
NaO1/2 ・(1−a)AO3/2 〕・yMgO・zWO
3 (AはSc、Y、La、Yb、Luを除く希土類元
素)と表した時、前記x、y、zおよびaが、0.40
≦x≦0.55、0.15≦y≦0.30、0.20≦
z≦0.30、0.40≦a≦0.60、x+y+z=
1を満足するものである。ここで、(Na1/2 A1/2 )
(Mg1/2 W1/2 )O3 で表されるペロブスカイト型結
晶を主結晶相とすることが望ましい。
【0008】
【作用】本発明の誘電体磁器組成物では、10GHzの
測定周波数で比誘電率が17以下と小さいため、マイク
ロ波、ミリ波等の高周波で要求される精度での磁器の加
工が容易であり、かつ、10GHzの測定周波数でのQ
値を1500以上(Qf=15000以上)とすること
ができる。
測定周波数で比誘電率が17以下と小さいため、マイク
ロ波、ミリ波等の高周波で要求される精度での磁器の加
工が容易であり、かつ、10GHzの測定周波数でのQ
値を1500以上(Qf=15000以上)とすること
ができる。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の誘電体磁器組成物は、金
属元素酸化物のモル比による組成式を、x〔(aNaO
1/2 ・(1−a)AO3/2 )〕・yMgO・zWO
3 (AはSc、Y、La、Yb、Luを除く希土類元
素)と表した時、前記x、y、zおよびaが、0.40
≦x≦0.55、0.15≦y≦0.30、0.20≦
z≦0.30、0.40≦a≦0.60、x+y+z=
1を満足するものである。
属元素酸化物のモル比による組成式を、x〔(aNaO
1/2 ・(1−a)AO3/2 )〕・yMgO・zWO
3 (AはSc、Y、La、Yb、Luを除く希土類元
素)と表した時、前記x、y、zおよびaが、0.40
≦x≦0.55、0.15≦y≦0.30、0.20≦
z≦0.30、0.40≦a≦0.60、x+y+z=
1を満足するものである。
【0010】組成式x〔(aNaO1/2 ・(1−a)A
O3/2 )〕・yMgO・zWO3 において、(aNaO
1/2 ・(1−a)AO3/2 )のモル比xを0.40≦x
≦0.55としたのは、xが0.40よりも小さい場合
や0.55よりも大きい場合には焼結不良となったり、
Q値が低下するからである。xはQ値向上という観点か
ら0.48〜0.52が望ましい。
O3/2 )〕・yMgO・zWO3 において、(aNaO
1/2 ・(1−a)AO3/2 )のモル比xを0.40≦x
≦0.55としたのは、xが0.40よりも小さい場合
や0.55よりも大きい場合には焼結不良となったり、
Q値が低下するからである。xはQ値向上という観点か
ら0.48〜0.52が望ましい。
【0011】また、MgOのモル比yを0.15≦y≦
0.30としたのは、yが0.15よりも小さい場合に
は焼結不良となったり、Q値が低下し、0.30よりも
大きい場合にはQ値が低下したり、焼結不良となるから
である。MgOのモル比yは0.22〜0.28である
ことが望ましい。
0.30としたのは、yが0.15よりも小さい場合に
は焼結不良となったり、Q値が低下し、0.30よりも
大きい場合にはQ値が低下したり、焼結不良となるから
である。MgOのモル比yは0.22〜0.28である
ことが望ましい。
【0012】さらに、WO3 のモル比zを0.20≦z
≦0.30としたのは、zが0.20よりも小さい場合
や0.30よりも大きい場合にはQ値が低下するからで
ある。WO3 のモル比zは、Q値の向上と焼結性という
観点から0.22〜0.28であることが望ましい。
≦0.30としたのは、zが0.20よりも小さい場合
や0.30よりも大きい場合にはQ値が低下するからで
ある。WO3 のモル比zは、Q値の向上と焼結性という
観点から0.22〜0.28であることが望ましい。
【0013】また、aNaO1/2 ・(1−a)AO3/2
と表されるNaO1/2 とAO3/2 のモル比aを0.40
≦a≦0.60としたのは、aが0.40よりも小さい
場合や0.60よりも大きい場合にはQ値が低下するか
らである。aは、高Q値および低比誘電率という観点か
ら0.43〜0.52であることが望ましい。
と表されるNaO1/2 とAO3/2 のモル比aを0.40
≦a≦0.60としたのは、aが0.40よりも小さい
場合や0.60よりも大きい場合にはQ値が低下するか
らである。aは、高Q値および低比誘電率という観点か
ら0.43〜0.52であることが望ましい。
【0014】本発明の誘電体磁器組成物は、高Q値およ
び低比誘電率という観点から、金属元素酸化物のモル比
による組成式をx〔(aNaO1/2 ・(1−a)AO
3/2 )〕・yMgO・zWO3 と表した時、前記x、
y、zおよびaが、0.48≦x≦0.52、0.22
≦y≦0.28、0.22≦z≦0.28、0.43≦
a≦0.52、x+y+z=1を満足することが望まし
い。この場合には、比誘電率が16以下で、10GHz
でのQ値が2500以上の特性を得ることができる。
び低比誘電率という観点から、金属元素酸化物のモル比
による組成式をx〔(aNaO1/2 ・(1−a)AO
3/2 )〕・yMgO・zWO3 と表した時、前記x、
y、zおよびaが、0.48≦x≦0.52、0.22
≦y≦0.28、0.22≦z≦0.28、0.43≦
a≦0.52、x+y+z=1を満足することが望まし
い。この場合には、比誘電率が16以下で、10GHz
でのQ値が2500以上の特性を得ることができる。
【0015】AをSc、Y、La、Yb、Luを除く希
土類元素としたのは、イオン半径が小さいSc、Y、Y
b、Luではペロブスカイト構造をとらず、焼結不良と
なったり、高いQ値が得られないからである。Aとして
は、Nd、Sm、Gd、Dyが望ましく、特にNdが望
ましい。
土類元素としたのは、イオン半径が小さいSc、Y、Y
b、Luではペロブスカイト構造をとらず、焼結不良と
なったり、高いQ値が得られないからである。Aとして
は、Nd、Sm、Gd、Dyが望ましく、特にNdが望
ましい。
【0016】本発明の誘電体磁器組成物は、Na
O1/2 、AO3/2 、MgO、WO3 からなるものであ
り、結晶相として(Na1/2 A1/2 )(Mg
1/2 W1/2 )O3 で表されるペロブスカイト型結晶を主
結晶相とするものである。即ち、ペロブスカイト型結晶
のAサイトをNaおよびAで構成し、BサイトをMgお
よびWを1:1で構成してなる結晶を主結晶とするもの
である。このような結晶を有する誘電体はそれ自体焼結
体等の多結晶体でもあるいは単結晶体のいずれの形態で
も良い。
O1/2 、AO3/2 、MgO、WO3 からなるものであ
り、結晶相として(Na1/2 A1/2 )(Mg
1/2 W1/2 )O3 で表されるペロブスカイト型結晶を主
結晶相とするものである。即ち、ペロブスカイト型結晶
のAサイトをNaおよびAで構成し、BサイトをMgお
よびWを1:1で構成してなる結晶を主結晶とするもの
である。このような結晶を有する誘電体はそれ自体焼結
体等の多結晶体でもあるいは単結晶体のいずれの形態で
も良い。
【0017】尚、本発明の誘電体磁器組成物では、(N
a1/2 A1/2 )(Mg1/2 W1/2 )O3 以外の結晶相と
して、AO3/2 、A2/3 (Mg1/2 W1/2 )O3 、Mg
WO4 等が存在することもあるが、微量であれば特性上
問題ない。
a1/2 A1/2 )(Mg1/2 W1/2 )O3 以外の結晶相と
して、AO3/2 、A2/3 (Mg1/2 W1/2 )O3 、Mg
WO4 等が存在することもあるが、微量であれば特性上
問題ない。
【0018】本発明の誘電体磁器組成物を作製する方法
としては、先ずNa、A、Mg、Wを含有する原料粉末
を準備する。この原料粉末は、Na、A、Mg、Wを含
有する酸化物、炭酸塩、酢酸塩等の無機化合物、もしく
は有機金属等の有機化合物のいずれであっても、焼成に
より酸化物となるものであれば良い。
としては、先ずNa、A、Mg、Wを含有する原料粉末
を準備する。この原料粉末は、Na、A、Mg、Wを含
有する酸化物、炭酸塩、酢酸塩等の無機化合物、もしく
は有機金属等の有機化合物のいずれであっても、焼成に
より酸化物となるものであれば良い。
【0019】これらの原料をNaO1/2 、AO3/2 、M
gO、WO3 換算で前述の範囲となるように秤量した
後、十分に混合する。その後、混合物を900〜110
0℃で仮焼し、粉砕する。そして、この仮焼粉末に所定
のバインダー等を添加し、プレス成形やドクターブレー
ド法等の周知の成形法により所定の形状に成形する。次
に成形体を大気中等の酸化性雰囲気中で1100〜13
50℃で2〜10時間焼成することにより本発明の誘電
体磁器組成物を得ることができる。
gO、WO3 換算で前述の範囲となるように秤量した
後、十分に混合する。その後、混合物を900〜110
0℃で仮焼し、粉砕する。そして、この仮焼粉末に所定
のバインダー等を添加し、プレス成形やドクターブレー
ド法等の周知の成形法により所定の形状に成形する。次
に成形体を大気中等の酸化性雰囲気中で1100〜13
50℃で2〜10時間焼成することにより本発明の誘電
体磁器組成物を得ることができる。
【0020】本発明の誘電体磁器組成物では、不可避不
純物としてCl、Al、P、Sr、Zr、Y、La、Y
b、Lu等が混入する場合があり、また、これらが全量
中0.1重量%程度混入しても特性上問題ない。また、
粉砕時の粉砕ボールから金属等が混入する場合もある。
また、本発明の誘電体磁器組成物の平均結晶粒径は0.
3〜4μmである。
純物としてCl、Al、P、Sr、Zr、Y、La、Y
b、Lu等が混入する場合があり、また、これらが全量
中0.1重量%程度混入しても特性上問題ない。また、
粉砕時の粉砕ボールから金属等が混入する場合もある。
また、本発明の誘電体磁器組成物の平均結晶粒径は0.
3〜4μmである。
【0021】
【実施例】原料として純度99%以上のNa2 CO3 、
A2 O3 、MgCO3 及びWO3の各粉末を用いて、焼
結体が上記組成式におけるx、y、z、aが表1に示す
値となるように秤量し、これをゴムで内張りしたボール
ミルに水とともに入れ、ZrO2 ボールを用いたボール
ミルにて8時間湿式混合した。次いで、この混合物を脱
水、乾燥した後、1000℃で2時間仮焼し、当該仮焼
物をボールミルに水、有機バインダーとともに入れ8時
間湿式粉砕した。
A2 O3 、MgCO3 及びWO3の各粉末を用いて、焼
結体が上記組成式におけるx、y、z、aが表1に示す
値となるように秤量し、これをゴムで内張りしたボール
ミルに水とともに入れ、ZrO2 ボールを用いたボール
ミルにて8時間湿式混合した。次いで、この混合物を脱
水、乾燥した後、1000℃で2時間仮焼し、当該仮焼
物をボールミルに水、有機バインダーとともに入れ8時
間湿式粉砕した。
【0022】その後、この粉砕物を乾燥した後、50番
メッシュの網を通して造粒し、得られた粉末を3000
kg/cm2 の圧力で直径10mm、厚み5mmの寸法
の円柱に成形した。更に、この円柱を1300℃6時間
の条件で焼成して磁器試料を得た。この磁器を研摩して
直径8mm、厚み4〜5mmの寸法の試料を得た。
メッシュの網を通して造粒し、得られた粉末を3000
kg/cm2 の圧力で直径10mm、厚み5mmの寸法
の円柱に成形した。更に、この円柱を1300℃6時間
の条件で焼成して磁器試料を得た。この磁器を研摩して
直径8mm、厚み4〜5mmの寸法の試料を得た。
【0023】かくして得られた磁器試料について、周波
数10GHzにおける比誘電率(εr )、Q値を誘電体
共振器法にて測定した。それらの結果を表1に示した。
数10GHzにおける比誘電率(εr )、Q値を誘電体
共振器法にて測定した。それらの結果を表1に示した。
【0024】
【表1】
【0025】この表1によれば、本発明の範囲外にある
試料No.22〜26、37〜40、44はQ値が13
00以下、もしくは比誘電率が大きく、あるいは焼結不
良を生じた。これに対して本発明に係る試料No.1〜
21、27〜36、41〜43は比誘電率が17以下、
Q値が1500以上(Qf=15000以上)であっ
た。
試料No.22〜26、37〜40、44はQ値が13
00以下、もしくは比誘電率が大きく、あるいは焼結不
良を生じた。これに対して本発明に係る試料No.1〜
21、27〜36、41〜43は比誘電率が17以下、
Q値が1500以上(Qf=15000以上)であっ
た。
【0026】特に、x、y、zおよびaが、0.48≦
x≦0.52、0.22≦y≦0.28、0.22≦z
≦0.28、0.43≦a≦0.52を満足する試料N
o.1、27〜32、34、35、41〜43では、比誘
電率が16以下でQ値が2500以上であり、そのうち
NaO1/2 :NdO3/2 :MgO:WO3 が1:1:
1:1の比率からなる試料No.1では比誘電率が16で
Q値が3500であった。
x≦0.52、0.22≦y≦0.28、0.22≦z
≦0.28、0.43≦a≦0.52を満足する試料N
o.1、27〜32、34、35、41〜43では、比誘
電率が16以下でQ値が2500以上であり、そのうち
NaO1/2 :NdO3/2 :MgO:WO3 が1:1:
1:1の比率からなる試料No.1では比誘電率が16で
Q値が3500であった。
【0027】そして、試料No.1の磁器に対してX線回
折測定を行い、その結果を図1に示した。図1によれ
ば、○印の回折ピークによりペロブスカイト型結晶構造
であることが理解され、さらに、△印の回折ピークによ
りNa−Ndの規則配列による超格子構造、●印の回折
ピークによりMg−Wの規則配列による超格子構造であ
ることが理解される。
折測定を行い、その結果を図1に示した。図1によれ
ば、○印の回折ピークによりペロブスカイト型結晶構造
であることが理解され、さらに、△印の回折ピークによ
りNa−Ndの規則配列による超格子構造、●印の回折
ピークによりMg−Wの規則配列による超格子構造であ
ることが理解される。
【0028】尚、作製された本発明の誘電体磁器は、殆
どが(Na1/2 A1/2 )(Mg1/2W1/2 )O3 (Aは
Sc、Y、La、Yb、Luを除く希土類元素)結晶粒
子からなり、その平均結晶粒径は1〜3μmであった。
どが(Na1/2 A1/2 )(Mg1/2W1/2 )O3 (Aは
Sc、Y、La、Yb、Luを除く希土類元素)結晶粒
子からなり、その平均結晶粒径は1〜3μmであった。
【0029】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明によれば、高
周波領域において加工に適した低い比誘電率と高いQ値
を有することができ、マイクロ波やミリ波領域において
使用される共振器材料、MIC用誘電体基板材料、コン
デンサー用材料、誘電体アンテナ用材料、誘電体導波路
用材料等として充分適用することができる。
周波領域において加工に適した低い比誘電率と高いQ値
を有することができ、マイクロ波やミリ波領域において
使用される共振器材料、MIC用誘電体基板材料、コン
デンサー用材料、誘電体アンテナ用材料、誘電体導波路
用材料等として充分適用することができる。
【図1】表1の試料No.1のX線回折チャート図であ
る。
る。
Claims (2)
- 【請求項1】金属元素としてNa、Mg、Wおよび希土
類元素を含有し、これらの金属元素酸化物のモル比によ
る組成式を x〔aNaO1/2 ・(1−a)AO3/2 〕・yMgO・
zWO3 (AはSc、Y、La、Yb、Luを除く希土類元素)
と表した時、前記x、y、zおよびaが 0.40≦x≦0.55 0.15≦y≦0.30 0.20≦z≦0.30 0.40≦a≦0.60 x+y+z=1 を満足することを特徴とする誘電体磁器組成物。 - 【請求項2】(Na1/2 A1/2 )(Mg1/2 W1/2 )O
3 で表されるペロブスカイト型結晶を主結晶相とする請
求項1記載の誘電体磁器組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9297050A JPH11130534A (ja) | 1997-10-29 | 1997-10-29 | 誘電体磁器組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9297050A JPH11130534A (ja) | 1997-10-29 | 1997-10-29 | 誘電体磁器組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11130534A true JPH11130534A (ja) | 1999-05-18 |
Family
ID=17841573
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9297050A Pending JPH11130534A (ja) | 1997-10-29 | 1997-10-29 | 誘電体磁器組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11130534A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN114213125A (zh) * | 2021-12-30 | 2022-03-22 | 杭州电子科技大学 | 一种微波介质陶瓷及其制备方法 |
-
1997
- 1997-10-29 JP JP9297050A patent/JPH11130534A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN114213125A (zh) * | 2021-12-30 | 2022-03-22 | 杭州电子科技大学 | 一种微波介质陶瓷及其制备方法 |
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