JPH11130530A - 窒化硼素含有ジルコニア・黒鉛質耐火物 - Google Patents

窒化硼素含有ジルコニア・黒鉛質耐火物

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JPH11130530A
JPH11130530A JP9311243A JP31124397A JPH11130530A JP H11130530 A JPH11130530 A JP H11130530A JP 9311243 A JP9311243 A JP 9311243A JP 31124397 A JP31124397 A JP 31124397A JP H11130530 A JPH11130530 A JP H11130530A
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哲郎 伏見
Nobuhiro Hasebe
悦弘 長谷部
Yoichiro Mochizuki
陽一郎 望月
Tomoyuki Sugiyama
智之 椙山
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐食性、耐熱衝撃性、高温酸化耐性、強度特
性及び溶鋼に対する難濡れ性等鋳造用ノズル部材として
必要とされる諸特性をバランス良く兼ね備えた窒化硼素
含有ジルコニア・黒鉛質耐火物を提供する。 【解決手段】 (A)粒径50μm以上の粒子を80%
以上含有する粒子状ジルコニア72乃至85重量%と、
(B)平均粒径50乃至355μmの黒鉛1乃至27.
5重量%、及び(C)平均粒径1μm以下の窒化硼素
0.5乃至3重量%とを少なくとも含有する混合物を焼
成して得られる窒化硼素含有ジルコニア・黒鉛質耐火
物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、窒化硼素含有ジル
コニア・黒鉛質耐火物に関し、より詳細には、鋼等溶融
金属の連続鋳造に使用される浸漬ノズル、ロングノズル
等の鋳造用ノズル部材として好適な耐食性、耐熱衝撃
性、強度に優れた窒化硼素含有ジルコニア・黒鉛質耐火
物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、鋼等溶融金属の連続鋳造に使用さ
れる浸漬ノズル、ロングノズル等の鋳造用ノズル部材と
しては、アルミナ・黒鉛系耐火物、マグネシア・黒鉛系
耐火物、ジルコニア・黒鉛質系耐火物等が一般に用いら
れている。鋳造用ノズルはその構成部位によって、鋳造
工程中での使用態様及び曝される環境が異なり、それに
対応するために必要とされる材質特性が夫々異なるた
め、一般に、用いる部材の材質を部位に応じて替えるこ
とにより対処している。
【0003】例えば、浸漬ノズルに於いては、溶鋼の湯
面でモールドパウダーが溶けて形成される溶融スラグと
接触する部位には、一般に、耐食性に優れた特性を有す
るジルコニア・黒鉛系の材質等が使用される。このモー
ルドパウダーは、モールド内で溶鋼を酸素から遮断する
と共に溶鋼の温度低下を防ぐ目的等に使用されるもの
で、その成分が耐火物に対し侵食性の大きいアルカリや
フッ素成分等で構成されているため、鋳造用ノズルで溶
融スラグと接する部位の材料には高耐食性が要求され
る。
【0004】前記したジルコニア・黒鉛質耐火物材料
は、アルミナ・黒鉛材と比較して耐食性には優れるが、
耐熱衝撃性に劣るという欠点を有し、また高価であるこ
とから、鋳造用ノズルに於いては、通常、溶融スラグに
接触する可能性のある部位に最小限度の範囲で用いられ
ている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、ジルコニア
・黒鉛質耐火物は、鋳造用ノズル部材に必要とされる特
性としての耐熱衝撃性を向上させるため黒鉛を含有して
いるが、この黒鉛は耐火物組織中のジルコニア結晶粒子
の粒界に存在し、これが鋳造用ノズルの使用時に溶融ス
ラグ中に脱落したり、また黒鉛は比較的低温(数百℃)
で酸化されるため、該耐火物を用いた鋳造用ノズルは、
溶融スラグと接触する面が局所的に溶損する傾向を有す
る。このため、従来より、ジルコニア・黒鉛質耐火物の
耐食性と耐熱衝撃性を共に向上させる試みも幾つか提案
され、例えば、特公昭60ー4153号公報には、ジル
コニア・黒鉛混合粉末に3乃至40重量%の窒化硼素粉
末を添加し、それを焼成して成る耐食性に優れ、且つ耐
熱衝撃性を向上させた耐火物が提案されている。しかし
ながら、上記の耐火物は、耐火物強度、耐食性等の点
で、鋳造用ノズルの上記特定部位に使用する耐火物とし
ては必ずしも充分に満足すべきものでなく、これらの諸
点の更なる改善を必要とすることが判明した。
【0006】本発明者等は、耐食性、耐熱衝撃性の両特
性に共にバランス良く優れ、且つ、強度特性、難付着性
(溶鋼に対する難濡れ性)にも優れたジルコニア・黒鉛
質耐火物を開発すべく鋭意研究を重ねた。その結果、原
料ジルコニアとして比較的粒径の大きい粒子を特定割合
以上含有する粉末状原料を用い、これに黒鉛と特定粒径
以下の窒化硼素微粉末を夫々特定配合比で配合した混合
物を焼成して得られる耐火物が、上記諸特性をバランス
良く保持することを見出し、この知見に基づき本発明を
完成した。従って、本発明の目的は、耐食性、耐熱衝撃
性、高温酸化耐性、強度特性及び溶鋼に対する難濡れ性
等鋳造用ノズル部材として必要とされる諸特性をバラン
ス良く兼ね備えた窒化硼素含有ジルコニア・黒鉛質耐火
物、特に、浸漬ノズルの溶鋼の湯面でモールドパウダー
が溶けて形成される溶融スラグと接触する部位等の部材
として好適に用いることのできる窒化硼素含有ジルコニ
ア・黒鉛質耐火物を提供するにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、(A)
粒径50μm以上の粒子を80%以上含有する粒子状ジ
ルコニア72乃至85重量%と、(B)平均粒径50乃
至355μmの黒鉛1乃至27.5重量%、(C)平均
粒径1μm以下の窒化硼素0.5乃至3重量%とを少な
くとも含有する混合物を焼成して得られる窒化硼素含有
ジルコニア・黒鉛質耐火物が提供される。本発明の窒化
硼素含有ジルコニア・黒鉛質耐火物は、粒径が50μm
以上の比較的粒径の大きい粒子を80%以上含有する特
定粒子状ジルコニアと平均粒径50乃至355μmの黒
鉛の夫々特定量に、平均粒径が1μm以下の微粒子状窒
化硼素を特定量比で組合せ配合した混合粉末を焼成して
得られたものである点が構成上の顕著な特徴である。
【0008】ジルコニア・黒鉛・窒化硼素から成る耐火
物自体は公知であるが、特定の比較的粒径の大きいジル
コニアに黒鉛と特定微粒状窒化硼素を組み合わせた本発
明の耐火物は、溶融スラグに対する耐食性、耐熱衝撃
性、高温酸化耐性に優れているだけでなく、焼成物とし
て組織が緻密で、強度的に強く、且つ溶鋼に対する難濡
れ性にも優れている等鋳造用ノズル部材として必要とさ
れる諸特性をバランス良く兼ね備えている。上記ジルコ
ニア・黒鉛・窒化硼素混合粉末を焼成して得られた本発
明の耐火物は、その組織中の主結晶粒子相であるジルコ
ニア結晶粒子の粒界に黒鉛と窒化硼素が粒界相として介
在する組織構造を有する。この場合に於いて、粒界相に
窒化硼素が存在しない場合は、該粒界相の黒鉛が溶鋼中
にとけ込んだり、酸化腐食され、その局部的損傷により
粒界相からの侵食が進行して、結果的に、耐火物の耐食
性が充分とは言えなくなる。
【0009】これに対し、窒化硼素が在る程度以上存在
する場合は、該粒界相の窒化硼素が黒鉛との共存による
協奏的相互作用により粒界相の耐食性及び酸化耐性を大
幅に向上させる。このため、耐火物として組織構造的に
も緻密となり、その耐食性のみならず耐酸化性、耐熱衝
撃性も向上する。窒化硼素は、その結晶構造が黒鉛によ
く似た六方晶系で、六角網面積層構造を有するが、溶融
金属に対しては優れた耐食性を有し、又酸化温度も黒鉛
のそれよりは相当高い。また窒化硼素は、ジルコニア・
黒鉛系材質に於いて黒鉛に要求される特性、即ち、鋼に
対する難濡れ性、高熱伝導性、低熱膨張性などの諸特性
にも優れている。更に、窒化硼素は、黒鉛よりは高温に
於いてではあるが、浸漬ノズルとして使用中の場合等の
高温環境下ではその表面が酸化され、酸化硼素(B2
3 )ガラス被膜を形成し、これがジルコニア粒子間に存
在する黒鉛などの酸化を防ぎ、材質特性の向上に寄与す
る。
【0010】本発明の耐火物は、粒径50μm以上の粒
子を80%以上含有する粒子状ジルコニアを焼成したも
のであるため、その組織構造は、それ自体耐食性、耐熱
衝撃性、強度特性に優れたジルコニアの比較的粒径の大
きい結晶粒子群骨格から成り、小粒径ジルコニア粒子群
より成る組織構造の焼成物に比べて粒界相の占める比率
が少ないため、特に、耐食性、耐熱衝撃性、強度特性に
優れている、然もその粒界相には、黒鉛に加えて窒化硼
素微粒結晶が特定範囲の比率で存在し、該耐火物組織は
緻密で、優れた特性を持つことになる。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の窒化硼素含有ジルコニア
・黒鉛質耐火物は、(A)粒径50μm以上の粒子を8
0%以上含有する粒子状ジルコニア72乃至85重量
%、(B)平均粒径50乃至355μmの黒鉛1乃至2
7.5重量%、(C)平均粒径1μm以下の窒化硼素
0.5乃至3重量%から成る混合物を焼成して得られた
ものである。本発明で用いる粒径50μm以上の粒子を
80%以上含有する粒子状ジルコニア(A)としては、
粒度分布が上記範囲を満たす限り特に限定されるもので
はなく通常市販の未安定化、安定化ジルコニア粉末を用
いることができるが、平均粒径が30乃至250μmの
範囲にあり、且つ粒径50乃至200μmの範囲の粒子
を40乃至70%含有するものを使用することが好まし
く、特に部分安定化ジルコニアの粉末を使用することが
好ましい。粒径50μm以下の粒子を20%を越えて含
有するジルコニア粉末を用いた場合は、得られた耐火物
の強度特性が劣り、耐食性、耐熱衝撃性も低下する。
【0012】安定化ジルコニアは、酸化ジルコニウム
(ZrO2 )にMgO、CaO、希土類酸化物等を数%
程度添加して得られた立方晶系の蛍石型結晶構造を有す
るものであるが、本発明に於いて、例えば、カルシア
(CaO)、イットリア(Y23 )又は、CaOーY
23 等の複合系等を1乃至10%配合した部分安定化
ジルコニアを用いることにより、得られる耐火物の高温
酸化耐性、強度特性を一層向上させることができる。
【0013】本発明で用いる平均粒径50乃至355μ
mの黒鉛(B)としては、平均粒径が本発明の規定範囲
内にある限り、特に限定されるものではなく天然、合成
を問わず、通常の粒状、鱗状、塊状の黒鉛を用いること
ができる。黒鉛の平均粒径が50μmを下回ると、得ら
れる耐火物の酸化安定性及び耐熱衝撃性が低下する傾向
があり、355μmを上回ると、得られる耐火物の耐食
性が低下する。本発明に於いては、平均粒径100乃至
300μmの黒鉛粉末の使用が好ましく、粉末形状とし
ては鱗片状のものを用いることが耐熱衝撃性の観点から
好ましい。
【0014】本発明では、窒化硼素として平均粒径1μ
m以下の微粉末窒化硼素を用いる。窒化硼素粉末の平均
粒径が1μmを越えるものを使用した場合は、焼成時に
形成される粒界相での窒化硼素結晶粒が大きくなり勝ち
で、同様に粒界相に介在する黒鉛と共に奏するジルコニ
ア結晶粒に対する結合作用がやや弱くなるため、得られ
る耐火物の強度、靭性、耐熱衝撃性が低下する傾向を示
す。本発明に於いて使用する窒化硼素粉末の平均粒径
は、0.5乃至1μmの範囲にあることがその経済性、
分散性、取扱作業性等の観点をも含めた総合的見地から
より好ましい。
【0015】本発明に於いては、上記特定粒径のジルコ
ニア、黒鉛、窒化硼素を、ジルコニアが72乃至85重
量%、好ましくは75乃至83重量%、黒鉛が1乃至2
7.5重量%、好ましくは8乃至24重量%、及び窒化
硼素が0.5乃至3重量%、好ましくは1乃至2重量%
の範囲に夫々配合する。また本発明に於いては、上記必
須成分に加え、所望に応じて、26.5重量%未満の限
度内で、炭化珪素、金属珪素、シリカ、ムライト等、又
はそれらの組合せを任意成分として添加配合することが
出来る。上記ジルコニアの配合割合が72重量%未満の
場合は、充分な耐食性が得られず、85重量%を越える
と、耐熱衝撃性が低下する。黒鉛の配合割合が1%未満
の場合は、高い耐熱衝撃性が得られず、一方27.5重
量%以上の場合は、高温酸化耐性が低下すると共に緻密
な耐火物が得られなくなり、耐食性が低下する。窒化硼
素の配合割合が0.5重量%未満の場合は、その耐食
性、耐酸化性等の向上効果が見られず、3重量%以上の
配合は経済的でなく、強度が低下する傾向にある。本発
明に於いて、黒鉛と窒化硼素とは、上記夫々の配合範囲
内に於いて、黒鉛/窒化硼素の重量比が4/1乃至10
/1の比率となるように配合することがより好ましく、
これにより上記諸特性のより一層の向上をバランス良く
達成することが出来る。
【0016】本発明に於いては、上記した配合の粒状混
合物を成形し、焼成して耐火物を得る。以下に、本発明
の窒化硼素含有ジルコニア・黒鉛質耐火物を調製する方
法について述べる。先ず、上記したジルコニア粉末、黒
鉛、窒化硼素の各所定量を混合し(所望により炭化珪
素、金属珪素、シリカ、ムライト等の任意成分を添加し
ても良い。)、この原料混合粉末に、フェノール樹脂、
ポリビニルアルコール、リグニン等のバインダーを添加
し、混練後、プレス等を用いて所望形状に成形し、得ら
れた成形体を、好ましくは還元性雰囲気下(非酸化性雰
囲気下)、800乃至1200℃で焼成して耐火物を得
る。このようにして得られた本発明の耐火物は、耐食
性、耐熱衝撃性、高温酸化耐性、難濡れ性に優れている
と共に緻密で高強度のものとなる。
【0017】
【実施例】
「実施例1」粒径50μm以上の粒子を83%(粒径5
0μm未満17%)含有する部分安定化ジルコニア粉末
(CaO4%含有)85重量%、平均有効粒径200μ
mの鱗状黒鉛粉末13.5重量%及び平均粒径0.9μ
mの窒化硼素粉末1.5重量%から成る混合粉末100
重量部に10重量部のフェノール樹脂を配合し、混練
後、成形圧1.0ton/cm2 の静水圧プレスを用い
て成型し、得られた成形体を還元性雰囲気下1000℃
で50時間焼成して、その後耐火物試料片(25×25
×130mm)を調製した。得られた耐火物試料片につ
いて、耐食性(耐食性指数)、耐熱衝撃性、強度を夫々
下記試験法で評価した。結果を表1に示す。
【0018】「耐火物試料評価試験法」 1)耐食性試験(耐食性指数) 従来の標準的ジルコニア・黒鉛鋳造ノズル用耐火物試料
(比較例1)を基準とした時の溶鋼中での溶損程度を耐
食指数として表示した。即ち、高周波誘導炉を用いて溶
解した鋼中(湯面に溶融スラグ層を形成させている)に
上記基準品試料と実施例、比較例品試料を同一条件下に
浸漬し、それ等の溶損量の比から耐食性指数を算出し
た。 指数の数値が大きい程耐食性に優れていることを
示す。 2)耐熱衝撃性試験 試料片を1400℃で8分保持後、水中に投下し目視に
より亀裂等の状態を観察し評価した。 3)強度、靭性試験 強度はJISーR−1601(3点曲げ試験法)に依り
求めた。
【0019】「実施例2」実施例1で用いたものと同じ
部分安定化ジルコニア粉末85重量%、平均有効粒径2
00μmの鱗状黒鉛粉末12重量%、平均有効粒径0.
9μmの窒化硼素粉末3重量%から成る配合処方の混合
粉末を用いた以外は実施例1と同様にして耐火物試料を
得、実施例1と同様に評価した。結果を表1に示す。
【0020】「比較例1」平均有効粒径100μmのジ
ルコニア85重量%、平均有効粒径200μmの黒鉛1
5重量%から成る従来組成のジルコニア・黒鉛耐火物試
料を調製し、実施例1と同様の評価項目、試験法で評価
した。結果を表1に示す。
【0021】「比較例2」平均有効粒径100μmの部
分安定化ジルコニア粉末85重量%、平均有効粒径20
0μmの鱗状黒鉛粉末7重量%、平均有効粒径0.9μ
mの窒化硼素粉末8重量%から成る混合粉末を用いた以
外は実施例1と同様にして耐火物試料を得、実施例1と
同様に評価した。結果を表1に示す。
【0022】「比較例3」実質的に粒径5乃至50μm
の範囲の粒子から成るジルコニア粉末85重量%、粒径
80乃至300μmの天然黒鉛12重量%、粒径1乃至
10μmの窒化硼素粉末3重量%から成る混合粉末10
0重量部に10重量部のフェノール樹脂を配合し、混練
後、成形圧1.0ton/cm2 の静水圧プレスを用い
て成型し、得られた成形体を還元性雰囲気下1000℃
で焼成して、その後耐火物試料片(25×25×130
mm)を調製した。この試料を実施例1と同様の評価項
目、試験法で評価した。結果を表1に示す。
【0023】
【表1】
【0024】上記実施例は、基準配合である比較例1と
比較し、実施例1,2、比較例2において、黒鉛に置換
して窒化硼素を添加し、その量を増加させ、窒化硼素の
適正使用量を検討した。その結果、窒化硼素を1.5、
3重量%添加した実施例1,2が耐熱衝撃性、耐食性が
大幅に向上しており、8wt%添加した比較例2は耐食
性及び強度が低下した。耐食性の低下は、窒化硼素を多
用することによる強度低下が原因であると思われる。
次に、比較例3は、粒度が異なる原料を使用している
が、耐熱衝撃性、耐食性、強度とも低位であり、本発明
で規定している粒度分布の原料が優れることがわかっ
た。
【0025】
【発明の効果】本発明の窒化硼素含有ジルコニア・黒鉛
質耐火物は、上記特定の比較的粒径の大きいジルコニア
に黒鉛と特定微粒状窒化硼素を組み合わせ配合し、これ
を焼成して得られたものであることにより、溶融スラグ
に対する耐食性、耐熱衝撃性、高温酸化耐性に優れてい
るだけでなく、焼成物として組織が緻密で、高強度で、
脆弱でなく、然も溶鋼に対する難濡れ性にも優れている
等鋳造用ノズル部材として必要とされる諸特性をバラン
ス良く兼ね備えている。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 望月 陽一郎 愛知県刈谷市小垣江町南藤1番地 東芝セ ラミックス株式会社刈谷製造所内 (72)発明者 椙山 智之 愛知県刈谷市小垣江町南藤1番地 東芝セ ラミックス株式会社刈谷製造所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)粒径50μm以上の粒子を80%
    以上含有する粒子状ジルコニア72乃至85重量%と、
    (B)平均粒径50乃至355μmの黒鉛1乃至27.
    5重量%、及び(C)平均粒径1μm以下の窒化硼素
    0.5乃至3重量%とを少なくとも含有する混合物を焼
    成して得られる窒化硼素含有ジルコニア・黒鉛質耐火
    物。
  2. 【請求項2】 前記ジルコニア(A)が部分安定化ジル
    コニアである請求項1記載の窒化硼素含有ジルコニア・
    黒鉛質耐火物。
  3. 【請求項3】 前記黒鉛(B)が鱗状黒鉛である請求項
    1記載の窒化硼素含有ジルコニア・黒鉛質耐火物。
  4. 【請求項4】 前記粉末混合物が、更に炭化珪素、金属
    珪素、シリカ及びムライトから選ばれた少なくとも1種
    を含有する請求項1乃至3の何れかに記載の窒化硼素含
    有ジルコニア・黒鉛質耐火物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN111763091A (zh) * 2020-06-17 2020-10-13 林国强 一种高热震耐磨涂料及其制备方法
CN115959920A (zh) * 2023-02-08 2023-04-14 江苏泰瑞耐火有限公司 方圆坯连铸用增韧氧化锆陶瓷中间包水口及其生产工艺

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