JPH11129120A - 浸漬式ワイヤ放電加工機 - Google Patents

浸漬式ワイヤ放電加工機

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JPH11129120A
JPH11129120A JP31159097A JP31159097A JPH11129120A JP H11129120 A JPH11129120 A JP H11129120A JP 31159097 A JP31159097 A JP 31159097A JP 31159097 A JP31159097 A JP 31159097A JP H11129120 A JPH11129120 A JP H11129120A
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shielding plate
processing tank
processing
electric discharge
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  • Electrical Discharge Machining, Electrochemical Machining, And Combined Machining (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 この発明は,加工槽の側壁と遮蔽板との間か
ら漏出した加工液がローラに付着するのを防止する浸漬
式ワイヤ放電加工機を提供する。 【解決手段】 遮蔽板22はシール部材36に当接する
第1遮蔽板28とローラ39に当接する第2遮蔽板29
とから構成され,第1遮蔽板28と第2遮蔽板29とを
間隔をあけて連結したものである。シール部材36から
漏出した加工液2は第1遮蔽板28の上端面31を乗り
越え,第1遮蔽板28と第2遮蔽板29とで形成される
通路53を通って,下方に設けられたドレン樋51に流
下することになるので,遮蔽板22を背面側から支持す
るローラ39に加工液2に混入した加工屑等が付着する
ことはなく,耐久性を維持でき,ワイヤ電極10に対す
る加工槽1の相対移動をスムースに行うことができ,加
工精度を向上できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は,加工槽に収容し
た加工液中にて工作物を放電加工する浸漬式ワイヤ放電
加工機に関する。
【0002】
【従来の技術】従来,放電加工機,特に加工液に浸漬さ
れた工作物に対してワイヤ電極によって所定の加工形状
にワイヤ放電加工を行う浸漬式ワイヤ放電加工機が知ら
れている。浸漬式ワイヤ放電加工機において,工作物
は,ワイヤ電極と工作物との間に極間電圧を印加するこ
とによって発生する放電エネルギーによって放電加工さ
れる。工作物は,工作物取付金具によって加工槽内の工
作物支持台に固定され,ワイヤ電極に対して,加工槽と
共に水平面上を移動可能である。なお,この種の浸漬式
ワイヤ放電加工機の例として,例えば,特公平7−39
056号公報に開示されているものがある。
【0003】この種の浸漬式ワイヤ放電加工機において
は,図5に示すように,一般に,下ワイヤヘッド66は
上ワイヤヘッド67と対応して設けられており,加工機
本体68に設けられて加工液69に浸漬される下アーム
70は,下ワイヤヘッド66を一端で支持し,且つ加工
槽71の後部側壁72に形成された長孔73を貫通し,
他端において加工槽71の外部において加工機本体68
のフレームに固定されている。工作物Wに対して放電加
工して消耗した廃ワイヤ電極74は,下ワイヤヘッド6
6に案内されて下アーム70内を挿通し,加工槽71か
ら外部へ排出される。ワイヤ放電加工を行なうに際して
は,工作物Wを取り付けた工作物支持台75が加工槽7
1と一体となって,下アーム70に対してX−Y軸平面
内で相対移動するように構成されている。Y軸は下アー
ム70の長手方向の軸であり,X軸はY軸と直交し且つ
水平面内に位置する軸の方向である。工作物Wと廃ワイ
ヤ電極74との間の相対移動は,数値制御(NC)指令
によって行なわれる。
【0004】この浸漬式ワイヤ放電加工機は,加工液6
9が収容され側壁72に形成された長孔73の長手方向
即ちY軸方向に移動可能な加工槽71と,加工槽71を
支持し長孔73の長手方向に対し直角方向即ちY軸方向
に移動可能なテーブル76と,加工槽71の長孔73を
覆うように配設されテーブル76に固定された遮蔽板7
7と,加工槽71に取り付けられ加工液69の水圧に対
抗して遮蔽板77を背面側から支持する摺接部材である
ローラ78と,遮蔽板77に形成された孔79を貫通し
加工槽71の側壁72の長孔73を挿通して加工液69
中に突出し廃ワイヤ電極74を案内する下アーム70
と,下アーム70に同軸に設けられ,一端80が遮蔽板
77の孔79の周囲に固定され,他端81が下アーム7
0に固定され,加工槽71のX軸方向の移動に応じて伸
縮する蛇腹82と,加工槽71の孔79の周縁部に取り
付けられ遮蔽板77の前面に接触してシールするシール
部材83とを備えるものである。
【0005】加工槽71はテーブル76に対してX軸方
向に移動する。遮蔽板77はテーブル76に固定されて
いるので,X軸方向には移動しない。したがって,X軸
方向に加工槽71が移動する際には,ローラ78は遮蔽
板77の背面側を転動しながら加工槽71と共に移動す
る。また,テーブル76は加工機本体68に対してX軸
方向に移動し得るので,テーブル76に載置された加工
槽71及び遮蔽板77はテーブル76のX軸方向の移動
に伴ってX軸方向に一緒に移動する。そして,テーブル
76がX軸方向に移動する際に,蛇腹82は伸縮する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで,浸漬式ワイ
ヤ放電加工機は,加工槽71内に加工液が収容されてお
り,加工槽71の側壁72を下アーム70が貫通してい
るので,加工液69が加工槽71から漏出するのを防止
する必要があり,そのために,上記のとおり,蛇腹82
とシール部材83が設けられている。しかしながら,上
記のような浸漬式ワイヤ放電加工機では,シール部材8
3に加工液の変動圧が絶えず加わっており,シール部材
83は加工槽71と共に遮蔽板77に対してX軸方向に
相対的に移動するため,シール部材83の摩耗,スラッ
ジによるシール部材83の損傷,あるいはシール部材8
3の劣化などに起因して,矢印で示すように,スラッジ
を含んだ加工液がシール部材83から漏出し,遮蔽板7
7の上端面を乗り越えて背面側に漏れ出し,スラッジが
ローラ78に堆積し,その結果,ローラ78が回転不良
を起こして摺動抵抗が増加し,工作物の加工精度に悪影
響を及ぼすという問題があった。
【0007】また,加工槽71の側壁72と遮蔽板77
との間から加工液の漏出を完全に防止するため,両者間
に強力なシール部材を設けることも考えられるが,そう
すると,次のような不都合も生じる。即ち,強力なシー
ル部材のために加工槽71の側壁72と遮蔽板77との
間に作用する摩擦力により加工槽71の速やかな移動と
位置の正確な制御が困難になる。そこで,この種の浸漬
式ワイヤ放電加工機においては,シール部材83から漏
出した加工液のローラ78への付着を如何にして防止す
るかが課題となっている。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明の目的は,上記
課題を解決することであり,加工槽の側壁と遮蔽板との
間から漏出した加工液がローラに付着するのを防止し
て,加工液に含まれているスラッジがローラへ堆積しな
いようにし,もってローラの回転不良を防止し,工作物
に対する加工精度を良好に維持する浸漬式ワイヤ放電加
工機を提供することである。
【0009】請求項1に係る発明は,加工機本体に取り
付けられた上ワイヤヘッドを通じて供給されるワイヤ電
極が通される下ワイヤヘッド,前記上ワイヤヘッドと前
記下ワイヤヘッドとの間で加工液に浸漬した状態で工作
物を設置できる加工槽,前記加工槽に形成された長孔を
覆うように配設され且つ前記長孔と対向する孔が形成さ
れた遮蔽板,前記加工槽に取り付けられ且つ前記加工液
の水圧に抗して前記遮蔽板を背面側から支持する摺接部
材,前記遮蔽板の孔及び前記加工槽の長孔に挿通され且
つ前記加工液中に突出して前記下ワイヤヘッドを支持す
ると共に前記下ワイヤヘッドを通過した前記ワイヤ電極
の廃ワイヤが内部に挿通される前記加工機本体に取り付
けられた支持アーム,前記加工槽が前記支持アームの長
手方向と直角方向に移動可能に載置され且つ前記長手方
向に移動可能な前記遮蔽板が取り付けられたテーブル,
前記支持アームが挿通され且つ一端が前記遮蔽板の孔の
周縁部に他端が前記支持アーム又は前記加工機本体に固
定された長手方向に伸縮可能な蛇腹,及び前記加工槽の
長孔の周縁部に取り付けられ且つ前記遮蔽板に接触して
シールするシール部材をを備えた浸漬式ワイヤ放電加工
機において,前記遮蔽板は,前記シール部材に当接して
シール部を構成する第1遮蔽板と,前記第1遮蔽板に隔
置して連結され且つ前記摺接部材に当接して支持される
第2遮蔽板とから構成され,前記第1遮蔽板と前記第2
遮蔽板との間から流下する前記加工液を受けるため前記
第1遮蔽板と前記第2遮蔽板との下方には樋が設けられ
ていることを特徴とする浸漬式ワイヤ放電加工機に関す
る。
【0010】また,この浸漬式ワイヤ放電加工機は,前
記第1遮蔽板を溢流した前記加工液が前記第2遮蔽板を
溢流することなく,前記第1遮蔽板と前記第2遮蔽板と
の間を流下するように,前記第1遮蔽板の上端面は前記
第2遮蔽板の上端面よりも低い位置に設定されている。
【0011】また,この浸漬式ワイヤ放電加工機では,
前記第1遮蔽板と前記第2遮蔽板との間の前記支持アー
ムの周りには環状シール部材が配置されている。
【0012】請求項4に係る発明は,加工機本体に取り
付けられた上ワイヤヘッドを通じて供給されるワイヤ電
極が通される下ワイヤヘッド,前記上ワイヤヘッドと前
記下ワイヤヘッドとの間で加工液に浸漬した状態で工作
物を設置できる加工槽,前記加工槽に形成された長孔を
覆うように配設され且つ前記長孔と対向する孔が形成さ
れた遮蔽板,前記加工槽に取り付けられ且つ前記加工液
の水圧に抗して前記遮蔽板を背面側から支持する摺接部
材,前記遮蔽板の孔及び前記加工槽の長孔に挿通され且
つ前記加工液中に突出して前記下ワイヤヘッドを支持す
ると共に前記下ワイヤヘッドを通過した前記ワイヤ電極
の廃ワイヤが内部に挿通される前記加工機本体に取り付
けられた支持アーム,前記加工槽が前記支持アームの長
手方向と直角方向に移動可能に載置され且つ前記長手方
向に移動可能な前記遮蔽板が取り付けられたテーブル,
前記支持アームが挿通され且つ一端が前記遮蔽板の孔の
周縁部に他端が前記支持アーム又は前記加工機本体に固
定された長手方向に伸縮可能な蛇腹,及び前記加工槽の
長孔の周縁部に取り付けられ且つ前記遮蔽板に接触して
シールするシール部材をを備えた浸漬式ワイヤ放電加工
機において,前記加工槽には前記シール部材を保持する
ブロックが設けられ,前記ブロックの上面には前記ブロ
ックの両側部に向かって低くなる傾斜面が形成され,最
も高い位置の前記傾斜面は前記遮蔽板の上端面よりも低
くなるように設置され,前記シール部材と前記遮蔽板と
の間から漏洩した前記加工液は,前記ブロックに形成し
た前記傾斜面に沿って前記遮蔽板と前記ブロックとの下
方に設けられた樋へ流下することを特徴とする浸漬式ワ
イヤ放電加工機に関する。
【0013】また,前記ブロックに形成された前記傾斜
面は,中央部が高く,前記ブロックの両側部に向かって
低く形成されている。
【0014】請求項1に係る発明による浸漬式ワイヤ放
電加工機は,上記のように,第1遮蔽板と第2遮蔽板と
が間隔をあけて連結されているので,第1遮蔽板と第2
遮蔽板との間に漏洩した加工液が流下する通路が形成さ
れる。このため,シール部材から漏出した加工液は第1
遮蔽板を乗り越え,第1遮蔽板と第2遮蔽板とで形成さ
れる通路を通って流下し,樋に落ちることになる。した
がって,加工液が第2遮蔽板を乗り越えることはなく,
その結果,第2遮蔽板の背面側に接触している摺接部材
に加工液に混入した加工屑等が付着することはなく,摺
接部材が腐食することがない。また,第1遮蔽板の上端
面を第2遮蔽板の上端面よりも低い位置に配置すること
により,加工液が第2遮蔽板を乗り越えるおそれは一層
なくなり,加工液の摺接部材への付着をより確実に防止
することができる。
【0015】また,請求項3に係る発明による浸漬式ワ
イヤ放電加工機は,ブロックに形成した傾斜面が遮蔽板
の上端面よりも低い位置に配置されているので,シール
部材から漏洩した加工液は,遮蔽板を乗り越える前に,
傾斜面に沿ってブロックの側面へ案内されて流下し,次
いで樋に向かって流れ落ちる。したがって,加工液が遮
蔽板を乗り越えることはないので,遮蔽板の背面側に接
触している摺接部材に加工屑が付着することはなく,摺
接部材が腐食することがない。
【0016】それ故,この浸漬式ワイヤ放電加工機は,
加工液に混入した加工屑等が堆積することがなく,摺接
部材の回転不良が起こらず,摺接部材による摺動抵抗が
増加することがないので,ワイヤ電極に対する加工槽の
相対移動がスムースに行われ,工作物に対する加工精度
を向上させ,高加工精度を長期に渡って維持することが
できる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下,添付図面を参照して,この
発明による浸漬式ワイヤ放電加工機の実施例を説明す
る。図1は請求項1に係る発明による浸漬式ワイヤ放電
加工機の一実施例の全体構造を示す側面断面図,及び図
2は図1の浸漬式ワイヤ放電加工機における遮蔽板付近
の構造を示す要部拡大断面図である。
【0018】浸漬式ワイヤ放電加工機の加工槽1内に
は,イオン交換樹脂を経ることで水の比電気抵抗をコン
トロールされた加工液2が収容されている。加工槽1
は,ボルト及びナットのような固着具によってワイヤ放
電加工機のテーブル27に取り付けられている。加工槽
1の一壁部は,工作物Wを後述する工作物支持台4に対
して脱着する時の作業スペースを確保するため,開閉自
在となっている。
【0019】加工槽1の底には,ベース3が敷設されて
おり,加工槽1内に収容された加工液2中に工作物Wを
浸漬した状態で支持するため,ベース3上に工作物支持
台4がボルト5によって固定されている。工作物支持台
4は,図1では1台のみ図示したが,同じ加工槽1の中
に複数台設置することができる。工作物支持台4は,リ
ード線6を介して加工槽1の外部から一方の電極に接続
されている。工作物取付具7をボルト8によって工作物
支持台4に締結することにより,工作物Wが工作物支持
台4に固定される。
【0020】工作物Wに対して所定の加工形状にワイヤ
放電加工を行うために工作物Wとの間で放電をするワイ
ヤ電極10は,ワイヤ放電加工機の加工機本体9に設け
られている自動ワイヤ供給装置(図示せず)から供給さ
れる。ワイヤ電極10は,加工機本体9に取り付けられ
た上アーム11に支持された上ワイヤヘッド12と,加
工機本体9から加工槽1の側壁23を貫通して横方向に
延びた下アーム13に支持された下ワイヤヘッド14に
よって案内される。下アーム13は,この発明における
支持アームを構成している。上ワイヤヘッド12には,
従来と同様に,ワイヤ送出口,ダイスガイド,噴流ノズ
ル,給電子15,及び給電子押え等が組み込まれてお
り,ワイヤ電極10を工作物Wの放電加工部位に送り出
す。給電子16が組み込まれた下ワイヤヘッド14は,
上ワイヤヘッド12と同様の構造を有しており,上ワイ
ヤヘッド12に対向した位置に設けられていて上ワイヤ
ヘッド12から繰り出されたワイヤ電極10を受け入れ
る。工作物Wは,上ワイヤヘッド12と下ワイヤヘッド
14との間に設置される。上ワイヤヘッド12の給電子
15と下ワイヤヘッド14の給電子16とをリード線1
7が結んでおり,リード線17には,リード線6に接続
された極とは反対の極が与えられている。
【0021】工作物Wに対して放電加工を行なったワイ
ヤ電極10は,下ワイヤヘッド14に受け入れられた
後,廃ワイヤ排出手段(図示せず)によって加工槽1か
ら下アーム13の内部を通して外部へ排出される。加工
槽1の加工液2が不足する場合には,加工液供給管18
から補給される。加工液供給管18には供給コック19
が設けられており,手動にて供給量を調節することがで
きる。また,加工槽1内の加工液2を排出するために,
加工液排出管20が加工槽1の底部に接続されている。
加工液排出管20には排出コック21が設けられてお
り,排出コック21は手動にて開閉可能である。
【0022】図1に示すように,加工機本体9と一体の
基台54に設けられたY軸移動用モータ55の出力軸は
ねじ伝動作用をするX方向ねじ軸56となっており,Y
方向ねじ軸56はY方向移動テーブル57とねじ係合し
ている。したがって,Y方向ねじ軸56の回転によって
Y方向移動テーブル57がX軸方向に移動する。Y方向
移動テーブル57にはX軸移動用モータ(図示せず)が
取り付けられており,Y軸移動用モータによって回転さ
れるX方向ねじ軸58は,X方向移動テーブル59とね
じ係合している。したがって,X方向ねじ軸58の回転
によってX方向移動テーブル59がX軸方向(Y軸方向
と直交する方向)に移動可能である。加工槽1は,X方
向移動テーブル59に取り付けられていて,X方向移動
テーブル59と共に移動する。上アーム11及び支持ア
ームを構成する下アーム13は加工機本体9に対して位
置不動であるので,このような移動テーブル機構によっ
て,加工槽1は,下アーム13の長手方向(Y軸方向)
と,当該長手方向と直交する方向(X軸方向)とで定め
られる水平面内においてワイヤ電極10に対する位置制
御が可能である。
【0023】次に,加工槽1の側壁23と下アーム13
との関連構造について説明する。加工槽1の側壁23に
は,X軸方向に平行に延びる長孔24が形成されてい
る。長孔24の上下の孔縁25,26は平行に配置され
ているが,左右の孔縁は半円弧状に形成されている。加
工槽1の側壁23の外面には,図2に示すように,長孔
24を覆うように遮蔽板22が設けられている。遮蔽板
22は第1遮蔽板28と第2遮蔽板29とからなる二枚
の板で構成され,第1遮蔽板28と第2遮蔽板29とは
平行に隔置状態に連結部材30によって相互に連結され
ているので,両遮蔽板28,29の間には通路53が形
成される。第1遮蔽板28は第2遮蔽板29の高さより
も低く設定され,第1遮蔽板28の上端面31は第2遮
蔽板29の上端面32よりも低くなるように設置されて
いる。
【0024】遮蔽板28,29の中心部には下アーム1
3を挿通するための孔33が形成されており,第1遮蔽
板28と第2遮蔽板29との間には,孔33の回りに,
リップ34を有する環状シール部材35が設けられてい
る。環状シール部材35のリップ34は下アーム13の
外周面に当接して加工槽1内からの加工液2の漏出を防
止するものである。加工槽1の側壁23の外面には,シ
ール部材36を保持するため,加工槽1の長孔24と同
様の長孔24を備えたブロック37が取り付けられてお
り,シール部材36は第1遮蔽板28の前面に接触して
加工槽1の側壁23と第1遮蔽板28との間をシール
し,加工液2が加工槽1から漏出するのを防止してい
る。
【0025】また,加工槽1の側壁23には,長孔24
の上下にそれぞれ複数の押さえ板38が固定されてお
り,押さえ板38に支持された摺接部材であるローラ3
9が第2遮蔽板29を背面側から支持している。これら
のローラ39は,加工液2の水圧に抗して遮蔽板22を
支持するために設けたものである。また,第2遮蔽板2
9の背面側にはピン40が植設され,Y方向移動テーブ
ル57と一体をなす支持金ストッパ41の上部にはリン
グ42が設けられ,ピン40をリング42に嵌合してい
るので,加工槽1がX軸方向へ移動するときに,遮蔽板
22の下アーム13に対するX軸方向への相対移動を規
制することができる。
【0026】環状シール部材35から漏出した加工液,
即ち遮蔽板22の孔33と下アーム13との間から漏れ
出した加工液を回収し,且つ遮蔽板22と下アーム13
が相対移動し得るようにするために,伸縮自在の蛇腹4
3が設けられている。蛇腹43は,内部に下アーム13
を挿通し,一端44が第2遮蔽板29の背面側に,他端
45が加工機本体9にそれぞれ水密状態に取り付けられ
ている。下アーム13は加工機本体9に固定されている
ので,他端45は,下アーム13に対して(或いは更に
他の固定部材に対して)水密状態に取り付けてもよい。
蛇腹43の加工槽1側の一端44を第2遮蔽板29に対
して水密状態に取り付けることにより,下アーム13と
遮蔽板22との間から漏れ出た加工液2は蛇腹43によ
って確実に受け取られる。
【0027】蛇腹43は,連通管46を通じて大気に開
放されている。即ち,蛇腹43の上部において連通管4
6の一端47が蛇腹43の内部に連通し且つ連通管46
の他端48が大気に開口している。加工槽1が下アーム
13に対して,そのX軸方向に変位するときに,蛇腹4
3が伸縮する。蛇腹43内の容積変化は,連通管46を
通じて空気及び加工液の出入りによって吸収される。即
ち,蛇腹43が縮む方向に加工槽1が変位をするときに
は,連通管46又は蛇腹43内の空気は,連通管46を
通じて他端48から大気へ放出され,縮み量によっては
加工液が連通管46を通じて加工槽1内へ排出される。
蛇腹43が伸びる方向に加工槽1が変位をするときに
は,他端48から連通管46を通じて外気が蛇腹43内
に取り入れられる。また,図示を省略したが,蛇腹43
の下部に設けたドレンコックを開いて蛇腹43内の加工
液2をドレン管を通じて排出するときに,負圧になる蛇
腹43内には連通管46を通じて外気が流入するので,
蛇腹43内の加工液2はドレン管を通じてスムーズに排
出される。
【0028】連通管46は,加工槽1の側壁23の上端
49を越えて加工槽1の内側に向かって屈曲されてい
る。連通管46の構造をこのようにすると,加工槽1が
蛇腹43が縮む方向に急激に大きな変位をして,蛇腹4
3内の加工液が連通管46を通じて排出されようとする
ときであっても,加工液は連通管46から直接加工槽1
に戻される。即ち,この場合,連通管46は,蛇腹43
内へ漏出した加工液を加工槽1に循環回収するための通
路として機能している。
【0029】連通管46の一端47は弾性変形可能な蛇
腹43に取り付けられるが,蛇腹43が連通管46の一
端47と接続する接続部には,連通管46の荷重を担わ
せることは好ましくない。この実施例では,連通管46
は,加工槽1の側壁23の上端49に対して,支えロー
ラ50によって支持されている。このように,連通管4
6を加工槽1の側壁23の上端49に対して支持するこ
とにより,連通管46の荷重は蛇腹43に作用すること
がない。また,加工槽1は下アーム13に対してX軸方
向に変位可能であるので,連通管46と加工槽1とは相
対的に変位することになるが,連通管46は,加工槽1
の上端49の端面上を側壁23の長手方向(X軸方向)
に転がり部材である支えローラ50を介して支持されて
いるので,加工槽1に対して滑らかに変位することがで
きる。
【0030】蛇腹43に設けたドレン管の下方には,側
壁23に沿って加工槽1のY軸方向長さよりも長く形成
されたドレン樋51が設けられている。図1に示すよう
にY方向移動テーブル57には連結具52を介してドレ
ン樋51が連結されているので,ドレン樋51は,Y方
向移動テーブル57と共にY軸方向にのみ移動可能であ
る。また,ドレン樋51は,加工槽1の側壁23のシー
ル部材36から直接滴下する加工液や,シール部材36
から漏出して第1遮蔽板28を乗り越えて遮蔽板22の
通路53を流下してくる加工液を回収することもでき
る。即ち,加工槽1がX軸方向に移動をしても,蛇腹4
3に設けたドレン管から排出される加工液を受け取り,
且つ加工槽1の側壁23に設けた遮蔽板22の通路53
を通って滴下する加工液を受け取るため,ドレン樋51
のY軸方向長さは,加工槽1のY軸方向の全移動範囲に
わたって加工槽1をカバーするX軸方向長さを有してい
る。ドレン管を通じる等して排出された加工液は,ドレ
ン樋51に流れ込み,ドレン樋51の排出口(図示せ
ず)から排出され,更に図示しない加工液濾過装置等を
経て再利用すべく加工槽1へと循環される。ドレン樋5
1については,Y方向移動テーブル57に取り付けた例
を示したが,ドレン樋51を加工槽1に直接取り付け
て,ドレン管を通じる等して排出された加工液をドレン
樋51から更に可撓管(図示せず)等の手段で回収して
もよい。この場合,ドレン樋51の長さは,加工槽1の
長さをカバーする長さがあればよい。
【0031】この浸漬式ワイヤ放電加工機は,第1遮蔽
板28と第2遮蔽板29とが間隔を置いて連結されてい
るので,第1遮蔽板28と第2遮蔽板29との間に通路
53が形成される。このため,シール部材36から漏出
した加工液は第1遮蔽板28を乗り越え,第1遮蔽板2
8と第2遮蔽板29とで形成される通路53を通ってド
レン樋51に落ちることになる。特に,第1遮蔽板28
の上端面31が第2遮蔽板29の上端面32よりも低く
なるような構成を採用しているので,加工液が第2遮蔽
板29を乗り越えるおそれは一層なくなる。したがっ
て,この浸漬式ワイヤ放電加工機は,加工液が第2遮蔽
板29を乗り越えてローラ39に付着するようなことは
ないから,加工液に含まれる加工屑等のスラッジがロー
ラ39に堆積することはなく,ローラ39の回転不良は
発生せず,高い加工精度を維持することができる。
【0032】上記実施例では,蛇腹43は,一端44を
第2遮蔽板29の背面側に取り付け,他端45を加工機
本体9に取り付けるように構成したが,一端を第1遮蔽
板28の前面に,他端を下アーム13にそれぞれ水密状
態に取り付けるようにしてもよい。その場合には,蛇腹
43の内部は外気に開放されているので,蛇腹43に設
けた連通管46や支えローラ50などが不要となること
から,部品点数を削減することができるという利点があ
る。また,その場合,第1遮蔽板28と第2遮蔽板29
との間に設けた環状シール部材35のリップ34は必要
なくなるので省略することができる。しかし,環状シー
ル部材35だけは必要である。即ち,もし環状シール部
材35まで省略した場合には,第1遮蔽板28と第2遮
蔽板29の間の通路53を通って流下してきた加工液が
下アーム13に当たって飛び散ったり下アーム13の外
周面を伝わったりして,加工液が下アーム13の外周面
と遮蔽板22の孔33との間の隙間から遮蔽板22の背
面側に回り込み,下側のローラ39に付着するおそれが
ある。したがって,図2に示すように両遮蔽板28,2
9の間に環状シール部材35を設け,通路53と下アー
ム13との間をシールする必要がある。
【0033】次に,この発明による浸漬式ワイヤ放電加
工機の他の実施例について説明する。図3はこの発明の
浸漬式ワイヤ放電加工機の他の実施例を示す要部拡大断
面図,及び図4は図3の浸漬式ワイヤ放電加工機におけ
るシール部材保持用のブロックを示す斜視図である。図
3に示した要部拡大断面図は,図4のA−A線における
断面図に相当するものである。
【0034】この実施例の浸漬式ワイヤ放電加工機は,
遮蔽板60として,図5に示した従来の浸漬式ワイヤ放
電加工機における遮蔽板77と同様の一枚の板で構成し
たものを採用している。従来の浸漬式ワイヤ放電加工機
との違いは,シール部材36を保持するためのブロック
61の構造が異なっている点である。シール部材36
は,加工槽1の長孔24の周縁部にブロック61を介し
て取り付けられる。この実施例のブロック61は,図5
に示した従来のものと対比すると,中央部に長孔62が
形成されている点,及び長孔62に沿って長孔62の上
下に一対の突出部63が形成され,突出部63にシール
部材36がそれぞれ保持されている点で一致し,ブロッ
ク61の上側の突出部63の上面に,図4に示すよう
に,傾斜面64が形成されている点で相違している。傾
斜面64はブロック61の中央部からY軸方向両端部に
至るに従って低くなるように形成されている。ブロック
61は加工槽1の側壁23に取り付けられ,ブロック6
1に保持されたシール部材36は遮蔽板60の前面に当
接して,加工槽1から加工液が外部に漏出するのを防止
している。ブロック61に形成された傾斜面64は,中
央部が高く,ブロック61の両側部に向かって低くなる
ように形成されている。従って,シール部材36と遮蔽
板60との間から漏洩した加工液は,ブロック61に形
成した傾斜面64に沿ってスムースに滞留することなく
ガイドされて流下し,遮蔽板60とブロックとの下方に
設けられた樋51(図1)へ流下することができる。
【0035】この浸漬式ワイヤ放電加工機においても,
シール部材36に加工液の水圧が絶えず加わっており,
シール部材36は加工槽1と共に遮蔽板60に対して相
対的に移動するため,シール部材36の摩耗,スラッジ
によるシール部材36の損傷,あるいはシール部材36
の劣化などに起因して,図3に矢印で示すように,スラ
ッジを含んだ加工液がシール部材36から漏出すること
は避けられない。ところが,ブロック61の突出部63
の上面に傾斜面64が形成されているので,シール部材
36から漏出した加工液は遮蔽板60の上端面65に至
るまでに傾斜面64に至り,X軸方向に傾斜面64上を
流下し,傾斜面64の端部からドレン樋51へ流れ落ち
る。このため,スラッジを含んだ加工液が遮蔽板60を
乗り越えて遮蔽板60の背面側にまで流れ込むことはな
いので,スラッジがローラ39に堆積せず,その結果,
ローラ39が回転不良を起こすこともなく,摺動抵抗が
増加することもないので,工作物Wの加工精度は良好な
状態に維持される。
【0036】
【発明の効果】この発明による浸漬式ワイヤ放電加工機
は,上記のように構成されているので,次のような効果
を有する。この浸漬式ワイヤ放電加工機は,加工槽の側
壁と遮蔽板とをシールするためのシール部材を通して加
工槽から外部へ漏出した加工液は,二枚の遮蔽板の間に
形成された通路を通って,下方の樋へ落下するので,遮
蔽板を背面側から支持する摺接部材に加工液が付着して
スラッジが摺接部材に堆積することはない。また,この
浸漬式ワイヤ放電加工機は,第1遮蔽板の上端面を第2
遮蔽板の上端面よりも低い位置に配置することにより,
加工液が第2遮蔽板を乗り越えるおそれは一層なくなる
から,両遮蔽板間の間隔を狭くすることができ,遮蔽板
の厚さを薄くすることができる。
【0037】又は,この発明による浸漬式ワイヤ放電加
工機は,上記のように構成されているので,極めてコン
パクトに構成され,製造コストを低減できると共に,シ
ール部材を保持するためのブロックの上端面に傾斜面を
形成することにより,シール部材から漏出した加工液は
傾斜面によってX軸方向へスムースにガイドされて流下
し,傾斜面の両側端部から樋へ落下するので,加工液が
遮蔽板を乗り越えて摺接部材の方へ流れ込むことはな
く,それゆえ,摺接部材に加工液中のスラッジが堆積す
ることもない。したがって,上記いずれの発明も,摺接
部材の回転不良は起こらず,摺動抵抗が増加することも
ないので,高い加工精度を長期に渡って維持することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1に係る発明による浸漬式ワイヤ放電加
工機の一実施例の全体構造を示す断面図である。
【図2】図1の浸漬式ワイヤ放電加工機における遮蔽板
付近の構造を示す要部拡大断面図である
【図3】請求項3に係る発明による浸漬式ワイヤ放電加
工機の一実施例を示す要部拡大断面図である。
【図4】図3の浸漬式ワイヤ放電加工機におけるシール
部材保持用のブロックを示す斜視図である。
【図5】従来の浸漬式ワイヤ放電加工機を示す側面断面
図である。
【符号の説明】
1 加工槽 2 加工液 9 加工機本体 10 ワイヤ電極 12 上ワイヤヘッド 13 下アーム(支持アーム) 14 下ワイヤヘッド 22 遮蔽板 23 加工槽の側壁 24 加工槽の長孔 28 第1遮蔽板 29 第2遮蔽板 31 第1遮蔽板の上端面 32 第2遮蔽板の上端面 33 遮蔽板の孔 36 シール部材 37 ブロック 39 ローラ(摺接部材) 43 蛇腹 44 蛇腹の一端 45 蛇腹の他端 51 ドレン樋(樋) 53 通路 57 Y方向移動テーブル(テーブル) 60 遮蔽板 61 ブロック 64 傾斜面 65 遮蔽板の上端面 W 工作物

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加工機本体に取り付けられた上ワイヤヘ
    ッドを通じて供給されるワイヤ電極が通される下ワイヤ
    ヘッド,前記上ワイヤヘッドと前記下ワイヤヘッドとの
    間で加工液に浸漬した状態で工作物を設置できる加工
    槽,前記加工槽に形成された長孔を覆うように配設され
    且つ前記長孔と対向する孔が形成された遮蔽板,前記加
    工槽に取り付けられ且つ前記加工液の水圧に抗して前記
    遮蔽板を背面側から支持する摺接部材,前記遮蔽板の孔
    及び前記加工槽の長孔に挿通され且つ前記加工液中に突
    出して前記下ワイヤヘッドを支持すると共に前記下ワイ
    ヤヘッドを通過した前記ワイヤ電極の廃ワイヤが内部に
    挿通される前記加工機本体に取り付けられた支持アー
    ム,前記加工槽が前記支持アームの長手方向と直角方向
    に移動可能に載置され且つ前記長手方向に移動可能な前
    記遮蔽板が取り付けられたテーブル,前記支持アームが
    挿通され且つ一端が前記遮蔽板の孔の周縁部に他端が前
    記支持アーム又は前記加工機本体に固定された長手方向
    に伸縮可能な蛇腹,及び前記加工槽の長孔の周縁部に取
    り付けられ且つ前記遮蔽板に接触してシールするシール
    部材をを備えた浸漬式ワイヤ放電加工機において,前記
    遮蔽板は,前記シール部材に当接してシール部を構成す
    る第1遮蔽板と,前記第1遮蔽板に隔置して連結され且
    つ前記摺接部材に当接して支持される第2遮蔽板とから
    構成され,前記第1遮蔽板と前記第2遮蔽板との間から
    流下する前記加工液を受けるため前記第1遮蔽板と前記
    第2遮蔽板との下方には樋が設けられていることを特徴
    とする浸漬式ワイヤ放電加工機。
  2. 【請求項2】 前記第1遮蔽板を溢流した前記加工液が
    前記第2遮蔽板を溢流することなく,前記第1遮蔽板と
    前記第2遮蔽板との間を流下するように,前記第1遮蔽
    板の上端面は前記第2遮蔽板の上端面よりも低い位置に
    設定されていることを特徴とする請求項1に記載の浸漬
    式ワイヤ放電加工機。
  3. 【請求項3】 前記第1遮蔽板と前記第2遮蔽板との間
    の前記支持アームの周りには環状シール部材が配置され
    ていることを特徴とする請求項1又は2に記載の浸漬式
    ワイヤ放電加工機。
  4. 【請求項4】 加工機本体に取り付けられた上ワイヤヘ
    ッドを通じて供給されるワイヤ電極が通される下ワイヤ
    ヘッド,前記上ワイヤヘッドと前記下ワイヤヘッドとの
    間で加工液に浸漬した状態で工作物を設置できる加工
    槽,前記加工槽に形成された長孔を覆うように配設され
    且つ前記長孔と対向する孔が形成された遮蔽板,前記加
    工槽に取り付けられ且つ前記加工液の水圧に抗して前記
    遮蔽板を背面側から支持する摺接部材,前記遮蔽板の孔
    及び前記加工槽の長孔に挿通され且つ前記加工液中に突
    出して前記下ワイヤヘッドを支持すると共に前記下ワイ
    ヤヘッドを通過した前記ワイヤ電極の廃ワイヤが内部に
    挿通される前記加工機本体に取り付けられた支持アー
    ム,前記加工槽が前記支持アームの長手方向と直角方向
    に移動可能に載置され且つ前記長手方向に移動可能な前
    記遮蔽板が取り付けられたテーブル,前記支持アームが
    挿通され且つ一端が前記遮蔽板の孔の周縁部に他端が前
    記支持アーム又は前記加工機本体に固定された長手方向
    に伸縮可能な蛇腹,及び前記加工槽の長孔の周縁部に取
    り付けられ且つ前記遮蔽板に接触してシールするシール
    部材をを備えた浸漬式ワイヤ放電加工機において,前記
    加工槽には前記シール部材を保持するブロックが設けら
    れ,前記ブロックの上面には前記ブロックの両側部に向
    かって低くなる傾斜面が形成され,最も高い位置の前記
    傾斜面は前記遮蔽板の上端面よりも低くなるように設置
    され,前記シール部材と前記遮蔽板との間から漏洩した
    前記加工液は,前記ブロックに形成した前記傾斜面に沿
    って前記遮蔽板と前記ブロックとの下方に設けられた樋
    へ流下することを特徴とする浸漬式ワイヤ放電加工機。
  5. 【請求項5】 前記ブロックに形成された前記傾斜面
    は,中央部が高く,前記ブロックの両側部に向かって低
    く形成されていることを特徴とする請求項4に記載の浸
    漬式ワイヤ放電加工機。
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