JPH11128336A - 骨修復材 - Google Patents
骨修復材Info
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- JPH11128336A JPH11128336A JP9295802A JP29580297A JPH11128336A JP H11128336 A JPH11128336 A JP H11128336A JP 9295802 A JP9295802 A JP 9295802A JP 29580297 A JP29580297 A JP 29580297A JP H11128336 A JPH11128336 A JP H11128336A
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Abstract
増生置換する骨修復材を提供する。また、髄腔内などの
入り口の狭い箇所を良好に補綴する骨修復材を提供す
る。 【解決手段】カルボキシルメチルキチンのスポンジ体中
にリン酸カルシウム系材料の顆粒を担持し、且つ、凹状
箇所などを補綴するべく、10mm角の立方体状として
蒸留水に10分間浸漬した後の吸水体積膨張率吸水を
1.3〜2.2倍とし、また、髄腔内などの入り口の狭
く内部欠損の大きな箇所を補綴するべく上記吸水体積膨
張率を4〜11倍としてなる骨修復材を用いる。
Description
などによって失われた骨欠損部を再建するために充填さ
れる骨修復材料に関するものである。
カルシウム系材料の顆粒が用いられてきた。この顆粒は
骨欠損部に顆粒状態のまま充填されるもので、顆粒周囲
に新生骨が早期に増生し、この新生骨が各顆粒を包含し
て、上記骨欠損部を充填修復することを期待するもので
あった。
のような問題があった。すなわち、顆粒状態のまま充填
されるのでポケット形状をなす骨欠損部以外には使用が
極めて困難である。また、欠損部への固定が困難で、充
填、縫合後に湿潤する血液、生体液による流出が起こり
易く、この流出により、欠損部が軟組織に充満されてし
まったり、流出した顆粒により、二次的な炎症を励起す
る恐れがある。さらに、骨形成が進行したとしても、顆
粒が多量に存在することにより新生骨の占有密度が小さ
く構造的に脆弱な状態である。また骨修復後のインプラ
ント埋入を考える場合、ハイドロキシアパタイト(以
下、HAPと略称する)の存在や骨質の脆弱性の為、ド
リル等による後加工は実質上不可能であるという不具合
があった。
決するため、本発明はカルボキシルメチルキチンのスポ
ンジ体中にリン酸カルシウム系材料の顆粒を担持し、且
つ、凹状箇所などを補綴するべく、10mm角の立方体
状として蒸留水に10分間浸漬した後の吸水体積膨張率
吸水を1.3〜2.2倍とし、また、髄腔内などの入り
口の狭く内部欠損の大きな箇所を補綴するべく上記吸水
体積膨張率を4〜11倍としてなる骨修復材を提供せん
とするものである。
法で製造することができる。まず、カルボキシルメチル
キチンとリン酸カルシウム顆粒及び適当な溶媒とを混合
した溶液を型に入れて凍結乾燥した後、真空中にて熱架
橋する。そして、このようにして得た成形体を必要に応
じて適当な圧縮圧でプレスすることにより、吸水による
体積膨張性を付与し、且つ、その膨張率を調整すること
ができる。
方法で作製することが可能である。
のCMキチン粉末を蒸留水に溶解し、水溶液を調製し、
上記水溶液の重量にHAP顆粒あるいはTCP顆粒を混
入した後、溶液中にHAP顆粒あるいはTCP顆粒が均
一に分散するようにスターラーを用い十分に攪拌する。
急速に冷凍後、ブレンダーにて粉砕し、微粉末にする。
この微粉末とHAPあるいはTCP顆粒を重量比20:
1〜1:1の範囲で混合する。混合物を室温の下、金型
(サイズ:径10mm〜30mm)に詰め、100〜5
00kgf/cm2 の範囲の圧力で5〜10分間の範囲
で加圧する。
したデシケータ内に5分間〜10分間放置する。その
後、成形体を再度液体窒素にて急速冷凍し、12時間〜
24時間の範囲で凍結乾燥し、さらに、140℃〜16
0℃の範囲で12時間〜14時間の真空熱架橋を施す。
最後に、架橋済みの成形体に対し、0〜10kgf/c
m2 の範囲で圧縮加工を施し、所望の体積膨張性を付与
する。
は以下の範囲であることが好ましい。
うにカルボキシメルキチン(以下、CMキチンと略称す
る)のスポンジ体中に、HAP,TCP,AWGCなど
のリン酸カルシウムの顆粒を分散せしめたものであり、
全体としてスポンジのような素材であることから充填す
る骨欠損部の形状に合わせて、はさみ等により切り出
し、所定箇所に詰め込む。なお、この時、凹状箇所など
を補綴する場合には、10mm角の立方体状として蒸留
水に10分間浸漬した後の吸水体積膨張率吸水が1.3
〜2.2倍となるようにした骨修復材を用い、他方、髄
腔内などの入り口の狭い箇所を補綴するべく上記吸水体
積膨張率が4〜11倍となるようにプレスした骨修復材
を用いる。補綴した骨修復材は、補綴箇所に充満するよ
うに膨張し、壁面から受ける反作用によって、補綴箇所
に密着する。
復材の上記吸水体積膨張率が1.3倍未満および2.2
倍超過の場合、いずれも骨修復材が補綴箇所から脱落し
てしまう恐れがある。また、髄腔内などの入り口の狭い
箇所を補綴する場合、上記吸水体積膨張率が4倍未満で
は、補綴箇所を充満するに十分な膨張が得られず、他
方、11倍超過では、リン酸カルシウム材料の存在率が
小さくなり、密なる骨増生が期待できない恐れがある。
めて安全で生体内分解性のCMキチンにリン酸カルシウ
ムの顆粒が分散せしめてあり且つブロック状であって、
上記詰め込みによって充填されるので、充填箇所から脱
落する恐れがない。従って、充填後、本格的な骨新生反
応が起こるまでの不安定な期間、CMキチンのスポンジ
体中によりリン酸カルシウム系材料の顆粒が保持された
状態で、CMキチンの透過吸収が可能で各種細胞が貯留
される環境を提供する。そして、この環境の下、リン酸
カルシウム系材料の顆粒が新生骨形成の起因となり、C
Mキチンの分解吸収窩に経時的に新生骨が形成されてい
く。
が大きく、効率的で天然骨の割合の多い骨修復が保証さ
れる。
る。
た: 1)カルボキシメチル化度50〜80%のCMキチン粉
末を蒸留水に溶解し、水溶液を調製した。
HAP顆粒を混入し、溶液中にHAP顆粒が均一に分散
するようにスターラーを用い十分に攪拌した。なお、H
APの粒径サイズ範囲は60〜150μm、CMキチン
分子量分布範囲は10〜200万とした。
ガラス製あるいはポリプロプレン製の容器中に適量を注
入し、ドライアイスエタノール浴中(約マイナス40
℃)でHAP顆粒が均一に分散している間に冷凍させ、
10mm角の立方体をした骨修復材を得た。
した。
0℃の温度で、24時間、真空熱処理し、CMキチンを
水難溶化(熱固定)熱架橋させた。
1のように一方向圧縮のプレス加工を施した。そして、
それぞれのものについて吸水体積膨張率を測定した。そ
の測定方法は、まず、骨修復材を10mm角の立方体状
とし、これを蒸留水に10分間浸漬する。そして、浸漬
後の成型体の三辺の長さをそれぞれ測定し、膨張した体
積の体積を求める。この数値を基に体積膨張率を算出す
る。
製した試料を得た。
でCMキチン粉末を蒸留水に溶解し、濃度5重量%の水
溶液を調製し、この上記水溶液の重量に対して等倍量の
HAP顆粒を混入し、溶液中にHAP顆粒が均一に分散
するようにスターラーを用い十分に攪拌した。なお、H
APの粒径サイズ範囲は60〜150μm、CMキチン
分子量分布範囲は10〜200万とした。この後の方法
は、前記実施例の試料と同一とした。
するべく、以下の動物実験を行った。まず、図3に示す
ように家兎R(雌)の頭蓋骨の骨膜2を剥離し、その状
態で歯科用バーを用いて約4mm径、深さ3mmの貫通
孔を正中の左右両側対称に各4つ形成し、これらの貫通
孔に円柱体に切り出した前記試料1〜4および比較例の
骨修復材のブロック体Nを埋入した後、上記、骨膜2を
縫合封鎖した。図4は、この埋入状態を示し、同図に示
すように脳硬膜3は損傷させずに既存骨4とともに残し
ておく。
それぞれの時点で上記家兎を屠殺して頭蓋骨から骨修復
材及び周囲組織を同時に採取した。そして、これらをエ
タノール固定、脱水した後に樹脂包理し、薄切した切片
をドレイジンブルー染色を施して組織標本を作製した。
し、得られた写真から骨修復材の固定性および骨修復能
を観察した。
一切なく、新生骨の密なる増生が確認できた。これに対
して、試料4は新生骨の増生がやや疎であった。また、
比較例の場合、骨修復材の離脱や位置ずれが発生する場
合があった。
の固定性および骨修復能を観察するべく、以下の動物実
験を行った。
にて骨欠損孔を形成した後、径約3mm、長さ約6mm
の円柱状に成形した前記試料4〜7を上記形成孔から内
部に埋入し、骨膜、筋膜、上皮の順に縫合した。
ぞれの時点で上記家兎を屠殺して試料埋入部の骨修復材
及び周囲組織を同時に採取した。そして、これらをエタ
ノール固定、脱水した後に樹脂包理し、薄切した切片を
ドレイジンブルー染色を施して組織標本を作製した。
し、得られた写真から骨修復材の固定性および骨修復能
を観察した。
部の骨性封鎖が観察され、HAP顆粒は、新生骨領内に
取り込まれていた。
存骨の厚みとほぼ同等に回復していた。
封鎖が観察されず、また、材料埋入箇所の中央部の幅は
周囲既存骨の厚みよりかなり小さいところまでしか回復
していなかった。
Mキチンのスポンジ体中に、HAP,TCP,AWGC
などのリン酸カルシウムの顆粒を分散せしめたものであ
り、全体としてスポンジのような素材であることから充
填する骨欠損部の形状に合わせて、はさみ等により切り
出し、所定箇所に詰め込み、しかも、凹状箇所などを補
綴する場合には、10mm角の立方体状として蒸留水に
10分間浸漬した後の吸水体積膨張率が1.3〜2.2
倍となる骨修復材を用い、他方、髄腔内などの入り口の
狭い箇所を補綴するべく上記吸水体積膨張率が4〜11
倍となるようにプレスした骨修復材を用いたので補綴箇
所に充満するように膨張し、壁面から受ける反作用によ
って、補綴箇所に密着し、密なる新生骨の増生を保証す
るものである。
兎の切開した頭部の上面図である。
Claims (2)
- 【請求項1】カルボキシルメチルキチンからなるスポン
ジ体にリン酸カルシウム系材料の顆粒を分散せしめてな
り、且つ、凹状箇所などを補綴するべく、10mm角の
立方体状として蒸留水に10分間浸漬した後の吸水体積
膨張率が1.3〜2.2倍であることを特徴とする骨修
復材。 - 【請求項2】カルボキシルメチルキチンのからなるスポ
ンジ体にリン酸カルシウム系材料の顆粒を分散せしめて
なり、且つ、入り口が狭く、内部欠損が大きな箇所など
を補綴するべく、10mm角の立方体状として蒸留水に
10分間浸漬した後の吸水体積膨張率が4〜11倍であ
ることを特徴とする骨修復材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29580297A JP3561127B2 (ja) | 1997-10-28 | 1997-10-28 | 骨修復材 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29580297A JP3561127B2 (ja) | 1997-10-28 | 1997-10-28 | 骨修復材 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11128336A true JPH11128336A (ja) | 1999-05-18 |
JP3561127B2 JP3561127B2 (ja) | 2004-09-02 |
Family
ID=17825363
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP29580297A Expired - Fee Related JP3561127B2 (ja) | 1997-10-28 | 1997-10-28 | 骨修復材 |
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Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3561127B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
FR2824272A1 (fr) * | 2001-05-02 | 2002-11-08 | Asahi Optical Co Ltd | Charge prothetique pour un corps vivant, et procede pour sa production |
JP2003093494A (ja) * | 2001-09-26 | 2003-04-02 | Kyocera Corp | 関節軟骨欠損修復材およびこれを用いた関節欠損修復部材 |
-
1997
- 1997-10-28 JP JP29580297A patent/JP3561127B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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FR2824272A1 (fr) * | 2001-05-02 | 2002-11-08 | Asahi Optical Co Ltd | Charge prothetique pour un corps vivant, et procede pour sa production |
US6903146B2 (en) | 2001-05-02 | 2005-06-07 | Pentax Corporation | Prosthetic filler for a living body and method of manufacturing the prosthetic filler |
JP2003093494A (ja) * | 2001-09-26 | 2003-04-02 | Kyocera Corp | 関節軟骨欠損修復材およびこれを用いた関節欠損修復部材 |
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