JPH11127019A - 適応位相配列アンテナシステム - Google Patents

適応位相配列アンテナシステム

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JPH11127019A
JPH11127019A JP10220880A JP22088098A JPH11127019A JP H11127019 A JPH11127019 A JP H11127019A JP 10220880 A JP10220880 A JP 10220880A JP 22088098 A JP22088098 A JP 22088098A JP H11127019 A JPH11127019 A JP H11127019A
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signal
unit
array antenna
antenna
amplitude
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JP10220880A
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Kyu-Tae Lim
奎汰 林
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    • H01Q3/26Arrangements for changing or varying the orientation or the shape of the directional pattern of the waves radiated from an antenna or antenna system varying the relative phase or relative amplitude of energisation between two or more active radiating elements; varying the distribution of energy across a radiating aperture
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    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
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    • H04B7/00Radio transmission systems, i.e. using radiation field
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    • H04B1/00Details of transmission systems, not covered by a single one of groups H04B3/00 - H04B13/00; Details of transmission systems not characterised by the medium used for transmission
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 短時間で最適なビーム方向を選択可能な適応
位相配列アンテナシステムを提供する。 【解決手段】 受信適応位相配列アンテナシステムは,
基本アンテナ素子が空間的に配列されて成る配列アンテ
ナ部410と,配列アンテナ部から受信信号を入力する
給電部420と,給電部から入力される信号を合成して
一つの信号として出力する電力結合部430と,受信さ
れた信号の振幅を検出する信号振幅検出部440と,信
号振幅検出部から所定の振幅の信号を入力するビーム制
御ユニット460と,ビーム制御ユニットからその方向
に合う加重値を給電部に供給するように命令を下す加重
値記憶装置470と,電力結合部の出力信号を入力する
受信回路部450とから構成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は,加重値記憶装置を
利用した適応位相配列アンテナシステム(Adapti
ve Phased Array Antenna S
ystem)に係り,特に,アンテナのビーム位置に対
応する配列加重値を予め計算して記憶装置に格納してか
ら,ビーム位置に応じた加重値を利用して各アンテナ素
子で送受信される信号の振幅と位相を調節するようにし
た,加重値記憶装置を利用した適応位相配列アンテナシ
ステムに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に,アンテナのビーム方向を電気的
に変化させることが可能なアンテナとして,スイッチビ
ームアンテナ(Switched Beam Ante
nna)と適応位相配列アンテナが知られている。
【0003】スイッチビームアンテナは指向性アンテナ
をいくつか組み合わせて構成されており,スイッチを用
いてアンテナの中で一つを選択することで,ビームを特
定の方向に向けるようにする。
【0004】図4は,一般的なスイッチビームアンテナ
システムの構成を示したものである。図示のように,一
般的なスイッチビームアンテナシステムは,複数のアン
テナ素子110から構成され様々な方向のビーム特性を
有する指向性アンテナ群と,所望の方向のビームを選択
するためのスイッチ120と,送受信回路部130とか
ら主に構成されている。
【0005】動作時には,送受信回路部130がスイッ
チ120を用いて所望のアンテナ素子110を選択する
と,選択されたアンテナ素子110のみがビームを送受
信することができる。
【0006】すなわち,スイッチビームアンテナシステ
ムは,様々な方向にアンテナビームを向けるようにする
ために,複数の指向性アンテナを配列するとともに,送
受信部にスイッチを付加し,このスイッチにより,所望
の方向を向く指向性アンテナを選択することで,所望の
方向にビーム調整する方式である。
【0007】上記のように動作するスイッチビームアン
テナシステムは,構造が簡単で廉価に製造できるが,限
定されたビーム特性しか得ることができない。
【0008】かかるスイッチビームアンテナを通信シス
テムに使用する場合には,各アンテナ素子として,水平
方向ではビームの幅が狭く,垂直方向ではビームの幅が
広い特性を有するものを選択して,全ての領域がカバー
できるようにする必要がある。
【0009】そのために垂直方向に対して電界が不規則
になる現象である,多重経路フェーディング(fadi
ng)の影響を強く受けるようになるという問題点があ
る。
【0010】これに対して,配列アンテナ(Array
Antenna)は,いくつかのアンテナ素子を空間
的に配列したアンテナを言う。配列アンテナのビームパ
ターンは,各アンテナ素子から受信または送信される信
号の合計によって決定されるので,各アンテナ素子のパ
ターンとは無関係である。
【0011】したがって各アンテナ素子から送信また受
信される信号の振幅と位相を変化させることで,任意の
ビーム形態を得ることができる。この時,各素子に供給
される位相と振幅の変化量を加重値(Weight)と
称する。
【0012】適応位相配列アンテナは,実時間で,各ア
ンテナ素子で受信される信号の振幅と位相を調節するこ
とで,所望の方向で受信された信号だけを選択的に受け
入れる。
【0013】この時,各アンテナに供給される信号の振
幅と位相の加重値は,加重値計算アルゴリズムによって
計算される。
【0014】図5は,一般的な配列アンテナシステムの
構成を示したものである。図5(a)は受信配列アンテ
ナシステムの構成を示したものであり,図5(b)は送
信配列アンテナシステムの構成を示したものである。
【0015】受信配列アンテナシステムは,図5(a)
に図示されたように,さまざまなアンテナ素子210a
〜210nと,送受信される信号の振幅と位相を制御す
る給電部220と,各アンテナ素子210a〜210n
から受信された信号を合成するための電力結合部(co
mbiner)230と,受信回路部240とから主に
構成されている。
【0016】アンテナ素子210a〜210nから受信
された信号は,給電部220で各アンテナ素子別に加重
値W1〜Wnが計算される。計算された加重値は,電力
結合部(230)で結合された後,受信回路部240に
伝わる。
【0017】送信配列アンテナシステムは,図5(b)
に図示されたように,さまざまなアンテナ素子215a
〜215nと,送受信される信号の振幅と位相を制御す
る給電部225と,各アンテナ素子215a〜215n
に送信される信号を分離して供給する電力分配部(di
vider)235と,送信回路部245とから主に構
成されている。
【0018】送信回路部245から伝送された信号の加
重値は,電力分配部235を介して各給電部225に伝
わる。各給電部225では,該当加重値W1〜Wnによ
って各アンテナ素子215a〜215nで輻射されるビ
ームパターンを決定する。
【0019】図6は,従来の技術による受信適応位相配
列アンテナシステムの構成を示したものである。図示さ
れたように,従来の受信適応位相配列アンテナシステム
は,さまざまなアンテナ素子210a〜210nと,送
受信される信号の振幅と位相を制御する給電部220
と,各アンテナ素子210a〜210nから伝わってく
る信号を合成するための電力結合部230と,計算され
た加重値別にビーム形態を制御するためのビーム調整プ
ロセッサ250と,受信回路部240とから主に構成さ
れている。
【0020】配列アンテナの各アンテナ素子210a〜
210nは,給電部220の増幅器(または減衰器)お
よび位相制御器に接続されている。
【0021】各アンテナ素子210a〜210nに接続
される給電部220は,電力結合部230を経て受信回
路部240に接続される。ビーム調整プロセッサ250
は,各アンテナ素子別加重値W1〜Wnを計算して,各
アンテナ素子210a〜210nに供給することでビー
ムを調整する。
【0022】上記のように構成された適応位相配列アン
テナは,加重値計算アルゴリズムによってビームの形態
を任意で変更できるので,どのような状況にも適応でき
るという長所がある。
【0023】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら従来の適
応位相配列アンテナは,配列素子の数が多い場合には計
算量が増え,実時間に変化する信号に比べてビーム調整
が追従できないという問題がある。また,加重値計算ア
ルゴリズムのために高価なDSP(Digital S
ignal Processor)チップを使用せねば
ならず,一般的な常用システムへの適用が難しいという
問題点が存在する。
【0024】この分野の従来の技術として,米国特許第
5,243,354号がある。この発明は,マイクロス
トリップアンテナを八角柱の各面に付けて,スイッチを
操作してビーム方向を転換することを特徴としている。
しかし,この発明は,スイッチを利用した多重ビームア
ンテナは少数(8個)のビーム特性しか得ることができ
ないという限界がある。
【0025】この分野の他の従来技術としては,米国特
許第5,471,220号がある。この発明は,多層平
面構造で多層ビームを持つ適応配列アンテナシステムに
ついて開示している。しかし,この発明の短所はシステ
ムがあまりにも複雑で実現が難しく,値段が高いという
所である。
【0026】この分野の関連技術としては,IEEE
Trans.Antenna and Propaga
tion,Vol.44,No.9,1996に掲載さ
れている“A Flat Four−Beam Swi
tched Array Antenna”という論文
がある。この論文は,スイッチを利用して色々な方向の
固定ビームを得られる方法について開示している。しか
し,この方法には,少数(ここでは4個)のビームしか
得られないという問題点がある。
【0027】また,この分野に関して他の関連技術とし
て,Brooknerが執筆した,Artech Ho
use出版社の“Practical Phased
Array”という本がある。多様な形態の位相配列ア
ンテナが開示されているが,ここでの適応位相配列アン
テナは,システムが複雑で,制御回路の計算量が多くて
高価という短所がある。
【0028】本発明は,上記のような従来の問題点に鑑
みて成されたものであり,加重値を予め計算して記憶し
ておく加重値記憶装置を使用して,加重値計算に必要な
時間を節約することで,ビームの実時間処理が可能にな
り,より多くのアンテナ配列素子を使用することが可能
であり,さらに,効率が高く,解像度が高いビーム特性
を得られる加重値記憶装置を利用した,新規かつ改良さ
れた適応位相配列アンテナシステムを提供することを目
的としている。
【0029】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に,本発明の第1の観点によれば,請求項1に記載のよ
うに,送信回路部と;前記送信回路部に接続され,送信
時に計算された加重値を分配する電力分配部と;受信回
路部と;複数の基本アンテナ素子が空間的に配列されて
成る配列アンテナ部と;受信時には,前記配列アンテナ
部の受信信号を入力し,その際に,他の制御信号に応じ
て前記受信信号の振幅と位相を変化させ,送信時には,
前記電力分配部から分配された信号を入力する給電部
と;前記給電部から入力される受信信号を,加重値を用
いて合成する電力結合部と;前記電力結合部から受信さ
れる信号の振幅を検査して,前記受信回路部に出力する
振幅検出部と;前記振幅検出部から合成信号の中,所定
の振幅の信号を入力されて,アンテナのビームの方向を
調節し,各方向から受信される電界強度を比較して,最
適の経路を探索するビーム制御部と;前記ビーム制御部
からその方向に合う加重値を給電部に供給するように命
令を下す加重値記憶装置とを含むことを特徴とする送受
信適応位相配列アンテナシステムが提供される。
【0030】なお,前記配列アンテナ部は,請求項2に
記載のように,下段に振幅サーキュレータ(circu
lator)またはOMT(OrthoMode Tr
ansducer)を備えており,アンテナから受信さ
れた信号は前記受信回路部の方に送られ,前記送信回路
部から供給された信号はアンテナを通して輻射されるこ
とが好ましい。
【0031】また,前記給電部は,請求項3に記載のよ
うに,減衰器または増幅器と,位相変移器とから構成さ
れており,前記加重値記憶装置から伝達された加重値に
よって信号の振幅と位相を調節することが好ましい。
【0032】また,前記加重値記憶装置は,請求項4に
記載のように,システムの駆動時に,ビームの角度別に
受信される電界をスキャニングして,前記配列アンテナ
部のビームの角度を調節するための加重値を予め格納し
てから,前記ビーム制御部の指示に応じて前記給電部に
加重値を供給することが好ましい。
【0033】また,前記加重値記憶装置は,請求項5に
記載のように,ブロッキング発生時に,再びビームをス
キャニングして,最大の受信電界を持つ新しいビームの
方向を探索することが好ましい。
【0034】また,前記ビーム制御部は,請求項6に記
載のように,マイクロプロセッサまたはDSPチップか
ら構成されており,アンテナのビーム方向を調節し,各
方向から受信される電界強度を比較して最大の受信方向
にビームを動かすように構成されることが好ましい。
【0035】また,前記ビーム制御部は,請求項7に記
載のように,受信電界が一定値の以下となる場合に,再
びビームをスキャニングして新しい最適経路を探索し,
探索した加重値を加重値記憶装置に再び記憶させるよう
に構成されることが好ましい。
【0036】また,前記振幅検出部は,請求項8に記載
のように,前記配列アンテナ部から受信される信号の振
幅を検査してビーム制御部に伝達することが好ましい。
【0037】また,前記アンテナは,請求項9に記載の
ように,前記受信回路部と接続された場合には受信専用
アンテナとして機能し,前記送信回路部と接続された場
合には,送信専用アンテナとして機能することが好まし
い。
【0038】上記課題を解決するために,本発明の第2
の観点によれば,請求項10に記載のように,基本アン
テナ素子が空間的に配列されている配列アンテナ部と;
前記配列アンテナ部から受信信号を入力する給電部と;
前記給電部から入力される信号を合成して一の信号とし
て出力する電力結合部と;前記受信された信号の振幅を
検出する振幅検出部と;前記振幅検出部から所定の振幅
の信号を選択して入力するビーム制御ユニットと;前記
ビーム制御ユニットから,選択された方向に合う加重値
を前記給電部に供給するように命令を下す加重値記憶装
置と;前記電力結合部の出力信号を入力する受信回路部
とから成ることを特徴とする受信適応位相配列アンテナ
システムが提供される。
【0039】なお,前記ビーム制御部は,請求項11に
記載のように,マイクロプロセッサまたはDSPチップ
で構成されることが好ましい。
【0040】また,前記給電部は,請求項12に記載の
ように,増幅器または減衰器および位相変移器で構成さ
れることが好ましい。
【0041】また,前記給電部は,請求項13に記載の
ように,各アンテナ素子から受信される信号に対して,
前記ビーム制御ユニットによって決められた通りに振幅
と位相を変化させるように構成されることが好ましい。
【0042】
【発明の実施の形態】以下に添付図面を参照しながら,
本発明にかかる適応位相配列アンテナシステムの好適な
実施形態について詳細に説明することにする。
【0043】本実施の形態にかかる適応位相配列アンテ
ナは,実時間で入力信号の位置を探索して,配列の加重
値を計算する既存の適応位相配列アンテナとは異なり,
配列の加重値を予め計算して記憶装置に格納している。
【0044】アンテナのビーム位置を変更する場合に
は,記憶装置にある加重値を読み取って,各アンテナ素
子で受信または送信される信号の振幅と位相を調節す
る。
【0045】図1は,本実施の形態にかかる受信用適応
位相配列アンテナシステムの構成図である。本実施の形
態にかかる受信適応位相配列アンテナシステムは,基本
アンテナ素子が空間的に配列されて成る配列アンテナ部
410と,配列アンテナ部410から受信信号を入力す
る給電部420と,給電部420から入力される信号を
合成して一つの信号として出力する電力結合部430
と,受信された信号の振幅を検出する信号振幅検出部4
40と,信号振幅検出部440から所定の振幅の信号を
入力するビーム制御ユニット460と,ビーム制御ユニ
ット460からその方向に合う加重値を給電部420に
供給するように命令を下す加重値記憶装置470と,電
力結合部430の出力信号を入力する受信回路部450
とを含む構成を有する。
【0046】以下,各構成について詳細に説明すると,
配列アンテナ部410は,基本アンテナ素子410a〜
410nが空間的に配列されている構造を成し,受信さ
れる信号を給電部420に伝えるものである。この時,
基本アンテナ素子410a〜410nとして,さまざま
な種類のものが適用可能である。
【0047】上記の配列アンテナ部410を成す各アン
テナ素子410a〜410nは,給電部420の増幅器
(または減衰器)および位相制御器に接続されている。
【0048】給電部420の給電回路は,それぞれ配列
アンテナ部410のアンテナ素子410a〜410nに
接続されている。上記の給電回路は,増幅器または減衰
器および位相制御器などから構成されており,各アンテ
ナ素子410a〜410nから受信される信号に対し
て,ビーム制御ユニット460によって決められた通り
に振幅と位相を変化させる役割を担当する。
【0049】電力結合部430は,各アンテナ素子41
0a〜410nに対応する給電部420から出力される
信号を合わせて一つの信号とした後,信号振幅検出部4
40,受信回路部450に供給する。そして,電力結合
部430の構造は,給電部420の伝送線の形態によっ
て決定される。
【0050】受信回路部450と電力結合部430の間
には,信号振幅検出部440が備えられており,ここ
で,受信された信号の振幅が検出される。信号振幅検出
部440は,合成信号の振幅を検出し,この検出結果を
ビーム制御ユニット460に伝達する。
【0051】ビーム制御ユニット460は,マイクロプ
ロセッサまたはDSPチップで構成されており,各方向
から入力された受信信号の振幅を比較して,望む方向に
ビームを調節する役割を担当する。
【0052】またビーム制御ユニット460は,加重値
記憶装置470がその方向に合う加重値を給電部420
に供給するように命令を下す役割を担当し,信号の振幅
が急に減衰する場合,新しい受信方向を探索するように
動作する。
【0053】加重値記憶装置470は,読み専用メモリ
(ROM)または他の記憶素子で構成されており,アン
テナのビーム方向を調節するための計算された加重値を
予め記憶している。
【0054】加重値記憶装置470は,ビーム制御ユニ
ット460の命令によって選択された加重値W1〜Wn
を給電部420に伝達する。
【0055】なお,以上説明した本発明の実施の形態に
かかる適応位相配列アンテナシステムは,受信用である
が,送信用の構造も基本的に同一である。
【0056】ただし,送信用の適応位相配列アンテナシ
ステムの場合,受信方向を決定するのに必要であった,
信号振幅検出部440は不要となり,電力結合部430
の代りに電力分配部(図示せず。)が備えられることに
なる。また,給電部420には必ず増幅部が必要とな
る。
【0057】送信回路部(図示せず。)から供給された
信号は,電力分配部によって給電部420に対して同一
の電力で供給される。ビーム制御ユニット460は,給
電部420に供給された信号に対して加重値記憶装置4
70に格納された加重値W1〜Wnに応じて適当な増幅
と位相変調を施す。増幅および位相変調が施された信号
は,アンテナ素子410a〜410nに伝達される。
【0058】各アンテナ素子410a〜410nは,供
給された電力をそのまま輻射する。そして,同一の加重
値が与えられた場合,送信と受信アンテナのパターンは
同一となる。
【0059】図2は,本実施の形態にかかる送受信兼用
適応位相配列アンテナシステムの構成を示したものであ
る。この送受信兼用適応位相配列アンテナシステムは,
送信回路部560と,その送信回路部560と接続され
ており,送信時に計算された加重値を分配する電力分配
部530と,受信回路部570と,多数の基本アンテナ
素子が空間的に配列されて成る配列アンテナ部510
と,受信時には,配列アンテナ部510の受信信号を入
力し,他の制御信号に応じて受信信号の振幅と位相を変
化させ,送信時には,電力分配部530から分配された
信号を入力する給電部520と,給電部520から入力
される受信信号を加重値を用いて合成する電力結合部5
40と,電力結合部540から受信される信号の振幅を
検査して受信回路部570に出力する振幅検出部550
と,信号振幅検出部550から合成された信号の中での
所定の振幅の信号を入力し,アンテナのビーム方向を調
節し,各方向から受される電界強度を比較して最適の経
路を探すビーム制御部590と,ビーム制御部590か
らの命令に基づき,最適経路の方向に対応する加重値を
給電部520に供給する加重値記憶装置580とから主
に構成される。
【0060】配列アンテナ部510の下段にはサーキュ
レータまたはOMTが接続されており,受信された信号
は,受信回路部570に供給され,送信回路部560か
ら供給された信号は,配列アンテナ部510を介して輻
射される。この時,ビーム制御部590と加重値記憶装
置580は各1個ずつ必要となる。
【0061】図3は,本実施の形態にかかる送受信兼用
適応位相配列アンテナシステムの動作を示した流れ図で
ある。図面を参照して,送受信兼用適応位相配列アンテ
ナシステムの動作を詳しく説明する。
【0062】段階610で,送受信兼用適応位相配列ア
ンテナシステムが駆動されると,段階620で,ビーム
制御部590は,加重値記憶装置580に格納されてい
る加重値を給電部520に備えられた位相制御器(図示
せず。)と全体振幅調節器(図示せず。)に供給する。
これにより,給電部520は,一定の手順に従い,配列
アンテナ部510のビーム方向を調整する。
【0063】段階630で,信号振幅検出部550は,
ビームの角度別に受信される電界の強度を求めて,加重
値記憶装置580に格納する。
【0064】初期のビーム走査が終わると,ビーム制御
部590は,スキャニングした値に基づいて,色々な方
向の受信電界強度を比較する。
【0065】段階640で,色々な方向の受信電界強度
を比較して,スキャニングされたビーム角の中で受信強
度が一番大きい角度を選択する。
【0066】段階650において,段階640で選択さ
れた角度方向にビーム方向を移動させ,段階660にお
いて,かかるビーム方向に対して所定のデータを送受信
する。
【0067】ビーム制御部590は,信号振幅検出部5
50で得られる受信信号の振幅を継続して観測している
ため,受信信号の振幅の変化に応じて,新しい最大ビー
ムの方向に対するデータの送受信が常時可能となる。
【0068】すなわち,配列アンテナ部510の受信信
号の振幅が急に小くなった場合は,段階670におい
て,ブロッキングが発生したと判断して,段階620に
戻って,再度,ビームをスキャニングし,最大の受信電
界が得られる新しいビームの方向を探すことになる。
【0069】以上,添付図面を参照しながら本発明の好
適な実施形態にかかる送受信適応位相配列アンテナシス
テムについて説明したが,本発明はかかる例に限定され
ない。当業者であれば,特許請求の範囲に記載された技
術的思想の範疇内において各種の変更例または修正例に
想到し得ることは明らかであり,それらについても当然
に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0070】例えば,上記のように動作する本実施の形
態にかかる送受信適応位相配列アンテナシステムをいく
つか結合させることによって,多重ビームアンテナシス
テムが容易に実現される。
【0071】
【発明の効果】上記のように構成された本発明による送
受信適応位相配列アンテナシステムの効果は次の通りで
ある。
【0072】第1に,加重値を前もって計算して記憶し
ているので,加重値計算のための行列計算が不要とな
り,高価なDSPチップを使用しなくともシステムが構
成されるため,コストの低減が実現する。
【0073】第2に,加重値を予め記憶しているので,
計算量が大幅に減少し,より多くのアンテナ素子を使用
することが可能となる。したがって,より有効で解像度
の高いビーム特性を得ることができる。
【0074】第3に,加重値を前もって計算しているの
で,配列アンテナの物理的な特性(カップリングや損失
など)を考慮した最適のビームが実現可能であり,スイ
ッチビームアンテナより多様なビーム特性を得ることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態にかかる受信適応位相配
列アンテナシステムの構成図である。
【図2】本発明の実施の一形態にかかる送受信兼用適応
位相配列アンテナシステムの構成図である。
【図3】本発明の実施の一形態にかかる送受信兼用適応
位相配列アンテナシステムの動作流れ図である。
【図4】一般的なスイッチビームアンテナシステムの構
成図である。
【図5】一般的な配列アンテナシステムの構成図であ
る。
【図6】従来技術による適応位相配列アンテナシステム
の構成図である。
【符号の説明】
110 アンテナ素子 120 スイッチ 130 送受信回路部 210a〜210n アンテナ素子 220 給電部 230 電力結合部 240 受信回路部 215a〜215n アンテナ素子 225 給電部 235 電力分配部 245 送信回路部 W1〜Wn 加重値 250 ビーム調整プロセッサ 410a〜410n アンテナ素子 420 給電部 430 電力結合部 440 信号振幅検出部 450 受信回路部 460 ビーム制御ユニット 470 加重値記憶装置 510 配列アンテナ部 520 給電部 530 電力分配部 540 電力結合部 550 信号振幅検出部 560 送信回路部 570 受信回路部 580 加重値記憶装置 590 ビーム制御部

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 送信回路部と;前記送信回路部に接続さ
    れ,送信時に計算された加重値を分配する電力分配部
    と;受信回路部と;複数の基本アンテナ素子が空間的に
    配列されて成る配列アンテナ部と;受信時には,前記配
    列アンテナ部の受信信号を入力し,その際に,他の制御
    信号に応じて前記受信信号の振幅と位相を変化させ,送
    信時には,前記電力分配部から分配された信号を入力す
    る給電部と;前記給電部から入力される受信信号を,加
    重値を用いて合成する電力結合部と;前記電力結合部か
    ら受信される信号の振幅を検査して,前記受信回路部に
    出力する振幅検出部と;前記振幅検出部からの合成信号
    に含まれる所定の振幅の信号が入力されて,アンテナの
    ビームの方向を調節し,各方向から受信される電界強度
    を比較して,最適の経路を探索するビーム制御部と;前
    記ビーム制御部からその方向に合う加重値を給電部に供
    給するように命令を下す加重値記憶装置と;を含むこと
    を特徴とする,送受信適応位相配列アンテナシステム。
  2. 【請求項2】 前記配列アンテナ部は,下段に振幅サー
    キュレータまたはOMTを備えており,アンテナから受
    信された信号は前記受信回路部の方に送られ,前記送信
    回路部から供給された信号はアンテナを通して輻射され
    ることを特徴とする,請求項1に記載の送受信適応位相
    配列アンテナシステム。
  3. 【請求項3】 前記給電部は,減衰器または増幅器と,
    位相変移器とから構成されており,前記加重値記憶装置
    から伝達された加重値によって信号の振幅と位相を調節
    することを特徴とする,請求項1または2に記載の送受
    信適応位相配列アンテナシステム。
  4. 【請求項4】 前記加重値記憶装置は,システムの駆動
    時に,ビームの角度別に受信される電界をスキャニング
    して,前記配列アンテナ部のビームの角度を調節するた
    めの加重値を予め格納してから,前記ビーム制御部の指
    示に応じて前記給電部に加重値を供給することを特徴と
    する,請求項1,2,または3のいずれかに記載の送受
    信適応位相配列アンテナシステム。
  5. 【請求項5】 前記加重値記憶装置は,ブロッキング発
    生時に,再びビームをスキャニングして,最大の受信電
    界を持つ新しいビームの方向を探索することを特徴とす
    る,請求項4に記載の送受信適応位相配列アンテナシス
    テム。
  6. 【請求項6】 前記ビーム制御部は,マイクロプロセッ
    サまたはDSPチップから構成されており,アンテナの
    ビーム方向を調節し,各方向から受信される電界強度を
    比較して最大の受信方向にビームを動かすことを特徴と
    する,請求項1,2,3,4,または5のいずれかに記
    載の送受信適応位相配列アンテナシステム。
  7. 【請求項7】 前記ビーム制御部は,受信電界が一定値
    の以下となる場合に,再びビームをスキャニングして新
    しい最適経路を探索し,探索した加重値を前記加重値記
    憶装置に再び記憶させることを特徴とする,請求項6に
    記載の送受信適応位相配列アンテナシステム。
  8. 【請求項8】 前記振幅検出部は,前記配列アンテナ部
    から受信される信号の振幅を検査してビーム制御部に伝
    達することを特徴とする,請求項1,2,3,4,5,
    6,または7のいずれかに記載の送受信適応位相配列ア
    ンテナシステム。
  9. 【請求項9】 前記アンテナは,前記受信回路部と接続
    された場合には受信専用アンテナとして機能し,前記送
    信回路部と接続された場合には,送信専用アンテナとし
    て機能することを特徴とする,請求項1,2,3,4,
    5,6,7,または8のいずれかに記載の送受信適応位
    相配列アンテナシステム。
  10. 【請求項10】 基本アンテナ素子が空間的に配列され
    ている配列アンテナ部と;前記配列アンテナ部から受信
    信号を入力する給電部と;前記給電部から入力される信
    号を合成して一の信号として出力する電力結合部と;前
    記受信された信号の振幅を検出する振幅検出部と;前記
    振幅検出部から所定の振幅の信号を選択して入力するビ
    ーム制御ユニットと;前記ビーム制御ユニットから,選
    択された方向に合う加重値を前記給電部に供給するよう
    に命令を下す加重値記憶装置と;前記電力結合部の出力
    信号を入力する受信回路部とから成ることを特徴とす
    る,受信適応位相配列アンテナシステム。
  11. 【請求項11】 前記ビーム制御部は,マイクロプロセ
    ッサまたはDSPチップで構成されることを特徴とす
    る,請求項10に記載の受信適応位相配列アンテナシス
    テム。
  12. 【請求項12】 前記給電部は,増幅器または減衰器お
    よび位相変移器で構成されることを特徴とする,請求項
    10,または11に記載の受信適応位相配列アンテナシ
    ステム。
  13. 【請求項13】 前記給電部は,各アンテナ素子から受
    信される信号に対して,前記ビーム制御ユニットによっ
    て決められた通りに振幅と位相を変化させることを特徴
    とする,請求項10,11,または12のいずれかに記
    載の受信適応位相配列アンテナシステム。
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