JPH11126337A - 露光方法、露光装置および光ディスク原盤の製造方法 - Google Patents

露光方法、露光装置および光ディスク原盤の製造方法

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JPH11126337A
JPH11126337A JP9291069A JP29106997A JPH11126337A JP H11126337 A JPH11126337 A JP H11126337A JP 9291069 A JP9291069 A JP 9291069A JP 29106997 A JP29106997 A JP 29106997A JP H11126337 A JPH11126337 A JP H11126337A
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laser beam
laser beams
light intensity
exposure
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JP9291069A
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Shingo Imanishi
慎悟 今西
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Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 複数のレーザービームによって、露光を行う
に当たり、各ビームに関して個別に変調または/および
偏向を行い、各ビームに関してその変調または/および
偏向のタイミング、各レーザースポットの相互の位置を
正確に設定することができるようにする。 【解決手段】 被露光面Sに、複数のレーザービームを
同期して変調素子103AOM1 、103AOM2 によ
って光強度変調または/および偏向して、被露光面Sに
集光させ、この被露光面の所定領域に複数のレーザービ
ームスポットの照射を行う。そして、その複数のレーザ
ービームの光強度変調の遅延時間の差または/および被
露光面でのレーザービームスポットの位置を検出し、こ
れによって変調素子の変調時間または/および偏向を制
御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、被露光面、例えば
感光剤層に対するレーザービーム照射によるパターン露
光を行う露光方法および露光装置、更に同様にパターン
露光を経て光ディスク作製に用いられるスタンパーの原
盤作製を行う、露光方法、露光装置および光ディスク原
盤の製造方法に関わる。
【0002】
【従来の技術】例えばCD(Compact Disc)−ROM
(Read Only Memory) や、光磁気ディスク等の光ディス
クにおいては、図3にその斜視図を示すように、ディス
ク基板1上の信号記録領域2に、図4AおよびBにそれ
ぞれ光ディスクの一部を断面とした要部の概略斜視図を
示すように、微細凹凸が形成される。この微細凹凸は、
例えば連続溝によるグルーブ3あるいはピット4の列
が、トラック毎に所定のトラックピッチ例えば1μm〜
2μmのトラックピッチをもってスパイラル状に形成さ
れる。この微細凹凸が形成された信号記録面には、光反
射膜や保護膜、また記録可能な相変化型あるいは光磁気
記録型等の光ディスクにおいては相変化膜あるいは、磁
性膜が形成されてこれの上に上述した光反射膜や保護膜
の形成がなされる。そして、例えば上述記録可能な光デ
ィスクにおいては、一般的に、グルーブ3間のいわゆる
ランドを記録部とし、グルーブ3をトラッキング用の光
反射部として用いる。
【0003】これら光ディスクにおいて、そのグルーブ
3やピット4の列を、半径方向に蛇行いわゆるウォブリ
ングさせた構成として、その周期の変化をアドレス情報
として用いるようになされたものもある。
【0004】これら光ディスクに対する再生や、記録可
能な光ディスクに対する光記録は、ディスクを回転させ
ながら、一般に基板1の記録面側とは反対側の裏面から
レーザー光を照射して行う。そして、再生専用の例えば
CD−ROMにおいては、ピット4からの反射、回折光
を検出することで情報の読み出しおよびトラッキングを
行うようにしている。また、記録可能な光ディスクで
は、その照射レーザー光によって例えばそのランド部上
の記録層に光学的に情報の書き込み(記録)がなされ、
反射光によって記録情報の読み出し(再生)がなされ、
その記録または再生用のレーザー光は、常に所定のトラ
ック上に照射されるように、例えばグルーブ3からの反
射光を検出してトラッキングがなされるようにしてい
る。
【0005】上述の微細凹凸の形成は、例えば射出成形
によってディスク基板1の成形と同時に成形するとか、
ディスク基板1上に例えば紫外線硬化樹脂層を塗布形成
してこれに微細凹凸を形成するいわゆる2P(Photo Po
lymer)法等によって作られる。
【0006】これら射出成形法や2P法のいずれにおい
ても、ディスク基板1に形成する微細凹凸が反転したパ
ターンによる微細凹凸が形成されたスタンパーが用いら
れる。例えば射出成形においては、その成形金型のキャ
ビィティ内に、上述の反転パターンによるスタンパーが
配置されて、樹脂の射出成形によってスタンパーの凹凸
が転写されたディスク基板を成形するものであり、また
2P法による場合にはディスク基板上に塗布された例え
ば紫外線硬化型樹脂層に対しスタンパーを押圧して、微
細凹凸の形成を行い、その後、紫外線照射による硬化処
理を行ってスタンパー上の微細凹凸が転写されたディス
クを形成するという方法が採られる。
【0007】このような微細凹凸を形成するスタンパー
の作製方法を、図5の各製造工程における斜視図を参照
して説明する。この場合、先ず図5Aに示すように、表
面が平滑鏡面に仕上げられた円板状の基板11例えばガ
ラス基板を用意する。図5Bに示すように、この基板1
1の平滑鏡面上に例えばポジティブフォトレジストによ
る感光剤層12を回転塗布法等によって所要の厚さ、例
えば0.1μmの厚さに塗布する。そして、この感光剤
層12に対して所要のパターン露光を行う。すなわち、
図5Cに示すように、基板11をその中心軸を中心に回
転させながら、レーザービーム27をレンズ28によっ
て感光剤層12上に集光して照射し、グルーブまたはピ
ットの潜像29を形成する。
【0008】このようにしてパターン露光された感光剤
層12を現像する。このようにすると、図6Aあるいは
Bにそれぞれその一部の斜視図を示すように、基板11
上に、感光剤層12が所定の露光パターンに応じて除去
されたグルーブもしくはピットが形成されてなる微細凹
凸13が形成されたディスク原盤14が得られる。
【0009】このようにして形成されたディスク原盤1
4を用いてスタンパーを作製する。このスタンパーの作
製は、図7Aに示すように、ディスク原盤14の微細凹
凸13が形成された面に、金属層15をNiメッキによ
って形成し、金属層15を、ディスク原盤14より剥離
する。このようにすると、同図Bに示すように、ディス
ク原盤14の微細凹凸13が反転したパターンの微細凹
凸16が形成された金属層15によるスタンパー17が
形成される。
【0010】このようにして形成したスタンパー17を
用いて、図8に示すように、前述した射出成形、あるい
は2P法によってスタンパー17の微細凹凸16が反転
したパターンの微細凹凸18すなわちグルーブ3やピッ
ト4が形成された光ディスク11を得ることができる。
この場合、ディスク原盤14からスタンパー17をNi
メッキによって形成した場合であるが、ディスク原盤1
4からNiメッキによっていわゆるマスターの作製を行
い、これを転写させることによっていわゆるマザーを作
製し、これからの転写によってスタンパーの作製を行う
ようにすることもできる。
【0011】ところで、ASMO(Advanced Storage M
agneto Optical Disk)フォーマットによる光ディスク
は、図9にそのパターン図を示すように、グルーブ70
間に形成されたランド71に、外部同期信号取得用のク
ロックマークと呼ばれるピット72が形成される。図9
において斜線を付して示す部分が凹部となる部分すなわ
ちグルーブ70およびクロックマークピット72部分を
示す。このクロックマークピット72は、ディスクへの
記録再生のタイミングを決定するものであり、したがっ
て、その位置の精度は高く保つ必要がある。このクロッ
クマークピット72の大きさは、そのスタンパーの作
製、したがって、上述した原盤の作製時の感光剤層に対
する露光におけるレーザービームの集光スポットよりも
大きいものであり、1つのレーザービームスポットでは
この形状に露光することができない。
【0012】そこで、このフォトーマットによる光ディ
スクを作製するディスク原盤の作製における図5Cで説
明した感光剤層へのパターン露光に当たっては、図10
に2つの露光ビームスポットの走査軌跡をb1 およびb
2 として示すように、2つの露光ビームスポットを用い
て、これらを平行走査して露光することによって各グル
ーブ70を形成するための露光潜像Gを形成する。そし
て各潜像G間のランド71の形成部Lに対しての走査
は、潜像Gの形成において、クロックマークピット72
の形成部に隣接する位置で、両ビームの走査位置を、潜
像Gの形成位置より矢印m1 およびm2 に示すように、
両側に移行、すなわちウォブリングさせる。このように
して両側への移行によって互いに接近された2つの露光
ビームスポットの走査によって1つのクロックマークピ
ット72を形成するための潜像Cを形成する。
【0013】このような露光処理を行い、前述した原盤
の作製、スタンパーの作製を行い、これを用いて光ディ
スクの作製を行えば、1つの露光ビームスポットより幅
広のピットによるクロックマークピット72が形成され
たASMOフォトーマットによる光ディスクを作製する
ことができる。
【0014】しかしながら、この方法による場合、2つ
の露光ビームにわずかなタイミングのずれがあっても、
図11に示すように、クロックマークピット72にずれ
が生じる。
【0015】また、図12に示すように、2つの露光ビ
ームを用いて両側ウォブル入りのランド/グルーブ構成
によるパターンを得る場合においても、同様に、両者に
タイミングのずれが存在すれば、図13に示すように、
Δdのずれが生じる。
【0016】上述した光ディスクの作製、特にそのディ
スク原盤の作製等における感光剤層に対する露光を行う
レーザービームは、露光パターンに応じた光強度変調、
具体的にはオン・オフがなされるものであるが、このレ
ーザービームの変調手段としては、例えばAOM(Acou
sto-Optic Modulator;音響光学変調素子) を用いること
ができる。すなわち、図14に模式的に示すように、A
OM21は、その光学結晶に超音波22を入射すること
によって光学結晶内に屈折率の粗密波を形成するもので
あり、この粗密波によって形成される回折格子に対し
て、ブラッグ条件を満たす角度で入射した入射レーザー
ビーム23はブラッグ回折され、そのまま透過光24と
して透過する0次光に対して所定の回折角をもって回折
される例えば1次回折光25が得られる。この回折光の
光強度は、結晶に入射する超音波22の強度に依存す
る。つまり、超音波22のオン・オフにより回折光の有
無の選択を行うことができる。したがって、この1次回
折光25を露光レーザービームとして用いることによ
り、超音波22の制御例えばオン・オフによって露光レ
ーザービームの強度変調、すなわちオン・オフを行うこ
とができる。
【0017】上述した複数例えば2つのレーザービーム
は、1つのレーザーからのレーザービームを光学的に分
離することによって形成できるものであり、このように
複数のビームを、各ビームに関して個別に変調と偏向を
行って後、共通の集光レンズ、すなわち対物レンズによ
って集光して露光する方法によるときは、比較的簡潔な
構成で、複雑な形状の露光を行うことができる。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述したA
OMに変調信号を入射すると、その信号を反映してAO
Mの光学結晶内部に超音波が伝搬し、回折格子が生成さ
れるまでに時間が掛かる。この時間は、超音波発生部か
ら入射光を回折する位置までの超音波の伝搬時間に相当
する。このため、複数のレーザービームを個別のAOM
によって変調する場合、レーザービーム間の変調のタイ
ミングにずれが生じるという問題があり、このようなタ
イミングのずれによって前述した図11もしくは図13
で示した状態が生じる。
【0019】このような複数のレーザービームの変調の
タイミングを合わせるには、レーザービームをAOMの
光学結晶に入射させる位置を再調整する必要がある。し
かしながら、この再調整によって微小ではあるが、変調
されたビームの出射方向が変化することから、再度この
出射方向の変化による進行方法の調整等が必要になると
いう問題が生じる。
【0020】また、AOMの変調タイミングが複数のレ
ーザービーム間で一致したとしても、これら複数のレー
ザービームを共通の対物レンズの光軸に対して同一集光
状態に集光させて、相互が所定の位置関係に、すなわ
ち、例えば互いの光軸を所定の微小間隔を保持してほぼ
一致するように各スポットを形成するとは限られない。
【0021】また、複数のレーザービームの集光スポッ
トの位置補正は、AOMと対物レンズとの間の光路にミ
ラー等の光学部品を配置することによって行うことが考
えられるが、この集光スポット位置の調整には通常10
nm程度の精度が要求されるものであり、この調整を手
動で行うことには無理がある。
【0022】一方、AOMは、その光学結晶に印加する
超音波の周波数によってその回折格子の間隔が変化する
ことから、超音波の周波数を制御することによってその
回折光の出射角を偏向することができる。つまり、この
回折光を用いることによって、このAOMを偏向素子と
して用いることができる。
【0023】このように、AOMはレーザービームの変
調と偏向とを行うことができることから、共通のAOM
でこれら変調と偏向とを同時に行うようにすることがで
きる。特に、前述したように、複数例えば2つのレーザ
ービームスポットによって露光処理を行う場合、各レー
ザービームに関してそれぞれ、その光強度変調と偏向と
を必要とすることから、各ビームに関してそれぞれ1つ
のAOMでこれら変調と偏向とを同時に行うようにする
ことによって構成の簡略化に大きく貢献することができ
る。
【0024】しかしながら、このAOMを偏向素子とし
て動作させるには、AOMにレーザービームが、或る程
度の広がりをもって入射させる必要があり、一方、AO
Mは、これに入射させるレーザービーム径が大きいと、
変調の周波数を高くすることができないことから、同一
AOMによって光強度変調と偏向とを同時に行わしめる
には問題がある。
【0025】本発明においては、これら諸問題の解決を
はかることができるようにする。すなわち本発明におい
ては、複数のレーザービームによって、露光がなされる
ようにし、各ビームに関して個別に光強度変調を行い、
しかも各ビームに関してその変調のタイミングを正確に
一致させることができるようにする。
【0026】また、本発明においては、複数のレーザー
ビームによって、露光がなされるようにし、各ビームに
関して個別に偏向を行い、しかも各ビームに関してその
偏向のタイミングを正確に一致させることができるよう
にする。
【0027】更に、本発明においては、複数のレーザー
ビームに関して個別に設けた光学素子AOMによって変
調と偏向とを同時に、しかもそれぞれの変調と偏向とを
良好に行うことができるようにして、構造および操作の
簡潔化をはかる。
【0028】
【課題を解決するための手段】本発明による露光方法に
おいては、被露光面に、複数のレーザービームを同期し
て光強度変調し、被露光面に集光させてこの被露光面の
所定領域に複数のレーザービームスポットの照射を行
う。そして、その複数のレーザービームの光強度変調の
遅延時間の差を検出し、この遅延時間の差の検出情報に
より、各レーザービームに対する光強度変調の入力信号
相互の遅延量を制御して複数のレーザービームの光強度
変調のタイミングを合せ込んで、その露光を行う。
【0029】また、本発明による露光方法においては、
被露光面に、複数のレーザービームを同期して偏向し、
被露光面にそれぞれ集光させる。このとき、被露光面と
この被露光面に対するレーザービームスポットとは相対
的に移動させる。そして、これらレーザービームスポッ
トの相互の位置を検出し、この位置の情報によって各レ
ーザービームスポット間の距離を合せ込むようにしてそ
の露光を行う。
【0030】本発明による露光装置は、複数のレーザー
ビームの形成手段と、複数のレーザービームを同期して
光強度変調する手段と、複数のレーザービームを、被露
光面に集光させるレンズ系と、複数のレーザービームの
光強度変調の遅延時間の差を検出する検出手段と、この
検出手段からの遅延時間の差の検出情報により、各レー
ザービームに対する光強度変調の入力信号相互の遅延量
を制御してこれら複数のレーザービームの光強度変調の
タイミングを合せ込む制御手段とが設けられた構成とす
る。
【0031】また、本発明による露光装置は、被露光面
に、複数のレーザービームを同期して偏向する手段と、
被露光面に上記複数のレーザービームを集光する手段
と、被露光面とこの被露光面に対するレーザービームス
ポットを相対的に移動させる手段と、複数のレーザービ
ームスポットの相互の位置を検出する検出手段と、この
位置の検出手段による位置の情報により、各レーザービ
ームスポット間の距離を合せ込む制御手段とが設けられ
た構成とする。
【0032】本発明による光ディスク原盤の製造方法に
おいては、基板上の感光剤層に対してパターン露光処理
と、現像処理とを行って上記基板上の感光剤層のパター
ン化を行い、この感光剤層のパターンによる微細凹凸が
形成された光ディスク作製用のスタンパーを形成する光
ディスク原盤を作製する光ディスク原盤の製造方法にお
いて、感光剤層に対するパターン露光処理を、感光剤層
による被露光面に、複数のレーザービームを同期して光
強度変調し、被露光面に集光させて被露光面の所定領域
に複数のレーザービームスポットの照射を行い、複数の
レーザービームの光強度変調の遅延時間の差を検出し、
該遅延時間の差の検出情報により、上記各レーザービー
ムに対する光強度変調の入力信号相互の遅延量を制御し
て複数のレーザービームの光強度変調のタイミングを合
せ込む露光方法によって行う。
【0033】また、本発明による光ディスク原盤の製造
方法においては、基板上の感光剤層に対してパターン露
光処理と、現像処理とを行って基板上の感光剤層のパタ
ーン化を行い、この感光剤層のパターンによる微細凹凸
が形成された光ディスク作製用のスタンパーを形成する
光ディスク原盤を作製する光ディスク原盤の製造方法に
おいて、感光剤層による被露光面に、複数のレーザービ
ームを同期して偏向し、被露光面に複数のレーザービー
ムを集光させ、被露光面とこの被露光面に対するレーザ
ービームスポットを相対的に移動させ、複数のレーザー
ビームスポットの相互の位置を検出し、この位置の情報
により、各レーザービームスポット間の距離を合せ込む
露光方法によって行う。
【0034】上述の本発明による露光方法および露光装
置によれば、その被露光面、例えば感光剤層に対する露
光を、複数のレーザービームを用いて行うことから、複
雑な形状、例えばウォブリングさせた形状のパターン露
光が可能となり、また、1つのビームスポット径より幅
広の露光パターンを形成することができるなどの効果を
奏する。また、このように複数のレーザービームに対
し、個別に変調、偏向のいずれか、あるいはその双方を
行うにもかかわらず、これら相互の遅延、位置の検出を
行いこれによって、その変調、偏向の制御、したがっ
て、補正を行うので、確実に高精度に目的とするパター
ンの露光を行うことができる。
【0035】
【発明の実施の形態】本発明による実施の形態を説明す
る。本発明による露光方法および露光装置は、例えば感
光剤層、例えばフォトレジスト層に対してパターン露光
を行う場合に適用する。
【0036】本発明による露光方法においては、被露光
面に、複数のレーザービームを同期して光強度変調し、
被露光面に集光させてこの被露光面の所定領域に複数の
レーザービームスポットの照射を行う。そして、その複
数のレーザービームの光強度変調の遅延時間の差を検出
し、この遅延時間の差の検出情報により、各レーザービ
ームに対する光強度変調の入力信号相互の遅延量を制御
して複数のレーザービームの光強度変調のタイミングを
合せ込んで、その露光を行う。
【0037】また、この露光方法において、被露光面と
この被露光面に対して照射する複数のレーザービームス
ポットとを相対的に移動させ、これらレーザービームス
ポットの相互の位置を検出し、この位置の情報により、
各レーザービームに対する光強度変調のタイミングを合
せ込む。
【0038】また、前述の露光方法いおいて、その複数
のレーザービームを同期して光強度変調を行うととも
に、複数のレーザービームを同期して偏向して、被露光
面に集光させ、被露光面とこの被露光面に対するレーザ
ービームスポットを相対的に移動させ、上記複数のレー
ザービームスポットの相互の位置を検出し、この位置の
情報により、各レーザービームスポットの偏向のタイミ
ングを合せ込む。
【0039】更に、本発明による露光方法においては、
被露光面に、複数のレーザービームを同期して偏向し、
被露光面にそれぞれ集光させる。このとき、被露光面と
この被露光面に対するレーザービームスポットとは相対
的に移動させる。そして、これらレーザービームスポッ
トの相互の位置を検出し、この位置の情報によって各レ
ーザービームスポット間の距離を合せ込むようにしてそ
の露光を行う。
【0040】そして、本発明による露光装置は、複数の
レーザービームの形成手段と、複数のレーザービームを
同期して光強度変調する手段と、複数のレーザービーム
を、被露光面に集光させるレンズ系と、複数のレーザー
ビームの光強度変調の遅延時間の差を検出する検出手段
と、この検出手段からの遅延時間の差の検出情報によ
り、各レーザービームに対する光強度変調の入力信号相
互の遅延量を制御してこれら複数のレーザービームの光
強度変調のタイミングを合せ込む制御手段とが設けられ
た構成とする。
【0041】また、この露光装置において、被露光面と
この被露光面に対するレーザービームスポットを相対的
に移動させる手段と、複数のレーザービームスポットの
相互の位置を検出する手段と、この位置検出手段からの
レーザービームスポット相互の位置の検出情報により、
各レーザービームに対する光強度変調のタイミングを合
せ込む制御手段とが設けられた構成とする。
【0042】さらに、前述の露光装置において、被露光
面とこの被露光面に対するレーザービームスポットを相
対的に移動させる手段と、複数のレーザービームを同期
して光強度変調を行うとともに、複数のレーザービーム
を同期して偏向する変調偏向手段と、複数のレーザービ
ームスポットの相互の位置を検出する手段と、この位置
検出手段からの位置の検出情報により、各レーザービー
ムに対する偏向のタイミングを合せ込む制御手段とを具
備する構成とする。
【0043】また、本発明の露光装置は、被露光面に、
複数のレーザービームを同期して偏向する偏向手段と、
被露光面に上記複数のレーザービームを集光する手段
と、被露光面と該被露光面に対するレーザービームスポ
ットを相対的に移動させる手段と、複数のレーザービー
ムスポットの相互の位置を検出する検出手段と、この位
置の検出手段による位置の情報により、記各レーザービ
ームスポット間の距離を合せ込む制御手段とが設けられ
た構成とする。
【0044】また、本発明による光ディスク原盤の製造
方法は、光ディスクを射出成形法、あるいは2P法等に
よって作製する場合に用いられるスタンパーを、図7で
説明したように転写して得るために、図5および図6で
説明した製造方法に適用できるものであり、上述した露
光方法、露光装置を用いて作製することができるもので
ある。
【0045】すなわち、 この本発明による光ディスク
原盤の作製方法は、基板上の感光剤層に対してパターン
露光処理と、現像処理とを行って基板上の感光剤層のパ
ターン化を行い、この感光剤層のパターンによる微細凹
凸が形成された光ディスク作製用のスタンパーを形成す
る光ディスク原盤を作製する光ディスク原盤の製造方法
であり、その感光剤層に対するパターン露光処理を、そ
の感光剤層による被露光面に、複数のレーザービームを
同期して光強度変調し、被露光面に集光させて被露光面
の所定領域に複数のレーザービームスポットの照射を行
い、複数のレーザービームの光強度変調の遅延時間の差
を検出し、この遅延時間の差の検出情報により、各レー
ザービームに対する光強度変調の入力信号相互の遅延量
を制御して複数のレーザービームの光強度変調のタイミ
ングを合せ込む露光方法によって行う。
【0046】また、本発明による光ディスク原盤の製造
方法は、感光剤層に対するパターン露光処理を、この感
光剤層による被露光面とこの被露光面に対するレーザー
ビームスポットを相対的に移動させ、複数のレーザービ
ームスポットの相互の位置を検出し、この位置の情報に
より、各レーザービームに対する光強度変調のタイミン
グを合せ込む。
【0047】また、本発明による光ディスク原盤の製造
方法は、感光剤層に対するパターン露光処理を、複数の
レーザービームを同期して光強度変調を行うとともに、
複数のレーザービームを同期して偏向して、被露光面に
集光させ、被露光面とこの被露光面に対するレーザービ
ームスポットを相対的に移動させ、複数のレーザービー
ムスポットの相互の位置を検出し、該位置の情報によ
り、各レーザービームスポットの偏向のタイミングを合
せ込む。
【0048】更に、本発明による光ディスク原盤の製造
方法は、基板上の感光剤層に対してパターン露光処理
と、現像処理とを行って基板上の感光剤層のパターン化
を行い、この感光剤層のパターンによる微細凹凸が形成
された光ディスク作製用のスタンパーを形成する光ディ
スク原盤を作製する光ディスク原盤の製造方法であり、
その露光処理において、感光剤層による被露光面に、複
数のレーザービームを同期して偏向し、被露光面に上記
複数のレーザービームを集光させ、被露光面と該被露光
面に対するレーザービームスポットを相対的に移動さ
せ、複数のレーザービームスポットの相互の位置を検出
し、この位置の情報により、各レーザービームスポット
間の距離を合せ込む。
【0049】図1は、本発明による露光装置の一例の概
略構成を示すものである。図1を参照して、この本発明
装置を詳細に説明するとともに、本発明による露光方法
の一例を説明する。この例においては、例えば図9、図
10および図12で説明したASMOフォトーマットに
よる例えばランド部にクロックマークピットを有する微
細凹凸が形成される光ディスク、あるいは両側ウォブル
入りのランド/グルーブを有する微細凹凸が形成される
光ディスクを作製するスタンパーを得るための光ディス
ク原盤を作製する場合等に用いることができ、この場
合、2本のレーザービームスポットによる露光を行う例
であるが、本発明においては、2本のレーザービームに
よる場合に限られるものではない。
【0050】そして、この場合、その露光がなされる被
露光面Sは、基板11例えば表面が平滑鏡面とされた円
板状ガラス基板上に、例えばポジティブ型のフォトレジ
ストによる感光剤層12が、例えば回転塗布法によっ
て、厚さ0.1μmに塗布されてなる。
【0051】そして、この例においては、レーザー10
0、例えばアルゴンイオンレーザー、クリプトンレーザ
ー等の気体レーザー100が設けられ、これよりのレー
ザービームLBを、複数のレーザービーム、この例では
第1および第2のレーザービームLB1 およびLB2
分離する複数のレーザービーム形成手段101が設けら
れる。このレーザービーム形成手段101は、例えばビ
ームスプリッタ101BSと必要に応じて設けられたミ
ラー101Mによって構成することができ、ビームスプ
リッタ101BSによってレーザービームLBを一部反
射させて第1のレーザービームLB1 を形成し、一部を
透過させミラー101Mによって反射させてビームスプ
リッタ101BSによって反射された第1のレーザービ
ームLB1 の光軸と平行をなす光軸を有する第2のレー
ザービームLB2 を形成する。
【0052】このレーザービーム形成手段101から
の、各レーザービームLB1 およびLB2 の光路上にそ
れぞれ第1および第2の集光レンズ102L1 および1
02L2 と、この例においては各レーザービームLB1
およびLB2 の光強度変調と偏向とを行わしめる第1お
よび第2のそれぞれAOMよりなる変調素子103AO
1 および103AOM2 とを設ける。
【0053】これら変調素子103AOM1 および10
3AOM2 には、これら変調素子103AOM1 および
103AOM2 からの図14で説明した透過光すなわち
0次光を遮断し、1次回折光のみを取り出すスリット
(図示せず)を配置し、変調素子103AOM1 および
103AOM2 よりの1次回折光によるLB1 およびL
2 を、それぞれコリメートレンズ104L1 および1
04L2 と、第1および第2のビームスプリッタ105
BS1 および105B2 とを設ける。そして、更に、こ
れらビームスプリッタ105BS1 および105BS2
を透過した一部のレーザービームをそれぞれ受光してそ
の受光量を検出する第1および第2の光検出素子PD1
およびPD2 例えばフォトダイオードとを設ける。
【0054】一方、光強度変調の遅延時間の差を検出す
る検出手段124が設けられ、これら光検出素子PD1
およびPD2 から得た変調後のレーザービームLB1
よびLB2 の光強度信号P1 およびP2 を入力し、この
検出手段124によって、両レーザービームの変調の遅
延時間の差すなわちタイミング差Δt1 を検出する。
【0055】また、第1のビームスプリッタ105BS
1 で反射されたレーザービームLB1 の反射ビームの光
軸上に、順次1/2波長板106、偏光ビームスプリッ
タ107PBS、1/4波長板108、ミラー109M
を配置する。
【0056】また、第2のビームスプリッタ105BS
2 で反射されたレーザービームLB2 の途上にはミラー
111Mを設け、レーザービームLB2 を、上述の偏光
ビームスプリッタ107PBSに入射させる。
【0057】偏光ビームスプリッタ107PBSは、例
えばP波を効率良く透過し、S波を効率良く反射するも
ののS波に対しても幾分の透過率を示す構成とされる。
【0058】被露光面Sと、これに照射される上述の第
1および第2のビームスポットとは相対的に移動される
ように移動手段が設けられる。この移動手段としては、
被露光面Sすなわちこの例では円板状の基板11が、そ
の中心軸を中心として回転するように、図示しないが、
回転台に配置される。
【0059】また、上述の第1のビームスプリッタ10
5BS1 の背部に、このビームスプリッタ105BS1
によるレーザービームLB1 の反射光軸の延長上に、ミ
ラー118Mを配置し、このミラー118Mによって被
露光面Sからの反射光、すなわち戻り光の一部を反射さ
せて、集光レンズ119Lによって、例えばCCD(チ
ャージ・カプルド・デバイス)型の撮像素子120によ
って撮像し、その撮像信号を、レーザービームスポット
相互の位置を検出する位置検出手段123に入力する。
この位置検出手段は、例えば被露光面S上の両レーザー
ビームスポットの映像SP1 およびSP2 を映出する画
像モニターを有し、画像処理によって基板11の半径方
向の間隔Δrと、これと直交する方向、すなわち回転方
向の間隔Δxを検出する。
【0060】そして、変調遅延時間検出手段124と、
位置検出手段123からの各検出情報によって第1およ
び第2の変調素子103AOM1 および103AOM2
の変調、偏向のタイミング、および偏向量の制御を行う
制御手段125を設ける。
【0061】上述の構成において、1/2波長板106
と、1/4波長板108とは、被露光面Sに照射され、
これから反射されたレーザービームLB1 およびLB2
のレーザー100への戻り光を減少させるために設けら
れたものである。
【0062】上述の本発明装置においては、レーザー1
00からのレーザービームLBをレーザービーム形成手
段101のビームスプリッタ101BSによってその一
部を反射させ、一部を透過することによって2つのレー
ザービームに分離するものであり、さらにこのビームス
プリッタ101BSの透過レーザービームをミラー10
1Mによって反射させて、それぞれ所定の光軸方向、例
えば互いに平行の光軸方向とされた第1および第2のレ
ーザービームLB1 およびLB2 を得る。そして、これ
らレーザービームLB1 およびLB2 の光軸上に集光レ
ンズ102Lおよび102L が配置されるもので
あるが、これら集光レンズ102L1 および102L2
と、変調素子103AOM1 および103AOM2 の位
置関係は、図2に示すように、第1および第2の集光レ
ンズ102L1 および102L2 の焦点位置Fが、それ
ぞれ第1および第2の変調素子103AOM1 および1
03AOM2 よりわずかにずれた例えば手前に位置する
ように選定する。このずれの量は、AOMによる変調を
損なうことがない程度に、AOMに対する入射光が集光
され、しかもAOMによって偏向効果が得られる程度の
ビームの広がりが得られるようにする。例えば第1およ
び第2の各集光レンズ102L1 および102L2 の焦
点距離が80mmのとき、この焦点位置FとAOMによ
る第1および第2の変調素子103AOM1 および10
3AOM2 との間隔は10mmとすることができる。
【0063】第1および第2の変調素子103AOM1
および103AOM2 は、相互に同期させて、第1およ
び第2のレーザービームLB1 およびLB2 に対する光
強度変調と偏向とを行う変調信号と偏向信号とを供給す
る。
【0064】そして、これら第1および第2の変調素子
103AOM1 および103AOM2 によってそれぞれ
光強度変調がなされるとともに、偏向されたビーム、す
なわち1次回折光のみを、スリット(図示せず)を透過
してコリメートレンズ104L1 および104L2 に導
入して平行光とする。このレーザービームLB1 および
LB2 の各一部は、それぞれ第1および第2のビームス
プリッタ105BS1および105BS2 を透過して、
光検出素子PD1 およびPD2 に向かい、これらの出力
が、変調遅延時間検出手段124に入力されて、これに
よって両者の変調の遅延量Δt1 が検出される。
【0065】一方、第1のビームスプリッタ105BS
1 で反射されたレーザービームLB1 は、1/2波長板
106、ビームスプリッタ107PBS、1/4波長板
108、ミラー109M、対物レンズ110を通過して
被露光面S、すなわち感光剤層12に集光されて、被露
光面S、すなわち感光剤層12に対して露光がなされ
る。
【0066】また、第2のビームスプリッタ105BS
2 で反射されたレーザービームLB2 は、ミラー111
Mで反射されて偏光ビームスプリッタ107PBSに入
射し、ここで反射されて、レーザービームLB1 と互い
の光軸が所定の微小間隔をもってほぼ一致させ、同様
に、1/4波長板108、ミラー109M、対物レンズ
110を通過して被露光面S、すなわち感光剤層12に
集光されて、被露光面Sの感光剤層12に対して露光が
なされる。
【0067】したがって、これら第1および第2のレー
ザービームLB1 およびLB2 を、第1および第2の変
調素子103AOM1 および103AOM2 で、それぞ
れ所要の関係をもって同期させて変調するともに、偏向
させてそれぞれのビームスポットをウォブリングさせる
ことができ、これによって、例えば図10および図12
で説明したパターン露光を行うことができる。
【0068】そして、このとき、ビームスプリッタ10
5BS1 および105BS2 を反射した第1および第2
のレーザービームLB1 およびLB2 がS波であるとす
ると、1/2波長板106、偏光ビームスプリッタ10
7PBS、1/4波長板108の存在によって、各第1
および第2のレーザービームLB1 およびLB2 の戻り
光を減少させることができる。すなわち、1/2波長板
106に到来した第1のレーザービームLB1 は、この
1/2波長板106によってP波となり、偏光ビームス
プリッタ107PBSを効率良く透過し、1/4波長板
108を通じて被露光面Sに向かう。そして、これより
反射したレーザービームは、再び1/4波長板108を
通過することによってS波となり、その大部分は、ビー
ムスプリッタ107PBSによって反射され往路に戻る
ことが回避される。しかしながら、偏光ビームスプリッ
タ107PBSにおいて、S波も幾分の透過がなされて
いることから、この透過した光は、ミラー118M、集
光レンズLを通じて撮像素子120に入射する。また、
ビームスプリッタ107PBSに入射したS波の第2の
レーザービームLB2 は、偏光ビームスプリッタ107
PBSで効率良く反射し、1/4波長板108を通じて
被露光面Sに向かう。そして、これより反射したレーザ
ービームは、再び1/4波長板108を通過することに
よってP波となり、その大部分は、ビームスプリッタ1
07PBSを透過することから往路に戻ることが回避さ
れ、これがミラー118M、集光レンズ119Lを通じ
て撮像素子120に入射する。
【0069】このようにして、被露光面Sから第1およ
び第2のレーザービームLB1 およびLB2 は、ともに
その少なくとも一部が撮像素子120に入射することか
ら、位置検出手段123によって、両ビームLB1 およ
びLB2 の位置のずれ、すなわち半径方向成分Δrと回
転方向成分Δxの検出、すなわち位置の情報を得る。
【0070】上述のようにして得た、変調のタイミング
の差の情報(Δt1 )によって、この時間差Δt1 を打
ち消すように、制御手段125によって、各変調素子1
03AOM1 および103AOM2 の入力信号を入力す
るタイミングの調整を行って、Δt1 をゼロとする。こ
れによって変調素子103AOM1 および103AOM
2 自体の微調整を行うことなく相互のタイミングを一致
させることができる。
【0071】また、被露光面Sでのレーザービームスポ
ットの位置の情報によって回転方向成分Δxを持つ場合
には、制御手段125において、まず、その露光位置で
の回転による線速度vでΔxを割る演算を行い、この制
御手段125によって、位置の情報から、露光タイミン
グ補正時間Δt2 を求める。そして、この時間差Δt2
だけ、それぞれ第1および第2の変調素子103AOM
1 および103AOM2 の変調信号を入力するタイミン
グをずらすために、Δt1 を常にΔt2 とする制御を行
い、かつこのとき、同時に偏光のタイミングもΔt2
けずらす制御を制御手段125によって行う。その結
果、被露光面S上の2つのスポットを、ウォブリングさ
せる位置のタイミングを一致させることができる。この
ようにして、回転方向のタイミングが正確に合った露光
が可能となるものである。
【0072】さらに、被露光面S上のスポットの間隔の
半径方向成分Δrを持つ場合には、その大きさに対応し
た間隔だけ、スポットが離れた状態で露光が行われるの
で、この場合、まず、条件出しによって所望の露光間隔
を得るめに必要な半径方向成分Δr0 を予め決定してお
く。そしてΔrが、常にΔr0 となるように、制御手段
125によって第1および第2の変調素子103AOM
1 および103AOM2 の偏向を制御する。このように
することによって、常に安定したランド/グルーブ幅の
比を設定して露光することが可能となる。
【0073】上述の本発明装置および本発明方法によれ
ば、2つのレーザービームスポットを相互に正確に制御
することができ、正確に所定パターン例えばウォブリン
グされた露光パターンの形成ができる。
【0074】そして、このようにして、パターン露光し
た感光剤層12に対し現像処理を行えば、図6で示した
微細凹凸13を有する原盤はもとよりウォブリングされ
たグルーブないしはランドを有する原盤、さらに、図9
および図10、図12で説明したパターンの光ディスク
を得るスタンパーを作製するディスク原盤を得ることが
できる。
【0075】尚、上述した構成では、第1および第2の
変調素子103AOM1 および103AOM2 に対する
レーザービームの集光レンズ102L1 および102L
2 の焦点位置を第1および第2のレザービームLB1
よびLB2 からわずかにずらしたことから、その変調と
偏向とを共通に行うことができるようにしたので、構造
の簡潔化とともに、よりパターン露光を正確に制御する
ことができるものである。しかしながら、ある場合は、
これら光強度変調と偏向とを独立に行う構成とすことも
できる。
【0076】また、上述した例では、パターン露光を2
つのレーザービームスポットによって行う場合について
説明したが、3つ以上スポットすなわち3本以上のレー
ザービームによって行う場合に適用することもできる。
【0077】上述したように、本発明においては複数の
レーザービームによる露光によるものであるが、1つの
レーザービームスポットへの適用も容易に考えうるとこ
ろである。
【0078】
【発明の効果】上述したように、本発明によれば、複数
のレーザービームによって、露光がなされるようにし、
各ビームに関して個別に光強度変調を行い、しかも各ビ
ームに関してその変調のタイミングを正確に一致させる
ことができるものである。
【0079】また、本発明によれば、複数のレーザービ
ームによって、露光がなされるようにし、各ビームに関
して個別に偏向を行い、しかも各ビームに関してその偏
向のタイミングを正確に一致させることができるもので
ある。
【0080】更に、本発明によれば、複数のレーザービ
ームに関して個別に設けた光学素子AOMによって変調
と偏向とを同時に、しかもそれぞれの変調と偏向とを良
好に行うことができることから、露光装置の構造および
操作の簡潔化をはかることができるものであり、その工
業的利益は大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による露光装置の一例の構成図でる。
【図2】本発明の説明に供する光路図である。
【図3】光ディスクの一例の斜視図である。
【図4】AおよびBは、それぞれ光ディスクの例の一部
の斜視図である。
【図5】A、BおよびCは、光ディスク原盤を作製する
露光作業の工程図である。
【図6】AおよびBは、それぞれ光ディスク原盤の例の
一部の斜視図である。
【図7】AおよびBは、それぞれスタンパーの作製の工
程図である。
【図8】AおよびBは、それぞれ光ディスクの作製の工
程図でる。
【図9】光ディスクの一例のフォーマットのパターン図
である。
【図10】図9のパターンを得る露光方法の説明図であ
る。
【図11】露光パターンのずれを示す図である。
【図12】光ディスクの他のパターンを示す図である。
【図13】露光パターンのずれを示す図である。
【図14】光学変調素子の動作説明図である。
【符号の説明】
LB・・・レーザービーム、LB1 およびLB2 ・・・
第1および第2のレーザービーム、100・・・レーザ
ー、101・・・複数レーザービーム形成手段、101
BS・・・ビームスプリッタ、101M・・・ミラー、
102L1 および1021 および102L2 ・・・第1
および第2のの集光レンズ、103AOM1 および10
3AOM2 ・・・第1および第2の変調素子、104L
1 および104L2 ・・・第1および第2のコレメート
レンズ、105BS1 および105BS2 ・・・第1お
よび第2のビームスプリッタ、PD1 およびPD2 ・・
・光検出素子、106・・・1/2波長板、107PB
S・・・偏向ビームスプリッタ、108・・・1/4波
長板、109M,111M,118M・・・ミラー、1
10・・・対物レンズ、123・・・位置検出手段、1
24・・・変調遅延時間検出手段、125・・・制御手

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被露光面に、複数のレーザービームを同
    期して光強度変調し、上記被露光面に集光させて上記被
    露光面の所定領域に複数のレーザービームスポットの照
    射を行い、 上記複数のレーザービームの光強度変調の遅延時間の差
    を検出し、該遅延時間の差の検出情報により、上記各レ
    ーザービームに対する光強度変調の入力信号相互の遅延
    量を制御して上記複数のレーザービームの光強度変調の
    タイミングを合せ込むことを特徴とする露光方法。
  2. 【請求項2】 上記請求項1に記載の露光方法におい
    て、 上記被露光面と該被露光面に対する上記レーザービーム
    スポットを相対的に移動させ、上記複数のレーザービー
    ムスポットの相互の位置を検出し、該位置の情報によ
    り、上記各レーザービームに対する光強度変調のタイミ
    ングを合せ込むことを特徴とする露光方法。
  3. 【請求項3】 上記請求項1に記載の露光方法におい
    て、 上記複数のレーザービームを同期して光強度変調を行う
    とともに、上記複数のレーザービームを同期して偏向し
    て、上記被露光面に集光させ、上記被露光面と該被露光
    面に対する上記レーザービームスポットを相対的に移動
    させ、上記複数のレーザービームスポットの相互の位置
    を検出し、該位置の情報により、上記各レーザービーム
    スポットの偏向のタイミングを合せ込むことを特徴とす
    る露光方法。
  4. 【請求項4】 被露光面に、複数のレーザービームを同
    期して偏向し、上記被露光面に上記複数のレーザービー
    ムを集光させ、上記被露光面と該被露光面に対するレー
    ザービームスポットを相対的に移動させ、上記複数のレ
    ーザービームスポットの相互の位置を検出し、該位置の
    情報により、上記各レーザービームスポット間の距離を
    合せ込むことを特徴とする露光方法。
  5. 【請求項5】 複数のレーザービームの形成手段と、 上記複数のレーザービームを同期して光強度変調する変
    調手段と、 上記複数のレーザービームを、被露光面に集光させるレ
    ンズ系と、 上記複数のレーザービームの光強度変調の遅延時間の差
    を検出する検出手段と、 該検出手段からの上記遅延時間の差の検出情報により、
    上記各レーザービームに対する光強度変調の入力信号相
    互の遅延量を制御して上記複数のレーザービームの光強
    度変調のタイミングを合せ込む制御手段とを具備するこ
    とを特徴とする露光装置。
  6. 【請求項6】 上記請求項5に記載の露光装置におい
    て、 上記被露光面と該被露光面に対する上記レーザービーム
    スポットを相対的に移動させる手段と、 上記複数のレーザービームスポットの相互の位置を検出
    する手段と、 該位置検出手段からの上記位置の検出情報により、上記
    各レーザービームに対する光強度変調のタイミングを合
    せ込む制御手段とを具備することを特徴とする露光装
    置。
  7. 【請求項7】 上記請求項5に記載の露光装置におい
    て、 上記被露光面と該被露光面に対する上記レーザービーム
    スポットを相対的に移動させる手段と、 上記複数のレーザービームを同期して光強度変調を行う
    とともに、上記複数のレーザービームを同期して偏向す
    る変調偏向手段と、 上記複数のレーザービームスポットの相互の位置を検出
    する手段と、 該位置検出手段からの上記位置の検出情報により、上記
    各レーザービームに対する偏向のタイミングを合せ込む
    制御手段とを具備することを特徴とする露光装置。
  8. 【請求項8】 被露光面に、複数のレーザービームを同
    期して偏向する偏向手段と、 上記被露光面に上記複数のレーザービームを集光する手
    段と、 上記被露光面と該被露光面に対するレーザービームスポ
    ットを相対的に移動させる手段と、 上記複数のレーザービームスポットの相互の位置を検出
    する検出手段と、 該位置の検出手段による位置の情報により、上記各レー
    ザービームスポット間の距離を合せ込む制御手段とを具
    備することを特徴とする露光装置。
  9. 【請求項9】 上記変調手段が、音響光学変調素子より
    なることを特徴とする請求項5に記載の露光装置。
  10. 【請求項10】 上記変調偏向手段が、音響光学変調素
    子よりなり、該音響光学変調素子に対して、集光レンズ
    により上記レーザービームを集光入射するようになさ
    れ、上記音響光学変調素子は、上記集光レンズの焦点距
    離より、移動させて配置して、上記音響光学変調素子に
    より、上記レーザービームの光強度変調効果を保持した
    状態で、偏向動作がなされるようにしたことを特徴とす
    る請求項7に記載の露光装置。
  11. 【請求項11】 上記偏向手段が、音響光学変調素子よ
    りなることを特徴とする請求項8に記載の露光装置。
  12. 【請求項12】 基板上の感光剤層に対してパターン露
    光処理と、現像処理とを行って上記基板上の感光剤層の
    パターン化を行い、該感光剤層のパターンによる微細凹
    凸が形成された光ディスク作製用のスタンパーを形成す
    る光ディスク原盤を作製する光ディスク原盤の製造方法
    において、 上記感光剤層に対するパターン露光処理を、上記感光剤
    層による被露光面に、複数のレーザービームを同期して
    光強度変調し、上記被露光面に集光させて上記被露光面
    の所定領域に複数のレーザービームスポットの照射を行
    い、 上記複数のレーザービームの光強度変調の遅延時間の差
    を検出し、該遅延時間の差の検出情報により、上記各レ
    ーザービームに対する光強度変調の入力信号相互の遅延
    量を制御して上記複数のレーザービームの光強度変調の
    タイミングを合せ込む露光方法によって行うことを特徴
    とする光ディスク原盤の製造方法。
  13. 【請求項13】 上記請求項9に記載の光ディスク原盤
    の製造方法において、 上記感光剤層に対するパターン露光処理を、上記感光剤
    層による被露光面と該被露光面に対する上記レーザービ
    ームスポットを相対的に移動させ、上記複数のレーザー
    ビームスポットの相互の位置を検出し、該位置の情報に
    より、上記各レーザービームに対する光強度変調のタイ
    ミングを合せ込むことを特徴とする光ディスク原盤の製
    造方法。
  14. 【請求項14】 上記請求項12に記載の光ディスクの
    原盤の製造方法において、 上記感光剤層に対するパターン露光処理を、上記複数の
    レーザービームを同期して光強度変調を行うとともに、
    上記複数のレーザービームを同期して偏向して、上記被
    露光面に集光させ、上記被露光面と該被露光面に対する
    上記レーザービームスポットを相対的に移動させ、上記
    複数のレーザービームスポットの相互の位置を検出し、
    該位置の情報により、上記各レーザービームスポットの
    偏向のタイミングを合せ込むことを特徴とする光ディス
    ク原盤の製造方法。
  15. 【請求項15】 基板上の感光剤層に対してパターン露
    光処理と、現像処理とを行って上記基板上の感光剤層の
    パターン化を行い、該感光剤層のパターンによる微細凹
    凸が形成された光ディスク作製用のスタンパーを形成す
    る光ディスク原盤を作製する光ディスク原盤の製造方法
    において、 上記感光剤層による被露光面に、複数のレーザービーム
    を同期して偏向し、上記被露光面に上記複数のレーザー
    ビームを集光させ、上記被露光面と該被露光面に対する
    レーザービームスポットを相対的に移動させ、上記複数
    のレーザービームスポットの相互の位置を検出し、該位
    置の情報により、上記各レーザービームスポット間の距
    離を合せ込むことを特徴とする光ディスク原盤の製造方
    法。
JP9291069A 1997-10-23 1997-10-23 露光方法、露光装置および光ディスク原盤の製造方法 Pending JPH11126337A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2002245688A (ja) * 2001-02-19 2002-08-30 Sony Corp 露光方法、露光装置、光記録媒体製造用原盤及び光記録媒体

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