JPH11125719A - 照明ユニットとそれを用いた液晶表示装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 導光板の反り等による輝度ムラ現象を少なく
できる照明ユニットを提供することを目的とする。 【解決手段】 導光板１の裏面に膨張係数が導光板より
も小さい材質からなる反射板２を接合したため、環境変
化に伴う導光板１の反りを反射板で低減することがで
き、輝度むらや液晶パネルと組み合わせた場合の表示む
らの低減を実現できる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は透過形の液晶パネル
に使用される照明ユニット、及びそれを用いた液晶表示
装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来から、ラップトップタイプやノート
ブックタイプのワードプロセッサ、あるいはパーソナル
コンピュータなど情報機器用の表示装置において、軽量
・薄型・低消費電力などの特徴を生かして液晶表示装置
が多用されている。

【０００３】近年では、このような液晶表示装置のカラ
ー化に伴って、液晶パネルの表示領域をその裏面から照
明するための照明ユニットを内蔵したものが大半を占め
るようになってきた。

【０００４】この照明ユニットは、大きく分けて、ライ
ティングカーテン等の均斉化手段を用いる直下タイプ
と、導光板を用いるエッジライトタイプとに分類される
が、最近では、携帯性を重視したノートブックタイプの
ワードプロセッサやパーソナルコンピュータなどの普及
に伴って、それらに使用される照明ユニットとしてはエ
ッジライトタイプのものが大半となっている。

【０００５】図４に、従来のエッジライトタイプの照明
ユニットを示す。このエッジライトタイプの照明ユニッ
トにおいては、蛍光ランプ２４からの発光を有効に利用
するため、均斉化を施した導光板２１の裏面に導光板の
外形と同等の形状に反射板（または反射シート）２２を
配置している。導光板２１の側面に配置した蛍光ランプ
２４をランプリフレクタ２５で包み込んで構成されてい
る。導光板２１の出射面には、少なくとも１枚以上の拡
散シート２３が配置されている。２６は樹脂製のハウジ
ングである。

【０００６】詳しくは、反射板２２は導光板２１には単
に当接だけ、または反射板２２は導光板２１に静電気な
どで吸着している状態にあって、図４では両者が接合さ
れていない状態を表せないので、ここでは反射板２２と
導光板２１の間に隙間ｇをあけて図示している。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】最近、パソコンユーザ
からの液晶表示装置に対する要望は更に強まり、表示画
面の高密度化、大画面化とともに軽量化の要求が強くな
ってきた。即ち、携帯性を重視したノートパソコン用途
にも表示画面が１３型を超える大型化が要求され、基本
的には重くなる方向の液晶表示装置の軽量化手段や薄型
化が要望されはじめた。

【０００８】ところで、液晶表示装置においては、その
厚みの５０％以上を照明ユニットが占めている状況であ
る。そのため、液晶表示装置の軽量薄型化の最も容易な
方法は、照明ユニットの薄型化であり、特にその重量の
大半を占める導光板の薄型化が加速されている。

【０００９】ノートパソコン用の液晶表示装置に使用さ
れている照明ユニットは、殆どが蛍光ランプ１本の構成
であり、導光板の形状は、蛍光ランプを配置した入光側
が厚く、光源から遠ざかるにつれて薄くなる楔型が一般
的となっている。

【００１０】この楔型の導光板２１の板厚は、入光側で
２〜３mm、反入光側で１mm前後となっている。また、こ
の導光板２１の基本材料は、光学的に光透過性が高く、
成形加工が容易なアクリル樹脂が大半である。

【００１１】ところが、このように導光板２１が極めて
薄くなってくると、アクリル樹脂製の導光板２１では、
温度あるいは湿度などの周囲環境による反りの発生が無
視出来なくなり、反りが著しい場合には、輝度ムラ現象
や液晶パネル面への接触などの問題が発生することがあ
る。

【００１２】本発明は、液晶表示装置の軽量、薄型化を
進展する際に導光板を薄くしても、反りの発生を極力抑
え、輝度ムラ現象や液晶パネル面への接触による表示品
位の低減を起こしにくい照明ユニットとそれを用いた液
晶表示装置を提供することを目的とする。

【００１３】

【課題を解決するための手段】本発明は、光均斉化を施
した導光板の裏面に反射板を接合したことを特徴とす
る。

【００１４】この本発明によると、高温高湿度により導
光板に起こる反り等の歪みを、接合した反射板によって
抑制する。

【００１５】

【発明の実施の形態】本発明の照明ユニットは、光均斉
化を施した導光板の側面から光源の光を導入して前記導
光板の主面から照明光を出射させる照明ユニットであっ
て、導光板の前記主面に対向する裏面に膨張係数が導光
板よりも小さい材質からなる反射板を接合したことを特
徴とする。

【００１６】具体的には、導光板をアクリル樹脂で形成
し、導光板の主面と対向する裏面に接合した反射板を、
反射層の片面を金属板でラミネートして構成する。反射
板は、接着または熱プレスにより導光板に接合されてい
る。

【００１７】さらに詳しくは、導光板は入光側が２〜３
ｍｍで反入光側が１ｍｍ前後の楔形の光透過性樹脂で構
成し、反射板が板厚０．１ｍｍ〜０．５ｍｍのアルミニ
ウムまたはステンレスまたは真鍮の片面を反射シートで
ラミネートして構成し、反射シートを導光板の裏面側に
して反射板を導光板に接合されている。

【００１８】この照明ユニットの出射面の上に液晶パネ
ルを配設することによって信頼性の高い液晶表示装置を
実現できる。以下、本発明の実施の形態を図１〜図３に
基づいて説明する。

【００１９】図１と図２は本発明の照明ユニットを示
し、図３はこの照明ユニットを使用した液晶表示装置を
示している。図１において、導光板１は、板厚が入光側
で２〜３mm、反入光側で１mm前後の楔型で、基本材料は
光学的に光透過性が高く、成形加工が容易なアクリル樹
脂である。この導光板１の裏面には光均斉化のためのド
ットパターンが形成されている。導光板１の側面には、
光源としての管状の蛍光ランプ４が近接して配置されて
いる。導光板１の裏面には反射板２が接合されている。

【００２０】反射板２は、図２に示すように板厚０．１
ｍｍ〜０．５ｍｍの金属板（アルミニウム）２ａの片面
を、反射シート（白色ＰＥＴ：東レ株式会社 商品名：
Ｅ６０Ｌ等）２ｂでラミネートしたもので、これを接着
層７で接合して構成されている。

【００２１】３は導光板１の表面側（出射面）に配設さ
れた複数枚の拡散シートあるいは拡散シートとレンズシ
ートによる多層構成体である。５はランプリフレクタ、
６は以上の部材が装着保持される枠体（ハウジング）で
ある。

【００２２】このように構成したため、従来の照明ユニ
ットでは導光板に反りが発生したような温度あるいは湿
度等の周囲環境によっても、本発明の導光板１は裏面に
接合されている反射板２の作用によって反りの発生が無
く、あるいは反りの程度が著しく低減されて、導光板１
の出射面から多層構成体３を介して出射する光の輝度ム
ラや表示品位の低下等の原因となる減少を抑えることが
できる。

【００２３】上記の実施の形態においては、金属板２ａ
の板厚は０．１〜０．５ｍｍが主体であるが、導光板の
厚みによっては金属板の板厚を更に厚くしたり、金属材
料をステンレス板、真鋳板などに変えたり、この反射板
を金属材料ではないセラミックなどの材料を採用して構
成することもできる。

【００２４】上記の実施の形態では、反射板２が導光板
１に接着層７で接合したが、熱プレスにより接合しても
同様である。何れの接合方法の場合も、導光板１と反射
板２の界面に気泡が入ることを避けることが重要とな
る。そのため接着方式としてはローラーによる方法や、
真空槽内での熱プレス等の方法がある。

【００２５】図３は本発明の照明ユニットを用いた液晶
表示装置を示しており、図１に示した照明ユニットの枠
体６の上、つまり、照明ユニットの出射面の上に液晶パ
ネル８が配置されている。

【００２６】これにより、液晶表示装置の大画面化と薄
型化を実現したときに発生しやすい、温度あるいは湿度
等の周囲環境による導光板の反り現象を抑えることが可
能となり、大画面化と薄型化を併せ持った照明ユニット
とそれを用いた液晶表示装置における表示品位を、大幅
に改善することができる。

【００２７】具体的には、蛍光ランプ４からの発熱を反
射板２の金属板２ａによって効果的に放熱でき、熱によ
る導光板の温度上昇の低減など、熱による液晶パネル表
示面への影響を低減することが容易になり表示品位の向
上が可能となる。

【００２８】

【発明の効果】以上のように本発明によれば、携帯性を
重視したノートパソコン用途にも表示画面が１３型を超
える大型化が要求され始めて、基本的には重くなる方向
の液晶表示装置の、軽量化や薄型化の実現に際し問題と
なっていた。照明ユニットの導光板に発生する反り現象
を抑えることが可能となった。この結果、導光板の反り
によって起こり易くなった輝度ムラ現象や、液晶パネル
との接触による表示ムラ現象を抑えた液晶表示装置を実
現できるものである。

【００２９】また、本発明の照明ユニットを用いた液晶
表示装置では、反射層とラミネートした金属板により蛍
光ランプからの発熱を効果的に放熱でき、熱による液晶
パネル表示面への影響を低減することが容易になり表示
品位の向上が可能となる。さらには、蛍光ランプから発
生する高周波が液晶パネルに影響するビート現象等を低
減する効果もあり、ノートパソコン等における表示特性
の大幅な改善が可能となるものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施の形態の照明ユニットの断面図

【図２】同実施の形態の導光板と反射板の詳細断面図

【図３】本発明の照明ユニットを使用した液晶表示装置
の断面図

【図４】従来の照明ユニットの断面図

【符号の説明】

１ 導光板 ２ 反射板 ２ａ 金属板 ２ｂ 反射シート ３ 拡散シート ４ 蛍光ランプ ５ ランプリフレクタ ６ 枠体 ７ 接着層 ８ 液晶パネル

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】光均斉化を施した導光板の側面から光源の
   光を導入して前記導光板の主面から照明光を出射させる
   照明ユニットであって、導光板の前記主面と対向する裏
   面に膨張係数が導光板よりも小さい材質からなる反射板
   を接合した照明ユニット。
2. 【請求項２】導光板をアクリル樹脂で形成し、導光板の
   主面と対向する裏面に接合した反射板を、反射層の片面
   を金属板でラミネートして構成した請求項１記載の照明
   ユニット。
3. 【請求項３】導光板の主面と対向する裏面に反射板を接
   着または熱プレスにより接合した請求項１または請求項
   ２記載の照明ユニット。
4. 【請求項４】導光板を、入光側が２〜３ｍｍで反入光側
   が１ｍｍ前後の楔型の光透過性樹脂で構成し、 反射板を、板厚０．１ｍｍ〜０．５ｍｍのアルミニウム
   またはステンレスまたは真鍮の片面を反射シートでラミ
   ネートして構成し、 前記反射シートを導光板の裏面側にして反射板を導光板
   に接合した請求項３記載の照明ユニット。
5. 【請求項５】請求項１〜請求項４の何れかに記載の照明
   ユニットの出射面の上に液晶パネルを配設した液晶表示
   装置。