JPH11125409A - 有機物を含有する廃棄物の熱分解処理方法 - Google Patents

有機物を含有する廃棄物の熱分解処理方法

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JPH11125409A
JPH11125409A JP28887397A JP28887397A JPH11125409A JP H11125409 A JPH11125409 A JP H11125409A JP 28887397 A JP28887397 A JP 28887397A JP 28887397 A JP28887397 A JP 28887397A JP H11125409 A JPH11125409 A JP H11125409A
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JP
Japan
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waste
pyrolysis
substance
dehydrating
calcium chloride
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Application number
JP28887397A
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English (en)
Inventor
Masaki Kataoka
正樹 片岡
Kozo Hara
光三 原
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Tsukishima Kikai Co Ltd
Original Assignee
Tsukishima Kikai Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】タールの発生量を低減させる。 【解決手段】有機物を含有する廃棄物を熱分解処理する
に際して、廃棄物に塩化カルシウムなどの脱水性を有す
る物質を添加した状態で熱分解する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、有機物を含有する
廃棄物を熱分解処理する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、有機物を含有する廃棄物の多く
は、焼却されて処理されてきた。しかし、この焼却にお
いては、排ガス中にダイオキシンを含有してしまうこと
が環境問題として大きくクローズアップされている。ダ
イオキシンの発生メカニズムとしては、焼却灰中の有機
化合物が排ガス中の塩素と約300℃近傍で反応するこ
とに起因すると考えられている。
【0003】そこで、廃棄物中に含有される有機物由来
のエネルギーの回収を図り、ダイオキシンの発生量を極
力減少させることも目的として、廃棄物を熱分解処理す
ることが模索されている。
【0004】有機物は、通常C、HおよびO等の元素か
らなる化合物であるので、この廃棄物を熱分解処理する
方法によれば、廃棄物中に含有されている有機物は分子
内の結合が切れて低分子の物質へ分解され、炭素を主成
分とするチャー、低分子で沸点の低い分解ガス(例えば
一酸化炭素、水素、二酸化炭素およびメタン等)、高分
子で沸点の高い有機物(ベンゼン、トルエンおよびキシ
レン等の分子量以上の分子量を有する化合物)であるタ
ールおよび水に分解される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、有機物
を含有する廃棄物の熱分解により生ずるタールは、沸点
が高いため、廃棄物の熱分解が終了した時点において
は、タールは通常の熱分解温度が350℃以上(タール
の沸点以上の温度)であるのでガス状であり、熱分解処
理設備自体の運転には支障がないが、熱分解炉発生ガス
処理設備においてタール分が冷却されると、タールが凝
縮または固化して熱分解炉発生ガス処理設備にたとえば
ガム状に付着して、廃棄物の熱分解処理に関する設備の
運転を阻害し、その付着したタール分の除去に多大な手
間がかかる。
【0006】これに対して、熱分解温度を上昇させるこ
とによって、タールの発生量を減少させることはできる
が、熱分解温度を上昇させることは、経済的でないとと
もに、たとえば700℃〜900℃で熱分解すると、確
かにタールの発生量を少なくすることはできるが、塩化
カルシウムが分解して塩化水素を発生させ、その処理が
問題となる。
【0007】そこで、本発明の主たる課題は、有機物を
含有する廃棄物を熱分解して処理する際に、タールの発
生量の少ない熱分解処理方法を提供することにある。
【0008】他の課題は、比較的低い温度の熱分解温度
であっても、タールの発生量が少なく、もって熱分解排
ガス処理設備において安定した連続運転を可能とするこ
とにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】したがって、上記課題を
解決した本発明の請求項1記載の発明は、有機物を含有
する廃棄物を熱分解処理する方法において、前記廃棄物
に脱水性を有する物質を添加した状態で熱分解すること
を特徴とする有機物を含有する廃棄物の熱分解処理方法
である。
【0010】請求項2記載の発明は、前記脱水性を有す
る物質が、塩化亜鉛、リン酸および塩化カルシウムの群
から選ばれた1種または複数種である請求項1記載の廃
棄物の熱分解処理方法である。
【0011】請求項3記載の発明は、前記脱水性を有す
る物質の添加率が、前記廃棄物中の有機物1重量部に対
して約0.4〜4重量部である請求項1または2記載の
廃棄物の熱分解処理方法である。
【0012】請求項4記載の発明は、熱分解後、排ガス
処理によって生じるダストから塩化カルシウムを回収
し、これを前記脱水性を有する物質として利用する請求
項1記載の廃棄物の熱分解処理方法である。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明は、塩化亜鉛、リン酸また
は塩化カルシウムなど脱水性を有する物質(濃硫酸また
は水酸化ナトリウムも挙げられる)の存在下において、
有機物を含有する廃棄物を、有機物の脱水反応により廃
棄物全体の熱分解反応を促進させながら熱分解を行うこ
とによって、タールの発生量を減少せしめるものであ
る。
【0014】脱水性を有する物質(以下、脱水剤とい
う)としては、廃棄物の熱分解設備の腐食性および経済
性、あるいは熱分解処理系全体のリサイクル性から塩化
カルシウムが好適である。
【0015】脱水剤を添加することによる有機物の分解
が促進されることは、例えば、紙等のセルロースに強力
な脱水剤である濃硫酸を添加すると、加熱せずとも室温
において、脱水反応が生じて黒い炭素質に分解され、タ
ール等の発生がほとんどないことからも推測される。
【0016】廃棄物の熱分解により生じる燃焼排ガス
(熱分解炉からの排出ガス)中には、廃棄物中に含有さ
れている塩化物由来の塩化水素が含有しており、この塩
化水素分をそのまま大気中に排出することは公害の観点
から問題である。そこで、燃焼排ガス中に水酸化カルシ
ウム(消石灰)を添加して塩化水素を塩化カルシウムと
した後、この塩化カルシウムを集塵機等により捕集する
ことが好ましい。この塩化カルシウムを脱水剤として回
収し、廃棄物中にまたは熱分解炉内に投入することによ
りリサイクルすれば、経済的なシステムを構築すること
ができる。
【0017】熱分解温度としては、350℃を超える温
度とし、その温度が高いほど熱分解性が高まるものの、
塩化カルシウムを脱水剤として用いる場合は、600℃
を超えると塩化カルシウムが分解して塩化水素を発生さ
せるので、600℃以下が望ましい。したがって、これ
らのバランスからして、500℃〜600℃の熱分解温
度とするのが好適である。
【0018】また、脱水剤の使用量は、脱水剤の種類に
より異なるが、廃棄物に含有される有機物の1重量部に
対して約0.4〜4重量部、特に0.4〜2重量部が好
適である。下限未満では熱分解促進の効果の点から十分
でなく、上限は過度に多い量としても効果が飽和傾向に
あり、経済的ではないからである。
【0019】(実験例)以下実験例を示し本発明の効果
を明らかにする。
【0020】図1は、本発明に従う廃棄物の熱分解処理
効果の確認のための熱分解実験設備を示すものである。
1は電熱ヒーター内蔵のマッフル炉で、このマッフル炉
1内にはハイアルミナ製の容器2が設置され、その容器
2内に熱分解被処理物3が供給される。
【0021】熱分解被処理物はマッフル炉1内で熱分解
され、その熱分解排ガスは、電熱ヒーターで保温された
排気管4を通って、100℃に保温された保温水5の容
器6内に水封状態で導かれる。排気は排気口7から排気
ファン8によって排気される。
【0022】かかる熱分解実験設備に対して、予め、図
示しない乾燥機によって、有機物47%、無機物9%お
よび水44%の都市ごみを乾燥して恒量になるまで乾燥
した都市ごみ1kgを各試料とした。
【0023】これらの試料について、熱分解温度(マッ
フル炉温度)を変化させ、さらに、脱水剤の種類とその
添加量とを変化させて、タール化率(廃棄物中の有機物
が熱分解によりタールへ変化した割合)を調べたとこ
ろ、図2および図3の結果を得た。
【0024】図2は、脱水剤として塩化カルシウムを用
いた場合における、脱水剤を用いない場合との比較の下
で、熱分解温度との相関を図示したものである。この結
果によれば、明らかに脱水剤を添加することによりター
ルの発生量を低減できることが判る。また、熱分解温度
の高まりに応じてタール化率が低くなるものの、塩化カ
ルシウムを添加した場合、600℃近辺を境にしてター
ル化率が上昇傾向にある。このことは、前述のように、
塩化カルシウムが熱分解して、塩化水素の発生の要因と
なることを示している。
【0025】図3は、熱分解温度を550℃に固定した
場合における、脱水剤の相違に応じたタール化率の変化
を示している。タールの発生量を低減させるのに最も効
果的なのは塩化亜鉛であり、リン酸も効果が大きい。塩
化カルシウムの場合には、タールの発生低減に限度があ
るものの、図2の結果と関係付ければ判るように、脱水
剤を添加しない場合との比較ではタールの発生低減効果
は大きく、かつ、添加比が0.4〜4である場合にター
ル化率は十分に低い。
【0026】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、有機物
を含有する廃棄物を熱分解して処理する際に、タールの
発生量が少なく、もって、熱分解排ガス処理設備におい
て安定した連続運転が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実験例で用いた熱分解実験設備の説明図であ
る。
【図2】本発明の脱水剤を用いる方法および脱水剤無添
加の方法における熱分解温度と有機物のタール化率との
関係を示すグラフである。
【図3】本発明に係る脱水剤およびその脱水剤の添加量
と有機物のタール化率との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1…マッフル炉、2…容器、3…被処理物。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI F23J 15/00 F23J 15/00 Z

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】有機物を含有する廃棄物を熱分解処理する
    方法において、 前記廃棄物に脱水性を有する物質を添加した状態で熱分
    解することを特徴とする有機物を含有する廃棄物の熱分
    解処理方法。
  2. 【請求項2】前記脱水性を有する物質が、塩化亜鉛、リ
    ン酸および塩化カルシウムの群から選ばれた1種または
    複数種である請求項1記載の廃棄物の熱分解処理方法。
  3. 【請求項3】前記脱水性を有する物質の添加率が、前記
    廃棄物中の有機物1重量部に対して約0.4〜4重量部
    である請求項1または2記載の廃棄物の熱分解処理方
    法。
  4. 【請求項4】熱分解後、排ガス処理によって生じるダス
    トから塩化カルシウムを回収し、これを前記脱水性を有
    する物質として利用する請求項1記載の廃棄物の熱分解
    処理方法。
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