JPH11125267A - ボールクラッチの切換え構造 - Google Patents
ボールクラッチの切換え構造Info
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- JPH11125267A JPH11125267A JP30500097A JP30500097A JPH11125267A JP H11125267 A JPH11125267 A JP H11125267A JP 30500097 A JP30500097 A JP 30500097A JP 30500097 A JP30500097 A JP 30500097A JP H11125267 A JPH11125267 A JP H11125267A
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- Japan
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- ball
- clutch
- cylindrical sleeve
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 クラッチON時の噛合ショックによるボール
の破損、異音の発生あるいは周辺機構に対する衝撃を可
及的に抑制して、高い耐久性を保持した切換え作動を行
うことができるボールクラッチの切換え構造を提供す
る。 【解決手段】 出力軸12に軸方向摺動自在に設けた切
換え体16の筒状スリーブ16aの周縁部から内周面に
至る間にすり鉢面23を周設し、かつ出力軸12の外面
を周方向に切削して断面三角状の係止体24を一体に形
成すると共に、上記係止体24の頂点24a間で形成さ
れる各平面域24bと、これを外方から包覆する筒状ス
リーブ16aのすり鉢面23との間に係止ボール25を
遊動自在に介装し、切換え体16の摺動作動に連繋して
軸芯方向に移動する係止ボール25に、係止体の頂点2
4aを係止するように構成した。
の破損、異音の発生あるいは周辺機構に対する衝撃を可
及的に抑制して、高い耐久性を保持した切換え作動を行
うことができるボールクラッチの切換え構造を提供す
る。 【解決手段】 出力軸12に軸方向摺動自在に設けた切
換え体16の筒状スリーブ16aの周縁部から内周面に
至る間にすり鉢面23を周設し、かつ出力軸12の外面
を周方向に切削して断面三角状の係止体24を一体に形
成すると共に、上記係止体24の頂点24a間で形成さ
れる各平面域24bと、これを外方から包覆する筒状ス
リーブ16aのすり鉢面23との間に係止ボール25を
遊動自在に介装し、切換え体16の摺動作動に連繋して
軸芯方向に移動する係止ボール25に、係止体の頂点2
4aを係止するように構成した。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、駆動力の入力側と
これを受ける出力側との間にボールを介在させて、当該
ボールの嵌脱切換えにより駆動力の伝達を断続するボー
ルクラッチの切換え構造に係り、特にクラッチON時の
噛合ショックによるボールの破損、異音の発生あるいは
周辺機構に対する衝撃を可及的に抑制して、高い耐久性
を保持した切換え作動を行うことができるボールクラッ
チの切換え構造に関するものである。
これを受ける出力側との間にボールを介在させて、当該
ボールの嵌脱切換えにより駆動力の伝達を断続するボー
ルクラッチの切換え構造に係り、特にクラッチON時の
噛合ショックによるボールの破損、異音の発生あるいは
周辺機構に対する衝撃を可及的に抑制して、高い耐久性
を保持した切換え作動を行うことができるボールクラッ
チの切換え構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般にトラクタ等の移動農機において
は、エンジンからの駆動力を走行駆動系や作業駆動系に
伝達するために種々の変速機構および切換え機構を装備
し、所要とする駆動力の断続作動を必要に応じて行うよ
うになっているが、この種の駆動力の断続作動に用いら
れるクラッチ機構としては、従来から噛合式クラッチ、
ボールクラッチ等が採用されており、汎用のボールクラ
ッチ機構の構成提案例として特開平3−189420、
また移動農機の分野におけるクラッチ機構の構成提案例
としては、特公平2−42688や本出願人が提案した
実公平7−55147が知られている。
は、エンジンからの駆動力を走行駆動系や作業駆動系に
伝達するために種々の変速機構および切換え機構を装備
し、所要とする駆動力の断続作動を必要に応じて行うよ
うになっているが、この種の駆動力の断続作動に用いら
れるクラッチ機構としては、従来から噛合式クラッチ、
ボールクラッチ等が採用されており、汎用のボールクラ
ッチ機構の構成提案例として特開平3−189420、
また移動農機の分野におけるクラッチ機構の構成提案例
としては、特公平2−42688や本出願人が提案した
実公平7−55147が知られている。
【0003】そして、上述の構成提案例のうちボールク
ラッチをクラッチ機構として採用する場合には、駆動力
の入力側とこれを受ける出力側との間に、ボールとこれ
を嵌脱するボール溝を介在させて、当該ボール溝への嵌
脱切換えにより駆動力の伝達を断続する構成であるた
め、クラッチONの瞬時においてボールとボール溝の双
方に伝達駆動力の強大な負荷がかかり、当該各部位の破
損や欠落を誘発し易く、特に実公平7−55147に示
した構成提案例のボールクラッチは、図4(b)に示す
ように、出力軸aの外面に切削加工を施して長穴状のボ
ール溝bを周方向に複数形成し、かつ当該各ボール溝
b、b間に係止部cを突成させて、出力軸aを外方から
包覆する切換え体dを出力軸aの軸方向に摺動作動した
際に、該切換え体dの内周面と出力軸aの外周面との間
に介在させた係止ボールeを点線で示す位置から矢印方
向の軸芯側に移動し、内方に突出した係止ボールeに係
止部cを係止させて、切換え体dの回転方向に出力軸a
を回転駆動する構成であるため、他の構成提案例に示さ
れたクラッチ機構に比して簡易かつ耐久性の高い構造と
することができるものの、出力軸aに対するボール溝b
の形成に関しては、同図5(b)および前述の実公平7
−55147の第3図に示されているように、複雑で精
密な機械切削加工を依然として必要とするばかりでな
く、係止部cに係止ボールeが係止するまでの角度範囲
θ1が小さいため、クラッチON時の噛合ショックによ
るボールの破損、異音を誘発し易く、スムーズなボール
クラッチのON/OFFを確保する上で未だ改良の余地
を残すものであった。
ラッチをクラッチ機構として採用する場合には、駆動力
の入力側とこれを受ける出力側との間に、ボールとこれ
を嵌脱するボール溝を介在させて、当該ボール溝への嵌
脱切換えにより駆動力の伝達を断続する構成であるた
め、クラッチONの瞬時においてボールとボール溝の双
方に伝達駆動力の強大な負荷がかかり、当該各部位の破
損や欠落を誘発し易く、特に実公平7−55147に示
した構成提案例のボールクラッチは、図4(b)に示す
ように、出力軸aの外面に切削加工を施して長穴状のボ
ール溝bを周方向に複数形成し、かつ当該各ボール溝
b、b間に係止部cを突成させて、出力軸aを外方から
包覆する切換え体dを出力軸aの軸方向に摺動作動した
際に、該切換え体dの内周面と出力軸aの外周面との間
に介在させた係止ボールeを点線で示す位置から矢印方
向の軸芯側に移動し、内方に突出した係止ボールeに係
止部cを係止させて、切換え体dの回転方向に出力軸a
を回転駆動する構成であるため、他の構成提案例に示さ
れたクラッチ機構に比して簡易かつ耐久性の高い構造と
することができるものの、出力軸aに対するボール溝b
の形成に関しては、同図5(b)および前述の実公平7
−55147の第3図に示されているように、複雑で精
密な機械切削加工を依然として必要とするばかりでな
く、係止部cに係止ボールeが係止するまでの角度範囲
θ1が小さいため、クラッチON時の噛合ショックによ
るボールの破損、異音を誘発し易く、スムーズなボール
クラッチのON/OFFを確保する上で未だ改良の余地
を残すものであった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の如き実
状に鑑みボールクラッチの切換え作動に関する研究、開
発の過程で創案されたものであって、その目的とすると
ころは、クラッチON時の噛合ショックによるボールの
破損、異音の発生あるいは周辺機構に対する衝撃を可及
的に抑制し、かつ製造コストの低減を達成しながら高い
耐久性を保持した円滑な切換え作動を行うことができる
ボールクラッチの切換え構造を提供しようとするもので
ある。
状に鑑みボールクラッチの切換え作動に関する研究、開
発の過程で創案されたものであって、その目的とすると
ころは、クラッチON時の噛合ショックによるボールの
破損、異音の発生あるいは周辺機構に対する衝撃を可及
的に抑制し、かつ製造コストの低減を達成しながら高い
耐久性を保持した円滑な切換え作動を行うことができる
ボールクラッチの切換え構造を提供しようとするもので
ある。
【0005】
【課題を解決するための手段】課題を解決するため、本
発明が採用した技術的手段は、フランジ部の外周縁に筒
状スリーブを同軸状に形成してなる切換え体を出力軸に
軸方向摺動自在に軸支し、かつ当該筒状スリーブの内周
面と出力軸の外周面との間に、軸芯方向にのみ移動自在
な係止ボールを介在させて、その嵌脱作動により切換え
体に入力される回転駆動力を出力軸に接離自在に伝達す
るようにしたボールクラッチであって、上記筒状スリー
ブの周縁部から内周面に至る間にすり鉢面を周設する一
方、切換え体を軸支する出力軸の外面を周方向に切削し
て断面三角状の係止体を一体に形成すると共に、上記係
止体の頂点間で形成される各平面域と、これを外方から
包覆する筒状スリーブのすり鉢面との間にそれぞれ係止
ボールを遊動自在に介装し、前記切換え体を軸方向に摺
動作動した際に、出力軸に形成した係止体の頂点を、筒
状スリーブのすり鉢面から内周面に向けて軸芯方向に移
動する係止ボールに係止させて、切換え体の回転方向に
出力軸を回転駆動するように構成したことを特徴とする
ものである。
発明が採用した技術的手段は、フランジ部の外周縁に筒
状スリーブを同軸状に形成してなる切換え体を出力軸に
軸方向摺動自在に軸支し、かつ当該筒状スリーブの内周
面と出力軸の外周面との間に、軸芯方向にのみ移動自在
な係止ボールを介在させて、その嵌脱作動により切換え
体に入力される回転駆動力を出力軸に接離自在に伝達す
るようにしたボールクラッチであって、上記筒状スリー
ブの周縁部から内周面に至る間にすり鉢面を周設する一
方、切換え体を軸支する出力軸の外面を周方向に切削し
て断面三角状の係止体を一体に形成すると共に、上記係
止体の頂点間で形成される各平面域と、これを外方から
包覆する筒状スリーブのすり鉢面との間にそれぞれ係止
ボールを遊動自在に介装し、前記切換え体を軸方向に摺
動作動した際に、出力軸に形成した係止体の頂点を、筒
状スリーブのすり鉢面から内周面に向けて軸芯方向に移
動する係止ボールに係止させて、切換え体の回転方向に
出力軸を回転駆動するように構成したことを特徴とする
ものである。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明のボールクラッチの構成
を、図面に示したトラクタのトランスミッションに採用
した場合の一実施例として詳細に説明する。図1におい
て、1はトランスミッションケースであって、該トラン
スミッションケース1内には、図示しないエンジンに連
結されるクラッチ機構2の出力側に静油圧式変速機構3
(以下、HST変速機構3という)の入力軸4を接続
し、該HST変速機構3の出力軸5にトランスミッショ
ンケース1内後方に設けたPTO変速機構6が接続され
ていると共に、上記HST変速機構3のカウンタ出力軸
7には、第1減速機構8を介して副変速機構9が設けら
れ、更に当該第1減速機構8に並設した4WD伝動軸1
0から4WD駆動と前輪増速駆動とを切換えるコントロ
ールクラッチ機構11を介して4WD出力軸12を回転
駆動するように構成されている。
を、図面に示したトラクタのトランスミッションに採用
した場合の一実施例として詳細に説明する。図1におい
て、1はトランスミッションケースであって、該トラン
スミッションケース1内には、図示しないエンジンに連
結されるクラッチ機構2の出力側に静油圧式変速機構3
(以下、HST変速機構3という)の入力軸4を接続
し、該HST変速機構3の出力軸5にトランスミッショ
ンケース1内後方に設けたPTO変速機構6が接続され
ていると共に、上記HST変速機構3のカウンタ出力軸
7には、第1減速機構8を介して副変速機構9が設けら
れ、更に当該第1減速機構8に並設した4WD伝動軸1
0から4WD駆動と前輪増速駆動とを切換えるコントロ
ールクラッチ機構11を介して4WD出力軸12を回転
駆動するように構成されている。
【0007】上記コントロールクラッチ機構11は、図
2に示すように、4WD出力軸12に湿式多板クラッチ
13とこれを押圧する加圧フランジ14を装備し、かつ
噛合面15を先端縁に周設した筒状スリーブ16aを、
当該加圧フランジ14の背面側に一体に形成して切換え
体16が構成されていると共に、上記湿式多板クラッチ
13側に設けた受圧板17の外周に、中間伝動機構18
の中間ギヤ18aに噛合する噛合面17aを形成する一
方、上記4WD出力軸12の端部には、4WD伝動軸1
0に軸支した入力ギヤ19に噛合する伝動ギヤ20が、
その側面に形成した噛合面20aを筒状スリーブ16a
の噛合面15側に向けて同軸状に遊嵌されている。
2に示すように、4WD出力軸12に湿式多板クラッチ
13とこれを押圧する加圧フランジ14を装備し、かつ
噛合面15を先端縁に周設した筒状スリーブ16aを、
当該加圧フランジ14の背面側に一体に形成して切換え
体16が構成されていると共に、上記湿式多板クラッチ
13側に設けた受圧板17の外周に、中間伝動機構18
の中間ギヤ18aに噛合する噛合面17aを形成する一
方、上記4WD出力軸12の端部には、4WD伝動軸1
0に軸支した入力ギヤ19に噛合する伝動ギヤ20が、
その側面に形成した噛合面20aを筒状スリーブ16a
の噛合面15側に向けて同軸状に遊嵌されている。
【0008】そして、図3(a)に示すように、常時は
湿式多板クラッチ13に内装したコイル弾機21の付勢
により筒状スリーブ16aの噛合面15と伝動ギヤ20
の噛合面20aとを噛合させ、かつ上記加圧フランジ1
4による湿式多板クラッチ13の押圧作動を解除して、
該湿式多板クラッチ13をクラッチOFF状態を保持す
ることにより、4WD伝動軸10から伝動ギヤ20に入
力される回転駆動力を、点線矢印で示すように、切換え
体16から後述するボールクラッチ22を経て4WD出
力軸12に伝達し、図示しないトラクタを四輪駆動状態
で走行するように構成されている。
湿式多板クラッチ13に内装したコイル弾機21の付勢
により筒状スリーブ16aの噛合面15と伝動ギヤ20
の噛合面20aとを噛合させ、かつ上記加圧フランジ1
4による湿式多板クラッチ13の押圧作動を解除して、
該湿式多板クラッチ13をクラッチOFF状態を保持す
ることにより、4WD伝動軸10から伝動ギヤ20に入
力される回転駆動力を、点線矢印で示すように、切換え
体16から後述するボールクラッチ22を経て4WD出
力軸12に伝達し、図示しないトラクタを四輪駆動状態
で走行するように構成されている。
【0009】一方上述のようなトラクタの四輪駆動状態
で、操向輪をなす図示しない前輪が一定の切れ角度以上
に達すると、図3(b)に示すように、4WD出力軸1
2に内挿した油路12aに図示しない油圧回路機構から
分岐供給された圧油が供給されて、切換え体16がコイ
ル弾機21の付勢に抗して湿式多板クラッチ13側に移
動し、これに設けた加圧フランジ14の押圧作動により
当該湿式多板クラッチ13がONとなると共に、筒状ス
リーブ16aの噛合面15と伝動ギヤ20の噛合面20
aとの噛合が解除されて、4WD伝動軸10から伝動ギ
ヤ20に入力される回転駆動力は、点線矢印で示すよう
に、中間伝動機構18の中間ギヤ18bおよび中間ギヤ
18aを経て受圧板17の噛合面17aに伝達され、該
受圧板17の回転駆動に連繋して4WD出力軸12が四
輪駆動時に比して約2倍の回転数で回転し、これにより
前輪も約2倍の回転駆動状態、すなわち前輪増速状態に
切り替わる構成となっている。
で、操向輪をなす図示しない前輪が一定の切れ角度以上
に達すると、図3(b)に示すように、4WD出力軸1
2に内挿した油路12aに図示しない油圧回路機構から
分岐供給された圧油が供給されて、切換え体16がコイ
ル弾機21の付勢に抗して湿式多板クラッチ13側に移
動し、これに設けた加圧フランジ14の押圧作動により
当該湿式多板クラッチ13がONとなると共に、筒状ス
リーブ16aの噛合面15と伝動ギヤ20の噛合面20
aとの噛合が解除されて、4WD伝動軸10から伝動ギ
ヤ20に入力される回転駆動力は、点線矢印で示すよう
に、中間伝動機構18の中間ギヤ18bおよび中間ギヤ
18aを経て受圧板17の噛合面17aに伝達され、該
受圧板17の回転駆動に連繋して4WD出力軸12が四
輪駆動時に比して約2倍の回転数で回転し、これにより
前輪も約2倍の回転駆動状態、すなわち前輪増速状態に
切り替わる構成となっている。
【0010】ここで前記したボールクラッチ22は、図
4(a)に示す構成となっている。すなわち図におい
て、4WD出力軸12を包覆する切換え体16の筒状ス
リーブ16aには、その周縁部から内周面に至る間にす
り鉢面23が周設され、また上記4WD出力軸12の外
周面には、切削加工により断面三角状の係止体24がが
一体に形成されていると共に、上記係止体24の頂点2
4a…間でそれぞれ形成される平面域24b…と、筒状
スリーブ16aのすり鉢面23との間には、軸芯方向に
のみ移動自在な3個の係止ボール25が介装されてボー
ルクラッチ22が構成されている。
4(a)に示す構成となっている。すなわち図におい
て、4WD出力軸12を包覆する切換え体16の筒状ス
リーブ16aには、その周縁部から内周面に至る間にす
り鉢面23が周設され、また上記4WD出力軸12の外
周面には、切削加工により断面三角状の係止体24がが
一体に形成されていると共に、上記係止体24の頂点2
4a…間でそれぞれ形成される平面域24b…と、筒状
スリーブ16aのすり鉢面23との間には、軸芯方向に
のみ移動自在な3個の係止ボール25が介装されてボー
ルクラッチ22が構成されている。
【0011】本発明は叙上の如く構成されているから、
湿式多板クラッチ13に内装したコイル弾機21の付勢
により筒状スリーブ16aの噛合面15と伝動ギヤ20
の噛合面20aとが噛合する通常の四輪駆動状態となる
場合は、係止体24の各頂点24a…に対して、回転駆
動状態にある切換え体16の筒状スリーブ16aのすり
鉢面23から内周面に向けて係止ボール25…がそれぞ
れ軸芯方向の内方に相対移動し、この内方に突出した係
止ボール25…に係止体24の各頂点24a…が係止し
て切換え体16の回転方向に4WD出力軸12が回転駆
動する。
湿式多板クラッチ13に内装したコイル弾機21の付勢
により筒状スリーブ16aの噛合面15と伝動ギヤ20
の噛合面20aとが噛合する通常の四輪駆動状態となる
場合は、係止体24の各頂点24a…に対して、回転駆
動状態にある切換え体16の筒状スリーブ16aのすり
鉢面23から内周面に向けて係止ボール25…がそれぞ
れ軸芯方向の内方に相対移動し、この内方に突出した係
止ボール25…に係止体24の各頂点24a…が係止し
て切換え体16の回転方向に4WD出力軸12が回転駆
動する。
【0012】また、切換え体16がコイル弾機21の付
勢に抗して湿式多板クラッチ13側に移動して前輪増速
状態に切り換わる場合は、当該切換え体16の筒状スリ
ーブ16aが摺動作動するに連繋して該筒状スリーブ1
6aの内周面からすり鉢面23側に係止ボール25…が
軸芯方向の外方に退避し、係止体24の各頂点24aと
の係止が解除されて4WD出力軸12が一旦フリー回転
状態になると同時に、湿式多板クラッチ13側に摺動す
る切換え体16の加圧フランジ14が湿式多板クラッチ
13を押圧することにより、中間伝動機構18を介した
回転駆動力が受圧板17から加圧フランジ14を経て4
WD出力軸12に伝達されることになる。
勢に抗して湿式多板クラッチ13側に移動して前輪増速
状態に切り換わる場合は、当該切換え体16の筒状スリ
ーブ16aが摺動作動するに連繋して該筒状スリーブ1
6aの内周面からすり鉢面23側に係止ボール25…が
軸芯方向の外方に退避し、係止体24の各頂点24aと
の係止が解除されて4WD出力軸12が一旦フリー回転
状態になると同時に、湿式多板クラッチ13側に摺動す
る切換え体16の加圧フランジ14が湿式多板クラッチ
13を押圧することにより、中間伝動機構18を介した
回転駆動力が受圧板17から加圧フランジ14を経て4
WD出力軸12に伝達されることになる。
【0013】このようなコントロールクラッチ機構11
の切換え作動で、前輪増速状態から四輪駆動状態に復帰
する際には、湿式多板クラッチ13のクラッチOFF動
作と筒状スリーブ16aによるボールクラッチ22のク
ラッチON動作が同時に進行するが、この切換え過渡時
において、回転駆動状態にある切換え体16の筒状スリ
ーブ16aのすり鉢面23から内周面に向けて軸芯方向
の内方に移動する係止ボール25…は、例えば図4
(a)に示すA位置で軸芯方向の内方に相対移動した際
に、切換え体16の矢印で示す回転方向でB位置にある
係止体24の頂点24aに係止するまでの角度範囲θ2
が、同図(b)に示す従来の角度範囲θ1より大きく取
ることができるので、クラッチONの相互係止に至る際
の噛合ショックが和らげられてボールの破損、異音を可
及的に抑制することができ、スムーズなボールクラッチ
22のON/OFF切換え作動を確保することができ、
ボールクラッチ22の耐久性を向上できると共に、4W
D出力軸12側に設ける係止体24は、平面域24b…
からなる断面三角状の平面域24bを機械加工で形成す
るのみで済むので、複雑かつ精密度の高い切削加工を要
することがない。
の切換え作動で、前輪増速状態から四輪駆動状態に復帰
する際には、湿式多板クラッチ13のクラッチOFF動
作と筒状スリーブ16aによるボールクラッチ22のク
ラッチON動作が同時に進行するが、この切換え過渡時
において、回転駆動状態にある切換え体16の筒状スリ
ーブ16aのすり鉢面23から内周面に向けて軸芯方向
の内方に移動する係止ボール25…は、例えば図4
(a)に示すA位置で軸芯方向の内方に相対移動した際
に、切換え体16の矢印で示す回転方向でB位置にある
係止体24の頂点24aに係止するまでの角度範囲θ2
が、同図(b)に示す従来の角度範囲θ1より大きく取
ることができるので、クラッチONの相互係止に至る際
の噛合ショックが和らげられてボールの破損、異音を可
及的に抑制することができ、スムーズなボールクラッチ
22のON/OFF切換え作動を確保することができ、
ボールクラッチ22の耐久性を向上できると共に、4W
D出力軸12側に設ける係止体24は、平面域24b…
からなる断面三角状の平面域24bを機械加工で形成す
るのみで済むので、複雑かつ精密度の高い切削加工を要
することがない。
【0014】
【発明の効果】これを要するに本発明は、フランジ部の
外周縁に筒状スリーブを同軸状に形成してなる切換え体
を出力軸に軸方向摺動自在に軸支し、かつ当該筒状スリ
ーブの内周面と出力軸の外周面との間に、軸芯方向にの
み移動自在な係止ボールを介在させて、その嵌脱作動に
より切換え体に入力される回転駆動力を出力軸に接離自
在に伝達するようにしたボールクラッチであって、上記
筒状スリーブの周縁部から内周面に至る間にすり鉢面を
周設する一方、切換え体を軸支する出力軸の外面を周方
向に切削して断面三角状の係止体を一体に形成すると共
に、上記係止体の頂点間で形成される各平面域と、これ
を外方から包覆する筒状スリーブのすり鉢面との間にそ
れぞれ係止ボールを遊動自在に介装し、前記切換え体を
軸方向に摺動作動した際に、出力軸に形成した係止体の
頂点を、筒状スリーブのすり鉢面から内周面に向けて軸
芯方向に移動する係止ボールに係止させて、切換え体の
回転方向に出力軸を回転駆動するように構成したから、
筒状スリーブの内周面と係止体の頂点間で形成される平
面域に介在する係止ボールは、広い遊動範囲をもって出
力軸の係止体に係合することになり、クラッチONの際
に生ずる噛合ショックを適宜に和らげて異音の発生や周
辺機構に対する衝撃を誘発することなく、スムーズな回
転駆動力の接続作動を保持することができると共に、出
力軸側に形成する係止体は、複雑かつ高度な機械切削を
要せずして容易に加工形成することができ、しかも係止
体を断面三角形状としたので、各ボールにかかる回転駆
動力を等分に分散し得てボールクラッチの耐久性を向上
させることができる。
外周縁に筒状スリーブを同軸状に形成してなる切換え体
を出力軸に軸方向摺動自在に軸支し、かつ当該筒状スリ
ーブの内周面と出力軸の外周面との間に、軸芯方向にの
み移動自在な係止ボールを介在させて、その嵌脱作動に
より切換え体に入力される回転駆動力を出力軸に接離自
在に伝達するようにしたボールクラッチであって、上記
筒状スリーブの周縁部から内周面に至る間にすり鉢面を
周設する一方、切換え体を軸支する出力軸の外面を周方
向に切削して断面三角状の係止体を一体に形成すると共
に、上記係止体の頂点間で形成される各平面域と、これ
を外方から包覆する筒状スリーブのすり鉢面との間にそ
れぞれ係止ボールを遊動自在に介装し、前記切換え体を
軸方向に摺動作動した際に、出力軸に形成した係止体の
頂点を、筒状スリーブのすり鉢面から内周面に向けて軸
芯方向に移動する係止ボールに係止させて、切換え体の
回転方向に出力軸を回転駆動するように構成したから、
筒状スリーブの内周面と係止体の頂点間で形成される平
面域に介在する係止ボールは、広い遊動範囲をもって出
力軸の係止体に係合することになり、クラッチONの際
に生ずる噛合ショックを適宜に和らげて異音の発生や周
辺機構に対する衝撃を誘発することなく、スムーズな回
転駆動力の接続作動を保持することができると共に、出
力軸側に形成する係止体は、複雑かつ高度な機械切削を
要せずして容易に加工形成することができ、しかも係止
体を断面三角形状としたので、各ボールにかかる回転駆
動力を等分に分散し得てボールクラッチの耐久性を向上
させることができる。
【図1】トランスミッションの全体縦断展開図である。
【図2】コントロールクラッチ機構の要部拡大断面図で
ある。
ある。
【図3】(a)は四輪駆動時におけるコントロールクラ
ッチ機構の切換え状態を示す要部断面図である。(b)
は前輪増速時におけるコントロールクラッチ機構の切換
え状態を示す要部断面図である。
ッチ機構の切換え状態を示す要部断面図である。(b)
は前輪増速時におけるコントロールクラッチ機構の切換
え状態を示す要部断面図である。
【図4】(a)は本発明のボールクラッチの構成を示す
作用説明図である。(b)は従来のボールクラッチの構
成を示す作用説明図である。
作用説明図である。(b)は従来のボールクラッチの構
成を示す作用説明図である。
12 4WD出力軸(出力軸) 14 加圧フランジ(フランジ部) 16 切換え体 16a 筒状スリーブ 22 ボールクラッチ 23 すり鉢面 24 係止体 24a 頂点 24b 平面域 25 係止ボール
Claims (1)
- 【請求項1】 フランジ部の外周縁に筒状スリーブを同
軸状に形成してなる切換え体を出力軸に軸方向摺動自在
に軸支し、かつ当該筒状スリーブの内周面と出力軸の外
周面との間に、軸芯方向にのみ移動自在な係止ボールを
介在させて、その嵌脱作動により切換え体に入力される
回転駆動力を出力軸に接離自在に伝達するようにしたボ
ールクラッチであって、上記筒状スリーブの周縁部から
内周面に至る間にすり鉢面を周設する一方、切換え体を
軸支する出力軸の外面を周方向に切削して断面三角状の
係止体を一体に形成すると共に、上記係止体の頂点間で
形成される各平面域と、これを外方から包覆する筒状ス
リーブのすり鉢面との間にそれぞれ係止ボールを遊動自
在に介装し、前記切換え体を軸方向に摺動作動した際
に、出力軸に形成した係止体の頂点を、筒状スリーブの
すり鉢面から内周面に向けて軸芯方向に移動する係止ボ
ールに係止させて、切換え体の回転方向に出力軸を回転
駆動するように構成したことを特徴とするボールクラッ
チの切換え構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30500097A JPH11125267A (ja) | 1997-10-20 | 1997-10-20 | ボールクラッチの切換え構造 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30500097A JPH11125267A (ja) | 1997-10-20 | 1997-10-20 | ボールクラッチの切換え構造 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11125267A true JPH11125267A (ja) | 1999-05-11 |
Family
ID=17939881
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP30500097A Pending JPH11125267A (ja) | 1997-10-20 | 1997-10-20 | ボールクラッチの切換え構造 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11125267A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN115139243A (zh) * | 2022-07-15 | 2022-10-04 | 南京信息工程大学 | 一种通用球体自定心夹具及其夹持方法 |
-
1997
- 1997-10-20 JP JP30500097A patent/JPH11125267A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN115139243A (zh) * | 2022-07-15 | 2022-10-04 | 南京信息工程大学 | 一种通用球体自定心夹具及其夹持方法 |
CN115139243B (zh) * | 2022-07-15 | 2023-05-05 | 南京信息工程大学 | 一种通用球体自定心夹具及其夹持方法 |
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