JPH11125167A - 内燃機関のノック検出装置 - Google Patents

内燃機関のノック検出装置

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JPH11125167A
JPH11125167A JP29080397A JP29080397A JPH11125167A JP H11125167 A JPH11125167 A JP H11125167A JP 29080397 A JP29080397 A JP 29080397A JP 29080397 A JP29080397 A JP 29080397A JP H11125167 A JPH11125167 A JP H11125167A
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electrode
knock
ion current
combustion chamber
internal combustion
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JP29080397A
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English (en)
Inventor
Yasuyuki Sato
靖之 佐藤
Tokio Kohama
時男 小浜
Toru Yoshinaga
融 吉永
Hiroshi Yorita
浩 頼田
Koji Sakakibara
榊原  浩二
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Denso Corp
Soken Inc
Original Assignee
Denso Corp
Nippon Soken Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】イオン電流信号の相殺を回避してノックの検出
精度を高める。 【解決手段】トランス1の一次側巻線1aにはバッテリ
+Bとスイッチングトランジスタ12とが接続されてい
る。トランス1の二次側巻線1bには点火プラグ2の中
心電極5が接続されている。また、同二次側巻線1bに
はコンデンサ13とイオン電流検出抵抗14とが直列接
続されている。点火プラグ2の金属筐体3には、前記中
心電極5とは別の筒内電極11が絶縁状態で設けられ、
この筒内電極11にはコンデンサ17が接続されてい
る。かかる場合、当該筒内電極11にプラグ中心電極5
と同極性の電圧が印加されて燃焼室Rc内に非対称な電
界分布が形成される。そして、プラグ中心電極5及び筒
内電極11への電圧印加の状態下において、電流検出抵
抗14によるイオン電流の検出結果に基づきノックが検
出される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、点火プラグによ
り計測したイオン電流に基づき、内燃機関のノックを検
出するノック検出装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図7にイオン電流によるノック検出装置
の従来例を示す。同図において、トランス51の一次側
巻線51aの一端にはバッテリ+Bが接続され、他端に
はスイッチングトランジスタ52が接続されている。ま
た、同トランス51の二次側巻線51bの一端には点火
プラグ53の中心電極54が接続され、他端には電圧印
加回路55とイオン電流検出回路56とが直列接続され
ている。かかる構成において、燃焼室Rc内での燃料の
燃焼時には電圧印加回路55によりプラグ中心電極54
に電圧が印加され、それに伴い燃焼イオンの量に応じた
イオン電流が検出される。
【0003】このとき、電圧の印加により燃焼室Rc内
(筒内)には、図8に示すように、接地されている筒内
壁面に向かって電気力線が広がる。この空間に燃焼イオ
ンがあれば電流が流れ、その電流値がイオン電流検出回
路56により検出される。この場合、観察されるイオン
電流は、電気力線が燃焼室Rc全体に広がっているた
め、燃焼室Rc全体のイオン電流in(n=1,2,3
・・・)の積算値(総和)として計測される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、ノックが発
生している場合、筒内には筒内平均値よりも圧力が高い
領域(+領域)と低い領域(−領域)とが存在し、この
高低の各領域が交互に入れ替わりながら振動する。一例
として「ρ10」の振動モードを図9に示す。これはノ
ックが発生したある時点での圧力分布を示すものであ
り、実線の正弦波形に示すように、筒内(燃焼室Rc
内)の左側が平均よりも圧力が高い領域(+領域)、右
側が低い領域(−領域)となっている。この領域は時間
の経過と共に交代し、図10に示すように筒内の右側領
域と左側領域とでは位相が180度ずれた形で振動す
る。この振動をイオン電流で計測する場合、イオン電流
は圧力が高いほど多く流れるため、例えば図9において
圧力が高い左側領域ではイオン電流が平均値より高くな
り、逆に圧力が低い右側領域ではイオン電流が平均値よ
りも低くなる。
【0005】かかる事態において、イオン電流検出回路
56では、図9の右側領域と左側領域との積算値として
イオン電流が計測されるため、ノックによる振動の信号
は弱められてしまう。特に左右両領域で同程度のイオン
が存在する場合、イオン電流の振動成分は完全に相殺さ
れてしまう。このように従来既存の方法では、ノックの
発生に伴い局所的にイオン電流が振動している場合に、
プラグ中心電極54でその変化を観察することができな
いことがあった。
【0006】本発明は、上記問題に着目してなされたも
のであって、その目的とするところは、イオン電流信号
の相殺を回避してノックの検出精度を高めることができ
る内燃機関のノック検出装置を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に記載の発明では、イオン電流検出用の所
定電圧が印加される点火プラグの中心電極とは別に、燃
焼室内に非対称な電界分布を形成するための他の電極を
設置し、前記他の電極への電圧印加の状態下でイオン電
流の検出結果に基づきノックを検出することをその要旨
とする。
【0008】要するに、従来既存の装置では、燃焼時の
イオン電流が燃焼室全体(筒内全体)の信号の総和とし
てプラグ中心電極により計測されるためにノック信号
(振動信号)が相殺されてしまう場合があった。これに
対し本構成では、前記他の電極により燃焼室内に非対称
な電界分布を形成すること、すなわち燃焼室内の電界分
布に偏りを生じさせて異方性を持たせることで、前記プ
ラグ中心電極又は他の電極によるイオン電流の計測空間
が限定される。この場合、燃焼室内に存在する全ての電
気力線のうち、筒内の特定領域にある電気力線上のイオ
ン電流のみが計測される。その結果、イオン電流信号が
相殺されるといった従来の問題を回避してノックの検出
精度を高めることができる。
【0009】請求項2に記載の発明では、前記他の電極
は、前記点火プラグの金属筐体若しくはエンジンヘッド
に絶縁状態で設けられ、当該他の電極にはプラグ中心電
極と同極性の電圧が印加される。この場合、プラグ中心
電極に対して放射方向(横方向)にずれた位置に前記他
の電極が配置でき、燃焼室内における非対称な電界分布
が確実に形成できる。
【0010】請求項3に記載の発明では、前記他の電極
を流れるイオン電流を検出するための検出回路を設け、
当該検出回路によるイオン電流の検出結果に基づきノッ
クを検出する。この場合、プラグ中心電極によるイオン
電流の検出結果と、前記他の電極によるイオン電流の検
出結果とをあわせて処理することにすれば、より一層信
頼性の高いノック検出が実施できる。
【0011】請求項4に記載の発明では、イオン電流検
出用の所定電圧を印加するための第1電極と、イオン電
流を検出するための第2電極とを、前記燃焼室の内壁と
電気的に絶縁して当該燃焼室内に設けたことをその要旨
とする。
【0012】上記構成によれば、第1電極と第2電極と
の間を燃焼イオンが流れ、燃焼室内の電界分布に関係な
く、燃焼室内の特定領域でイオン電流信号に含まれるノ
ック成分が検出できる。その結果、イオン電流信号の相
殺を回避してノックの検出精度を高めることができる。
【0013】請求項5に記載の発明では、燃焼室内の電
界分布に偏りを持たせるための非対称部を点火プラグの
金属筐体、若しくは金属筐体に接合された接地電極に設
けたことをその要旨とする。
【0014】この場合、前記非対称部により燃焼室内の
電界分布に偏りを持たせることで、燃焼室内の電気力線
に異方性が生じ、燃焼室内で電界の強弱ができる。その
結果、上記各発明と同様に、イオン電流信号の相殺を回
避してノックの検出精度を高めることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
(第1の実施の形態)以下、この発明を具体化した第1
の実施の形態を図面に従って説明する。
【0016】図1には、本実施の形態における内燃機関
(エンジン)のノック検出装置を示す。トランス(点火
コイル)1の二次側巻線1bには点火プラグ2が接続さ
れており、同プラグ2はその先端がシリンダヘッドやピ
ストン上面にて区画されたエンジンの燃焼室Rc に突出
するようにエンジンに取り付けられている。同検出装置
は、この点火プラグ2による点火時において点火用の放
電終了後にプラグ2に電圧を印加して、燃焼により発生
したイオン電流を検出する。そして、該検出したイオン
電流によりノックを検出する。
【0017】図2に示すように、点火プラグ2は、金属
筐体3と絶縁碍子4と電極(中心電極5、接地電極6)
とを主要部としており、金属筐体3にて絶縁碍子4の支
持及びプラグ2のエンジンへの取付けが行われ、絶縁碍
子4にて中心電極5と金属筐体3とが絶縁される。中心
電極5には端子7が電気的に接続されている。
【0018】金属筐体3の下端面には接地電極6が溶接
固定されている。接地電極6はJ字状に屈曲形成され、
耐熱,腐食,導電性を有する金属よりなる。中心電極5
と接地電極6との間の空隙が火花放電ギャップ部(火花
隙間)となる。そして、点火の際に中心電極5に高電圧
が印加されると、火花放電が開始されて火花が飛び混合
気への着火が行われる。
【0019】さらに本実施の形態における点火プラグ2
では、金属筐体3に貫通孔8が形成され、その貫通孔8
内にリード線9が挿通されている。ここで、金属筐体3
とリード線9とは絶縁性の被覆材10により電気的に絶
縁されている。リード線9の一端は外部に引き出され、
燃焼室内(筒内)に突出する他端は、中心電極5とは異
なる他の電極11(以下、筒内電極という)に接続され
ている。筒内電極11は、前記中心電極5よりも当該電
極11側の領域において、燃焼室内の電界分布に偏りを
持たす役割をなす(但し、その詳細は後述する)。
【0020】また、図1のノック検出装置において、点
火プラグ2の端子7(中心電極5)はトランス1の二次
側巻線1bに接続されている。トランス1の一次側巻線
1aの一方の端子にはバッテリ+Bが接続され、同一次
側巻線1aの他方の端子にはバッテリ+Bによる電圧の
印加をON/OFFするためのスイッチングトランジス
タ12のコレクタが接続されている。スイッチングトラ
ンジスタ12のべースには、エンジン制御用ECU20
よりその時々の機関運転状態に対応する点火信号IGT
が入力される。
【0021】かかる場合、エンジンの燃焼室Rcに導入
された燃料と空気との混合気がトランス1、点火プラグ
2等により点火される。つまり、上記スイッチングトラ
ンジスタ12に点火信号IGTとしてHレベル信号が入
力されると当該トランジスタ12がONされ、バッテリ
+Bから点火コイルとしての役割をなすトランス1に点
火用エネルギが蓄積される。その後、点火信号IGTが
HレベルからLレベルに変わると電磁誘導により点火プ
ラグ2の電極5,6間に高電圧が印加され、電極5,6
間に火花放電が発生する。該火花放電により前記混合気
が点火され、燃焼に供される。
【0022】一方、トランス1の二次側巻線1bとグラ
ンドとの間にはコンデンサ13と電流検出抵抗14とが
直列に接続されている。コンデンサ13は中心電極5と
接地側(接地電極6や筒内壁面側)との間に電圧を印加
する役割をなし、電流検出抵抗14は、混合気の燃焼時
に流れるイオン電流を検出する役割をなす。
【0023】二次側巻線1bとコンデンサ13との間の
接続点aには一対のツェナーダイオード15,16が接
続され、これらツェナーダイオード15,16の間の接
続点bにはコンデンサ17が接続されている。また、同
接続点bには、前記点火プラグ2に設けられた筒内電極
11がリード線9を介して接続されている。コンデンサ
17は筒内電極11と筒内壁面側との間に電圧を印加す
る役割をなす。
【0024】前述したように点火信号IGTによりトラ
ンス1の二次側巻線1bに高電圧が発生するが、この時
流れる電流によりコンデンサ13,17に電荷が蓄積さ
れる。そして、点火後において点火プラグ2の中心電極
5にコンデンサ13の電圧が、筒内電極11にコンデン
サ17の電圧がそれぞれ印加される。なお、ツェナーダ
イオード15,16の働きにより、各コンデンサ13,
17にはほぼ同等の電荷が蓄積されるようになってい
る。
【0025】コンデンサ13,17による電圧の印加に
伴い、図3に示すように、接地されている筒内壁面に向
かって中心電極5及び筒内電極11から電気力線が広が
る。このとき、中心電極5による電気力線の分布と、筒
内電極11による電気力線の分布とは、図3に示すよう
に左右各領域に区別できる。ここで、中心電極5が図の
右側領域を分担し、筒内電極11が左側領域を分担す
る。
【0026】そして、電気力線が広がる空間内に燃焼イ
オンがあれば、前記コンデンサ13,17による電圧の
印加に伴い、電流(イオン電流)が流れる。イオン電流
信号は、電流検出抵抗14により、コンデンサ13と電
流検出抵抗14との間の接続点cから電圧変化として外
部に取り出される。このc点からの信号にはノック時に
発生する高周波の振動成分が含まれる。
【0027】また、接続点cにはバンドパスフィルタ
(BPF)18が接続され、このバンドパスフィルタ1
8の出力はピークホールド回路(P/H回路)19を介
してエンジン制御用ECU20に取り込まれる。エンジ
ン制御用ECU20は、点火信号IGTの出力後におけ
る一定時間の経過後にリセット信号RSTを発生し、同
RST信号をピークホールド回路19に出力する。
【0028】上記の如く構成されるノック検出装置は以
下のように動作する。つまり、点火信号IGTがHレベ
ルからLレベルに切り換えられ、点火プラグ2の火花点
火に伴い燃焼室Rc内の混合気が着火されると、燃焼室
Rc内の燃料が燃焼する。この燃焼に伴い筒内圧が上昇
し始める。また、トランス1によりコンデンサ13,1
7に電荷が蓄積され、当該コンデンサ13,17の電圧
が、点火プラグ2の中心電極5と筒内電極11とにそれ
ぞれ印加される。
【0029】この電圧の印加により、図3に示すよう
に、中心電極5と筒内電極11との間を境にして同図の
右側領域では中心電極5から筒内壁面に向かって電気力
線が広がり、同図の左側領域では筒内電極11から筒内
壁面に向かって電気力線が広がる。このとき、中心電極
5又は筒内電極11から見れば、燃焼室Rc内に左右非
対称な電界分布が形成され、その電界分布により左右そ
れぞれの領域でイオン電流が流れることとなる。イオン
電流は中心電極5を通る電流経路を流れ、その値が電流
検出抵抗14により電圧値として検出される。このイオ
ン電流信号(電圧値)は、バンドパスフィルタ18を介
してピークホールド回路19に取り込まれる。
【0030】ピークホールド回路19はRST信号にて
リセットされるまでの期間においてバンドパスフィルタ
18を通過したイオン電流信号の高周波成分(例えば、
6〜8kHz)のピーク値を保持する。すなわち、バン
ドパスフィルタ18の出力の振幅が最大となるピーク値
をホールドする。エンジン制御用ECU20は、ノック
周波数成分のピーク値と所定のノック判定レベルとを比
較して、ピーク値がノック判定レベル以上であれば現在
のエンジンが「ノック状態」である旨を判定してそれを
エンジン制御に反映させる。
【0031】以上詳述した本実施の形態によれば、以下
に示す効果が得られる。 (a)本実施の形態では、点火プラグ2の中心電極5と
は別に他の電極としての筒内電極11を設け、当該筒内
電極11にプラグ中心電極5と同極性の電圧を印加して
燃焼室Rc内に非対称な電界分布を形成した。そして、
中心電極5及び筒内電極11への電圧印加の状態下でイ
オン電流の検出結果に基づきノックを検出するようにし
た。
【0032】上記構成によれば、筒内電極11により燃
焼室Rc内に非対称な電界分布を形成すること、すなわ
ち燃焼室Rc内の電界分布に偏りを生じさせて異方性を
持たせることで、中心電極5によるイオン電流の計測空
間が限定される。この場合、燃焼室Rc内に存在する全
ての電気力線のうち、特定領域(例えば前記図3の右側
領域)にある電気力線上のイオン電流のみが計測され
る。その結果、イオン電流信号が相殺されるといった従
来の問題を回避してノックの検出精度を高めることがで
きる。
【0033】(b)また、点火プラグ2の金属筐体3に
筒内電極11を設けた。従って、プラグ中心電極5に対
して放射方向(横方向)にずれた位置に筒内電極11が
配置され、燃焼室Rc内における非対称な電界分布が確
実に形成できる。この場合、点火プラグ2の構成を変更
するだけで、そのまま既存のエンジンに適用できるとい
う利点もある。
【0034】因みに、中心電極5と筒内電極11とを並
設する方向(図3の左右方向)は、エンジンの吸気ポー
トと排気ポートとが並ぶ方向に一致させるのが望まし
い。これは、ノック発生時には燃焼室内の筒内圧が吸気
ポート側と排気ポート側とに分かれて振動する傾向にあ
るためであり、この方向に合わせて電極5,11を配す
ることによりノックの検出精度が向上する。
【0035】上記第1の実施の形態は、例えば図4のよ
うに具体化してもよく、図4のノック検出装置では筒内
電極11側にもイオン電流検出回路を設けている。つま
り、前記図1の構成との相違点として、コンデンサ17
とグランドとの間にはイオン電流検出抵抗21が直列接
続される。また、コンデンサ17と電流検出抵抗21と
の間の接続点dにはバンドパスフィルタ(BPF)22
が接続され、バンドパスフィルタ18の出力がピークホ
ールド回路(P/H回路)23を介してエンジン制御用
ECU20に取り込まれる。この場合、前記中心電極5
により検出されるイオン電流に加え、筒内電極11側に
より検出されるイオン電流も独自に観察できる。よっ
て、中心電極5側と筒内電極11側との2つのイオン電
流信号を取り込みこれらの各信号をあわせて処理するこ
とで、より的確なノック検出が可能となる。その結果、
ノック検出の信頼性がより一層向上する。
【0036】次に、本発明における第2,第3の実施の
形態を説明する。但し、第2,第3の各実施の形態の構
成において、上述した第1の実施の形態と同等であるも
のについては図面に同一の記号を付すと共にその説明を
簡略化する。そして、以下には第1の実施の形態との相
違点を中心に説明する。
【0037】(第2の実施の形態)本第2の実施の形態
では、上記第1の実施の形態で説明したような筒内電極
11を持たない従来一般の点火プラグを用い、プラグ中
心電極5とは別の電極を燃焼室(筒内)壁面に設けると
共に、中心電極5にのみイオン電流検出用の電圧を印加
する。
【0038】図5は、本実施の形態におけるノック検出
装置の概要を示す構成図である。図5において、燃焼室
Rc内にはイオン電流を計測するための電極31(以
下、計測電極という)が設けられ、この計測電極31は
絶縁体32により燃焼室壁面と電気的に絶縁されてい
る。計測電極31にはイオン電流検出抵抗33が接続さ
れており、この電流検出抵抗33によるイオン電流の検
出結果(イオン電流信号)が前記エンジン制御ECU2
0に取り込まれる。また、トランス1の二次側巻線1b
には、点火プラグ2の中心電極5に電圧を印加するため
のコンデンサ34と、ツェナーダイオード35とが並列
接続されている。
【0039】なお上記の計測電極31は、プラグ中心電
極5の真下よりもずれた位置に設けられ、その電極面積
はできる限り大きくするとよい。図5の形態では、プラ
グ中心電極5が請求項記載の「第1電極」に相当し、計
測電極31が同「第2電極」に相当する。
【0040】上記構成によれば、電圧の印加時において
中心電極5から広がる電気力線の一部が計測電極31に
より測定される。つまり、燃焼室Rc内に燃焼イオンが
存在する場合、プラグ中心電極5に印加した電圧により
当該中心電極5と計測電極31との間で筒内に電流が流
れる。この電流は、中心電極5から計測電極31までの
電気力線が存在する空間を対象とし、その空間内を流れ
る電流の和となる。従って、燃焼室Rc全体をイオン電
流の検出対象とする場合とは異なり、イオン電流信号が
相殺されるといった不具合が回避できる。
【0041】以上本実施の形態によれば、燃焼室Rc内
の電界分布に関係なく、イオン電流信号に含まれるノッ
ク成分が検出でき、ひいてはイオン電流信号の相殺を回
避してノックの検出精度を高めることができる。
【0042】併せて、本実施の形態では、消耗交換部品
である点火プラグとして特殊なプラグを用いないため、
上記第1の実施の形態に比較してメンテナンス性に優れ
るという利点もある。
【0043】(第3の実施の形態)本第3の実施の形態
では、燃焼室内の電界分布に偏りを持たせるための非対
称部を点火プラグ2の金属筐体3、若しくは金属筐体3
に接合された接地電極6に設け、これによりノックの検
出精度を高めるものである。
【0044】図6(a)〜(d)は、本実施の形態にお
ける点火プラグ2の各種形状を示す斜視図である。図6
(a)では、プラグ周方向に延びる突起41が接地電極
6の幹部に形成されている。図6(b)では、図の下方
に延びる2つの突起42が金属筐体3に形成されてい
る。但し、突起42はプラグ中心部よりも若干右寄り
(接地電極6寄り)に設けられる。図6(c)では、中
心電極5を挟んで接地電極6とは逆側(図の左側)に、
金属筐体3の一部を切り欠いた切欠部43が形成されて
いる。図6(d)では、金属筐体3と接地電極6との接
合部分に肩肉部44が形成されている。
【0045】上記図6(a)〜(d)の構成によれば、
点火プラグ2の金属筐体3若しくは接地電極6の形状を
変更し、燃焼室内の電界分布に偏りを持たせることで、
燃焼室内の電気力線に異方性が生じる。ここで例えば図
6(a)では、突起41が形成されていない図の左側領
域でのみ十分な強度の電界が形成され、燃焼室内で電界
の強い領域と弱い領域とができる。これにより、ノック
発生に伴う筒内圧の振動時にもイオン電流信号が相殺さ
れることなく、ノック成分を含んだイオン電流信号が精
度良く計測できる。その結果、ノックの検出精度が向上
する。なお図6(b)〜(d)についても同様のことが
言える。
【0046】なお、本発明の実施の形態は、上記以外に
次の形態にて実現できる。上記第1の実施の形態におけ
る他の形態として、筒内電極11側にのみイオン電流検
出回路を設ける。つまり、前記図4の回路構成におい
て、イオン電流検出抵抗14、バンドパスフィルタ18
及びピークホールド回路19を省略する。この場合、既
述の通り中心電極5と筒内電極11との両方に電圧を印
加するが、電界内の燃焼イオンは筒内電極11のみで計
測する。そして、筒内電極11による計測結果からノッ
ク検出を行うこととする。
【0047】上記第1の実施の形態では、点火プラグ2
の中心電極5とは異なる他の電極としての筒内電極11
を金属筐体3に設けたが、これを変更する。例えばプラ
グ中心電極5とは異なる他の電極をエンジンのシリンダ
ヘッドに絶縁状態で設置する。この場合、プラグ中心電
極5と同極性の電圧を当該他の電極に印加することによ
り、既述の効果が得られることとなる。
【0048】上記第2の実施の形態では、点火プラグ2
の中心電極5にイオン電流検出用の電圧を印加すると共
に、中心電極5と計測電極31との間でイオン電流信号
を計測したが(前記図5参照)、この構成を逆にする。
つまり、イオン電流検出用の電圧を計測電極31に印加
し、中心電極5側でイオン電流信号を計測する。この場
合、計測電極31が請求項記載の「第1電極」に相当
し、プラグ中心電極5が同「第2電極」に相当する。
【0049】例えばエンジンの1気筒につき2つの点火
プラグを有する、2プラグ式のエンジンに本発明を適用
する。この場合、2つの点火プラグの中心電極にそれぞ
れイオン電流検出用の所定電圧を印加し、それにより燃
焼室内に非対称な電界分布を形成する。そして、いずれ
か一方又は両方のプラグ中心電極について当該電極を流
れるイオン電流によりノックを検出する。かかる場合に
も、イオン電流信号の相殺を回避してノックの検出精度
を高めることができる。
【0050】また同様に、2プラグ式のエンジンに適用
される場合において、一方のプラグ中心電極にのみイオ
ン電流計測用の電圧を印加すると共に、他方のプラグ中
心電極には電圧を印加せずに電流検出抵抗を接続してお
く。燃焼イオンの検出時には、両プラグの中心電極間を
結ぶ電気力線に乗ってイオンが流れ、このイオン電流に
よりノックが検出される。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態におけるノック検出装置の概
要を示す構成図。
【図2】点火プラグの縦断面図。
【図3】燃焼室内の電気力線の分布を示す図。
【図4】ノック検出装置の変形例を示す構成図。
【図5】第2の実施の形態におけるノック検出装置の概
要を示す構成図。
【図6】第3の実施の形態における点火プラグの先端形
状を示す斜視図。
【図7】従来技術におけるノック検出装置を示す構成
図。
【図8】燃焼室内の電気力線の分布を示す図。
【図9】ρ10モードでの振動の状態を示す図。
【図10】時間の経過に伴う筒内圧の変化を示す図。
【符号の説明】
2…点火プラグ、3…金属筐体、5…中心電極、6…接
地電極、11…筒内電極、14…イオン電流検出抵抗、
20…エンジン制御ECU、21…イオン電流検出抵
抗、31…計測電極、32…絶縁体、33…イオン電流
検出抵抗、41…非対称部としての突起、42…非対称
部としての突起、43…非対称部としての切欠部、44
…非対称部としての肩肉部、Rc…燃焼室。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉永 融 愛知県西尾市下羽角町岩谷14番地 株式会 社日本自動車部品総合研究所内 (72)発明者 頼田 浩 愛知県西尾市下羽角町岩谷14番地 株式会 社日本自動車部品総合研究所内 (72)発明者 榊原 浩二 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】内燃機関の燃焼室内に存在する燃焼イオン
    の量を点火プラグにより計測し、その計測値からノック
    を検出する内燃機関のノック検出装置において、 イオン電流検出用の所定電圧が印加される前記点火プラ
    グの中心電極とは別に、前記燃焼室内に非対称な電界分
    布を形成するための他の電極を設置し、前記他の電極へ
    の電圧印加の状態下でイオン電流の検出結果に基づきノ
    ックを検出することを特徴とする内燃機関のノック検出
    装置。
  2. 【請求項2】請求項1に記載のノック検出装置におい
    て、 前記他の電極は、前記点火プラグの金属筐体若しくはエ
    ンジンヘッドに絶縁状態で設けられ、当該他の電極には
    プラグ中心電極と同極性の電圧が印加される内燃機関の
    ノック検出装置。
  3. 【請求項3】請求項1又は請求項2に記載のノック検出
    装置において、 前記他の電極を流れるイオン電流を検出するための検出
    回路を設け、当該検出回路によるイオン電流の検出結果
    に基づきノックを検出する内燃機関のノック検出装置。
  4. 【請求項4】内燃機関の燃焼室内に存在する燃焼イオン
    の量を点火プラグにより計測し、その計測値からノック
    を検出する内燃機関のノック検出装置において、 イオン電流検出用の所定電圧を印加するための第1電極
    と、イオン電流を検出するための第2電極とを、前記燃
    焼室の内壁と電気的に絶縁して当該燃焼室内に設けたこ
    とを特徴とする内燃機関のノック検出装置。
  5. 【請求項5】内燃機関の燃焼室内に存在する燃焼イオン
    の量を点火プラグにより計測し、その計測値からノック
    を検出する内燃機関のノック検出装置において、 前記燃焼室内の電界分布に偏りを持たせるための非対称
    部を前記点火プラグの金属筐体、若しくは金属筐体に接
    合された接地電極に設けたことを特徴とする内燃機関の
    ノック検出装置。
JP29080397A 1997-10-23 1997-10-23 内燃機関のノック検出装置 Withdrawn JPH11125167A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6655367B2 (en) * 2001-07-03 2003-12-02 Honda Giken Kogyo Kabushiki Kaisha Plug-hole-installed ignition coil unit for internal combustion engines
JP2008309062A (ja) * 2007-06-14 2008-12-25 Mazda Motor Corp エンジンのノッキング検出装置
JP5535363B1 (ja) * 2013-04-16 2014-07-02 三菱電機株式会社 高周波放電用点火コイル装置および高周波放電点火装置

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