JPH11125112A - 内燃機関の触媒劣化検出装置 - Google Patents

内燃機関の触媒劣化検出装置

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JPH11125112A
JPH11125112A JP9288839A JP28883997A JPH11125112A JP H11125112 A JPH11125112 A JP H11125112A JP 9288839 A JP9288839 A JP 9288839A JP 28883997 A JP28883997 A JP 28883997A JP H11125112 A JPH11125112 A JP H11125112A
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air
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catalyst
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 機関運転状態にかかわらず正確に触媒劣化を
検出する。 【解決手段】 内燃機関1の三元触媒20上流側排気通
路に空燃比センサ13、下流側にO2 センサ15を配置
する。制御回路10はセンサ13、15の出力に基づい
て機関空燃比を目標空燃比にフィードバック制御すると
ともに、フィードバック制御実施中にセンサ13、15
の出力軌跡長に基づいて触媒劣化の有無を判別する。制
御回路は、機関吸気圧力、回転数とから現在機関が複数
の診断領域のうちどの診断領域で運転されているかを判
断し、各診断領域毎に設定された劣化判定値を用いてセ
ンサ13、15の出力軌跡長から触媒の劣化の有無を判
定する。複数の診断領域の各診断領域毎にそれぞれに適
合した劣化判定値を設定したことにより、機関運転状態
の差にかかわらず正確な劣化判定が行なわれる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関の排気浄
化触媒の劣化を判定する触媒劣化判定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】内燃機関の排気通路に設置した排気浄化
触媒の上流側と下流側の排気通路に配置された空燃比セ
ンサの出力に基づいて触媒の劣化の有無を判定する触媒
劣化判定装置が知られている。この種の触媒劣化判定装
置の例としては、例えば特開平7−247830号公報
に記載されたものがある。
【0003】同公報の装置では、機関が低回転、低負荷
で運転され機関運転空燃比が理論空燃比より多少リーン
側にシフトされた状態の診断領域と、機関が高回転、高
負荷で運転され機関空燃比が理論空燃比より多少リッチ
側にシフトされた状態の診断領域との2つの診断領域を
設け、機関運転状態が上記診断領域になったときの触媒
劣化検出結果に基づいて触媒の劣化の有無を判定してい
る。すなわち、上記公報の装置では、機関運転状態が上
記2つの診断領域のいずれかにあるときに、上流側空燃
比センサ出力と下流側空燃比センサ出力とがそれぞれ基
準値を横切る反転回数を求め、これらの反転回数を予め
定めた判定値と比較することにより触媒の劣化を判定す
る。そして、触媒が上記2つの診断領域の両方において
劣化したと判定されたときに真に触媒が劣化したと判定
するようにしている。
【0004】上記公報の装置では、空燃比をリーン側に
シフトした診断領域とリッチ側にシフトした診断領域と
の2つの異なる空燃比の診断領域で触媒の劣化判定を行
い、両方の診断領域で触媒が劣化判定されたときにの
み、触媒が劣化したと判断することにより、空燃比のず
れ等により触媒の劣化判定が影響を受けることを防止す
るようにしたものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】周知のように、三元触
媒は流入する排気の空燃比がリーンのときに排気中の酸
素を吸収し、排気空燃比がリッチのときには吸収した酸
素を放出する、いわゆるO2 ストレージ作用を行う。こ
のため、三元触媒が正常であれば触媒を通過した排気の
空燃比変動は触媒に流入する排気の空燃比変動より小さ
くなる。しかし、触媒のO2 ストレージ作用は触媒の劣
化とともに低下するため、触媒が劣化するとO2 ストレ
ージ作用による酸素の吸放出量も小さくなり、触媒下流
側の排気空燃比の変動は触媒上流側の排気空燃比の変動
に近づくようになる。従って、触媒下流側の排気空燃比
変動と触媒上流側の排気空燃比変動とを比較することに
より触媒の劣化程度を判定することができる。
【0006】上記特開平7−247830号公報の装置
は、上流側空燃比センサ出力の反転回数と下流側空燃比
センサ出力の反転回数とを、それぞれ触媒上流側と下流
側との排気空燃比の変動を表すパラメータとして使用
し、これらを比較することにより(すなわち、上流側空
燃比センサ出力の反転回数と下流側空燃比センサ出力の
反転回数との比を予め定めた判定値と比較することによ
り)それぞれの診断領域における触媒劣化の判定を行な
っている。
【0007】ところが、上記特開平7−247830号
公報の装置では各診断領域における触媒劣化判定値を同
一に設定しているために触媒劣化判定に誤差を生じる場
合がある。触媒下流側の排気空燃比の変動は触媒の劣化
程度が同一であっても触媒上流側の排気空燃比の変動の
状態によって大きく変化する。このため、上記特開平7
−247830号公報の装置では上流側空燃比センサに
より触媒上流側の排気空燃比変動を検出して、触媒下流
側の空燃比変動と比較することにより触媒上流側の空燃
比変動に影響されない触媒劣化判定を行なおうとしてい
る。しかし、実際には例えば上流側空燃比センサとして
排気空燃比と1対1に対応する連続的な電圧信号を出力
するリニア空燃比センサを使用したような場合には、逆
に問題を生じる場合がある。例えば、後述するように一
般に上流側空燃比センサ出力に基づく空燃比フィードバ
ック制御のゲインは高回転高負荷になるほど増大され
る。この場合、高回転高負荷運転領域では空燃比フィー
ドバック制御の周期は低回転低負荷運転時に比べて小さ
くなり、空燃比変動の振幅も小さくなる。このため、空
燃比制御中心が同一であっても高回転高負荷時には低回
転低負荷時に比べて上流側空燃比センサ出力には周期の
短い微小な変動が多く含まれるようになり、上流側空燃
比センサ出力の反転回数が比較的多くなる場合がある。
このような場合には、触媒が劣化して下流側空燃比セン
サ出力の反転回数がある程度増大しても、上流側空燃比
センサ出力の反転回数がそれ以上に増大しているため劣
化した触媒が正常と誤判定される場合がある。
【0008】また、空燃比センサ出力は劣化や他の原因
により出力特性が変化する場合があるため、通常、後述
するように上流側空燃比センサ出力の振幅と軌跡長とに
基づいて上流側空燃比センサ出力の特性変化を判定し、
触媒劣化判定の際に特性の変化に応じて上流側空燃比セ
ンサ出力の補正を行なっている。しかし、上述したよう
に上流側空燃比センサ出力特性に変化がなくても高回転
高負荷領域では低回転低負荷領域に比べて上流側空燃比
センサ出力に含まれる振幅の小さく周期の短い変動が増
大する。このため、たとえ出力特性に変化がない場合で
も機関運転領域によっては上流側空燃比センサ出力特性
が誤って補正されてしまい、正確な反転回数を求めるこ
とができない場合が生じる。
【0009】更に、正確な触媒劣化判定を行なうために
は触媒上流側の排気空燃比変動振幅が大きい状態(空燃
比が荒れた状態)では触媒劣化判定を禁止する必要があ
る。しかし、上述したように高回転高負荷運転時には実
際の排気空燃比変動の周期が短くなるため、比較的応答
性の低いリニア空燃比センサを上流側空燃比センサとし
て用いた場合には実際の空燃比変動に上流側空燃比セン
サ出力が追従できなくなる場合がある。このような場合
には、触媒上流側で空燃比の振幅が大きいにもかかわら
ず、上流側空燃比センサ出力変動の振幅がそれほど大き
くならないため、不適切な状態(空燃比が荒れた状態)
で触媒劣化判定が行なわれてしまう場合が生じる問題が
ある。
【0010】更に、前記特開平7−247830号公報
の装置では、必ず異なる2つの診断領域で劣化判定を行
なわなければ最終的な触媒劣化の有無の判定を行なうこ
とができないため、機関の運転状態によっては最終的な
劣化判定を行なうのに長時間を要し、触媒劣化判定実行
頻度が低くなる問題がある。本発明は上記問題に鑑み、
機関の運転状態によらず正確な触媒劣化判定が可能であ
り、しかも劣化判定実行頻度を高く維持することができ
る内燃機関の触媒劣化判定装置を提供することを目的と
している。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明に
よれば、内燃機関の排気通路に配置された三元触媒と、
該三元触媒の上流側排気通路に配置され、排気の空燃比
を検出する上流側空燃比センサと、前記三元触媒の下流
側排気通路に配置され、排気の空燃比を検出する下流側
空燃比センサと、前記内燃機関が予め定めた複数の触媒
診断領域のうちのいずれの運転領域で運転されているか
を判定する触媒診断領域判定手段と、前記上流側空燃比
センサ出力と下流側空燃比センサ出力とに基づいて前記
各診断領域毎に前記三元触媒の劣化程度を表すパラメー
タを算出する劣化パラメータ算出手段と、前記各診断領
域毎に劣化判定値を設定する判定値設定手段と、前記各
診断領域の劣化パラメータを前記各診断領域毎に設定さ
れた判定値と比較することにより、三元触媒が劣化した
か否かを判定する劣化判定手段と、を備えた内燃機関の
触媒劣化検出装置が提供される。
【0012】すなわち、請求項1の発明では、触媒の診
断領域は内燃機関の運転領域に応じて複数設定され、機
関がいずれかの診断領域で運転されているときに、その
診断領域における劣化パラメータが上流側空燃比センサ
出力と下流側空燃比センサ出力とに基づいて算出され
る。また、劣化判定手段は劣化パラメータを所定の判定
値と比較することにより触媒の劣化の有無を判定する
が、この劣化判定値は判定値設定手段により各診断領域
毎に設定される。例えば、高回転高負荷領域では低回転
低負荷領域に比べて上流側空燃比センサ出力に含まれる
短周期小振幅の振動が多くなる。判定値設定手段は後述
するように高回転高負荷領域におけるこの短周期小振幅
振動を考慮して高回転高負荷領域における劣化判定値を
低回転低負荷領域における劣化判定値と異なる値に設定
する。これにより、各診断領域での触媒劣化判定の精度
が向上する。更に、これにより各診断領域での劣化判定
結果の信頼性が向上するため、それぞれの診断領域にお
ける判定結果単独で触媒劣化の有無を判断できるように
なり触媒劣化判定実行頻度が増大する。
【0013】請求項2に記載の発明によれば、更に、前
記上流側空燃比センサ出力が理論空燃比相当出力を中心
として予め定めた診断実行範囲にある時にのみ前記劣化
判定手段による触媒劣化判定を許可する判定許可手段
と、前記診断実行範囲を前記各診断領域毎に設定する診
断実行空燃比領域設定手段と、を備えた請求項1に記載
の内燃機関の触媒劣化検出装置が提供される。
【0014】すなわち、請求項2の発明では請求項1の
発明において更に、上流側空燃比センサ出力の診断実行
範囲が診断領域毎に設定される。例えば高回転高負荷運
転時には上流側空燃比センサ出力の応答遅れを考慮して
低回転低負荷運転時とは異なる診断実行範囲が設定され
る。これにより、機関運転状態にかかわらず、常に適切
な条件下で触媒劣化判定が行なわれるようになり、劣化
判定精度が更に向上する。
【0015】請求項3に記載の発明によれば、前記劣化
判定手段は更に、各診断領域における前記上流側空燃比
センサ出力変化の振幅と周期とに基づいてそれぞれの診
断領域における上流側空燃比センサ出力特性のずれを検
出する出力特性検出手段と、前記パラメータ算出手段に
より算出された劣化パラメータの値を前記検出された各
診断領域における出力特性のずれに基づいて補正する補
正手段とを備え、該補正後の劣化パラメータの値を前記
判定値と比較することにより三元触媒が劣化したか否か
を判定する請求項1に記載の内燃機関の触媒劣化判定装
置が提供される。
【0016】すなわち、請求項3の発明では、請求項1
の発明において更に各診断領域毎に上流側空燃比センサ
出力特性のずれが検出され、各診断領域毎に出力特性の
ずれに応じて劣化パラメータの値が補正される。前述の
ように、上流側空燃比センサ出力の振幅と周期とに基づ
いて上流側空燃比センサ出力特性のずれを検出する場合
には、高回転高負荷運転時には短周期小振幅の空燃比変
動のために上流側空燃比センサ出力特性のずれの検出結
果が異なってくる。本発明では、各診断領域毎に検出さ
れた出力特性のずれに応じて劣化パラメータの値を補正
する際に、高回転高負荷運転領域では上記短周期小振幅
の空燃比変動の影響を考慮して、低回転低負荷領域とは
異なる補正を行なう。このため、診断領域にかかわらず
上流側空燃比センサ出力特性のずれが正確に補正され、
触媒劣化判定の精度が向上する。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を用いて本発明の
実施形態を説明する。図1は本発明を自動車用内燃機関
に適用した場合の全体構成を示す概略図である。図1に
おいて、1は内燃機関本体、2は機関1の吸気通路に設
けられたサージタンク、2aはサージタンク2と各気筒
の吸気ポートを接続するマニホルド、16はサージタン
ク2の上流側の吸気通路に配置され運転者のアクセルペ
ダル21操作量に応じた開度をとるスロットル弁、7は
機関1の各気筒の吸気ポートに加圧燃料を噴射する燃料
噴射弁である。スロットル弁16にはスロットル弁の動
作量(開度)に応じた電圧信号を発生するスロットル開
度センサ17が設けられている。
【0018】また、図1において11は各気筒の排気ポ
ートを共通の集合排気管14に接続する排気マニホル
ド、20は排気管14に配置された三元触媒、13は排
気マニホルド11の排気合流部(三元触媒20上流側)
に配置された上流側空燃比センサ、15は三元触媒20
下流側の排気管14に配置された下流側空燃比センサで
ある。三元触媒20は、流入する排気空燃比が理論空燃
比近傍にあるときに排気中のHC、CO、NOX の3成
分を同時に浄化することができる。
【0019】また、本実施形態では上流側空燃比センサ
13としては排気空燃比と1対1に対応する連続電圧信
号を発生するいわゆるリニア空燃比センサ(以下「A/
Fセンサ」と呼ぶ)が使用され、下流側空燃比センサ1
5としては理論空燃比近傍で急激に出力電圧が変化する
いわゆるZ型出力のO2 センサが使用されている。図2
(A) はA/Fセンサの、図2(B) はZ型出力O2 センサ
の、それぞれ一般的な出力特性を示す図である。図2
(A) に示すように、A/Fセンサは空燃比に略比例した
連続的な電圧信号を出力するのに対して、図2(B) に示
すようにO2 センサは理論空燃比近傍で出力電圧が急変
し、理論空燃比近傍の狭い範囲以外では出力電圧は排気
空燃比には比例しない。
【0020】本実施形態では、吸気通路のサージタンク
2にはサージタンク内の吸気圧力(絶対圧)に応じた電
圧信号を発生する吸気圧センサ3が設けられており、ま
た、機関本体1のシリンダブロックのウォータジャケッ
ト8には、冷却水の温度に応じたアナログ電圧の電気信
号を発生する水温センサ9が設けられている。なお、上
述のスロットル弁開度センサ17、吸気圧センサ3、水
温センサ9及びA/Fセンサ13、O2 センサ15の出
力信号は、後述する制御回路10のマルチプレクサ内蔵
A/D変換器101に入力される。
【0021】図1に5、6で示すのは、それぞれ機関1
のカム軸とクランク軸(図示せず)との近傍に配置され
たクランク角センサである。クランク角センサ5は例え
ばクランク角720°毎に基準位置検出用パルス信号を
発生し、クランク角センサ6は、クランク角30°毎に
クランク角検出用パルス信号を発生する。これらクラン
ク角センサ5、6のパルス信号は制御回路10の入出力
インターフェイス102に供給され、このうちクランク
角センサ6の出力は制御回路10のCPU103の割込
み端子に供給される。制御回路10はクランク角センサ
6からのパルス信号の周波数に基いて機関1の回転数
(回転速度)を算出する。
【0022】制御回路10は、たとえばマイクロコンピ
ュータとして構成され、マルチプレクサ内蔵A/D変換
器101、入出力インターフェイス102、CPU10
3の他に、ROM104、RAM105、メインスイッ
チがオフにされた場合でも記憶保持可能なバックアップ
RAM106、クロック発生回路107等が設けられて
いる。
【0023】本実施例では、制御回路10は、吸気圧、
スロットル弁開度及び機関回転数に基づいて機関1の燃
料噴射量制御、点火時期制御等の機関1の基本制御を行
う他、本実施形態では、後述するようにA/Fセンサ1
3、O2 センサ15出力に基づいて三元触媒20の劣化
判定を行なう。すなわち、制御回路10は、各請求項に
記載した触媒診断領域判定手段、劣化パラメータ算出手
段、判定値設定手段、劣化判定手段、等の各手段として
機能する。
【0024】上記制御を行うため、制御回路10は一定
時間毎に実行するA/D変換ルーチンにより、吸気圧セ
ンサ3からの吸気圧(PM)信号、スロットル開度セン
サ17からのスロットル開度(TA)信号、水温センサ
9からの冷却水温度(THW)信号、A/Fセンサ13
からの排気空燃比信号(VAF)及びO2 センサ15か
らの排気空燃比信号(VOS)をA/D変換する。
【0025】また、制御回路10の入出力インターフェ
イス102は駆動回路108を介して燃料噴射弁7に接
続され、燃料噴射弁7からの燃料噴射量、噴射時期を制
御している。次に、本実施例の機関の燃料噴射量算出に
ついて説明する。本実施形態では、機関1への燃料噴射
量FIは次式により算出される。
【0026】FI=FCR×α+DF+β…(1) ここで、FCRは機関空燃比を目標空燃比(理論空燃
比)に維持するのに必要な燃料噴射量(基本燃料噴射
量)、DFは上流側空燃比センサ13出力VAFと下流
側O2 センサ15出力VOSとに基づくフィードバック
制御により定まるフィードバック補正量である。また、
α、βは機関の冷間始動時や過渡運転時の燃料噴射量補
正のための係数であり、通常の定常運転ではα=1、β
=0に設定される。
【0027】本実施形態では、基本燃料噴射量FCRは
以下の式により算出される。 FCR=MC/AFT…(2) ここで、MCは実際に気筒内に吸入された空気量であ
り、吸気圧センサ3で検出した吸気圧力PM及び機関回
転数NEに基づいて予め制御回路10のROM104に
格納された数値マップから算出された値にスロットル開
度TAの変化に基づく過渡運転状態の補正を加えた値と
される。また、AFTは目標空燃比(本実施形態では理
論空燃比)である。すなわち,基本燃料噴射量FCRは
実際に気筒内に吸入された空気量に対して機関空燃比を
理論空燃比にするために必要な燃料噴射量を表してい
る。
【0028】また、フィードバック補正量DFは次式に
より算出される。 DF=KFP×FD+KFI×ΣFD…(3) ここで、FDは実際に機関に供給された燃料量と基本燃
料噴射量FCRとの差を、ΣFDはFDの積算値を表し
ている。すなわち、フィードバック補正量DFは実際に
機関に供給された燃料量と機関を目標空燃比にするため
に必要な燃料量FCRとの偏差FDの比例項KFP×FD
と積分項KFI×ΣFDとの和として算出される。KFP
FIは、それぞれ比例係数、積分係数である。
【0029】なお、実際に機関に供給された燃料量は前
述の(2) 式で使用した筒内空気量MCを、上流側空燃比
センサ13出力VAFに基づいて算出した触媒20上流
側の空燃比ABFで除することにより算出される。すな
わち、上記偏差FDは、 FD=MC/ABF−FCR…(4) 燃料噴射量は偏差FDが大きいほど、また偏差FDの積
分値ΣFDが大きい程増量されることになる。
【0030】次に、(4) 式における触媒20上流側空燃
比ABFの算出について説明する。上流側空燃比ABF
は上流側空燃比センサ13出力VAFに基づいて算出さ
れるが、上流側空燃比センサ13出力は、例えば理論空
燃比相当出力の経年変化やセンサ毎の出力特性のばらつ
き、更には上流側空燃比センサ13位置において各気筒
からの排気の混合状態が均一でないこと、などにより必
ずしも正確に機関空燃比に等しくなっていない場合があ
る。一方、下流側O2 センサ15位置では排気の混合状
態は均一になっており、排気温度も低くなっているため
2 センサ出力の経年変化も比較的小さい。そこで、本
実施形態では、下流側O2 センサ15の実際の出力と目
標空燃比相当出力VOSTとの偏差VDに基づいてサブ
フィードバック補正量DVを算出し、このフィードバッ
ク補正量DVを用いて上流側空燃比センサ出力VAFを
以下の式で補正するようにしている。
【0031】 VAF′=VAF+DV…(5) ここで、VAF′はサブフィードバック補正後の上流側
空燃比センサ出力である。また、サブフィードバック補
正量DVは、O2 センサ15出力と目標空燃比相当出力
VOSTとの偏差VD(VD=VOS−VOST…(6)
)を用いて、 DV=KXP×VD+KXI×ΣVD…(7) として算出される。
【0032】ここで、ΣVDは偏差VDの積算値、
XP、KXIはそれぞれ比例定数、積分定数を表してい
る。すなわち、サブフィードバック補正量DVは、偏差
VDの比例項(KXP×VD)と積分項(KXI×ΣVD)
との和として算出されることになる。本実施形態では、
上記により求めたサブフィードバック補正後の上流側空
燃比センサ出力VAF′に更に空燃比センサ13の劣化
や他の原因による出力特性のずれに対する補正を加え
た、補正後の上流側空燃比センサ出力VAFAを用いて
図2(A) に示した関係から触媒20上流側の排気空燃比
ABFを算出する。
【0033】なお、空燃比センサ出力特性のずれに対す
る補正については後述する。上述のように、本実施形態
では上流側空燃比センサ13出力と下流側O2 センサ1
5出力とに基づいて機関空燃比(すなわち触媒20に流
入する排気の空燃比)が目標空燃比に制御される。次
に、本実施形態における触媒劣化検出について説明す
る。
【0034】本実施形態では、後述するように上流側空
燃比センサ13出力の軌跡長と下流側O2 センサ15出
力の軌跡長とに基づいて触媒20の劣化の有無を判定す
る。公知のように、三元触媒は流入する排気の空燃比が
リーンのときに排気中の酸素を吸着し、流入する排気の
空燃比がリッチのときに吸着保持した酸素を放出するO
2 ストレージ作用を行う。このO2 ストレージ作用によ
り、三元触媒に流入する排気の空燃比が理論空燃比近傍
で多少変動した場合であっても三元触媒は理論空燃比雰
囲気に保持される。このため、三元触媒の機能が最大限
に発揮される。
【0035】また、前述のように、三元触媒がO2 スト
レージ作用を十分に発揮している場合には触媒20下流
側の排気の空燃比はほぼ理論空燃比近傍に維持されるた
め変動が少なくなる。このため、三元触媒がO2 ストレ
ージ作用を十分に発揮している場合には、下流側O2
ンサ15出力の軌跡長LVOS(図3)は上流側空燃比
センサ出力の軌跡長LVAFに比較して小さくなる。と
ころが、三元触媒が劣化するとそれに応じて触媒のO2
ストレージ作用も低下するようになり、触媒20下流側
の排気空燃比も触媒20上流側の排気の空燃比に応じて
変動するようになる。これにより、下流側O2 センサ1
5出力の軌跡長LVOSは触媒の劣化とともに上流側空
燃比センサ13出力の軌跡長LVAFに近づくようにな
る。このため、下流側O2 センサ15出力の軌跡長LV
OSと上流側空燃比センサ13出力の軌跡長LVAFと
の比LVOS/LVAFの値がある値より大きくなった
場合に三元触媒が劣化したと判定することができる。
【0036】図3(B) 、(C) は、上述した三元触媒の劣
化による下流側O2 センサ15出力の変化を、上流側空
燃比センサ13出力(図3(A) )と対応させて説明する
図である。図3(A) に示すように、本実施形態では空燃
比フィードバック制御により触媒上流側の空燃比は理論
空燃比を中心に比較的小さな幅で変動する。このため、
上流側空燃比センサ出力の軌跡長LVAFは、図3(A)
に示すように比較的小さな値となる。
【0037】一方、図3(B) は触媒に劣化を生じていな
い場合の下流側O2 センサ15の出力波形を示す。前述
のように、触媒に劣化を生じていない場合には、触媒下
流側の排気空燃比は理論空燃比近傍に維持されるが、O
2 センサは排気空燃比がリッチかリーンかに応じて異な
る出力電圧を発生するため、下流側O2 センサ15の出
力はリッチレベルとリーンレベルとの間を比較的長い周
期で変動する。このため、図3(B) に示すように、下流
側O2 センサ15出力の軌跡長LVOSは極めて小さい
値となり、これらの軌跡長の比LVOS/LVAFの値
も小さくなる。
【0038】図3(C) は触媒に劣化を生じた場合の下流
側O2 センサ15の出力波形を示す。三元触媒が劣化す
るとそれに伴うO2 ストレージ作用の低下のため下流側
2センサ出力は触媒上流側の排気空燃比の変動(図3
(A) )とほぼ同じ周期で変動するようになるため、図3
(C) に示すように下流側O2 センサ15の軌跡長LVO
Sが増大し、軌跡長比LVOS/LVAFは大きな値を
取るようになる。
【0039】図4(A) は、本実施形態における触媒劣化
検出に用いる判定値マップを示している。後述するよう
に、図4(A) は機関1が低回転低負荷領域で運転されて
いるときの劣化判定マップを示している。本実施形態で
は、上流側空燃比センサ13軌跡長LVAFの各値に応
じて劣化判定の際の軌跡長比LVOS/LVAFの判定
値を設定している。このため、本実施形態における判定
値マップは、縦軸に下流側O2 センサ15出力の軌跡長
LVOSをとり、横軸に上流側空燃比センサ13出力の
軌跡長LVAFをとった形で図4(A) のように表され
る。
【0040】図4(A) のように軌跡長比LVOS/LV
AFそのものの代わりにLVOSとLVAFとのマップ
を用いて判定を行うのは、例えばLVAFが極端に大き
な値や小さな値であるとき(すなわち上流側の空燃比変
動が極めて大きい場合や小さい場合)には、軌跡長比を
用いて判定を行うと正確な判定ができない場合が生じる
からである。
【0041】更に、図4(A) に示すように、本実施形態
では触媒が劣化したと判定する領域(劣化領域)と触媒
が正常と判定する領域(正常領域)とは離れており、中
間にどちらにも属さない領域(不感帯)が設けられてい
る。後述するように、本実施形態では、軌跡長LVOS
とLVAFとの組合せが図4(A) の劣化領域に入った場
合には触媒が劣化したと判定し、図4(A) の正常領域に
入った場合には触媒が正常と判定するが、それ以外の場
合には判定を行わない。このように、触媒の劣化判定マ
ップに不感帯を設けているのは、触媒の劣化、正常の判
定の信頼度を向上させるためである。
【0042】上述したように、図4(A) は本実施形態の
機関の低回転低負荷領域における劣化判定マップを示し
ている。しかし、図4(A) の劣化判定マップを、例えば
機関が高回転高負荷運転時に使用した場合には正確な触
媒劣化判定が困難になる場合が生じる。以下にその理由
を説明する。前述のように、本実施形態では機関1の燃
料噴射量は下記の(1) から(4) 式により算出される。
【0043】FI=FCR×α+DF+β …(1) FCR=MC/AFT …(2) DF=KFP×FD+KFI×ΣFD…(3) FD=MC/ABF−FCR …(4) 上記(1) 式から判るように、燃料噴射量はフィードバッ
ク補正量DFが大きく変化すれば他の条件が同一であっ
ても大きく変化する。すなわち、空燃比はフィードバッ
ク補正量DFに応じて変動する。一方、式(3) に示すよ
うに、フィードバック補正量DFは、燃料噴射量の偏差
FDの比例項と積分項との和として与えられ、偏差FD
は式(4) から判るように触媒上流側の空燃比と目標空燃
比との差に応じて変化する。また、偏差FDが同一であ
った場合には、フィードバック補正量DFの値は係数K
FPとKFIとが大きい程大きくなる。すなわち、係数KFP
とKFIとのうち一方または両方の値を大きく設定すれば
触媒上流側の空燃比の目標空燃比からの偏差が同一であ
ってもフィードバック補正量DFは大きく変化し、空燃
比の変化速度は速くなる。このため、係数KFPとKFI
うち一方または両方の値を(すなわち、空燃比フィード
バック制御のゲインを)大きく設定すればフィードバッ
ク制御の応答性が高くなり、逆に空燃比フィードバック
制御のゲインを小さく設定すればフィードバック制御の
応答性は低くなる。
【0044】本実施形態では、機関の運転状態に応じて
空燃比フィードバック制御のゲインを変更することによ
り常に最適な空燃比制御を行なうようにしている。すな
わち、本実施形態では高い制御応答性が必要とされる機
関高回転高負荷運転時にはフィードバック制御のゲイン
を大きく設定して空燃比の大きな変動(空燃比の荒れ)
を防止するとともに、あまり高い制御応答性を必要とし
ない機関低回転低負荷時にはフィードバック制御のゲイ
ンを小さく設定して空燃比のハンチングが生じることを
防止している。
【0045】このように、機関の高回転高負荷運転領域
でフィードバック制御のゲインを大きく設定した結果、
機関高回転高負荷運転領域における機関空燃比変動は低
回転低負荷運転領域における変動とは異なってくる。図
5は、上記フィードバック制御ゲインの変化に伴う触媒
20上流側の排気空燃比の変動の差を模式的に示す図で
あり、図5(A) はゲインが小さい場合(機関低回転低負
荷運転時)の空燃比変動を、図5(B) はゲインが大きい
場合(機関高回転高負荷運転時)の空燃比変動をそれぞ
れ示している。
【0046】図5(A) に示すように、機関低回転低負荷
運転(ゲイン小)時には触媒20上流側の空燃比変動の
振幅は比較的大きく変動周期は比較的長くなっているの
に対して、図5(B) に示すように機関高回転高負荷運転
(ゲイン大)時には振幅が小さく周期の短い微小変動が
多数現れるようになる。このように微小変動の数が増加
すると、空燃比が目標空燃比近傍に収束している場合で
も微小変動のために上流側空燃比センサ13出力の軌跡
長は増大する。すなわち、図5(A) (低回転低負荷運転
時)と図5(B) (高回転高負荷運転時)とを比較する
と、どちらも触媒20上流側の排気空燃比は目標空燃比
近傍に収束しているにもかかわらず図5(B) (高回転高
負荷運転時)では図5(A) (低回転低負荷運転時)に比
べて上流側空燃比センサ13の軌跡長LVAFは大きく
なってしまう。
【0047】このため、低回転低負荷運転時と高回転高
負荷運転時とで同一の劣化判定マップを使用して触媒劣
化判定を行なうと正確な判定ができなくなる場合が生じ
る。例えば、低回転低負荷運転時に適合させて作成した
図4(A) の劣化判定マップを高回転高負荷運転時に使用
した場合、低回転低負荷運転時に異常と判定される触媒
(例えば図4(A) のマップ上でA点に位置する触媒)が
高回転高負荷運転時には軌跡長LVAFの増大のため図
4(A) のA′点に位置するようになってしまい図4(A)
のマップでは劣化判定がされなくなってしまう問題が生
じる。
【0048】そこで、本実施形態では高回転高負荷運転
時には図4(A) と異なる劣化判定マップ(図4(B) )を
使用して劣化判定を行なうようにしている。図4(B) の
劣化判定マップでは、上記上流側空燃比センサ13軌跡
長LVAFの増大に応じて、劣化、正常の判定ラインと
も図4(A) に比べて右方向(LVAF大の方向)に移動
していることが判る。このように、高回転高負荷運転時
には低回転低負荷運転時に比べて劣化、正常の判定ライ
ンをLVAF大側に移動させたマップを使用して劣化判
定を行なうことにより、高回転高負荷運転時の空燃比の
微小変動の影響による判定誤差を防止することができ
る。
【0049】更に、本実施形態では、図4(B) の劣化判
定マップの劣化、正常の判定ラインは図4(A) に比べて
下方向(下流側O2 センサ15軌跡長LVOS小の方
向)に移動させて設定している。以下にこの理由につい
て説明する。前述のように、本実施形態では上流側空燃
比センサ出力VAFに基づく空燃比メインフィードバッ
ク制御(前述の(1) から(4) 式)における目標空燃比A
FT及び下流側O2 センサ出力VOSに基づく空燃比サ
ブフィードバック制御における目標空燃比VOSTは原
則として理論空燃比に設定されており、機関空燃比は理
論空燃比に制御される。しかし、実際には機関空燃比を
常に理論空燃比に維持していると高回転高負荷運転時に
は燃焼時間が短くなるために不完全燃焼が生じたり、逆
に燃焼温度が高くなるためにNOX の発生量が増大する
等の問題が生じる。そこで、実際には高回転高負荷運転
時にはメインフィードバック制御の目標空燃比AFTと
サブフィードバック制御の目標空燃比VOSTとも理論
空燃比よりやや低く設定して機関空燃比をリッチ側にシ
フトするようにして上記問題を解決している。
【0050】このように高回転高負荷運転時に機関空燃
比をリッチ側にシフトした結果、触媒下流側での排気空
燃比変動の中心もリッチ側にシフトすることになる。と
ころが、触媒下流側の排気空燃比がリッチ空燃比を中心
として変動するようになると、下流側O2 センサ15の
出力VOSはリッチ側に貼りつき易くなり、実際の空燃
比変動振幅が同一であった場合でもVOSの振幅は小さ
くなる傾向がある。図6は、図2(A) と同様な下流側O
2 センサ13の出力特性を示す図である。図6におい
て、例えば空燃比が理論空燃比を中心として振幅Aで変
動している場合には、O2 センサ13出力VOSは図6
に示すように振幅aで変動する。しかし、空燃比がリッ
チ空燃比Rを中心として同一の振幅Aで変動した場合に
は、O 2 センサ13の出力はリッチ側の最大出力以上に
は高くならないため出力変動の振幅はaより小さいa′
となってしまう。すなわち、空燃比変動の中心がリッチ
側にシフトすると空燃比変動の振幅が同一であっても下
流側O2 センサ13出力VOSの変動振幅が小さくなる
傾向がある。これは、空燃比変動中心がリーン側にシフ
トした場合も同様である。図7は、機関空燃比変動や他
の条件が同一の場合の空燃比変動中心が理論空燃比にあ
る場合(図7(A) )とリッチ側にシフトした場合(図7
(B) )の下流側O2 センサ13出力波形を示している。
図7(B) に示すように空燃比変動の中心がリッチ側にシ
フトすると(すなわち、高回転高負荷運転時には)空燃
比変動の振幅が同一であっても下流側O2 センサ出力V
OSの変動振幅は図7(A) に比べて小さくなる。このた
め、VOSの軌跡長LVOSは実際の空燃比変動に相当
する値より小さくなってしまう。
【0051】このため、低回転低負荷運転時(空燃比変
動中心が理論空燃比のとき)と高回転高負荷運転時(空
燃比変動中心がリッチ空燃比のとき)とで劣化判定マッ
プ(図4(A) (B) )の劣化、正常判定のLVOSの値を
同一とすると劣化判定に誤差が生じることになる。そこ
で、本実施形態では図4(B) のように、高回転高負荷運
転時には低回転低負荷運転時(図4(A) )に比べて劣
化、正常の判定ラインとも下方向(LVOS小の方向)
に移動させることにより上記誤判定を防止するようにし
ているのである。
【0052】なお、劣化程度や機関運転領域による軌跡
長比の変化傾向は触媒の種類、容量や機関のタイプなど
により異なる為、実際には図4(A) (B) の劣化判定マッ
プは許容限界まで劣化した触媒と実際の機関とを用いて
条件を変えて運転を行い、LVAFとLVOSとを実測
することにより求めることが好ましい。また、図4には
低回転低負荷運転時と高回転高負荷運転時との2つの運
転領域(診断領域)における劣化判定マップを示してい
るが、機関の負荷と回転から定まる診断領域を3つ以上
設け、それぞれの診断領域について図4(A) (B) と同様
な劣化判定マップを設定するようにしても良い。
【0053】次に、上流側空燃比センサ15の出力特性
ずれに対する補正について説明する。空燃比センサは例
えば個体間のばらつきや経年変化、或いは劣化等により
出力特性が基準状態からずれた状態になる場合がある。
出力特性が基準状態からずれると、同一の空燃比であっ
ても空燃比センサ出力電圧は本来出力すべき出力電圧
(基準出力特性における出力電圧)より大きくなり空燃
比に対する感度が増大した状態(出力拡大方向の特性ず
れ)または、本来出力すべき出力電圧より小さくなり空
燃比に対する感度が減少した状態(出力縮小方向へのず
れ)のいずれかになる。前述のように本実施形態では空
燃比のメインフィードバック制御(前述の(1) から(4)
式)では、上流側空燃比センサ13で検出した空燃比と
目標空燃比AFTとの偏差が大きい程フィードバック補
正量DFが大きく設定されるため、出力拡大方向の特性
ずれが生じると実際の空燃比の偏差が同一であってもフ
ィードバック制御補正量DFは大きな値に設定されるよ
うになり、実際の空燃比が目標空燃比に復帰するまでの
時間が特性ずれのない場合に比べて短くなる。また、逆
に出力縮小方向の特性ずれが生じるとフィードバック制
御補正量DFは特性ずれがない場合に比べて小さくな
り、実際の空燃比が目標空燃比に復帰するまでの時間が
長くなる。
【0054】図8は出力特性の変化が生じた場合の空燃
比フィードバック制御中の上流側空燃比センサ13出力
VAFの波形の変化を説明する図である。図8において
(A)は上流側空燃比センサ13に特性のずれが生じてい
ない場合、(B) は出力拡大方向の変化が生じた場合、
(C) は出力縮小方向の変化が生じた場合を示している。
前述したように、出力拡大方向の特性ずれが生じた場合
(図8(B) )には空燃比センサ13出力VAFが大きく
なるため、VAFの変動振幅は基準状態(図8(A) )よ
り大きくなる。この場合、VAFの変動振幅(目標空燃
比からの偏差)VPが増大するのに応じて目標空燃比へ
の復帰時間が短くなるためVAFの反転周期VTは基準
状態より短くなる。また、出力縮小方向への特性ずれが
生じた場合(図8(C) )には、上記とは逆にVAFの変
動振幅VPは基準状態より小さくなり、反転周期VTは
基準状態より長くなる。このため、空燃比フィードバッ
ク制御中の上流側空燃比センサ出力VAFの変動振幅V
Pと反転周期VTとを監視することにより上流側空燃比
センサ13の出力特性のずれを判定することができる。
【0055】本実施形態では、制御回路10は空燃比フ
ィードバック制御中に上流側空燃比センサ13出力VA
Fに基づいて、VAFの振幅VPと反転周期VTとを算
出し、VPとVTとに基づいて予め定めたマップから特
性補正係数Kを算出する。そして、前述の(5) 式から求
めたサブフィードバック制御に基づく補正後の上流側空
燃比センサ出力VAF′を補正係数Kを用いて次式によ
り補正し、補正後の上流側空燃比センサ出力VAFAを
算出している。
【0056】VAFA=(VAF′−VAFT)×K+
VAFT…(8) ここで、VAFTは基準状態における上流側空燃比セン
サ13の目標空燃比相当出力である。すなわち、特性補
正係数Kは、上流側空燃比センサ13の出力特性が出力
拡大側(図8(B) )にずれるほどK<1.0の範囲で小
さな値に、また出力縮小側(図8(C) )にずれるほどK
>1.0の範囲で大きな値に設定される。
【0057】図9(A) は本実施形態における機関低回転
低負荷運転時の特性補正係数マップである。図9(A) に
示すように特性補正係数Kの値は、反転周期VTが同一
であれば振幅VPが大きい程(出力特性が拡大側にずれ
るほど)小さな値に設定され、振幅VPが同一であれば
反転周期VTが小さいほど(出力特性が拡大側にずれる
ほど)小さい値に設定される。
【0058】ところが、このように出力VAFの振幅V
Pと反転周期VTとを用いて補正を行なう場合、機関の
運転領域にかかわらず図9(A) のマップを用いて補正係
数Kを算出していると空燃比センサ13の出力特性ずれ
が正確に補正されなくなる場合がある。すなわち、前述
したように高回転高負荷運転時にはフィードバック制御
のゲインが増大されるためフィードバック制御周期が短
くなり、上流側空燃比センサ13の出力特性に変化がな
い場合でも低回転低負荷運転時に比べてVAFの反転周
期VTは短く、振幅VPは小さくなる。このため、高回
転高負荷運転時と低回転低負荷運転時とで同一の補正係
数マップを使用したのでは出力特性のずれに対する補正
が不適当になる領域が生じるのである。
【0059】このように、出力特性ずれに対する補正が
不適当になると、補正後の上流側空燃比センサ出力VA
FAを用いた空燃比フィードバック制御のみならず触媒
の劣化判定自体が不正確になってしまう問題がある。そ
こで、本実施形態では機関の高回転高負荷運転時には図
9(A) とは異なる補正係数マップを用いて補正係数Kを
算出するようにしている。図9(B) は本実施形態におけ
る機関高回転高負荷運転時の補正係数マップを示してい
る。図9(B)に示すように機関高回転高負荷運転時の補
正係数マップは機関低回転低負荷運転時のマップ(図9
(A) )に対して同一の補正係数Kの線が右方向(振幅V
P大の方向)かつ下方向(反転周期VT小の方向)に移
動している。これにより、同一の上流側空燃比センサ1
3に対しては、機関の低回転低負荷運転時と高回転高負
荷運転時とで同一の補正係数Kが設定されるようにな
る。
【0060】このように、機関低回転低負荷運転時と高
回転高負荷運転時とでそれぞれの運転状態に応じた異な
る補正係数マップ(図9(A) (B) )を用いて出力特性ず
れを補正した上流側空燃比センサ出力VAFAを用いて
触媒の劣化判定を行なうことにより、機関運転領域(診
断領域)により劣化判定に誤差が生じることが防止され
るようになる。
【0061】なお、補正係数Kのマップ(図9(A) (B)
)は上流側空燃比センサの種類、機関の形式により異
なってくるため、実際には使用する機関と上流側空燃比
センサとを用いた実験に基づいて補正係数Kのマップを
決定することが好ましい。また、図9には低回転低負荷
運転時と高回転高負荷運転時との2つの運転領域(診断
領域)における補正係数Kのマップを示しているが、実
際には機関の負荷と回転から定まる診断領域を3つ以上
設け、それぞれの診断領域について図9(A) (B)と同様
な劣化判定マップを設定するようにして出力特性のずれ
に対する補正の精度を向上させることも可能である。
【0062】次に、劣化判定(診断)実行条件について
説明する。前述のように、機関空燃比が荒れた(空燃比
変動が大きい)状態では正確な触媒劣化判定が困難とな
る。そこで、本実施形態では補正後の上流側空燃比セン
サ出力VAFAが目標空燃比を中心として所定の診断実
行範囲内で変動している場合にのみ劣化判定を許可する
ようにしている。
【0063】ところが、この場合にも診断実行範囲の空
燃比を同一に設定していると、機関運転領域(診断領
域)によっては実際には劣化判定に不適当な場合でも
(すなわち空燃比が荒れた状態でも)劣化判定が実行さ
れてしまい、判定結果に誤差が生じる場合がある。すな
わち、空燃比センサは空燃比変動に対する出力応答性が
比較的低いため、大きな振幅の空燃比変動であっても変
動周期が短い場合には出力が追従できなくなる。このた
め、例えば機関の高回転高負荷運転時等で空燃比変動周
期が短くなっている状態では振幅の大きい空燃比変動が
あって、実際には空燃比が診断実行範囲から外れて変動
しているにもかかわらず、上流側空燃比センサ出力VA
FAの変動が小さくなり、空燃比が診断実行範囲にある
と誤判定されてしまう場合が生じる。そこで、本実施形
態では図10(A) (B) に示すように機関低回転低負荷運
転時と高回転高負荷運転時とで診断実行範囲の空燃比を
変えて劣化判定精度を向上させるようにしている。
【0064】図10(A) は低回転低負荷運転時の診断実
行範囲を示す。低回転低負荷運転時は前述したように空
燃比フィードバック制御のゲインは比較的小さいため空
燃比変動の周期は比較的長い。このため、図10(A) に
示すように上流側空燃比センサ出力は十分に実際の空燃
比変動に追従して変化する。従って、上流側空燃比セン
サ出力VAFAから見た診断実行範囲は実際の空燃比の
診断実行範囲と対応した範囲に設定される。
【0065】一方図10(B) は高回転高負荷運転時の診
断実行範囲を示す。高回転高負荷運転時はフィードバッ
ク制御のゲインが大きく設定され、図10(B) に示すよ
うに空燃比変動の周期は短くなる。このため、実際には
大きな空燃比変動があっても上流側空燃比センサ出力V
AFAが追従できずVAFAの変動振幅は実際の空燃比
変動の振幅より小さくなっている。従って、本実施形態
では図10(B) に示すように高回転高負荷運転時には上
流側空燃比センサ出力VAFAから見た診断実行範囲は
図10(A) に比べて小さく設定されている。これによ
り、低回転低負荷運転時に劣化判定実行頻度を低下させ
ることなく高回転高負荷運転時に不適切な状態で劣化判
定が実行されることが防止される。
【0066】なお、診断実行範囲は空燃比センサの応答
性と機関の空燃比制御の特性とに応じて変化するため、
実際の診断実行範囲は使用する機関と空燃比センサとを
用いて実験により設定することが好ましい。また、この
診断実行範囲についても3つ以上の診断領域を設定し
て、それぞれの領域について診断実行範囲を設定するよ
うにしても良い。
【0067】図11、図12は、上記に説明した触媒劣
化判定操作のフローチャートを示している。本操作は制
御回路10により一定時間毎に実行されるルーチンとし
て行なわれる。図11、ステップ1101では、まず機
関回転数NE、吸気圧力PMがそれぞれのセンサから読
み込まれるとともに、出力特性ずれ補正後の上流側空燃
比センサ13出力VAFA及び下流側O2 センサ出力V
OSが読み込まれる。
【0068】なお、ステップ1101で読み込まれるV
AFAは、別途実行される図示しないルーチンで機関運
転領域(診断領域)に応じた出力特性ずれの補正(図9
(A)(B) )を加えた後のものである。ステップ1103
では、触媒劣化判定実行条件が成立しているか否かが判
定される。ここで、劣化判定実行条件は、例えば現在空
燃比フィードバック制御が実行中であること、機関運転
状態が安定していること(機関回転数NE、吸気圧力P
Mの変化速度が所定値より小さいこと)等である。劣化
判定条件が成立していない場合にはステップ1103実
行後本ルーチンは直ちに終了する。
【0069】ステップ1103で触媒劣化判定条件が成
立していた場合には、次いで、ステップ1105とステ
ップ1107(及びステップ1119から1123)で
は、機関回転数NEと吸気圧力PM(すなわち機関負
荷)とに基づいて、現在機関がどの運転領域(診断領
域)で運転されているかが判定される。本実施形態で
は、触媒劣化の診断領域として機関回転数NEと機関負
荷(吸気圧力PM)とに基づいてN+1個(N+1≧
2)の機関運転領域を設定している。ステップ1105
とステップ1107とでは、それぞれ現在のNEとPM
とがi番目の診断領域にあるか否かをiの値を0からN
まで変えて(ステップ1119から1121)判定して
いる。なお、NELi 、NEHi はi番目の診断領域の
回転数NEのそれぞれ下限値と上限値を、PMLi 、P
MHi はi番目の診断領域の吸気圧力PMのそれぞれ下
限値と上限値である。
【0070】ステップ1105とステップ1107とで
現在の機関運転領域がいずれかの診断領域に合致した場
合には、ステップ1109で現在の上流側空燃比センサ
13出力VAFAがその診断領域における診断実行空燃
比範囲(VAFLi 〜VAFAHi 、図10(A) (B) 参
照)に入っているか否かが判定される。ステップ111
1以降の操作は、ステップ1109で上流側空燃比セン
サ13出力がその診断領域における診断実行空燃比範囲
に入っている場合にのみ実行される。
【0071】ステップ1111、ステップ1113は上
流側空燃比センサ出力VAFAの軌跡長LVAFと下流
側O2 センサ出力VOSの軌跡長LVOSとの算出を示
す。本実施形態では、センサ出力の軌跡長は近似的に前
回ルーチン実行時のセンサ出力と今回ルーチン実行時の
センサ出力との差の絶対値を積算することにより求めら
れる(図13参照)。なお、VAFA0 、VOS0 は前
回ルーチン実行時のVAFA及びVOSの値でありルー
チン実行毎にステップ1113で更新される。
【0072】上記により軌跡長LVAFとLVOSとを
積算した後ステップ1115では、現在の診断領域にお
ける計時カウンタTi の値が1増加され、ステップ11
17では増加後のカウンタTi の値が所定値CTに到達
したかが判定される。すなわち、カウンタTi の値は機
関がi番目の診断領域にある間はルーチン実行毎に1ず
つ増大する。また、CTは20/Δt程度(Δt(秒)
は本ルーチンの実行間隔)の値とされる。そして、ステ
ップ1117でいずれかの診断領域の計時カウンタTi
の値がCTに到達した場合にはステップ1125以下の
劣化判定操作が実行される。すなわち、本実施形態では
いずれかの診断領域で軌跡長LVAFiとLVOSi
20秒程度の間積算できた場合にはステップ1125以
下の劣化判定操作が実行されることになる。
【0073】次にステップ1125以下の劣化判定操作
について説明する。ステップ1125では、現在の診断
領域(パラメータiの値)に応じてその診断領域の劣化
判定マップ(図4(A) (B) )が選択され、ステップ11
27では、上記により積算した現在の診断領域における
上流側空燃比センサと下流側O2 センサの軌跡長LVA
i とLVOSi とが上記劣化判定マップの劣化領域
(図4(A) (B) 参照)に入っているかが判定され、劣化
判定領域にある場合にはステップ1129で劣化フラグ
XFの値が1(劣化)にセットされる。また、LVAF
i 、LVOSi の値が劣化領域にない場合には次にステ
ップ1131でLVAFi 、LVOSi の値が正常領域
(図4(A) (B) 参照)にあるか否かが判定される。そし
て、正常領域にある場合にはステップ1133で劣化フ
ラグXFの値は0(正常)にセットされる。また、ステ
ップ1127とステップ1131とで劣化、正常のいず
れの判定もされなかった場合には、劣化フラグXFの値
は変更せずそのままに保持される。なお、劣化フラグX
Fの値は、制御回路10のバックアップRAM106に
格納され次回の点検、修理に備えられるとともに、劣化
フラグXFの値が1にセットされると別途制御回路10
により実行されるルーチンにより、警告灯が点灯され運
転者に触媒の劣化が生じていることが報知される。
【0074】ステップ1135、ステップ1137は劣
化判定終了後の操作を示す。すなわち、ステップ113
5ではパラメータi及び各診断領域における計時カウン
タT i (i=0,1,……N)の値が全てクリアされ、
ステップ1137では各診断領域における軌跡長LVA
i とLVOSi の積算値が全てクリアされる。なお、
本実施形態では、出力特性ずれを補正した後の上流側空
燃比センサ出力VAFAを用いて上流側空燃比センサ出
力の軌跡長LVAFを算出しているが、補正前の上流側
空燃比センサ出力VAFに基づいて各診断領域における
軌跡長LVAFを算出し、劣化判定(ステップ112
7、1131)の際に各診断領域における出力特性補正
係数Kを、算出した上流側空燃比センサ出力の軌跡長に
乗じた値を用いて判定するようにしても出力特性のずれ
を補正することができる。
【0075】上述のように、本実施形態によれば、各診
断領域毎に診断実行空燃比範囲が機関運転状態に応じて
設定されるため、常に適切な条件下で劣化判定が行なわ
れる。また、上流側空燃比センサ出力特性のずれも各診
断領域毎に機関運転条件に応じて補正され、更に触媒劣
化判定マップも各診断領域毎に機関運転条件に応じて設
定されるため、機関運転状態にかかわらず正確な劣化判
定が可能となる。また、この結果、いずれか1つの診断
領域においてでも条件が成立すれば正確な劣化判定が可
能となるため、複数の診断領域での劣化判定完了を待つ
必要がなくなり、劣化判定の実行頻度が増大する利点が
ある。
【0076】
【発明の効果】各請求項に記載の発明によれば、触媒の
劣化の有無を判定する際に機関の運転状態によらず正確
な劣化判定を行なうことができ、しかも劣化判定実行頻
度を高く維持することができるという共通の効果を奏す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を自動車用内燃機関に適用した実施例の
概略構成を示す図である。
【図2】空燃比センサ(図2(A) )とO2 センサ(図2
(B) )との一般的な出力特性を示す図である。
【図3】触媒の劣化による下流側O2 センサ出力の変化
を説明する図である。
【図4】診断領域毎の触媒劣化判定マップを示す図であ
る。
【図5】空燃比フィードバック制御のゲイン変更による
触媒上流側空燃比変動の変化を説明する図である
【図6】空燃比制御中心の変更による下流側O2 センサ
出力振幅の変化を説明する図である。
【図7】空燃比制御中心の変更による下流側O2 センサ
出力振幅の変化を説明する図である。
【図8】出力特性のずれによる上流側空燃比センサ出力
の変化を説明する図である。
【図9】上流側空燃比センサ出力特性ずれに対する診断
領域毎の補正係数マップを説明する図である。
【図10】診断領域毎の劣化診断実行空燃比範囲の相違
を説明する図である。
【図11】触媒劣化判定操作を説明するフローチャート
の一部である。
【図12】触媒劣化判定操作を説明するフローチャート
の一部である。
【図13】センサ出力の軌跡長の近似計算方法を説明す
る図である。
【符号の説明】
1…内燃機関本体 3…吸気圧センサ 10…制御回路 13…上流側空燃比センサ 15…下流側O2 センサ 20…三元触媒
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI F02D 45/00 314 F02D 45/00 314H G01M 15/00 ZAB G01M 15/00 ZABZ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関の排気通路に配置された三元触
    媒と、 該三元触媒の上流側排気通路に配置され、排気の空燃比
    を検出する上流側空燃比センサと、 前記三元触媒の下流側排気通路に配置され、排気の空燃
    比を検出する下流側空燃比センサと、 前記内燃機関が予め定めた複数の触媒診断領域のうちの
    いずれの運転領域で運転されているかを判定する触媒診
    断領域判定手段と、 前記上流側空燃比センサ出力と下流側空燃比センサ出力
    とに基づいて前記各診断領域毎に前記三元触媒の劣化程
    度を表すパラメータを算出する劣化パラメータ算出手段
    と、 前記各診断領域毎に劣化判定値を設定する判定値設定手
    段と、 前記各診断領域の劣化パラメータを前記各診断領域毎に
    設定された判定値と比較することにより、三元触媒が劣
    化したか否かを判定する劣化判定手段と、 を備えた内燃機関の触媒劣化検出装置。
  2. 【請求項2】 更に、前記上流側空燃比センサ出力が理
    論空燃比相当出力を中心として予め定めた診断実行範囲
    にある時にのみ前記劣化判定手段による触媒劣化判定を
    許可する判定許可手段と、 前記診断実行範囲を前記各診断領域毎に設定する診断実
    行空燃比領域設定手段と、 を備えた請求項1に記載の内燃機関の触媒劣化検出装
    置。
  3. 【請求項3】 前記劣化判定手段は更に、各診断領域に
    おける前記上流側空燃比センサ出力変化の振幅と周期と
    に基づいてそれぞれの診断領域にける上流側空燃比セン
    サ出力特性のずれを検出する出力特性検出手段と、前記
    パラメータ算出手段により算出された劣化パラメータの
    値を前記検出された各診断領域における出力特性のずれ
    に基づいて補正する補正手段とを備え、該補正後の劣化
    パラメータの値を前記判定値と比較することにより三元
    触媒が劣化したか否かを判定する請求項1に記載の内燃
    機関の触媒劣化判定装置。
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