JPH11123651A - ラッピング加工機 - Google Patents
ラッピング加工機Info
- Publication number
- JPH11123651A JPH11123651A JP29384197A JP29384197A JPH11123651A JP H11123651 A JPH11123651 A JP H11123651A JP 29384197 A JP29384197 A JP 29384197A JP 29384197 A JP29384197 A JP 29384197A JP H11123651 A JPH11123651 A JP H11123651A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- surface plate
- temperature
- machine
- stand
- lapping
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Withdrawn
Links
Landscapes
- Constituent Portions Of Griding Lathes, Driving, Sensing And Control (AREA)
- Finish Polishing, Edge Sharpening, And Grinding By Specific Grinding Devices (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】本発明方法は、ガラス、金属材料、セラミック
スあるいは炭素材料等で、極めて高い平面度や平行度が
特に要求される板状の材料の平面加工を行なうラッピン
グ加工における操業の安定性と製品歩留まり向上を計る
ラッピング装置に関わる。 【構成】定盤を有するラッピング加工機を用いてガラ
ス、金属材料、セラミックスあるいは炭素材料等の素材
のラッピング加工を行なうにおいて、機台の停止してい
る間、定盤内部に内蔵した加熱手段を用いて定盤作用面
の温度をその加工機の定常運転状態での飽和温度に保っ
ておき、機台の運転再開時にはその状態でスタートする
ことを特徴とするラッピング加工機。
スあるいは炭素材料等で、極めて高い平面度や平行度が
特に要求される板状の材料の平面加工を行なうラッピン
グ加工における操業の安定性と製品歩留まり向上を計る
ラッピング装置に関わる。 【構成】定盤を有するラッピング加工機を用いてガラ
ス、金属材料、セラミックスあるいは炭素材料等の素材
のラッピング加工を行なうにおいて、機台の停止してい
る間、定盤内部に内蔵した加熱手段を用いて定盤作用面
の温度をその加工機の定常運転状態での飽和温度に保っ
ておき、機台の運転再開時にはその状態でスタートする
ことを特徴とするラッピング加工機。
Description
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、極めて高い平面度
や平行度が特に要求される板状の材料のラッピングによ
る加工を行う加工装置及びそれを用いた加工方法に係わ
り、更に詳しくはラッピング加工装置の定盤の温度制御
を行ってラッピング加工を行う装置に関するものであ
る。
や平行度が特に要求される板状の材料のラッピングによ
る加工を行う加工装置及びそれを用いた加工方法に係わ
り、更に詳しくはラッピング加工装置の定盤の温度制御
を行ってラッピング加工を行う装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、ガラス、金属材料、セラミックス
あるいは炭素材料等で、極めて高い平面度や平行度が特
に要求される板状の材料の平面加工は、上下あるいはそ
の一方に定盤を配し、その間隙あるいはその上に被加工
体を配置して、研磨材たる砥粒微粉スラリーを定量的に
供給しつつ定盤及び被加工体を押圧回転運動させて、そ
の作用で厚さの均一化、平面度や平行度の向上を行なう
という所謂ラッピング加工方法が行なわれている。
あるいは炭素材料等で、極めて高い平面度や平行度が特
に要求される板状の材料の平面加工は、上下あるいはそ
の一方に定盤を配し、その間隙あるいはその上に被加工
体を配置して、研磨材たる砥粒微粉スラリーを定量的に
供給しつつ定盤及び被加工体を押圧回転運動させて、そ
の作用で厚さの均一化、平面度や平行度の向上を行なう
という所謂ラッピング加工方法が行なわれている。
【0003】特に近年、IC、LSIの記憶容量のアッ
プと生産性の向上といった必要性から、その原材料であ
るシリコンウェーハあるいは化合物系のウェーハ(以下
ウェーハと総称する)の厚さの均一化、特に加工精度、
寸法安定性の向上と同時にウェーハ自体のサイズの大型
化の傾向が著しく、ラッピング加工における主たる条件
や装置自体の精度と安定性、およびその他種々の付帯条
件についても極めて精密な管理が必要とされるようにな
って来ている。特に、シリコンウェーハの場合はその原
料となるシリコン単結晶インゴットの製造技術が向上
し、直径12インチ、16インチといった大口径のもの
の生産も行われるようになって来ている。従って、この
ような大口径のウェーハのラッピング加工を生産効率よ
く行うためにはキャリア径が24インチ、32インチと
いった大口径のラッピング定盤を具備した大型ラッピン
グ加工機が近年ポピュラーになりつつある。
プと生産性の向上といった必要性から、その原材料であ
るシリコンウェーハあるいは化合物系のウェーハ(以下
ウェーハと総称する)の厚さの均一化、特に加工精度、
寸法安定性の向上と同時にウェーハ自体のサイズの大型
化の傾向が著しく、ラッピング加工における主たる条件
や装置自体の精度と安定性、およびその他種々の付帯条
件についても極めて精密な管理が必要とされるようにな
って来ている。特に、シリコンウェーハの場合はその原
料となるシリコン単結晶インゴットの製造技術が向上
し、直径12インチ、16インチといった大口径のもの
の生産も行われるようになって来ている。従って、この
ような大口径のウェーハのラッピング加工を生産効率よ
く行うためにはキャリア径が24インチ、32インチと
いった大口径のラッピング定盤を具備した大型ラッピン
グ加工機が近年ポピュラーになりつつある。
【0004】ここでいうラッピング定盤とは、例えば鋳
鉄、銅、錫、軟鉄等の金属、あるいはセラミックス、ガ
ラス等の非金属を材料とし、ある程度の厚みを持った円
盤であって、一般的に加工に用いる面には例えば細い格
子状の溝が刻されていて、これが上下両面あるいは片面
に配されている。加工に際しては、両面加工機の場合は
その間に被加工体を押圧挾持し、該被加工体あるいは定
盤あるいはその双方を回転させ、片面加工機の場合はホ
ルダーをもって被加工体を定盤に圧接し、その加工面に
砥粒スラリーを定量的に供給する。砥粒の作用によって
被加工体の面が少しずつ除去されて行き、平坦かつ均質
な面粗さでもって創成されて行くのであるが、かかるタ
イプの加工においては、被加工体加工面の平面度は定盤
の持つ平面度がそのまま転写されるものである。従っ
て、定盤の形状及び平面度は極めて精度よく保たれねば
ならない。特にシリコンウェ−ハの如き硬脆材料を被加
工物とする場合は、鋳鉄製の定盤を使用することが一般
的である。
鉄、銅、錫、軟鉄等の金属、あるいはセラミックス、ガ
ラス等の非金属を材料とし、ある程度の厚みを持った円
盤であって、一般的に加工に用いる面には例えば細い格
子状の溝が刻されていて、これが上下両面あるいは片面
に配されている。加工に際しては、両面加工機の場合は
その間に被加工体を押圧挾持し、該被加工体あるいは定
盤あるいはその双方を回転させ、片面加工機の場合はホ
ルダーをもって被加工体を定盤に圧接し、その加工面に
砥粒スラリーを定量的に供給する。砥粒の作用によって
被加工体の面が少しずつ除去されて行き、平坦かつ均質
な面粗さでもって創成されて行くのであるが、かかるタ
イプの加工においては、被加工体加工面の平面度は定盤
の持つ平面度がそのまま転写されるものである。従っ
て、定盤の形状及び平面度は極めて精度よく保たれねば
ならない。特にシリコンウェ−ハの如き硬脆材料を被加
工物とする場合は、鋳鉄製の定盤を使用することが一般
的である。
【0005】前述の如く、特にシリコンウェーハの場合
は、ウェーハの形状に対する要求精度が高くなってくる
と、加工に伴って発生する研磨熱、あるいは定盤を回転
させるためのモーターや減速機から発生する熱の影響
で、定盤の熱がいくらか上昇しその形状に僅かな狂いを
生じ、運転開始からの数バッチの間、加工されたウェー
ハの寸法精度に微妙な影響を与えることは否定出来なか
った。かかる弊害を除去するために、定盤の内部に溝を
設け冷却用の媒体を通して温度の上昇を抑制し、定盤を
冷却状態の安定な温度で加工を行う方法がすでに提唱
(例えば、特開昭63−245368、特開平4−53
671)されているが、これらは温度上昇する熱量を冷
却してコントロールするため、やや温度変化への追随が
鈍いこと、および水等の熱容量の高い冷媒を用いるため
エネルギー面で不利であった。また、稼働開始時に空運
転を行ない暖気運転を行なうなどの対策もとられている
が、機台の稼働率を低下するうえ効果も十分なものとは
いい難かった。
は、ウェーハの形状に対する要求精度が高くなってくる
と、加工に伴って発生する研磨熱、あるいは定盤を回転
させるためのモーターや減速機から発生する熱の影響
で、定盤の熱がいくらか上昇しその形状に僅かな狂いを
生じ、運転開始からの数バッチの間、加工されたウェー
ハの寸法精度に微妙な影響を与えることは否定出来なか
った。かかる弊害を除去するために、定盤の内部に溝を
設け冷却用の媒体を通して温度の上昇を抑制し、定盤を
冷却状態の安定な温度で加工を行う方法がすでに提唱
(例えば、特開昭63−245368、特開平4−53
671)されているが、これらは温度上昇する熱量を冷
却してコントロールするため、やや温度変化への追随が
鈍いこと、および水等の熱容量の高い冷媒を用いるため
エネルギー面で不利であった。また、稼働開始時に空運
転を行ない暖気運転を行なうなどの対策もとられている
が、機台の稼働率を低下するうえ効果も十分なものとは
いい難かった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明者等は前述の問
題点、即ち機台の休転後に運転を開始してから数バッチ
の間、加工されたウェーハの寸法精度が安定せず加工精
度が悪く、ひいては製品歩留まりを著しく低下させる現
象を起す要因について鋭意検討を行なった結果、以下の
ことを解明するに至ったのである。すなわち、両面加工
機の場合、上下定盤の形状(半径方向の直線性および直
径方向の凹凸量)の一致(マッチング)が加工精度を決
定するが、連続してラッピングを繰り返すことにより定
盤が温度膨張による体積変化を起こすことを見出し、さ
らにこの体積変化が定盤の形状(平面度)を微妙に狂わ
せ加工精度に大きな影響を与えることを見出したのであ
る。従って、変化前の上下定盤のマッチング如何によっ
ては、連続して温度上昇することにより、よくなること
も悪くなることもある。具体的には安定な状態で稼働し
ていた機台を長時間停止すると、定盤の温度は次第に下
がり室温に近づき、その形状は温度低下の影響により収
縮する方向で微妙に変形する。停台後の再稼働直後にお
いては、機台はこのような状態でスタートするのである
から、加工されたウェーハの寸法精度は良くなく、製品
歩留りも悪いのである。数バッチ加工を継続すると定盤
の温度は徐々に上昇し、停止直後の状態に復し、上下定
盤の状態ももとの状態に復するため安定した加工が可能
となる。装置の大きさ、駆動モーターの特質や減速機の
大きさ、室温、加工条件等によって定盤の到達最高温度
(以下この温度を飽和温度と略記する)は決定される。
以上の現象は定盤が、この飽和温度に達した時において
定常状態となり安定した加工ができることを示してい
る。前述の引用文献に述べられている方法は、冷却によ
り、室温に近い、あるいは室温より低い温度にて定常運
転状態を創成しているため、コントロールが難しくまた
エネルギー的にも不利であったのである。
題点、即ち機台の休転後に運転を開始してから数バッチ
の間、加工されたウェーハの寸法精度が安定せず加工精
度が悪く、ひいては製品歩留まりを著しく低下させる現
象を起す要因について鋭意検討を行なった結果、以下の
ことを解明するに至ったのである。すなわち、両面加工
機の場合、上下定盤の形状(半径方向の直線性および直
径方向の凹凸量)の一致(マッチング)が加工精度を決
定するが、連続してラッピングを繰り返すことにより定
盤が温度膨張による体積変化を起こすことを見出し、さ
らにこの体積変化が定盤の形状(平面度)を微妙に狂わ
せ加工精度に大きな影響を与えることを見出したのであ
る。従って、変化前の上下定盤のマッチング如何によっ
ては、連続して温度上昇することにより、よくなること
も悪くなることもある。具体的には安定な状態で稼働し
ていた機台を長時間停止すると、定盤の温度は次第に下
がり室温に近づき、その形状は温度低下の影響により収
縮する方向で微妙に変形する。停台後の再稼働直後にお
いては、機台はこのような状態でスタートするのである
から、加工されたウェーハの寸法精度は良くなく、製品
歩留りも悪いのである。数バッチ加工を継続すると定盤
の温度は徐々に上昇し、停止直後の状態に復し、上下定
盤の状態ももとの状態に復するため安定した加工が可能
となる。装置の大きさ、駆動モーターの特質や減速機の
大きさ、室温、加工条件等によって定盤の到達最高温度
(以下この温度を飽和温度と略記する)は決定される。
以上の現象は定盤が、この飽和温度に達した時において
定常状態となり安定した加工ができることを示してい
る。前述の引用文献に述べられている方法は、冷却によ
り、室温に近い、あるいは室温より低い温度にて定常運
転状態を創成しているため、コントロールが難しくまた
エネルギー的にも不利であったのである。
【0007】本発明者等は、上述の問題点およびそれが
起因する要因について鋭意検討を行なった結果、定盤を
強制冷却した状態で安定させるのではなく、その機台の
定常運転状態における定盤の飽和温度にて稼働を行うこ
とが最も形状的に長時間安定し、ウェーハの加工精度の
維持向上および不良品の発生が少なくなることを見出し
本発明を完成したものであり、その目的とするところ
は、機台の運転再開前に定盤を予めその機台の飽和温度
に到達せしめておくための装置を具備したラッピング加
工機を提供することにある。
起因する要因について鋭意検討を行なった結果、定盤を
強制冷却した状態で安定させるのではなく、その機台の
定常運転状態における定盤の飽和温度にて稼働を行うこ
とが最も形状的に長時間安定し、ウェーハの加工精度の
維持向上および不良品の発生が少なくなることを見出し
本発明を完成したものであり、その目的とするところ
は、機台の運転再開前に定盤を予めその機台の飽和温度
に到達せしめておくための装置を具備したラッピング加
工機を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上述の目的は、定盤を有
するラッピング加工機に於いて、該定盤の内部に加熱手
段を内蔵してなり、機台が停止している間、該加熱手段
を作動させることで定盤の作用面の温度をその加工機の
定常運転状態での飽和温度に保つことを特徴とするラッ
ピング加工機により達成される。
するラッピング加工機に於いて、該定盤の内部に加熱手
段を内蔵してなり、機台が停止している間、該加熱手段
を作動させることで定盤の作用面の温度をその加工機の
定常運転状態での飽和温度に保つことを特徴とするラッ
ピング加工機により達成される。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明方法において使用するラッ
ピング加工機とは、両面加工機の場合では図1、図2に
示す通り、その上下両面に鋳鉄製の回転可能な円盤状の
定盤1、2を配し、遊星運動をするキャリアプレート
3、そのキャリアプレートを動かす太陽歯車4およびイ
ンターナルギア5よりなり、砥粒微粒子を含んだスラリ
ーを加工液として供給しつつ上記キャリアプレートにセ
ットしたウェーハ等の被加工物6(以下ワークと略記す
る)の加工を行なうものであって、定盤の押圧力と回転
作用により砥粒微粒子がワーク表面に作用し除去してい
くものである。その目的は、スライス後のウェーハの持
つ厚みの不均一さを是正し、凹凸を削り、優れた平面度
を出すことにある。
ピング加工機とは、両面加工機の場合では図1、図2に
示す通り、その上下両面に鋳鉄製の回転可能な円盤状の
定盤1、2を配し、遊星運動をするキャリアプレート
3、そのキャリアプレートを動かす太陽歯車4およびイ
ンターナルギア5よりなり、砥粒微粒子を含んだスラリ
ーを加工液として供給しつつ上記キャリアプレートにセ
ットしたウェーハ等の被加工物6(以下ワークと略記す
る)の加工を行なうものであって、定盤の押圧力と回転
作用により砥粒微粒子がワーク表面に作用し除去してい
くものである。その目的は、スライス後のウェーハの持
つ厚みの不均一さを是正し、凹凸を削り、優れた平面度
を出すことにある。
【0010】中心に回転軸を持った円盤状の上下定盤は
例えば鋳鉄等、熱により僅かな寸法変化を起こすものを
材料とするものであって極めて硬く剛性に富んだもので
あるが、加工のために一定方向に回転押圧を繰り返すこ
とによりその表面形状は微妙に変形する。具体的には中
心点より外周に向かって僅かに凹または凸の状態となっ
ているが定常運転時には、上下定盤はこの状態でうまく
嵌合している。これをこのまま停止すると、温度は徐々
に低下して室温の状態にまで放冷され、定盤の形状は停
止直後とは微妙に異なったものとなり、上記の嵌合した
状態もやや狂った状態となる。もちろん、これらの狂い
の状態は定盤の有効径すなわち数百cmに対して数ミク
ロン〜数十ミクロンのレベルでのことであるので目視で
確認できるようなものではない。
例えば鋳鉄等、熱により僅かな寸法変化を起こすものを
材料とするものであって極めて硬く剛性に富んだもので
あるが、加工のために一定方向に回転押圧を繰り返すこ
とによりその表面形状は微妙に変形する。具体的には中
心点より外周に向かって僅かに凹または凸の状態となっ
ているが定常運転時には、上下定盤はこの状態でうまく
嵌合している。これをこのまま停止すると、温度は徐々
に低下して室温の状態にまで放冷され、定盤の形状は停
止直後とは微妙に異なったものとなり、上記の嵌合した
状態もやや狂った状態となる。もちろん、これらの狂い
の状態は定盤の有効径すなわち数百cmに対して数ミク
ロン〜数十ミクロンのレベルでのことであるので目視で
確認できるようなものではない。
【0011】上述の各部即ち上下定盤1、2と太陽歯車
4およびインターナルギア5は、各々が独立して回転を
するものであるから、各機台には最大4機のモーターと
減速機が搭載されており、機台の運転開始に伴いそれら
から発生した熱が回転軸等を伝わってまず下定盤を徐々
に昇温させてゆく。その昇温に伴い、下定盤は熱膨張に
よる体積変化を起こし、定盤平面度や上下定盤の平行度
(同一間隔の隙間)や形状の一致に微妙な変化を与え
る。ある場合は、上下定盤の形状が一致して加工精度が
向上するが、多くは定盤平面度が崩れ上下定盤の形状や
平行度が狂うので加工精度が悪化する。この変形は温度
の変化が続く限り続くものであるが、温度が安定し変化
しなくなれば定盤の変形も止まり安定する。従って、機
台を一定の条件で繰り返し使用すれば定盤の温度はある
特定の温度で安定する。この温度を飽和温度と呼ぶが、
一般的な大型ラッピング加工機を一般的な加工条件で使
用する限り、この温度上昇は室温に対して高々5℃程度
である。具体的には30℃程度がその上限である。すな
わち、この飽和温度にて上下定盤のマッチングを行い、
機台停止時の保温を行なえば、稼働開始時もそのままの
状態でスタートが可能となる。
4およびインターナルギア5は、各々が独立して回転を
するものであるから、各機台には最大4機のモーターと
減速機が搭載されており、機台の運転開始に伴いそれら
から発生した熱が回転軸等を伝わってまず下定盤を徐々
に昇温させてゆく。その昇温に伴い、下定盤は熱膨張に
よる体積変化を起こし、定盤平面度や上下定盤の平行度
(同一間隔の隙間)や形状の一致に微妙な変化を与え
る。ある場合は、上下定盤の形状が一致して加工精度が
向上するが、多くは定盤平面度が崩れ上下定盤の形状や
平行度が狂うので加工精度が悪化する。この変形は温度
の変化が続く限り続くものであるが、温度が安定し変化
しなくなれば定盤の変形も止まり安定する。従って、機
台を一定の条件で繰り返し使用すれば定盤の温度はある
特定の温度で安定する。この温度を飽和温度と呼ぶが、
一般的な大型ラッピング加工機を一般的な加工条件で使
用する限り、この温度上昇は室温に対して高々5℃程度
である。具体的には30℃程度がその上限である。すな
わち、この飽和温度にて上下定盤のマッチングを行い、
機台停止時の保温を行なえば、稼働開始時もそのままの
状態でスタートが可能となる。
【0012】ワークとしてシリコンウェーハを加工する
場合、加工液としてはアルミナ系のFO1200番砥粒
を20〜30重量%程度含有したスラリーを使用し、数
10枚程度のワークを両面ラッピング加工機にてバッチ
処理で加工を行なうのであるが、加工後のワークのバッ
チ内およびバッチ間の厚みのバラツキ(定寸精度)や一
枚のワーク内の厚みの変化(TTV;トータルシックネ
スヴァリエーション)やセルごとの厚みの変化(STI
R;サイトトータルインディケーテッドリーディング)
などを一定管理範囲内に納める必要がある。8インチ
(200mm)ウェーハの場合一般的に求められるTT
Vは0.7ミクロン、STIRは0.2ミクロン以下で
あり、これ以上のものは不良品としてはねられる。
場合、加工液としてはアルミナ系のFO1200番砥粒
を20〜30重量%程度含有したスラリーを使用し、数
10枚程度のワークを両面ラッピング加工機にてバッチ
処理で加工を行なうのであるが、加工後のワークのバッ
チ内およびバッチ間の厚みのバラツキ(定寸精度)や一
枚のワーク内の厚みの変化(TTV;トータルシックネ
スヴァリエーション)やセルごとの厚みの変化(STI
R;サイトトータルインディケーテッドリーディング)
などを一定管理範囲内に納める必要がある。8インチ
(200mm)ウェーハの場合一般的に求められるTT
Vは0.7ミクロン、STIRは0.2ミクロン以下で
あり、これ以上のものは不良品としてはねられる。
【0013】以下図面をもって本発明になるラッピング
加工機の一例を具体的に説明するが、これにより特に限
定を受けるものではない。図1は本発明になる両面ラッ
ピング加工機の平面部分透視説明図であり、図2は本発
明になる両面ラッピング加工機の停台状態における要部
断面説明図である。上定盤1および下定盤2の内部には
溝7が切られておりその中に絶縁材料(図示せず)で囲
まれてニクロム線8が配設されている。機台が停台して
いる間、具体的には夜間、休日等の長時間に及ぶ停台、
あるいは昼休み等の短時間の停台期間中は、上定盤は下
定盤と接するようにして停止されるが、その間、定盤表
面近くに設置された温度センサー9からの信号を受けて
ニクロム線8への電源がオンオフし、定盤表面の温度を
その機台に特有な飽和温度に保つように制御する。機台
を再稼働する場合は従来のような暖気運転やダミーを使
用した慣らし運転等を行なわず、そのままの状態で直ち
にスタートすることが可能となり、そのことによる製品
品質の悪化や製品歩留まりの低下を惹起することはな
い。本例においては、上下両面に加熱保温装置を内蔵さ
せているが、これを例えば下定盤だけとしても構わな
い。停台時に上下定盤面を接触するようにしておけば、
下定盤の熱は上定盤に伝達され、同等の効果を生み出す
ことができる。
加工機の一例を具体的に説明するが、これにより特に限
定を受けるものではない。図1は本発明になる両面ラッ
ピング加工機の平面部分透視説明図であり、図2は本発
明になる両面ラッピング加工機の停台状態における要部
断面説明図である。上定盤1および下定盤2の内部には
溝7が切られておりその中に絶縁材料(図示せず)で囲
まれてニクロム線8が配設されている。機台が停台して
いる間、具体的には夜間、休日等の長時間に及ぶ停台、
あるいは昼休み等の短時間の停台期間中は、上定盤は下
定盤と接するようにして停止されるが、その間、定盤表
面近くに設置された温度センサー9からの信号を受けて
ニクロム線8への電源がオンオフし、定盤表面の温度を
その機台に特有な飽和温度に保つように制御する。機台
を再稼働する場合は従来のような暖気運転やダミーを使
用した慣らし運転等を行なわず、そのままの状態で直ち
にスタートすることが可能となり、そのことによる製品
品質の悪化や製品歩留まりの低下を惹起することはな
い。本例においては、上下両面に加熱保温装置を内蔵さ
せているが、これを例えば下定盤だけとしても構わな
い。停台時に上下定盤面を接触するようにしておけば、
下定盤の熱は上定盤に伝達され、同等の効果を生み出す
ことができる。
【0014】
【実施例及び比較例】以下実施例をあげて本発明になる
ラッピング加工機により得られる効果を具体的に説明す
る。また、以下の実施例および比較例において使用され
た装置、消耗品、加工条件等は以下に示す通りである。 加工機:両面ラップ盤24B−5L型(スピードファムジャパン社製:上下定 盤に加熱手段を具備するよう改造したもの) 定盤外径:1,592mm 定盤内径:554mm 定盤厚さ:70mm 加工液:FO#1200、30重量%スラリー ワーク:200mmアズカットシリコンウェーハ 加工条件: 加工圧力;15kPa 1バッチ加工枚数;25枚 上定盤回転数;−10rpm(時計回り) 下定盤回転数;40rpm(反時計回り) 太陽歯車回転数;18rpm(反時計回り) インターナルギア回転数;10rpm 1バッチ当り加工時間;10分 ワーク交換所要時間;2分 加工液流量;1000mL/分 加工除去量;80μm TTV測定機:マイクロスキャン9500(ADE社製) TTV測定条件:各バッチから5枚サンプリングし測定
ラッピング加工機により得られる効果を具体的に説明す
る。また、以下の実施例および比較例において使用され
た装置、消耗品、加工条件等は以下に示す通りである。 加工機:両面ラップ盤24B−5L型(スピードファムジャパン社製:上下定 盤に加熱手段を具備するよう改造したもの) 定盤外径:1,592mm 定盤内径:554mm 定盤厚さ:70mm 加工液:FO#1200、30重量%スラリー ワーク:200mmアズカットシリコンウェーハ 加工条件: 加工圧力;15kPa 1バッチ加工枚数;25枚 上定盤回転数;−10rpm(時計回り) 下定盤回転数;40rpm(反時計回り) 太陽歯車回転数;18rpm(反時計回り) インターナルギア回転数;10rpm 1バッチ当り加工時間;10分 ワーク交換所要時間;2分 加工液流量;1000mL/分 加工除去量;80μm TTV測定機:マイクロスキャン9500(ADE社製) TTV測定条件:各バッチから5枚サンプリングし測定
【0015】実施例 本発明になるラッピング加工機を上述の加工条件にて、
休日前の操業最終日の最終加工バッチを終えた後、下定
盤の表面温度、即ち本ラッピング加工機の飽和温度を測
定した所30℃であった。上下定盤面を洗浄乾燥させ、
上定盤を降ろして下定盤に接触させ、センサーを30℃
に設定し、定盤に内蔵した加熱装置を稼働させた状態で
放置した。2日経過後の早朝、定盤表面の温度を測定し
た所30℃の温度が保たれていた。この状態で、ただち
に上記加工条件でシリコンウェーハの加工を開始したと
ころ、第1バッチよりTTV値0.5ミクロンが得ら
れ、その後も継続して同程度の値が得られた。
休日前の操業最終日の最終加工バッチを終えた後、下定
盤の表面温度、即ち本ラッピング加工機の飽和温度を測
定した所30℃であった。上下定盤面を洗浄乾燥させ、
上定盤を降ろして下定盤に接触させ、センサーを30℃
に設定し、定盤に内蔵した加熱装置を稼働させた状態で
放置した。2日経過後の早朝、定盤表面の温度を測定し
た所30℃の温度が保たれていた。この状態で、ただち
に上記加工条件でシリコンウェーハの加工を開始したと
ころ、第1バッチよりTTV値0.5ミクロンが得ら
れ、その後も継続して同程度の値が得られた。
【0016】比較例 定盤に内蔵した加熱装置を稼働させない他は、実施例と
同様の条件にて操業実験を行なった。2日後の早朝の定
盤表面温度は24℃であった。この状態で、実施例と同
様の加工条件での加工を開始した。第1バッチ目のTT
Vは1.0ミクロンで不良であった。そのまま連続して
2バッチ目から5バッチ目までラッピング加工を行なう
と、TTVは直線的に下りはじめ、5バッチ目で0.6
ミクロンまで向上し、以降はこの状態で安定して同程度
の加工結果が得られた。
同様の条件にて操業実験を行なった。2日後の早朝の定
盤表面温度は24℃であった。この状態で、実施例と同
様の加工条件での加工を開始した。第1バッチ目のTT
Vは1.0ミクロンで不良であった。そのまま連続して
2バッチ目から5バッチ目までラッピング加工を行なう
と、TTVは直線的に下りはじめ、5バッチ目で0.6
ミクロンまで向上し、以降はこの状態で安定して同程度
の加工結果が得られた。
【0017】本発明になる装置の具体的な実施は、図面
に示した実例に述べたように上下定盤に通電加熱用のニ
クロム線を埋め込んだものでもよいし、また、より均一
な保温を行なうために面発熱体の如きものを内蔵させた
ものでもよい。更にまた、外部に設けた加熱槽で温調し
た熱媒体を定盤の内部に設けた溝中を循環させるような
構造であってもよく、特に限定されるものではない。
に示した実例に述べたように上下定盤に通電加熱用のニ
クロム線を埋め込んだものでもよいし、また、より均一
な保温を行なうために面発熱体の如きものを内蔵させた
ものでもよい。更にまた、外部に設けた加熱槽で温調し
た熱媒体を定盤の内部に設けた溝中を循環させるような
構造であってもよく、特に限定されるものではない。
【0018】
【発明の効果】以上述べた通り、本発明によれば、より
大型化が進み、かつより精密化が進行するシリコンウェ
ーハ等半導体素材のラッピング加工において、その大型
化と精密化という極めて難度の高い技術を両立させつつ
実用化を進めるにあたり、その実現に大きなウェイトを
占める製品の歩留まりを上げるという多大な効果を生み
出すことができるのである。すなわち、立ち上がりの最
初のバッチから良好なTTV値のものが得られかつその
製品間のバラツキが少なければ、製品歩留まりが当然向
上する。これに伴ない、キャリア径24Bあるいは32
Bといった大型のラッピング加工機の本格的実用化が可
能になった。
大型化が進み、かつより精密化が進行するシリコンウェ
ーハ等半導体素材のラッピング加工において、その大型
化と精密化という極めて難度の高い技術を両立させつつ
実用化を進めるにあたり、その実現に大きなウェイトを
占める製品の歩留まりを上げるという多大な効果を生み
出すことができるのである。すなわち、立ち上がりの最
初のバッチから良好なTTV値のものが得られかつその
製品間のバラツキが少なければ、製品歩留まりが当然向
上する。これに伴ない、キャリア径24Bあるいは32
Bといった大型のラッピング加工機の本格的実用化が可
能になった。
【図1】本発明になるラッピング加工機の一実施例の定
盤加工作用面を示す平面部分透視説明図である。
盤加工作用面を示す平面部分透視説明図である。
【図2】本発明になるラッピング加工機の一実施例の要
部断面説明図である。
部断面説明図である。
1 上定盤 2 下定盤 3 キャリアプレー
ト 4 太陽歯車 5 インターナルギア 6 被加工物(ワーク)
7 溝 8 ニクロム線 9温度センサー
ト 4 太陽歯車 5 インターナルギア 6 被加工物(ワーク)
7 溝 8 ニクロム線 9温度センサー
Claims (3)
- 【請求項1】 定盤を有するラッピング加工機に於い
て、該定盤の内部に加熱手段を内蔵してあり、機台が停
止している間、該加熱手段を作動させることで定盤の作
用面の温度をその加工機の定常運転状態での飽和温度に
保つことを特徴とするラッピング加工機。 - 【請求項2】 ラッピング加工機が、上下両面に定盤を
有する両面加工機であり少なくともその一方に加熱手段
を内蔵することを特徴とする請求項第1項記載のラッピ
ング加工機。 - 【請求項3】 定盤の材質が、鋳鉄等熱による寸法変化
を起こすものであることを特徴とする請求項第1項及び
第2項記載のラッピング加工機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29384197A JPH11123651A (ja) | 1997-10-27 | 1997-10-27 | ラッピング加工機 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29384197A JPH11123651A (ja) | 1997-10-27 | 1997-10-27 | ラッピング加工機 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11123651A true JPH11123651A (ja) | 1999-05-11 |
Family
ID=17799857
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP29384197A Withdrawn JPH11123651A (ja) | 1997-10-27 | 1997-10-27 | ラッピング加工機 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11123651A (ja) |
-
1997
- 1997-10-27 JP JP29384197A patent/JPH11123651A/ja not_active Withdrawn
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20050104 |