JPH11121785A - 化合物半導体素子およびその製造方法 - Google Patents

化合物半導体素子およびその製造方法

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JPH11121785A
JPH11121785A JP9283438A JP28343897A JPH11121785A JP H11121785 A JPH11121785 A JP H11121785A JP 9283438 A JP9283438 A JP 9283438A JP 28343897 A JP28343897 A JP 28343897A JP H11121785 A JPH11121785 A JP H11121785A
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JP
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compound semiconductor
layer
semiconductor layer
junction
compound
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JP9283438A
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Reiji Ono
野 玲 司 小
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Toshiba Corp
Toshiba Development and Engineering Corp
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Toshiba Corp
Toshiba Electronic Engineering Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 拡散深さを極めて精密に制御することができ
る構造を提供することにより、高性能且つ高い歩留まり
で製造することができる化合物半導体素子およびその製
造方法を提供することを目的とする。 【解決手段】 化合物半導体の多層構造体の表面側から
不純物を拡散させると、ヘテロ界面すなわち異なる材料
からなる層同士の接合面において不純物の拡散速度が極
めて遅くなることが分かった。従って、このようなヘテ
ロ界面を拡散ストッパとして積極的に利用することによ
り、拡散深さを極めて精密且つ再現性良く制御すること
ができるようになる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、化合物半導体素子
およびその製造方法に関する。より具体的には、本発明
は、化合物半導体の積層構造におけるヘテロ接合面まで
不純物を拡散することによりpn接合の深さ位置を極め
て精密に制御することができる化合物半導体素子および
その製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】インジウム燐(InP)系やガリウム砒
素(GaAs)系などの化合物半導体を用いた各種の電
子デバイスあるいは光デバイスは、シリコン(Si)を
用いた素子では得られない各種の特長を有する。以下で
は、これらの化合物半導体素子の一例として、アバラン
シェ・フォト・ダイオード(Avalanche Ph
oto−Diode;APD)を例に挙げて説明する。
【0003】図9は、従来のAPDの断面構造を表す模
式図である。すなわち、APD100は、InP基板1
01の上に、InPバッファ層102、InGaAs光
吸収層103、InGaAsP障壁緩和層104、In
P電界降下層105、InPウインドウ層106が順次
積層された構成を有する。これらの各層は、n型として
形成することができる。さらに、ウインドウ層106に
は、p型ガード・リング108とp型領域110とが形
成され、それぞれpn接合が形成されている。ここで、
ガード・リング108は、「主接合」すなわちp型領域
110により形成されるpn接合部のエッジ・ブレーク
ダウンを防止して、電界強度を高く維持する役割を有す
る。
【0004】素子の表面は、窒化シリコン膜109およ
び111により覆われ、p側電極112とn側電極11
3とがそれぞれ形成されている。図9に示した例におい
ては、p側電極112、112の間の部分が、入射光を
受ける受光部REである。
【0005】APD100の動作について説明すると以
下の如くである。すなわち、受光部REから入射した光
は、ウインドウ層106を透過して光吸収層103に到
達し、そこで吸収されて励起キャリアを生ずる。APD
100にはpn接合に対して逆バイアスとなるように駆
動電圧が印加され、「主接合」110Aから伸びた空乏
層により、光吸収層103に至るまで空乏化されてい
る。光吸収層103において励起されたホールは、この
ように空乏化され電界が印加された各層を加速しながら
ウインドウ層106に向かって走行する。ウインドウ層
106のうちで主接合110Aの直下のn型の部分は、
電界強度が特に高く、アバランシェ増倍を生ずるイオン
化電界強度に達するように設計されている。そこで、こ
の主接合110Aの直下のn型のウインドウ層の部分は
「増倍層」と称されることが多い。ウインドウ層106
に向かって走行する励起キャリアは、ウインドウ層10
6の増倍層において、アバランシェ増倍され、増幅され
た電流信号として外部に取り出される。
【0006】ここで、InGaAsP障壁緩和層104
は、光吸収層103と電界降下層105とのバンドギャ
ップの不連続を緩和することにより、励起ホールのパイ
ルアップすなわち滞留を防止する役割を有する。従っ
て、その材料としては、光吸収層103と電界降下層1
05の中間付近のバンドギャップを有する半導体である
ことが望ましい。また、少しずつ組成をずらした複数の
積層構造としたり、徐々に組成が変化するいわゆる「グ
レーデッド構造」としても良い。
【0007】また、電界降下層105は、主接合110
Aに逆方向バイアスが印加されて生ずる電界強度を降下
させることにより、障壁緩和層104や吸収層103の
電界強度が高くなり過ぎないように調節する役割を有す
る。従って、そのキャリア濃度や層厚は、他の各層の構
造パラメータに応じて適宜決定することが望ましい。次
に、APD100の製造方法の要部について簡略に説明
する。まず、InP基板101の上に各層102〜10
6を順次結晶成長する。次に、p型不純物を選択的にイ
オン注入し、さらに熱処理を施すことにより、ガード・
リング108を形成する。さらに、気相拡散法によりp
型不純物を選択的に拡散して、p型領域110を形成す
る。しかる後に、p側電極112およびn側電極113
を形成してAPD100が得られる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前述のように
して得られるAPDの周波数特性には上限があり、近
年、急速に需要が増している、2.4Gbps(ギガビ
ット毎秒)以上の伝送速度を達成することのできる周波
数特性の良好なAPDを高い歩留まりで得ることは極め
て困難であった。以下、この理由について詳述する。
【0009】APDの周波数特性を律速する要因として
「アバランシェ・ビルドアップ・タイム」がある。これ
は、増倍層に到達したキャリアがアバランシェ増倍され
て増倍層を抜け出るまでに要する時間に相当する。この
「アバランシェ・ビルドアップ・タイム」は、増倍層が
厚くなるほど、長くなる傾向を有する。
【0010】図10は、増倍層の層厚と、APDの遮断
周波数との関係を例示するグラフ図である。すなわち、
同図の横軸は増倍層の層厚を表し、縦軸はAPDの遮断
周波数を表す。また、同図においては、増倍率M=1
0、M=12、およびM=15の場合についてそれぞれ
示した。図10から分かるように、増倍層の層厚が厚く
なるに従って、遮断周波数は低下する。従って、APD
の周波数特性を向上させるには、増倍層の厚みをできる
だけ薄くすることが必要とされる。すなわち、p型領域
110は、出来るだけウインドウ層106に深く拡散し
て、主接合を深い位置に形成することが必要とされる。
例えば、増倍率M=10〜15において、4GHzの遮
断周波数を得るためには、増倍層の層厚は、約0.2μ
m以下とする必要がある。
【0011】一方、ガード・リング108は、主接合の
エッジ・ブレークダウンを防止するために、主接合と同
じ深さあるいはそれよりも深く形成する必要がある。し
かし、、ガード・リングの形成位置が深すぎて、電界降
下層105に到達すると、そこで形成されるpn接合が
階段状となり電界が高くなるために暗電流が増加すると
いう問題が生ずる。
【0012】従って、APDの周波数特性と暗電流特性
とを両立させるためには、次の関係式(1)、すなわち (ウインドウ層の厚さ)>(ガード・リングの深さ)≧
(主接合の深さ) を満足しつつ、出来るだけ主接合を深く形成することが
必要とされる。つまり、ウインドウ層106の厚さと、
ガード・リング108の形成条件と、主接合110Aの
形成条件とをいずれも精密に制御することが必要とされ
る。
【0013】しかし、従来のAPDにおいては、以下に
詳述する理由により、これらを精密に制御することが容
易ではなかった。まず、ガード・リング108や主接合
110Aの形成条件を決定する基準となるのが、ウイン
ドウ層106の層厚である。しかし、ウインドウ層10
6は、同じInPからなる電界降下層105の上に連続
して積層成長されているために、その界面を精密に検出
することが容易でない。従って、ウインドウ層106の
層厚の測定には誤差が生じやすく、正確に測定すること
が困難であるという問題があった。
【0014】次に、ガード・リング108の形成深さに
もばらつきが生じやすいという問題があった。すなわ
ち、ガード・リング108は、例えば、ベリリウム(B
e)などのp型不純物をイオン注入法により表面から打
ち込んで、熱処理によりウインドウ層内部に拡散させて
形成している。しかし、このような形成法によると、同
一条件でイオン注入と熱処理を施しても、ガード・リン
グの形成深さが±0.2μm程度の幅でばらつく。
【0015】また、主接合110Aの形成深さにも、同
様にばらつきが生じやすいという問題があった。すなわ
ち、主接合110Aは、例えば、亜鉛(Zn)などのp
型不純物を気相拡散法などの方法によりウインドウ層の
内部に拡散させて形成している。しかし、同一の拡散条
件で拡散を行っても、主接合の形成深さには±0.25
μm程度のばらつきが生ずる。
【0016】以上説明したように、ウインドウ層106
の層厚とガード・リング108の形成深さと、主接合1
10Aの形成深さのそれぞれが、ばらつき幅を有するた
めに、上述の(1)式を満足させつつ、主接合110A
を深く形成して、増倍層を薄くすることは困難であっ
た。すなわち、(1)式を満足するためには、それぞれ
のばらつきを考慮したプロセス・マージンを設定する必
要があり、その結果として得られるAPDの増倍層の厚
みには下限が生じて、周波数特性を改善することが困難
であった。
【0017】一例を挙げると、ウインドウ層の層厚の測
定値が1.5μmである場合には、その測定誤差(±
0.2μm)を考慮すると、ガード・リングの深さの上
限は、1.3μmに抑える必要がある。ここで、ガード
・リングの深さのばらつき(±0.2μm)を考慮する
と、その目標深さを1.3μmとして形成しなければな
らない。この形成条件において得られるガード・リング
の深さの下限は、1.1μmである。従って、主接合
は、それよりも浅く形成することが必要とされる。ここ
で、主接合の深さのばらつき(±0.25μm)を考慮
すると、その目標深さは0.85μm以下として形成し
なければならない。
【0018】このようにして得られるAPDの増倍層の
厚みは、0.65μmを中心としてばらつくこととなる
が、これよりも増倍層の薄いものが得られる歩留まりは
極めて低かった。
【0019】同様の問題は、例示したAPDに限らず、
拡散によりpn接合を形成する化合物半導体素子におい
て共通する課題であった。
【0020】本発明は、かかる点に鑑みてなされたもの
である。すなわち、その目的は、拡散深さを極めて精密
に制御することができる構造を提供することにより、高
性能且つ高い歩留まりで製造することができる化合物半
導体素子およびその製造方法を提供することにある。
【0021】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明による
化合物半導体素子は、第1導電型の第1の化合物半導体
層と、前記第1の化合物半導体層の上に形成され、前記
第1の化合物半導体層とは異なる組成を有する、第1導
電型の第2の化合物半導体層と、を少なくとも備え、前
記第2の化合物半導体層の少なくとも一部分に第2導電
型の不純物が拡散されて、前記第1の化合物半導体層と
の接合面にpn接合が形成されていることを特徴とする
ものして構成され、pn接合をヘテロ接合面に極めて正
確且つ容易に形成することができる。
【0022】また、前記第2の化合物半導体層の上に形
成され、前記第2の化合物半導体層とは異なる組成を有
する、第1導電型の第3の化合物半導体層をさらに備
え、前記第3の化合物半導体層の表面側から第2導電型
の不純物が拡散されて、前記第1の化合物半導体層と前
記第2の化合物半導体層とのヘテロ接合面にpn接合を
形成するようにしても良い。
【0023】また、アバランシェ・フォト・ダイオード
としての化合物半導体素子について、第1の化合物半導
体層と前記第1の化合物半導体層とは組成が異なる第2
の化合物半導体層とのいずれかに不純物が拡散されて、
前記第1の化合物半導体層と前記第2の化合物半導体層
とのヘテロ接合面にpn接合を形成することにより、周
波数特性が顕著に改善された素子を高い歩留まりで得る
ことができるようになる。
【0024】あるいは、アバランシェ・フォト・ダイオ
ードとしての化合物半導体素子について、第1の化合物
半導体からなる第1の半導体層と、前記第1の半導体層
の上に形成され、前記第1の化合物半導体とは異なる組
成を有する第2の化合物半導体からなる第2の半導体層
と、前記第2の半導体層の上に形成され、前記第2の化
合物半導体とは異なる組成を有する第3の化合物半導体
からなる第3の半導体層との前記第3の半導体層の表面
側から不純物を拡散して、前記第1の半導体層と前記第
2の半導体層とのヘテロ接合面にpn接合を形成しても
良い。
【0025】さらに、前記第3の半導体層の表面側から
不純物を拡散して、前記第2の半導体層と前記第3の半
導体層とのヘテロ接合面にpn接合を形成しても良い。
【0026】ここで、化合物半導体素子としては、In
P系のアバランシェ・フォト・ダイオードを挙げること
ができ、本発明によれば、高速光通信システムに用いて
好適な素子を高い製造歩留まりで得ることができるよう
になる。
【0027】
【発明の実施の形態】本発明は、化合物半導体のヘテロ
界面において拡散速度が極めて遅くなるという本発明者
が独自に知得した事実に基づき、なされたものである。
すなわち、本発明者の実験結果によれば、化合物半導体
の多層構造体の表面側から不純物を拡散させると、ヘテ
ロ界面すなわち異なる材料からなる層同士の接合面にお
いて不純物の拡散速度が極めて遅くなることが分かっ
た。従って、このようなヘテロ界面を拡散ストッパとし
て積極的に利用することにより、拡散深さを極めて精密
且つ再現性良く制御することができるようになる。
【0028】以下に図面を参照しつつ、本発明の実施の
形態について説明する。図1は、本発明による化合物半
導体素子の断面構造を表す模式図である。すなわち、同
図は本発明による化合物半導体の一例としてAPDの断
面構造を表すものである。その構成について説明する
と、以下の如くである。
【0029】APD10Aは、InP基板11上にIn
Pバッファ層12、InGaAs光吸収層13、InG
aAsP障壁緩和層14、電界降下層15、InP増倍
層16、InGaAsP拡散ストッパ層17、InPウ
ィンドウ層18を順次、積層された構成を有する。さら
に、ベリリウムなどのp型不純物を用いたガード・リン
グ20と、亜鉛などのp型不純物を用いたp型領域22
とが形成されている。素子の表面は、窒化シリコンなど
の保護膜21および22により覆われ、p側電極24と
n側電極25とがそれぞれ形成されている。
【0030】APD10Aの周波数特性は、図3に例示
したように増倍層16の層厚に依存する。従って、所望
の周波数特性が得られるように増倍層16の層厚を決定
する。また、InGaAsP拡散ストッパ層17は入射
光の波長に対して吸収が起きないように組成を調整する
ことが望ましい。例えば、約1.3μmの波長の光に対
応するバンドギャップを有する組成とすることができ
る。
【0031】本発明においては、ガード・リング20と
p型領域22とは、例えば、拡散ストッパ層17とウイ
ンドウ層18との間のヘテロ界面まで達するように形成
されている。
【0032】図2は、APD10Aのp型領域22を形
成する際の、亜鉛の拡散時間とp型領域22の形成深さ
との関係を表すグラフ図である。同図に示した例におい
ては、亜鉛の拡散原料として、燐化亜鉛(ZnP2)を
用い、封管拡散法により拡散を行った。また、図2に
は、比較のために、単層のInP層に対する拡散時間と
拡散深さとの関係も示した。
【0033】図2から分かるように、InP単層の場合
においては、亜鉛の拡散深さは、拡散時間の平方根に概
ね比例している。一方、拡散ストッパ層を備えたヘテロ
接合多層積層体の場合においては、ウィンドウ層18と
拡散ストッパ層17とのヘテロ界面、及び拡散ストッパ
層17と増倍層16とのヘテロ界面付近において、拡散
深さが横ばい状態となっていることが分かる。つまり、
拡散時間のマージンを広くとることができる。また、界
面付近では拡散深さのばらつきが小さくなっている。
【0034】すなわち、ヘテロ界面で拡散を止めるよう
にすれば、拡散深さのばらつきが小さく、拡散時間のマ
−ジンも広くとることができ、精密且つ再現性良くpn
接合を形成することができる。このように拡散時間のマ
ージンを大きくとることができると、層厚にばらつきが
ある場合に特に有利である。たとえば、ウエハ面内でウ
ィンドウ層厚が±0.2μm程度の範囲でばらつくウエ
ハに拡散する場合、従来の層構造では、拡散深さのばら
つきとウィンドウ層厚のばらつきとにより増倍層厚すな
わち未拡散部分の厚みを正確に制御することが困難であ
った。これに対して、本発明によれば、ウィンドウ層厚
にばらつきがあっても、拡散時間のマージンにより、ヘ
テロ界面に再現性良くpn接合を形成することができ
る。
【0035】また、上述したようなヘテロ界面における
拡散の停滞現象は、亜鉛を用いた気相拡散法による場合
に限定されなかった。例えば、カドミウムを気相拡散さ
せた場合においても同様のヘテロ界面における停滞現象
が観察された。また、不純物をイオン注入した後に、熱
処理により拡散させる場合においても、同様のヘテロ界
面における停滞現象が観察された。
【0036】本発明によれば、このように、ガード・リ
ング20と主接合22とをヘテロ界面まで拡散するよう
にした結果、pn接合の位置を極めて精密且つ再現性良
く制御することができるようになる。つまり、暗電流を
増加することなく、増倍層16の層厚を従来よりもはる
かに薄く形成することができる。その結果として、周波
数特性が優れたAPDを高い歩留まりで得ることができ
る。
【0037】図3は、本発明によるAPDの平均的な周
波数特性を増倍率に対して表したグラフ図である。すな
わち、同図の横軸は増倍率、縦軸は遮断周波数を表す。
ここで、遮断周波数は、出力信号が3dB低下する周波
数とした。また、同図においては、比較のために従来の
APDの平均的な周波数特性も示した。
【0038】図3に示したように、従来例も本発明によ
るAPDも、増倍率M=3〜8付近においては、約5G
Hzの遮断周波数が得られている。この最大遮断周波数
は、APDのCR(容量、抵抗)定数により決定されて
いる。しかし、従来例においては、増倍率M=8よりも
高い増倍率において、遮断周波数が顕著に低下し、増倍
率M=12における遮断周波数は2GHzである。一
方、本発明によるAPDは、増倍率M=3〜11付近ま
で約5GHzの遮断周波数が維持され、それよりも高い
増倍率においても従来例よりも高い遮断周波数が得られ
ている。これは、本発明のAPDは、増倍層16の層厚
を従来よりも精密に制御して薄く形成することができる
からである。
【0039】本発明によれば、増倍率M=12における
遮断周波数は4GHzである。APDは、このような1
0以上の増倍率において用いられる場合が多いために、
このような高い増倍率における遮断周波数の向上は、実
用上極めて有益である。本発明によれば、従来の約2倍
の遮断周波数を得ることができ、光通信などの受光部に
用いた場合には、従来の約2倍のデータ伝送速度を実現
することができる。
【0040】次に、本発明によるAPDの製造方法につ
いて説明する。図4および図5は、本発明によるAPD
の製造方法を表す概略工程断面図である。APD10A
の製造に際しては、まず、図4(a)に表したように、
InP基板11の上に所定の半導体層をエピタキシャル
成長する。この際に用いる結晶成長法としては、例え
ば、M0CVD法(有機金属化学気相成長法)やハイド
ライド気相成長法、クロライド気相成長法、あるいは、
化学ビーム・エピタキシャル法(CBE)などを挙げる
ことができる。各層のキャリア濃度と層厚の一例を挙げ
ると、以下の如くである。すなわち、n型InPバッフ
ァ層12(キャリア濃度1×1016cm-3、層厚約3μ
m)、n型InGaAs光吸収層13(1×1015cm
-3、約2μm)、n型InGaAsP障壁緩和層14
(5×1015cm-3、約0.3μm)、n型InP電界
降下層15(4×1016cm-3、約0.35μm)、n
型InP増倍層16(1×1015cm-3、約0.2μ
m)n型InGaAsP拡散ストッパ層17(1×10
15cm-3、約0.3μm)、n型InPウインドウ層1
8(1×1015cm-3、約1μm)を順次、積層する。
【0041】次に、図4(b)に表したように、ガード
・リングを形成する。まず、プラズマCVD法により、
窒化シリコン(SiNx)膜19を堆積する。次に、こ
の窒化シリコン膜19に所定の開口を設ける。さらに、
この開口を介してp型不純物をウインドウ層18にイオ
ン注入する。さらに、例えば600〜700℃において
熱処理を施すことにより、不純物を拡散させるとともに
活性化させて、ガード・リング20を形成する。この際
に、ガード・リングのpn接合が、増倍層16と拡散ス
トッパ層17とのヘテロ界面に形成されるように形成条
件を調整する。本発明によれば、図2に例示したよう
に、不純物の拡散速度が極めて遅くなるヘテロ界面にp
n接合を形成するので、極めて正確且つ容易に、ガード
・リング20のpn接合を形成することができる。
【0042】また、ここで用いるp型不純物としては、
半導体層中においていわゆる傾斜状のpn接合を形成す
るようなものが望ましく、例えば、ベリリウム(Be)
やマグネシウム(Mg)、亜鉛(Zn)などを挙げるこ
とができる。また、不純物の導入方法としては、イオン
注入法に限定されず、その他にも例えば、気相拡散法
や、固相拡散法などの方法を用いても良い。
【0043】次に、図4(c)に表したように、p型領
域22を形成する。まず、CVD法により、窒化シリコ
ン(SiNx)膜21を新たに堆積する。次に、この窒
化シリコン膜21に所定の開口を設ける。さらに、この
開口を介して、p型不純物を拡散する。この際の拡散方
法としては、例えば、封管法や開管法などを用いること
ができる。また、このp型領域22は、pn接合が増倍
層16と拡散ストッパ層17とのヘテロ界面に形成され
るように拡散温度や拡散時間などの形成条件を調整す
る。本発明によれば、図2に例示したように、不純物の
拡散速度が極めて遅くなるヘテロ界面にpn接合を形成
するので、極めて正確且つ容易に、主接合すなわちp型
領域21のpn接合を形成することができる。
【0044】また、ここで用いるp型不純物としては、
半導体層中においていわゆる階段状のpn接合を形成す
るようなものが望ましく、例えば、亜鉛(Zn)やカド
ミウム(Cd)などを挙げることができる。
【0045】次に、図5(a)に表したように、p側電
極24を形成する。まず、プラズマCVD法により、窒
化シリコンの反射防止膜23を堆積する。次に、所定の
開口を設け、この開口を介してp型領域22と接触する
ようにp側電極24を形成する。p側電極24は、例え
ば、チタン(Ti)、白金(Pt)、金(Au)を電子
ビーム蒸着法によりこの順序に堆積して得ることができ
る。
【0046】最後に、図5(b)に表したように、n側
電極25を形成する。n側電極25は、例えば、金ゲル
マニウム(AuGe)、ニッケル(Ni)、金(Au)
をこの順序に堆積して得ることができる。また、これら
の電極の形成工程に際しては、必要に応じて、合金化の
ための熱処理を施しても良い。
【0047】本発明によれば、ガード・リング20やp
型領域22の形成に際して、図2に例示したように、ヘ
テロ界面において正確且つ容易にpn接合を形成するこ
とができる。すなわち、図9に示したような従来のAP
Dにおいては、InPウインドウ層の途中にpn接合を
形成する必要があり、その接合の位置を精密に再現性良
く制御することは極めて困難であった。その結果とし
て、製造歩留まりが低く、また、得られるAPDの周波
数特性も不十分なものであった。これに対して、本発明
によれば、ガード・リングやp型領域のpn接合の位置
を極めて精密かつ容易に優れた再現性で制御することが
できる。従って、周波数特性が良好なAPDを高い歩留
まりで製造することができるようになる。
【0048】次に、本発明による第2のAPDについて
説明する。図6は、本発明による第2のAPDの断面構
造を例示する模式図である。すなわち、同図に表したA
PD10Bも、InP基板11上にInPバッファ層1
2、InGaAs光吸収層13、InGaAsP障壁緩
和層14、電界降下層15、InP増倍層16、拡散ス
トッパ層17、InPウィンドウ層18が順次、積層さ
れた構成を有する。ここで、図1に示したAPD10A
と同一の部分については、同一の符号を付して詳細な説
明を省略する。
【0049】図6に表したAPD10Bが、図1のAP
D10Aと異なる点は、そのガード・リング20Bおよ
びp型領域22Bの形成深さにある。すなわち、APD
10Bにおいては、ガード・リング20Bとp型領域2
2Bとは、それぞれ、拡散ストッパ層17とウインドウ
層18とのヘテロ界面に達するように形成されている。
このように形成した場合においても、図2に例示したよ
うに、ヘテロ界面における拡散速度の停滞の効果を同様
に得ることができる。
【0050】APD10Bにおいては、拡散ストッパ層
17も、増倍層として機能することになる。従って、I
nGaAsPやInGaAsにより構成される拡散スト
ッパ層におけるアバランシェ増倍の効果を抑制する場合
には、拡散ストッパ層17のキャリア濃度をできるだけ
低く設定し、且つ層厚も薄く形成することが望ましい。
【0051】次に、本発明による第3のAPDについて
説明する。図7は、本発明による第3のAPDの断面構
造を例示する模式図である。すなわち、同図に表したA
PD10Cも、InP基板11上にInPバッファ層1
2、InGaAs光吸収層13、InGaAsP障壁緩
和層14、電界降下層15、InP増倍層16、拡散ス
トッパ層17、InPウィンドウ層18が順次、積層さ
れた構成を有する。ここで、図1に示したAPD10A
と同一の部分については、同一の符号を付して詳細な説
明を省略する。
【0052】図7に表したAPD10Cが、図1のAP
D10Aと異なる点は、そのp型領域22Cの形成深さ
にある。すなわち、APD10Bにおいては、ガード・
リング20Cは、増倍層16と拡散ストッパ層17との
ヘテロ界面に達するように形成されているのに対して、
p型領域22Cは、拡散ストッパ層17とウインドウ層
18とのヘテロ界面に達するように形成されている。こ
のように形成した場合においても、それぞれのpn接合
の形成に際しては、図2に例示したように、ヘテロ界面
における拡散速度の停滞の効果を同様に得ることができ
る。
【0053】APD10Cにおいては、ガード・リング
20Cがp型領域22Cよりも確実に深くなるように形
成される。従って、ガード・リングによる主接合のエッ
ジ・ブレークダウンを抑制する効果をより顕著に得るこ
とができる。すなわち、主接合の耐圧が高くなり、素子
の増倍率をさらに向上することができるという効果が得
られる。
【0054】なお、APD10Cにおいても、拡散スト
ッパ層17は増倍層として機能することになる。従っ
て、InGaAsPやInGaAsにより構成される拡
散ストッパ層におけるアバランシェ増倍の効果を抑制す
る場合には、拡散ストッパ層17のキャリア濃度をでき
るだけ低く設定し、且つ層厚も薄く形成することが望ま
しい。
【0055】図8は、本発明による第4のAPDの断面
構造を例示する模式図である。すなわち、同図に表した
APD10Dは、InP基板11上にInPバッファ層
12、InGaAs光吸収層13、InGaAsP障壁
緩和層14、電界降下層15、InP増倍層16、拡散
ストッパ層17が順次、積層された構成を有する。ここ
で、図1に示したAPD10Aと同一の部分について
は、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0056】図8に表したAPD10Dが、図1のAP
D10Aと異なる点は、InPウインドウ層18が設け
られず、その代わりに層厚を厚くした拡散ストッパ層1
7が設けられている点である。つまり、APD10Dに
おいては、拡散ストッパ層17がウインドウ層としての
役割も兼ねている。従って、拡散ストッパ層17は、入
射光に対する吸収率がなるべく低いことが望ましい。そ
の材料は、用いる入射光の波長に応じて適宜選択するこ
とができ、例えば、1.5μm帯の波長の入射光に対し
ては、1.3μmの波長に対応するInGaAsPを用
いることができる。
【0057】APD10Dにおいては、ガード・リング
20Dとp型領域22Dとは、増倍層16と拡散ストッ
パ層17とのヘテロ界面に達するように形成されてい
る。このように形成した場合においても、それぞれのp
n接合の形成に際しては、図2に例示したように、ヘテ
ロ界面における拡散速度の停滞の効果を同様に得ること
ができる。
【0058】APD10Dにおいては、基板の上に成長
する積層数を減らすことができ、より構成を簡略化する
ことができるという効果を得ることができる。また、一
般的に、p型InPと比較してp型InGaAsPの方
が、p側電極24に対してオーミック接触を形成しやす
い。従って、p側電極24の部分における接触抵抗を低
減して、素子の発熱を抑制し、静電耐圧も向上すること
ができるという効果も得ることができる。
【0059】以上、具体例を参照しつつ本発明の実施の
形態について説明した。しかし、本発明は、前述した具
体例に限定されるものではない。例えば、図1における
拡散ストッパ層17の材料は、InGaAsPに限定さ
れない。すなわち、InP増倍層16との間にヘテロ界
面を形成することができる材料であれば良く、例えば、
InGaAsを用いても同様の効果を得ることができ
る。但し、InGaAsを用いる場合には、入射光の波
長に応じて、吸収を抑制するためにその層厚を薄く設け
ることが望ましい。
【0060】また、障壁緩和層14は、光吸収層13と
電界降下層15とのバンドギャップの不連続を緩和する
ことにより、励起ホールのパイルアップすなわち滞留を
防止する役割を有する。従って、その材料としては、光
吸収層13と電界降下層15の中間付近のバンドギャッ
プを有する半導体であることが望ましい。あるいは、少
しずつ組成をずらした複数の積層構造としたり、徐々に
組成が変化するいわゆる「グレーデッド構造」としても
良い。
【0061】
【発明の効果】本発明は、以上説明したような形態で実
施され、以下に説明する効果を奏する。まず、本発明に
よれば、pn接合の深さ位置を極めて精密に制御するこ
とができるようになる。従って、pn接合の深さ位置に
関連する諸特性が改善された化合物半導体素子を提供す
ることができる。
【0062】また、本発明によれば、pn接合をヘテロ
接合面に形成するようにしたことにより、拡散深さのば
らつきが小さく、拡散時間のマ−ジンも広くとることが
でき、再現性良くpn接合を形成することができる。こ
のように拡散時間のマージンを大きくとることができる
と、層厚にばらつきがある場合に特に有利である。すな
わち、層厚にばらつきがあっても、拡散時間のマージン
により、ヘテロ界面に再現性良くpn接合を形成するこ
とができる。
【0063】さらに、具体的には、本発明によれば、周
波数特性が顕著に改善されたAPDを高い歩留まりで製
造することができるようになる。すなわち、本発明によ
れば、増倍率M=12において4GHz以上の遮断周波
数を有するAPDを再現性良く得ることができる。AP
Dは、このような10以上の増倍率において用いられる
場合が多いために、このような高い増倍率における遮断
周波数の向上は、実用上極めて有益である。本発明によ
れば、従来の約2倍の遮断周波数を得ることができ、光
通信などの受光部に用いた場合には、従来の約2倍のデ
ータ伝送速度を実現することができる。
【0064】以上、詳述したように、本発明によれば、
高性能の化合物半導体素子を高い歩留まりで提供するこ
とができるようになり、産業上のメリットは多大であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による化合物半導体素子の断面構造を表
す模式図である。
【図2】APD10Aのp型領域22を形成する際の、
亜鉛の拡散時間とp型領域22の形成深さとの関係を表
すグラフ図である。
【図3】本発明によるAPDの平均的な周波数特性を増
倍率に対して表したグラフ図である。
【図4】本発明によるAPDの製造方法を表す概略工程
断面図である。
【図5】本発明によるAPDの製造方法を表す概略工程
断面図である。
【図6】本発明による第2のAPDの断面構造を例示す
る模式図である。
【図7】本発明による第3のAPDの断面構造を例示す
る模式図である。
【図8】本発明による第4のAPDの断面構造を例示す
る模式図である。
【図9】従来のAPDの断面構造を表す模式図である。
【図10】増倍層の層厚と、APDの遮断周波数との関
係を例示するグラフ図である。
【符号の説明】
10A〜D、100 APD 11、101 基板 12、102 バッファ層 13、103 光吸収層 14、104 障壁緩和層 15、105 電界降下層 16 増倍層 17 拡散ストッパ層 18、106 ウインドウ層 20、108 ガード・リング 21、109 保護膜 22、110 p型領域 23、111 反射防止膜 24、112 p側電極 25、113 n側電極 110A 主接合

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第1導電型の第1の化合物半導体層と、 前記第1の化合物半導体層の上に形成され、前記第1の
    化合物半導体層とは異なる組成を有する、第1導電型の
    第2の化合物半導体層と、 を少なくとも備え、 前記第2の化合物半導体層の少なくとも一部分に第2導
    電型の不純物が拡散されて、前記第1の化合物半導体層
    との接合面にpn接合が形成されていることを特徴とす
    る化合物半導体素子。
  2. 【請求項2】第1導電型の第1の化合物半導体層と、 前記第1の化合物半導体層の上に形成され、前記第1の
    化合物半導体層とは異なる組成を有する、第1導電型の
    第2の化合物半導体層と、 前記第2の化合物半導体層の上に形成され、前記第2の
    化合物半導体層とは異なる組成を有する、第1導電型の
    第3の化合物半導体層と、 を少なくとも備え、 前記第3の化合物半導体層の表面側から第2導電型の不
    純物が拡散されて、前記第1の化合物半導体層と前記第
    2の化合物半導体層とのヘテロ接合面にpn接合が形成
    されていることを特徴とする化合物半導体素子。
  3. 【請求項3】化合物半導体からなる光吸収層と、 化合物半導体中に設けられたpn接合と、を少なくとも
    備え、 外部から入射した光が前記光吸収層において吸収されて
    励起キャリアが発生し、前記励起キャリアが前記pn接
    合の近傍においてアバランシェ増倍を生ずるようにされ
    たアバランシェ・フォト・ダイオードとしての化合物半
    導体素子であって、 前記pn接合は、第1の化合物半導体層と前記第1の化
    合物半導体層とは組成が異なる第2の化合物半導体層と
    のいずれかに不純物が拡散されて、前記第1の化合物半
    導体層と前記第2の化合物半導体層とのヘテロ接合面に
    形成されていることを特長とする化合物半導体素子。
  4. 【請求項4】化合物半導体からなる光吸収層と、 前記光吸収層の上に形成され、化合物半導体からなる障
    壁緩和層と、 前記障壁緩和層の上に形成され、化合物半導体からなる
    電界降下層と、 前記電界降下層の上に形成され、第1の化合物半導体か
    らなる第1の半導体層と、 前記第1の半導体層の上に形成され、前記第1の化合物
    半導体とは異なる組成を有する第2の化合物半導体から
    なる第2の半導体層と、 前記第2の半導体層の上に形成され、前記第2の化合物
    半導体とは異なる組成を有する第3の化合物半導体から
    なる第3の半導体層と、 を少なくとも備えたアバランシェ・フォト・ダイオード
    としての化合物半導体素子であって、さらに、 前記第3の半導体層の表面側から不純物が拡散されて、
    前記第1の半導体層と前記第2の半導体層とのヘテロ接
    合面にpn接合が形成されていることを特徴とする化合
    物半導体素子。
  5. 【請求項5】化合物半導体からなる光吸収層と、 前記光吸収層の上に形成され、化合物半導体からなる障
    壁緩和層と、 前記障壁緩和層の上に形成され、化合物半導体からなる
    電界降下層と、 前記電界降下層の上に形成され、第1の化合物半導体か
    らなる第1の半導体層と、 前記第1の半導体層の上に形成され、前記第1の化合物
    半導体とは異なる組成を有する第2の化合物半導体から
    なる第2の半導体層と、 前記第2の半導体層の上に形成され、前記第2の化合物
    半導体とは異なる組成を有する第3の化合物半導体から
    なる第3の半導体層と、 を少なくとも備えたアバランシェ・フォト・ダイオード
    としての化合物半導体素子であって、さらに、 前記第3の半導体層の表面側から不純物が拡散されて、
    前記第2の半導体層と前記第3の半導体層とのヘテロ接
    合面にpn接合が形成されていることを特徴とする化合
    物半導体素子。
  6. 【請求項6】前記光吸収層は、InGaAsからなり、 前記障壁緩和層は、InGaAsPを含み、 前記第1の化合物半導体は、InPであり、 前記第2の化合物半導体は、InGaAsPおよびIn
    GaAsのいずれかであり、 前記第3の化合物半導体は、InPであり、 前記不純物は、亜鉛(Zn)、カドミウム(Cd)、ベ
    リリウム(Be)およびマグネシウム(Mg)よりなる
    群から選択された元素の1または2以上であることを特
    徴とする請求項4または5に記載の化合物半導体素子。
  7. 【請求項7】化合物半導体からなる光吸収層と、 前記光吸収層の上に形成され、化合物半導体からなる障
    壁緩和層と、 前記障壁緩和層の上に形成され、化合物半導体からなる
    電界降下層と、 前記電界降下層の上に形成され、第1の化合物半導体か
    らなる第1の半導体層と、 前記第1の半導体層の上に形成され、前記第1の化合物
    半導体とは異なる組成を有する第2の化合物半導体から
    なる第2の半導体層と、 を少なくとも備えたアバランシェ・フォト・ダイオード
    としての化合物半導体素子であって、さらに、 前記第2の半導体層に不純物が拡散されて、前記第1の
    半導体層と前記第2の半導体層とのヘテロ接合面にpn
    接合が形成されていることを特徴とする化合物半導体素
    子。
  8. 【請求項8】前記光吸収層は、InGaAsからなり、 前記障壁緩和層は、InGaAsPを含み、 前記第1の化合物半導体は、InPであり、 前記第2の化合物半導体は、InGaAsPおよびIn
    GaAsのいずれかであり、 前記不純物は、亜鉛(Zn)、カドミウム(Cd)、ベ
    リリウム(Be)およびマグネシウム(Mg)よりなる
    群から選択された元素の1または2以上であることを特
    徴とする請求項7記載の化合物半導体素子。
  9. 【請求項9】基板上に第1導電型の第1の化合物半導体
    層を形成する工程と、 前記第1の化合物半導体層の上に、前記第1の化合物半
    導体層とは異なる組成を有する第1導電型の第2の化合
    物半導体層を形成する工程と、 前記第2の化合物半導体層の少なくとも一部分に第2導
    電型の不純物を拡散して、前記第1の化合物半導体層と
    前記第2の化合物半導体層との接合面にpn接合を形成
    する工程と、 を備えたことを特徴とする化合物半導体素子の製造方
    法。
  10. 【請求項10】化合物半導体からなる光吸収層と、化合
    物半導体中に設けられたpn接合と、を少なくとも備
    え、外部から入射した光が前記光吸収層において吸収さ
    れて励起キャリアが発生し、前記励起キャリアが前記p
    n接合の近傍においてアバランシェ増倍を生ずるように
    されたアバランシェ・フォト・ダイオードとしての化合
    物半導体素子の製造方法であって、 基板上に第1の化合物半導体層を形成する工程と、 前記第1の化合物半導体層の上に、前記第1の化合物半
    導体とは組成が異なる第2の化合物半導体層を形成する
    工程と、 前記第2の化合物半導体層の少なくとも一部分に不純物
    を拡散して、前記第1の化合物半導体層と前記第2の化
    合物半導体層とのヘテロ接合面にpn接合を形成する工
    程と、 を備えたことを特徴とする化合物半導体素子の製造方
    法。
  11. 【請求項11】基板上に化合物半導体からなる光吸収層
    を形成する工程と、 前記光吸収層の上に、化合物半導体からなる障壁緩和層
    を形成する工程と、 前記障壁緩和層の上に、化合物半導体からなる電界降下
    層を形成する工程と、 前記電界降下層の上に、第1の化合物半導体からなる第
    1の半導体層を形成する工程と、 前記第1の半導体層の上に、前記第1の化合物半導体と
    は異なる組成を有する第2の化合物半導体からなる第2
    の半導体層を形成する工程と、 前記第2の半導体層の上に、前記第2の化合物半導体と
    は異なる組成を有する第3の化合物半導体からなる第3
    の半導体層を形成する工程と、 前記第3の半導体層の表面側から不純物を拡散して、前
    記第2の半導体層と前記第3の半導体層とのヘテロ接合
    面にpn接合を形成する工程と、 を少なくとも備えたことを特徴とするアバランシェ・フ
    ォト・ダイオードとしての化合物半導体素子の製造方
    法。
  12. 【請求項12】前記光吸収層は、InGaAsからな
    り、 前記障壁緩和層は、InGaAsPを含み、 前記第1の化合物半導体は、InPであり、 前記第2の化合物半導体は、InGaAsPおよびIn
    GaAsのいずれかであり、 前記第3の化合物半導体は、InPであり、 前記不純物は、亜鉛(Zn)、カドミウム(Cd)、ベ
    リリウム(Be)およびマグネシウム(Mg)よりなる
    群から選択された元素の1または2以上であることを特
    徴とする請求項11記載の化合物半導体素子の製造方
    法。
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