JPH11120645A - 光磁気記録媒体、その再生方法及び再生装置 - Google Patents

光磁気記録媒体、その再生方法及び再生装置

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JPH11120645A
JPH11120645A JP28569397A JP28569397A JPH11120645A JP H11120645 A JPH11120645 A JP H11120645A JP 28569397 A JP28569397 A JP 28569397A JP 28569397 A JP28569397 A JP 28569397A JP H11120645 A JPH11120645 A JP H11120645A
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JP28569397A
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Masashi Yoshihiro
昌史 吉弘
Hiroyuki Awano
博之 粟野
Katsusuke Shimazaki
勝輔 島崎
Hitoshi Watanabe
均 渡辺
Norio Ota
憲雄 太田
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Hitachi Maxell Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光磁気記録媒体の再生スポットで再生検出で
きない複数の微小記録磁区を再生波形から記録磁区の信
号が高精度で弁別できない。 【解決手段】 微小磁区からなる記録情報が超高密度に
記録されたMAMMOS型光磁気記録媒体から、記録さ
れた微小磁区の転写及び再生磁界による磁区の拡大によ
って得られる再生波形を処理する方法として、記録再生
装置の再生信号検出部に、HPF,HPFと信号微分回
路との組み合わせ、及び差分回路等から選択される制御
回路をつなげて再生波形から記録磁区の信号を弁別す
る。この方法は高S/N、低エラーレート、且つ低コス
トであり、量産可能な産業上有効な手段である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は光磁気記録媒体を用
いて行う光磁気記録再生方法及びその記録再生装置に係
わり、さらに詳細には、従来の光磁気記録再生では用い
られなかった新規な再生手法を用いる光磁気記録再生方
法及びその記録再生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】光磁気記録媒体の一層の高密度化を図る
ために、再生時に外部磁界を印加しつつ、再生用レーザ
ー光を照射して再生信号を得る技術が注目されている。
【0003】例えばJournal of Magnetic Society of J
apan, Vol. 17 Supplement No. S1,p. 201 (1993)に記
載されているような磁気超解像技術が提案されている。
これは、光磁気記録媒体における磁性膜の工夫と再生光
照射時にスポット内部に生ずる温度分布を利用する事に
より、スポット内に磁気的マスクを発生させ、信号の再
生に寄与する実効的なスポット径を縮小させる技術であ
る。この技術を用いれば、光学的スポット径を縮小させ
る事なしに、再生分解能を向上させる事が出来る。
【0004】また、例えば特開平1−143041号公
報に開示されているように、再生時に外部磁界を印加し
て磁区を拡大させることによって、微小な再生信号を増
幅する技術も提案されている。特開平6−259823
号公報においても磁区を拡大させる技術が開示されてい
る。
【0005】これらの磁気超解像や磁区拡大再生を用い
ることによって再生光スポット内に存在する複数の微小
磁区を互いに識別して再生することを可能にしようとす
るものであった。しかしながら、これらの微小磁区は高
密度記録されているために記録クロック周期が短く、こ
れらの信号を再生した場合に波形間干渉が生じることに
よってC/Nが低下するものであり、実用化に充分な域
に達していない。このため、高密度記録された磁区をそ
れらの技術を用いて再生する際に、C/Nを向上させる
技術がさらに必要となる。
【0006】上記の従来技術では、磁気超解像を用いる
にせよ、再生時に外部磁界を印加して磁区を拡大させる
ことによって微小な再生信号を増幅するにせよ、再生時
に得る再生信号は、光磁気記録媒体上に記録された情報
に対応するものであり、記録された情報を忠実に再生す
るということが前提である。
【0007】構築する応用システムの用途によっては、
記録された情報を全て忠実に再生するよりも、用途及び
目的に応じた異なる再生情報を得たい場合がある。例え
ば、セキュリティ用途に関連する応用システムにおいて
は、光磁気記録媒体に記録された情報を再生する際に、
光磁気記録媒体上の特定の部分に記録された情報のみを
再生したい場合があり、あるいは、セキュリティあるい
は暗号記載用途に関連する応用システムにおいて、光磁
気記録媒体に記録された情報を再生する際に、該情報を
特定の関数で変換した再生信号を直接得たい場合もあ
る。さらに、応用システムの用途によっては、光磁気記
録媒体に記録された情報を再生する際に、特定の間隔ご
とに間引いて直接再生することが望まれる。しかしこれ
らは全て光磁気記録媒体に記録されたソフト情報を全て
正確に再生することができるとゆうこと、即ち再生信号
のエラーによって誤った情報にならないことが前提にあ
って始めて実現が可能になることである。このことは記
録再生信号のN/Sが充分に大きな値が得らる光磁気記
録媒体、記録再生装置、及び記録再生方式等を用いるこ
とが必要である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】高密度記録された記録
ビット等の記録信号を再生するためには、再生用レーザ
ビームのスポット径によって決まる光学的分解能が問題
になる。例えばスポット径が1μmの再生光を用いて
0.15μmの微小記録ビット信号を識別して再生する
ことは現在不可能な状態にある。このような再生光の光
学的スポット径による再生分解能の制約をなくすための
の1つのアプローチとして、例えば、Journal of Magne
tic Society of Japan, Vol. 17 Supplement No. S1, p
p. 201 (1993) に記載されているような磁気超解像技術
(MSR)が提案されている。これは、光磁気記録媒体
に再生光が照射された時に再生光スポット内部の磁性膜
に温度分布が生じることを利用して、スポット内に磁気
的マスクを発生させ、信号の再生に寄与する実効的なス
ポット径を縮小させたものである。この技術を用いれ
ば、実際の再生光スポット径を縮小させずに、再生分解
能を向上させることができる。しかし、この手法では、
磁気的マスクにより実効的なスポット径を小さくする
為、再生出力に寄与する光量が低下し、その分、再生C
/Nが低下してしまう。この結局、充分なC/Nを得る
ことが困難になり、依然として問題は解決されてはいな
い。
【0009】特開平1−143041号公報には、室温
で互いに磁気的に結合した第1磁性膜、第2磁性膜及び
第3磁性膜を有し、第1,第2及び第3磁性膜のキュリ
ー温度をTC1,TC2及びTC3とするとき、TC2>室温で
且つTC2<TC1,TC3とされ、第1磁性膜の保磁力HC1
は第2磁性膜のキュリー温度TC2近傍で充分小さく、第
3磁性膜の保磁力HC3は室温からTC2より高い所要の温
度TPBまでの温度範囲で所要の磁場よりも充分大きい光
磁気記録媒体を用いて、第1磁性膜の記録磁区を拡大さ
せて再生を行う光磁気記録媒体の再生方法が開示されて
いる。しかし、この再生磁性層に転写拡大された記録磁
区信号から充分なC/Nの再生信号を得ることが困難で
あった。
【0010】本発明の目的は、光磁気記録媒体に高密度
記録された情報を、高C/Nで再生することができる光
磁気再生方法及びその再生装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明で用いる光磁気記
録媒体は、光磁気記録膜と補助磁性膜とを備え、再生光
を照射したときに上記光磁気記録膜の記録磁区を上記補
助磁性膜に磁気的に転写させて信号再生を行う光磁気記
録媒体において、上記補助磁性膜が臨界温度を超えると
面内磁化膜から垂直磁化膜に転移する少なくとも一層の
磁性膜であり且つ上記光磁気記録膜が室温以上の温度で
垂直磁化膜であり、上記補助磁性膜の磁気特性を利用し
て再生時に上記補助磁性膜に上記光磁気記録膜の記録磁
区よりも大きな磁区を転写させることができる光磁気記
録媒体である。
【0012】本発明で用いる光磁気記録媒体はさらに下
記タイプに分類することができる。第1のタイプの光磁
気記録媒体は図1に示す機能を備える材料の膜層を積層
構成しているもので、磁性層は図2A及図2Bに示した
ように、光磁気記録膜6上に第1補助磁性膜5及び第2
補助磁性膜4が順次積層された構造を有し、光磁気記録
膜6、第1補助磁性膜5及び第2補助磁性膜4が、光磁
気記録膜、第1補助磁性膜及び第2補助磁性膜のキュリ
ー温度をそれぞれTCO、TC1及びTC2とし、第1補助磁
性膜及び第2補助磁性膜の上記臨界温度をそれぞれTCR
1 及びTCR2 としたときに、室温<TCR2 <TCR1 <T
CO,TC1,TC2となる関係を満たす磁気特性を有する。
第1補助磁性膜5及び第2補助磁性膜4は、図3に示す
ように室温から室温以上のある臨界温度(TCR)までは
面内磁化膜であり、TCR以上では垂直磁化膜になるとい
う磁気特性を有している。光磁気記録膜6は室温以上で
垂直磁化膜である。
【0013】第1のタイプの光磁気記録媒体の動作(再
生)原理を以下に説明する。図2Aに、光変調記録方式
等により光磁気記録膜6に記録磁区を書き込んだ後、再
生前の各層の磁化状態を示す。この媒体に、磁性膜の最
高到達温度が、所望の温度になるような適当なパワーの
再生光を照射すると、まず、第1補助磁性膜5中の温度
がTCR1 以上となった領域に、光磁気記録膜6中の垂直
磁化の磁区22が転写される。その際に、図6に示した
再生光が照射された場合の媒体内の温度プロファイルを
考慮して、光磁気記録膜6中の磁区と同じ大きさかまた
はそれより小さい磁区21が第1補助磁性膜5に転写さ
れるように再生パワー及びTCR1 を設定する。
【0014】次いで第1補助磁性膜5に転写された磁区
21は第2補助磁性膜4に転写される。本発明では、第
1及び第2補助磁性膜はそれらの臨界温度がTCR2 <T
CR1となるように設定されているため、図6の媒体内の
温度プロファイルに示すように、第2補助磁性膜中の垂
直磁化状態となりうる領域は、第1補助磁性膜中のそれ
よりも径が大きくなる。このため、図2Bに示すよう
に、第2補助磁性膜4中の転写磁区23は第2補助磁性
膜中の垂直磁化状態となりうる領域内の垂直磁気異方性
と第1補助磁性膜5中の垂直磁化からの交換結合力とに
より拡大される。この磁区拡大は、第1補助磁性膜5中
の図2BのWで示した領域の面内磁化が光磁気記録膜6
の磁区Sから第2補助磁性膜4への交換結合力を弱めて
いることからも促進されているといえる。上記磁区拡大
により、面内磁化の磁気的マスクによる再生出力に寄与
する光量の低下を低減し、高C/N比の再生が可能とな
る。
【0015】第2補助磁性膜4の磁区23の拡大の効果
は、第2補助磁性膜4中の転写磁区が再生光スポット径
以上に拡大されたときに最大になる。この状態では、光
磁気記録膜6中に記録された磁区の大きさや形状に関係
しない、第2補助磁性膜4の性能指数と再生ビーム光の
みによって決まる極めて大きい再生出力が得られる。再
生後、即ち再生レーザー光の照射部が移動した後は、読
み出し部はTCR2 以下に冷却され、第1と第2の各補助
磁性膜は面内磁化状態となり、図2Aの状態に戻る。以
上のような再生動作時の温度においても、光磁気記録膜
6の保磁力は充分大きいために、磁化として記録された
情報は完全に保持されている。
【0016】本発明の第2のタイプの光磁気記録媒体
は、図30に示すように、補助磁性膜8と光磁気記録膜
10との間に非磁性膜9を備え、光磁気記録膜10及び
補助磁性膜8が、光磁気記録膜及び補助磁性膜のキュリ
ー温度をそれぞれTCO、TC とし、補助磁性膜の上記臨
界温度をそれぞれTCRとしたときに、室温<TCR<TC
O,TC となる関係を満たす磁気特性を有することを特
徴とする。
【0017】第2のタイプの光磁気記録媒体の再生原理
を説明する。図31Aに光変調記録方式等により図30
に示した媒体の光磁気記録膜10に記録磁区を書き込ん
だ後、再生を行う前の補助磁性膜8、非磁性膜9及び光
磁気記録膜10の磁化状態を概略的に示す。この光磁気
記録媒体に、磁性膜の最高到達温度が、所望の温度にな
るような適当なパワーの再生光を照射すると、補助磁性
膜8中に、TCR以上となり垂直磁化状態となりうる領域
が発生する。その領域の大きさが光磁気記録膜10に記
録されている磁区Mの径以上、好ましくは再生光スポッ
ト径以上となるようにTCR及び再生パワーが設定されて
いる。
【0018】光磁気記録膜10はTCR以上の領域内の温
度分布に対応する磁化の分布を有し、最高到達温度とな
る領域及びその近傍でその値が充分大きくなるような磁
気特性を有している。各磁性膜の磁気特性を上記のよう
に設定したため、光磁気記録膜10中の温度が高く且つ
磁化が充分大きい領域の磁区Mのみが、磁区Mの領域で
作用する光磁気記録膜10と補助磁性膜8間の大きな静
磁結合力により、補助磁性膜8中の温度が高く且つ保磁
力が充分小さい領域に転写される。これにより、まず充
分な再生分解能が得られる。
【0019】次いで、補助磁性膜8に転写された磁区6
3は、TCR以上の領域内の垂直磁気異方性と転写された
磁区からの交換結合力により、図31Bに示したように
拡大すると考えられる。この磁区拡大により第1のタイ
プの光磁気記録媒体と同様に再生信号が増大され、C/
Nが向上する。再生後、即ち再生レーザー光が移動した
後、読み出し部はTCR以下に冷却され、補助磁性膜8は
面内磁化膜となり、図31Aの状態に戻る。
【0020】記録層に印された記録磁区を再生層へ転写
し、そして高い再生信号を得るために、該再生層の転写
信号を拡大して読みとる方法は”磁気増幅を行う光磁気
システム(MAMMOS)”と呼ばれ、本出願人らによ
り外部磁界変調再生法を用いて確認されている(特願平
8−182901号)。この外部磁界変調再生法では、
再生時に、交番磁界を用いて再生層に転写した磁区の拡
大及び縮小を実行している。本発明では、上記磁気増幅
を行う光磁気システムについて、様々な側面から実験を
行い、詳細な分析と検討を進めた結果、直流磁界を用い
て、再生光パワーを2種類以上に変調することにより転
写された磁区の拡大及び縮小を確実に実現することがで
きる方法を開発することに成功した。
【0021】光磁気記録媒体の構造例を図30に示した
光磁気ディスク70は、垂直磁化を有する光磁気記録膜
と、臨界温度Tcrを超えると面内磁化膜から垂直磁化膜
に転移する補助磁性膜とを非磁性膜を介して備える光磁
気記録媒体である。基板1上に、誘電体膜3、補助磁性
膜8、非磁性膜9、光磁気記録膜10及び保護膜7を積
層して有する。補助磁性膜8は、臨界温度Tcrとそのキ
ュリー温度Tcとの間に補償温度Tcompを持ち、この光
磁気記録媒体70は、光磁気記録膜10のキュリー温度
Tcoと、補助磁性膜8の臨界温度Tcr、キュリー温度T
c及び補償温度Tcompとの間で、室温<Tcr<Tcomp<
Tco<Tcなる関係を満たす。
【0022】本発明の再生方法において、上記磁気特性
を有する光磁気記録媒体70に外部DC磁界を印加しな
がら光パワー変調された再生光を照射して再生が行われ
る。ここで、光磁気記録媒体90に一定のDC磁界He
xが記録方向に印加されている状態における、光磁気デ
ィスク90の光磁気記録膜10と補助磁性膜8の磁気特
性を図32に示す。図中の磁気温度曲線Aは、光磁気記
録膜10(以下、単に記録層という)から補助磁性膜8
(以下、単に再生層という)に対して、記録層の磁化に
よって生成される転写磁界(静磁界)の温度変化を示
す。なお、曲線Aの転写磁界は、外部磁界Hexのオフ
セット分を加えた磁界の大きさを示している。従って、
記録層の磁区の向きによって転写磁界全体として、(H
ex−Ht)なる大きさの磁界及び(Hex+Ht)な
る大きさの磁界が記録層のキュリー温度Tcoを境として
存在し、それらが曲線Aを構成する。図中、下向きが記
録方向であり、Hexも下向きに印加されている。ここ
で、外部磁界Hexは、室温における記録層の磁化から
生成される初期化方向の静磁界Htの大きさに比べて小
さくなるように調整してあるので、転写磁界全体として
は、曲線Aで表したように記録層の記録磁区の磁化方向
によって上向き(負)および下向き(正)が存在するこ
とになる。
【0023】磁気温度曲線Bは、垂直磁化を有する状態
における再生層の垂直方向の保磁力の温度変化を示す。
この保磁力には、純粋な垂直方向の再生層の磁区の保磁
力Hrに再生層の磁壁(magnetic wall )の生成によっ
て印加されるとみなす仮想的磁界に相当する磁界Hw
(別な言い方すると、再生層の面内方向の交換結合磁
界)を含めてHr+Hwとして表すものとする。すなわ
ち、Hr+Hwは再生層膜面に垂直な方向における磁化
反転を行うに必要な磁界を示すことになる。図20に示
したように、再生層の膜面に垂直な方向への磁化は再生
層が垂直磁化膜となる臨界温度Tcr以上で現われ、補償
温度Tcompでは再生層の磁化がゼロになるために保磁力
が極大を示す。
【0024】図32の温度曲線A及びBは、同図に示す
ように三つのエリア(a)〜(c)に分けられる。この
3つのエリア(a)〜(c)は、図21(a) に示した本
発明の再生方法におけるi)記録層から再生層への磁区
転写、ii) 再生層での転写磁区の拡大、iii)拡大磁区の
消滅の3つのステップにそれぞれ対応する。このため、
図32のエリア(a)〜(c)における記録層及び再生
層に要求される磁気特性について、図33を参照しなが
ら説明する。なお、図33(a) 中に示した記録層及び再
生層中の矢印は、各磁区の希土類金属の磁気モーメント
の向きを示すものとする。
【0025】エリア(a)は、本発明の再生方法におい
て記録層から再生層に磁区転写が行われる温度エリアで
あり、図中、T0〜T1の温度範囲に属する。T0は臨
界温度Tcrを意味し、T1は、磁気温度曲線AのHex
−Ht側が磁気温度曲線Bと最初に交差する温度であ
る。この温度範囲T0〜T1は、後述するように再生光
の光パワーを比較的低パワーに調整することにより達成
できる。この温度領域で図33(a) の(1) に示したよう
な磁気転写が実際に行われるためには、この温度領域内
で転写磁界の大きさが再生層の垂直方向の保磁力を超え
るようにしなければならない。すなわち、記録層に記録
されている磁化が↓向き(記録方向)である場合、He
x+Htで表される転写磁界は、Hr+Hwまたは−
(Hr+Hw)よりも大きくなるようにしなければなら
ない(磁区転写要件)。また、記録層に記録されている
磁化が↑向き(消去方向)である場合、Hex−Htで
表される負の転写磁界は、再生層の垂直方向の保磁力H
r+Hwまたは−(Hr+Hw)よりも小さくなるよう
にしなければならない(磁区転写要件)。
【0026】一方、図32のエリア(a)において、磁
気温度曲線A及びBを比較すると、下記式(a1)〜
(a3)の関係が成立することがわかる。
【0027】 Hr<Hex+Ht−Hw (a1) −Hr>Hex−Ht+Hw (a2) Hr>Hex−Ht−Hw (a3) 従って、エリア(a)は、上記磁区転写要件を満足し、
記録層の記録磁区の磁化方向に拘らず、それを再生層に
転写することができる。図33(a) の(1) には、記録層
の磁区210に記録されている↓向きの磁化が、再生層
の再生光スポット内の温度T0を超える領域に転写され
て転写磁区201aを形成している場合を示す。
【0028】次に、図32のエリア(b)では、図33
(2) 及び(3) に示したように、再生層に転写された磁区
201bの磁区拡大が行われる。この温度領域は、図
中、T1〜T2で示した範囲である。温度T2は、磁気
温度曲線AのHex−Ht側が磁気温度曲線Bと高温側
で交差する温度である。なお、図32に示した磁気特性
を有する光磁気ディスクは外部磁界Hexとの関係にお
いて、T2が再生層の補償温度Tcompにほぼ一致する
(補償温度Tcompと記録層のキュリー温度Tcoの間にあ
り、極めて補償温度Tcompに近い温度になる)ように調
整してある。この温度領域では、図33(a) の(2) に示
したように、再生層に転写された磁区201bの両側に
は、再生光スポット内でT0〜T1に加熱された結果、
記録層の上向きの磁区212,212’から磁気転写を
受けた磁区203,203’が存在する。再生層に転写
された磁区201bが面内方向に拡大を始めるために
は、その両側の磁区203、203’の磁区の向きを磁
区201bと同様に記録方向(↓向き)に向かせる必要
がある。ここで、磁区203,203’は外部磁界He
xに直上の記録層の磁区212からの上向きの静磁界H
tを加えた転写磁界(Hex−Ht)(トータルで↑向
き)を受けており、一方、磁区201bからの交換結合
磁界Hw(下向き)と磁区202,203’自体の磁化
を反転させるための保磁力Hrとを含めた垂直方向保磁
力を有する。それゆえ、磁区203,203’の転写磁
界(Hex−Ht)よりも垂直方向保磁力(Hr+H
w)を大きくすれば、磁区203、203’の磁区は反
転する(磁区反転要件)。
【0029】エリア(b)において図33(a) の(3) に
示したような再生層の磁区201b’の磁区拡大が生じ
る。記録層に記録方向の磁区がない場合には、再生層に
下向きの磁区は現われない。なお、図33(a) の(3) に
おいて拡大磁区201b’の両側は、T0〜T1の温度
領域であるために、記録層の磁区212,212’から
磁区転写された↑向きの磁区203,203’が存在す
る。
【0030】次に、エリア(c)では、図33(a) の
(4) に示したように、転写及び拡大された磁区が反転
(消滅)し、消去方向の磁区201cが形成される。こ
の温度領域は、再生層の補償温度を僅かに超えるT2か
ら、記録層のキュリー温度Tcoの範囲である。拡大再生
された磁区は、消去方向に再生用磁界を印加することに
よって、すなわち、再生用磁界として交番磁界を用いる
ことによって消滅または縮小させることができるが、本
発明の再生方法ではDC磁界を用い、磁気転写及び拡大
のために用いた再生光パワーよりも高いパワーに再生光
をパワー変調することによって拡大磁区を消滅させる。
なお、後述の本発明の光磁気記録媒体の再生方法の実施
例2に述べるように、拡大磁区消滅のために再生光パワ
ーを一層小さく変調してもよい。
【0031】エリア(c)にて、拡大磁区が反転(消
滅)する原理を説明する。再生層の温度がその補償温度
Tcomp未満の場合には、再生層の希土類金属の磁化が優
勢であり、転写元の記録層(遷移金属の磁化が優勢)の
磁化方向と平行である。次いで、本発明の再生方法に従
い高パワーレーザの照射により再生層が補償温度Tcomp
を超えると、再生層の遷移金属の磁気モーメントが優勢
となる。磁区201eの保磁力Hrは、磁区201eに
作用する記録方向の全磁界(Hex+Ht−Hwまたは
Hex−Ht−Hw)より小さい。その結果、再生層の
温度がその補償温度Tcomp以上(厳密にはT2以上)で
は、優勢となった遷移金属の磁気モーメントはかかる記
録方向に向くように反転する。それゆえ、拡大磁区20
1bの下向きの希土類金属の磁気モーメントは、エリア
(c)の温度、すなわち、補償温度Tcomp以上に加熱さ
れた領域で反転して、反転磁区201cが生じる。な
お、反転磁区201cの両側の磁区201d,201
d’は、その温度はT1〜T2の間にあるため、拡大磁
区201bと同じ磁化方向を有する。
【0032】本発明に従う再生方法では、上記3つの温
度エリア(a)〜(c)は、図33(b) に示すように、
再生光パワーを少なくとも2段階のパワーPr1 及びP
r2に変調することによって達成することができる。す
なわち、再生光の光パワーPr1を、上記補助磁性層を
Tcr〜Tcompの温度に加熱して光磁気記録膜の記録磁区
を再生層に転写及び磁区拡大することができるようなパ
ワーとし、再生光の光パワーPr2 を、上記補助磁性層
をTcomp〜Tcoの温度に加熱してかかる拡大された磁区
を縮小または消滅させるパワーとすればよい。そして、
Pr1 /Pr2再生光パワー変調を再生クロックと同期
させて再生光として使用することにより、記録層の記録
磁区を、i)再生層への転写、ii) 転写磁区の拡大、及
びiii)拡大磁区の消滅のステップを経て再生することが
できる。
【0033】本発明の第1は、少なくとも基板と光磁気
記録層からなり、微小記録磁区が記録される光磁気記録
媒体に、再生光スポットを照射することによって微小記
録磁区が拡大された再生波形を検出する再生装置に対し
て、その再生装置の再生波形検出部にHPFをつない
で、前記検出部が得る再生波形を前記HPFに通して処
理することによって、前記光磁気記録媒体からの再生信
号の中から微小記録磁区の再生信号を弁別することので
きる光磁気記録媒体の再生装置に特徴がある。
【0034】本発明の第2は、少なくとも基板と光磁気
記録層からなり、微小記録磁区が記録される光磁気記録
媒体に、再生光スポットを照射することによって微小記
録磁区が拡大された再生波形を検出する再生装置に対し
て、その再生装置の再生波形検出部にHPFと信号微分
回路とをつないで、前記検出部が得る再生波形を前記H
PFと信号微分回路とに通して処理することによって、
前記光磁気記録媒体からの再生信号の中から微小記録磁
区の再生信号を弁別することのできる光磁気記録媒体の
再生装置に特徴がある。
【0035】本発明の第3は、少なくとも基板と光磁気
記録層からなり、微小記録磁区が記録される光磁気記録
媒体に、再生光スポットを照射することによって微小記
録磁区が拡大された再生波形を検出する再生装置に対し
て、その再生装置の再生波形検出部に差分回路をつない
で、前記検出部が得る再生波形を前記差分回路に通して
処理することによって、前記光磁気記録媒体からの再生
信号の中から微小記録磁区の再生信号を弁別することの
できる光磁気記録媒体の再生装置に特徴がある。
【0036】
【発明の実施の形態】以下、本発明の光磁気記録媒体、
その再生方法及び再生装置の具体例を添付の図面を用い
て詳細に説明する。
【0037】
【実施例1】本発明の第1のタイプに属する光磁気記録
媒体の構造の一例を図1を参照しながら説明する。図1
に示すように、第1のタイプに属する光磁気記録媒体1
1は片面に所望のプリフォーマットパターン2が形成さ
れた透明基板1とプリフォーマットパターン2上に形成
された誘電体膜3と、誘電体膜3上に形成された第2の
補助磁性膜4と、第2の補助磁性膜4上に形成された第
1の補助磁性膜5と、第1の補助磁性膜5上に形成され
た光磁気記録膜6と、光磁気記録膜6上に形成された保
護膜7とからなる。
【0038】図1に示した構造において、透明基板1と
しては、例えばポリカーボネートやアモルファスポリオ
レフィンなどの透明樹脂材料を所望の形状に成形したも
のや、所望の形状に形成されたガラス板の片面に所望の
プリフォーマットパターン2が転写された透明樹脂膜を
密着したものなど光透過性のある任意の基板を用いるこ
とができる。誘電体膜3は、膜内で再生用光ビームを多
重干渉させ、見かけ上のカー回転角を増加するために設
けられるものであって、透明基板1よりも屈折率が大き
い、例えばSiNからなる無機誘電体で形成することが
できる。保護膜7は、基板1と保護膜7との間に積層さ
れる膜体3〜6を腐食等の化学的な悪影響から保護する
ためのものであって、例えば、SiN膜よりなる。光磁
気記録膜6は、室温を含む広い温度範囲で垂直磁気異方
性を示す垂直磁化膜であり、例えば、TbFeCo、D
yFeCo、TbDyFeCoなどの希土類と遷移金属
の非晶質合金が好ましいが、Pt膜とCo膜の交互積層
体やガーネット系酸化物磁性体などの他の知られた光磁
気記録材料を用いることもできる。
【0039】第1補助磁性膜5及び第2補助磁性膜4
は、図3に示すように、室温(R.T)から室温以上の
ある臨界温度(TCR)までは面内磁化膜であり、TC
R以上では垂直磁化膜に転移する磁気特性を有する。図
3には、磁化方向を表すために、補助磁性膜の膜面に垂
直な方向に外部磁界を印加した場合のカー回転角のヒス
テリシスループから求めたθKR/θKS(θKR:残
留カー回転角、θKS:飽和カー回転角)を、温度に対
して表してある。なお、本明細書において、「室温」と
は光磁気記録媒体が使用される雰囲気温度を示し、使用
場所に応じて多少異なるが、一般には15℃〜25℃で
ある。補助磁性膜4,5の材料としては、例えば、Gd
FeCo、GdFe、GdTbFeCo、GdDyFe
Coなどの希土類と遷移金属の非晶質合金が好ましい。
第1及び第2補助磁性層のTcr1を超える温度領域と
光磁気記録層の磁区の大きさとの関係を考慮して決定さ
れる。
【0040】誘電体膜3、第2補助磁性膜4、第1補助
磁性膜5、光磁気記録膜6及び保護膜7は、例えば、マ
グネトロンスパッタ装置による連続スパッタリング等の
ドライプロセスにより形成することができる。
【0041】以下に、図1に示した光磁気記録媒体の一
例として、光磁気ディスクのサンプルの作製例を示す。
光磁気ディスクのサンプルは、プリフォーマットパター
ンを有するガラス基板上に、SiN膜よりなる誘電体膜
と、Gd25Fe56Co19膜(II)よりなる第2補助磁性膜
と、Gd28Fe53Co19膜(I) よりなる第1補助磁性膜
と、Tb21Fe66Co13膜よりなる光磁気記録膜と、S
iN膜よりなる保護膜とを順次スパッタリング法により
積層して作製した。この場合の各補助磁性膜及び光磁気
記録膜の厚TCRは、補助磁性膜の面内磁化膜が垂直磁
化膜に変化する臨界温度を表す。
【0042】 表1 材料 膜厚 TC TCR (nm) (℃) (℃) 光磁気記録膜 TbFeCo 50 270 − 第1補助磁性膜 GdFeCo(I) 60 >300 200 第2補助磁性膜 GdFeCo(II) 50 >300 90 上記のように作製したサンプルディスクのデータ記録領
域に、レーザービームを一定周期のパルス状に照射しな
がら外部磁界を記録信号に応じて変調させて、すなわ
ち、光磁界変調方式を用いてテスト信号を記録した。記
録光パルスのデューティー比は50%であった。種々の
記録マーク長の記録マークが形成されるようなテスト信
号を用いた。
【0043】次いで、対物レンズの開口数NA=0.5
5、レーザー波長780nmの光ピックアップを用い、
線速度7.5m/sec、再生パワー2.5mW、再生
時の外部印加磁界をゼロとして、種々の長さの記録マー
クを再生した。サンプルディスクの光磁気記録膜、第1
補助磁性膜及び第2補助磁性膜の組成及び再生パワーを
上記のように調整したことによって、前述の検証方法に
より、光磁気記録膜の記録磁区の大きさ(径)よりも第
1補助磁性膜に転写された垂直磁化の磁区の大きさ
(径)が小さいことがわかった。
【0044】再生CN比(C:キャリアレベル、N:ノ
イズレベル)の記録磁区長依存性の測定結果を、図4に
示す。図4中には、比較のために、2種類の従来型の光
磁気記録媒体のデータも併せて示す。点線のデータは、
図5Aに示した従来型の光磁気記録媒体の再生データで
あり、単層の光磁気記録膜16としてTbFeCoを用
いている。また一点破線のデータは、図5Bに示したよ
うなTbFeCo光磁気記録膜16とGdFeCo第1
補助磁性膜15の2層磁性膜によって構成した磁気超解
像(MSR)ディスクについての結果である。図4の結
果より、本実施例に係るサンプルディスク(データは実
線)では、記録マーク長0.2μmにおいても、2種類
の従来ディスクに比べ著しく高い再生C/Nが得られる
ことがわかる。従って、本発明を用いれば、従来の再生
限界を超えた極めて微小な記録マークの再生が可能とな
り、記録密度を向上させることができる。
【0045】この実施例で用いた第1補助磁性層である
Gd28Fe53Co19膜の磁壁の厚みは、前記計算方法を
用いて算出すると、ほぼ50nmであり、第1補助磁性
層の膜厚が60nmであることからすれば、本発明の第
1補助磁性層の膜厚の条件を満足している。また、ホー
ル効果を用いて測定した場合の磁壁の厚さは60nmよ
り小さいことがわかっている。
【0046】本実施例では、光磁気記録膜6、第1補助
磁性膜5及び第2補助磁性膜4の3つの磁性膜の膜間を
接触させて積層し各膜間を交換結合させたが、光磁気記
録膜6と第1補助磁性膜5との間に、または、第1補助
磁性膜5と第2補助磁性膜4との間に、若しくはその両
方に非磁性膜を挿入し、磁性膜間を静磁結合させてもよ
い。
【0047】また、本実施例では、2層の補助磁性層
4、5を用いたが、各層のTCR(面内磁化膜から垂直
磁化膜に変化する臨界の温度)をTCR1>TCR2
>....>TCRn>室温(但し、TCRiは第i補
助磁性膜のTcr)と設定したn(n≧3)層の補助磁
性膜を順次積層して用いてもよい。但し、この場合、第
1補助磁性膜が光磁気記録膜6側に設けられ、第n補助
磁性膜が誘電体膜3側に設けられる。
【0048】また、再生用光ビームが照射された時の媒
体の温度プロファイルを所望の形状にするために、ある
いは、温度プロファイルの線速度依存性を小さくするた
め、適当な熱伝導率の熱制御膜を光磁気記録媒体11の
保護膜7上、若しくは保護膜7と光磁気記録媒体16と
の間に設けてもよい。また、本実施例では、通常のDC
レーザー光で再生を行ったが、後述する実施例2のよう
に最短マーク長に対応する周波数のパルスレーザー光で
再生を行い、さらに良好な再生C/Nを得ることも可能
である。
【0049】また、更に良好な再生CN比を得るため
に、再生光を照射したときの媒体の最高到達温度でカー
回転角θk が第2補助磁性膜4のθk 以上であり且つ室
温以上で垂直磁化膜である再生用磁性膜を誘電体膜3と
第2補助磁性膜4との間に付加してもよい。かかる再生
用磁性膜の材料として、例えば、GdFeCoを用いる
ことができる。
【0050】
【実施例2】光磁気記録媒体11(10,100,10
1)の再生時には、図7または12に示した装置を用い
て、外部磁界及び/または再生用レーザビームが適用さ
れる。この実施例では、磁区拡大による再生に最も好適
な磁界印加条件について検討した。
【0051】本発明の光磁気記録媒体の再生方法におい
て、磁界とレーザビームの各々が”連続(DC)”また
は”パルス”のいずれかを選択できるためにその組み合
わせは次の4通りが考えられる。
【0052】 (1) レーザビーム:連続光、磁界:連続磁界 (2) レーザビーム:連続光、磁界:パルス (3) レーザビーム:パルス、磁界:連続磁界 (4) レーザビーム:パルス、磁界:パルス 上記の4つの場合のうち、(2)〜(4)についてはパ
ルス化されたレーザ光若しくは磁界またはその両方の大
きさ及び適用するタイミングを調整する必要がある。上
記(2)の場合は、図22Aを参照して、サンプリング
点となる磁区拡大のプロセスで印加される外部磁界He
pと次のサンプリングまでの間のプロセスで印加される
外部磁界Hsrとは異なる大きさとして、効果的に磁化
反転を生じさせることができる。また、隣接する磁区の
再生に拡大再生の影響が残らないようにするという理由
から磁区拡大のための時間T1(記録方向の磁界のデュ
ーティ)は次のサンプリングまでの時間T2より短く、
0.15≦T1/(T1+T2)≦0.9の範囲が好ま
しい。この範囲は、後述する再生磁界の波形におけるオ
ーバーシュートを防止するという観点からも好ましい。
さらに好ましくは、0.15≦T1/(T1+T2)≦
0.6である。この時間T1は、光磁気記録媒体を構成
する磁性層の磁化特性等の種々の要因に基づいて最適値
が選定される。
【0053】上記(3)の場合は、記録層の磁区を再生
層に転写し、広範な温度分布を与えて磁区拡大の条件を
整えるために時間がかかるためレーザビームのパルスの
デューティは20〜70%の範囲が好ましい。上記
(4)の場合の印加磁界(Hex,Hsr)とレーザパルス
の周期の関係を図22Bに示す。図22Bに示すよう
に、サンプリングのための磁化拡大の時間T1、次のサ
ンプリングまでの時間T2の各々において、レーザビー
ムのON/OFFが1回行われるようにレーザビーム
(図中、レーザパワーをPrで表した)を照射するのが
好ましい。本発明においては、上記(1)〜(4)のい
ずれの方法も用いることが可能である。しかしながら、
磁区拡大再生を最も確実に行わせるには、再生の都度、
媒体の温度を低下させ、面内磁化膜の状態に戻す必要が
ある。このような要請より、パルス光照射を用いること
が好ましく、また磁区拡大縮小を確実に行えるパルス再
生磁界が好ましい。これらのことより、条件(4)での
再生が最適である。
【0054】図22A及び22Bでは、交番磁界を印加
するが、交番磁界に用いる矩形の波形の磁界で、オーバ
ーシュートが実質的にない波形ならば任意の波形の磁界
を用いることができる。磁界波形にオーバーシュート、
すなわち、磁界波形の急峻な立ち上がりが存在し且つそ
のピークの磁界強度が大きすぎるため情報記録層の記録
磁区の向きにかかわらず、その上方の再生層の磁区が反
転して記録信号として読み出されてしまう場合があるか
らである。このオーバーシュートを防止するため、図2
3に示したような三角波の波形を用いることができる。
このような波形の磁界を用いることによって、拡大時の
磁界変化を緩やかにして磁区拡大を容易にすることがで
きる。波形は三角波に限らず、正弦波等の徐々に磁界が
増加するような波形であれば任意のものを用いることが
できる。または、オーバーシュートが発生しないことを
条件に矩形波でもかまわない。図24に、再生磁界波形
に好適な正弦波を発生させるための回路の一例を示す。
図24に示したような回路を、図7(図12)の記録再
生装置101(103)の磁気コイル駆動回路34に組
み込むことによって、正弦波形の再生用磁界を発生させ
ることができる。
【0055】
【実施例3】情報記録磁区を拡大して再生する方式のM
AMMOS型光磁気記録媒体、或いは光トラッキング方
式の磁気記録媒体を用いることのできる記録再生装置に
おいては、再生時に再生用レーザビーム及び/または外
部磁界が適用される。この実施例では、図1、図5B、
図26、図27、及び図30等に示されるMAMMOS
型光磁気記録媒体11(10,100,101)を図
7、図12、及び図25に示すような記録再生装置を用
いて、磁区拡大信号を高速で明瞭に、且つ大きなS/N
比の得られる最も好適な再生手段について検討する。
【0056】光磁気記録層、或いは光磁気記録層6
(6’、10、16)と再生用磁性層4(4’、8、1
5)を備えて記録磁区を拡大して再生する方式のMAM
MOS型光磁気記録媒体を線速度5m/Sで回転させ、
光パルスと磁界を25Mbpsで駆動した光パルス磁界
変調記録を行った。再生光に波長680nmのレーザを
用い、対物レンズのNAが0.55の光ヘッドから照射
する記録再生装置によって検出された信号の波形を図3
4に示す。図34の波形は縦軸を信号強度、横軸を記録
磁区の時間換算位置で表したMAMMOS波形と呼称さ
れ、記録磁区の信号が下方に細長い鋭利なピークで現れ
る波形である。
【0057】MAMMOS波形に対応する記録磁区の形
状は図36に示すようであり、記録磁区(1)、(2)
の順に進行し、ピーク付近でレーザスポットの移動速度
よりも遥かに速いレスポンスで(3)の状態の磁区形状
の変化が進む。 MAMMOS波形の下方に細長い鋭利
なピークの部分が記録磁区の位置を示す再生信号であ
る。しかし、この再生信号出力をDCスライスする検出
方式では多くのピークが抜け落ちるので実用的ではな
い。図36(3)の状態の磁区形状の変化が、レーザス
ポットの移動速度より速いことに着目し、ハイパスフィ
ルタ(HPF)を用いて図36(3)の部分を強調し
た。このとき、ハイパスフィルタのカットオフ周波数f
cは (λ×VL/NA)≦fc≦アンプのf特性とし
た。但し、λは波長、NAは対物レンズNA、VLは記
録媒体の線速度である。記録再生装置の再生信号検出回
路に、図37で示すfc=6.5MHzのハイパスフイ
ルタを用い、低周波成分をカットする再生方法によって
図35(a)の波形を得た。図35(a)の波形をDC
スライスすることによって容易に0.2μmの記録磁区
を弁別することができた。これによって高い精度の再生
信号が得られる。
【0058】本実施例に用いることのできるハイパスフ
ィルタには図37に示すCR微分回路の他、図39に示
すようにアクティブ微分回路がある。その他は実施例
1、及び実施例2と同じである。
【0059】
【実施例4】実施例3で得た、図34に示すMAMMO
S波形を、fc=10MHzのHPFを通して処理し、
その処理信号を図38(a)に示すハイパスフィルタ回
路を通した。その結果図35(b)に示す波形の再生信
号を得た。図35(b)の波形はMAMMOS波形を実
施例3のfc=6.5MHzの微分回路で処理した再生
信号波形をさらに微分したものとほぼ同等である。図3
5(b)のMAMMOS波形を通常の情報ピットの微分
波形と同様に、0をクロスする点を検出することで、
0.2μmの記録磁区を弁別することができた。さら
に、図38(b)、(c)に示すようにより高次なフィ
ルタを用いてもよいし、図40(a)、(b)に示すア
クティブフィルタを用いてもよい。また、ハイパスフィ
ルタにローパスフィルタを組み合わせたバンドパスフィ
ルタを用いてもよい。LCを用いたバンドパスフィルタ
の例を図41に示す。バンドパスフィルタを用いる場
合、ローパスフィルタ部のカットオフ周波数fcはアン
プのf特性≦fcであることが好ましい。
【0060】実施例4における上記以外は、実施例1、
実施例2、及び実施例3と同じである。
【0061】
【実施例5】図34で示す光磁気記録媒体の記録磁区の
拡大再生波形である、MAMMOS波形を、図42に示
す差分回路をつないだ記録再生装置に通して処理するこ
とについて検討する。
【0062】差分回路の遅延時間τを、図34のMAM
MOS波形の一部分について拡大記載した図43(a)
における波形一個中に示す時間tに対して、τ<tの条
件にした場合では差分回路を通して得られる信号波形が
図43(b)のパターンである。図43(b)のパター
ンは図35(a)の波形と同じである。一方τ≒tの条
件では図43(c)のパターンが得られる。図43
(c)のパターンは図35(b)と同じ波形である。
【0063】実施例3で得た、図34に示すMAMMO
S波形を図42の差分回路を通して観察したところ、ク
ロック信号の正確な転写磁区についての再生波形が得ら
れた。得られた波形をDCスライスすることによって
0.2μmの記録磁区を弁別することができることがわ
かった。さらに、図44(a),(b)に記載するよう
な、図42のものとは別種の差分回路例、例えばトラン
スバーサルフイルタをτ’<tの条件で用いた場合でも
上記の効果を得ることができた。
【0064】本実施例における上記以外については実施
例1、実施例2、及び実施例3と同じである。
【0065】
【実施例6】この実施例では、実施例1で具体的に説明
した光磁気記録媒体の記録信号を再生する装置について
の構成例について説明する。図7に示した装置101
は、光磁気ディスク100(11)にコードデータと同
期した一定周期でパルス化された光を照射するためのレ
ーザ光照射部と、記録再生時に光磁気ディスク1に制御
された磁界を印加する磁界印加部と、光磁気ディスク1
00からの信号を検出及び処理する信号処理系とから主
に構成されている。レーザ光照射部において、レーザ2
2はレーザ駆動回路32及び記録パルス幅/位相調整回
路(RC−PPA)51に接続されており、レーザ駆動
回路32は記録パルス幅/位相調整回路51からの信号
を受けてレーザ22のレーザパルス幅及び位相を制御す
る。記録パルス幅/位相調整回路51(第1同期信号発
生回路)は、PLL回路39から後述するクロック信号
を受けて記録光の位相及びパルス幅を調整するための第
1同期信号を発生する。
【0066】磁界印加部において、磁界を印加する磁気
コイル29は、磁気コイル駆動回路(M−DRIVE)
34と接続されており、記録時には磁気コイル駆動回路
34はデータが入力される符号器30から位相調整回路
(RE−PA)31を通じて入力データを受けて磁気コ
イル29を制御する。一方、再生時には、PLL回路3
9から後述するクロック信号を受けて磁界の再生パルス
幅・位相調整回路(RP−PPA)131(第2同期信
号発生回路)を通じて位相およびパルス幅を調整するた
めの第2同期信号を発生した後、磁気コイル29を制御
する。磁気コイル駆動回路34に入力される信号を記録
時と再生時で切り換えるために、記録再生切換器(RC
/RP SW)134が磁気コイル駆動回路34に接続
されている。
【0067】信号処理系において、レーザ22と光磁気
ディスク100との間には第1の偏光プリズム25が配
置され、その側方には第2の偏光プリズム251及び検
出器28及び281が配置されている。検出器28及び
281は、それぞれ、I/V変換器311及び312を
介して、共に、減算器302及び加算器301に接続さ
れる。加算器301は及びクロック抽出回路(CSS)
37を介してPLL回路39に接続される。減算器30
2はクロックに同期して信号をホールドするサンプルホ
ールド(S/H)回路41、同様にクロックと同期して
アナログデジタル変換を行うA/D変換回路42、2値
化信号処理回路(BSC)43を介して復号器38に接
続される。
【0068】上記装置構成において、レーザ22から出
射した光はコリメータレンズ23によって平行光にさ
れ、偏光プリズム25を通って対物レンズ24によって
光磁気ディスク100上に集光される。ディスク21か
らの反射光は偏光プリズム25によって偏光プリズム2
51の方向に向けられ、1/2波長板26を透過した
後、偏光プリズム251で二方向に分割される。分割さ
れた光はそれぞれ検出レンズ27で集光されて光検出器
28及び281に導かれる。ここで、光磁気ディスク1
00上にはトラッキングエラー信号及びクロック信号生
成用のピットが予め形成されている。クロック信号生成
用ピットからの反射光を示す信号が検出器28及び28
1で検出された後、クロック抽出回路37において抽出
される。次いでクロック抽出回路37に接続されたPL
L回路39においてデータチャネルクロックが発生され
る。
【0069】データ記録の際に、レーザ22はレーザ駆
動回路32によってデータチャネルクロックに同期する
ように一定周波数で光変調され、幅の狭い連続したパル
ス光を放射し、回転する光磁気ディスク100のデータ
記録エリアを等間隔に局部的に加熱する。また、データ
チャネルクロックは、磁界印加部の符号器30を制御し
て、基準クロック周期のデータ信号を発生させる。デー
タ信号は位相調整回路31を経て磁気コイル駆動装置3
4に送られる。磁気コイル駆動装置34は、磁界コイル
29を制御してデータ信号に対応した極性の磁界を光磁
気ディスク100のデータ記録エリアの加熱部分に印加
する。
【0070】実施例1で作製した光磁気ディスクサンプ
ルの記録再生特性を光磁気記録再生装置101で測定し
た。光磁気記録再生装置101の光ヘッドのレーザー波
長は685nm、対物レンズの開口数NAは0.55で
ある。データの記録は、線速度5.0m/secで、レ
ーザービームを一定周期のパルスに照射しながら、外部
磁界を±300(Oe)で変調させて記録を行う光磁界
変調記録方式を用い、レーザ光パルスのデューティー比
35%で行った。図8に、記録クロックに対する記録レ
ーザ光パルス及び記録外部磁界のタイミングチャートを
示す。図8の上方に、かかる記録により形成された微小
磁区のパターンを示した。微小磁区は直径0.4ミクロ
ンで形成された。
【0071】次いで、微小磁区が記録された光磁気記録
媒体を図7に示した装置を用いて以下のようにして再生
した。再生レーザ光パワーを3.5mWとし、記録され
た磁区一つ一つに対して再生クロックを同期させるとと
もに再生クロックに同期するように磁界をパルス状に変
調して印加した。再生クロックに対する再生外部磁界及
び再生された信号のタイミングチャートを図9に示す。
パルス状磁界の強度は磁区中心付近で記録方向(磁区拡
大方向)に150(Oe)(HE )、消去方向(磁区
縮小方向)に250(Oe)(HS )とし、記録方向
のデューティー比は25%である。また、再生信号のサ
ンプルホールドタイミングは磁界の変調タイミングと一
致させた。
【0072】図9中に示した再生波形(パルス磁界再生
波形)から明らかなように、微小磁区からそれぞれ独立
した再生信号が得られている。比較のため磁界を変調し
ない場合、すなわち、記録方向に200(Oe)のDC
磁界を印加しながら、上記同様に再生した場合の再生信
号(DC磁界再生信号)を同図に示した。DC磁界で
は、隣接する磁区からの再生信号波形がつながってい
る。図9の最下段に、クロックに同期したサンプルホー
ルドパルスとサンプルホールド後のパルス磁界による再
生信号を示した。サンプルホールド後のアナログ再生信
号振幅は、再生磁界を印加しないときよりも大幅に増加
していることがわかった。
【0073】また、図10に1−7変調記録したときの
記録マーク長に対するエラーレートの関係を、再生磁界
としてパルス状磁界を用いた場合とDC磁界を用いた場
合とを比較して示す。図10の結果よりパルス状磁界を
用いて再生するとエラーレートが改善され、記録マーク
長0.25μmにおいても、十分にデータの再生が可能
であることがわかる。従って、本発明の光磁気記録媒体
にパルス状磁界を印加して再生することによって高密度
記録及びその再生を実現することができる。
【0074】本実施例における記録磁区と再生磁界パル
スの形状及びタイミングとして、図11に示す様々なパ
ターンを用いることができる。再生磁界パターン1の様
にHE=−HS の場合、再生磁界パターン2、3の様に
HE ≠−HS の場合、再生磁界パターン4の様にHS =
0あるいはHE =0の場合、再生磁界パターン5の様に
HE とHS が同一の極性の場合、再生磁界パターン6〜
8の様にHE 、HS の間にH=0のインターバルが存在
する場合、いずれの場合でもHE 、HS のデューティー
比が20〜80%の間の最適な値を取ったとき、記録磁
区の拡大の効果、すなわち再生信号が増幅される結果が
得られた。
【0075】実施例3のハイパスフィルタを用いた記録
再生装置につないで、再生磁界として上記パルス状磁界
を用いた再生信号波形を通すことによって得られた波形
をDCスライスすることによって0.2μmの記録磁区
を弁別することができた。
【0076】一方、実施例4で開示した、ハイパスフィ
ルタを記録再生装置につないで、再生磁界として上記パ
ルス状磁界を用いた再生信号波形を通すことによって得
られた波形を、さらに、記録再生装置につないだ微分回
路を通してゼロクロスする点を検出することによっても
0.2μmの記録磁区を弁別することができた。
【0077】
【実施例7】この実施例では、実施例6に示した記録再
生装置の変形例について説明する。図12に示した記録
再生装置103は、図7に示した装置構成に、さらに、
再生光をPLLクロックに同期してパルス変調するため
の再生パルス幅/位相調整回路(RP−PPA)53
と、記録再生時に記録パルスと再生パルスを切り換える
ための記録再生切換器(RC/RP SW)55を備え
る。その他の各部分については、実施例6で説明した記
録再生装置101と同じであるので、対応する部分に同
一の符号を表示して説明を省略する。
【0078】実施例1で作製した光磁気記録媒体11の
記録再生特性を記録再生装置103で測定した。記録再
生装置103のレーザ22の波長は685nm、対物レ
ンズ24の開口数NAは0.55である。データの記録
は、線速度5.0m/secで、レーザビームを一定周
期のパルスに照射しながら、外部磁界を±300(O
e)で変調させて記録を行う光磁界変調記録方式を用
い、レーザ光パルスのデューティー比50%で行った。
記録クロックに対する記録レーザ光パルス及び記録外部
磁界のタイミングは図8に示したタイミングチャートと
同様である。微小磁区は直径0.4ミクロンで形成され
た。
【0079】上記のようにして微小磁区が記録された光
磁気記録媒体を図12に示した装置を用いて以下のよう
にして再生した。再生レーザ光の強度は、図13のタイ
ミングチャートに示すように、記録クロックに同期して
一定周期で変調した。再生レーザ光のピークパワー(P
R )を5.5mW、ボトムパワー(PB )を0.5
mWとし、ピークのデューティー比を33%に設定し
た。再生用磁界は実施例2の場合と同様であり、図13
に示すように、記録された磁区1つ1つに対して再生ク
ロックに同期させて変調した。パルス状磁界の強度は磁
区中心付近で記録方向に250(Oe)(HE)、消去
方向に150(Oe)(HS)とし、記録方向のデュー
ティー比は25%である。また、再生信号のサンプルホ
ールドタイミングは磁界の変調タイミングと一致させ
た。再生磁界と再生光のタイミングについては、図13
に示したように、再生レーザ光パルスの立ち下がりと再
生磁界パルスの立ち下がりを一致させた。なお、再生時
の磁界の記録方向のデューティー比は25%としたが、
後述する実施例5で説明するように15〜90%の範囲
内で変更することも可能である。
【0080】図13に示した再生波形(パルス光、パル
ス磁界再生波形)から明らかなように、微小磁区からそ
れぞれ独立した再生信号が得られている。(Oe)のD
C磁界を印加しながら、上記同様に再生した場合の再生
信号(DC光、DC磁界再生信号)を同図に示した。D
C光、DC磁界では、隣接する磁区からの再生信号波形
がつながっている。図13の最下段に、クロックに同期
したサンプルホールドパルスとサンプルホールド後のパ
ルス磁界による再生信号を示した。本実施例では再生光
を変調することにより、転写磁区が存在しない磁区拡大
再生層の部分の磁化反転を有効に防止することができ
る。また、図14に1−7変調記録したときの記録マー
ク長に対するエラーレートの関係を、再生光としてパル
ス状レーザを用いた場合と連続光(DC光)を用いた場
合とを比較して示す。図14の結果よりパルス状磁界を
用いて再生するとエラーレートが改善されることがわか
る。
【0081】なお、再生光パルスは、図15の再生光パ
ターン1〜3に示すようにタイミングおよびデューティ
ー比を変更しても良い。また、再生磁界パルスのタイミ
ング、デューティー比、および再生磁界パルスの極性に
関しては、実施例2と同様に図11に示すように変更し
ても良い。さらに、再生光パルスと再生磁界パルスは、
図15に示したパターンのいずれかと図11に示したパ
ターンのいずれかをどのように組み合わせても良い。
【0082】実施例6においては、再生レーザ光を2値
に変調して記録磁区の再生を行っていたが、再生レーザ
光をマルチパルス化することにより、磁区の転写、拡大
の過程をより確実に制御することができるとともに、拡
大時の磁区形状を安定化することができる。その例を図
16に示す。図16は記録磁区と再生光パターンの関係
を示したものである。図1の光磁気記録媒体11の第1
補助磁性膜5において転写に最適な再生パワー、及び第
2補助磁性膜4において磁区の拡大に最適な再生パワー
を連続してパルス状に照射し、磁区の転写、拡大再生を
行う方法である。つまり、再生光パターン4および5に
おいて、aおよびcの部分で転写を確実に行い、bおよ
びdの部分で拡大を確実に行わせて、磁区形状を安定化
させる方法を示している。再生光パターン4は転写に適
した再生パワーが、拡大に適した再生パワーよりも大き
い場合、再生光パターン5はその逆の場合を示す。
【0083】実施例3のハイパスフィルタを用いた記録
再生装置につないで、再生磁界として上記パルス状磁界
を用いた再生信号波形を通すことによって得られた波形
をDCスライスすることによって0.2μmの記録磁区
を弁別することができた。
【0084】一方、実施例4で開示した、ハイパスフィ
ルタを記録再生装置につないで、再生磁界として上記パ
ルス状磁界を用いた再生信号波形を通すことによって得
られた波形を、さらに、記録再生装置につないだ微分回
路を通してゼロクロスする点を検出することによっても
0.2μmの記録磁区を弁別することができた。
【0085】
【実施例8】実施例6に示した記録再生装置101(図
7)においては、磁気コイル駆動用の位相調整回路31
及び再生パルス幅/位相調整回路131並びにレーザ駆
動用の記録パルス幅/位相調整回路51にPLL回路3
9から出力されるクロック信号は、光磁気記録媒体10
0(11)の基板に形成されたピットからの反射光を検
出し、埋め込みクロック抽出回路37によって発生させ
ていた。また、実施例7に示した記録再生装置103
(図12)においては、磁気コイル駆動用の位相調整回
路31及び再生パルス幅/位相調整回路131並びにレ
ーザ駆動用の記録パルス幅/位相調整回路51及び再生
パルス幅/位相調整回路53にPLL回路39から出力
されるクロック信号は、光磁気記録媒体の基板に形成さ
れたピットからの反射光を検出し、埋め込みクロック抽
出回路37によって発生させていた(外部クロック)。
この実施例では、本発明の再生装置(記録再生装置)に
おいて、特に再生用外部磁界及び再生光をパルス変調す
るのに有効な種々の再生クロックの発生方法について示
す。
【0086】再生クロックの発生方法には以下の3つの
方法がある。第1の方法は自己PLL同期、第2の方法
は外部PLL同期及び第3の方法は2周期サンプリング
である。装置構成として、第1及び第3の方法を実現す
るには、図7および図12に示した装置において埋め込
みクロック抽出回路37を省略した信号処理系を用いれ
ばよい。一方、第2の方法を実現するには、図7及び図
12に示した装置の信号処理系をそのまま用いることが
できる。
【0087】図17は、第1の方法である自己PLL同
期を説明するための概念図である。図17において、記
録された磁区(磁気マーク)81,83が検出され、図
7(または図12)に示した加算器301、PLL39
で処理されて、クロック85が発生する。
【0088】図18〜図20を用いて第2の方法である
外部PLL同期法を説明する。図18は、光磁気記録媒
体をランド・グルーブ構造に構成した場合の光磁気記録
媒体10の部分拡大図である。光磁気記録媒体10のラ
ンド部10R(またはグルーブ部)に一定周期でピット
10pを設けておき、ピット10pを光学的に検出し、
検出した周期に合わせてクロックを発生させる。この場
合、一定周期でランド10Rにピット10Pの代わり
に、結晶状態等の材質の変化や凸部等の光学的に検出で
きるものであればよい。図19は光磁気記録媒体をウォ
ブル型のランド・グルーブ構造に構成した場合の光磁気
記録媒体10’の部分拡大図である。ウォブル型のラン
ド・グルーブ構造ではウォブルの周期を検出することに
よりこの周期に基づいてクロックを発生させることがで
きる。
【0089】図20は、光磁気記録媒体をランド・グル
ーブ型に構成し、ピットの代わりに、ファインクロック
マーク10Fを設けた光磁気記録媒体1”の部分拡大図
である。ファインクロックマーク10Fは、図18に示
したピット10pが形成される間隔とほぼ同間隔で設け
ることができ、一つのファインクロックマーク10Fを
一つの波形として見た場合に、その波長(トラック方向
の長さ)はファインクロックマーク10F同士の間隔の
1/300〜1/50であり、振幅(トラック幅方向の
変化量)は100から300nmに調整することができ
る。図20では、ファインクロックマーク10Fはラン
ド10Rの一方の側の壁にしか形成されていないが、ラ
ンド10Rの両側の壁に形成してもよい。ファインクロ
ックマーク10Fを、検出部が4分割された光検出器で
検出した場合に、各検出部からの和信号を観察すると、
図20に示したファインクロックマーク10Fの形状の
ような波形が得られる。こうして得られた再生波形を所
定の基準値と比較して2値化し、2値化信号の立ち上が
りのタイミングに同期させることにより外部同期用クロ
ック信号を発生させることができる。なお、図19に示
したウォブル型のランド・グルーブ構造の光磁気記録媒
体に、図20に示したようなファインクロックマーク1
0Fを設け、再生用外部磁界及び/または再生光を変調
するためのクロック信号をファインクロックマーク10
Fから取り出すとともに、記録用のデータチャンネルク
ロックをウォブリング周期から検出してもよい。
【0090】図21は第3の方法である2周期サンプリ
ング法を説明する概念図である。図21において、記録
された最短記録磁区(単位ビット)87が再生され、図
7(または図12)に示した加算器301及びPLL3
9で処理されて、クロック信号85が発生する。この
際、PLL回路39は最短記録磁区87に1周期以上の
クロックが発生するように構成されており、最短記録磁
区87の繰り返し周期より高い周波数のクロックを発生
することができる。
【0091】本発明においては、再生光及び/または再
生用外部印加磁界をパルス変調する場合は、上記3つの
方法のいずれの方法を用いて発生した再生クロックに基
づいて第1同期信号及び/または第2同期信号を発生さ
せても良い。また、記録用外部印加磁界及び/または記
録光をパルス変調する場合にも、上記3つの方法のいず
れかの方法を用いて発生した再生クロックを用いてもよ
い。
【0092】
【実施例9】図25に、図7に示した記録再生装置10
1の変形例を示す。図7に示した記録再生装置101に
おいては、光磁気記録媒体100の上方から外部磁界を
印加するとともに、光磁気記録媒体100の下方、即
ち、基板側から記録及び再生光を照射した。図25の光
磁気記録媒体の記録再生装置105において、外部磁界
と記録及び再生光を同一方向から適用することが可能で
ある。これを実現するために、記録再生装置105で
は、再生光集光用の対物レンズ24に磁気コイルが巻き
付けられていおり、磁気ヘッドと光ヘッドが一体化して
光磁気ヘッドを構成する。
【0093】図26に、この記録再生装置105に好適
な光磁気記録媒体116の媒体構成を示す。この光磁気
記録媒体116は、基板1上に光磁気記録膜6、第1補
助磁性層5、第2補助磁性層4、誘電体膜3、保護膜7
を順次積層した構造を有する。光磁気記録膜6と第1補
助磁性層5との間にCr層等の接着層を形成してもよ
い。この光磁気記録媒体116を記録再生するには、基
板1側ではなく、保護層7側(第2補助磁性層4)から
光を入射させるとともに磁界を印加する。このため、基
板1は透明材料を用いる必要がなく、アルミ等の金属材
料や他の任意の不透明な材料で構成することができる。
【0094】更に、本実施例の装置を用いることによっ
て、図27に示したような、基板1の両面に光磁気記録
膜6、6’、第1補助磁性層5、5’、第2補助磁性層
4、4’、誘電体膜3、3’、保護膜7、7’をそれぞ
れ順次積層させた構造の光磁気記録媒体117を再生す
ることが可能となる。光磁気記録媒体117の基板1
は、一方の記録面の記録または再生が他方の記録面の記
録再生に影響を及ぼさないような金属等の材料から構成
するの好ましい。
【0095】この両面記録可能な光磁気記録媒体は、従
来の光磁気記録媒体に比べて記録密度が2倍になる。特
に、この両面記録可能な光磁気記録媒体を、図25に示
した構造の記録再生装置で記録再生するには、片面の記
録または再生毎に光磁気記録媒体を裏返せばよい。従っ
て、この記録再生装置は図27に示したような大容量の
光磁気記録媒体の創生をもたらす。なお、この磁界と光
を同一方向から適用する光磁気ヘッドの構成は、図12
に示した記録再生装置にも適用可能である。
【0096】実施例3のハイパスフィルタを用いた記録
再生装置につないで、再生磁界として上記パルス状磁界
を用いた再生信号波形を通すことによって得られた波形
をDCスライスすることによって0.2μmの記録磁区
を弁別することができた。
【0097】一方、実施例4で開示した、ハイパスフィ
ルタを記録再生装置につないで、再生磁界として上記パ
ルス状磁界を用いた再生信号波形を通すことによって得
られた波形を、さらに、記録再生装置につないだ微分回
路を通してゼロクロスする点を検出することによっても
0.2μmの記録磁区を弁別することができた。
【0098】
【実施例10】前記実施例では、光磁気記録媒体に記録
信号を光磁界変調方式を用いて記録したが、磁界変調方
式を用いて記録することもできる。いずれの方式で記録
する場合も、記録磁区は、最短磁区(線方向の長さが最
も短い磁区)の形状として、磁区のトラック幅方向の長
さが線方向(トラック方向)の長さよりも長くなるよう
に形成するのが好ましい。一層好ましくは、磁区の後方
部が磁区の内側に窪んでいる形状が好ましい。かかる最
短磁区の例として、図28Aに示したような三ケ月型や
図28Bに示した矩形の磁区が好適である。この他に、
最短磁区の形状として、矢がディスクの回転と反対方向
を向いた矢羽型の磁区も好ましい。磁区のトラック幅方
向の長さが線方向の長さよりも長くなるように磁区を記
録するには、磁界変調記録方式を用いることが有効であ
る。矢羽根型等の磁区の形状については基板の溝やラン
ド部の形状を変化することで調整可能である。
【0099】このような記録磁区形状は、以下の理由に
より、再生層から転写された磁区の拡大を容易にする。
本発明の光磁気記録媒体の記録層に、例えば、図28A
に示した三ケ月型の磁区が記録されているとする。光磁
気記録媒体の再生時に、光磁気記録媒体が再生光で加熱
されて三ケ月型の磁区が静磁結合または交換結合により
再生層に転写される。再生層において、再生光スポット
中心に相当する部分(またはその後方)が高温となる。
磁区間の磁壁は高温の方が熱力学的に安定であるため、
三ケ月型の磁区の窪み部はその後方(三ケ月の円弧を共
通とする円の中心部)の高温部分に向かって移動した方
が安定となる。また、磁壁の長さは短い方が安定である
ため、三ケ月型の磁区の窪み部が膨らんで半月型の磁区
になった方が磁壁が短くなるために安定となる。従っ
て、再生層上ではかかる温度分布及び磁区形状に従って
磁区が拡大し易くなる。また、次の理由からも上記三ケ
月型等が好ましいといえる。記録磁区から再生層に向か
う漏洩磁界を考慮すると、三ケ月型の記録磁区からの漏
洩磁界は三ケ月型の磁区の上方の再生層における三ケ月
の中心(三ケ月の円弧を共通とする円の中心部)で最大
となる。それゆえ、再生層に転写された磁区はこの漏洩
磁界により拡大し易くなる。
【0100】以上、本発明を実施の形態及び実施例を用
いて具体的に説明してきたが、本発明は特にそれらに限
定されるものではない。例えば、光磁気記録媒体を構成
する材料は本発明の作用を有するものであれば種々の材
料を使用することができ、補助磁性層の前後や光磁気記
録層前後等の任意の位置に任意の中間層を介在させるこ
とも可能である。また、実施例2及び3において情報の
記録を光磁界記録方式を用いて行ったが、それに限定さ
れず、光変調方式及び磁界変調方式を用いることも可能
である。本発明は、ランドグルーブ型の光磁気記録媒体
であって、ランドの幅がグルーブよりも狭い構造の媒体
に有効となる。すなわち、本発明においては再生層に転
写された磁区の拡大が可能であるために狭い幅のランド
部に微小磁区が記録されても高いC/Nで再生が可能で
ある。
【0101】
【発明の効果】本発明は、再生スポットで検出できない
複数の微小磁区からなる記録情報が超高密度に記録され
たMAMMOS型光磁気記録媒体から、記録された微小
磁区の転写及び再生磁界による磁区の拡大によって再生
する方法として、記録再生装置の再生信号検出部に、H
PF,HPFと信号微分回路との組み合わせ、及び差分
回路等から選択される制御回路をつなげて再生波形から
記録磁区の信号を弁別する方法を用いることによって、
光磁気記録媒体の超高密度記録情報を独立して、高S/
Nで且つ低いエラーレートで再生することのできる。さ
らに、この方法は低コストで、量産可能であり、産業上
有効な記録再生装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の光磁気記録媒体の積層構造を
概念的に示す断面図である。
【図2】図2Aは本発明の光磁気記録媒体の再生前の各
層の磁化状態を示す概念図であり、図2Bは図2Aに示
した光磁気記録媒体の再生時の各層の磁化状態を示す概
念図である。
【図3】図3は、本発明の光磁気記録媒体を構成する補
助磁性層の磁気特性を示す図である。
【図4】図4は、本発明の実施例1で製造した光磁気記
録媒体及び従来型の光磁気記録媒体における再生C/N
と記録マーク長の関係を示すグラフである。
【図5】図5Aは従来型の光磁気記録媒体の積層構造を
示す断面図であり、図5Bは磁気超解像型の光磁気記録
媒体の積層構造を示す断面図である。
【図6】図6は、図2A及び図2Bに示した光磁気記録
媒体の再生原理を温度分布を用いて説明した図である。
【図7】図7は、本発明の光磁気記録再生装置の構成概
略図である。
【図8】図8は、本発明の実施例2における光磁界変調
記録方法の記録レーザパルス、記録外部磁界及び記録磁
区の関係を示すタイミングチャートである。
【図9】図9は、本発明の実施例2における再生方法の
再生クロック、再生外部磁界、パルス磁界による再生信
号波形及びサンプルホールド後の再生信号波形を示すタ
イミングチャートである。
【図10】図10は、本発明の実施例2における再生方
法の1−7変調におけるエラーレートと記録マーク長と
の関係を示すグラフである。
【図11】図11は、本発明の実施例2における再生方
法で用いることができる種々の再生磁界パターンを示す
図である。
【図12】図12は、本発明の実施例3に従う光磁気記
録再生装置の構成概略図であり、この装置では、再生ク
ロックに同期して外部磁界のみならず再生光をパルス変
調して光磁気記録ディスクに適用する。
【図13】図13は、本発明の実施例3における再生方
法の再生クロック、再生外部磁界、パルス光/パルス磁
界による再生信号波形及びサンプルホールド後の再生信
号波形を示すタイミングチャートである。
【図14】図14は、本発明の実施例3における再生方
法の1−7変調におけるエラーレートと記録マーク長と
の関係を示すグラフである。
【図15】図15は、本発明の実施例3における再生方
法で用いることができる種々の再生光パルスパターンを
示す図である。
【図16】図16は、本発明の実施例3における再生方
法で用いることができる種々の再生光マルチパルスパタ
ーンを示す図である。
【図17】図17は、実施例2及び3の装置において使
用可能なクロック信号を発生させるための自己同期を説
明する図である
【図18】図18は、実施例2及び3の装置においてラ
ンドグルーブ型光磁気記録媒体を用いて使用可能なクロ
ック信号を発生させるための外部同期を説明する図であ
る。
【図19】図19は、実施例2及び3の装置においてウ
ォブル形状のランドグルーブ型光磁気記録媒体を用いて
使用可能なクロック信号を発生させるための外部同期を
説明する図である。
【図20】図20は、実施例2及び3の装置においてフ
ァインクロックマークを有するランドグルーブ型光磁気
記録媒体を用いて使用可能なクロック信号を発生させる
ための外部同期を説明する図である。
【図21】図21は、実施例2または3の装置において
使用可能なクロック信号を発生させるための2周期サン
プリングを説明する図である。
【図22】図22A,Bは、パルス化したレーザ光また
は磁界の適用周期を示す図であり、図22Aは拡大及び
縮小磁界の周期の関係を示し、図22Bは、交番磁界に
対するレーザ光パルスの周期を示す図である。
【図23】図23は、磁区の拡大及び縮小のための磁界
として用いることができる三角波の波形の磁界の例を示
す図である。
【図24】図24は、磁区の拡大及び縮小のための磁界
として用いることができる正弦波の波形を発生するため
の回路の一例を示す図である。
【図25】図25は、図10に示した光磁気記録再生装
置の変形例を示し、外部磁界の印加と記録再生光の照射
が同一方向から行うことができる本発明の実施例6にお
ける再生装置の構成概略図である。
【図26】図26は、実施例6で用いた光磁気記録媒体
の積層構造を示す断面図である。
【図27】図27は、実施例6で用いた、基板の両側に
磁性層を積層した光磁気記録媒体の積層構造を示す断面
図である。
【図28】図28Aは、本実施例7における磁界変調方
式を用いて三日月型の形状に記録した記録磁区の該略図
を示す。図28Bは、本実施例7における磁界変調方式
を用いて矩型の形状に記録した記録磁区の該略図を示
す。
【図29】図29A及びBは、再生光に対して回転移動
している本発明の光磁気記録媒体の再生原理を説明する
図である。
【図30】図30は、本発明の光磁気記録媒体の積層構
造を概念的に示す断面図である。
【図31】図31Aは本発明の光磁気記録媒体の再生前
の各層の磁化状態を示す概念図であり、図31Bは図3
1Aに示した光磁気記録媒体の再生時の各層の磁化状態
を示す概念図である。
【図32】図32は、本発明の光磁気記録媒体の光磁気
記録層と光磁気再生層の磁気温度特性を示す図である。
【図33】図33は、本発明の光磁気記録媒体に光変調
された再生光を照射することによって光磁気記録層の記
録磁区を光磁気再生層から再生するプロセスを説明する
図であり、(a)は記録層及び再生層の磁区の向きを示
し、(b)は光変調された再生光パワーを示す。
【図34】図34は、本発明のMAMMOS型光磁気記
録媒体の記録磁区を拡大して再生する再生波形を示す図
である。
【図35】図35(a)は、本発明のMAMMOS型光
磁気記録媒体の再生波形を、HPFをつないだ記録再生
装置によって検出される波形を示す図であり、図35
(b)は、HPFと微分回路とをつないだ記録再生装置
によって検出される波形を示す図である。
【図36】図36は、本発明のMAMMOS型光磁気記
録媒体の記録磁区を拡大して再生する再生波形と磁区と
の関係を示す図である。
【図37】図37は、本発明のMAMMOS型光磁気記
録媒体の再生方法に用いられるHPF回路について示す
図である。
【図38】図38は、本発明のMAMMOS型光磁気記
録媒体の再生方法に用いられるHPF回路について他の
種類を示す図である。
【図39】図39は、本発明のMAMMOS型光磁気記
録媒体の再生方法に用いられるアクテイブ微分回路につ
いて示す図である。
【図40】図40は、本発明のMAMMOS型光磁気記
録媒体の再生方法に用いられるアクテイブ微分回路につ
いて他の例を示す図である。
【図41】図41は、本発明のMAMMOS型光磁気記
録媒体の再生方法に用いられるBPF回路について示す
図である。
【図42】図42は、本発明のMAMMOS型光磁気記
録媒体の再生方法に用いられる差分回路について示す図
である。
【図43】図43は、本発明のMAMMOS型光磁気記
録媒体の再生方法に用いられる差分回路から得られる波
形について示す図である。
【図44】図44は、本発明のMAMMOS型光磁気記
録媒体の再生方法に用いられる差分回路について他の例
を示す図である。
【符号の説明】
1 基板 3 誘電体膜 4 第2補助磁性膜 5、28 第1補助磁性膜 6 光磁気記録媒体 8、24 補助磁性膜(再生層) 10 光磁気記録膜 80 再生光スポット 82 記録磁区 85b 拡大磁区 90 光磁気記録媒体 201a 転写磁区 201b 拡大磁区 201c 消滅磁区 210 記録磁区
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 渡辺 均 大阪府茨木市丑寅一丁目1番88号 日立マ クセル株式会社内 (72)発明者 太田 憲雄 大阪府茨木市丑寅一丁目1番88号 日立マ クセル株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも基板と光磁気記録層からな
    り、微小記録磁区が記録される光磁気記録媒体に、再生
    光スポットを照射することによって微小記録磁区が拡大
    された再生波形を検出する再生装置において、該再生装
    置の再生波形検出部に光スポットの光学的分解能より高
    いカットオフ周波数を持つハイパスフィルタ(HPF)
    をつないで、前記再生波形から前記微小記録磁区の再生
    信号をを弁別することを特徴とする光磁気記録媒体の再
    生装置。
  2. 【請求項2】 少なくとも基板と光磁気記録層からな
    り、微小記録磁区が記録される光磁気記録媒体に、再生
    光スポットを照射することによって微小記録磁区が拡大
    された再生波形を検出する再生装置において、該再生装
    置の再生波形検出部に光スポットの光学的分解能より高
    いカットオフ周波数を持つハイパスフィルタ(HPF)
    と、該再生装置の光電変換回路の周波数特性より高いカ
    ットオフ周波数を持つローパスフィルタ(LPF)をつ
    ないで、前記再生波形から前記微小記録磁区の再生信号
    をを弁別することを特徴とする光磁気記録媒体の再生装
    置。
  3. 【請求項3】 請求項1、2のハイパスフィルタが微分
    回路あるいは2階微分回路であることを特徴とする光磁
    気記録媒体の再生装置。
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