JPH11119711A - 車両用計器 - Google Patents

車両用計器

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JPH11119711A
JPH11119711A JP9277597A JP27759797A JPH11119711A JP H11119711 A JPH11119711 A JP H11119711A JP 9277597 A JP9277597 A JP 9277597A JP 27759797 A JP27759797 A JP 27759797A JP H11119711 A JPH11119711 A JP H11119711A
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passenger
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Yuji Aono
裕至 青野
Masahiro Takamatsu
昌博 高松
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Yazaki Corp
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Toyota Motor Corp
Yazaki Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 運転者と同乗者とのどちらから見ても、或
は、車幅方向におけるどの車両用計器箇所を見ても、外
光の反射光が目に入らないようにすることができる車両
用計器を提供すること。 【解決手段】 車両のダッシュボード3であって運転席
5と助手席7との丁度中間に配置した車両用計器1の横
長矩形状を呈する前面カバー13を、車両の車幅方向X
における中央部分よりも両端部分の方が車両の後方に位
置する曲面に形成し、この曲面の曲率を、運転席5の運
転者の視線D1や助手席7の同乗者の視線N1が車幅方
向Xにおける前面カバー13のどの位置に向いていて
も、視線D1と法線H1との水平面内での交差角度θD
や、視線N1と法線H3との水平面内での交差角度θN
が、前面カバー13の正面13bに垂直な方向からの、
反射防止膜13cの反射防止可能な傾斜角度θ1〜θ2
の中に収まる値に設定した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、車両の走
行速度計やエンジン回転数計等の計器に関する。
【0002】
【従来の技術】乗用車等の車両に設けられる、走行速度
計やエンジン回転数計、燃料計、水温計等の計器が集約
化されたコンビネーションメータにおいては、文字板や
指針等の前方に配置されてこれらを保護する前面カバー
にフロントガラスから車内に入射した外光が照射され
て、その反射光が運転者の目に入らないように、従来か
ら、ダッシュボードの上面から前方に延設してコンビネ
ーションメータの上方に位置させたフードにより、フロ
ントガラスから車内に入射して前面カバーに向かう外光
を遮るようにしている。
【0003】しかし、このフードは、ダッシュボード周
りのデザイン面での自由度を狭め、車両の内装における
独自性を発揮させる際の妨げとなるという、マイナスの
側面を有しているため、近年では、前面カバーの表面に
外光の反射を防止する反射防止膜を形成し、その代わり
にフードを廃止することが試みられている。
【0004】ところで、近年では、カーナビゲーション
システム等、運転者と助手席の同乗者とがそれぞれ視認
する可能性がある情報、或は、主に助手席の同乗者が視
認し、運転者も場合によって視認することがある情報を
表示する装置類が普及し始めている。
【0005】そして、この種の装置類の普及に伴い、走
行速度計やエンジン回転数計等の従来のコンビネーショ
ンメータに収容されている計器と、上述したカーナビゲ
ーションシステムの表示画面等とを複合化した車両用計
器を、運転席と助手席の両方から見える、例えば車幅方
向におけるダッシュボードの略中間箇所に新たに配置し
て、車両の商品価値の向上や内装のデザイン性の向上を
図ることが試みられている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述したよ
うな、ダッシュボードの略中間箇所に配置される複合型
の車両用計器を実施するに当たっては、車両の車幅方向
における位置が異なる運転席と助手席との双方におい
て、車両用計器を見た際に外光の反射光が目に入らない
ようにすることが必要であり、また、車両用計器が一般
に車幅方向に長い横長状を呈していることから、車幅方
向におけるどの車両用計器箇所を見ても外光の反射光が
目に入らないようにすることが必要である。
【0007】しかしながら、反射防止膜によって反射を
防止できる光の照射角度は、各積層材の種類や組み合わ
せ、或は、各積層材の層の厚さ寸法等の設計によって任
意に定めることができるからといって、設計次第であら
ゆる角度からの照射光の反射を防止できるかというとそ
うではなく、一般的には、ある限られた範囲の角度に制
約されてしまう。
【0008】そのため、複合型の車両用計器をダッシュ
ボードの略中間箇所に配置するに当たって、フードを廃
止する代わりに反射防止膜を前面カバーに単に形成する
だけでは、運転席と助手席とのどちらから見ても、或
は、車幅方向におけるどの車両用計器箇所を見ても、外
光の反射光が目に入らないようになるという保証は得ら
れない。
【0009】また、車両用計器の前面カバーにおける光
の反射に関する問題としては、外光の反射の他に、所謂
映り込みの問題があるが、従来のフードをコンビネーシ
ョンメータの上方に位置させた車両用計器では、このフ
ードの上方のフロントガラスを透して車内に入射する外
光が、フードによって遮断されて前面カバーに達しない
ので、前面カバーで反射された外光が周辺の何かに照射
されてその像が前面カバーに明るく映り込んで見えてし
まうことはなかった。
【0010】しかし、前面カバーに反射防止膜を形成す
る代わりにフードを廃止すると、反射防止膜で反射を防
止できる光の照射角度の範囲に限りがあることから、こ
の照射角度範囲から外れる角度で前面カバーに照射され
る外光が、前面カバーで反射されて周辺の何かに照射さ
れ、その像が前面カバーに明るく映り込んで見えてしま
うのを、反射防止膜単独では避けることができない。
【0011】本発明は前記事情に鑑みなされたもので、
本発明の第1の目的は、運転者と助手席の同乗者とが共
有して見る車両の情報の表示像を、車幅方向におけるダ
ッシュボードの略中間箇所において、運転者と同乗者と
の双方から共に見易いように表示する車両用計器におい
て、外光除けのフードを廃止する代わりに、表示面を保
護する前面カバーの表面に反射防止膜を形成するに当た
り、運転者と同乗者とのどちらから見ても、或は、車幅
方向におけるどの車両用計器箇所を見ても、外光の反射
光が目に入らないようにすることができる車両用計器を
提供することにある。
【0012】また、本発明の第2の目的は、上述した第
1の目的を達成しつつ、さらに、反射防止膜の反射防止
作用によらずとも、前面カバーの周辺の何かが前面カバ
ーに明るく映り込んで見えてしまうのを防止することが
できる車両用計器を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】前記第1の目的を達成す
るため請求項1に記載した本発明の車両用計器は、車両
の走行状態に関する各種情報を表示する表示面を、該表
示面の前方に配置され且つ表面に反射防止膜が形成され
た前面カバーにより覆って構成され、前記車両の車幅方
向における該車両のダッシュボードの略中央箇所に配置
されて、前記車両の運転席と助手席との双方から視認可
能とされた車両用計器において、前記前面カバーは、前
記車幅方向における該前面カバーの中央よりも両端の方
が前記車両の後方に位置する曲面に形成されており、前
記曲面の曲率は、前記車幅方向と前記車両の前後方向と
を含む水平面内において、前記運転席から前記表示面上
の任意の箇所を視認する主視線と、該主視線が前記前面
カバーに交わる該前面カバー上の第1交点における前記
曲面の第1法線とのなす第1水平交差角度が、前記反射
防止膜により反射防止可能な前記前面カバーへの照射光
の許容照射角度範囲内に収まり、且つ、前記水平面内に
おいて、前記助手席から前記表示面上の任意の箇所を視
認する副視線と、該副視線が前記前面カバーに交わる該
前面カバー上の第2交点における前記曲面の第2法線と
のなす第2水平交差角度が、前記許容照射角度範囲内に
収まる値に設定されていることを特徴とする。
【0014】また、請求項2に記載した本発明の車両用
計器は、前記前面カバーの表面が、前記表示面に対向す
る前記前面カバーの背面と、前記運転席及び前記助手席
に臨む正面とのうち少なくとも一方を含んでいるものと
した。
【0015】さらに、請求項3に記載した本発明の車両
用計器は、前記車両の上下方向における前記前面カバー
の曲率がゼロに設定されているものとした。
【0016】また、前記第2の目的を達成するため請求
項4に記載した本発明の車両用計器は、前記ダッシュボ
ードに、前記前面カバーの下端から前記運転席及び前記
助手席側に所定の寸法で延在する棚板が設けられてお
り、前記前面カバーの表面が、前記車両の上下方向と前
記前後方向とを含む垂直面内において、前記前面カバー
上の任意の箇所で反射された後の前記主視線が前記棚板
上に到達し、且つ、前記前面カバー上の任意の箇所で反
射された後の前記副視線が前記棚板上に到達するよう
に、前記前面カバーの上端が該前面カバーの下端よりも
前記車両の後方に位置する傾き角度で配置されているも
のとした。
【0017】請求項1に記載した本発明の車両用計器に
よれば、車両の運転席及び助手席のどちらから、表示面
上のどの箇所を視認しても、その視線が、車両の車幅方
向と前後方向とを含む水平面内においては、反射防止膜
による反射防止可能な前面カバーへの照射光の許容照射
角度範囲内に収まる角度で、前面カバーの表面に向かう
ことになるので、前面カバーの上方において外光を遮る
フードを廃止したとしても、運転席と助手席とのどちら
から見ても、或は、車幅方向におけるどの車両用計器箇
所を見ても、太陽光や照明光といった外光の反射光が目
に入らないようにし、その上、周辺物が前面カバーに映
り込んで見えるのを防止することが可能となる。
【0018】また、請求項2に記載した本発明の車両用
計器によれば、前面カバーの背面及び正面のうち反射防
止膜が実際に形成されている面の曲面形状について、反
射防止膜による反射防止が可能な前面カバーへの照射光
の許容照射角度範囲に合わせた曲率が設定されるので、
反射防止膜が形成された前面カバーの面と、反射防止可
能な照射光の許容照射角度範囲に応じた曲率に設定する
前面カバーの面との不一致を防ぎ、運転席や助手席から
表示面を見た際の、外光や周辺物の像光の前面カバーに
よる運転席側や助手席側への反射を確実に防止すること
が可能となる。
【0019】さらに、請求項3に記載した本発明の車両
用計器によれば、車幅方向に加えて車両の上下方向及び
前後方向についても前面カバーの表面が曲面状となるよ
うに、前面カバーを球面状に形成する場合に比べて、前
面カバーの製造を容易にすると共に、前面カバーを透し
て視認した表示面が、車幅方向についての前面カバーの
曲面だけでなく車両の上下方向及び前後方向についての
前面カバーの曲面の存在により、前面カバーがレンズ作
用を発揮して拡大或は縮小した状態で視認されてしまう
のを防止することが可能となる。
【0020】また、請求項4に記載した本発明の車両用
計器によれば、車両の運転席及び助手席のどちらから、
表示面上のどの箇所を視認しても、その視線が、車両の
上下方向と前後方向とを含む垂直面内においては、ダッ
シュボードの棚板に向かうことになるので、前面カバー
の上方において外光を遮るフードを廃止したとしても、
運転席と助手席とのどちらから見ても、或は、上下方向
におけるどの車両用計器箇所を見ても、前面カバーで反
射された外光により計器の周辺物が照らされて前面カバ
ーに明るく映り込んで見えることがないようにすること
が可能となる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の車両用計器の実施
形態を図面に基づいて説明する。
【0022】図1は本発明の一実施形態に係る車両用計
器が設けられた車内の要部斜視図であり、図1中引用符
号1で示す本実施形態の車両用計器は、車両のダッシュ
ボード3であって運転席5と助手席7との丁度中間、つ
まり車両の車幅方向Xにおける中間の箇所に、運転席5
に座った運転者(図示せず)と助手席7に座った同乗者
(図示せず)との双方から、斜め下の方向で見えるよう
に配置されている。
【0023】そして、本実施形態の車両用計器1は、図
2に斜視図で示すように、内部に発光表示型の表示デバ
イス15(図3及び図4参照)等が収容されたハウジン
グ11と、このハウジング11の前面に取着された前面
カバー13とを備えている。
【0024】前記前面カバー13は、図1に示すよう
に、車幅方向Xの方が車両の上下方向Yよりも相対的に
長い横長の略矩形状を呈しており、図3に車両用計器1
の横断面図で示すように、表示デバイス15の計器像が
発光表示される表示面15aを覆うように、この表示面
15aよりも車両の後方、つまり、運転席5及び助手席
7側に配置されている。
【0025】尚、表示デバイス15の表示面15aは、
車幅方向Xの両端が中間寄り部分よりも前面カバー13
側に突出した段差状を呈している。
【0026】そして、前面カバー13は、図3中に一部
抽出して拡大断面により示すように、基板13aと、こ
の基板13aの運転席5及び助手席7側に位置する正面
13bに形成された反射防止膜13cとで構成されてい
る。
【0027】前記基板13aは、着色半透明樹脂材によ
り、或は、透明樹脂材に半透明フィルムを貼着すること
により、前記計器像の透過を可能とし、且つ、この計器
像が表示デバイス15により表示面15aに発光表示さ
れていない状態において、運転席5及び助手席7側から
の表示デバイス15の視認を不能とするように構成され
ている。
【0028】前記反射防止膜13cは、例えば、SiO
2 やTiO2 等の屈折率が互いに異なる透光可能な材料
を複数層重ねた従来公知のもので、基板13aの正面1
3bの全体に亘って形成されており、この反射防止膜1
3cは、車外から入射して基板13aの正面13bに照
射される太陽光や照明光等の外光のうち、正面13bに
垂直な方向から所定範囲内の角度θ1〜θ2だけ傾いて
照射される光を、各層の界面において干渉作用により相
殺し、全体として、照射光の反射光量を減衰させ、或
は、反射そのものを防止するように構成されている。
【0029】さらに、前面カバー13は、車幅方向Xに
おける中央部分よりも両端部分の方が車両の後方に位置
する曲面に形成されており、図4に車両用計器1の縦断
面図で示すように、上下方向Yにおいては曲面ではなく
平面、つまり、曲率ゼロに形成されていて、前面カバー
13の上端が下端よりも運転席5や助手席7側、つま
り、車両の後方に位置するように、上下方向Yと車両の
前後方向Zとを含む垂直面内において傾けられている。
【0030】そして、車幅方向Xにおける前面カバー1
3の曲面の曲率は、図3に示すように、表示デバイス1
5により計器像が表示面15aに発光表示された際に、
運転席5の運転者が前面カバー13を透して、車幅方向
Xにおける表示面15aのどの部分を見た場合にも、そ
の視線D1(主視線に相当)と、この視線D1が交わる
前面カバー13の正面13b上の交点D(第1交点に相
当)における正面13bからの法線H1(第1法線に相
当)との、水平面内での交差角度θD(第1水平交差角
度に相当)が、反射防止膜13cの反射防止可能な正面
13bに垂直な方向からの傾斜角度θ1〜θ2の中に収
まる値に設定されている。
【0031】同様に、車幅方向Xにおける前面カバー1
3の曲面の曲率は、表示デバイス15により計器像が表
示面15aに発光表示された際に、助手席7の同乗者が
前面カバー13を透して、車幅方向Xにおける表示面1
5aのどの部分を見た場合にも、その視線N1(副視線
に相当)と、この視線N1が交わる前面カバー13の正
面13b上の交点N(第2交点に相当)における正面1
3bからの法線H3(第2法線に相当)との、水平面内
での交差角度θN(第2水平交差角度に相当)が、反射
防止膜13cの反射防止可能な正面13bに垂直な方向
からの傾斜角度θ1〜θ2の中に収まる値に設定されて
いる。
【0032】即ち、本実施形態では、前面カバー13は
車幅方向Xの略中央を境界として左右対称な形状に形成
されており、前面カバー13の曲面の曲率を車幅方向X
の全長に亘って同一とするか、或は、車幅方向Xの位置
によって曲率を変えるようにするかは、車両用計器1の
周辺部分との設計上の必要に応じて任意に選択可能であ
る。
【0033】尚、前面カバー13の曲面の曲率の値は、
特に、車幅方向Xにおける両端寄りの前面カバー13部
分を透して運転席5の運転者や助手席7の同乗者が表示
面15aの計器像を視認した場合であっても、前面カバ
ー13が車幅方向Xにおいて曲面であることによって、
計器像が歪んで見えることがない程度の小さい値に設定
されている。
【0034】また、本実施形態では、上述した反射防止
膜13cの反射防止可能な正面13bに垂直な方向から
の傾斜角度θ1〜θ2が、請求項中の許容照射角度範囲
に相当している。
【0035】また、前記ダッシュボード3は、図1及び
図2に示すように、前面カバー13の下端から及び助手
席7側に所定の寸法で延在する棚板3aを有しており、
図4に示すように、前面カバー13の垂直面内における
傾き角度θ3は、表示デバイス15により計器像が表示
面15aに発光表示された際に、運転席5の運転者や助
手席7の同乗者が前面カバー13を透して、上下方向Y
における表示面15aのどの部分を見た場合にも、前面
カバー13の正面13bで反射された後の運転者や同乗
者の視線D1,N1が、棚板3aのどこかに達する値に
設定されている。
【0036】次に、上述のように構成された本実施形態
の車両用計器1の、特に、表示デバイス15により計器
像が表示面15aに発光表示された際の動作(作用)に
ついて説明する。
【0037】表示デバイス15により計器像が表示面1
5aに発光表示されると、その像光は拡散光となって前
面カバー13を透過した後、前面カバー13よりも運転
席5や助手席7側に向かい、表示面15aに視線D1,
N1を向けた運転席5の運転者や助手席7の同乗者によ
り視認される。
【0038】このとき、運転席5の運転者の視線D1や
助手席7の同乗者の視線N1が車幅方向Xにおける前面
カバー13のどの位置に向いていても、視線D1と法線
H1との水平面内での交差角度θDや、視線N1と法線
H3との水平面内での交差角度θNが、反射防止膜13
cの反射防止可能な正面13bに垂直な方向からの傾斜
角度θ1〜θ2の中に収まるため、この車幅方向Xにお
いては、車内に入射した太陽光や照明光等の外光のう
ち、前面カバー13の正面13bで反射された後に運転
席5の運転者や助手席7の同乗者に向かう光路成分が、
反射防止膜13cにより完全に、或は、略相殺される。
【0039】また、運転席5の運転者の視線S1や助手
席7の同乗者の視線N1が上下方向Yにおける前面カバ
ー13のどの位置に向いていても、前面カバー13の正
面13bで反射された後の運転者や同乗者の視線D1,
N1が、棚板3aのどこかに達するので、この棚板3a
を例えば黒色等の暗色系に着色しておくことにより、車
内に入射した太陽光や照明光等の外光が前面カバー13
の正面13bで反射されて棚板3aに照射されたとして
も、この棚板3aによって完全に、或は、略吸収され、
前面カバー13側には反射しない。
【0040】このように本実施形態によれば、運転席5
に座った運転者と助手席7に座った同乗者との双方から
見えるように、車両のダッシュボード3であって運転席
5と助手席7との丁度中間、つまり車両の車幅方向Xに
おける中間の箇所に車両用計器1を配置し、この車両用
計器1の上方に従来設けられていた外光除けのフードを
廃止する代わりに、車両用計器1の横長矩形状を呈する
前面カバー13の基板13aの正面13bに反射防止膜
13cを形成するに当たり、次のような構成を採用し
た。
【0041】即ち、前面カバー13を車両の車幅方向X
における中央部分よりも両端部分の方が車両の後方に位
置する曲面に形成し、この曲面の曲率を、運転席5の運
転者の視線D1や助手席7の同乗者の視線N1が車幅方
向Xにおける前面カバー13のどの位置に向いていて
も、視線D1と法線H1との水平面内での交差角度θD
や、視線N1と法線H3との水平面内での交差角度θN
が、前面カバー13の正面13bに垂直な方向からの、
反射防止膜13cの反射防止可能な傾斜角度θ1〜θ2
の中に収まる値に設定した。
【0042】このため、車幅方向Xにおけるダッシュボ
ード3の中間の箇所に車両用計器1を配置して、表示面
15aに発光表示される計器像を運転席5の運転者や助
手席7の同乗者がどちらからも視認できるようにするに
当たって、フードの廃止によるダッシュボード3周りの
デザイン性の向上を図りつつ、運転席5の運転者や助手
席7の同乗者が車幅方向Xにおける前面カバー13のど
の位置に視線D1,N1を向けても、車内に入射した外
光が前面カバー13の正面13bで反射されて運転席5
の運転者や助手席7の同乗者の目にはいって眩しい思い
をさせたり、車両用計器1の周辺物が前面カバー13に
映り込んで運転席5の運転者や助手席7の同乗者に見え
てしまうのを、確実に防止することができる。
【0043】しかも、本実施形態の車両用計器1によれ
ば、前面カバー13を上下方向Yについては曲率ゼロの
平面状に形成したので、車幅方向Xについて前面カバー
13を曲面状に形成することと相まって前面カバー13
がレンズ作用を発揮し、表示面15aの計器像が拡大或
は縮小した状態で視認されてしまうのを防止することが
できる。
【0044】その上、本実施形態の車両用計器1によれ
ば、前面カバー13の上端が下端よりも車両の後方に位
置するように、前面カバー13を垂直面内において傾
け、この傾き角度θ3を、運転席5の運転者や助手席7
の同乗者が前面カバー13を透して、上下方向Yにおけ
る表示面15aのどの部分を見た場合にも、前面カバー
13の正面13bで反射された後の運転者や同乗者の視
線D1,N1が、前面カバー13の下端から及び助手席
7側に所定の寸法で延在するダッシュボード3の棚板3
aのどこかに達する値に設定した。
【0045】このため、車内に太陽光や照明光等の外光
が入射したとしても、前面カバー13の正面13bに映
り込むのは暗色系の棚板3aのみとなり、その結果、前
面カバー13の正面13bに明るい像が映り込むことが
なく、よって、前面カバー13の正面13bに明るい像
が映り込んで、表示面15aに視線D1,N1を向けた
運転席5の運転者や助手席7の同乗者の向けた視界を遮
り、計器像の視認性を劣化させるのを防止することがで
きる。
【0046】尚、本実施形態では、前面カバー13の正
面13aに反射防止膜13cを形成した車両用計器1を
例に取って説明したが、本発明は、表示面15a側に位
置する前面カバー13の背面に反射防止膜を形成した車
両用計器や、正面13aと背面との両面に反射防止膜を
各々形成した車両用計器についても適用可能であること
は言うまでもない。
【0047】そして、前面カバー13の背面に反射防止
膜を形成する場合は、この背面の車幅方向Xにおける曲
面の曲率の値を、背面に形成した反射防止膜の反射防止
可能な、背面に垂直な方向からの傾斜角度範囲の中に収
まる値に設定すればよい。
【0048】また、本実施形態の車両用計器1において
採用した、前面カバー13を垂直面内において傾き角度
θ3で傾斜させる構成は、運転席5の運転者や助手席7
の同乗者と前面カバー13との上下方向Yや前後方向Z
における位置関係によっては、省略してもよい。
【0049】さらに、本実施形態では、前面カバー13
が、表示面15aの計器像の透過を可能とし、且つ、こ
の計器像が表示面15aに発光表示されていない状態に
おいて、運転席5及び助手席7側からの表示デバイス1
5の視認を不能とするような、所謂、ブラックフェース
メータを構成する車両用計器1を例に取って説明した
が、本発明は、発光表示型であるか否かを問わず、ま
た、デジタル式であるかアナログ型であるかを問わず、
車両の各種状態を計器表示する種々の車両用計器に適用
可能であるのは勿論のことである。
【0050】
【発明の効果】以上説明したように請求項1に記載した
本発明の車両用計器によれば、車両の走行状態に関する
各種情報を表示する表示面を、該表示面の前方に配置さ
れ且つ表面に反射防止膜が形成された前面カバーにより
覆って構成され、前記車両の車幅方向における該車両の
ダッシュボードの略中央箇所に配置されて、前記車両の
運転席と助手席との双方から視認可能とされた車両用計
器において、前記前面カバーは、前記車幅方向における
該前面カバーの中央よりも両端の方が前記車両の後方に
位置する曲面に形成されており、前記曲面の曲率は、前
記車幅方向と前記車両の前後方向とを含む水平面内にお
いて、前記運転席から前記表示面上の任意の箇所を視認
する主視線と、該主視線が前記前面カバーに交わる該前
面カバー上の第1交点における前記曲面の第1法線との
なす第1水平交差角度が、前記反射防止膜により反射防
止可能な前記前面カバーへの照射光の許容照射角度範囲
内に収まり、且つ、前記水平面内において、前記助手席
から前記表示面上の任意の箇所を視認する副視線と、該
副視線が前記前面カバーに交わる該前面カバー上の第2
交点における前記曲面の第2法線とのなす第2水平交差
角度が、前記許容照射角度範囲内に収まる値に設定され
ている構成とした。
【0051】このため、車両の運転席及び助手席のどち
らから、表示面上のどの箇所を視認しても、その視線
が、車両の車幅方向と前後方向とを含む水平面内におい
ては、反射防止膜による反射防止可能な前面カバーへの
照射光の許容照射角度範囲内に収まる角度で、前面カバ
ーの表面に向かうことになるので、前面カバーの上方に
おいて外光を遮るフードを廃止したとしても、運転席と
助手席とのどちらから見ても、或は、車幅方向における
どの車両用計器箇所を見ても、太陽光や照明光といった
外光の反射光が目に入らないようにし、その上、周辺物
が前面カバーに映り込んで見えるのを防止することがで
きる。
【0052】また、請求項2に記載した本発明の車両用
計器によれば、前記前面カバーの表面が、前記表示面に
対向する前記前面カバーの背面と、前記運転席及び前記
助手席に臨む正面とのうち少なくとも一方を含んでいる
構成とした。
【0053】このため、前面カバーの背面及び正面のう
ち反射防止膜が実際に形成されている面の曲面形状につ
いて、反射防止膜による反射防止が可能な前面カバーへ
の照射光の許容照射角度範囲に合わせた曲率が設定され
るので、反射防止膜が形成された前面カバーの面と、反
射防止可能な照射光の許容照射角度範囲に応じた曲率に
設定する前面カバーの面との不一致を防ぎ、運転席や助
手席から表示面を見た際の、外光や周辺物の像光の前面
カバーによる運転席側や助手席側への反射を確実に防止
することができる。
【0054】さらに、請求項3に記載した本発明の車両
用計器によれば、前記車両の上下方向における前記前面
カバーの曲率がゼロに設定されている構成とした。
【0055】このため、車幅方向に加えて車両の上下方
向及び前後方向についても前面カバーの表面が曲面状と
なるように、前面カバーを球面状に形成する場合に比べ
て、前面カバーの製造を容易にすると共に、前面カバー
を透して視認した表示面が、車幅方向についての前面カ
バーの曲面だけでなく車両の上下方向及び前後方向につ
いての前面カバーの曲面の存在により、前面カバーがレ
ンズ作用を発揮して拡大或は縮小した状態で視認されて
しまうのを防止することができる。
【0056】また、請求項4に記載した本発明の車両用
計器によれば、前記ダッシュボードに、前記前面カバー
の下端から前記運転席及び前記助手席側に所定の寸法で
延在する棚板が設けられており、前記前面カバーの表面
が、前記車両の上下方向と前記前後方向とを含む垂直面
内において、前記前面カバー上の任意の箇所で反射され
た後の前記主視線が前記棚板上に到達し、且つ、前記前
面カバー上の任意の箇所で反射された後の前記副視線が
前記棚板上に到達するように、前記前面カバーの上端が
該前面カバーの下端よりも前記車両の後方に位置する傾
き角度で配置されている構成とした。
【0057】このため、車両の運転席及び助手席のどち
らから、表示面上のどの箇所を視認しても、その視線
が、車両の上下方向と前後方向とを含む垂直面内におい
ては、ダッシュボードの棚板に向かうことになるので、
前面カバーの上方において外光を遮るフードを廃止した
としても、運転席と助手席とのどちらから見ても、或
は、上下方向におけるどの車両用計器箇所を見ても、前
面カバーで反射された外光により計器の周辺物が照らさ
れて前面カバーに明るく映り込んで見えることがないよ
うにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る車両用計器が設けら
れた車内の要部斜視図である。
【図2】図1の車両用計器の斜視図である。
【図3】図1の車両用計器の横断面図である。
【図4】図1の車両用計器の縦断面図である。
【符号の説明】
1 車両用計器 3 ダッシュボード 3a 棚板 5 運転席 7 助手席 13 前面カバー 13b 前面カバー正面(表面) 13c 反射防止膜 15a 表示面 D 交点(第1交点) D1 視線(主視線) H1 法線(第1法線) H3 法線(第2法線) N 交点(第2交点) N1 視線(副視線) X 車幅方向 Y 上下方向 Z 前後方向 θ3 傾き角度 θD 交差角度(第1水平交差角度) θN 交差角度(第2水平交差角度)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI G09F 21/04 G02B 1/10

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両の走行状態に関する各種情報を表示
    する表示面を、該表示面の前方に配置され且つ表面に反
    射防止膜が形成された前面カバーにより覆って構成さ
    れ、前記車両の車幅方向における該車両のダッシュボー
    ドの略中央箇所に配置されて、前記車両の運転席と助手
    席との双方から視認可能とされた車両用計器において、 前記前面カバーは、前記車幅方向における該前面カバー
    の中央よりも両端の方が前記車両の後方に位置する曲面
    に形成されており、 前記曲面の曲率は、前記車幅方向と前記車両の前後方向
    とを含む水平面内において、前記運転席から前記表示面
    上の任意の箇所を視認する主視線と、該主視線が前記前
    面カバーに交わる該前面カバー上の第1交点における前
    記曲面の第1法線とのなす第1水平交差角度が、前記反
    射防止膜により反射防止可能な前記前面カバーへの照射
    光の許容照射角度範囲内に収まり、且つ、前記水平面内
    において、前記助手席から前記表示面上の任意の箇所を
    視認する副視線と、該副視線が前記前面カバーに交わる
    該前面カバー上の第2交点における前記曲面の第2法線
    とのなす第2水平交差角度が、前記許容照射角度範囲内
    に収まる値に設定されている、 ことを特徴とする車両用計器。
  2. 【請求項2】 前記前面カバーの表面は、前記表示面に
    対向する前記前面カバーの背面と、前記運転席及び前記
    助手席に臨む正面とのうち少なくとも一方を含んでいる
    請求項1記載の車両用計器。
  3. 【請求項3】 前記車両の上下方向における前記前面カ
    バーの曲率はゼロに設定されている請求項1又は2記載
    の車両用計器。
  4. 【請求項4】 前記ダッシュボードには、前記前面カバ
    ーの下端から前記運転席及び前記助手席側に所定の寸法
    で延在する棚板が設けられており、前記前面カバーの表
    面は、前記車両の上下方向と前記前後方向とを含む垂直
    面内において、前記前面カバー上の任意の箇所で反射さ
    れた後の前記主視線が前記棚板上に到達し、且つ、前記
    前面カバー上の任意の箇所で反射された後の前記副視線
    が前記棚板上に到達するように、前記前面カバーの上端
    が該前面カバーの下端よりも前記車両の後方に位置する
    傾き角度で配置されている請求項1、2又は3記載の車
    両用計器。
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