JP2018030424A - 車両用表示装置 - Google Patents

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厚司 道盛
潤 近藤
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潤 近藤
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彰太 中原
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Abstract

【課題】運転に役立つ、異なる種類の情報を単一の表示器で表示することができ、かつ、大幅な焦点の変更を必要としない車両用表示装置を提供する。【解決手段】表示器(110)の第1の表示領域(110a)に表示される映像からの映像光をウインドシールド側へ反射する第1の凹面ミラー(104)又は運転者のアイポイント(102)側へ反射するコンバイナー(116)と、表示器(110)の第2の表示領域(110b)に表示される映像からの映像光を運転者のアイポイント側へ反射するコンバイナー(106)又は第2の凹面ミラー(107)とを有する。【選択図】図1

Description

本発明は、車両、特に自動車のダッシュボード等に搭載されて、車両の前方に虚像を表示する装置に関するものである。「ダッシュボード」とは、自動車のウインドシールド(フロントウィンドウ)の下で、前席の正面にある内装部品全体を指す。運転席の正面には、通常スピードメーター、タコメーター、燃料計、水温計及び距離計など、車両の状態を表す情報を提供する計器類が配置されている。これらの計器類の集合をクラスターと言う。
従来から、虚像を車両の前方に形成し、前景と重畳して視認させるヘッドアップディスプレイが知られている。ヘッドアップディスプレイは、運転者が前方を注視しながら、即ち、遠方に眼の焦点を合わせたままで、かつ視線を全く、或いはほんの少ししか移動させずに、虚像を視認することができるというメリットを有し、運転に役立つ情報、例えばスピードの表示、各種警告の表示、案内の表示等に利用されている。
ヘッドアップディスプレイにおける虚像の形成には、一般にウインドシールドでの反射が利用される。しかし、ウインドシールドは反射率が低く、また虚像が前景と重畳して視認されるため、ウインドシールドでの反射を利用したヘッドアップディスプレイでは精細な映像を表示することは困難である。
従来クラスターで示されていた情報を表す映像を、ヘッドアップディスプレイとは別の表示器で表示し、ミラーで反射して運転者に虚像として視認させることも提案されている(例えば、特許文献1)。
また、1つの表示器の異なる部分を互いに異なる映像の表示に利用し、ヘッドアップディスプレイで虚像を表示するとともに、従来クラスターで示されていた情報を、実像として表示することも提案されている(例えば、特許文献2)。
特開2015−146012号公報(図1) 特開2010−164941号公報(図1)
特許文献1のように、ヘッドアップディスプレイとクラスター表示とで、別個の表示器を設ける場合には、ダッシュボード内に大きなスペースが必要となる。
特許文献2のように、1つの表示器を使ってヘッドアップディスプレイで虚像を表示し、クラスターで実像を表示する構成の場合には、クラスター表示を視認する際には眼の焦点を手前に合わせる必要があり、前景を見るときと、クラスター表示を見るときとで焦点を変える必要があり、運転者にとって負担となる。特に高齢者は焦点の変更に時間が掛かるので、負担が大きい。
本発明の車両用表示装置は、
第1の表示領域と、第2の表示領域とを有し、前記第1の表示領域に第1の映像を表示し、前記第2の表示領域に第2の映像を表示する表示器と、
前記第1の映像を表す第1の映像光を反射する第1の反射部材を含む第1の投射光学系と、
前記第2の映像を表す第2の映像光を運転者に向けて反射する第2の反射部材を含む第2の投射光学系とを備え、
前記第1の投射光学系は運転者から第1の距離に第1の虚像を提供するように構成され、
前記第2の投射光学系は運転者から第2の距離に第2の虚像を提供するように構成されている
ことを特徴とする。
本発明によれば、運転に役立つ、異なる種類の情報を単一の表示器で表示することができ、かつ、大幅な焦点の変更を必要としない車両用表示装置を得ることができる。
本発明の実施の形態1に係る車両用表示装置を、ウインドシールド、ダッシュボード、及びステアリングホイールとともに示す図である。 実施の形態1に係る車両用表示装置の表示器における表示の視認可能な角度範囲を示す図である。 実施の形態1に係る車両用表示装置の表示器の表示画面の分割を示す図である。 図3の表示器に映像信号を供給する映像信号供給部の構成を示すブロック図である。 実施の形態1に係る車両用表示装置のコンバイナーの表面及び裏面における光の反射、並びに表面における光の屈折を示す図である。 クサビ状でないコンバイナーの表面及び裏面における光の反射、並びに表面における光の屈折を示す図である。 虚像が遠距離に形成される場合の、コンバイナーの表面及び裏面における光の反射、並びに表面における光の屈折を示す図である。 虚像までの距離とクサビ角の関係を示す説明図である。 実施の形態1に係る車両用表示装置を用いた場合の、運転者にとっての虚像の見え方を示す図である。 実施の形態1の変形例に係る車両用表示装置を、ウインドシールド、ダッシュボード、及びステアリングホイールとともに示す図である。 本発明の実施の形態2に係る車両用表示装置を、ウインドシールド、ダッシュボード、及びステアリングホイールとともに示す図である。 実施の形態2に係る車両用表示装置のバックライト、集光レンズ、及び光学シートを示す図である。 (a)及び(b)は、図12のバックライトと集光レンズとの位置関係を示す図である。 実施の形態2に係る車両用表示装置を用いた場合の、運転者にとっての虚像の見え方を示す図である。 本発明の実施の形態3に係る車両用表示装置を、ウインドシールド、ダッシュボード、及びステアリングホイールとともに示す図である。 実施の形態3に係る車両用表示装置を用いた場合の、運転者にとっての虚像の見え方を示す図である。
本発明の車両用表示装置は、車両に搭載されて使用される。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態に係る車両用表示装置を説明する。説明の便宜のためXYZ座標を用いる。
X軸は、車両(車両用表示装置が搭載された車両)の前方に対して左右方向である。+X軸方向は、車両の前方を見て右方向である。−X軸方向は、車両の前方を見て左方向である。
Y軸は、上下方向である。+Y軸方向は上方向である。−Y軸方向は下方向である。上方向は空の方向で、下方向は地面の方向である。
Z軸は、車両の前後方向である。+Z軸方向は、車両の前方である。−Z軸方向は、車両の後方である。
実施の形態1.
[車両用表示装置101の構成]
図1は、本発明の実施の形態1に係る車両用表示装置101を、ウインドシールド103、ダッシュボード131、及びステアリングホイール135とともに示す。
図示の車両用表示装置101は、車両に搭載された状態では、ダッシュボード131の筐体131a内に配置されており、車両用表示装置1の筐体101aは、ダッシュボード131の筐体131aに固定されている。
図示の車両用表示装置101は、表示器110と、照明光学系と、第1及び第2の投射光学系とを備えている。
表示器110としては、透過型の液晶パネルを備えたものが用いられている。
照明光学系は、バックライト111と、集光レンズ112と、光学シート113とを有し、これらは筐体101aに固定されており、表示器110の背面側(図では−Z軸方向)に設けられている。
第1の投射光学系は、第1の反射部材としての凹面ミラー104を含む。凹面ミラー104は、筐体101aに固定されている。
第2の投射光学系は、第2の反射部材としてのコンバイナー106を含む。コンバイナー106は筐体101aに固定されている。
表示器110はバックライト111から光の照射を受け、映像を表示する。映像の内容は、後述の図4に示される映像信号供給部125からの映像信号に応じて定められる。
表示器110に表示される映像は、図2に示されるように、ある角度(視野角)Ψの範囲内であれば、いずれの方向からでも視認可能である。凹面ミラー104及びコンバイナー106はともに、上記の視野角Ψの範囲内にあり、表示器110に表示される映像からの映像光を受けることができる。「映像光」は、画像情報を有する光であり、画像の全体からの光を意味することもあり、画像のうちの一点からの光を意味することもある。
後述のように、表示される映像は、2つの部分から成り、第1の部分を第1の映像と言い、第2の部分を第2の映像と言う。
表示器110に表示される第1及び第2の映像が、運転者のアイポイント(眼)102に達するまでの光路を符号144、154などで表す。図1並びに後述の同様の図では、第1及び第2の映像の各々の上下方向の両端(上端及び下端)についての光路を示す。
光路144、154に沿って進む映像光を、該光路と同じ符号144、154で表す。凹面ミラー104或いはコンバイナー106で反射された光がそれ以降辿る光路についても同様である。
映像光144は、上記の第1の映像を表すものであり、第1の映像光と呼ばれる。映像光154は、上記の第2の映像を表すものであり、第2の映像光と呼ばれる。
凹面ミラー104は、表示器110から出射された第1の映像光144を反射する。反射光は映像光143としてウインドシールド103に向かう。
ウインドシールド103は映像光143を反射する。反射光は、映像光141として運転者のアイポイント(眼)102に向かう。
凹面ミラー104の反射面の形状は、ウインドシールド103の表面の形状と組み合わせられることで、表示器110に表示される映像を、歪みが抑制された虚像121として提供する(虚像として結像させる)ように設計されている。
虚像(第1の虚像)121は、運転者には、映像光141の延長線142上にあるものとして視認される。
アイポイント102から虚像121までの距離がL101で示されている。
第1の投射光学系は、距離L101が所望の値になるように設計されている。距離L101の所望の値は、例えば、8m以上、より具体的には、10〜20m程度である。
距離L101は、凹面ミラー104の反射面の形状とウインドシールド103の表面の形状の組み合わせのみならず、表示器110、凹面ミラー104、ウインドシールド103、及びアイポイント102の位置関係にも依存する。上記の距離L101が所望の値になるように、アイポイント102及びウインドシールド103に対する表示器110及び凹面ミラー104の相対位置、並びに凹面ミラー104の反射面の形状が設計されている。アイポイント102の位置としては標準的な位置或いは想定される位置の範囲が考慮されている。
ウインドシールド103は一般的には車両の外側に向かって凸な曲面で形成されており、その曲率は、部分ごとに異なる。このため、なんらかの対策が取られなければ、形成される虚像121に歪みが生じる。
凹面ミラー104は、ウインドシールド103による虚像の上記の歪みを補正する機能を有するものであり、補正により虚像121の歪みが最小となるように構成されている。
補正のため、例えば、凹面ミラー104のうちの、ウインドシールド103の曲率が大きい部分に対応する部分は曲率が小さくされる。
コンバイナー106は、ウインドシールド103の内側に(運転者の眼102の側に)配置されている。コンバイナー106は、半透過ミラーである。
コンバイナー106は、前景からの光を、ウインドシールド103を通して受け、該光の一部を透過させて、アイポイント102において、前景の視認を可能にするとともに、表示器110からの第2の映像光154の一部を反射して、反射光を、映像光151として運転者のアイポイント102に向かわせる。コンバイナー106の反射率は例えば30%程度である。
コンバイナー106の反射面の形状は、表示器110に表示された第2の映像を、歪みのない虚像122として提供するように設計されている。
虚像122(第2の虚像)は、運転者には、映像光151の光路の延長線152上にあるものとして視認される。
アイポイント102から虚像122までの距離がL102で示されている。
第2の投射光学系は、距離L102が所望の値となるように設計されている。距離L102の所望の値は、距離L101よりも小さい値、例えば、例えば2〜3m程度である。
距離L102は、コンバイナー106の反射面の形状のみならず、表示器110、コンバイナー106、及びアイポイント102の位置関係にも依存する。上記の距離L102が所望の値になるように、アイポイント102に対する表示器110及びコンバイナー106の相対位置、並びにコンバイナー106の反射面の形状が設計されている。アイポイント102の位置としては標準的な位置或いは想定される位置の範囲が考慮されている。
表示器110は、表示画面が2つの表示領域に分割されており、その一方で、第1の映像を表示し、他方で、第2の映像を表示する。
図3は表示器110の表示画面を+Z軸方向から(図1で左方向から)見た図である。表示器110の表示画面の縦方向(高さ方向)寸法がHoで示され、横方向寸法がWで示されている。表示器110の表示画面は、縦方向に2つに分割されており、下側に位置する高さHaの第1の表示領域110aと、上側に位置する高さHbの第2の表示領域110bとを有する。図示の例では、第1の表示領域110a及び第2の表示領域110bはいずれも矩形の領域である。
第1の表示領域110aは第1の映像を表示し、第1の表示領域110aからは第1の映像を表す第1の映像光144が出射される。
第2の表示領域110bは第2の映像を表示し、第2の表示領域110bからは第2の映像を表す第2の映像光154が出射される。
図3に示す例では、第1の表示領域110aと第2の表示領域110bとの間に、これらのいずれにも属さない、非表示領域110cが設けられている。非表示領域110cはいかなる映像も表示しない領域である。非表示領域110cは、黒べたに塗りつぶされた領域、即ち、輝度を表す階調値が最小値(ゼロ)の画素から成るものであるのが望ましい。非表示領域110cは、形成される虚像121、122相互間の干渉を避ける役割を持つ。仮にこのような非表示領域が無ければ、虚像121が、表示領域110bに表示された映像の一部(下端部)に相当する部分を含むものとなったり、逆に虚像122が、表示領域110aに表示された映像の一部(上端部)に相当する部分を含むものとなったりするおそれがあるが、非表示領域110cを設けることでそのようなことを防ぐことができる。
図4は、図3の表示器110に映像信号を供給する映像信号供給部125の構成を示す。図示の映像信号供給部125は、第1の映像信号生成部126と、第2の映像信号生成部127と、合成部128とを有する。
第1の映像信号生成部126は、第1の表示領域110aで表示されるべき第1の映像を表す映像信号を生成する。
第2の映像信号生成部127は、第2の表示領域110bで表示されるべき第2の映像を表す映像信号を生成する。
合成部128は、第1の映像信号生成部126からの映像信号で表される第1の映像と、第2の映像信号生成部127からの映像信号で表される第2の映像とを合成する。
合成の結果得られる映像は、下側に第1の映像を配置し、上側に第2の映像を配置し、第1の映像と第2の映像との間に、非表示領域を配置したものとなる。非表示領域は、例えば、輝度を表す階調値が最小値(ゼロ)の画素から成る領域である。
第1の映像信号生成部126、第2の映像信号生成部127、及び合成部128は、いずれも例えば処理回路により実現することができる。処理回路は、専用のハードウェアであっても、メモリに格納されるプログラムを実行するCPUであっても良い。
図5を参照してコンバイナー106の断面形状について説明する。コンバイナー106は、上端が下端に比べて厚く、上端から下端にかけて次第に薄くなるように、即ちクサビ状に形成されている。
このようにするのはコンバイナー106の表面(アイポイント102側の面)106aで反射した映像光と裏面(アイポイント102側の面とは逆の面)106bで反射した映像光とでずれが生じ、運転者に2重像として視認されるのを防止するためである。
以下この点について、図5を参照して説明する。
以下では、光路を、便宜上アイポイント102から逆に辿って説明する。
運転手はアイポイント102から虚像122を視認している。
まず、表面106aで反射する成分を考える。
虚像122の点P105に相当する映像光は、アイポイント102から光路161を辿り、コンバイナー106の表面106aの点P102で反射して光路162を辿って表示器110の点P101に至る。
つまり、点P101に表示されている映像部分(画素)は、その映像光のうち、点P102で反射する経路でアイポイント102に達した成分により、点P105の位置にある虚像として視認される。
次に裏面106bで反射する成分を考える。
虚像122の点P105に相当する映像光は、アイポイント102から光路161を辿りコンバイナー106の表面106aの点P102で屈折して、裏面106bの点P103で反射され、表面106aの点P104で屈折して、光路163を辿って表示器110の点P101に至る。
つまり点P101に表示されている映像部分(画素)は、その映像光のうち、点P103で反射する経路でアイポイント102に達した成分により、点P105の位置にある虚像として視認される。
このようにアイポイント102から光路161の方向に、即ち虚像の点P105の位置に見えるのは、表面106aで反射する経路でアイポイント102に達する成分も、裏面106bで反射する経路でアイポイント102に達する成分も、いずれも点P101に表示されている映像部分(画素)であり、従って、2重像にはならない。
コンバイナー106がクサビ状でない場合に2重像が発生する理由を、図6を参照して説明する。図6の例では表面106aと裏面106bとが互いに「平行」であるように、即ち厚さが一定(表面106aと裏面106bとの距離が一定)であるように形成されているものとする。運転手はアイポイント102から虚像122を視認している。
まず表面106aで反射する成分を考える。
虚像122の点P105に相当する映像光は、アイポイント102から光路161を辿り、コンバイナー106の表面106aの点P102で反射されて光路162を辿って表示器110の点P101に至る。つまり、点P101に表示されている映像部分(画素)は、その映像光のうち、点P102で反射する経路でアイポイント102に達した成分により、点P105の位置にある虚像として視認される。
次に裏面106bで反射する成分を考える。
虚像122の点P105に相当する映像光は、アイポイント102から光路161を辿りコンバイナー106の表面106aの点P102で屈折して、裏面106bの点P103で反射され、表面106aの点P104で屈折して、光路164を辿って表示器110の点P106に至る。つまり、点P106に表示されている映像は、その映像光のうち、点P103で反射する経路でアイポイント102に達した成分により、点P105の位置にある虚像として視認される。
このように、点P101に表示されている映像部分(画素)と、点P106に表示されている映像部分(画素)とが、それぞれ異なる経路を辿った後、光路161によりアイポイント102に達する。そのため、点P101に表示されている映像部分(画素)と、点P106に表示されている映像部分(画素)とがともに、アイポイント102から光路161の方向に、即ち虚像の点P105の位置に見える。即ち、2重像となる。
図6において、(表面106aが図示の如くのままで、)裏面がより垂直に近ければ(その場合の裏面の一部を符号106cで示す)、点P103における入射角及び反射角は、より小さくなり、従って、表示器110の表示画面の、点P106よりも点P101により近い点(例えば点P106c)から出た光166が点P103で反射されて、点P102に至ることが分かる。
従って、コンバイナー106は、上端側ほど、裏面106bが表面106aから離れていること、即ち、コンバイナー106を上端側ほど厚いクサビ状に形成することで、像が2重に見えるのを防ぐことができることが分かる。
以上の説明は、コンバイナー106の表面及び裏面が各々の下端部側においてより垂直に近く、上端側に近づくにつれてより水平に近くなること、及びコンバイナー106を構成する物質の屈折率が一定であること、及び表面106aの曲率が一定であることを前提としている。
コンバイナー106の配置(コンバイナー106と表示器110との位置関係、コンバイナー106とアイポイント102との位置関係)、コンバイナー106を構成する物質の屈折率、及びコンバイナー106の表面の曲率が上記とは異なる場合にも、これらを考慮に入れた上で、クサビ状の形状の詳細(どの程度の厚さ及び傾きを持たせるか)を適切に定めることで、像が2重になるのを防ぐことができる。
コンバイナー106の断面をクサビ状にせずに2重像を防止するために、裏面106bに反射防止処理(図6の破線)をすることも考えられる。この場合、表示器110上の点P106から出射されて光路164を辿る映像光は表面106aの点P104で屈折し、裏面106bの点P103で反射せずに光路165を辿って上方へ抜ける。この場合には裏面106bでの反射光を利用しないために表示の輝度が低下するという問題がある。また、反射防止処理のためにコストが高くなるという問題がある。
なお、虚像がアイポイント102から遠くなるに従い、コンバイナー106をクサビ状にする必要性が少なくなる。その理由を、図7を参照して説明する。虚像122が充分に遠方にある場合で考える。これは、コンバイナー106に対し表示器110が充分遠いことと等価である。
まず表面106aで反射する成分を考える。
虚像122の点P105に相当する映像光はアイポイント102から光路161を辿り、コンバイナー106の表面106aの点P102で反射して光路162を辿って表示器110の点P101に至る。つまり、点P101に表示されている映像を点P105の位置にあるように虚像として視認する。
次に裏面で反射する成分を考える。
虚像122の点P105に相当する映像光は、アイポイント102から光路161を辿り表面106aの点P102で屈折して、裏面106bの点P103で反射され、表面106aの点P104で屈折して、光路164を辿って表示器110の点P101に至る。
このようにアイポイント102から光路161の方向に、即ち虚像の点P105の位置に見えるのは、表面106aで反射する経路でアイポイント102に達する成分も、裏面106bで反射する経路でアイポイント102に達する成分も、いずれも点P101に表示されている映像部分(画素)であり、従って、2重像にはならない。
図8は虚像の距離と、必要なクサビ角の関係を示したものであり、横軸に虚像の距離を、縦軸にクサビ角を示す。図より虚像の距離が8m以上になるとクサビ角はきわめて小さくて良いこと、即ち実質上なくても良いことが分かる。
なお、ウインドシールドでの反射光を利用して虚像を表示する場合に2重像の発生を抑えるために、ウインドシールドをクサビ状に形成することも考えられる。しかし、ウインドシールドをクサビ状に形成するには、ウインドシールド上端と下端とで厚みの異なる特殊な中間膜を用いた合わせガラスを作製する必要があり、コストが高くなる。
一方、コンバイナー106は一般的に樹脂の射出成型で形成されるため断面がクサビ状であってもコストに与える影響は小さい。これらのことを考慮し、本実施の形態では、アイポイント102から遠い位置に視認される虚像121を、ウインドシールド103を通して視認される位置に形成し、アイポイント102から近い位置に視認される虚像122を、クサビ状の断面を有するコンバイナー106を通して視認される位置に形成することとしている。これにより、遠方と近距離の2つの位置に、いずれも2重像を発生することなく、虚像を表示することが可能なヘッドアップディスプレイを低コストで実現できる。
[虚像の表示]
次に表示動作について説明する。図1において、運転者は、映像光141の光路の延長線142上に、第1の虚像121を距離L101前方に視認する。第1の虚像121はウインドシールド103の先に見えることから前景と重畳して視認することができる。
また、運転者は、映像光151の光路の延長線152上に、第2の虚像122を距離L102前方に視認する。
図9はアイポイント102からの虚像121及び122の見え方を示す。運転者はウインドシールド103で反射された映像光を受けることで、第1の虚像121を、ウインドシールド103の先の遠方に視認する。また運転者はコンバイナー106で反射された映像光を受けることで、第2の虚像122をウインドシールド103の下端近傍に設置されたコンバイナー106の先に視認する。
上記のように、第1の虚像121は、距離L101前方に視認される。距離L101が8m以上、例えば10〜20m程度になるように第1の投射光学系が設計されている。車両の走行速度によって運転者が注視している距離は変化するが、距離の認知は8m以上ではほとんど差がないという研究報告があり、8m以上の距離に虚像を表示すれば、運転者がそれ以上の距離の前景を注視しているときに、虚像が前景に合わせて無理なく認識されることになる。
第1の虚像121としては、前景に重畳して視認させることによる効果が大きい情報、言い換えると、運転中の運転者に高い優先度で即ち、他の情報よりも速やかに伝達したい情報を、表示するのが望ましい。このような情報の例として、オートクルーズ中の動作状況、例えば車両がどの先行車を認識しているかの情報、緊急の警告、ナビゲーションにおける誘導情報などがある。
第2の虚像122は、距離L102前方に視認される。距離L102が距離L101よりも短く、2〜3m程度になるように第2の投射光学系が設計されている。
第2の虚像122として、第1の虚像121として表示される内容に比べてより低い優先度で運転者に視認させたい情報、例えば車両の走行速度を示す文字、経路案内のための矢印など、或いはより精細に表示することが望まれる映像、例えばナビゲーションのための地図、バックカメラの映像などを表示することとしても良い。
第1の虚像121が前景に重畳して視認されるのに対し、第2の虚像122を視認するには、運転者が視線を下方へ移し、焦点を変更する必要がある。しかしながら、従来のように、クラスターに視線を移す場合に比べて、視線の移動量が小さく、また、焦点の変更も小さくて済む。
この実施の形態によれば、運転に必要な、異なる種類の情報を優先度に応じて、第1又は第2の虚像として表示することができる。また、第1の虚像及び第2の虚像の双方を、眼への負担が少なく視認性の高い方法でかつ単一の表示器で実現することができる。
実施の形態1の変形例1.
上述の実施の形態では、コンバイナー106を、凹面ミラー104からウインドシールド103への映像光143の光路よりも前方(+Z軸方向)に配置していた。このようにする代わりに、図10のように映像光143の光路よりも後方(−Z軸方向)に、コンバイナー106を配置してもよい。
図10のような配置とすれば、第2の虚像122を形成するための第2の投射光学系の光路長(映像光151+映像光154)を第1の虚像121を形成するための第1の投射光学系の光路長(映像光141+映像光143+映像光144)に比べてより短くすることができるので、
L101>L102
の関係を満たすように構成することが容易となる。
実施の形態2.
図11は、本発明の実施の形態2に係る車両用表示装置101bを、ウインドシールド103、ダッシュボード131、及びステアリングホイール135とともに示す。
図11に示される車両用表示装置101bは、図1に示される車両用表示装置101と概して同じであるが以下の点で異なる。
即ち、実施の形態1では、第2の投射光学系の第2の反射部材をダッシュボード131の上に設置されたコンバイナー106で構成し、運転者がコンバイナー106を通して前景を見ることを可能にしている。これに対し、実施の形態2では、コンバイナー106の代わりに凹面ミラー107が第2の投射光学系の第2の反射部材として設けられている。図11の例では、凹面ミラー107は筐体101aに固定され、筐体131a内に配置されている。
また、照明光学系として、後に図12並びに図13(a)及び(b)を参照して説明するものが用いられている。
凹面ミラー107は、表示器110からの第2の映像光154を反射する。反射光は、映像光151として運転者のアイポイント102に向かう。凹面ミラー107の反射率は極めて高く、例えば95%以上である。
凹面ミラー107の反射面の形状は、表示器110に表示された第2の映像を、歪みのない虚像122として提供するように設計されている。
虚像122は、運転者には、映像光151の光路の延長線152上にあるものとして視認される。
凹面ミラー107を含む第2の投射光学系は、アイポイント102から第2の虚像122までの距離L102が所望の値となるように設計されている。
以下、本実施の形態で用いられる照明光学系を、図12並びに図13(a)及び(b)を参照して説明する。説明の便宜のため、XaYaZa座標を用いる。
Xa軸は、車両の前方に対して左右方向である。+Xa軸方向は、車両の前方を見て右方向である。−Xa軸方向は、車両の前方を見て左方向である。Xa軸の方向、+Xa軸方向及び−Xa軸方向は、それぞれX軸の方向、+X軸方向及び−X軸方向と同じである。
Za軸は、バックライト111から表示器110に向かう照明光の方向である。+Za軸方向は表示器110に向かう方向、−Za軸方向はその逆方向である。
Ya軸方向は前記Xa軸及びZa軸で成す面に垂直な方向である。+Ya軸方向は図11で上側を向いた方向である。−Ya軸方向は図11で下側を向いた方向である。
本実施の形態の照明光学系は、バックライト111と、集光レンズ112と、光学シート113とを有する。
バックライト111は、表示器110の液晶パネルを裏側から照明するものであり、第1及び第2の光源ユニット111a及び111bを有する。
第1の光源ユニット111aは、第1の基板172aに実装された3つのLED171aを有する。第2の光源ユニット111bは、第2の基板172bに実装された1つのLED171bを有する。
集光レンズ112は、第1のレンズ部112aと第2のレンズ部112bが一体的に形成されたものである。第1のレンズ部112aは、3個のレンズ173aを含む。第2のレンズ部112bは、1個のレンズ173bを含む。
第1の光源ユニット111aは、第1のレンズ部112aを通して、さらに光学シート113を通して、表示器110の第1の表示領域110aを照明する。
第2の光源ユニット111bは、第2のレンズ部112bを通して、さらに光学シート113を通して、表示器110の第2の表示領域110bを照明する。
光学シート113は拡散作用を有し、第1及び第2のレンズ部112a、112bから出射された照明光のムラを減少させる。
第1のレンズ部112aと第2のレンズ部112bとは、互いに同じ高さ(Za軸方向における位置)にあり、一方、第1の基板172aと第2の基板172bとは、互いに異なる高さ(Za軸方向における位置)に配置されている。この点は図13(a)及び(b)に、より分かり易く示されている。図13(a)は、図12の第1の光源ユニット111a、第1のレンズ部112a及び光学シート113を+Ya軸方向に見た図であり、
図13(b)は、図12の第2の光源ユニット111b、第2のレンズ部112b及び光学シート113を+Ya軸方向に見た図である。
図13(a)及び(b)に示されるように、第1の基板172aと第1のレンズ部112aとの間隔をDeとし、第2の基板172bと第2のレンズ部112bとの間隔Dfとしたときに、
De<Df
を満たすように、第1及び第2の基板172a及び172bの高さ(Za軸方向における位置)が定められている。
これは、各光源ユニットからの光で対応するレンズ部の全体を十分な強度で照射するためである。即ち、上記のように、第1の基板172aに実装された第1の光源ユニット111aは3個のLED171aから成るに対し、第2の基板172bに実装された第2の光源ユニット111bは1個のLED171bのみから成る。各LEDからの光の拡がり方(配光角或いは配光分布)が互いに同じであれば、光源ユニット111aからの光で、第1のレンズ部112aの全体をカバーできる距離よりも、光源ユニット111bからの光で、第2のレンズ部112bの全体をカバーできる距離の方が長い。そのことを考慮して間隔Dfを間隔Deよりも大きくしてある。
以上のように、間隔De及びDfが設定されていることに加え、第1のレンズ部112aは3つのLED171aからの光で第1の表示領域110aを均一に照射し得るように設計されており、第2のレンズ部112bは1つのLED171bからの光で第2の表示領域110bを均一に照射し得るように設計されている。
第1の光源ユニット111aを3つのLED171aで構成し、第2の光源ユニット111bを1つのLED171bで構成する理由は以下の通りである。
凹面ミラー107の反射率は上記のように、極めて高く例えば95%以上であるのに対し、ウインドシールド103の反射率は一般に10%以下である。従って、第1の表示領域110aからの映像光144(凹面ミラー104及びウインドシールド103で反射されてアイポイント102に向かう)は、第2の表示領域110bからの映像光154(凹面ミラー107で反射されてアイポイント102に向かう)に比べて高い輝度を持つことが必要である。
そのために、本実施の形態では第2の光源ユニット111b(第2の表示領域110bを照明する)が一つのLED171bから成るのに対して、第1の光源ユニット111a(第1の表示領域110aを照明する)は3つのLED171aを有し、これにより、より明るい光で照射を行うこととしている。
[虚像の表示]
次に表示動作について説明する。図11において、運転者は、映像光141の光路の延長線142上に、第1の虚像121を距離L101前方に視認する。この第1の虚像121はウインドシールド103の先に見えることから前景と重畳して視認することができる。
また、運転者は、映像光151の光路の延長線152上に、第2の虚像122を距離L102前方に視認する。
図14はアイポイント102からの虚像121及び122の見え方を示す。運転者はウインドシールド103で反射された映像光を受けることで、第1の虚像121を、ウインドシールド103の先の遠方に視認する。また運転者は凹面ミラー107で反射された映像光を受けることで、第2の虚像122を、ステアリングホイール135を通して、ダッシュボード131の奥の方に視認する。
上記のように、第1の虚像121は、距離L101前方に視認される。距離L101が8m以上、例えば10〜20m程度となるように第1の投射光学系が設計されている。
第1の虚像121としては、前景に重畳して視認させることによる効果が大きい情報、言い換えると、運転中の運転者に高い優先度で即ち、他の情報よりも速やかに伝達したい情報を、表示するのが望ましい。このような情報の例として、オートクルーズ中の動作状況、例えば車両がどの先行車を認識しているかの情報、緊急の警告、ナビゲーションにおける誘導情報などがある。
第2の虚像122は、距離L102前方に視認される。距離L102が距離L101よりも短く、2〜3m程度になるように第2の投射光学系が設計されている。
第2の虚像122としては、従来のクラスターに表示されているすべての内容を表示することができる。
運転支援機能の増加に伴い、運転者へ提供することが望まれる情報は増加の一途である。一方、ヘッドアップディスプレイで表示できる情報の種類及び量には限りがある。クラスターも従来の針式から表示できる情報の量が多いグラフィックディスプレイへと移行が進んでいるが、クラスターの表示が、ダッシュボードにある表示面で行われる場合には、該表示面に眼の焦点を合わせる必要がある。これに対して本実施の形態では、情報を、凹面ミラー107を用いて虚像122として表示することでこの課題を解決している。
即ち、虚像122の形成に凹面ミラー107を用いているので、ダッシュボードの表示面と同様に、多くの情報を、高精細に表示することが可能である。
虚像122を視認するには、運転者が視線を下方へ移し、焦点を変更す必要がある。しかしながら、従来のように、ダッシュボードの表示面に視線を移す場合に比べて、視線の移動量が小さく、また、焦点の変更も小さくて済む。
実施の形態3.
図15は、本発明の実施の形態3に係る車両用表示装置101cを、ウインドシールド103、ダッシュボード131、及びステアリングホイール135とともに示す。
図15に示される車両用表示装置101cは、図11に示される実施の形態2の車両用表示装置101bと概して同じであるが以下の点で異なる。
即ち、実施の形態2では、第1の投射光学系の第1の反射部材を凹面ミラー104で構成し、凹面ミラー104からの映像光をウインドシールド103で反射してアイポイント102に向かわせ、これにより第1の虚像121がウインドシールド103の先に視認できる構成としている。これに対し、実施の形態3では、図15のように第1の投射光学系の第1の反射部材がコンバイナー116で構成されている。
コンバイナー116は、実施の形態1のコンバイナー106と同様に筐体101aに固定されている。コンバイナー116は、ウインドシールド103の内側に(運転者の眼102の側に)配置されている。コンバイナー116は、半透過ミラーである。
コンバイナー116は、前景からの光を、ウインドシールド103を通して受け、該光の一部を透過させて、アイポイント102において、前景の視認を可能にするとともに、表示器110からの第1の映像光144の一部を反射して、反射光を映像光141として、運転者のアイポイント102に向かわせる。コンバイナー116の反射率は例えば30%程度である。
コンバイナー116の反射面の形状は、表示器110に表示された第1の映像を、歪みのない虚像121として提供するように設計されている。
虚像121は、運転者には、映像光141の延長線142上にあるものとして視認される。
コンバイナー116を含む第1の投射光学系は、アイポイント102から第1の虚像121までの距離L101が所望の値となるように設計されている。距離L101の所望の値は、例えば、8m以上、より具体的には、10〜20m程度である。
実施の形態1において、コンバイナー106は、断面をクサビ状にするのが望ましい旨を述べたが、本実施の形態のコンバイナー116は、断面をクサビ状にする必要性はあまりない。コンバイナー116は比較的遠い距離(L101)に虚像を形成するためのものであるためである。
第2の投射光学系の第2の反射部材としての凹面ミラー107は、実施の形態2と同じく、表示器110から出射された第2の映像光154を反射して、反射光を映像光151として運転者のアイポイント102に向かわせる。
図16はアイポイント102からの虚像121及び122の見え方を示す。運転者はコンバイナー116で反射された映像光を受けることで、第1の虚像121を、コンバイナー116の先の遠方に視認する。また運転者は凹面ミラー107で反射された映像光を受けることで、第2の虚像122を、ステアリングホイール135を通して、ダッシュボード131の奥の方に視認する。
実施の形態1では、ウインドシールド103で第1の虚像を形成しているのに対し、本実施の形態では、コンバイナー116が第1の虚像121の形成に用いられる。コンバイナー116は、ウインドシールド103よりも反射率が高い。従って、第1の虚像121としてはより鮮明なものが得られる。
また、コンバイナー116は筐体101aに固定されているため、第1の投射光学系及び第2の投射光学系の光学部材の相対位置の位置決め精度を高く保つことができ、画像歪み、画面ずれ等を抑えることができる。さらに、車種ごとに形状、例えば曲率が異なるウインドシールドでの反射光を、虚像の形成に利用しないため、同じ仕様の車両用表示装置を異なる車種へも適用することが可能となり、コスト削減に貢献する。
以上本発明の実施の形態について説明したが、本発明はこれらの実施の形態に限るものではなく、種々の変形が可能である。
例えば、一つの実施の形態の特徴のうちには、他の実施の形態にも適用可能なものがある。
例えば、実施の形態2に関し、表示器110の2つの表示領域110a、110bを異なる明るさで照明するバックライト111及び集光レンズ112を示したが、これらは、実施の形態1にも、実施の形態3にも適用可能である。
ただし、光源の明るさの差(例えばLEDの数の差)は、実施の形態2とは異なるものとする必要がある。補償すべき反射率の差が、実施の形態2と他の実施の形態とでは異なるためである。
例えば、実施の形態2では、映像光の反射にウインドシールド103と凹面ミラー107とが用いられており、これらの反射率(例えば、10%と95%)の差を補償する必要があるのに対し、実施の形態1では、ウインドシールド103とコンバイナー106とが用いられており、これらの反射率は例えば10%及び30%であり、従って補償すべき反射率の差が、実施の形態2とは異なる。
同様に、実施の形態3では、コンバイナー116と、凹面ミラー107とが用いられており、これの反射率は例えば30%と95%であり、従って補償すべき反射率の差が実施の形態2とは異なる。
このように、映像光の反射に用いられる光学部材、ウインドシールド等の反射率の差に応じて表示器110の2つ表示領域110a、110bに対する照明光の明るさの差を決定する必要がある。具体的には、反射率の差が小さければ、照明光の明るさの差はより小さくて良い。
また、上述の各実施の形態においては、表示器110を透過型の液晶パネルで構成しているが、本発明はこれに限定されず、プロジェクター手段によって映像が表示されるスクリーンを用いても良い。
なお、上述の各実施の形態においては、座標軸相互の関係、或いは部品間の位置関係又は部品の形状に関し、「平行」、「垂直」などの表現を用いている場合がある。これらは、製造上の公差、組立て上のばらつき等を考慮した範囲を含むことを表している。このため、特許請求の範囲に部品間の位置関係もしくは部品の形状を示す記載した場合には、製造上の公差又は組立て上のばらつき等を考慮した範囲を含むことを示している。
101、101b、101c 車両用表示装置、 102 アイポイント、 103 ウインドシールド、 104 凹面ミラー、 106 コンバイナー、 107 凹面ミラー、 110 表示器、 110a 第1の表示領域、 110b 第2の表示領域、 110c 非表示領域、 111 バックライト、 111a、111b 光源ユニット、 112 集光レンズ、 112a 第1のレンズ部、 112b 第2のレンズ部、 116 コンバイナー、 121 第1の虚像、 122 第2の虚像、 131 ダッシュボード、 135 ステアリングホイール、 141〜144 第1の映像光、 151〜154 第2の映像光。

Claims (8)

  1. 第1の表示領域と、第2の表示領域とを有し、前記第1の表示領域に第1の映像を表示し、前記第2の表示領域に第2の映像を表示する表示器と、
    前記第1の映像を表す第1の映像光を反射する第1の反射部材を含む第1の投射光学系と、
    前記第2の映像を表す第2の映像光を運転者に向けて反射する第2の反射部材を含む第2の投射光学系とを備え、
    前記第1の投射光学系は運転者から第1の距離に第1の虚像を提供するように構成され、
    前記第2の投射光学系は運転者から第2の距離に第2の虚像を提供するように構成されている
    ことを特徴とする車両用表示装置。
  2. 前記第1の反射部材が、前記第1の映像光を前記車両のウインドシールドに向けて反射し、
    前記第1の反射部材の反射面の形状は、前記ウインドシールドによる前記第1の虚像の歪みを補正するように構成されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の車両用表示装置。
  3. 前記第1の反射部材が、前記第1の映像光を運転者に向けて反射する半透過ミラーで構成され、
    前記運転者が前記半透過ミラーを通して前景を視認することを可能にした請求項1に記載の車両用表示装置。
  4. 前記第2の反射部材が半透過ミラーであることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の車両用表示装置。
  5. 前記第2の反射部材を構成する前記半透過ミラーは、上端側から下端側に向けて次第に厚さが減少するクサビ状に形成されていることを特徴とする請求項4に車両用表示装置。
  6. 前記第2の反射部材がダッシュボード内に配置された凹面ミラーであることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の車両用表示装置。
  7. 前記表示器は、前記第2の映像に対して前記第1の映像がより高い輝度を有するように表示を行うことを特徴とする請求項6に記載の車両用表示装置。
  8. 前記第1の距離が前記第2の距離よりも長いことを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の車両用表示装置。
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