JPH11118044A - 偏心形回転弁 - Google Patents

偏心形回転弁

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JPH11118044A
JPH11118044A JP30377097A JP30377097A JPH11118044A JP H11118044 A JPH11118044 A JP H11118044A JP 30377097 A JP30377097 A JP 30377097A JP 30377097 A JP30377097 A JP 30377097A JP H11118044 A JPH11118044 A JP H11118044A
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JP
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valve
plug
flow path
eccentric rotary
shaft
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JP30377097A
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Koichi Kanno
広一 管野
Yoichi Sugano
洋一 菅野
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Motoyama Eng Works Ltd
Original Assignee
Motoyama Eng Works Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】弁容量Cv値を高め、弁性能を向上させる。 【解決手段】弁本体11は内部に弁室19とこの弁室1
9を通る流路20とを有する。弁軸12が流路20を横
切る方向に伸びて弁本体11を貫通する。弁軸12の一
端は弁室19内に配置される。弁孔を有する弁座13が
流路20の弁室入口に設けられる。弁プラグ15が弁軸
12の一端に片持ち状態で取り付けられる。弁プラグ1
5は弁軸12の回転により弁孔を開閉可能に弁室19内
に設けられる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、流体制御のための
偏心形回転弁に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の偏心形回転弁としては、例えば、
図8および図9並びに実開昭57−147467号に示
すものがある。すなわち、図8に示す偏心形回転弁は、
弁本体1と弁軸2と弁座3とリテーナー4と弁プラグ5
とを有し、弁プラグ5の中央部をアーム部6により弁軸
2に固定し、弁軸2の回転により弁プラグ5で弁座3の
流路を開閉するようになっている。図8に示す偏心形回
転弁では、図5(B)に示すように、弁軸2が流路7を
横切っている。実開昭57−147467号に示す偏心
形回転弁は、図8のものと同様に弁軸が流路を横切った
構成を有する。図9に示す偏心形回転弁は、弁本体1a
と2本の弁軸2a,2bと弁座3aとリテーナー4aと
弁プラグ5aとを有し、弁プラグ5aの両端をアーム部
6a,6bにより両持ち状態で2本の弁軸2a,2bに
固定して弁軸2a,2bが流路7aを横切らないように
し、図8のものに比べて流体の流れを妨げないようにし
ている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
偏心形回転弁では、弁軸が流路を横切るものでも、2本
の弁軸に弁プラグを両持ち状態で取り付けたものでも、
弁軸が流体への抵抗となって流量を低下させ、弁容量C
v値を高めることができず、弁性能を向上させることが
できないという問題点があった。
【0004】本発明は、このような従来の問題点に着目
してなされたもので、弁容量Cv値を高め、弁性能を向
上させることができる偏心形回転弁を提供することを目
的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1の本発明に係る偏心形回転弁は、弁本体
と、弁軸と、弁座と、弁プラグとを有し;前記弁本体
は、内部に弁室とこの弁室を通る流路とを有し;前記弁
軸は、前記流路を横切る方向に伸びて前記弁本体の壁面
を貫通し、一端が前記弁室内に配置され;前記弁座は、
弁孔を有し、前記流路の弁室入口または弁室出口に設け
られ;前記弁プラグは、前記弁軸の一端に片持ち状態で
取り付けられ、前記弁軸の回転により前記弁孔を開閉可
能に前記弁室内に設けられることを、特徴とする。
【0006】流路は、直管状に伸びることが好ましい。
弁軸は、流路に対し直交する方向に伸び、弁座の弁孔に
対して偏心している。このため、弁プラグが弁座の弁孔
を閉じたとき、弁プラグを弁座に押し付けようとする付
勢力が作用し、締切性能を向上させることができる。
【0007】請求項1の本発明に係る偏心形回転弁で
は、弁プラグが弁孔を開いているとき、弁本体の流路の
内部を流体が流れる。弁軸を回転させて弁プラグで弁孔
を閉じるとき、流体の流れを止める。弁軸を回転させて
弁孔を開けば、再び流体を流すことができる。弁プラグ
は弁室内で弁軸の一端に取り付けられ、片持ち状態で支
持される。このため、弁軸が流路を横切る場合や弁プラ
グが2本の弁軸に取り付けられる場合に比べて、弁軸が
流体の流れを妨げないようにすることができ、弁容量C
v値を高め、流量を高めることができる。
【0008】請求項2の本発明に偏心形回転弁は、請求
項1の偏心形回転弁において、前記弁軸と前記弁プラグ
とが一体的に構成されることを、特徴とする。弁プラグ
は、弁軸に摩擦溶接、精密鋳造、その他いかなる方法で
一体化されてもよい。
【0009】請求項2の本発明に係る偏心形回転弁で
は、弁軸と弁プラグとが一体のため、部品点数の削減に
よりコストダウンを図ることができる。
【0010】請求項3の本発明に偏心形回転弁は、請求
項1の偏心形回転弁において、前記弁本体はボンネット
と弁箱とを有し、前記ボンネットは前記弁軸が貫通する
壁面を有して前記弁箱に対し開閉可能に設けられ、前記
ボンネットを開いたとき前記弁本体は前記弁プラグを取
替可能な開口をあけることを、特徴とする。
【0011】請求項3の本発明に係る偏心形回転弁で
は、ボンネットを開き、弁軸とともに弁本体の開口から
弁プラグを取り出して取り替えることができ、弁プラグ
の取替えが容易となる。
【0012】請求項4の本発明に係る偏心形回転弁は、
請求項1,2または3の偏心形回転弁において、弁座押
さえ部材を有し、前記弁座押さえ部材は前記弁座を挟ん
で前記弁室と反対側の前記流路内で前記弁本体に固定さ
れ、前記流路に沿って貫通孔を有し、前記流路内の前記
弁座押さえ部材と前記弁座との間にOリングが設けられ
ていることを、特徴とする。
【0013】請求項4の本発明に係る偏心形回転弁で
は、弁軸を回転させて弁プラグで弁孔を閉じるとき、弁
プラグが弁座に当たると弁座が弁座押さえ部材との間の
Oリングを圧縮し、弁プラグと弁座との間の密着性を高
め、弁孔を確実に遮断することができる。また、Oリン
グにより、弁座と流路との間の流体の漏れを確実に遮断
することができる。
【0014】請求項5の本発明に係る偏心形回転弁は、
請求項4の偏心形回転弁において、前記弁座は、弁室側
部分を揺動可能に前記流路の内面との間に隙間をあけて
配置されることを特徴とする。
【0015】請求項5の本発明に係る偏心形回転弁で
は、弁プラグが弁孔を閉じるとき、弁プラグが弁座に当
たってOリングを圧縮し、弁座は弁プラグの動きに追従
して流路内の隙間で揺動し、弁孔を確実に遮断すること
ができる。このとき、弁座と流路との間の流体の漏れ
は、Oリングにより遮断される。弁プラグは片持ち状態
で支持され、弁プラグの開閉動作が精度に欠けたとして
も、弁座が弁プラグの動きに追従して動くことにより弁
プラグの微動を吸収し、弁孔を確実に遮断することがで
きる。
【0016】請求項6の本発明に係る偏心形回転弁は、
請求項1,2,3,4または5の偏心形回転弁におい
て、前記流路は直管状に伸び、前記弁軸は前記流路に対
し直交する方向に伸び、前記弁プラグは前記弁孔を開い
たとき前記流路の中心線を通り前記弁軸と平行な平面に
対して一方側に配置され、前記弁室は前記平面の両側の
流量がほぼ同じになるよう前記一方側より他方側が狭く
形成されていることを、特徴とする。
【0017】請求項6の本発明に係る偏心形回転弁で
は、弁プラグが弁孔を開いたとき、流路の中心線を通り
弁軸と平行な平面に対して弁プラグが配置される一方側
と、他方側との流量をほぼ同じに設定してあり、その一
方側より他方側が狭く、弁室は非対称に形成されてい
る。このため、その一方側に合わせて他方側を対称に形
成した場合に比べて、弁室の広がりを小さくし、流体の
拡散を防止して流体を流れやすくすることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づき本発明の実施
例について説明する。図1〜図7は、本発明の実施例を
示している。図1に示すように、偏心形回転弁10は、
弁本体11と、弁軸(伝達軸)12と、弁座(シートリ
ング)13と、弁座押さえ部材(リテーナー)14と、
弁プラグ15と、Oリング16とを有している。偏心形
回転弁10は、流体制御における流量調節弁および開閉
弁に関する様々な弁種類のうち、偏心プラグ形回転弁で
ある。
【0019】弁本体11は、ボンネット17と弁箱(ボ
デー)18とを有している。ボンネット17は、弁箱1
8に対し開閉可能に設けられている。ボンネット17に
は、ガイド(軸受け)17aが固定されている。弁箱1
8は、内部に弁室19と、この弁室19を通る流路20
とを有する。流路20は、弁箱18内で直管状に伸び
る。弁箱18は、両端に取付け用フランジ18aを有す
る。弁軸12は、流路20に対し直交する方向に伸びて
ボンネット17およびガイド17aを貫通している。弁
軸12は、弁本体11の外側で回転操作することができ
る。図2および図3に示すように、弁軸12(図2およ
び図3でその中心軸を示す)は、弁座13の弁孔13a
に対して偏心している。これにより、てこの原理で、流
体を止めるときの締切力を大きくすることができる。弁
軸12は、一端12aが弁室19内に配置される。弁軸
12の一端12aは、弁室19を挟む直管状の流路20
を遮らない位置に配置される。
【0020】弁座13は、流路20の弁室入口に設けら
れる。弁座13は、管状をなし、流路20に沿って弁孔
13aを有する。弁座13は、図2に示すように、弁室
側部分を揺動可能に流路20の内面との間に隙間20a
をあけて配置される。弁座13は、弁室19と反対側の
外周にフランジ13bを有する。フランジ13bは、流
路20の内側に設けられた環状段部20bと係合し、弁
座13の弁室19側への抜け止めとなっている。
【0021】弁座押さえ部材14は、弁座13を挟んで
弁室19と反対側の流路20内で弁箱18に固定され
る。弁座押さえ部材14は、流路20に沿って貫通孔1
4aを有する。Oリング16は、流路20内の弁座押さ
え部材14の端部と弁座13の端部との間に設けられて
いる。Oリング16は、弾性を有し、弁座押さえ部材1
4と弁座13との間の流体のシール性を保つ。なお、O
リング16の代わりに、グランドパッキンを使用しても
よく、流体のシール箇所を金属系の構造にすれば、温度
範囲や使用流体等の使用範囲も拡大される。
【0022】弁プラグ15は、図4に示すように、片持
ちアーム15aにより弁軸12の一端12aに片持ち状
態で取り付けられる。弁軸12は片持ちアーム15aの
取付け箇所に四角面取り部またはスプライン部を有し、
片持ちアーム15aは弁軸12にボルトまたピンで固定
される。弁プラグ15は、弁軸12の回転により弁孔1
3aを開閉可能に弁室19内に設けられる。
【0023】なお、弁プラグ15は、基部15bを弁軸
12に摩擦溶接することにより弁軸12と一体化されて
もよい。これにより部品点数および製造工程数を削減
し、コストダウンを図ることができる。この場合、生産
工程においては、従来のように、弁箱の内部で弁プラグ
と弁軸とを接続する必要はなく、弁プラグ15と弁軸1
2とが一体化したものをボンネット17に取り付け、そ
れを弁箱18と合体させだけで簡単に組立て可能であ
る。
【0024】弁プラグ15は、弁孔13aを開いたとき
流路20の中心線を通り弁軸12と平行な平面21に対
して一方側22aに配置される。このとき、図5(A)
に示すように、弁プラグ15は、弁室19を挟む直管状
の流路20を遮らない位置に配置される。弁室19は、
平面21の両側の流量がほぼ同じになるよう一方側22
aより他方側22bが狭く形成されている。弁箱18が
ボンネット17を開いたときにあける開口18bは、弁
プラグ15を取替可能な大きさである。
【0025】次に作用を説明する。偏心形回転弁10で
は、弁プラグ15が弁孔13aを開いているとき、弁本
体11の流路20の内部を流体、例えば、液体や気体が
流れる。このとき、図3に示すように、流路20の中心
線を通り弁軸12と平行な平面21に対して弁プラグ1
5が配置される一方側22aと、他方側22bとの流量
をほぼ同じに設定してあり、その一方側22aより他方
側22bが狭く、弁室19は非対称に形成されている。
【0026】従来の偏心形回転弁では、図8に示すよう
に、弁プラグ5が弁軸2に取り付けられて弁箱内で回転
し、流量を制御調節するようになっており、弁プラグが
配置される弁室8の一方側8aに合わせて他方側8bが
対称に形成されている。このため、従来の偏心形回転弁
では弁室8が必要以上に広くなっており、弁孔を通過し
た後、流体は弁室8内で拡散してしまい、これが弁容量
(流量係数)Cv値を高めることができない要因の一つ
となっていた。これに対し、偏心形回転弁10は、弁プ
ラグ15が配置される一方側22aより他方側22bが
狭く、弁室19が非対称となっているため、従来の偏心
形回転弁に比べて弁室19の広がりを小さくし、流体の
拡散を防止して流体を流れやすくすることができる。ま
た、図8に示す従来の偏心形回転弁では弁室の下部に軸
芯部9が必要となるが、偏心形回転弁10では弁室19
に軸芯部が不要であり、弁室19の傾斜が緩やかになっ
ている。
【0027】図3に、偏心形回転弁10内の流体の流れ
を矢印で示す。一方側22aの脹らみ部23aでは、開
弁時の弁プラグ15が収まるため、弁プラグ15が流体
の拡散を防ぐ効果を発揮する。他方側22bの脹らみ部
23bに流れ込む流体は少なく、他方側22bではほぼ
直進した流れとなっている。こうして、偏心形回転弁1
0は、流体の拡散を防止して流体を流れやすくする。
【0028】偏心形回転弁10は、図1に示すように、
弁軸12を回転させて弁プラグ15で弁孔13aを閉じ
るとき、流体の流れを止める。弁軸12は弁座13の弁
孔13aに対して偏心しているため、閉弁時にはくさび
効果により弁プラグ15を弁座13に押し付けようとす
る付勢力が作用し、締切性能を向上させることができ
る。また、閉弁時には、弁プラグ15が弁座13に当た
ると弁座13が弁座押さえ部材14との間のOリング1
6を圧縮し、弁プラグ15と弁座13との間の密着性を
高め、弁孔13aを確実に遮断することができる。さら
に、このとき、弁プラグ15は弁座13に当たってOリ
ング16を圧縮し、弁座13は弁プラグ15の動きに追
従して流路20内の隙間20aで揺動し、弁孔13aを
確実に遮断することができる。
【0029】図2に、弁座13の動きを矢印で示す。弁
座13は流路20内でフレキシブルに揺動するため、流
路20の内面との間に隙間20aをあけているが、弁座
13と流路20との間の流体の漏れは、Oリング16に
より確実に遮断される。なお、偏心形回転弁10は、弁
軸12を回転させて弁孔13aを開けば、再び流体を流
すことができる。
【0030】偏心形回転弁10は、弁プラグ15が片持
ち状態で支持されており、図8に示すように流路を横切
る弁軸に取り付けられる場合や、図9に示すように両持
ち状態で支持される場合に比べて、弁プラグ15の開閉
動作が精度に欠けることも考えられる。しかしながら、
偏心形回転弁10では、弁座13が弁プラグ15の動き
に追従して動くことにより弁プラグ15の微動を吸収
し、弁孔13aを確実に遮断することができる。
【0031】弁プラグ15は弁室19内で弁軸12の一
端12aに取り付けられ、片持ち状態で支持される。弁
プラグ15は、図5(A)に示すように、弁軸12が流
路20を遮らない。このため、図8に示す従来の偏心形
回転弁のように弁軸が流路を横切る場合(図5(B)参
照)や、図9に示すように弁プラグ15が2本の弁軸1
2に取り付けられる場合に比べて、弁軸12の流体への
抵抗が減少し、弁軸12が流体の流れを妨げない。これ
により、弁容量Cv値を高め、流量を高めることができ
る。理論的な計算によれば、偏心形回転弁10では、弁
プラグ15を片持ちで支持するとともに、弁室19を前
述のように非対称の形状にすることにより、従来の偏心
形回転弁に比べて、Cv値が1割から2割ほど大きくな
り、流体の制御範囲も伸び、弁性能を向上することがで
きる。
【0032】点検や部品交換の際、図8および図9に示
す従来の偏心形回転弁では、弁箱が1ピースでできてい
るため、配管から取り外さなければ弁箱の内部を点検し
たり弁プラグを取り替えたりすることができなかった。
これに対し、偏心形回転弁10では、配管に取り付けた
ままで、ボンネット17を開き、弁箱18の内部を点検
したり、弁軸12とともに弁本体11の開口から弁プラ
グ15を取り出して取り替えることができ、弁箱18の
内部の点検や弁プラグ15の取替えが容易である。
【0033】また、従来の偏心形回転弁では、高い温度
範囲(0〜500℃程度)で使用するとき、温度の影響
を小さくするため、弁軸が通る弁箱の首部を長くする必
要があり、このため、弁箱の製造には特殊な深孔加工が
必要であった。これに対し、偏心形回転弁10では、弁
軸12が通るボンネット17の貫通孔付近を厚くすれば
よく、深孔加工等の特殊な加工が不要で、一般汎用工作
機械で製造が可能である。また、貫通孔付近が種々の厚
さのボンネット17を準備しておけば、使用する温度範
囲に応じてコストの安いものを用いることができる。
【0034】偏心形回転弁10の効果を見るため、弁開
度に対するCv値を、同じ弁座口径のグローブ弁(球形
弁)と比較して測定した。その結果を図6のグラフに示
す。図6を見ると、偏心形回転弁10では、グローブ弁
に比べて、偏心形回転弁10の弁プラグ15が90°開
いた時は2.5倍、75°開いた時は2.0倍、60°
開いた時は1.5倍の、弁容量Cv値が得られた。ま
た、偏心形回転弁10について、弁角度に対するCv値
を、図8に示す従来の偏心形回転弁と比較して測定し
た。その結果を図7のグラフに示す。図7を見ると、偏
心形回転弁10では、従来の偏心形回転弁に比べて約
1.3倍の弁容量Cv値が得られた。弁容量Cv値が増
加したことにより、偏心形回転弁10は、流量調節弁と
しての流量調節(制御)範囲(最小と最大の弁容量Cv
値の比)が、従来のもので100:1程度であるのに対
し、300:1以上とすることが可能である。
【0035】一般的に調節弁は、流量条件(流量を調節
する範囲)に合わせて、1台ずつ弁種類の選定(バルブ
サイジング)を行っている。それは、弁によって弁容量
Cv値(弁の定格Cv値、と呼ぶ場合もある)がそれぞ
れ決まっているからである。流量が多い条件(流量の調
節する範囲が広い場合)に対し、弁容量Cv値が小さい
弁(流量を調節する範囲が狭い弁)は使えないので、弁
座口径を1サイズ大きくして(弁容量Cv値を大きい弁
にして)流量が多くなるようにして、流体を調節(制
御)できるための弁を選ぶようにしている。
【0036】偏心形回転弁10では、弁容量Cv値が大
きく、流量を調節(制御)できる範囲が広いため、いま
までの弁種類の選定(バルブサイジング)において、流
量が多い条件で弁座口径が1サイズ大きくなってしまう
場合や、調整範囲が広い場合に対し、どの弁種類を選定
するかといった問題に対して、1台で対応が可能とな
る。
【0037】すなわち、偏心形回転弁10は、従来のグ
ローブ弁(球形弁)の2〜3台分の流量範囲に対応で
き、従来の偏芯プラグ形回転弁に対しても、約1.3倍
の弁容量Cv値を有しているので、流量調整(制御)範
囲が広くなっており、弁座口径を1サイズ大きくしなく
て済むものである。その結果、弁種類の選定(バルブサ
イジング)が簡略化でき、製品取扱いにおける弁種類の
選定が簡単になる。
【0038】また、偏心形回転弁10では、弁プラグ1
5が弁軸12と一体化されており、従来の偏心プラグ形
回転弁に比べて部品点数が削減されている。このため、
偏心形回転弁10は、加工・組立・分解が容易な製品と
して実現され、コストダウンが可能となる。
【0039】
【発明の効果】本発明に係る偏心形回転弁によれば、弁
軸の一端が弁室内に配置され、弁プラグが弁軸の一端に
片持ち状態で取り付けられているので、弁軸が流路を横
切る場合や弁プラグが2本の弁軸に取り付けられる場合
に比べて、弁軸が流体の流れを妨げず、弁容量Cv値を
高め、弁性能を向上させることができる。途中にじゃま
物がないため、弁内の流体の流れがスムーズに澱みなく
行われ、粉体でも利用でき、さらに弁内の流体の置換も
短時間で行われ、弁内の置換時間が課題となる超高純度
流体や医薬品、食品の使用にも最適となる。
【0040】特に、請求項2の本発明に係る偏心形回転
弁では、部品点数の削減により、コストダウンを図るこ
とができる。
【0041】特に、請求項3の本発明に係る偏心形回転
弁では、弁軸が貫通するボンネットを開いて弁本体を開
くことができるので、弁本体の開口から弁プラグを取り
出し、弁プラグを容易に取り替えることができる。
【0042】特に、請求項4の本発明に係る偏心形回転
弁では、弁座押さえ部材と弁座との間にOリングが設け
られているので、閉弁時に弁プラグと弁座との間の密着
性を高め、弁孔を確実に遮断するとともに、弁座と流路
との間の流体の漏れを確実に遮断することができる。
【0043】特に、請求項5の本発明に係る偏心形回転
弁では、弁座が弁室側部分を揺動可能なので、閉弁時に
弁座が弁プラグの動きに追従し、弁孔を確実に遮断する
ことができる。
【0044】特に、請求項6の本発明に係る偏心形回転
弁では、開弁時に流路の中心線を通り弁軸と平行な平面
に対して弁プラグが配置される一方側より他方側が狭
く、弁室は非対称に形成されているので、その一方側に
合わせて他方側を対称に形成した場合に比べて、流体の
拡散を防止し、流体を流れやすくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の偏心形回転弁を示す縦断面図
である。
【図2】図1の偏心形回転弁の弁座周辺を示す縦断面図
である。
【図3】図1の偏心形回転弁の流体の流れを示す縦断面
図である。
【図4】図1の偏心形回転弁の弁軸および弁プラグの
(A)側面図、(B)平面図である。
【図5】(A)図1の偏心形回転弁の流路と弁プラグと
の配置関係を示す図、(B)従来の偏心形回転弁の流路
と弁プラグとの配置関係を示す図である。
【図6】図1の偏心形回転弁の弁開度に対する弁容量C
v値を、同じ弁座口径のグローブ弁と比較して示すグラ
フである。
【図7】図1の偏心形回転弁の弁角度に対する弁容量C
v値を、従来の偏心形回転弁と比較して示すグラフであ
る。
【図8】従来の偏心形回転弁を示す縦断面図である。
【図9】他の従来の偏心形回転弁を示す縦断面図であ
る。
【符号の説明】
10 偏心形回転弁 11 弁本体 12 弁軸 13 弁座 14 弁座押さえ部材 15 弁プラグ 16 Oリング 17 ボンネット 18 弁箱 19 弁室 20 流路

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】弁本体と、弁軸と、弁座と、弁プラグとを
    有し、 前記弁本体は、内部に弁室とこの弁室を通る流路とを有
    し、 前記弁軸は、前記流路を横切る方向に伸びて前記弁本体
    の壁面を貫通し、一端が前記弁室内に配置され、 前記弁座は、弁孔を有し、前記流路の弁室入口または弁
    室出口に設けられ、 前記弁プラグは、前記弁軸の一端に片持ち状態で取り付
    けられ、前記弁軸の回転により前記弁孔を開閉可能に前
    記弁室内に設けられることを、 特徴とする偏心形回転弁。
  2. 【請求項2】前記弁軸と前記弁プラグとが一体的に構成
    されることを、特徴とする請求項1記載の偏心形回転
    弁。
  3. 【請求項3】前記弁本体はボンネットと弁箱とを有し、
    前記ボンネットは前記弁軸が貫通する壁面を有して前記
    弁箱に対し開閉可能に設けられ、前記ボンネットを開い
    たとき前記弁本体は前記弁プラグを取替可能な開口をあ
    けることを、特徴とする請求項1記載の偏心形回転弁。
  4. 【請求項4】弁座押さえ部材を有し、前記弁座押さえ部
    材は前記弁座を挟んで前記弁室と反対側の前記流路内で
    前記弁本体に固定され、前記流路に沿って貫通孔を有
    し、前記流路内の前記弁座押さえ部材と前記弁座との間
    にOリングが設けられていることを、特徴とする請求項
    1,2または3記載の偏心形回転弁。
  5. 【請求項5】前記弁座は、弁室側部分を揺動可能に前記
    流路の内面との間に隙間をあけて配置されることを特徴
    とする請求項4記載の偏心形回転弁。
  6. 【請求項6】前記流路は直管状に伸び、前記弁軸は前記
    流路に対し直交する方向に伸び、前記弁プラグは前記弁
    孔を開いたとき前記流路の中心線を通り前記弁軸と平行
    な平面に対して一方側に配置され、前記弁室は前記平面
    の両側の流量がほぼ同じになるよう前記一方側より他方
    側が狭く形成されていることを、特徴とする請求項1,
    2,3,4または5記載の偏心形回転弁。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006243932A (ja) * 2005-03-01 2006-09-14 Ideal Star Inc コントロール弁及びこのコントロール弁を備えた配管ユニット
JP2010031707A (ja) * 2008-07-28 2010-02-12 Maruyasu Industries Co Ltd 排気ガス再循環装置

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JP2006243932A (ja) * 2005-03-01 2006-09-14 Ideal Star Inc コントロール弁及びこのコントロール弁を備えた配管ユニット
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