JPH11115208A - 画像記録装置 - Google Patents

画像記録装置

Info

Publication number
JPH11115208A
JPH11115208A JP28190197A JP28190197A JPH11115208A JP H11115208 A JPH11115208 A JP H11115208A JP 28190197 A JP28190197 A JP 28190197A JP 28190197 A JP28190197 A JP 28190197A JP H11115208 A JPH11115208 A JP H11115208A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ink
image
recording medium
recording apparatus
acting force
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP28190197A
Other languages
English (en)
Inventor
Yasuhiro Uehara
康博 上原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Xerox Co Ltd filed Critical Fuji Xerox Co Ltd
Priority to JP28190197A priority Critical patent/JPH11115208A/ja
Publication of JPH11115208A publication Critical patent/JPH11115208A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Ink Jet (AREA)
  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 信頼性が高くかつ高記録密度でインク画像を
記録することのできる画像記録装置を提供することを目
的とする。 【解決手段】 インク自由表面2aを有するインクプー
ル2が形成されるとともに、インクプール2の底部にイ
ンク滴1ドットに対応する開口部4aを有するインク流
通路4が複数形成されてなるインク保持体1と、画像信
号に応じてインク流通路4内のインクに作用力を及ぼし
インク流通路4内のインクを開口部4aから押し出して
インク自由表面2aからインク液柱を突出させる発熱抵
抗体3と、中間転写ベルト10を、インク自由表面2a
に対向した位置を経由する搬送経路に沿って矢印C方向
に搬送する張架ロール13,13、転写ロール15とを
備えた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、記録媒体上にイン
ク滴の集合からなるインク画像を記録する画像記録装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】微小なインク滴を記録用紙などの記録媒
体に向けて飛翔させることにより、画像記録を行なうイ
ンクジェット記録法は騒音の発生が少ないこと、高速記
録が可能であること、カラー画像への対応も可能である
ことなどの理由から極めて有用な画像記録法であると考
えられている。
【0003】これまでのインクジェット記録法の研究開
発は、画像の高画質化、インクノズルの目詰まり防止な
どの信頼性の向上、および記録速度の向上などの課題の
解決に多くの努力が続けられている。画像の高画質化に
関しては、微小なインク滴を形成するために微細なイン
クノズルを採用して解像度を高めることにより高画質化
が進められ、また、記録速度の向上に関しては、マルチ
ノズルを採用することにより高速化が図られているが、
インクノズルの微細化が進むにつれてインクノズルの目
詰まりなどの信頼性の問題がネックとなり、画像の高画
質化および記録速度の向上をさらに進めることが次第に
困難となりつつある。
【0004】インクジェット記録法は、インクの保持方
式によって2つの方式に大別することができる。第1の
方式は一般的に広く採用されている方式であり、画素毎
の噴射オリフィスを有するインクノズルが用いられ、イ
ンクノズル内部に保持されたインクが画像信号に応じて
オリフィスより吐出されインク滴に分断されて飛翔す
る、いわゆるインクノズル方式と呼ばれている方式であ
る。このインクノズル方式はインク滴の形成が比較的容
易であるため、数多くの飛翔原理が提案されている。し
かし、いずれの飛翔原理においても、インクは微細なイ
ンクノズルの内部に保持されているためインクが乾燥す
るなどの原因でインクノズルの目詰まりが発生しやすい
という大きな問題点を有している。特に、この目詰まり
の問題は、インクノズルを高密度に多数並べた、いわゆ
るマルチノズルを採用した画像記録装置の場合、インク
ノズルの数の増加に比例して目詰まりの確率が大きくな
り、高速化を困難ならしめる原因となっている。この問
題を解決するために、例えば、オリフィスに乾燥防止用
のキャップを設けたり、乾燥しにくいインクを用いたり
するなどの対策がとられているが、未だ十分な対策とは
成り得ていないのが現状である。
【0005】第2の方式は、インクノズルを用いない、
いわゆるノズルレス方式であり、インク吐出面が画素毎
に分かれてはおらず、インクはスリット状の長尺の開放
面、または二次元の広がりをもった広い開放面、すなわ
ちインク自由表面として形成されており、画像信号を受
けるとインクは周囲のインクの表面張力の抑制力に抗し
てインク自由表面の任意の位置から垂直方向に吐出さ
れ、インク滴に分断されて記録媒体に向かって飛翔す
る。
【0006】このノズルレス方式の場合は、スリット状
の、あるいは二次元の広がりをもったインク自由表面か
らインクを吐出、飛翔させるので、基本的に目詰まりの
問題は存在せず、また、記録媒体の幅と同じ長さを持つ
記録ヘッド、いわゆるライン記録ヘッドを低コストで容
易に製作することができ、高速記録も可能であるなど将
来有望な方式であると考えられている。
【0007】ノズルレス方式のインク滴の形成原理とし
ては、例えば、特開昭56−37163号公報には、平
行に並んだ2つの平面電極アレイの間に形成されたスリ
ット状のインクプールにインクを満たしておき、インク
液面の上方に位置する記録媒体を挟んで平面電極アレイ
に対向する電極を配置し、その電極と平面電極アレイと
の間に形成される電界パターンに応じた静電的引力を利
用してインクプールのインクを記録媒体に向けて飛翔さ
せる、いわゆる平面インクジェット記録方法が開示され
ている。
【0008】そのほかに、米国特許第4,308,54
7号明細書に開示されている「液滴放出器」や米国特許
第4751530号明細書に開示されている「インク印
刷用音響レンズアレイ」などがある。これらはトランス
デューサとして超音波素子を用いて超音波を発生させ、
それを収束音響ビームとしてインク自由表面に放射する
ことによりインクを自由表面から隆起させてインク滴を
形成し飛翔させる方式である。
【0009】これらのノズルレス方式におけるインク飛
翔のプロセスを詳細に観察すると、(1)インク自由表
面に作用力が印加され、(2)インク自由表面が隆起
し、(3)インク液柱が形成され、(4)インク液柱が
臨界飛翔位置まで成長し、(5)インク液柱が分断さ
れ、(6)インク滴が形成され、(7)インク滴が飛翔
するという7つのステップからなっていることがわか
る。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかし、インク自由表
面からインク滴を飛翔させるノズルレス方式には次のよ
うな問題点があるため、いまだに実用化されていないの
が現状である。先ず、第1の問題点は、形成されるイン
ク滴の径がインクノズル方式より大きくなり、画像の解
像度が低下してしまう点である。インクノズル方式では
インクノズルを微細化することによりインク滴を微小化
することが可能であるが、ノズルレス方式にはそのよう
な方策がない。ノズルレス方式ではインク自由表面近傍
のインクが集合してインク液柱の隆起が起こるため、必
然的にインク滴は大きくなってしまう。たとえ作用力発
生源の作用面の面積を小さくしてもインク滴を微小化す
ることは難しい。
【0011】第2の問題点は、インク滴の形成のために
必要なエネルギが大きいという点である。実際にインク
に作用力を印加してインク自由表面からインク滴を飛翔
させるには、インクノズル方式の場合の数倍以上の大き
なエネルギを必要とする。そのため、ノズルレス方式の
作用力発生源は大きくなってしまい、作用力発生源を高
密度に配列することが困難である。これに対し、インク
ノズル方式ではインクは細長いインク液柱としてインク
ノズル内に存在しているので、小さいエネルギでインク
液柱を押し出すことができ、インク滴を容易に飛翔させ
ることが可能である。インクノズル方式で作用力発生源
を高密度に配列するために、作用力発生源を千鳥格子状
の配列パターンで配列するという方法もあるが、画像記
録装置そのものが大型化するという新たな問題を生じ
る。
【0012】第3の問題点は、インク自由表面からのイ
ンク滴の発生周波数がインクノズル方式に比較して数分
の一以下になってしまうという点である。これはインク
ノズル方式の場合には不要であった上記(2)項の「イ
ンク自由表面の隆起のプロセス」のためであり、このプ
ロセスの分だけインク滴の発生周波数が低下するので、
高い記録速度を得ることが難しい。
【0013】第4の問題点は、インク滴の飛翔方向がば
らつきやすいという点である。この方式では方向性を持
ったインクノズルが存在しないため、インク自由表面か
らのインク滴の飛翔方向が定まらず不安定になりやす
い。特に、近接した位置に配置された複数の作用力発生
源からインク自由表面に対して同時に作用力が印加され
た場合には、インク自由表面が変動して飛翔方向が大き
くずれてしまい、画質劣化を引き起こすという問題があ
る。特に、静電的引力を利用した、例えば前述の平面イ
ンクジェット記録方法では、インク自由表面と記録媒体
間の静電気力によって長い曳糸状のインクを形成する必
要があるため、インク滴の発生周波数が大幅に低下して
しまうという問題がある。また、曳糸状のインクを長く
成長させること自体が難しく、しかもその成長の方向が
不安定で画質劣化を引き起こしやすいという基本的な問
題も解決されていない。さらに、この平面インクジェッ
ト記録方法では、インクを曳糸の状態で記録する方法で
あるため、記録媒体に記録されるインク画像の径をイン
ク滴に分断した状態で記録する場合よりも小さくするこ
とが難しい。また、この曳糸状のインクを引き出す方式
では、インクが粗大粒子状、曳糸状、微粒子状、霧状と
いうように種々の状態に微妙に変化する。さらにインク
プール外部から作用力を印加していることにより、外部
環境のわずかな変化でインクの曳糸状態が変化するた
め、画像記録の安定性に欠けるという問題がある。
【0014】また、超音波をインク自由表面に放射する
ことによってインクを自由表面から隆起させてインク滴
を形成し飛翔させる方法では、作用力発生源が大きくな
り、かつインク滴形成エネルギが大きいために作用力発
生源を高密度で配列することが困難であり、高記録密度
化と記録装置の小型化の上で限界がある。本発明は、上
記の事情に鑑み、信頼性が高くかつ高記録密度でインク
画像を記録することのできる画像記録装置を提供するこ
とを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成する本
発明の画像記録装置は、記録媒体上にインク滴の集合か
らなるインク画像を記録する画像記録装置において、イ
ンク自由表面を有するインクプールが形成されるととも
に、インクプールの、インク自由表面に対する底部に連
通する、底部にインク滴1ドットに対応する開口部を有
するインク流通路が複数形成されてなるインク保持体
と、画像信号に応じて上記インク流通路内のインクに作
用力を及ぼしインク流通路内のインクを上記開口部から
押し出して上記インク自由表面からインク液柱を突出さ
せる作用力発生源と、所定の記録媒体を、上記インク自
由表面に対向した位置を経由する搬送経路に沿って搬送
する記録媒体搬送手段とを備えたことを特徴とする。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明の実施形態の説明に先立
ち、本発明の画像記録装置の記録原理、および従来の方
式との相違点について図面を参照して説明する。図1
は、本発明の画像記録装置の記録原理の説明図である。
図1(a)には、インクIが貯溜されインク自由表面2
aを有するインクプール2と、インク自由表面2aに対
する底部に連通し底部にインク滴1ドットに対応する開
口部4aを有するインク流通路4と、画像信号に応じて
インク流通路4内のインクを開口部4aから押し出して
インク自由表面2aからインク液柱を突出させる作用力
発生源3と、インク自由表面2aに対向した位置にある
記録媒体Mとが示されている。
【0017】作用力発生源3によりインク流通路4内の
インクに作用力を加えると、図1(b)に示すように、
インク流通路4内のインクが開口部4aから押し出さ
れ、インク自由表面2aからインクが突出し始める。作
用力発生源3の作用力の増加に従い、図1(c)に示す
ように、突出したインクがインク液柱9aを形成し、図
1(d)に示すように、インク液柱9aはさらに成長を
続け、図1(e)に示すように、インク液柱9aの先端
部がインク自由表面2aの上方にある記録媒体Mに接触
する。この時点で作用力発生源3による作用力の発生を
停止させると記録媒体Mに接触した先端部の少量のイン
クがインク液柱9aの本体部から分断されて記録媒体M
に付着し、図1(f)に示すように、記録媒体Mにイン
ク画像9dが記録される。インク液柱9aの先端部と分
断したインク液柱9aの本体部のインクはインクプール
2内に戻る。
【0018】図2は、従来の方式の記録原理(a)と本
発明の画像記録装置の記録原理(b,c)との比較図で
ある。図2(a)に示すように、従来の方式では、イン
クノズル17内のインクIに強い作用力を加えてインク
液柱9aを十分に成長させることにより、インク液柱9
aの先端部がくびれてインク液柱9aの本体部分から分
断され、先端部がインク滴9bとなって記録媒体Mに向
かって飛翔していき、記録媒体M上にインク画像9cが
記録される。
【0019】これに対して、本発明の画像記録装置で
は、図2(b)に示すように、インク液柱9aの先端部
が記録媒体Mに接触する程度の作用力を印加することに
よりインク液柱9aが記録媒体Mに向けて押し出され
る。図2(c)に示すように、押し出されたインク液柱
9aの先端部が記録媒体Mにちょうど到達した時に作用
力を停止させることによりインクプールに戻ろうとする
インク液柱9aの本体部分と、記録媒体Mに付着した極
く少量のインクとが互いに引きちぎられるように分断さ
れて記録媒体Mにインク画像9dが記録される。すなわ
ち、本発明の画像記録装置では、インク液柱9aの先端
部が記録媒体Mと接触した際の濡れによって行われる。
従って、インク液柱9aからインク滴を分断させて記録
媒体Mに向けて飛翔させるような強いエネルギの作用力
を用いない点が従来の方式とは異なっている。
【0020】そのため、作用力の大きさを従来の方式よ
りも大幅に低減することが可能となり、作用力発生源の
小型化、および記録画像の高密度化を図ることができ
る。また、大きい作用力によってインク液柱9aを分断
する必要がないので、インク液柱9aを成長させる長さ
は、インク液柱9aがインク液柱9aから分断されてイ
ンク画像9b(図2(a)参照)が形成される臨界飛翔
長さ以内の長さでよい。つまり、前述のノズルレス方式
におけるインク飛翔プロセスの7ステップのうち第4〜
第7ステップ、すなわち、インク液柱が臨界飛翔長さま
で成長し、インク液柱が分断され、インク滴が形成さ
れ、インク滴が飛翔するという一連のステップを省略す
ることが可能となり、インク滴の形成速度を上昇させる
ことができる。
【0021】また、本発明の画像記録装置では、インク
滴を飛翔させる必要がないので、図2(b)におけるイ
ンク自由表面2aから記録媒体Mまでの距離L2は、図
2(a)におけるインクノズル17先端から記録媒体M
までの距離L1よりも短くなり、画像記録装置を小型化
することができる。また、本発明の画像記録装置では、
インク画像の形成がインク液柱の先端部の、記録媒体を
濡らした分のインクだけで行われるため、記録されるイ
ンク画像9dの径を従来の方式に比べて大幅に小さくす
ることが可能となる。これに対して、従来の方式では大
きい作用力の印加によってインク液柱を十分成長させ
て、インク液柱の途中のくびれた部分から先をインク画
像9b(図2(a)参照)として飛翔させるため、イン
ク画像9bはほぼ一定の体積となりインク画像9cの径
を小さくすることは難しい。
【0022】さらに、従来の方式においては、インクノ
ズル17先端から記録媒体Mまでの距離L1(図2
(a)参照)が長いため、インク滴9bの飛翔方向のわ
ずかなずれにより記録媒体M上の実際の着弾位置が大き
くずれてしまい画質劣化を引き起こしやすく、また、前
述の静電誘引力を利用したインクジェット記録方式にお
いても、近接した位置で同時に作用力を印加した場合
に、作用力が互いに影響しあってインクの飛翔方向がず
れるという問題がある。これに対して、本発明の画像記
録装置では、インク自由表面2aと記録媒体Mとの距離
L2は臨界飛翔長さ以内であるため、インク液柱9aの
成長方向がインク自由表面2aに対する垂線方向から多
少ずれたとしても、記録媒体M上に記録されるインク画
像9dの位置ずれはわずかであり画質にはほとんど影響
しない。
【0023】本発明の画像記録装置において、インク自
由表面からインクを押し出してインク液柱を突出させる
ための作用力発生源としては、従来実用化されているイ
ンクノズル式またはノズルレス式のオンデマンド方式に
よるインクジェット記録法で用いられている作用力発生
源のうちから所望の方式のものを選んで用いることがで
きる。それらのうちでも、特に次の3つの方式の作用力
発生源が本発明のインク画像記録方式に適している。
【0024】第1の方式は、発熱抵抗体を急激に加熱す
ることによって生じるインク沸騰圧力により作用力を発
生する方式である。この方式では、作用力発生源を高密
度で配置することが可能であり、しかも高速にインクの
気泡の生成と消滅を繰り返すことができるため、小型か
つ高密度で高速な作用力発生源を実現することができ
る。
【0025】第2の方式は、圧電素子を用いる方法であ
る。すなわち、インクプール内に、一部が可撓性の壁で
形成されたインク加圧室を設け、このインク加圧室の可
撓性の壁に圧電素子を固定し、この圧電素子に電圧を印
加することによって生ずる圧電素子の変形を可撓性の壁
の変位を介してインク加圧室内のインク圧力変化に変換
することよりインク自由表面からインク液柱を突出させ
る方式である。
【0026】第3の方式は、第1の方式と同様に熱エネ
ルギを利用する方式であるが、インクを直接加熱する代
わりに、インク流通路の開口部から離れた部分に、空気
が封入されてなる空気溜まりを設け、空気溜まり内の空
気を加熱する加熱手段により生じる空気の熱膨張により
作用力を発生する方式である。この方式は第1および第
2の方式に比べ、インク液柱の形成周波数の点では劣る
が、加熱手段が直接インクを加熱するものではないた
め、加熱されたインクが乾燥固化するなどのトラブルを
ひき起こす恐れがない。また、この方式は、画素密度に
対応させて作用力発生源を一列に配列することが可能で
あるという利点もある。さらに、作用力発生源に印加す
るエネルギ量を変化させることにより、インク液柱の長
さを変化させて記録媒体上に記録されるインク画像の径
の大きさを自在にコントロールすることができるとい
う、他の2方式にない利点を有しており、これにより自
在な画像濃度変調を行うことができる。
【0027】図3は、作用力発生源への印加エネルギ量
を変化させることにより記録媒体上に記録されるインク
画像の径の大きさがコントロールされる様子を示す図で
ある。図3(a)に示すように、エネルギ量の小さい作
用力FをインクIに加えることにより、インク液柱9a
の長さを、先端部が記録媒体Mに僅かに届く程度に短く
成長させることにより、図3(b)に示すように、記録
媒体M上に記録されるインク画像9dの径を小さくする
ことができる。一方、図3(c)に示すように、エネル
ギ量の大きい作用力F’をインクIに加えることによ
り、インク液柱9a’の長さを長く成長させることによ
り、図3(d)に示すように、記録媒体M上に記録され
るインク画像9d’の径を大きくすることができる。
【0028】本発明の画像記録装置では、インク画像が
記録される記録媒体は、最終的な記録媒体としての記録
用紙でも、インク画像が一時的に記録されその一時的に
記録されたインク画像の搬送を担う中間記録媒体でもよ
いが、記録媒体として中間記録媒体を用いた場合は、中
間記録媒体上にインク画像を形成した後に中間記録媒体
に記録されたインク画像を所定の記録用紙に転写する工
程が必要である。
【0029】なお、中間記録媒体としては、無端の中間
転写ベルトまたは中間転写ロールのいずれを用いてもよ
い。本発明の画像記録装置において記録媒体上に記録さ
れるインク画像の径の大きさは、記録媒体の表面材質お
よびインクの濡れ性の影響を受ける。濡れ性の指標とし
てインクの接触角を採用した場合は、接触角の大きいも
のほど記録媒体上に記録されるインク画像の径は小さく
なる。
【0030】従来のインクジェット記録法では小径のイ
ンク画像を記録するにはインクノズル径の小さなものを
必要とするが、本発明においては記録媒体の表面材料と
してインクに対する撥水性の高い材料を用いた場合に
は、たとえ径の太いインク液柱の先端部が記録媒体表面
に接触しても記録媒体上には小径のインク画像を記録す
ることが可能である。これは、インクが記録媒体に濡れ
にくい場合は、インク液柱の分断が記録媒体の表面近く
で起こるためである。このように本発明においては、イ
ンクと記録媒体の濡れ性を調整することにより記録媒体
上に記録されるインク画像の径を自在にコントロールす
ることができる。しかし、接触角がある値より大きくな
るとインクが記録媒体を濡らすことができなくなり、記
録媒体上にインク滴が形成されなくなる。また、逆に接
触角が小さ過ぎる場合は記録媒体とインク自由表面との
中央部付近でインク液柱の分断が起きるようになり、記
録媒体上には大径のインク画像が記録される。
【0031】次に、本発明の実施形態について説明す
る。図4は、本発明の画像記録装置の第1の実施形態の
概略構成図であり、図5は、図4に示す画像記録装置に
備えられた発熱抵抗体の概略構成図であり、図6は、図
4に示す画像記録装置に備えられた中間転写ベルトの断
面構造を示す図である。
【0032】図4に示す画像記録装置には、インク自由
表面2aを有するインクプール2が形成されるととも
に、インク自由表面2aに対する底部に連通する、その
底部にインク滴1ドットに対応する開口部4aを有する
インク流通路4が複数形成されてなるインク保持体1
と、画像信号に応じてインク流通路4内のインクに作用
力を及ぼしインク流通路4内のインクを開口部4aから
押し出してインク自由表面2aからインク液柱を突出さ
せる発熱抵抗体3と、中間転写ベルト10を、インク自
由表面2aに対向した位置を経由する搬送経路に沿って
矢印C方向に搬送する張架ロール13,13、転写ロー
ル15とが備えられている。本実施形態においては中間
転写ベルト10の搬送速度は40mm/secに設定さ
れている。2本の張架ロール13,13の中間の、イン
クプール2のインク流通路4と対向する位置には固定プ
ラテン14が配置されており、中間転写ベルト10の表
面10aとインク自由表面2aとの間隔を120μmに
規制している。
【0033】この画像記録装置における発熱抵抗体3
は、本発明にいう作用力発生源に相当するものである。
また、この画像記録装置における中間転写ベルト10
は、本発明にいう記録媒体に相当し、張架ロール13,
13および転写ロール15は、本発明にいう記録媒体搬
送手段に相当するものである。
【0034】また、この画像記録装置には、中間転写ベ
ルト10と接触しながら矢印A方向に回転する転写ロー
ル15、中間転写ベルト10と記録用紙Pを挟んで転写
ロール15と互いに押圧し合いながら矢印B方向に回転
する加圧ロール16が備えられているが、この転写ロー
ル15および加圧ロール16は、本発明にいう転写手段
に相当するものである。
【0035】さらに、この画像記録装置には、発熱抵抗
体3に画像信号に応じた電流を供給して作用力を制御す
る画像制御装置7、および、中間転写ベルト10の裏面
10b側に接して配備され中間転写ベルト表面10aに
記録されたインク画像9dを加熱するインク画像加熱装
置18が備えられている。インクプール2は、ステンレ
スの底壁5および側壁6から形成され、その内側にイン
ク自由表面2aが形成されている。側壁6には図示しな
いインクタンクからインクを供給するためのインク供給
管8が接続されており、インクプール2内のインク自由
表面2aがインクプール2の底壁5から400μmの高
さに常に保たれているようにインク供給管8からインク
が供給されている。
【0036】インクプール2に収容されるインクとして
は、粘度2cps、表面張力50dyne/cm、水を
主剤とし、これにエタノール、界面活性剤、湿潤剤およ
び染料を溶融させて調製した水性インクが用いられる。
インクプールの底壁5には、画素密度毎に開孔された直
径60μmの開口部4aが一列に並んで形成されてお
り、それら開口部4aから深さ50μmのインク流通路
4が下方に延びて形成されている。インク流通路4の下
端である底壁5の下面5aには発熱抵抗体3が接合され
ている。
【0037】図5に示すように、発熱抵抗体3は、アル
ミナ製の発熱体基板3_1と、その上に形成されたSi
2 の蓄熱層上にTa2 N からなる長さ450μm、
幅40μmの、スパッタリングにより積層形成された発
熱抵抗体層3_2と、発熱抵抗体層3_2上に蒸着され
たアルミニウムの電極層3_3と、電極層3_3の上に
被覆されたSiO2 からなる防水保護層3_4とからな
る。電極層3_3は、発熱抵抗体層3_2表面のうち
の、開口部4aの直下に対応する部分以外の部分に所定
のパターンで選択エッチングすることにより一対の通電
用電極3_3a,3_3bとして形成されている。通電
用電極3_3a,3_3bには画像信号に応じた電流を
供給する画像制御装置7が接続されており、発熱抵抗体
層3_2は、通電用電極3_3a,3_3bから通電さ
れた電流で加熱されて沸騰現象を起こして直上のインク
流通路4内にあるインクに瞬間的に高圧の気泡を発生さ
せる。この気泡発生によりインク流通路4内を満たすイ
ンクには上方に向かう強いエネルギが加えられる。
【0038】図6に示すように、中間転写ベルト10
は、厚さ50μmのポリイミドの基材10_1と、その
表面に撥水材料として被覆された厚さ25μm、ゴム硬
度20度(JISAスプリングゴム硬度計による)のシ
リコーンゴム層10_2とからなる。次に、この画像記
録装置の動作について図4および図5を参照しながら説
明する。
【0039】記録すべき画像信号として周波数100H
z、電圧10V、印加パルス幅8μsecの制御信号
が、画像制御装置7から発熱抵抗体3の通電用電極3_
3a,3_3bに印加されると、発熱抵抗体層3_2が
発熱しインク流通路4内の発熱抵抗体3表面近傍のイン
クが沸騰して高圧の気泡を発生させる。発生した気泡は
インク流通路4内のインクを開口部4aから上方に押し
出すことによりインク自由表面2aからインク液柱が突
出する。
【0040】突出したインク液柱の先端部がインク自由
表面2aから120μm離れた中間転写ベルト10表面
10aに接触した時点で通電用電極3_3a,3_3b
への電圧印加を停止すると、発熱抵抗体層3_2の温度
は降下し始め気泡の収縮が始まり、インク液柱は急激に
インク流通路4内に引き戻され、中間転写ベルトの表面
10aに接触した少量のインクだけがインク液柱の本体
部から分断して中間転写ベルトの表面10aに付着して
インク画像9dが記録される。それ以外のインク液柱は
インクプール2内に戻る。
【0041】このように、本実施形態の画像記録装置で
は、作用力発生源である発熱抵抗体3が、作用力により
形成されたインク液柱がインクプール2に連続している
状態で、インク液柱の先端が、インク自由表面2aに対
向した位置を通過中の中間転写ベルト10に接触し、次
いでその作用力が停止することによりインク液柱をイン
クプール内に戻すように作用力を制御している。
【0042】中間転写ベルト表面10aに形成されたイ
ンク滴9dは、中間転写ベルト10とともに矢印C方向
に移動し、中間転写ベルト裏面10bに接触して配備さ
れたインク画像加熱装置18により中間転写ベルト10
を介して加熱された後、転写ロール15と加圧ロール1
6とのニップ部Nに搬送される。インク滴9dがニップ
部Nに到達するタイミングに合わせて矢印D方向に向け
て記録用紙Pがニップ部Nに供給され、ニップ部Nにお
いて中間転写ベルト10上のインク滴9dは記録用紙P
に転写される。このようにして記録用紙P上には画像信
号に基づく直径30μmのインクドット9eが形成され
る。
【0043】本発明の画像記録装置において、インク画
像加熱装置18は必ずしも備えなければならないもので
はないが、次の理由により、高速記録の場合はインク画
像加熱装置を備えることが好ましい。すなわち、図4に
示す画像記録装置において、記録用紙Pの種類によって
は転写後の記録用紙P上のインクが十分に乾燥しないう
ちに次の記録用紙と重ねられた場合、記録用紙の裏面に
インクが転移するという問題を起こすことがある。ま
た、図4に示すような画像記録装置が、例えば、シア
ン、マゼンタ、イエロー、黒用として4セット組み合わ
されてカラー画像記録装置として構成されている場合、
記録用紙P上に転写されたインク画像が乾燥していない
うちに次の色のインク画像が転写されると色が混ざり合
ってしまうという問題もある。
【0044】そこで、本発明の画像記録装置において
は、記録媒体として中間記録媒体を用いた場合に、中間
記録媒体に記録されたインク画像を、転写装置による記
録用紙への転写に先立ってあるいは転写と同時に加熱す
るインク画像加熱装置を備えることが好ましい。図7
は、第1の実施形態に備えられるインク画像加熱装置の
断面図である。
【0045】図7に示すように、このインク画像加熱装
置18は、中心に中間転写ベルト10の幅方向に延び
た、中間転写ベルト10の幅とほぼ等しい長さLを有す
る帯状の発熱体18_1と、発熱体18_1の表裏両面
に重ねて形成された耐熱性基板18_2,18_2と、
これら発熱体18_1および耐熱性基板18_2,18
_2の長手方向の両端に形成された一対の通電用電極1
8_3,18_3とからなる。発熱体18_1の材料と
しては、Ta2 N、ニクロム、RuO2 、Ag/Pdな
どの抵抗体を用いることができる。耐熱性基板18_2
の材料としては、アルミナや耐熱ガラスなどのセラミッ
クスを用いることができる。通電用電極18_3の材料
としては、Ag,Au,Cuなどの金属材料を用いるこ
とができる。
【0046】中間転写ベルト10を毎秒40mm/sの
速度で搬送させ、インク画像加熱装置18の発熱体18
_1の温度を150℃に制御することにより中間転写ベ
ルト10の表面温度は130℃に維持される。こうする
ことにより、中間転写ベルト10上のインク画像9dは
加熱されインク中の水分が蒸発してインク画像9dは乾
燥する。このように、転写工程に先立ってインク画像9
dを加熱することにより、転写後の記録用紙上に、にじ
みのない高画質記録を得ることができる。
【0047】インク画像加熱装置は、本実施形態のよう
に中間転写ベルトに接触させて熱伝導で加熱するインク
画像加熱装置以外に、インク画像が記録されている中間
記録媒体の表面側からインク画像と非接触で加熱する方
式としてもよい。その場合は、インク画像加熱装置と中
間記録媒体との距離を1.0mm以下、望ましくは0.
5mm以下とし、インク画像加熱装置の発熱体の温度を
300℃として1秒間加熱することにより、中間記録媒
体上のインク画像の温度を130℃まで上昇させること
ができる。なお、中間記録媒体として中間転写ロールを
用いた場合は、中間転写ロールの外側から、中間転写ロ
ール表面に近接させて配置した発熱体により非接触で加
熱するように構成してもよい。その場合のインク画像の
加熱は輻射および対流により行われる。
【0048】次に、第1の実施形態の画像記録装置を用
いてインク画像記録を行った場合の記録媒体上に記録さ
れたインク画像径の測定結果について説明する。
【0049】
【表1】
【0050】表1に、インクと記録媒体との接触角を1
50度から0度まで変化させるとともに記録媒体の表面
材料を変えた時の記録媒体上に記録されたインク画像径
の大きさを示す。表1に示すように、接触角は140度
以下でなければ記録媒体上にインク画像を記録すること
ができない。インク画像径は接触角140度で最小値を
示し接触角が減少するとともにインク画像径は大きくな
っている。接触角が60度未満の場合は記録媒体上にイ
ンク画像を記録することはできても、そのインク画像を
記録媒体から記録用紙に転写することができない。
【0051】
【表2】
【0052】表2には、画像制御装置から発熱抵抗体へ
の印加パルス幅を変えた時の記録媒体上に記録されたイ
ンク画像径の大きさを示す。表2に示すように、印加パ
ルス幅を小さくする方がインク画像径を小さくすること
ができる。表1,2に示すように、接触角および印加パ
ルス幅を変えることによりインク画像径を自在にコント
ロールすることができ、従来のオンデマンドインク画像
記録技術では困難であった径10μm程度のインク画像
を記録することができる。
【0053】このように、本実施形態の画像記録装置で
は、作用力発生源が画像信号に基づきインクへの作用力
の強さを変化させることによって記録媒体に付着するイ
ンク量を変化させることができる。次に、本発明の画像
記録装置の第2の実施形態について説明する。図8は、
本発明の第2の実施形態を示す概略構成図である。
【0054】図8には、インク自由表面22aを有する
インクプール22が形成されるとともに、インク自由表
面22aに対する底部に連通する、その底部にインク滴
1ドットに対応する開口部24aを有するインク流通路
24が複数形成されてなるインク保持体21と、画像信
号に応じてインク流通路24内のインクに作用力を及ぼ
しインク流通路24内のインクを開口部24aから押し
出してインク自由表面22aからインク液柱を突出させ
る圧電素子23と、圧電素子23に画像信号に基づく電
流を供給して作用力を制御する画像制御装置27とが示
されている。
【0055】インクプール22はステンレスの底壁25
および側壁26からなり、底壁25には、深さ150μ
m、直径60μmの貫通孔が開口しておりインク流通路
24を形成している。インク流通路24の下部は下方に
開いた円錐状に形成されており、この円錐状の部分がイ
ンク加圧室24bを形成している。この画像記録装置の
インク保持体21以外の部分は、図4に示した第1の実
施形態と同様であるので説明は省略する。
【0056】次に、この画像記録装置の動作について説
明する。記録すべき画像信号として100V、100H
Zの駆動電圧が画像制御装置27から圧電素子23に印
加されると圧電素子23に歪みが発生し、圧電素子23
をわん曲させる。それによってインク加圧室24bの容
積が増加と減少を繰り返し、その振動による圧力波がイ
ンク加圧室24bを介してインク流通路24に伝播さ
れ、インク自由表面22aからインク液柱を突出させ
る。インク液柱の先端部は記録媒体(図子せず)の表面
に接触し記録媒体上に直径20μmのインク画像が記録
される。
【0057】なお、この画像記録装置における圧電素子
23は、本発明にいう作用力発生源に相当するものであ
る。次に、本発明の画像記録装置の第3の実施形態につ
いて説明する。図9は、本発明の第3の実施形態を示す
概略構成図である。図9には、インク自由表面32aを
有するインクプール32が形成されるとともに、インク
自由表面32aに対する底部に連通する、その底部にイ
ンク滴1ドットに対応する開口部34aを有するインク
流通路34が複数形成されてなるインク保持体31と、
画像信号に応じてインク流通路34内のインクに作用力
を及ぼしインク流通路34内のインクを開口部34aか
ら押し出してインク自由表面32aからインク液柱を突
出させる発熱抵抗体33と、発熱抵抗体33に画像信号
に基づく電流を供給して作用力を制御する画像制御装置
37とが示されている。
【0058】本実施形態の発熱抵抗体33は、本発明に
いう作用力発生源に相当するものである。この発熱抵抗
体33は、いわゆるAPJ(Air Pulse Je
t:空気パルスジェット)方式の作用力発生源であり、
インク流通路34の開口部34aから離れた部分に形成
された空気溜め34b内に封入された空気を瞬間的に加
熱して熱膨張させ高圧の空気をインク流通路34の開口
部34aから噴出させてインク自由表面32aからイン
ク液柱を突出させる。インクプール32はステンレスの
底壁35および側壁36から形成されている。底壁35
は上部底板35aおよび下部底板35bからなり、上部
底板35aには、直径60μm、深さ200μmのイン
ク流通路34が形成されている。上部底板35aの下面
には下部底板35bが接合されており、下部底板35b
の下面には発熱抵抗体33が接合されている。下部底板
35bと発熱抵抗体33によって囲まれた深さ100μ
m、長さ300μm、幅100μmの断面直方形の空間
は空気溜まり34bを形成しており、一定量の空気が空
気溜まり34b内に封入されている。空気溜まり34b
はインク流通路34に連通しており、この空気溜まり3
4bの上下方向の中心軸はインク流通路34の中心軸と
一致するように形成されている。
【0059】発熱抵抗体33は、アルミナの耐熱性基板
33_1上にSiO2 からなる蓄熱層を積層し、その上
にTa2 Nからなる長さ250μm、幅80μmの発熱
抵抗体層33_2をスパッタリングにより積層し、その
上にアルミニウムの電極層を蒸着した後、所定のパター
ンに選択エッチングして一対の通電用電極を形成し、さ
らにその上にSiO2 からなる防水保護層を被覆して形
成されている。
【0060】この画像記録装置のインク保持体31以外
の部分は、図4に示した第1の実施形態と同様であるの
で説明は省略する。次に、この画像記録装置の動作につ
いて説明する。記録すべき画像信号として周波数100
Hz、電圧20V、印加パルス幅15μsec〜100
μsecの画像信号が画像制御装置37から発熱抵抗体
33に印加されると、発熱抵抗体33の発熱により空気
溜まり34b内の空気が急激に加熱される。加熱された
空気は熱エネルギの印加量およびその印加速度に応じて
温度が上昇し、温度上昇に伴う空気の熱膨張により空気
溜まり34b内は高圧になる。高圧になった空気はイン
ク流通路34内のインクに作用してインク自由表面32
aからインク液柱を突出させる。インク液柱の先端部は
記録媒体(図示せず)の表面に接触し記録媒体上にイン
ク画像が記録される。
【0061】また、本実施形態においては、パルス幅を
15μsecから100μsecまで変化させることに
よって発熱抵抗体に印加するエネルギ量を変化させてイ
ンク自由表面32aから突出させるインク液柱の高さを
変え、記録用紙に付着するインク量を変化させることが
できる。パルス幅を15から100μsecまで変化さ
せた場合、記録用紙に記録されるインクドット径は15
μmから25μmまで変化させることができ、これによ
り記録用紙上に記録される画像の階調表現が可能とな
る。
【0062】次に、本発明の画像記録装置の第4の実施
形態について説明する。図10は、本発明の第4の実施
形態におけるインク保持体の水平断面図である。図10
に示すように、この実施形態のインク保持体には、矢印
A方向に延びる長尺の、厚さ0.1mmのステンレスか
らなる第1の側壁46と、第1の側壁46から0.06
mmの間隔を隔てて対向して配置された発熱抵抗体43
からなる第2の側壁とを有する。これら両側壁の両側端
は、互いに対向する2つの側壁(図示せず)と接合さ
れ、さらにこれら4面の側壁の下端は図示しない底壁に
接合されて、上面が解放されたスリット状のインクプー
ル42を形成している。インクプール42にはインクI
が満たされその表面にはインク自由表面が形成される。
【0063】発熱抵抗体43は、図5に示した発熱抵抗
体3とほぼ同様の構造をしており、矢印A方向に延びる
長尺のアルミナ製の発熱体基板43_1と、その上にA
方向に一列に並んで複数形成された、Ta2 Nからなる
発熱抵抗体層43_2,43_2,・・・と、これら複
数の発熱抵抗体層43_2,43_2,・・・に通電す
るための通電用電極(図示せず)とからなる。
【0064】発熱抵抗体層43_2,43_2,・・・
はインクプール42内のインク自由表面より500μm
下の位置に設けてある。図示しない画像制御装置から通
電用電極を介して発熱抵抗体層43_2に周波数100
HZ,電圧15V、印加パルス幅8μsecの制御信号
が印加されると、発熱抵抗体層43_2が発熱してイン
クプール42内のインクIが沸騰し高圧の気泡を生ず
る。この時、発熱抵抗体層43_2からインク自由表面
までの部分が本発明にいうインク流通路として機能し、
インク流通路に相当する部分に存在するインクがインク
自由表面から突出してインク液柱を形成する。インク液
柱の先端は記録媒体に接触し、記録媒体上にインク画像
が記録される。
【0065】前述の第1から第3までの各実施形態で
は、インク保持体の配置位置が記録媒体の直下の位置に
限られるのに対して、本実施形態では、インク保持体か
らのインク液柱の形成方向は重力に無関係であり、水平
方向、垂直方向、斜め方向などいずれの方向に向けてイ
ンク液柱を突出させるようにインク保持体を配置するこ
ともできるので、画像記録装置の設計の自由度が大き
い。
【0066】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の画像記録
装置によれば、高密度のライン記録ヘッドを構成しても
目づまりなどの発生が防止され高い信頼性を得ることが
できる。また、従来のオンデマンド記録方式では達成困
難であった微小径のインク画像を記録することができ、
また、インク画像の径を連続的に変化させることが可能
であり高画質の画像記録を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像記録装置の記録原理の説明図であ
る。
【図2】従来のインクノズル方式(a)の記録原理と本
発明の画像記録装置(b,c)の記録原理との比較図で
ある。
【図3】作用力発生源への印加エネルギ量を変化させる
ことにより記録媒体上に記録されるインク画像の径の大
きさがコントロールされる様子を示す図である。
【図4】本発明の画像記録装置の第1の実施形態の概略
構成図である。
【図5】図4に示す画像記録装置に備えられた発熱抵抗
体の概略構成図であ
【図6】図4に示す画像記録装置に備えられた中間転写
ベルトの断面構造を示す図である。
【図7】第1の実施形態に備えられるインク画像加熱装
置の断面図である。
【図8】本発明の第2の実施形態を示す概略構成図であ
る。
【図9】本発明の第3の実施形態を示す概略構成図であ
る。
【図10】本発明の第4の実施形態におけるインク保持
体の水平断面図である。
【符号の説明】
1 インク保持体 2 インクプール 2a インク自由表面 3 発熱抵抗体(作用力発生源) 3_1 発熱体基板 3_2 発熱抵抗体層 3_3 電極層 3_3a,3_3b 通電用電極 3_4 防水保護層 4 インク流通路 4a 開口部 5 底壁 6 側壁 7 画像制御装置 8 インク供給管 9a,9a’ インク液柱 9b インク滴 9c インク画像 9d,9d’ インク画像 9e インクドット 10 中間転写ベルト 10_1 基材 10_2 シリコーンゴム層 10a 表面 10b 裏面 13 張架ロール 14 固定プラテン 15 転写ロール 16 加圧ロール 17 インクノズル 18 インク画像加熱装置 18_1 発熱体18_1 18_2 耐熱性基板 18_3 通電用電極 21 インク保持体 22 インクプール 22a インク自由表面 23 圧電素子 24 インク流通路 24a 開口部 24b インク加圧室 25 底壁 26 側壁 27 画像制御装置 31 インク保持体 32 インクプール 32a インク自由表面 33 発熱抵抗体 33_1 耐熱性基板 33_2 発熱抵抗体層 34 インク流通路 34a 開口部 34b 空気溜まり 35 底壁 35a 上部底板 35b 下部底板 36 側壁 37 画像制御装置 42 インクプール 43 発熱抵抗体 43_1 発熱体基板 43_2 発熱抵抗体層 46 側壁

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 記録媒体上にインク滴の集合からなるイ
    ンク画像を記録する画像記録装置において、 インク自由表面を有するインクプールが形成されるとと
    もに、該インクプールの、インク自由表面に対する底部
    に連通する、該底部にインク滴1ドットに対応する開口
    部を有するインク流通路が複数形成されてなるインク保
    持体と、 画像信号に応じて前記インク流通路内のインクに作用力
    を及ぼし該インク流通路内のインクを前記開口部から押
    し出して前記インク自由表面からインク液柱を突出させ
    る作用力発生源と、 所定の記録媒体を、前記インク自由表面に対向した位置
    を経由する搬送経路に沿って搬送する記録媒体搬送手段
    とを備えたことを特徴とする画像記録装置。
  2. 【請求項2】 前記作用力発生源が、前記作用力により
    形成されたインク液柱が前記インクプールに連続してい
    る状態で、該インク液柱の先端が、前記インク自由表面
    に対向した位置を通過中の記録媒体に接触し、前記作用
    力が停止することにより該インク液柱を前記インクプー
    ル内に戻すように前記作用力を制御するものであること
    を特徴とする請求項1記載の画像記録装置。
  3. 【請求項3】 前記作用力発生源が、発熱抵抗体を有す
    るものであり、該発熱抵抗体の加熱によって生じるイン
    ク沸騰圧力により前記作用力を発生するものであること
    を特徴とする請求項1記載の画像記録装置。
  4. 【請求項4】 前記作用力発生源が、圧電素子を有する
    ものであり、該圧電素子によって生じる圧力パルスによ
    り前記作用力を発生するものであることを特徴とする請
    求項1記載の画像記録装置。
  5. 【請求項5】 前記インク流通路の、前記開口部から離
    れた部分に空気が封入されてなる空気溜まりを有し、 前記作用力発生源が、前記空気溜まり内の空気を加熱す
    る加熱手段を有するものであり、該加熱手段によって生
    じる空気の熱膨張により前記作用力を発生するものであ
    ることを特徴とする請求項1記載の画像記録装置。
  6. 【請求項6】 前記インク流通路が、前記インクプール
    の底部に所定の方向に一列に並んで複数形成されたもの
    であり、かつ前記インクプールが、前記所定方向に長尺
    のインク自由表面を有するものであることを特徴とする
    請求項1記載の画像記録装置。
  7. 【請求項7】 前記作用力発生源が、画像信号に基づい
    てインクへの作用力の強さを変化させることにより前記
    記録媒体に付着するインク量を変化させるものであるこ
    とを特徴とする請求項1記載の画像記録装置。
  8. 【請求項8】 前記インク自由表面に対向した位置を経
    由する搬送経路に沿って搬送される記録媒体が、インク
    画像が一時的に記録され該一時的に記録されたインク画
    像の搬送を担う中間記録媒体であって、 前記中間記録媒体上に記録されたインク画像を所定の記
    録用紙に転写する転写手段を備えたことを特徴とする請
    求項1記載の画像記録装置。
  9. 【請求項9】 前記中間記録媒体が、表面にインクとの
    接触角が50度以上140度以下の材料を被覆してなる
    無端の中間転写ベルトであることを特徴とする請求項8
    記載の画像記録装置。
  10. 【請求項10】 前記中間記録媒体が、表面にインクと
    の接触角が50度以上140度以下の材料を被覆してな
    る中間転写ロールであることを特徴とする請求項8記載
    の画像記録装置。
  11. 【請求項11】 前記中間記録媒体に記録されたインク
    画像を、前記転写装置による記録用紙への転写に先立っ
    てあるいは転写と同時に加熱するインク画像加熱手段を
    備えたことを特徴とする請求項8記載の画像記録装置。
JP28190197A 1997-10-15 1997-10-15 画像記録装置 Withdrawn JPH11115208A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP28190197A JPH11115208A (ja) 1997-10-15 1997-10-15 画像記録装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP28190197A JPH11115208A (ja) 1997-10-15 1997-10-15 画像記録装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11115208A true JPH11115208A (ja) 1999-04-27

Family

ID=17645547

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP28190197A Withdrawn JPH11115208A (ja) 1997-10-15 1997-10-15 画像記録装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11115208A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7287849B2 (en) 2003-08-06 2007-10-30 Ricoh Company, Ltd. Image forming apparatus, recording liquid, conveyor belt, recording liquid cartridge

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7287849B2 (en) 2003-08-06 2007-10-30 Ricoh Company, Ltd. Image forming apparatus, recording liquid, conveyor belt, recording liquid cartridge

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5896155A (en) Ink transfer printing apparatus with drop volume adjustment
JP3339724B2 (ja) インクジェット記録方法及びその装置
EP0820870B1 (en) Ink printing apparatus with improved heater
JPH0684071B2 (ja) インクジエツトプリンタ用プリンタヘツド
US7249829B2 (en) High speed, high quality liquid pattern deposition apparatus
JPH0117862B2 (ja)
US6498615B1 (en) Ink printing with variable drop volume separation
JPH11115208A (ja) 画像記録装置
JP3222180B2 (ja) インクジェット記録方法及び記録ヘッド
JP3048055B2 (ja) 液体噴射記録ヘッド
JP3277203B2 (ja) 液体噴射記録装置及び記録ヘッド
JP2003170598A (ja) インクジェットヘッドおよびインクジェットプリンタ
JP2883151B2 (ja) インクジェット記録装置
JP2763539B2 (ja) 液体噴射記録ヘッド
JPH10230598A (ja) 液滴噴射装置
JPH04299149A (ja) インクジェットヘッド
JPH0343254A (ja) 熱インクジェットの印字ヘッド
JP2790844B2 (ja) 液体噴射記録ヘッド
JP4562248B2 (ja) インクジェットヘッド
JPS6241046A (ja) 記録装置
JPH02188251A (ja) インクジェット記録方法及びその装置
JPH021317A (ja) 液体噴射記録ヘッド
JP2001150678A (ja) インクジェット記録ヘッド
JPH04182135A (ja) インクジェット記録方法
JPH0485044A (ja) インクジェット記録装置

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20050104