JPH1111121A - 空気入りタイヤ - Google Patents

空気入りタイヤ

Info

Publication number
JPH1111121A
JPH1111121A JP9162892A JP16289297A JPH1111121A JP H1111121 A JPH1111121 A JP H1111121A JP 9162892 A JP9162892 A JP 9162892A JP 16289297 A JP16289297 A JP 16289297A JP H1111121 A JPH1111121 A JP H1111121A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
conductive
rubber
tread
rubber composition
tire
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP9162892A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3706461B2 (ja
Inventor
Masato Komatsuki
正人 駒月
Yoichi Mizuno
洋一 水野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Rubber Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Rubber Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Rubber Industries Ltd filed Critical Sumitomo Rubber Industries Ltd
Priority to JP16289297A priority Critical patent/JP3706461B2/ja
Priority to DE69811560T priority patent/DE69811560T2/de
Priority to EP98303614A priority patent/EP0878330B1/en
Priority to US09/076,127 priority patent/US6302173B1/en
Publication of JPH1111121A publication Critical patent/JPH1111121A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3706461B2 publication Critical patent/JP3706461B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/80Technologies aiming to reduce greenhouse gasses emissions common to all road transportation technologies
    • Y02T10/86Optimisation of rolling resistance, e.g. weight reduction 

Landscapes

  • Tires In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 タイヤの電気抵抗を損ねることなく耐摩耗
性、低転がり抵抗性、ウェット性能を、より高いレベル
でバランス良く向上させうる。 【解決手段】 トレッドゴム部2を、トレッド基体ゴム
9と、ベルト層7からトレッド基体ゴム9中をのびかつ
トレッド面2Sで露出する導電部10とで構成し、この
導電部10は、ジエン系ゴム100重量部に対し、補強
短繊維を導電材料で被覆してなる導電短繊維を2〜30
重量部を配合した導電ゴム組成体15で形成される。又
前記トレッドゴム部2の全体積V0に対する前記導電ゴ
ム組成体15の体積V1の割合V1/V0を2%以上か
つ20%以下とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、タイヤの電気抵抗
を損ねることなく耐摩耗性、低転がり抵抗性、ウェット
性能をバランス良く向上させうる空気入りタイヤに関す
る。
【0002】
【従来の技術、及び発明が解決しようとする課題】近年
の自動車の低燃費化に対応して、転がり抵抗を減じた低
燃費タイヤの開発が進められており、従来、このタイヤ
の転がり抵抗を低減するため、ゴム組成物中に配合され
る補強剤としてのカーボンブラックをシリカに置き換え
ることにより、ヒステリシスロスを低下させることが一
般に行われている。
【0003】しかしカーボンブラックの配合量の減少
は、タイヤの電気抵抗の増加を招き、静電気が車に蓄積
されることによりラジオノイズ等の電波障害を引き起こ
すなど、多くの電気的誤動作の発生原因となっている。
【0004】このように、従来のタイヤ用ゴム組成物の
導電性は、配合されるカーボンブラックと密接な関係が
あり、カーボンブラックの配合量を増やしたり、粒子径
の小さいカーボンブラックを用いることは電気抵抗を低
減するために効果的ではあるが、逆にヒステリシスロス
が増加してしまうなど、低燃費化との両立を困難なもの
としていた。
【0005】他方、ゴム組成物に導電性を付与するもの
として、例えば帯電防止剤、導電性可塑剤、金属塩等の
導電剤の使用が提案されているが、このものはその性能
が使用環境に大きく依存する他、シリカ等の補強剤によ
る補強性を低下させるという問題がある。
【0006】そこで本発明者は、特願平9−12102
7号において、補強短繊維を導電ポリマーで被覆してな
る導電短繊維を、補強剤として使用した新規な導電ゴム
組成体をトレッド部用ゴム組成物として提案した。この
導電短繊維は、導電材料の使用量を最低限に抑えつつ導
電性を最大限に発揮しうるため、補強性の過度の低下を
招くことがなく、しかもカーボンブラックの配合量を低
減しうるためヒステリシスロスの上昇を抑制し転がり抵
抗を改善しながら電気抵抗を大巾に低減しうる等の利点
がある。
【0007】しかしながら、前記導電短繊維は、シリカ
に比べ耐摩耗性、低転がり抵抗性、及びウエット性能を
若干悪化する傾向にあり、従って、より高次元におい
て、耐摩耗性、低転がり抵抗性、低電気抵抗性、及びウ
エット性能をバランス良く向上させ高性能のタイヤを提
供するためには、導電ゴム組成体をトレッド部の一部に
使用し、かつその使用量を必要な導電性を得るための最
小限に止めることが必要となる。
【0008】すなわち本発明は、トレッドゴム部に、前
記導電短繊維を用いた導電ゴム組成体からなりかつベル
ト層から立ち上がってトレッド面で露出する導電部を設
け、しかもこのトレッドゴム部の全体積に対する導電ゴ
ム組成体の体積の割合を2〜20%とすることを基本と
して、より高いレベルにおいて、耐摩耗性、低転がり抵
抗性、低電気抵抗性、及びウエット性能をバランス良く
向上させうる空気入りタイヤの提供を目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明の空気入りタイヤは、スチールのベルトコー
ドを有するベルト層の半径方向外側に、半径方向外表面
がトレッド面をなすトレッド基体ゴムと、前記ベルト層
から半径方向外方に前記トレッド基体ゴム中をのびかつ
前記トレッド面で露出する導電ゴム組成体からなる導電
部とからなるトレッドゴム部を配するとともに、前記導
電ゴム組成体は、ジエン系ゴム100重量部に対し、補
強短繊維を導電材料で被覆してなる導電短繊維を2〜3
0重量部を配合するとともに、前記トレッドゴム部の全
体積に対する前記導電ゴム組成体の体積の割合を2%以
上かつ20%以下としたことを特徴としたものでありま
す。
【0010】なお前記導電材料としては、ポリピロール
骨格又はポリアニリン骨格を有する化合物を用い、かつ
補強短繊維としてナイロン繊維又はパルプを用いること
が好ましい。
【0011】又前記補強短繊維は、その繊維長Lと繊維
径Dとの比であるアスペクト比L/Dを10〜2000
とするのが良い。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図
示例とともに説明する。図1において、空気入りタイヤ
1(以下タイヤ1という)は、本例では、乗用車用の空
気入りタイヤであって、路面と接地するトレッド面2S
を有するトレッドゴム部2と、その両端からタイヤ半径
方向内方にのびる一対のサイドウオール部3と、各サイ
ドウオール部3のタイヤ半径方向内方端に位置するビー
ド部4とを具える。又タイヤ1は、前記ビード部4、4
間に架け渡されるカーカス6、及びこのカーカス6の半
径方向外側かつトレッドゴム部2の内方に巻装される強
靱なベルト層7によって補強されかつ必要なタイヤ剛性
が付与される。
【0013】なお前記カーカス6は、カーカスコードを
タイヤ赤道Cに対して75〜90度の角度で配列した1
枚以上、本例では内外2枚のカーカスプライからなり、
前記トレッドゴム部2からサイドウォール部3をへてビ
ード部4のビードコア5の廻りで折返されて係止され
る。
【0014】又前記ベルト層7は、スチールのベルトコ
ードをタイヤ赤道Cに対して30度以下、本例では例え
ば24度の角度で配列した2枚以上のベルトプライ7
A、7Bからなり、ベルトコードがプライ間相互で交差
することによってトラス構造を形成し、タガ効果を有し
てトレッド部2を補強している。
【0015】又前記トレッドゴム部2は、このベルト層
7の外側に配され半径方向外表面がトレッド面2Sの主
部をなすトレッド基体ゴム9と、下端がベルト層7に接
しかつ前記トレッド基体ゴム9を貫通して半径方向外方
にのびるとともに上端が前記トレッド面2Sと整一して
露出する導電部10とから形成される。
【0016】ここでトレッド基体ゴム9は、電気抵抗以
外の特性である、耐摩耗性、低転がり抵抗性、ウエット
性能を重視して設定された高性能ゴムであって、本例で
は、ゴム基材100重量部中に、シリカを主補強剤とし
て30〜100重量部、好ましくは40〜70重量部、
さらに好ましくは40〜60重量部配合し、カーボンブ
ラックを30重量部以下、好ましくは10重量以下、さ
らに好ましくは実質的に含まない絶縁性ゴムが採用され
る。なおゴム基材としては、例えば、天然ゴム(N
R)、スチレン・ブタジエンゴム(SBR)、ブタジエ
ンゴム(BR)、イソプレインゴム(IR)等のジエン
系ゴムの一種若しくは複数種を組み合わせたものが使用
でき、又要求により、硫黄、加硫促進剤、老化防止剤等
の公知の添加剤が添加される。
【0017】他方、前記導電部10は、図2に拡大して
示すように、本例では、前記下端Pdから上端Puまで
略一定巾W1でのびる主部11を有し、例えば接地圧が
高いトレッド中央域、本例では、タイヤ赤道面上を円周
方向に連続してのびる1本の円環状に形成される。又本
例では、主部11下端には、前記ベルト層7と例えば円
弧等の曲線によって滑らかに接する巾広の根本部分12
が連なり、これによって、応力集中の緩和が図られると
ともにベルト層7との接触面積を高め、静電気の流れが
円滑化される。この時、根元部分12の高さH2は、導
電部10の高さH1の20%以下であり、又その最大巾
W1aは、主部11の巾W1の1.2〜5倍程度が良
い。
【0018】なおトレッドゴム部2には、前記導電部1
0を避けた位置に円周方向の縦溝Gを有するトレッドパ
ターンが形成されるが、横溝Yが導電部10を横切るこ
とによって、トレッド面2Sにおいて前記導電部10が
不連続となっても良い。
【0019】又2本以上複数本の円環状の導電部10を
形成しても良く、断面形状において、前記主部11は、
図3(A) 、(B) に示すように、トレッド面2Sに向かっ
て巾を漸減又は漸増しながら立ち上がる先細又は先太の
テーパー状とする他、図3(C) の如く中央にくびれ部1
3A又は膨出部13Bを形成することもできる。この
時、主部11の最小巾W1bは、主部11の下端巾W1
eの1.0〜0.4倍の範囲が好ましい。なお導電部1
0としては、前記根本部分12を排除した主部11のみ
で形成しても良い。
【0020】又この導電部10は、ゴム基材100重量
部中に、補強短繊維を導電材料で被覆してなる導電短繊
維の2〜30重量部を配合した導電ゴム組成体15で形
成している。ゴム基材としては、前記トレッド基体ゴム
9のゴム基材と同様、ジエン系ゴムの一種若しくは複数
種を組み合わせたものが使用される。
【0021】又前記補強短繊維としては、ナイロン、レ
ーヨン、ビニロン、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリ
塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、芳香族ポリアミド、
ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン等の合成
繊維、セルロース等の植物繊維であるパルプ、及びガラ
ス、アルミナ等の無機繊維を用いることができる。又繊
維長Lは、10〜6000μmの範囲とすることが、補
強効果の点で望ましく、この範囲を外れると短繊維とし
ての配向が妨げられ、分散も低下するため所望の性能が
得られにくくなる。又繊維径Dは、細い方が導電性のた
めに有利であるが、細すぎると、繊維が過度に絡み合っ
て分散不良を発生させ、均一なゴム組成が得られ難くな
る傾向となる。従って、繊維径Dに対する繊維長Lの比
であるポアソン比L/Dは、10〜2000であること
が好ましく、10より小さいと配向や均一分散が難しく
電気抵抗の低減が期待できない。又2000を越える
と、この補強短繊維が破壊核となって耐摩耗性を悪化さ
せる。
【0022】又ゴム弾性を維持するために、有機繊維を
用いることが望ましく、特にナイロン繊維及びパルプ
は、柔軟性に優れるとともに、強度が大であるため好ま
しい。
【0023】前記導電材料としては、ポリピロール、ポ
リアニリン、アルキレンオキサイドなど主鎖にπ電子共
役を有する導電性ポリマー及び各種金属塩が使用でき
る。導電性ポリマーを用いる時には、ヨウ素、五フッ化
砒素等の電子受容性物質あるいはカリウム、ナトリウム
等の電子供与性物質を少量添加(ドーピング)して導電
性をさらに高めたることが望ましい。なお補強短繊維と
の付着性を考慮したとき、導電性ポリマーを用いるのが
好ましく、特にポリピロール骨格又はポリアニリン骨格
を有する化合物は、導電性状態における総合的安定性に
優れているため好適である。ここで「ポリピロール骨格
有する化合物」及び「ポリアニリン骨格を有する化合
物」とは、図4(A) 、(B) に示すように、ポリマー中の
主鎖がピロール基17Aを結合してなるピロール鎖17
で形成された化合物、及びアニリノ基18Aを結合して
なるアニリン鎖18で形成された化合物を意味する。
【0024】又被覆方法は、特に限定されないが、導電
性ポリマーの場合には、補強短繊維の存在下でモノマー
を重合させて導電性ポリマーを形成する。より詳しく
は、導電性ポリマーとしてポリピロールを使用するとき
には、塩化第二鉄六水和物(FeCl3 ・6H2 O)の
水溶液中に、例えばナイロンである補強短繊維を入れ、
撹拌分散させる。これに、ピロール水溶液を添加し、数
時間撹拌して共役重合させた後、濾別する。次に、水及
びメタノールで洗浄を充分繰り返した後、真空乾燥させ
ポリピロールで被覆したナイロン繊維が得られる。
【0025】又導電材料として金属塩を用いる時には、
電気メッキ、蒸着等の種々のメッキ処理技術を採用でき
る。
【0026】又導電材料の被覆量は、補強短繊維100
重量部に対して1重量部以下で充分な導電性を発揮させ
ることができ、その時の被覆厚さは、0.02〜0.1
mm程度である。
【0027】このように、前記導電ゴム組成体15は、
導電材料を補強短繊維にコーティングしてなる導電短繊
維をゴム基材に配合しているため、導電短繊維が適度に
絡み合って網の目状の電気導通路が導電ゴム組成体15
中に確実かつ均一に形成される。その結果、導電材料を
直接にゴム基材に配合するものに比して、遥かに低い導
電材料の使用量で導電性を最大限に発揮でき、電気抵抗
を大巾に低減しうる。
【0028】しかも導電材料は補強短繊維と一体化して
いるため、前記補強性低下の弊害に対する導電材料の寄
与率自体も低減され、前記導電材料の使用量の削減と相
俟って、補強性低下の弊害を抑制しうる。又この導電ゴ
ム組成体15は、カーボンブラックに比してヒステリシ
スロスを増加させることがなく、しかも補強短繊維によ
る補強効果を有しているため、従来のカーボンブラック
の添加を必要としない。
【0029】しかしながら、前記導電短繊維を30重量
部を越えて過度に配合した場合には、ゴムと導電短繊維
との間のエネルギーロスが急増し、低転がり抵抗性を低
下させるとともに、導電ゴム組成体15における複素弾
性率を高めて路面追従性を悪化するなどウエット性能を
低下させる。従って、導電短繊維の配合量を30重量部
以下とするが必要であり、他方2重量部未満では、必要
な導電性が得られ難い。なお前記導電短繊維のアスペク
ト比L/Dが2000より大となる時にも、前述した耐
摩耗性低下に加えて、導電短繊維相互の接触が増えてエ
ネルギーロスを増加させる等の弊害が発生する。
【0030】前記導電ゴム組成体15には、硫黄、加硫
促進剤、老化防止剤等、カーボンブラック以外の公知の
添加剤が配合でき、又シリカは、実質的に絶縁体であり
かつヒステリシスロスを減じるため、前記導電短繊維と
併用しうる。この時のシリカ配合量は、0〜70重量部
の範囲である。なお、導電ゴム組成体15は、導電短繊
維以外はトレッド基体ゴム9と同配合としても良い。
【0031】又前記トレッドゴム部2においては、前記
トレッドゴム部2の全体積V0に対する前記導電ゴム組
成体15の体積V1の割合V1/V0は、2%以上かつ
20%以下であることが必要である。これにより、シリ
カを主配合としたトレッド基体ゴム9が有する優れた耐
摩耗性、低転がり抵抗性、及びウエット性能を発揮しな
がら、必要な導電性を付与することができ、より高いレ
ベルにおいてタイヤ性能をバランス化した高性能タイヤ
の提供が可能となる。
【0032】なお、前記体積割合V1/V0が20%を
越えると、トレッド基体ゴム9の性能に悪影響を及ぼ
し、耐摩耗性、低転がり抵抗性、及びウエット性能をそ
れぞれ低下させ、逆に2%未満の時、低電気抵抗性が不
充分となる。
【0033】
【実施例】表1に示す配合ゴムをバンバリーミキサーを
用いて約150℃で4分間混練りした後、得られた混練
り物に、硫黄1.0重量部と加硫促進剤1.5重量部と
を加えて二軸ロールにて80℃で約4分間練り込んだ混
合物をトレッド基体ゴムとして、又この混合物に導電短
繊維を表2に示す仕様でさらに配合したものを導電ゴム
組成体としてそれぞれ作成し、これらを用いたトレッド
ゴム部を有するタイヤサイズ175/70R13のタイ
ヤを試作した。この時の加硫条件は、170゜C−10
分である。
【0034】この試供タイヤを用いて、低転がり抵抗
性、耐摩耗性、ウエット性能及びタイヤ電気抵抗値を測
定するとともに、前記導電ゴム組成体を加硫してなる試
験片を用いて体積固有抵抗値を測定した。
【0035】この時、スチレン・ブタジエンゴムとして
は住友化学(株)製のSBR1500、シリカとしては
日本シリカ製のニプシルVN3、シランカップリング剤
としてはデグッサ(株)製のSi69 (ビス(3-トリエ
トキシシリルプロピル)テトラスルフェン)、プロセスオ
イルとしては出光興産(株)製のダイアナプロセスPS
32、ワックスとしては大内新興化学社製のサンノック
ワックス、老化防止剤としては精工化学社製のオゾノン
6C ((N-1,3-ジメチルブチル)-N'-フェニル-p-フェニ
レンジアミン)、ステアリン酸としては日本油脂(株)
製の桐、亜鉛華としては東邦亜鉛製の銀嶺R、硫黄とし
ては鶴見化学(株)製の硫黄、加硫促進剤としては大内
新興化学社製のノクセラーNSを用いた。
【0036】導電短繊維Aとしては導電材料がポリピロ
ール樹脂、補強短繊維がナイロン繊維(繊維長50μ
m、繊維径16μm)の日本カーリット製のJCP11
3用い、導電短繊維Bとしては導電材料がポリアニリン
樹脂、補強短繊維がパルプを用いた。
【0037】1.体積固有抵抗値:前記既加硫の導電ゴ
ム組成体を用いて15cm四方、厚さ2mmの試料片を
作成し、ADVANTESTR8340A の電気抵抗測定器を用いて体
積固有抵抗値を測定した。印加電圧は500V、気温2
5℃、湿度は50%で測定した。結果を表1に示す。Lo
g σVが12以下が好ましい。
【0038】2.低転がり抵抗性:神戸機械( 株) 製の
転がり抵抗試験機を用い、前記試供タイヤを、標準リム
Rにリム組しかつ空気圧200kpa、時速80km/
h、荷重345kgで走行させて転がり抵抗を測定し、比
較例1を100とした指数で表示した。指数の大きい方
が転がり抵抗が小さく良好である。
【0039】3.耐摩耗性:前記試供タイヤを、標準リ
ムR、空気圧200kpaで、乗用車両に装着し高速道
路と一般道路とをミックスして、後継3万km走行した
時点で、トレッド溝の残高を測定し、比較例1を100
とした指数で表示した。指数の大きい方が耐摩耗性に優
れ良好である。
【0040】4.ウエット性能:試供タイヤを装着した
前記乗用車両を用い、低摩擦係数のタイルを敷き詰めた
テストコースにて、水を散布した後、円旋回してスリッ
プする時の最高速度を測定し、比較例1を100とした
指数で表示した。指数の大きい方がウエット性能に優れ
良好である。
【0041】5.タイヤ電気抵抗:前記試供タイヤを、
標準リムRに空気圧200kpaでリム組した状態で、
ドイツの WDK、 Blatt 3で規定される「荷重下でのタイ
ヤ電気抵抗の測定手順」に基づき測定された。すなわ
ち、図5に示すように、台板30に対して絶縁状態で取
付く鋼板31上に、前記リム組みタイヤ1を、荷重45
0kgで垂直に接地させ、標準リムRの中央部と鋼板3
1との間の電気抵抗を、印可電圧500ボルトの抵抗測
定器32を用いて測定する。測定時の気温25℃、湿度
は50%であった。Log Ωが8以下が好ましい。
【0042】
【表1】
【0043】
【表2】
【0044】表2に示すように、導電短繊維の配合量が
2重量部未満では、導電ゴム組成体自体の電気抵抗が改
善されず、又30重量部を越えると、低転がり抵抗性及
びウエット性能の悪化が著しくなるのがわかる。又導電
短繊維を2〜30重量部配合した導電ゴム組成体では、
その体積比V1/V0が2〜20%の範囲において、必
要な導電性(低電気抵抗性)を発揮しながら、低転がり
抵抗性、耐摩耗性、ウエット性能を高いレベルで維持す
ることができるのがわかる。なお2%未満では、タイヤ
全体としての導電性改善効果が見込まれず、20%を越
えると、導電ゴム組成体の影響がでて低転がり抵抗性、
耐摩耗性、ウエット性能をそれぞれ悪化する。
【0045】
【発明の効果】叙上の如く本発明は、導電短繊維を配合
した導電ゴム組成体からなる導電部をベルト層からトレ
ッド面まで立ち上げ、しかも導電ゴム組成体の体積をト
レッドゴム部の全体積の2〜20%に制限しているた
め、トレッド基体ゴムが有する導電性以外の特性を損ね
ることなく、トレッドゴム部に必要な導電性を付与でき
る。その結果、より高いレベルにおいて、耐摩耗性、低
転がり抵抗性、低電気抵抗性、及びウエット性能をバラ
ンス良く向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例のタイヤの断面図である。
【図2】導電部を拡大して示す断面図である。
【図3】(A) 、(B) 、(C) は、導電部の他の例を示す断
面図である。
【図4】(A) は、ピロール鎖を示す化学式であり、(B)
はアニリン鎖を示す化学式である。
【図5】タイヤ電気抵抗の測定方法を説明する線図であ
る。
【符号の説明】
2 トレッドゴム部 2S トレッド面 7 ベルト層 9 トレッド基体ゴム 10 導電部 15 導電ゴム組成体

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】スチールのベルトコードを有するベルト層
    の半径方向外側に、半径方向外表面がトレッド面をなす
    トレッド基体ゴムと、前記ベルト層から半径方向外方に
    前記トレッド基体ゴム中をのびかつ前記トレッド面で露
    出する導電ゴム組成体からなる導電部とからなるトレッ
    ドゴム部を配するとともに、 前記導電ゴム組成体は、ジエン系ゴム100重量部に対
    し、補強短繊維を導電材料で被覆してなる導電短繊維を
    2〜30重量部を配合するとともに、前記トレッドゴム
    部の全体積に対する前記導電ゴム組成体の体積の割合を
    2%以上かつ20%以下とした空気入りタイヤ。
  2. 【請求項2】前記導電材料は、ポリピロール骨格又はポ
    リアニリン骨格を有する化合物からなり、かつ前記補強
    短繊維は、ナイロン繊維又はパルプからなることを特徴
    とする請求項1記載の空気入りタイヤ。
  3. 【請求項3】前記補強短繊維は、その繊維長Lと繊維径
    Dとの比であるアスペクト比L/Dを10以上かつ20
    00以下としたことを特徴とする請求項1又は2記載の
    空気入りタイヤ。
JP16289297A 1997-05-12 1997-06-19 空気入りタイヤ Expired - Fee Related JP3706461B2 (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP16289297A JP3706461B2 (ja) 1997-06-19 1997-06-19 空気入りタイヤ
DE69811560T DE69811560T2 (de) 1997-05-12 1998-05-08 Fahrzeugreifen
EP98303614A EP0878330B1 (en) 1997-05-12 1998-05-08 Vehicle tyre
US09/076,127 US6302173B1 (en) 1997-05-12 1998-05-12 Vehicle tire including conductive rubber

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP16289297A JP3706461B2 (ja) 1997-06-19 1997-06-19 空気入りタイヤ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH1111121A true JPH1111121A (ja) 1999-01-19
JP3706461B2 JP3706461B2 (ja) 2005-10-12

Family

ID=15763240

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP16289297A Expired - Fee Related JP3706461B2 (ja) 1997-05-12 1997-06-19 空気入りタイヤ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3706461B2 (ja)

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000289411A (ja) * 1999-04-09 2000-10-17 Sumitomo Rubber Ind Ltd 空気入りタイヤ
US7128674B2 (en) * 2000-04-03 2006-10-31 Contitech Antriebssysteme Gmbh Frictionally engaged driving belt
WO2009022564A1 (ja) * 2007-08-10 2009-02-19 Sumitomo Rubber Industries, Ltd. 空気入りタイヤ
US7940178B2 (en) 2007-10-09 2011-05-10 Optex Co., Ltd. Laser area sensor
JP2013023200A (ja) * 2011-07-26 2013-02-04 Toyo Tire & Rubber Co Ltd 空気入りタイヤ
US8381781B2 (en) 2007-08-10 2013-02-26 Sumitomo Rubber Industries, Ltd. Pneumatic tire
JP2013184529A (ja) * 2012-03-07 2013-09-19 Sumitomo Rubber Ind Ltd 空気入りタイヤ
JP2013184536A (ja) * 2012-03-07 2013-09-19 Sumitomo Rubber Ind Ltd 空気入りタイヤ
JP2013189500A (ja) * 2012-03-12 2013-09-26 Sumitomo Rubber Ind Ltd タイヤ用ゴム組成物及びタイヤ
CN103373175A (zh) * 2012-04-11 2013-10-30 东洋橡胶工业株式会社 一组充气轮胎和安装充气轮胎的布置
CN113853309A (zh) * 2019-06-05 2021-12-28 住友橡胶工业株式会社 帘线和轮胎

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000289411A (ja) * 1999-04-09 2000-10-17 Sumitomo Rubber Ind Ltd 空気入りタイヤ
US7128674B2 (en) * 2000-04-03 2006-10-31 Contitech Antriebssysteme Gmbh Frictionally engaged driving belt
WO2009022564A1 (ja) * 2007-08-10 2009-02-19 Sumitomo Rubber Industries, Ltd. 空気入りタイヤ
US8381781B2 (en) 2007-08-10 2013-02-26 Sumitomo Rubber Industries, Ltd. Pneumatic tire
US7940178B2 (en) 2007-10-09 2011-05-10 Optex Co., Ltd. Laser area sensor
JP2013023200A (ja) * 2011-07-26 2013-02-04 Toyo Tire & Rubber Co Ltd 空気入りタイヤ
JP2013184529A (ja) * 2012-03-07 2013-09-19 Sumitomo Rubber Ind Ltd 空気入りタイヤ
JP2013184536A (ja) * 2012-03-07 2013-09-19 Sumitomo Rubber Ind Ltd 空気入りタイヤ
JP2013189500A (ja) * 2012-03-12 2013-09-26 Sumitomo Rubber Ind Ltd タイヤ用ゴム組成物及びタイヤ
CN103373175A (zh) * 2012-04-11 2013-10-30 东洋橡胶工业株式会社 一组充气轮胎和安装充气轮胎的布置
CN113853309A (zh) * 2019-06-05 2021-12-28 住友橡胶工业株式会社 帘线和轮胎

Also Published As

Publication number Publication date
JP3706461B2 (ja) 2005-10-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0878330B1 (en) Vehicle tyre
CN104129232B (zh) 充气轮胎
EP3196048B1 (en) Rubber composition for tires, pneumatic tire, and an airless tire
CN103205031B (zh) 轮胎用橡胶组合物、以及充气轮胎
KR101585815B1 (ko) 공기 타이어
CA1113357A (en) Radial-ply tire
US7337815B2 (en) Tire with tread of rubber composition containing diverse carbon blacks
EP0524339A1 (en) Rubber blend and tire with tread thereof
US7640957B2 (en) Tire with rubber tread highly loaded with a combination of filler reinforcement and oil
JP5480588B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP3898316B2 (ja) 空気入りタイヤ
US6646066B2 (en) Rubber composition containing a thermoplastic polymer and tire sidewall component or tire support ring comprised of such rubber composition
JP3706461B2 (ja) 空気入りタイヤ
CA2118778A1 (en) Tire with silica reinforced tread
JP3514539B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP6140121B2 (ja) タイヤ用のゴム組成物
JP5712190B2 (ja) タイヤ用ゴム組成物及び空気入りタイヤ
JP2000079805A (ja) 空気入りタイヤ
WO2020241191A1 (ja) 空気入りタイヤ
JP3734923B2 (ja) トレッド用ゴム組成物及びそれを用いたタイヤ
JP4071895B2 (ja) 空気入りタイヤ
JPH09302146A (ja) 空気入りラジアルタイヤ
JP2022063032A (ja) 重荷重用タイヤ
JP2020117579A (ja) タイヤ用ゴム組成物
EP4074520B1 (en) Tire

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040226

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20050426

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050510

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050624

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20050719

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20050729

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080805

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090805

Year of fee payment: 4

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees