JPH11110837A - 情報の記録再生方式および記録再生装置および記録媒体 - Google Patents

情報の記録再生方式および記録再生装置および記録媒体

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JPH11110837A
JPH11110837A JP26850897A JP26850897A JPH11110837A JP H11110837 A JPH11110837 A JP H11110837A JP 26850897 A JP26850897 A JP 26850897A JP 26850897 A JP26850897 A JP 26850897A JP H11110837 A JPH11110837 A JP H11110837A
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recording medium
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JP26850897A
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Akira Kochiyama
彰 河内山
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Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 記録情報の高密度の記録および再生方法なら
びに記録再生装置と、高密度の記録媒体を提供する。 【解決手段】 記録情報が電気抵抗6の差として記録さ
れ、磁気抵抗係数nを有する材科で構成された記録媒体
8の記録セル7に検出磁束Φsを与える励起コイル2を
具備し、記録セル7に励起コイル2により検出磁束Φs
を与えることで、電気抵抗6の差に対応する強さで記録
セル7に誘起される渦電流5が発生する誘導磁束Φeを
励起コイル2に鎖交させる構成とし、鎖交により励起コ
イル2に生じたインピーダンス変化を測定することによ
り記録情報を再生する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、情報の高密度記録
再生方法に関し、とりわけ磁気抵抗効果を有する記録媒
体に磁気、光、電位などを作用させることにより生じる
電気抵抗特性に基づいて情報の記録がなされ、このよう
に電気抵抗特性に基づいて情報が記録されている記録媒
体に局所的に読出し用交流磁束を加えることにより、記
録された情報を磁気抵抗効果を利用して再生する、情報
の高密度記録再生方法に関する。
【0002】さらに本発明は、情報の高密度記録再生装
置に関し、とりわけ磁気抵抗効果を有する記録媒体に磁
気、光、電位などを作用させることにより生じる電気抵
抗特性に基づいて情報を記録し、このように電気抵抗特
性に基づいて情報が記録されている記録媒体に局所的に
読出し用交流磁束を加えることにより、記録された情報
を磁気抵抗効果を利用して再生する、情報の高密度記録
再生装置に関する。
【0003】さらに本発明は、情報の記録媒体に関し、
とりわけ磁気、光、電位などを作用させることにより生
じる電気抵抗特性の変化に基づいて情報の記録がなさ
れ、このように電気抵抗特性の変化に基づいて情報が記
録されている部分に局所的に読出し用交流磁束が加えら
れることによって、記録された情報の再生が磁気抵抗効
果により可能になる記録媒体に関するものである。
【0004】
【従来の技術】最近のマルチメディア社会、特にハイビ
ジョンシステムおよび高度情報通信システム、コンピュ
ータネットワーク、ビデオオンデマンド、インフォメー
ションオンデマンドなどの分野で必要とされる大容量の
画像情報、データファイルにおいて、高速かつ高密度の
記録再生方法および装置への要求が一段と高まってい
る。
【0005】このような高密度情報記録および再生の技
術としては、従来、磁気記録再生方式ならびに、光記録
再生方式が実用化されている。さらにポイントレコーデ
ィング方式と称せられる、記録媒体への局所的な電荷蓄
積あるいは電荷分布を利用する高密度記録再生方式も既
に実用化の域に達しつつある。そして、記録情報の量的
拡大にともなう高密度情報記録への拡大する需要に対応
するよう、製品化が続けられている。
【0006】このうち、磁気記録の原理については、保
磁力を有する素材からなる磁気記録媒体に、磁気記録ヘ
ッドにより方向性を有する磁束を局所的に与えることに
より磁気記録媒体の局所的な着目部分を磁化する誘導型
記録が、一般的に採用されている。ここで、各記録情報
は各着目部分における磁化方向として記録されることに
なる。以下、この磁化された着目部分を、記録セルと記
述することにする。
【0007】一方、磁気記録における記録状態の読み出
し原理については、磁気記録媒体の前記磁化された記録
セルからの漏洩磁束を検出する構成となっている。とり
わけ、NRTZ方式に代表される、磁化された記録セル
の境界域、すなわち磁化遷移領域からの漏れ磁束の変化
を何らかの手段で電気信号に変換するという再生方式が
採られている。
【0008】このような再生方式、すなわち記録セルか
らの漏洩磁束あるいは、記録セルの境界部分における漏
洩磁束の変化を検出する手段として磁気再生ヘッドが用
いられるが、近年、磁気再生ヘッドとして磁気抵抗効果
を利用した磁気抵抗効果型磁気へツド(MRへッド)が
開発され、高密度化がさらに進展している。さらに、巨
大磁気抵抗効果型磁気へッド(GMRへッド)による、
さらなる高密度化が進展している。いずれにせよ、磁気
記録において大容量の情報を記録するには、磁気記録の
単位領域を小さくして、線記録密度ならびに面記録密度
を向上させることが必要である。
【0009】つぎに、光記録再生方式として、とりわけ
相変化型光記録再生方式の原理については、温度上昇に
よって結晶構造が可逆的あるいは不可逆的に結晶状態と
非晶状態の間で相変位し、かつ、結晶状態と非晶状態で
光反射特性が変化する素材からなる光記録媒体を用い、
これにレーザ光を局所的に照射して着目部分(以下、記
録セルと記載する)を加熱し、記録セルに相変化を惹起
させることにより、局所的な光反射率の差として各記録
セルに情報を記録する。また再生は、各記録セルにおけ
る記録時に生じた相変化による光反射率の変化を利用し
て、各記録セルに読出用の弱いレーザ光を照射すること
により、光反射率によって記録情報を検出再生する構成
となっている。
【0010】また、ポイントレコーディング方式の原理
は、走査型プローブ顕微鏡技術を応用したものである。
すなわち、原子分子レベルの空間分解能を持ち、微細表
面形状の解析に適用される走査トンネル顕微鏡(ST
M)、原子間力顕微鏡(AFM)のうちでも、種々の相
互作用に伴う物理量を制御プローブとして用いた走査型
プローブ顕微鏡(SPM)が発展しているが、最近これ
らの手段すなわち原子、分子にアクセスする手段を用い
て、記録領域を極めて小さくした高密度記録の検討がな
されており、ポイントレコーディング方式と呼ばれてい
る。
【0011】このポイントレコーディング方式は、鋭い
針先の記録ヘッドで記録媒体に電荷記録し、またこの電
荷を鋭い針先の再生ヘッドで検出再生する。このような
記録媒体としては、例えばSi基板上に、熱酸化による
SiO2 膜および熱CVD(化学的気相成長)法による
SiN膜を被着形成したNOS(SiN/SiO2 /S
i)構造による記録媒体がある。
【0012】このような記録媒体においては、Si基体
とSiO2 /SiNヘテロ界面付近のヘテロトラップ
(SiO2 /SiN界面およびSiN膜中に存在するキ
ャリアトラップ)との間の電荷の移動を用いて情報記録
がなされる。ここで、トンネル酸化膜(SiO2 )に十
分厚い膜厚のものを用いることで、局所的な記録ビット
のデータの保持特性を良好にできる。
【0013】この、SiO2 /SiN界面付近(SiN
/SiO2 界面とSiN膜中)にキャリアのトラップが
形成された層構造の、SiN膜上に電極によって正電圧
を印加すると、発生した強電界によりSi基体側から電
子がSiO2 膜およびSiN膜の一部分をトンネルし
て、SiO2 /SiN界面付近に存在するトラップに注
入され、蓄積される。
【0014】一方、電極によって負電圧を印加すると、
逆向きの強電界によりSiO2 /SiN界面付近にトラ
ップされていた電子がSiO2 膜をトンネルしてSi基
体側に放出され、SiO2 /SiN界面付近トラップに
存在する電子が欠乏する。また、トンネル酸化膜の膜厚
が比較的薄い場合には電子の放出と同時にホールがSi
2 膜をトンネルしてSiO2 /SiN界面付近のトラ
ップに蓄積される。このようにして、記録媒体への電圧
パルス印加に伴う電荷の移動により記録、消去がなされ
る。
【0015】また、この記録媒体からの記録情報の読み
出しすなわち再生は、静電容量の変化を捉えて為され
る。すなわち、キャパシタに電荷が注入された場合と注
入されていない場合のSi基体における空間電荷層の空
間的な変化に起因する静電容量の変化として、記録情報
が電気的に読み出される構成となっている。
【0016】記録・再生ヘッドとしては、導電性カンチ
レバーを用い、記録媒体に接触させた状態で記録と消去
を行い、再生時には、同じ導電性カンチレバーを記録媒
体に接触状態にして、そのSi基体表面の記録情報に基
く空間電荷層の変化に起因する容量変化を、導電性カン
チレバーの後段に接続された容量センサーおよび信号処
理回路を用いて検出することによって再生するという方
法がとられている。
【0017】この方法により、現在実用化ないしは研
究、開発がなされている光記録、あるいは磁気記録方法
が達成していない微小領域での情報の記録再生、即ち高
密度記録の可能性が示されている。例えば、記録媒体の
トンネル酸化膜を厚くしてキャリアとして電子の移動を
適用し、最小記録領域を直径で150nmとしたという
報告がある。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記の
ような各記録再生方法には、以下に示されるような問題
点があった。先ず、磁気記録における高密度化には、以
下のような理由に基づく限界が存在する。高密度化にと
もない、磁化された記録セルの寸法が小さくなるが、こ
のとき記録セル磁極配置によって生じた磁界が自身の消
磁作用を起こすという、反磁界による効果が大きく効い
てくるようになる。
【0019】この反磁界には形状効果があり、磁化遷移
領域すなわち記録セルの境界部分での磁化の不均一と不
連続性によって、境界域においては反磁界が強く生じ、
記録セルの中央部においては反磁界が弱くなる。
【0020】したがって、高密度化されることで、磁化
された記録セルの寸法が小さくなる程、この記録セルの
境界域、すなわち磁化遷移領域からの漏れ磁束が不安定
になり、しかも相対的に、記録材固有の異方性磁界より
も反磁界が強くなる結果として、漏洩磁束に依拠する構
成の磁気再生ヘッドの出力が不安定になり、またS/N
比の劣化による読出しに限界が発生していた。
【0021】上記のように、再生技術が現行の、磁化遷
移領域からの漏洩磁束に頼る再生ヘッド(これには、磁
束の時間的変化を直接検出するリングヘッドをはじめ、
漏洩磁束をとりこみ、この漏洩磁束が発生させる磁気抵
抗効果による抵抗の変化を検出するMRヘッド、GMR
ヘッドも含む)であるからには、これ以上の高密度化に
は限界があることが明らかになった。
【0022】すなわち、記録セルの境界域すなわち磁化
遷移領域からの漏洩磁束を電気信号に変換する再生方式
によって、高密度化をさらに進行させると、磁化遷移領
域の乱れにより再生信号のS/N比が極度に低下する結
果、実用化が困難になるという欠点があった。
【0023】あるいは、高密度にすべく、面内(水平磁
気)記録あるいは垂直磁気記録を問わず、各記録セルの
寸法と体積を減少させた場合、これにより記録セルの保
磁エネルギが減少して、記録セル中央部の漏洩磁束の強
度のみならず、境界の遷移域における漏洩磁束の強度も
減少し、よって再生信号レベルの低下によるS/N比の
さらなる劣化によって、記録密度に限界が生じるという
不都合があった。
【0024】この結果、磁気再生ヘッドとしてMR(磁
気抵抗効果)型ヘッド、さらにはGMR(巨大磁気抵抗
効果)型ヘッドの採用によってしても、磁化遷移領域か
らの漏洩磁束による検出再生原理に基づいている場合
は、記録密度の上限が10G(ギガ)ビット/平方イン
チ以下になることが指摘されている。
【0025】一方、現行の光記録方式では、短波長半導
体レーザの開発などによって、その記録領域を小さくす
る試みがなされているが、たとえば現行の近赤外線レー
ザに代えて波長500nm付近の、あるいは400nm
台の青色半導体レーザ光源を用いる場合であっても、物
理的な限界である光の回折限界が存在するため、記録ビ
ット直径(スポットエリア)をその光の波長以下にする
ことは原理的に不可能である。したがって、この光波長
による記録セル寸法の制限により、記録密度は約10G
(ギガ)乃至15G(ギガ)ビット/平方インチ程度が
限界になるものと目される。
【0026】さらに、超解像方式の技術におけるよう
な、在来の限界を越える方式が提案されており、この方
法により直径50nm以下の記録セルを実現した場合に
おいても、十分な光反射特性を同時に実現することは難
しいとされている。
【0027】また、光記録方式では、記録媒体に採用可
能な素材として、光反射率による制約があった。すなわ
ち、記録部分/非記録部分あるいは結晶/アモルフォス
の対比において判別精度を確保するために、予め定めら
れた所定値の光反射率比が必要とされ、たとえば業界規
格で光反射率比の制約が課せられている。
【0028】この結果、たとえ相転移サイクル寿命にお
いて極めて良好な特性を有し、あるいは環境の汚染や安
全性から極めて有利なうえ、しかもコスト的にも優れた
素材であっても、従来においては、ただ光反射率特性が
規格に達していない理由だけで、適用できないという不
具合があった。
【0029】また、ポイントレコーディング方式による
再生技術では、たとえ容量変化による検出の場合であっ
ても、十分なキャパシタンスを得るために接触型の構成
が不可欠であり、このため読出し時においても磨耗等に
よる再生ヘッド劣化が著しく、トライボロジ上の課題が
残り、また機構的に難点が発生するという問題があっ
た。
【0030】本発明は、前記のような従来技術における
問題点を解決するためなされたもので、記録情報の高密
度の記録および再生を可能にする新規な方法と、記録情
報の高密度の記録および再生が可能な記録媒体および、
メモリー、データストレージ等の記録再生装置を提供す
ることを目的とする。
【0031】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するた
め、本発明の請求項1に係る情報の記録方法は、記録情
報を記録媒体内に電気抵抗の差として記録することを特
徴とする。
【0032】前記の構成によれば、例えば記録情報が磁
気により記録媒体に与えられる場合であっても、情報の
記録が電気抵抗の差としてなされることにより、再生出
力確保のための磁界強度の制約がなくなり、よって磁化
の小さな記録媒体であっても支障なく使用される。また
反磁界の影響が低減されるから、記録セルを小さくして
も支障がなく、高密度記録がなされる。
【0033】さらに、記録情報がレーザ光により記録媒
体に与えられる場合では、光反射率確保の制約がなくな
り、よって従来では光反射率に関する取り決め上、使用
ができなかった特性の材料も記録媒体として支障なく使
用され、その材料の有する他の利点長所の有効活用がな
される。
【0034】本発明の請求項2に係る記録情報の再生方
法は、記録情報が電気抵抗の差として記録された記録媒
体につき、前記電気抵抗差を渦電流を用いて検知するこ
とを特徴とする。
【0035】前記の構成によれば、電気抵抗差が渦電流
を用いて検知され、一方、記録情報はこの電気抵抗差で
記録されているから、結局記録情報が渦電流を用いて検
知されることになり、例えば記録情報が磁気により記録
媒体に与えられる場合では、現行の磁気記録における再
生限界密度を上回る高密度な磁気記録の再生が可能にな
り、しかも反磁界の影響をうけることがないから、高密
度再生がなされる。
【0036】さらに、記録情報がレーザ光により記録媒
体に与えられる場合では、従来の光記録におけるような
光反射率差で再生するのではなく、渦電流を用いて検知
再生されるから、光反射率確保の制約がなくなり、よっ
て光反射率の制約をうけることなく、高密度再生がなさ
れる。
【0037】本発明の請求項3に係る記録情報の記録及
び再生方法は、磁気抵抗効果を有する材科で構成された
記録媒体に記録情報を電気抵抗の差として記録し、前記
記録媒体につき、前記電気抵抗差を渦電流を用いて検知
することを特徴とする。
【0038】前記の構成によれば、情報記録が電気抵抗
の差としてなされることで、例えば記録情報が磁気によ
り記録媒体に与えられる場合では、再生出力確保のため
の磁界強度の制約がなくなり、よって磁化の小さな記録
媒体であっても支障なく使用される。また記録セルを小
さくしても、反磁界の影響が排除されるから支障がな
く、高密度記録がなされる。
【0039】また、再生時には電気抵抗差が渦電流を用
いて検知され、一方、記録情報はこの電気抵抗差で記録
されているから、結局記録情報が渦電流を用いて検知再
生されることになり、例えば記録情報が磁気により記録
媒体に与えられる場合でも、現行の磁気記録における再
生限界密度を上回る高密度な磁気記録の再生が可能にな
り、反磁界の影響が排除されて高密度再生がなされる。
【0040】また、記録情報がレーザ光により記録媒体
に与えられる場合では、記録段階において光反射率確保
の制約がなくなり、よって従来では光反射率に関する取
り決め上、使用ができなかった特性の材料も記録媒体と
して支障なく使用される。また再生段階において、従来
の光記録におけるような光反射率差で再生するのではな
く、渦電流を用いて検知再生されるから、光反射率確保
の制約がなくなり、よって光反射率の制約をうけること
なく、高密度再生がなされる。
【0041】本発明の請求項4に係る記憶情報の再生装
置は、記録情報が電気抵抗の差として記録された記録媒
体の記録部分に交流磁束を与える励起コイルを具備し、
前記記録部分に前記励起コイルにより交流磁束を与える
ことで、前記電気抵抗差に対応して前記記録部分に誘起
される交流渦電流が発生させる誘導磁束を、前記励起コ
イルに鎖交させる構成とし、前記鎖交により励起コイル
に生じたインピーダンス変化を測定することにより前記
記録情報を再生することを特徴とする。
【0042】前記の構成によれば、現行の磁気記録にお
ける再生限界密度を上回る高密度な磁気記録の再生が可
能になり、例えば記録情報が磁気により記録媒体に与え
られている場合では、磁気により高密度記録がなされて
いる記録媒体を再生するための再生ヘッドが実現され
る。また、本再生装置によれば、磁界強度と無関係に再
生出力が得られるため、磁化の小さな記録媒体の再生も
可能になり、反磁界の影響を低減でき、高密度記録が可
能になる。
【0043】さらに、記録情報がレーザ光により記録媒
体に与えられている場合では、従来の光記録におけるよ
うな光反射率差で再生されるのではなく、渦電流を用い
て検知再生されることにより、光反射率確保の制約がな
くなり、よって光反射率の制約をうけることなく、高密
度再生がなされる。
【0044】また前記の構成によれば、励起コイルから
交流磁束を記録部分に与えるだけで記録情報の再生がな
され、簡単な構成で実現される。しかも記録として形成
されている電気抵抗差が、再生時に発生する交流渦電流
によって破壊されることがなく、よって非破壊式に読出
しがなされる。
【0045】さらに、励起コイルにより記録部分に交流
磁束を与える際ならびに、発生する誘導磁束を励起コイ
ルに鎖交させる際に、励起コイルを記録部分に非接触に
できることにより、再生装置が磨耗などによる損傷を受
けることなく、長期間にわたり安定した作動がなされ
る。
【0046】本発明の請求項5に係る記録媒体は、磁気
抵抗効果を備え、かつ、磁気として与えられた記録情報
を電気抵抗の差として記録することを特徴とする。
【0047】前記の構成によれば、記録情報が磁気によ
り記録媒体に与えられる場合であっても、記録情報を電
気抵抗の差として記録するから、再生出力確保のための
磁界強度の制約がなくなり、よって磁化の小さな記録媒
体であっても差し支えがなくなる。また反磁界の影響が
低減されるから、記録セルを小さく記録しても支障がな
く、よって高密度記録がなされる。
【0048】本発明の請求項6に係る相変化可能な記録
媒体は、レーザ光として与えられた記録情報に基づき相
変化するとともに、前記記録情報を電気抵抗の差として
記録することを特徴とする。
【0049】前記の構成によれば、相変化することによ
り電気抵抗に差が発生して記録されるから、光反射率確
保の制約を考慮する必要がなくなり、よって従来では光
反射率に関する取り決め上、使用ができなかった特性の
材料も記録媒体として支障なく使用され、現行の磁気記
録における再生限界密度を上回る高密度な再生がなされ
る。
【0050】本発明の請求項7に係る記録媒体は、電位
として与えられた記録情報を電気抵抗の差として記録す
ることを特徴とする。
【0051】前記の構成によれば、与えられる電位差が
夫々まちまちである複数の種類の記録媒体であっても、
記録時にはほぼ同程度の電気抵抗差として記録がなされ
ることにより、種々の材質による記録媒体が製品化可能
になる。
【0052】本発明の請求項8に係る帯磁可能な記録媒
体は、少なくともその一部に第一強磁性層、非磁性層、
第二強磁性層の積層構成を含んで形成され、かつ、前記
少なくとも第一強磁性層と前記第二強磁性層は磁気抵抗
効果を有する材科で構成され、かつ、前記第一強磁性層
と前記第二強磁性層のいずれか一方の保磁力が他方の保
磁力よりも大であることを特徴とする。
【0053】前記の構成によれば、第一強磁性層と第二
強磁性層のいずれか保磁力が大である強磁性層の磁化の
方向が一様であり、かつ、この強磁性層に近接している
他の強磁性層の磁化の方向は、記録情報に応じて一様で
はないから、両強磁性層を通る局所的な磁束により磁気
抵抗効果として生じる電気抵抗の差が、両強磁性層の磁
化方向が一致する場合と一致しない場合とで著しくな
り、よって再生が容易になる。
【0054】本発明の請求項9に係る帯磁可能な記録媒
体は、少なくともその一部に第一強磁性層、非磁性層、
第二強磁性層、反強磁性層の順の積層構成を含んで形成
され、かつ、前記少なくとも第一強磁性層と前記第二強
磁性層は磁気抵抗効果を有する材科で構成され、かつ、
前記第二強磁性層の保磁力が前記第一強磁性層の保磁力
よりも大であることを特徴とする。
【0055】前記の構成によれば、第二強磁性層の保磁
力が大であり、しかも反強磁性層の影響を受けて磁化の
方向が一様で、安定しており、かつ、この第二強磁性層
に近接している第一強磁性層の磁化の方向は、記録情報
に応じて一様ではないから、両強磁性層を通る局所的な
磁束により磁気抵抗効果として生じる電気抵抗の差が、
両強磁性層の磁化方向が一致する場合と一致しない場合
とで著しくなり、よって再生が容易になる。
【0056】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を説
明する。本発明においては、記録情報が磁気、光、電位
(あるいは電荷)で付与されると、この記録情報を少な
くとも電気抵抗の差として記録する。
【0057】こうして記録されている電気抵抗の検出方
法として、検出素子としての励起コイルから交流磁界を
発生させ、これにより記録媒体内に磁気抵抗効果に基づ
き交流渦電流を発生させる。この交流渦電流は誘導交番
磁束を発生させるが、この交流渦電流したがって誘導交
番磁束が前記電気抵抗により規定されることに着目し
て、前記検出素子が誘導交番磁束を検知することで、元
の記録情報を再生するものである。
【0058】この方法によれば、記録セルの中央を中心
に再生信号が得られる。このため、現行の磁気記録にお
ける問題点であった、磁化遷移領域の乱れにより再生信
号のS/Nの低下を回避するこどができる。
【0059】図1は、本発明に係る記録再生装置におけ
る、記録情報の検出部の要部構成を示す模式斜視図であ
る。本発明に係る記録再生装置の検出部1は、励起コイ
ル2と、励起コイル2を励起する交流源9と、励起コイ
ル2のインピーダンス変化を検出するインピーダンス測
定器3を具備する。
【0060】励起コイル2は、記録情報が電気抵抗6の
差として記録され、かつ磁気抵抗効果を有する材科で構
成された記録媒体8の記録セル7に検出交番磁束Φsを
与える。励起コイル2はさらに、前記のように記録セル
7に検出交番磁束Φsを与えることで記録セル7に誘起
され、かつ電気抵抗6の差に対応して発生する交流渦電
流5により発生する誘導磁束Φeを、自身に鎖交させる
よう構成されている。
【0061】同図に基づき、本発明の原理を以下に説明
する。第一に、記録媒体8における、記録がなされるこ
とにより形成される電気抵抗の形成メカニズムにつき述
べる。
【0062】記録媒体8は、単体金属原子あるいは合金
状態にある金属原子、あるいは分子状態を形成する原子
等により構成されている。この材質内を流れる電子の波
動関数は、シュレディンガーの式の解として、主として
Green関数の径路積分で表現できる。
【0063】一方、記録媒体8中には、金属や化合物の
格子の陽イオンが形成する電界や結晶構造の歪みなどに
よる、電子流を散乱させる要因が分散して存在してお
り、よって前記の電子流はその移動過程で散乱され、移
動方向が変わるが、その後はまた新たに移動を開始す
る。各電子がこのように衝突散乱を反復しながら移動す
る結果として、電子の平均の速さ、つまり電流は、印加
された電界あるいは磁界によって決まる値になり、この
結果、マクロ的なオーム法則が成立する。
【0064】このような電子流に散乱を及ぼす要因は、
記録媒体8中の原子あるいは分子の結晶配列や、電子の
エネルギー準位を規定するエネルギーバンド等であり、
散乱要因を自由電子または最外殻電子のスピンやエネル
ギー準位等に依存する一種のポテンシャルとみなしうる
が、ここでは便宜的に散乱確率(あるいは衝突確率)K
として扱う。散乱確率Kを、近似的に場所の関数として
示されるものとすると、散乱確率Kにより電気抵抗が決
まることになる。
【0065】記録媒体8が磁気記録媒体のとき、磁気的
記録により磁気記録媒体に形成される記録セル7の磁化
方向は、記録情報に基づいて所定の方向あるいは所定の
方向と逆方向のいずれかに向き、各磁気セル7毎に異な
っている。これは合金や分子を構成している原子の主と
して最外殻電子のスピン配列に対応している。各磁気セ
ル7内では磁化方向は一様なので、磁気セルは磁石とし
て作用し、ほぼ一方向の磁界を発生させるから、前記の
散乱確率Kは場所および被散乱体の方向に依存すること
になり、電気抵抗6に差が形成される。
【0066】以上、記録媒体における電気抵抗形成を説
明した。ついで、前記の記録媒体における磁気抵抗効果
(MR効果)につき説明する。 一般的に、外部磁場が
与えられると電子スピン配列(ms=+1/2、−1/
2)がなされ、MR効果によって磁束による抵抗変化が
生じるが、この抵抗変化の度合いはMR係数nとして示
され、MR係数nは磁化方向により異なる値を示す。磁
束Φの2乗をBとし、元の電気抵抗をR’として、電気
抵抗Rは R=R’(1+n・B) のように変化する。
【0067】したがって、記録によって電気抵抗形成が
なされ、それにより局所的に物性値に差異の発生した各
記憶セルがあり、しかもこれらの各記憶セルが磁気抵抗
効果を有する場合に、検出用の交番磁束を印加すると、
磁気抵抗効果のMR係数nにより前記式に示されるよう
な電気抵抗値変化が生じる。
【0068】さらに、この検出用の交番磁束の印加によ
って、交流の渦電流が記憶セル内に発生する。渦電流は
外部から印加された磁束が電子に与えるローレンツ力に
より進行方向に直角に力を受け、軌道が円状になること
に対応した電流である。この電流値(渦電流値)は、電
子の通過軌道上の散乱確率、したがって円軌道に沿った
電気抵抗値により決まる。
【0069】渦電流はジュール熱により損失が発生する
が、その電力損失は磁化(交番磁束)の変化速度の2乗
に比例する。この結果、記録セル内で深くなるにつれ、
渦電流は減衰する。減衰が1/eになる記録セル表面か
らの深度が、表皮の深さとされる。
【0070】ところで、記録セル内に渦電流が発生する
と、電磁誘導によってこの渦電流による誘導磁束が形成
される。この誘導磁束は検出用磁束と逆方向であり、そ
の磁束密度は渦電流値に依存しているから、結局、印加
される検出磁束密度が等しい場合、誘導磁束密度は電気
抵抗値により決まることになる。
【0071】さらに、この検出用磁束と逆方向の誘導磁
束は、励起コイルに錯交する。これにより、励起コイル
にインピーダンスに変化が生じ、このインピーダンス変
化をインピーダンス測定器で検出することにより、誘導
磁束が検出され、さらには渦電流および電気抵抗の変化
が間接的に検出される。すなわち、前記の原理により、
所望した再生がなされることになる。
【0072】以上の原理に基づいて、本発明の装置の動
作を要約すれば、先ず交流源9から交流電流を励起コイ
ル2に流して検出交番磁束Φsを発生させる。ついでこ
の励起コイル2を、電気抵抗6の差として記録情報が記
録セル7に記録された記録媒体8に接近させると、検出
磁束Φsにより記録媒体8に渦電流5が誘起され、渦電
流5による誘導磁束Φeが発生する。
【0073】記録媒体8は磁気抵抗効果を有していて、
記録セル7は符号nで示される、磁化方向に依存する磁
気抵抗係数を持っている。すなわち、各記録セルは記録
情報に対応して、二方向のうちのいずれか一方の方向に
磁化されていて、磁気抵抗係数も異なるいずれかの値を
とる。
【0074】したがって、検出交番磁束Φsが印加され
ると、磁気抵抗効果(磁気抵抗係数n)によって電気抵
抗6に差が発生し、電気抵抗6の差を反映した交流渦電
流5により発生する交番誘導磁束Φeが励起コイル2に
鎖交すると、励起コイル2のインピーダンスが変化し、
インピーダンス測定器3がこれを検出する。このように
して、励起コイル2のインピーダンスの差として記録情
報を再生することができる。
【0075】図2は、本発明に係る磁気記録媒体におけ
る渦電流形成を説明する模式斜視図である。記録媒体2
0が、それぞれ磁気抵抗効果を有して物性値の異なる二
層21、22から構成されるとき、検出交番磁束を印加
すると、印加部分に渦電流ec21が発生する。
【0076】渦電流ec21は記録媒体20の表面、す
なわち層21の外面において最も強く、層21から層2
2方向に深度が増すにつれて減衰する。層21内で渦電
流ec21が受ける電気抵抗R21は、層21を構成す
る材料の格子形状や結晶化度などの物性値により決ま
り、同様に層22内で渦電流ec21が受ける電気抵抗
R22は、層22を構成する材料の格子形状や結晶化度
などの物性値により決まる。
【0077】しかも 層21、22はそれぞれ異なる磁
気抵抗効果を有するから、磁気抵抗効果による電気抵抗
R21、R22の変化の度合いに差が生じる。したがっ
て、層21と22内での渦電流ec21は均質にならな
い。このように、設計ファクタが多いので、記録媒体2
0の構造や用いる材料の物性値を最適に設計する上での
自由度が大となり、柔軟な材料設計が可能になる。
【0078】次に、本発明に係る記録媒体の一実施形態
について説明する。図3は、本発明に係る記録媒体とし
て、磁気に基づき記録する記録媒体30の断面構造を示
したものである。同図に示されるように、非磁性基板3
1上に第一強磁性層32として例えば、CoPtCr層
が形成され、その上層に非磁性層33として例えば、C
u層が、さらに、その上層に第二強磁性層34として例
えば、CoPtCr層が形成されている。
【0079】ここで、第一強磁性層32の保磁力Hcl
は、第二強磁性層34の保磁力Hc2に比べ大きくなる
ように調整されている。この記録媒体30への記録の順
序として、最初に記録媒体30全体に充分大きな磁界を
印加して、第一強磁性層32および第二強磁性層34の
両方をすべて同一方向(図中で左向き矢印)に着磁させ
る。
【0080】ついで、この状態の記録媒体30に対し、
記録すべき情報に対応して磁界方向が変化し、しかも第
二強磁性層34のみが磁化反転する強度である磁界を、
第一強磁性層32の着磁方向に対して平行もしくは反平
行に印加して、通常の磁気記録同様に記録を行う。
【0081】すなわち、記録すべき情報に対応して磁界
方向が変化する磁界を、たとえば磁気ヘッドによりこの
記録媒体30の少なくとも第二強磁性層34に印加し、
かつ磁気ヘッドの、記録媒体30の面に沿っての位置
を、時間経過とともに相対的に移動させることにより、
記録すべき情報を時系列的に、記録媒体30上に軌跡と
して記録する。
【0082】こうして情報が記録された状態の記録媒体
30の第二強磁性層34には、磁化方向が第一強磁性層
32の磁化方向に対して平行の部分(図中で左向き矢
印)と反平行の部分(図中で右向き矢印)が、前記軌跡
に沿って配列されている。このように磁化の平行、反平
行が存在する結果、巨大磁気抵抗(GMR)効果が生
じ、磁化方向の平行部分と反平行部分の電気抵抗R3
1、R32に大きな差が発生する状態となる。
【0083】ここで、記録媒体30の第二強磁性層34
および第一強磁性層32に、あるいは少なくとも第二強
磁性層34に、再生検出のための比較的弱い交流磁界を
印加すると、前記の原理に基づき第二強磁性層34内お
よび第一強磁性層32に、あるいは少なくとも第二強磁
性層34に、交番渦電流ec31やec32が発生する
が、前記のように磁化方向の平行部分と反平行部分で大
きな電気抵抗差が形成されており、あるいは磁化方向の
平行部分と反平行部分で大きな電気抵抗の変化が形成さ
れるから、この結果として交番渦電流ec31やec3
2に流れる電流値に差が生じる。
【0084】この交番渦電流の電流差により、交番渦電
流が発生させる交番磁束密度にも差が生じ、よって励起
コイルに及ぼされるインピーダンス変化にも差が検出さ
れることになり、情報の読み出しが可能になる。
【0085】前記のように、本発明に係る記録媒体によ
れば、検出用の交番磁界にさらすことにより誘導生起さ
れる交番渦流が形成させる交番磁束を、鎖交によって励
起コイルに生じるインピーダンス変化によって間接的に
検出するものであり、したがって従来におけるように再
生時において第二強磁性層の記録部分から漏洩される磁
束検出によるものではないから、少なくとも第二強磁性
層が記録時に発生させる漏洩磁界を利用する必要がな
い。
【0086】したがって、従来の漏洩磁界検出型の記録
媒体において十分な漏洩磁界強度が確保できずに適用で
きなかった小寸法の記録セル(記録ピット)であって
も、必要な渦電流さえ確保できる寸法でさえあれば、本
発明に係る記録媒体に使用することができる。これによ
り、本発明は、従来の漏洩磁界検出型の記録媒体の限界
記録密度に勝る大記録密度を実現することができる。
【0087】さらに、本発明に係る記録媒体には、漏洩
磁界が非常に小さい材質、あるいは漏洩磁界が殆ど検出
されない程度の材質であっても、渦電流発生があれば適
用可能であり、これにより、着磁特性上、漏洩磁界が小
さく従来の磁気ディスク媒体に使用できなかった、耐候
性やコスト的に勝れた材質を使用することが可能にな
る。
【0088】次に、本発明に係る記録媒体の別の実施形
態について説明する。図4は、本発明に係る別の実施形
態の磁気記録媒体の断面構造を示したものである。同図
に示されるように、本発明に係る記録媒体40は、非磁
性基板41上に反強磁性層42として例えば、FeMn
層が形成され、第一強磁性層43として例えば、Co層
が形成され、その上に非磁性層44として例えば、Cu
層が、さらに、その上に第二強磁性層45として例え
ば、CoPtCr層が形成されている。
【0089】ここで、第一強磁性層43は、反強磁性層
42との交換結合(交換相互作用)により一方向に磁化
が固定されるように構成されている。なお反強磁性層4
2であるから負の交換相互作用となり、第一強磁性層4
3の磁化方向は反強磁性層42の磁化方向と反平行にな
る。これによって第一強磁性層43は、ピン層として機
能する。
【0090】この記録媒体40に、通常の磁気記録同様
に、たとえば誘導型磁気ヘッドにより記録を行うと、前
記実施形態と同様に、第二強磁性層45には第一強磁性
層43の磁化方向に対して平行と反平行の磁化方向を有
する部分が形成される。この結果、前記実施形態と同様
に電気抵抗差として記録が為されることになる。さら
に、前記第一実施形態に述べたと同様の効果と利点を実
現することができる。なお、図中でec41とec42
は交番渦電流であり、R41とR42は電気抵抗であ
る。
【0091】図5は、本発明に係る記録再生装置の別の
実施形態である、レーザ光の照射により記録媒体内に生
じる電気抵抗の変化で情報の記録をなし、渦電流により
この情報を再生する装置の原理を示す模式断面図であ
る。また、この図5は同時に、本発明に係る記録媒体の
他の実施形態として、レーザ光が照射されることで記録
セル内に電気抵抗の差として情報記録がなされる構成を
示す図でもある。
【0092】同図において、本発明に係る記録再生装置
D50は、記録情報に対応させてレーザ光出力を変調す
る照射部57と再生用励起コイル59を具備する記録再
生ヘッド58を備え、円板状で回転する記録媒体50の
記録膜51にレーザ光を照射して記録膜51上の局所領
域を加熱することにより、この局所領域を記録情報に対
応させて結晶質状態または非晶質状態に相変化させ、こ
れを連続的に実行して記録セル51aや51bの列を形
成させる。この相変化によって同時に各記録セル内の電
気抵抗に可観測的な変化が生じるような材料を用いるこ
とにより、記録情報を電気抵抗の変化として記録媒体5
0に記録する。
【0093】記録媒体50の基板53上には、記録膜5
1が形成されている。記録膜51は、レーザビーム等の
光ビームエネルギーが与えられると昇温し、ついで放冷
によって結晶質状態と非晶質状態間で転移可能な特性を
有し、かつ、結晶質状態と非晶質状態とが差別化できる
程度の電気抵抗の差を有する特性であり、さらに、結晶
質状態および非晶質状態のいずれにおいても、磁気抵抗
効果が発揮される特性を備える。さらに記録膜51の下
に補助的な調整膜52が数層、設けられることもある。
このような記録膜51の素材として、例えばカルコゲン
化物であるSb−Se−Bi系などが適用される。
【0094】光記録により記録媒体50に形成される記
録セルの状態は、クリスタル質(結晶質)とアモルフォ
ス質(非晶質)のいずれかである。ここでは、便宜的に
記録セル51aがアモルフォス状態にあり、記録セル5
1bがクリスタル状態にあるものとする。
【0095】熱力学的には、アモルフォス状態にある記
録セル51aのエントロピーEaが、クリスタル状態に
ある記録セル51bのエントロピーEcよりも高く、よ
ってアモルフォス状態にある記録セル51aの散乱確率
Kが大となって、この記録セル51aの電気抵抗R32
は、記録セル51bの電気抵抗R31よりも大になる。
【0096】ついで再生動作においては、記録再生ヘッ
ド58の励起コイル59が、記録媒体50上の着目する
記録セル51aに非接触の状態で、検出交番磁束Φsを
記録セル51aに印加する。記録セル51aは記録時に
形成された電気抵抗R32の分布を有するが、同時に磁
気抵抗効果に関わる磁気抵抗係数n32を有するので、
記録セル51a内に、印加された検出交番磁束Φsに基
づく電気抵抗R32の変化が生じる。この磁気抵抗効果
の結果、記録セル51aの記録状態(アモルフォス状態
あるいはクリスタル状態)に応じて、記録セル51aの
電気抵抗R32に大変化あるいは小変化が発生した状態
となる。
【0097】同様に、記録セル51bは記録時に形成さ
れた電気抵抗R31の分布を有するが、同時に磁気抵抗
効果に関わる磁気抵抗係数n31を有するので、記録セ
ル51b内に、印加された検出交番磁束Φsに基づく電
気抵抗R31の変化が生じる。この磁気抵抗効果の結
果、記録セル51bの記録状態(アモルフォス状態ある
いはクリスタル状態)に応じて、記録セル51bの電気
抵抗R31に大変化あるいは小変化が発生した状態とな
る。
【0098】ところで、前記の印加された検出交番磁束
Φsにより、記録セル51a内には同時に電磁誘導によ
る交番渦電流ec32が生じる。また、記録セル51b
内には同時に電磁誘導による交番渦電流ec31が生じ
る。
【0099】この、レーザ光照射による物性の変化によ
り記録する記録媒体50の材質は、遷移金属系ほど強い
渦電流を発生させるものではないが、印加する検出交番
磁束Φsの強度と周波数を最適に設定することにより、
検出されるに十分な誘導磁束(後述される)を生じる交
番渦電流ec32ならびにec31を得ることが可能に
なる。
【0100】一般的に渦電流の電流値は、前記変化した
電気抵抗によって規定される。したがって、電気抵抗の
変化(あるいは電気抵抗値そのもの)が大である記録セ
ルの渦電流の電流値は小さく、一方、電気抵抗の変化
(あるいは電気抵抗値そのもの)が小である記録セルの
渦電流の電流値は大きくなる。
【0101】これら電流値の異なる渦電流ec31、e
c32は、電磁誘導により誘導交番磁束Φ31、Φ32
を発生させる。前記のように、電気抵抗によって誘導交
番磁束Φ31、Φ32の磁束密度も異なり、したがって
これら誘導交番磁束Φ31、Φ32が鎖交する励起コイ
ル59に生じるインピーダンスの変化にも差異が生じる
から、よってこのインピーダンスの変化の差に基づい
て、記憶情報の再生が、高速度かつ高感度でなされるこ
とになる。
【0102】しかも、記録セル51aや51bの凡その
寸法として約50nm程度、そして渦電流ec31やe
c32の凡その直径として約40nm程度の形成がシミ
ュレーションで確認されており、これは線記録密度換算
で約650kFCPI(Flux Change Pe
r Inch)に相当する。これは一例にすぎず、さら
に線記録密度の向上が可能である。
【0103】このように、本発明をレーザ光で記録がな
される記録媒体に適用して記録再生すれば、従来の磁気
あるいは光記録の線記録密度を大幅に超える高線記録密
度を達成することが可能となる。
【0104】つぎに、本発明に係る記録再生装置のさら
に別の実施形態として、ポイントレコーディング式記録
再生装置の構成を図6に示す。 本発明に係るポイント
レコーディング式記録再生装置D60は、針状電極を含
む記録ヘッド65と、励起コイル66への交流通電によ
り励磁形成させた検出交番磁束Φsを記録媒体60に与
えるとともに、これによって記録媒体60に誘起された
誘導磁束Φ61を励起コイル66で検出可能な構成の非
接触再生ヘッド67を有して構成され、磁気抵抗効果を
有する記録媒体60に記録再生を行う。
【0105】記録時に、ポイントレコーディング式記録
媒体60の記録セル61aに記録ヘッド65が電界を与
えることで、記録セル61a内に電気抵抗R61の差と
して情報記録がなされ、さらに読出のための検出交番磁
束Φsを与えることで、磁気抵抗効果により記録情報が
非接触で再生される。
【0106】記録媒体は、例えば前記のNOS系あるい
はMNOS系であり、Si基体64とSiO2 (符号6
3)/SiN(符号61)ヘテロ界面付近にヘテロ界ト
ラップ(SiO2 /SiN界面およびSiN膜中に存在
するキャリアトラップ)62を形成している。ここでト
ンネル酸化膜(SiO2 )63を、十分厚い膜厚とする
ことにより、記録セルのデータ保持特性を良好なものに
できる。
【0107】記録動作においては、針状電極65から電
圧を印加することにより記録媒体60に存在する電子ま
たはホールトラップの所定領域への電荷移動を行って記
録セル61aに情報を記録する。SiN膜61上から針
状電極65によって正電圧を印加すると、強電界よりS
i基体64側から電子がSiO2 膜63およびSiN膜
の一部分をトンネルして、SiO2 /SiN界面付近に
存在するトラップ62に注入され、ここに蓄積される。
【0108】一方、針状電極65に負電圧を掛けると、
逆向きの強電界によりSiO2 /SiN界面付近のトラ
ップ62にトラップされていた電子がSi基体64側に
SiO2 膜63をトンネルして放出され、SiO2 /S
iN界面付近トラップ62に存在する電子が欠乏する。
また、トンネル酸化膜63の膜厚が比較的薄い場合には
電子の放出と同時にホールがSiO2 膜63をトンネル
してSiO2 /SiN界面付近のトラップ62に蓄積さ
れる。
【0109】この記録時の記録セル内の電荷移動によっ
て、記録セル61a内の電気抵抗R61の分布が変化す
る。
【0110】ついで再生動作においては、再生ヘッド6
7が記録媒体60上の着目する記録セル61aに非接触
の状態で、励起コイル66に交流を通電し、形成された
交番磁束Φsを記録セル61aに印加する。記録セル6
1aは前記記録時に形成された電気抵抗R61の分布を
有するが、同時に磁気抵抗効果を有するので、記録セル
61a内に印加された交番磁束Φsに基づく電気抵抗R
61の変化が生じる。
【0111】この結果、記録セル61aの記録状態すな
わち論理値1あるいは論理値0によって、その記録セル
61aの電気抵抗R61の変化が大あるいは小の差異が
発生する状態となる。
【0112】そして、前記の印加された交番磁束Φsに
より、記録セル61a内に同時に電磁誘導による交番渦
電流ec61が生じる。このポイントレコーディング式
記録媒体60は周期律表の第IV族と第V族の化合物で
あるから、前記実施形態のような遷移金属系におけるに
比して強い渦電流が発生するものではないものの、印加
する交番磁束Φsの強度と周波数を最適に設定すること
により、検出されるに十分な誘導磁束Φ61を生じる交
番渦電流ec61を得ることが可能になる。
【0113】この渦電流ec61の電流値は、前記変化
した電気抵抗R61によって規定される。したがって、
電気抵抗の変化(あるいは電気抵抗値そのもの)が大で
ある記録セルの渦電流の電流値は小さく、一方、電気抵
抗の変化(あるいは電気抵抗値そのもの)が小である記
録セルの渦電流の電流値は大きくなる。
【0114】これら電流値の異なる渦電流は、電気誘導
によって誘導磁束Φ61を発生させるが、渦電流の電流
値によって磁束密度も異なり、したがってこれら誘導磁
束Φ61が鎖交する励起コイル66に生じるインピーダ
ンスの変化にも差異が生じるから、よってこのインピー
ダンスの変化の差に基づいて、記憶情報の再生が、高速
度かつ高感度でなされることになる。
【0115】しかも、少なくとも再生ヘッド67は非接
触構成にできるから、磨耗による再生ヘッドの劣化がな
く、また前記の従来技術において問題とされたトライボ
ロジ上の問題が解消される。
【0116】以上、磁気記録に基づく実施形態ならび
に、光記録に基づく実施形態ならびに、電荷記録に基づ
く実施形態について記述したが、以上の説明で明らかな
ように、本発明は、磁化状態の検出素子、メモリー素
子、磁気ディスク媒体および磁気ディスク装置、さらに
光ディスク媒体および光ディスク装置をはじめ、電荷記
録がなされるポイントレコーディング媒体および装置な
どの、要するに記憶状態が電気抵抗特性の変化として現
われるデータストレージ素子や記録媒体および記録再生
装置に、広範に適用可能である。
【0117】さらに本発明の再生方式は、上記の記録に
限られることなく、電気抵抗の差を生じるような記録媒
体に全て適用することが可能である。
【0118】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の請求項1
に係る情報の記録方法は、記録情報を記録媒体内に電気
抵抗の差として記録する構成であるから、記録情報が磁
気により記録媒体に与えられる場合では、再生出力確保
のための磁界強度の制約がなくなり、よって磁化の小さ
な記録媒体を支障なく使用できる。また反磁界の影響を
低減可能な構成であるから、記録セルを小さくしても支
障がなく、よって高密度記録ができるという効果を奏す
る。
【0119】さらに、記録情報がレーザ光により記録媒
体に与えられる場合では、光反射率確保の制約がなくな
り、よって従来では光反射率に関する取り決め上、使用
ができなかった特性の材料も記録媒体として使用でき、
記録膜寿命にすぐれた材料や、環境的あるいはコスト的
に有利な材料の適用を可能にする。
【0120】本発明の請求項2に係る記録情報の再生方
法は、記録情報が電気抵抗の差として記録された記録媒
体につき、電気抵抗差を渦電流を用いて検知する構成で
あるから、電気抵抗差を渦電流を用いて検知し、一方、
記録情報を電気抵抗差で記録しているから、結局渦電流
を用いて記録情報を検知できることになる。
【0121】したがって、記録情報が磁気により記録媒
体に与えられる場合では、反磁界の影響をうけることな
く、現行の磁気記録における再生限界密度を上回る高密
度な磁気記録の再生が可能になり、高密度再生を実現で
きる。
【0122】さらに、記録情報がレーザ光により記録媒
体に与えられる場合では、従来の光記録におけるような
光反射率差で再生するのではなく、渦電流を用いて検知
再生することにより、光反射率確保の制約がなくなり、
よって光反射率による制約をうけることなく、高密度再
生を実現できる。
【0123】本発明の請求項3に係る記録情報の記録及
び再生方法は、磁気抵抗効果を有する材科で構成された
記録媒体に記録情報を電気抵抗の差として記録し、前記
記録媒体につき、前記電気抵抗差を渦電流を用いて検知
する構成であるから、記録情報が磁気により記録媒体に
与えられる場合では、再生出力確保のための磁界強度の
制約がなくなる。よって、磁化の小さな記録媒体であっ
ても支障なく使用することができる。また反磁界の影響
が低減される構成であるから記録セルを小さくしても支
障なく高密度記録ができる。
【0124】また、再生時には電気抵抗差を渦電流によ
って検知し、一方、記録情報はこの電気抵抗差で記録さ
れているから、結局渦電流を用いて記録情報を検知再生
することになる。よって記録情報が磁気により記録媒体
に与えられる場合では、反磁界の影響をうけることがな
く、現行の磁気記録における再生限界密度を上回る高密
度な磁気記録の再生が可能になり、高密度再生ができ
る。
【0125】また、記録情報がレーザ光により記録媒体
に与えられる場合では、記録段階において光反射率確保
の制約がなくなり、よって従来では光反射率に関する取
り決め上、使用ができなかった特性の材料も記録媒体と
して支障なく使用することができる。また再生段階にお
いて、従来の光記録におけるような光反射率差で再生す
るのではなく、渦電流を用いて検知再生するから、光反
射率確保の制約がなくなり、よって光反射率の影響をう
けることなく高密度再生が可能になる。
【0126】本発明の請求項4に係る記憶情報の再生装
置は、記録媒体の記録部分に交流磁束を与える励起コイ
ルを具備して記録部分に交流磁束を与え、記録部分に誘
起される交流渦電流により発生する誘導磁束を励起コイ
ルに鎖交させ、インピーダンス変化測定により記録情報
を再生する構成であるから、現行の磁気記録における再
生限界密度を上回る高密度な磁気記録の再生が可能にな
る。
【0127】例えば記録情報が磁気により記録媒体に与
えられている場合では、磁気により高密度記録がなされ
ている記録媒体を再生できるような再生装置を実現でき
る。また、本再生装置によれば、磁界強度と無関係に再
生出力が得られるため、磁化の小さな記録媒体の再生も
可能になり、反磁界の影響を低減でき、高密度記録が可
能になる。
【0128】さらに、記録情報がレーザ光により記録媒
体に与えられている場合では、従来の光記録におけるよ
うな光反射率差で再生するのではなく、渦電流を用いて
検知再生することにより、光反射率確保の制約がなくな
り、よって高密度再生を行うことができる。
【0129】また前記の構成によれば、励起コイルから
交流磁束を記録部分に与えるだけで記録情報の再生がで
き、簡単な構成で実現できる。しかも形成されている電
気抵抗差が、発生する交流渦電流によって破壊されるこ
とがなく、よって非破壊式に読出しができるという利点
がある。
【0130】さらに、励起コイルにより記録部分に交流
磁束を与える際ならびに、発生する誘導磁束を励起コイ
ルに鎖交させる際に、励起コイルを記録部分に非接触に
できる。これにより、再生装置が磨耗などによる損傷を
受けることなく、長期間にわたり安定した作動が可能に
なる。
【0131】本発明の請求項5に係る記録媒体は、磁気
抵抗効果を備え、かつ、磁気として与えられた記録情報
を電気抵抗の差として記録する構成とするから、記録情
報が磁気により記録媒体に与えられる場合であっても、
記録情報を電気抵抗の差として記録する。よって、再生
出力確保のための磁界強度の制約がなくなり、磁化の小
さな記録媒体であっても差し支えない。また反磁界の影
響が低減されるから、記録セルを小さく記録しても支障
がなく、高密度記録が可能になる。
【0132】本発明の請求項6に係る相変化可能な記録
媒体は、レーザ光として与えられた記録情報に基づき相
変化するとともに、記録情報を電気抵抗の差として記録
する構成とするから、相変化することにより電気抵抗に
差が発生して記録される。よって、光反射率確保の制約
を考慮する必要がなくなり、従来では光反射率に関する
取り決め上、使用ができなかった特性の材料も記録媒体
として支障なく使用でき、現行の磁気記録における再生
限界密度を上回る高密度な再生が可能になる。
【0133】本発明の請求項7に係る記録媒体は、電位
として与えられた記録情報を電気抵抗の差として記録す
る構成であるから、与えられる電位差が夫々まちまちで
ある複数の種類の記録媒体であっても、記録時にはほぼ
同様な電気抵抗差として記録がなされ、よって種々の材
質による記録媒体を適用可能になる。
【0134】本発明の請求項8に係る帯磁可能な記録媒
体は、第一強磁性層、非磁性層、第二強磁性層の積層構
成であり、第一強磁性層と第二強磁性層は磁気抵抗効果
を有する材科で構成され、第一強磁性層と第二強磁性層
のいずれか一方の保磁力を他方よりも大に構成するか
ら、いずれか保磁力が大である強磁性層の磁化の方向が
一様であり、かつ、この強磁性層に近接している他の強
磁性層の磁化の方向は、記録情報に応じて一様ではな
い。
【0135】これにより、両強磁性層を通る局所的な磁
束により磁気抵抗効果として生じる電気抵抗の差が、両
強磁性層の磁化方向が一致する場合と一致しない場合と
で著しくなる。この結果、渦電流ならびに誘導磁束にも
差が顕著に現われ、よって再生信号の検出が容易にな
る。
【0136】本発明の請求項9に係る帯磁可能な記録媒
体は、第一強磁性層、非磁性層、第二強磁性層、反強磁
性層の順の積層構成であり、第一強磁性層と第二強磁性
層は磁気抵抗効果を有する材科で構成され、第二強磁性
層の保磁力が第一強磁性層の保磁力よりも大に構成する
から、第二強磁性層の保磁力が大である上、しかも反強
磁性層の影響を受けて磁化の方向が一様で安定する。
【0137】また、この第二強磁性層に近接している第
一強磁性層の磁化の方向は記録情報に応じて一様ではな
いから、両強磁性層を通る局所的な磁束により磁気抵抗
効果として生じる電気抵抗の差が、両強磁性層の磁化方
向が一致する場合と一致しない場合とで著しくなり、よ
って再生が容易になる。
【0138】また、本発明に係る記憶情報の読み出し方
式によれば、磁気記録に限らず記録情報が電気抵抗の差
として現われる材料であれば記録媒体として用いること
が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る記録再生装置の一実施形態におけ
る検出部を示す模式斜視図である。
【図2】本発明に係る磁気記録媒体における渦電流形成
を説明する模式斜視図である。
【図3】本発明に係る磁気記録媒体の一実施形態を示す
模式断面図である。
【図4】本発明に係る磁気記録媒体の別の実施形態を示
す模式断面図である。
【図5】本発明に係る記録再生装置の別の実施形態であ
る、レーザ光により電気抵抗で記録をなし、渦電流によ
り再生する装置の原理を示す模式断面図である。
【図6】本発明に係る記録再生装置のさらに別の実施形
態である、ポイントレコーディング式記録再生装置の原
理を示す模式断面図である。
【符号の説明】
1…本発明に係る記録再生装置の検出部、2…励起コイ
ル、3…インピーダンス測定器、5…渦電流、6…電気
抵抗、7…記録セル、8…記録媒体、9…交流源、n…
磁気抵抗係数、Φs…検出交番磁束、Φe…誘導交番磁
束。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 記録情報を記録媒体内に電気抵抗の差と
    して記録することを特徴とする情報の記録方法。
  2. 【請求項2】 記録情報が電気抵抗の差として記録され
    た記録媒体につき、前記電気抵抗差を渦電流を用いて検
    知することを特徴とする記録情報の再生方法。
  3. 【請求項3】 磁気抵抗効果を有する材科で構成された
    記録媒体に記録情報を電気抵抗の差として記録し、前記
    記録媒体につき、前記電気抵抗差を渦電流を用いて検知
    することを特徴とする記録情報の記録及び再生方法。
  4. 【請求項4】 記録情報が電気抵抗の差として記録され
    た記録媒体の記録部分に交流磁束を与える励起コイルを
    具備し、 前記記録部分に前記励起コイルにより交流磁束を与える
    ことで、前記電気抵抗差に対応する強さで前記記録部分
    に誘起される交流渦電流が発生する誘導磁束を、前記励
    起コイルに鎖交させる構成とし、 前記鎖交により前記励起コイルに生じたインピーダンス
    変化を測定することにより前記記録情報を再生すること
    を特徴とする記憶情報の再生装置。
  5. 【請求項5】 磁気抵抗効果を備え、かつ、磁気として
    与えられた記録情報を電気抵抗の差として記録すること
    を特徴とする記録媒体。
  6. 【請求項6】 レーザ光により与えられた記録情報に基
    づき相変化するとともに、前記記録情報を電気抵抗の差
    として記録することを特徴とする相変化可能な記録媒
    体。
  7. 【請求項7】 電位として与えられた記録情報を電気抵
    抗の差として記録することを特徴とする記録媒体。
  8. 【請求項8】 少なくともその一部に第一強磁性層、非
    磁性層、第二強磁性層の積層構成を含んで形成され、 かつ、前記少なくとも第一強磁性層と前記第二強磁性層
    は磁気抵抗効果を有する材科で構成され、 かつ、前記第一強磁性層と前記第二強磁性層のいずれか
    一方の保磁力が他方の保磁力よりも大であることを特徴
    とする帯磁可能な記録媒体。
  9. 【請求項9】 少なくともその一部に第一強磁性層、非
    磁性層、第二強磁性層、反強磁性層の順の積層構成を含
    んで形成され、 かつ、前記少なくとも第一強磁性層と
    前記第二強磁性層は磁気抵抗効果を有する材科で構成さ
    れ、かつ、前記第二強磁性層の保磁力が前記第一強磁性
    層の保磁力よりも大であることを特徴とする帯磁可能な
    記録媒体。
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