JPH11110835A - 情報記録媒体用基板の射出成形方法及び得られた基板 - Google Patents

情報記録媒体用基板の射出成形方法及び得られた基板

Info

Publication number
JPH11110835A
JPH11110835A JP28461397A JP28461397A JPH11110835A JP H11110835 A JPH11110835 A JP H11110835A JP 28461397 A JP28461397 A JP 28461397A JP 28461397 A JP28461397 A JP 28461397A JP H11110835 A JPH11110835 A JP H11110835A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
substrate
release agent
mold
stamper
injection molding
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP28461397A
Other languages
English (en)
Inventor
Atsushi Yusa
敦 遊佐
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Maxell Holdings Ltd
Original Assignee
Hitachi Maxell Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Maxell Ltd filed Critical Hitachi Maxell Ltd
Priority to JP28461397A priority Critical patent/JPH11110835A/ja
Publication of JPH11110835A publication Critical patent/JPH11110835A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C45/00Injection moulding, i.e. forcing the required volume of moulding material through a nozzle into a closed mould; Apparatus therefor
    • B29C45/17Component parts, details or accessories; Auxiliary operations
    • B29C45/26Moulds
    • B29C45/263Moulds with mould wall parts provided with fine grooves or impressions, e.g. for record discs
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C45/00Injection moulding, i.e. forcing the required volume of moulding material through a nozzle into a closed mould; Apparatus therefor
    • B29C45/17Component parts, details or accessories; Auxiliary operations
    • B29C45/83Lubricating means

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)
  • Manufacturing Optical Record Carriers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 樹脂材料に離型剤を含有させなくても金型ま
たはスタンパから基板を離型することが可能な射出成形
方法及びそれから得られた基板を提供する。 【解決手段】 金型のキャビティ2は、金型鏡面6、ス
タンパ4及び外径リング5から画成される。キャビティ
2を画成するスタンパ4の表面及び金型鏡面6に予め離
型剤を成膜しておき、ポリカーボネート樹脂を射出成形
する。これにより、樹脂材料に離型剤を含有させなくて
も金型やスタンパから基板を良好に離型させることがで
きる。更に、成形された基板には離型剤が含有されてい
ないので、ピンホールの発生が低減され、基板の耐久性
が向上される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スタンパを装着し
た金型のスタンパ内に溶融樹脂を射出することによりプ
ラスチック基板を製造するための射出成形方法に関し、
更に詳細には、金型またはスタンパとの離型性及びスタ
ンパからの転写性に優れ、離型剤を含有しないプラスチ
ック基板の成形に好適な射出成形方法及びそれにより得
られた情報記録媒体用の基板に関する。
【0002】
【従来の技術】マルチメディア時代の到来に伴い、映像
や音声、文字などを含む大容量データを記録再生する媒
体として、光磁気ディスクやDVD(デジタルバーサタ
イルディスク)などの光記録媒体が利用されている。こ
れら光記録媒体の基板には、通常、プラスチック基板が
用いられている。最近では磁気ディスク用の基板に対し
ても、軽量化、生産性の向上及び製造コストの低減など
の目的でプラスチック基板を用いることが提案されてい
る。これらのプラスチック基板は、通常、つぎに示すよ
うな射出成形方法によって製造されていた。
【0003】プリピットやプリグルーブが形成されたス
タンパを金型内に装着し、型締めした後、ポリカーボネ
ート樹脂などに代表されるプラスチック材料を溶融させ
て金型のキャビティ内に射出充填する。射出充填したプ
ラスチック材料を金型内で所定圧力下で冷却し、金型を
開放することによってプリピットやプリグルーブが転写
された成形基板が得られる。
【0004】ところが、射出成形された基板を金型から
取り出す際に、基板が金型から容易に離型しないという
問題があった。基板の離型性が悪くなると生産性が著し
く低下する。特に近年、例えばDVD(デジタルバーサ
タイルディスク)等のように、媒体の高密度化を実現す
るために、基板の板厚を薄くすることや基板表面に形成
するプリピットやプリグルーブを深くすることが行われ
ており、成形された基板をスタンパから離型することが
極めて困難となる。かかる問題を解決するために、従来
はプラスチック材料に離型剤を少量含有させていた。プ
ラスチック材料中の離型剤は、射出成形時に溶融されて
揮発ガスとなって基板と金型との間またはスタンパと基
板との間に介在し、その後、金型内で冷却され金型表面
やスタンパ表面に薄膜となって付着することによって基
板との剥離を促していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、射出成形時
に揮発ガスとなって基板と金型との間に介在していた離
型剤は、離型した後にはキャビティ開放に伴い外部に排
気される。しかしながら、実際にはすべての揮発ガスが
外部に排気されるわけではなく、僅かの揮発ガスがキャ
ビティに残留して固化し、スタンパ表面や基板と接触す
る金型表面に薄い膜となって付着していた。このため、
射出成形を繰り返すうちにスタンパ表面や基板と接触す
る金型表面にこの薄い膜が徐々に堆積していた。堆積量
が変化することによって基板の離型性も経時変化し、成
形基板には、離型不良により発生するピットずれや多重
転写などによる転写不良が生じていた。
【0006】更に、揮発ガスとなった離型剤がガス逃げ
クリアランス部からキャビティの外側に排気される際
に、ガス逃げクリアランス部において該揮発ガスが圧縮
急冷されて固化することがあった。一般に離型剤は粘性
が高いものが用いられるので、キャビティの外側に位置
するスタンパ領域や信号エリアを形成するスタンパ領域
に固化した離型剤が付着し、成形された基板に対して再
生エラーや欠陥を引き起こしていた。また、固化した離
型剤がガス逃げクリアランス部に付着することもあり、
樹脂から発生する揮発ガスが射出成形時に外部に排気さ
れにくくなっていた。この状態のまま溶融樹脂を射出充
填すると、キャビティ内の内圧が上昇し、溶融樹脂をキ
ャビティの末端部まで均一に充填させることが困難とな
り、基板の成形不良が起こってしまう。したがって、発
生するガスの量を減らすために、溶融樹脂に含有させる
離型剤の量を低減させる必要があった。
【0007】また、基板上に記録層などの積層膜を成膜
してなる情報記録媒体用の基板として、例えば、ポリカ
ーボネート樹脂基板を用いた場合には、樹脂に含有させ
る離型剤として、脂肪酸や脂肪酸モノグリセリドなどが
一般的に用いられている。しかしながら、情報記録媒体
を長期間保存しておいたときに基板表面と積層膜との間
に離型剤が析出し、積層膜の耐久性を低下させたり、情
報再生時に再生エラーが発生するなどの悪影響を及ぼす
ことがあった。更に、上記離型剤は、高温多湿下におい
てはポリカーボネートの加水分解を促進させる性質があ
るので、上記離型剤を含有したポリカーボネート樹脂基
板を用いた情報記録媒体を高温多湿下に放置しておいた
場合、ポリカーボネートの加水分解により基板の耐久性
が低下したり、基板にピンホールが発生して、それによ
り情報再生時に再生エラーが生じるなどの問題があっ
た。
【0008】今まで述べてきた問題点は、特に、基板の
均一な光学特性や精密な転写性が要求される高密度光磁
気ディスクやDVD(デジタルバーサタイルディスク)
などの次世代光ディスクにおいては一層深刻になると考
えられる。
【0009】本発明は、上記従来技術の問題を解決する
ためになされたものであり、その目的は、樹脂材料に離
型剤を含有させることなくスタンパに刻まれたプリピッ
ト及びプリグルーブなどのパターンを成形基板に良好に
転写させ、金型及びスタンパから成形基板を良好に離型
させることが可能な射出成形方法及びそれにより得られ
た情報記録媒体用の基板を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明に従えば、スタン
パを装着した金型のキャビティ内に溶融樹脂を射出して
情報記録媒体用のプラスチック基板を製造する射出成形
方法において、上記キャビティを画成する部材の少なく
とも一部に予め離型剤を成膜しておくことを特徴とする
射出成形方法が提供される。
【0011】本発明の射出成形方法では、キャビティを
画成する部材、例えば、金型の表面やスタンパ表面、キ
ャビティ末端部を画定する外径リングの少なくとも一部
分に予め離型剤が成膜してあるので、離型剤を含有して
いない樹脂材料を用いても基板を容易に離型することが
できる。したがって、樹脂材料に離型剤を含有させる必
要はないので、射出成形時に溶融樹脂から離型剤が揮発
ガスとなって発生することがなくなり、揮発ガスが原因
となって引き起こされていた問題、すなわち、揮発ガス
がキャビティ内に残留にすることにより金型表面及びス
タンパ表面に離型剤が堆積してしまう問題や、揮発ガス
がガス逃げクリアランス部で固化し、キャビティの外側
に位置するスタンパや信号エリア内のスタンパ、ガス逃
げクリアランス部に付着してしまう問題が解消される。
【0012】また、本発明の射出成形方法では、射出成
形用の樹脂材料に離型剤を添加していないので、成形さ
れた基板にも離型剤が含有されていない。したがって、
本発明の方法で得られた基板を用いて作製された情報記
録媒体は、長期間保存しても離型剤が基板表面に析出す
ることはないので、離型剤が基板表面に析出することに
よって発生する記録層などの耐久性の低下や情報再生時
の再生エラーの発生などの問題が解消される。更に、成
形された基板内には離型剤が含まれていないことから、
高温多湿下におけるポリカーボネート樹脂の加水分解が
低減される。したがって、この基板を用いて情報記録媒
体を作製すれば、加水分解によって引き起こされていた
媒体の耐久性の低下やピンホールによる再生エラーなど
が解消される。
【0013】本発明の射出成形方法において、金型内で
離型剤を成膜する部分は、キャビティを画成する部分、
すなわち、金型鏡面やスタンパ表面、外径リングなどで
あって、射出充填された溶融樹脂と接触する部分に成膜
することが好ましい。特に、スタンパ表面に離型剤を成
膜させれば、溝の深いプリピットやプリグルーブなどの
パターンがスタンパに形成されていても基板をスタンパ
から良好に離型させることができる。また、成膜する離
型剤の膜厚は、良好な離型性を得るという観点からすれ
ば10nm以下にするのが望ましい。
【0014】本発明において、金型またはスタンパに離
型剤を成膜する方法は任意であり、例えば、金型または
スタンパを回転させながら、溶媒に溶かした離型剤をそ
れぞれの表面上に滴下し、更にそれらを高速回転させる
ことにより余分な溶液を振り切る、いわゆるスピン塗布
方法やテフロンなどの固形物をスパッタリングして成膜
する方法などを利用することができる。
【0015】本発明において、成膜する離型剤の種類は
任意であり、脂肪酸部分がエステル化したステアリン酸
モノグリセリドやテフロン、パラフィンワックス、シリ
コーンオイル、エステルロウ、ポリエチレンワックス、
アミド化合物、有機酸エステルワックスなどを用いるこ
とができ、例えば、ポリカーボネート樹脂に対しては、
飽和脂肪酸と多価アルコールから得られたエステルなど
を用いることができる。
【0016】本発明において、樹脂材料としてはポリカ
ーボネート樹脂のほかにアモルファスポリオレフィン、
ポリメチルメタクリレートなどの樹脂材料を利用するこ
とができる。
【0017】また、本発明において、キャビティを画成
する部材、例えば、金型の表面やスタンパ表面、キャビ
ティ末端部を画定する外径リングの少なくとも一部分に
予め離型剤が成膜してあるので、樹脂材料中には離型剤
を添加する必要がない。しかしながら、樹脂材料中に離
型剤を添加してもよい。この場合、樹脂材料中に添加す
る離型剤の量は、スタンパや金型に成膜された離型剤の
量に応じて調整することが望ましい。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態及び実
施例について図面を用いて具体的に説明するが、本発明
はこれらに限定されるものではない。
【0019】実施例 この実施例では、ポリカーボネート樹脂を射出成形して
3.5型5X(640MB記録容量)光磁気ディスク基
板を製造した。図1に、本実施例で用いた射出成形用金
型10の要部断面図を示す。金型10は、固定金型10
aと可動金型10bとを組み合わせて構成されている。
固定金型10aには、外径リングが埋設されており、外
径リング5により成形される基板の外周部が画定され
る。すなわち、金型10のキャビティ2は、固定金型1
0aと可動金型10bの互いに対向する表面6、60と
外径リング5の内周壁によって画定される。固定金型1
0aの可動金型10bと対向する面6は、鏡面仕上げさ
れている。
【0020】可動金型10bの固定金型10aと対向す
る面60にはスタンパ4が装着されている。スタンパ4
は、厚み0.3mmのNi材料で作製され、その表面に
はプリピットやプリグルーブなどを形成するための凹凸
が刻まれている。スタンパ4のフォーマットは3.5型
5X(640MB記録容量)光磁気ディスク用とした。
【0021】固定金型10a及び可動金型10bに内部
にはそれぞれ温調媒体流路3が形成されており、図示し
ない温度制御機構で温度制御された冷却水を温調媒体流
路3に循環させることによって、固定金型10a及び可
動金型10bを最適温度になるように冷却している。な
お、図に示した金型構造はあくまでも一例を示すもので
あり、本発明では任意の金型を用いることができる。
【0022】[離型剤の成膜]射出成形を行う前に射出
される溶融樹脂との接触面であるスタンパ4に以下の方
法で離型剤を成膜した。スタンパ4には離型剤希釈溶液
をスピン塗布、すなわち、所定の回転数で回転させたス
タンパ表面に離型剤希釈溶液を塗布し、前記回転数より
も高回転数で余分の溶液を振り切ることで成膜した。離
型剤のスタンパ表面における膜厚は、溶媒における希釈
濃度と回転数により任意に調整可能であるが、離型性が
最低限確保される薄膜であることが望ましい。離型剤の
希釈溶液は、離型剤であるステアリン酸モノグリセリド
をアセトン溶媒に0.1wt%程度溶解させることによ
って調整した。ポリカーボネート樹脂に対する離型剤と
しては、このほかにパラフィン、シリコーンオイル等が
挙げられ、ステアリン酸モノグリセリドのように少量で
離型を促進することができる離型剤が望ましい。
【0023】離型剤のほかの成膜方法としては、離型剤
を含有させた溶液をスタンパ表面にスプレーすることや
塩化ビニルを主成分とするスタンパ保護膜に離型剤を混
合させ、スタンパ上に成膜してなじませた後に保護膜を
除去すること、テフロンなどの固形物の離型剤をスパッ
タ法で成膜することが可能であり、これらの方法に限ら
ず任意の方法を用い得る。
【0024】また、本実施例においては、離型剤は溶融
樹脂との接触面のみならず金型鏡面6の溶融樹脂との接
触面にも成膜した。この場合、前記のように調整した離
型剤希釈溶液を金型鏡面6上にスプレーすることによっ
て成膜した。
【0025】[基板の製造]上記のようにスタンパ及び
金型鏡面6の溶融樹脂との接触面に離型剤が成膜された
金型を用いて、次のようにして射出成形を行った。34
0℃に溶融加熱したポリカーボネート樹脂を、図示しな
い成形機のノズル先端から金型のスプール1を経てキャ
ビティ2に充填させた。ポリカーボネート樹脂には離型
剤を全く含有させなかった。そして、130℃の温調媒
体を温調媒体流路3で循環させることによって予め最適
温度になるように金型を冷却した。冷却過程を経て、ス
タンパ4に刻まれたプリピットやプリグルーブの情報が
成形された基板に転写された。なお、得られた基板の外
径は、前述のようにキャビティ外径リング5によって規
制されている。上記と同様の操作で20000万ショッ
トまで基板を連続成形し、500ショット毎に基板を抜
き取り、ピットずれの発生や機械特性の検査を行った。
得られた成形基板のいずれにもピットずれの発生や機械
特性の悪化は認められなかった。
【0026】上記条件にて成形した3.5型5X基板を
用いて、光磁気ディスク20を作製した。作製した光磁
気ディスク20の断面構造を図2に示す。光磁気ディス
ク20は、基板21上にSiN誘電体膜22、Tb−F
e−Co系磁性膜23、SiN誘電体膜24及びAlT
i反射膜25をマグネトロンスパッタリングにより順次
積層した。次いで、AlTi反射膜25上に紫外線硬化
樹脂からなる保護膜26を、基板表面には紫外線硬化樹
脂からなるハードコート膜27をそれぞれスピン塗布に
て成膜した。
【0027】こうして得られた光磁気ディスク20の最
外周における半径位置r=41mmに、波長λ=680
nmのレーザーを用い記録磁界300Oeにて光磁気
(MO)信号を記録した。記録デイスク回転数は300
0rpmとし記録パターンは細密パターンの2T信号と
した。かかる信号を再生し、下記式のISO規格にした
がってACインバランスを測定した。
【0028】ACインバランスは光磁気ディスクの局所
的な光学的性質の変動であり、基板のマイクロリターデ
ーション(高周波のリターデーション)に依存する。特
に基板最外周部での光学的特性の変動は、射出成形時の
外径リングにおけるガス逃げの均一性に大きく左右され
る。光磁気ディスクのACインバランスは下記の式
(1)で求められる。
【0029】 ACインバランス=(ACインバランス電圧幅)/(MO振幅) (1)
【0030】式(1)中、MO振幅は50kHz以上の
ハイパスフイルターを通したMO記録信号の電圧振幅、
ACインバランス電圧幅は1〜50kHzのバンドパス
フイルターを通したMO信号の消去信号における局所的
変動幅である。また、ISOの規格は0.2以下であ
る。
【0031】成形開始から20000ショットまで20
00ショット毎に成形した基板を合計10枚抜き出し、
前記の方法で光磁気ディスクをそれぞれ製造した。得ら
れたそれぞれの光磁気ディスクに対し、前記と同様の方
法で外周ACインバランスの測定を行った。測定結果を
図3に示す。図3からわかるように、本実施例において
はACインバランスが常に安定している。これは金型外
周部のガス逃げが安定しているためであると考えられ
る。また、射出成形後に、外径リングとスタンパとの間
に形成されるクリアランス部7aと外径リングと金型鏡
面との間に形成されるクリアランス部7bを観察した
が、堆積物は全く観察されなかった。
【0032】更に、環境試験として、上記10枚の光磁
気ディスクを温度80℃、湿度90%の高温多湿下にお
いて7日間保存した。環境試験前にそれぞれの光磁気デ
ィスクに対して予めエラーレートの測定を行っておき、
環境試験後に再度エラーレートの測定を行った。エラー
レートの変化率を(環境試験後のエラーレート)/(環
境試験前のエラーレート)とすると本実施例の光磁気デ
ィスクのエラーレートの変化率は1.05〜1.1とな
り、環境試験後におけるエラーの増加は殆ど認められな
かった。
【0033】比較例1 スタンパ4及び金型鏡面6に離型剤を成膜せず且つポリ
カーボネート樹脂に離型剤ステアリン酸モノグリセリド
を0.001重量%添加した(樹脂A)以外は、実施例
と同様にしてポリカーボネート樹脂基板の連続成形を行
った。
【0034】比較例2 スタンパ4及び金型鏡面6に離型剤を成膜せず且つポリ
カーボネート樹脂に離型剤ステアリン酸モノグリセリド
を0.01重量%添加した(樹脂B)以外は、実施例と
同様にしてポリカーボネート樹脂基板の連続成形を行っ
た。
【0035】かかる2種類の樹脂A及びBを用いて基板
を各々20000ショット連続成形し、500ショット
毎に基板を抜き取り、基板のピットずれ及び機械特性を
検査した。離型剤含有量が多い樹脂Bを用いて成形され
た基板ではピットずれは発生しておらず、機械特性も安
定していたが、離型剤含有量が少ない樹脂Aを用いて成
形された基板ではピット及び機械特性も不安定となって
いた。
【0036】次いで、実施例と同様に2000ショット
毎に成形基板を抜き取り、この基板を用いて光磁気ディ
スクを作製した。そして、得られたそれぞれの光磁気デ
ィスクに対してACインバランスの測定を行った。測定
結果を実施例の結果とあわせて図3に示す。比較例1及
び2においては、ショット数が増えるほどACインバラ
ンスが増大することが図からわかる。特にそれは離型剤
の添加量が多い樹脂Bのほうが顕著である。樹脂Aで
は、成形ショット数が18000で、樹脂Bでは600
0でISO仕様のACインバランス値0.2を超えてい
た。この結果は樹脂に含有されている離型剤の量が多い
程、射出成形中の外周ガス逃げが不安定になることを示
している。この原因としては、樹脂中に含まれる離型剤
の量が多い程揮発ガスが増えることや、金型外周ガス逃
げ部に離型剤が固化して堆積しやすくなることが考えら
れる。樹脂Aの成形後、クリアランス部7a、7b各々
を観察すると、ゲル状の堆積物が詰まっていた。また、
樹脂Bの成形後においても同様に、クリアランス部7
a、7bにゲル状の堆積物が詰まっていた。
【0037】また、実施例と同様に環境試験を行い、環
境試験前後における光磁気ディスクのエラーレートの変
化率を調べた。エラーレートの変化率は樹脂Aを用いて
成形された基板では1.4〜1.8、樹脂Bでは2.5
〜3.0であった。この結果から、樹脂に添加した離型
剤がエラーレート増加の要因となっていることが判る。
比較例1及び2から溶融樹脂に含有される離型剤は、ガ
ス逃げ不良や再生エラー増加の要因となるが、含有量が
少ないと離型性が不安定となることが明らかである。
【0038】
【発明の効果】本発明の射出成形方法では、キャビティ
を画成する部材の少なくとも一部分に予め離型剤が成膜
してあるので、溶融樹脂中に含まれる離型剤の量を低減
させても、若しくは離型剤を全く含有させなくてもスタ
ンパや金型から基板を良好に離型させることができる。
また、樹脂材料に離型剤を含有させなくてもよいので、
射出成形時に溶融樹脂から揮発ガスが発生することがな
くなる。これにより、キャビティ内に揮発ガスが残留
し、金型表面やスタンパ表面に離型剤が堆積して離型性
が不安定になることがなくなる。また、揮発ガスが、ガ
ス逃げクリアランス部で圧縮急冷されることによってガ
ス逃げクリアランス部に付着し、射出成形時にガス逃げ
不良を起こすこともなくなる。このため、成形基板不良
が減少し、光学特性(リターデーション)及び転写性に
優れた成形品を得ることができる。
【0039】また、本発明の射出成形方法では、離型剤
が含有されていない樹脂材料を使うことにより、離型剤
が含有されていない基板を成形することができる。これ
により、基板を長期間保存しておいても、離型剤が基板
表面に析出することはなくなる。特に、樹脂材料にポリ
カーボネート樹脂を用いた場合、高温多湿下におけるポ
リカーボネート樹脂の加水分解が低減され、ピンホール
の発生や基板の耐久性の低下が解消されるので、再生エ
ラーの殆どない、耐久性の優れた情報記録媒体を作製す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例及び比較例1、2で用いた金型の断面
構造図である。
【図2】本実施例及び比較例1、2で作製した光磁気デ
ィスクの断面図である。
【図3】本実施例及び比較例1、2において得られた光
磁気ディスクのACインバランス測定値を示すグラフで
ある。
【符号の説明】
1 スプール 2 キャビテイ 3 温調媒体流路 4 スタンパ 5 外径リング 6、60 金型鏡面 7a、7b クリアランス部 10 金型 10a 固定金型 10b 可動金型 20 光磁気ディスク 21 基板 22 SiN誘電体膜 23 Tb−Fe−Co系磁性膜 24 SiN誘電体膜 25 AlTi反射膜 26 保護膜 27 ハードコート膜

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スタンパを装着した金型のキャビティ内
    に溶融樹脂を射出して情報記録媒体用のプラスチック基
    板を製造する射出成形方法において、 上記キャビティを画成する部材の少なくとも一部に予め
    離型剤を成膜しておくことを特徴とする射出成形方法。
  2. 【請求項2】 上記溶融樹脂が離型剤を含有しないこと
    を特徴とする請求項1に記載の射出成形方法。
  3. 【請求項3】 上記溶融樹脂と接触するスタンパの少な
    くとも一部に離型剤を予め成膜しておくことを特徴とす
    る請求項1または2に記載の射出成形方法。
  4. 【請求項4】 上記成膜された離型剤の膜厚が10nm
    以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一
    項に記載の射出成形方法。
  5. 【請求項5】 上記溶融樹脂がポリカーボネートである
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の
    射出成形方法。
  6. 【請求項6】 上記離型剤がテフロンであり、該テフロ
    ンをスパッタ法で成膜することを特徴とする請求項1〜
    5のいずれか一項に記載の射出成形方法。
  7. 【請求項7】 請求項2に記載の射出成形方法により成
    形された情報記録媒体用のプラスチック基板。
JP28461397A 1997-10-01 1997-10-01 情報記録媒体用基板の射出成形方法及び得られた基板 Withdrawn JPH11110835A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP28461397A JPH11110835A (ja) 1997-10-01 1997-10-01 情報記録媒体用基板の射出成形方法及び得られた基板

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP28461397A JPH11110835A (ja) 1997-10-01 1997-10-01 情報記録媒体用基板の射出成形方法及び得られた基板

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11110835A true JPH11110835A (ja) 1999-04-23

Family

ID=17680738

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP28461397A Withdrawn JPH11110835A (ja) 1997-10-01 1997-10-01 情報記録媒体用基板の射出成形方法及び得られた基板

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11110835A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011023073A (ja) * 2009-07-16 2011-02-03 Konica Minolta Opto Inc 磁気記録媒体用基板の製造装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011023073A (ja) * 2009-07-16 2011-02-03 Konica Minolta Opto Inc 磁気記録媒体用基板の製造装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1211040A2 (en) Optical disk and method of producing the same
JPH11110835A (ja) 情報記録媒体用基板の射出成形方法及び得られた基板
US6696099B2 (en) Optical disk employing integral substrate, and method for manufacturing the same
Imai et al. 25 Gbyte read-only memory disk by injection-compression molding process
JP2004046997A (ja) 光ディスク及びスタンパー
US6150000A (en) Magneto-optical disk and superdensity disk employing integral substrate, and method for manufacturing the same
JP3018470B2 (ja) スタンパの製造方法
JP2008282525A (ja) 光ディスクの製造方法
JP2002367231A (ja) 光学記録媒体およびその製造方法、並びに基板成形用金型
JPH07296418A (ja) 情報記録媒体及びその基体と製造方法
JP2000182283A (ja) 光ディスク用基板の製造方法
JP2000182282A (ja) 光ディスク用基板の製造方法
JP3451842B2 (ja) 光ディスク
KR20040075704A (ko) 디스크형 광기록 매체 및 그 재생 제한 방법
JPH06297514A (ja) プリフォーマット基板の成形方法
JP2003099989A (ja) 光記録媒体用基板の製造方法と該基板を用いた光記録媒体
JPH11273146A (ja) 光記録媒体、光記録媒体用基板、およびその製造方法
JP2003305756A (ja) ディスク基板の製造方法、金型装置及び射出成形装置
JPH11144332A (ja) スタンパー及びそのスタンパー作製のためのレジスト原盤の製造方法
JPH07316B2 (ja) フォーマット入り光ディスク基板の成形方法
JPH09180252A (ja) 光記録媒体の基板およびその製造方法
JPH11283284A (ja) 光記録媒体基板用の射出成形機
JP2004086979A (ja) 光情報記録媒体の製造方法
JPH04274038A (ja) 情報記録媒体の基板製造用スタンパ
JPH09109211A (ja) 光記録媒体の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20041207