JPH11108892A - 測定容器、ボルタンメトリー測定装置および酸度測定装置 - Google Patents

測定容器、ボルタンメトリー測定装置および酸度測定装置

Info

Publication number
JPH11108892A
JPH11108892A JP27548297A JP27548297A JPH11108892A JP H11108892 A JPH11108892 A JP H11108892A JP 27548297 A JP27548297 A JP 27548297A JP 27548297 A JP27548297 A JP 27548297A JP H11108892 A JPH11108892 A JP H11108892A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electrode
acidity
container
measuring
solution
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP27548297A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3633237B2 (ja
Inventor
Takeshi Nishida
毅 西田
秀文 ▲藪▼
Hidefumi Yabu
Takeshi Kusakabe
毅 日下部
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority to JP27548297A priority Critical patent/JP3633237B2/ja
Publication of JPH11108892A publication Critical patent/JPH11108892A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3633237B2 publication Critical patent/JP3633237B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 操作性よく、また洗浄作業を行うことなく連
続して、酸度測定を行うことのできる測定容器を提供す
ることを目的とする。 【解決手段】 電解液10と酸含有の被測定液とが混合
された共存電解液が収容される電解液収容部35が形成
された容器本体部12aと、電解液収容部35を覆うこ
とができる容器カバー12bと、それぞれが容器カバー
12bに取り付けられるとともに共存電解液に浸漬され
る作用電極8および対極7と、同じく容器カバー12b
に取り付けられ、共存電解液に浸漬される比較電極部9
とを備え、比較電極部9には、内部に緩衝溶液が収容さ
れるとともに、緩衝溶液と共存電解液とを導通させる液
絡部18と、緩衝溶液に浸漬される比較電極とがそれぞ
れ設けられており、且つ作用電極8と対極7と比較電極
のそれぞれの端部は、ボルタンメトリー回路に設けられ
たコネクタに着脱自在となっている測定容器である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、食用油に含まれる
遊離脂肪酸、果実飲料に含まれるリンゴ酸や酒石酸、ア
ルコール飲料に含まれる酸、あるいはコーヒーの中のコ
ーヒー酸等の酸度を測定するための測定容器、ボルタン
メトリー測定装置および酸度測定装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】近年、食品は健康や安全面から一定の水
準以上の品質が要求されるようになってきている。中で
も食品中に含有された酸は食品の品質に大きな影響を与
えるものである。また最近では酸度の低い食品が専ら嗜
好される傾向にある。
【0003】このように各種食品の酸度は食品の消費に
大きな影響を及ぼすが、その影響する程度や測定法は食
品によってそれぞれ異なるものである。そこで、以下、
こうした食品の代表例として食用油、ジュース等の
果実飲料、ウィスキーや酒、ワイン等のアルコール飲
料、コーヒーについて、それぞれの酸がどのようなも
ので従来どのようにして測定されていたのかを説明をす
る。
【0004】先ず、食用油に含まれる酸について説明す
る。わが国の食生活は急速に変化しつつあるが、その流
れをみると、第1にインスタント化という大きな流れが
あり、第2に手作り嗜好などに代表される多様化の流れ
があるように思われる。特にインスタント指向は時代を
映し出しているともいえるもので、多くの加工食品が増
大傾向にある。中でもフライ食品の増加は著しい。とい
うのはフライ食品は嗜好的にも好まれ、比較的腐敗を受
けにくいという性質があるからである。
【0005】しかし、このフライ食品も、温度や光の影
響を受ける環境に長時間さらすと、空気中の酸素により
油脂が自動酸化して、変敗臭が生じたり、その他品質の
劣化がもたらされる。こうした理由から食用油脂および
油脂加工品などの変敗、劣化に関して一般的に関心が高
まり、例えば、油揚げの地域食品認証制度が発足した
り、あるいは油菓子の規制が行われたりしており、また
弁当や惣菜の指導要項などでも油脂の劣化について法規
制が検討されている。
【0006】ところで、こうした油脂の傷み具合、特に
加熱された油脂の劣化度を知る方法としては、酸価、過
酸化物価、粘度、ヨウ素価などを測定するいくつかの分
析方法がある。ここで、上記したように食品の劣化に大
きな影響を与えるのが温度や光であることを考慮する
と、これらの中で酸度を直接測る酸価の測定が熱劣化の
判定を行うために適当であり、また通常これが多く用い
られている。
【0007】次に、飲料水の酸について説明する。ジュ
ース等の果実飲料は原料果実を搾汁機にかけて得た汁液
であるが、果実飲料の多くは、新鮮な果実の搾汁をその
まま用いるよりも、濃縮果汁または冷凍果汁を原料とし
て製品を作る場合が多い。例えばオレンジジュースの場
合、みかんの病害果や未熟果を除去した後に、表皮を洗
浄し、これを圧搾して果肉と果汁を取り出し、さらに果
汁から果皮、じょうのう膜等を取り除いている。そして
この時点で日本農林規格に適合するように糖度や酸度な
どを調合し、その際に酸度を測定している。また、濃縮
果汁や冷凍果汁からオレンジジュースを作る場合は、濃
縮果汁や冷凍果汁に水を加えてオレンジジュースを作る
際に酸度を測定している。
【0008】続いて、アルコール飲料について説明す
る。ウィスキーや焼酎に代表される蒸留を何度も繰り返
してエタノールの収率を上げる蒸留酒、あるいは酒やワ
インに代表される素材そのものを発酵させて濾過するこ
とで得られる醸造酒、そしてその他果実酒やビール等の
発泡酒等、アルコール飲料には色々と種類があってその
製造過程もまちまちである。しかし、いずれのアルコー
ル飲料の製造においても、工程の中で製品の品質確保の
ために酸度の測定を行っている。
【0009】最後に、コーヒーの酸について説明する。
コーヒーの味を左右する酸味を与える物質は以下に述べ
るように多種類にわたるが、酸含有量がコーヒーの酸味
評価の指標として重要である。コーヒー中に含まれる酸
の代表としてはクロロゲン酸類が挙げられる。その含有
量はコーヒー豆の焙煎の過程でも変動する。その他に
も、コーヒーの酸味に関与する物質は、コーヒー酸、キ
ナ酸、更にはクエン酸など多くの化合物がある。そし
て、それぞれの酸の含有量は微量でありながら、微妙な
バランスとその総量が酸味の決め手になっていると考え
られる。
【0010】このように各種の食品において、その製造
工程上でそれぞれの酸度を測定することが行われている
が、その測定方法には様々なものがある。
【0011】従来の酸測定方法の一例としては、基準油
脂分析法、日本農林規格、JIS、日本薬局方油脂試験
法、衛生試験法飲食物試験法、上水試験方法などで定め
られた方法があるが、いずれも測定の基本はフェノール
フタレインを指示薬とした中和滴定法である。そこで、
この中和滴定方法を説明するため、上水試験方法と基準
油脂分析法で規定されている中和滴定法を以下説明す
る。
【0012】上水試験方法での酸度は、試料1リットル
中に含まれている炭酸カルシウムに酸を換算したときの
mg数として定義される。具体的には試験水100mL
を採り、これにフェノールフタレイン指示薬を約0.2
mL加え、さらに0.02モル/Lの水酸化ナトリウム
溶液を加える。そして、密栓して軽く揺り動かし、紅色
が消えたならば、さらに微紅色が消えずに残るまで滴定
を続けたときを中和の終点としその水酸化ナトリウムの
mL数aを求める。そのときの酸度は、 酸度(炭酸カルシウム換算mg/L)=a×10 で与えられる。
【0013】次に基準油脂分析法で規定されている中和
滴定法を説明する。基準油脂分析法での酸度の定義は、
試料1g中に含まれている遊離脂肪酸を中和するに要す
る水酸化カリウムのmg数をいう。液体試料の場合、試
料をその推定酸度(例えば酸度1以下は20gを採取、
酸度1を越えて4以下は10gを採取、酸度が4を越え
て15以下は2.5gを採取)に応じて採取して三角フ
ラスコに正しく計り取る。これに中性溶剤100mLを
加え、試料が完全に溶けるまで充分に振る。但し、ここ
でいう中性溶剤とはエチルエーテル、エタノール1:1
の混合溶剤100mLにフエノールフタレイン指示薬約
0.3mLを加え、使用直前に1/10規定(N)水酸
化カリウム−エタノール溶液で中和したものである。
【0014】固体試料の場合は水浴上で加温溶融したの
ち溶剤を加えて溶解する。これを、1/10規定(N)
水酸化カリウム−エタノール標準液で滴定し、指示薬の
色変化が30秒続いたときを中和の終点と定める。そし
てこのときの水酸化カリウムのmg数を計算するもので
ある。
【0015】ところで、脂肪酸の測定については、この
ような中和滴定法によらず、ボルタンメトリーによって
酸度を測定する方法がある。
【0016】これは特開平5−264503号公報で開
示されたもので、遊離脂肪酸とナフトキノン誘導体が共
存する測定電解液を電位規制法によるボルタンメトリー
によって測定するものである。ナフトキノン誘導体の還
元前置波の電流値の大きさが、蟻酸のような低級脂肪酸
からオレイン酸やリノール酸のような高級脂肪酸まで全
ての脂肪酸について、遊離脂肪酸の濃度に比例し、各脂
肪酸の電流値を重ね合わせた値が脂肪酸の総濃度に対応
することを利用している。すなわち、ナフトキノン誘導
体の還元前置波の電流値の大きさを測ることにより酸濃
度を測定するものである。
【0017】しかしこのボルタンメトリーでは、測定後
に作用電極、対極および比較電極に測定溶液が付着する
ので、連続して測定を行う場合には、次の測定溶液に前
回の測定溶液が混入しないようにするための洗浄が必要
になり、測定作業が煩雑になるのみならず、測定に長時
間を要するようになる。
【0018】ここで、付着溶液を除去するのではなく、
作用電極を取り替える技術が提案されている。これは特
開昭63−238457号公報で開示されたもので、溶
液中の溶解物質を電気化学的に測定するフロークーロメ
トリ検出器に作用電極を取り付け、作用電極の交換を容
易にしたものである。
【0019】しかし、これはフロークーロメトリにおい
て、対極液を抜きケーシングを外し電極収納体の内部液
を抜いて作用電極を交換していた煩雑さに対する改良発
明である。したがって、作用電極の交換のための作業時
間は短縮されるが、バッチ処理した場合に生ずる測定溶
液混入のための洗浄の問題を解決するものではない。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】中和滴定法による酸度
測定装置では、ビーカー、ビューレットおよびこれを支
える台、メスフラスコ、ホールピペットなどの器具を用
い、エーテルとエタノールの混合溶液等の中性溶剤と、
指示薬としてのフェノールフタレインを使用して測定を
行うために、操作性が悪いという問題があった。
【0021】また、前述のように、特開平5−2645
03号公報で開示された技術では、溶液受け部や電極表
面に測定液が付着するため、同一の電極で連続して測定
する場合には、後の測定液に前の付着液が混入して測定
値にバラツキが発生しないように煩雑で時間のかかる洗
浄作業が必要であった。
【0022】そのほかにも、試料等を調整する手間がか
かり、測定に時間がかかるといった問題や、電極、特に
比較電極は洗浄しないで使い捨てするには高価すぎると
いった問題があった。
【0023】そこで、本発明は、操作性よく酸度測定を
行うことのできる測定容器、ボルタンメトリー測定装置
および酸度測定装置を提供することを目的とする。
【0024】また、本発明は、安価で洗浄作業を行うこ
となく連続して酸度測定を行うことのできる測定容器、
ボルタンメトリー測定装置および酸度測定装置を提供す
ることを目的とする。
【0025】
【課題を解決するための手段】この課題を解決するため
に、本発明の測定容器は、電解液と酸含有の被測定液と
が混合された共存電解液が収容される電解液収容部が形
成された容器本体部と、電解液収容部を覆うことができ
る容器カバーと、それぞれが容器カバーに取り付けられ
るとともに共存電解液に浸漬される作用電極および対極
と、同じく容器カバーに取り付けられ、共存電解液に浸
漬される比較電極部とを備え、比較電極部には、内部に
緩衝溶液が収容されるとともに、緩衝溶液と共存電解液
とを導通させる液絡部と、緩衝溶液に浸漬される比較電
極とがそれぞれ設けられており、且つ作用電極と対極と
比較電極のそれぞれの端部は、ボルタンメトリー回路に
設けられたコネクタに着脱自在となっているものであ
る。
【0026】これにより、酸度測定のための大掛かりな
設備は不要になるので、操作性よく被測定液の酸度測定
を行うことが可能になる。
【0027】また、測定容器がボルタンメトリー測定装
置に対して着脱自在に設けられているので、測定容器だ
けを使い捨てにし、新たな測定容器をボルタンメトリー
測定装置にセットして順次酸度測定を行うことができ、
付着した溶液の洗浄作業をすることなく連続して酸度測
定を行うことが可能になる。
【0028】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1に記載の発明
は、電解液と酸含有の被測定液とが混合された共存電解
液が収容される電解液収容部が形成された容器本体部
と、電解液収容部を覆うことができる容器カバーと、そ
れぞれが容器カバーに取り付けられるとともに共存電解
液に浸漬される作用電極および対極と、同じく容器カバ
ーに取り付けられ、共存電解液に浸漬される比較電極部
とを備え、比較電極部には、内部に緩衝溶液が収容され
るとともに、緩衝溶液と共存電解液とを導通させる液絡
部と、緩衝溶液に浸漬される比較電極とがそれぞれ設け
られており、且つ作用電極と対極と比較電極のそれぞれ
の端部は、ボルタンメトリー回路に設けられたコネクタ
に着脱自在である測定容器であり操作性よく被測定液の
酸度測定を行うことが可能になるという作用を有する。
【0029】また、測定容器だけを使い捨てにすること
ができ、付着した溶液の洗浄作業をすることなく連続し
て酸度測定を行うことが可能になるという作用を有す
る。
【0030】本発明の請求項2に記載の発明は、請求項
1記載の発明において、比較電極部が容器カバーに着脱
自在に取り付けられている測定容器であり、比較電極部
を継続使用することができるという作用を有する。
【0031】本発明の請求項3に記載の発明は、請求項
1または2記載の発明において、作用電極と対極の何れ
か、若しくは何れもが容器カバーに着脱自在に取り付け
られてい測定容器であり、作用電極や対極を継続使用す
ることができるという作用を有する。
【0032】本発明の請求項4に記載の発明は、請求項
1〜3の何れか一項に記載の発明において、作用電極と
対極と比較電極のそれぞれの端部をコネクタから離脱し
た後に使い捨てされる測定容器であり、測定準備時間が
短縮されるという作用を有する。
【0033】本発明の請求項5に記載の発明は、請求項
2記載の発明において、容器カバーには電極孔が形成さ
れ、比較電極部は電極孔内に所定寸法だけ挿入すること
ができる測定容器であり、挿入量が一定化できるので再
現性のある安定した測定が可能になるという作用を有す
る。
【0034】本発明の請求項6に記載の発明は、請求項
2または5記載の発明において、比較電極部をコネクタ
から離脱後、使い捨てされる測定容器であり、測定準備
時間が短縮されるという作用を有する。
【0035】本発明の請求項7に記載の発明は、請求項
3記載の発明において、作用電極と対極の何れか、若し
くは何れもをコネクタから離脱後、使い捨てされる測定
容器であり、測定準備時間が短縮されるという作用を有
する。
【0036】本発明の請求項8に記載の発明は、請求項
5記載の発明において、電極孔の一方端に破断可能なフ
ィルムが装着されている測定容器であり、測定容器内の
電解液が流出しないという作用を有する。
【0037】本発明の請求項9に記載の発明は、請求項
5記載の発明において、電極孔の電解液収容部側に、共
存電解液が電極孔内に浸入するのを阻止するとともに、
比較電極部内の緩衝溶液と共存電解液間とを導通させる
容器側液絡部が設けられている測定容器であり、比較電
極部を洗浄することなくそのまま継続使用することがで
きるという作用を有する。
【0038】本発明の請求項10に記載の発明は、請求
項9記載の発明において、電極孔内には緩衝溶液が充填
されている測定容器であり、比較電極部の緩衝溶液と電
解液との間の電子とイオンの行き来がスムーズに行われ
て安定した導通をとることができるので、より高精度の
酸度測定が可能になるという作用を有する。
【0039】本発明の請求項11に記載の発明は、作用
電極の電位を比較電極の電位から所定の電位差の範囲内
で掃引して作用電極と対極との間を流れる電流を検出す
るボルタンメトリー回路と、ボルタンメトリー回路が検
出した電流のプレピーク値を検出し、このプレピーク値
から被測定液の酸度を算出する制御部とを備えたボルタ
ンメトリー測定装置である。
【0040】本発明の請求項12に記載の発明は、請求
項11記載の発明において、ボルタンメトリー回路に
は、作用電極、対極および比較電極と接続されるコネク
タが設けられているボルタンメトリー測定装置である。
【0041】本発明の請求項13に記載の発明は、請求
項1〜10の何れか一項に記載の測定容器と、請求項1
1または12記載のボルタンメトリー測定装置とを備え
た酸度測定装置であり、安価且つ迅速に高精度の酸度測
定を行うことができるという作用を有する。
【0042】以下、本発明の実施の形態について、図1
から図14を用いて説明する。なお、これらの図面にお
いて同一の部材には同一の符号を付しており、また、重
複した説明は省略されている。
【0043】(実施の形態1)図1は本発明の一実施の
形態である測定容器を示す斜視図、図2は図1の測定容
器を示す断面図、図3は図1の測定容器に取り付けられ
た比較電極部を示す概略図、図4は図1の測定容器に取
り付けられた作用電極を示す斜視図、図5は図4の作用
電極の電極面積と還元電流との関係を示すグラフ、図6
は図4の作用電極を流れる還元電流と酸価度との関係を
示すグラフ、図7はオルトベンゾキノン誘導体を混合し
た酸含有の共存電解液のボルタンメトリーによる酸度測
定の電流−電位の関係を示すグラフ、図8は本発明の実
施の形態1におけるボルタンメトリー測定装置を示す外
観斜視図、図9は図8のボルタンメトリー測定装置に測
定容器が取り付けられた酸度測定装置を示す外観斜視
図、図10は本発明の実施の形態1におけるボルタンメ
トリー測定装置の制御系を示すブロック図、図11は本
発明の実施の形態1におけるボルタンメトリー測定装置
のボルタンメトリー回路のオペアンプからの出力電圧を
示すグラフ、図12は本発明の実施の形態1におけるボ
ルタンメトリー測定装置のボルタンメトリー回路の積分
回路からの出力電圧を示すグラフである。
【0044】図1および図2に示す測定容器12は、酸
含有の被測定液の酸度を測定する酸度測定装置の一部を
なすもので、容器本体部12aと、この容器本体に取り
付けられた容器カバー12bとから構成されている。
【0045】容器カバー12bには、対極7、作用電極
8および比較電極部9が取り付けられている。また、容
器本体部12aには電解液収容部35が設けられてお
り、この電解液収容部35には、キノン誘導体、有機溶
媒、電解質を混合した電解液10がたとえば10mL収
容されている。このキノン誘導体としては、オルトベン
ゾキノン誘導体、パラベンゾキノン誘導体またはナフト
キノン誘導体などが適当である。これらのキノン誘導
体、特にオルトベンゾキノン誘導体およびパラベンゾキ
ノン誘導体は、還元電流波形が溶存酸素の還元波形から
シフトして出現するので、除酸素しなくても正確に酸度
を測定することができる。
【0046】対極7、作用電極8、比較電極部9の一方
端は外部に突出され、他方端は電解液10に浸漬されて
おり、比較電極部9の電極の一方端は外部に突出され、
他方端は緩衝溶液22に浸漬されている。
【0047】ここで、対極7の材料としては電解液10
および被測定液中でも腐食せず化学的に安定な白金、黒
鉛、金が望ましいが、腐食しないステンレス、アルミニ
ウム及び白金含有合金等であってもよい。
【0048】また、作用電極8の材料としては、炭素も
しくはグラッシーカーボンと呼ばれるガラス状炭素や、
PFCと呼ばれるプラスチックフォームを1000℃〜
2000℃で焼結した炭素が適当である。
【0049】比較電極部9は、図3に示すように、ガラ
ス容器9a内に突出された比較電極21と、ガラス容器
9a内に収容された緩衝溶液22と、ガラス容器9aの
端面を形成する液絡部18とから構成されている。
【0050】比較電極21の材料としては銀−塩化銀が
望ましいが、飽和カロメル、飽和塩化カロメル、銀−銀
イオン、水銀−飽和硫酸水銀、銅−飽和硫酸銅でもよ
い。なお、例えば銀−塩化銀などの表示は、銀からなる
比較電極18の表面を塩化銀で被覆していることを示
す。緩衝溶液22の材料としては、塩化銀、塩化ナトリ
ウム、塩化リチウム等の塩素化合物、その他の比較電極
21の酸化還元反応において緩衝作用を示す溶液が適当
である。また、液絡部18は緩衝溶液19と電解液10
との間に位置され、被測定液を含むこれらの溶液は通過
させないが電子もしくはイオンは通過させる作用を有す
るものであり、多孔質のセラミックスや多孔質のバイコ
ールガラス等から構成されている。
【0051】続いて、電解液収容部35に収容される電
解液10について説明する。本実施の形態では、電解質
として過塩素酸リチウムが使用されている。本実施の形
態の電解液10は、溶媒としてエタノール65%にイソ
オクタン35%を混合して10mLとし、オルトベンゾ
キノン10mモル/L、過塩素酸リチウム50mモル/
Lを溶融したもので、この溶媒に被測定液を混合して測
定を行う。エタノールは電解質を容易に溶融することが
でき、同時に電極表面を洗浄する作用効果も合わせもっ
ている。また、イソオクタンは熱劣化した油であっても
溶融させることができ、エタノールとの溶解性も相性が
よいものである。但し、熱劣化した油はイソオクタンの
含有率が35%以上でないと溶融しないため、イソオク
タンを最低でも35%混合することが必要である。そし
て、油の熱劣化度が大きくなった場合には、これに対応
してイソオクタンの含有率を増加させる必要がある。こ
のようにイソオクタンを35%以上混合しているので、
プロトン性の有機溶媒であるエタノールに劣化油を溶融
させることができ、酸度の測定が可能になる。
【0052】図1および図2に示すように、容器カバー
12bには、酸含有の被測定液を電解液10に投入する
ための試料注入口11が形成されている。この試料注入
口11には、内部の電解液10が輸送中や保管中に試料
注入口11を通じて外部へ流出しないように、破断可能
な断絶フィルム13が貼着されている。したがって、被
測定液は断絶フィルム13を突き破って試料注入口11
から注入される。なお、断絶フィルム13は電解液10
に侵されない材質で、且つ簡単に突き破ることの可能な
厚さのものであれば種々の材質のものを用いることがで
きる。但し、電解液10に溶け出して測定に支障を及ぼ
すアルミ箔などの金属箔は好ましくない。
【0053】容器カバー12bには、電解液10まで延
びた電極孔36が形成されている。この電極孔36の底
部には破断可能な断絶フィルム17が貼着されている。
そして、前記した比較電極部9はこの電極孔36に挿入
されている。
【0054】図2に示すように、電極孔36の内壁に
は、その長さ方向の中間位置に突起15が、電解液10
寄り位置にはストッパ16が形成されている。また、比
較電極部9の外周の一箇所に突起14が形成されてい
る。そして、比較電極部9を電極孔36に挿入すると、
比較電極部9に形成された突起14と電極孔36に形成
された突起15が当接して接触する。これにより、比較
電極部9の液絡部18と断絶フィルム17との間に空隙
ができて両者は非接触に保たれ、断絶フィルム17は破
断されない。
【0055】これは、比較電極部9を挿入したときに、
直ちに断絶フィルム17がこの比較電極部9により破断
されると、容器本体部12a内の電解液10が液絡部1
8に接触し、この液絡部18を通して比較電極部9の内
部にまで浸透してしまうからである。また、比較電極部
9の緩衝溶液が液絡部18を通して電解液10に浸透し
てしまうからである。
【0056】したがって、測定に際しては、突起15に
当接している比較電極部9を押し下げる。すると、突起
14は突起15を乗り越えてストッパ16で止まるとと
もに、その動作中に比較電極部9により断絶フィルム1
7が破断されて液絡部18が電解液10に浸漬される。
これにより、酸度測定が可能となる。なお、測定後は測
定容器12内の溶液を排出後、エタノールや蒸留水など
で洗浄して使い回してもよい。または、そのまま使い捨
てとしてもよい。
【0057】さて、油の酸価度に関しては2.5近辺が
劣化の目安となるため、少なくとも0.1程度の測定精
度が確保できる。なお:1gの油を中和するのに必要な
水酸化カリウムのmg数を酸価度と称し、この酸価度が
この場合の酸度である。ここで、図4に示す作用電極8
の電極面積Sと還元電流Iとの関係を図5に、還元電流
Iと酸価度Aとの関係を図6に、それぞれ示す。また、
電極面積と還元電流との関係を介して得られる電極直径
と酸価度との関係を(表1)に示す。
【0058】
【表1】
【0059】なお、図5より、電極面積Sと還元電流I
との関係は、 I=3.1×S−0.6 で与えられる。
【0060】また、図6より、還元電流Iと酸価度Aと
の関係は、 A=0.2×I−1.3 で与えられる。
【0061】そして、(表1)は、これらの式に所定の
値を代入して数値化したものである。
【0062】(表1)に示すように、作用電極8の直径
が3mmの場合における直径公差±0.01mmの誤差
に対する酸価度の変化量は、±0.031であった。し
たがって、作用電極8の直径が3mm以下の場合、その
精度を±0.01mm以下にすることによって酸価度の
測定精度を±0.03以下にすることが可能となる。但
し、測定においてはその他の誤差も考慮されるので、作
用電極の直径の精度を±0.01mm以下にすることに
よって、酸価度の測定精度を±0.05という高い精度
を確保することができる。
【0063】作用電極8の直径の精度が±0.01mm
を確保することができない場合には、酸価度が既知の標
準液を2つ以上用意し、予め各電極毎に測定して校正を
行い、精度バラツキ分を修正しなければならない。しか
し、電解液等の測定溶液や温度,各電極等の構造を一定
にするとともに、作用電極8の直径公差を±0.01m
m以下にすれば、このような校正を行う必要がない。
【0064】ここで、前述のように、本実施の形態で
は、電解液10にはオルトベンゾキノン誘導体もしくは
パラベンゾキノン誘導体、またはナフトキノン誘導体等
が混合されいる。そこで、キノン誘導体もしくはパラベ
ンゾキノン誘導体を混合した電解液10を用いて酸度を
測定する場合について説明する。
【0065】図7において、横軸は比較電極に銀−塩化
銀、作用電極にφ2のプラスチックフォームドカーボン
を用いたときの比較電極に対する作用電極の電位であ
り、縦軸はこのとき対極に流れる電流値である。但し、
電流値は作用電極の表面積の大きさや酸の濃度といった
条件によって変わるものである。これに対して横軸の電
位の値は酸の濃度によって若干変動はあるものの無視で
きる程度のものである。
【0066】さて、このような測定容器12は図8およ
び図9に示すボルタンメトリー測定装置38に取り付け
られ、ボルタンメトリー測定装置38と電気的に接続さ
れる。つまり、測定容器12はボルタンメトリー測定装
置38に着脱自在になっており、測定時にボルタンメト
リー測定装置38に取り付けられる。
【0067】図8および図9に示すように、酸度測定装
置のボルタンメトリー測定装置38には、測定容器12
のセットされる内部空間を覆う上蓋1が取り付けられて
いる。また、ボルタンメトリー測定装置38には、上蓋
1のロックを開放するための開放ボタン2が設けられて
いる。さらに、測定酸度を表示する表示手段であるLC
D3、酸度の大きさによって測定領域を切り替えるため
の切り替えボタン37、測定を開始するためのスタート
・ストップボタン5および本装置の電源をON、OFF
する電源ボタン6が配列されている。そして、装着され
た測定容器12の対極7、作用電極8および比較電極部
9(図1、図2)と嵌合して測定容器12とボルタンメ
トリー測定装置38とを電気的に接続するコネクタ4が
設けられている。
【0068】これにより、開放ボタン2を押して上蓋1
を開放し、測定容器12を装着してコネクタ4を対極
7、作用電極8および比較電極部9に嵌合すると、酸度
測定装置が測定可能な状態になる。このように、本実施
の形態によれば、酸度測定のための大掛かりな設備は不
要になるので、操作性よく被測定液の酸度測定を行うこ
とが可能になる。
【0069】また、測定容器12がボルタンメトリー測
定装置38に対して着脱自在に設けられているので、一
回の酸度測定毎に測定容器12だけを使い捨てにし、順
次、新たな測定容器12をボルタンメトリー測定装置3
8にセットして酸度測定を行うことができるので、付着
した溶液の洗浄作業を行うことなく連続して酸度測定を
行うことが可能になる。
【0070】さて、本実施の形態における酸度測定装置
による酸度測定について、劣化油を例にとって説明す
る。
【0071】先ず、被測定液である劣化油を試料注入口
11より測定容器12内へ注入する。そして、測定容器
12をよく振って電解液10と劣化油とを攪拌混合し、
共存電解液とする。このとき劣化油はたとえば0.5
g、電解液10はたとえば10mLである。
【0072】次に、測定容器12をボルタンメトリー測
定装置38の所定の場所にセットして、コネクタ4を測
定容器12に取り付ける。そして、上蓋1を閉じて測定
可能な状態となる。
【0073】電源ボタン6とスタート・ストップボタン
5とを押して測定開始すると、後記する制御部23が、
作用電極8の電位を銀−塩化銀電極である比較電極21
の電位に対して+500mV〜−300mV(vs A
g/AgCl)の範囲で3〜20mV/sの掃引速度で
掃引するように、作用電極8と対極7の間に電圧を印加
する。この+500mV〜−300mV(vs Ag/
AgCl)の範囲というのは、プレピーク値を正確に測
定できる領域である。そして、掃引速度3〜20mV/
s(vs Ag/AgCl)で所定の電位差を掃引する
と、図7に示すような安定したボルタンメトリー電流波
形を得ることができる。
【0074】このような掃引を行うことで、酸の還元電
流のピークが0mV付近の電位で出現する。これがプレ
ピークであり、この電位は酸の濃度が上がると負側へシ
フトしていく。しかしシフトがあっても+500mV〜
−300mV(vs Ag/AgCl)の範囲に設定し
ておけば、どのような濃度の酸度であっても測定するこ
とができる。
【0075】次に、本実施の形態のボルタンメトリー測
定装置の制御系について説明する。図10に示すよう
に、スタート・ストップボタン5によって動作するスタ
ート・ストップスイッチ5’および電源ボタン6を押す
と動作する電源スイッチ6’が接続され、マイクロコン
ピュータ等から構成される制御部23には、所定のデー
タをやり取りして被測定液の酸度を算出する酸度算出手
段33、および算出された酸度を表示するLCD3が接
続されている。また、所定の周期で発振する発振子2
4、この発振子24の信号からクロックを生成する分周
回路25、分周回路25のクロックで計時を行うタイマ
ー(計時手段)26が接続されている。さらに、制御部
23の出力側から入力側に向かって、D/Aコンバータ
27、オペアンプ28、モニタリング回路29、抵抗器
30、差動アンプ31、A/Dコンバータ32からなる
ボルタンメトリー回路が順次電気的に接続されている。
【0076】このような制御系によれば、電源ボタン6
(図8、図9)を押すとLCD3が動作可能となる。次
にスタート・ストップボタン5を押すと、制御部23は
発振子24により発生される信号を基に分周回路25に
よって内部でクロックを作り、そのクロックをカウント
してタイマー26が計時を開始する。このタイマー26
は1秒単位で計時を行う。
【0077】タイマー26に同期して制御部23はD/
Aコンバータ27へ所定の電圧のデジタル信号(パル
ス)を送る。D/Aコンバータ27ではそのデジタル信
号をアナログ信号に変換し、オペアンプ28へ出力す
る。
【0078】図11に示すように、横軸に時間、縦軸に
電圧をとった場合、時間が1秒、2秒、3秒、・・・と
計時される毎に、電圧が5mV、10mV、15mV、
・・・段階的に変化して行く。そしてオペアンプ28か
ら出力されるこのような信号はRC積分回路を通ること
により積分され、図12に示したアナログ信号となり、
モニタリング回路29に入力される。
【0079】モニタリング回路29においては、モニタ
リング回路29を構成するオペアンプのイマジナリショ
ートを利用して、出力端側の対極7の電圧をアナログ信
号に従って制御し、マイナス入力端側の比較電極21の
電圧Rがアナログ信号と同じになるようにする。これに
より比較電極21と作用電極8との間の電位差は所定の
値+500mV〜−300mV(vs Ag/AgC
l)の範囲となる。一方、対極7に流れる電流は、抵抗
器30の両端の電圧を差動アンプ31を通すことにより
電圧へ変換され、A/Dコンバータ32を介してアナロ
グ信号からディジタル信号へ変換されて制御部23へ入
力される。
【0080】ここで、制御部23は、このようなボルタ
ンメトリー回路で所定の掃引速度で掃引される電圧に対
して入力された電流をそれぞれ比較することにより(図
12)、図7のAで表したプレピークを与える電流値を
検出する。ここで、本実施の形態においてはオルトベン
ゾキノンを混合した電解液が用いられている。そこで、
この電流のプレピーク値を基に酸度算出手段33で被測
定液の酸度を計算し、その値をLCD3で表示する。
【0081】制御部23は作用電極8と比較電極21と
の間の電位差をモニタリングしながら、作用電極8と対
極7の間に電圧を印加する。
【0082】そして測定値を酸度に変換するためには、
予め酸度が分かっている標準試薬を作成し、例えば酸度
1、2、3に対する電流は何μAで、このとき比例常数
Kはいくら、切片Nはいくらといった具合に酸度算出手
段33中のメモリに比例常数K、切片Nを記憶設定して
おけばよい。
【0083】このように比例常数K、切片Nを記憶して
おけば、任意の酸度を測定したい場合、マイクロコンピ
ュータから構成される酸度算出手段33によって測定電
流値Iを酸度θに変換することができる。
【0084】(実施の形態2)図13は本発明の実施の
形態2における測定容器を示す断面図である。
【0085】図示する測定容器12においては、電極孔
36の底部には、溶液および被測定液は通過させない
が、共存電解液の電子ならびにイオンを通過させること
で溶液と緩衝溶液との導通を図る容器側液絡部19が取
り付けられている。この容器側液絡部19は、実施の形
態1の断絶フィルム17のように破断可能なものではな
い。したがって、電極孔36に挿入された比較電極部9
は、液絡部18がこの容器側液絡部19に当接した状態
で酸度測定が実行される。
【0086】このように、容器側液絡部19を設けるこ
とにより、共存電解液中および緩衝溶液22中の電子お
よびイオンは、比較電極部9の液絡部18と測定容器1
2の容器側液絡部19とを通して行き来が可能になる。
【0087】これにより、比較電極部9の液絡部18が
直接電解液10に浸されることなく酸度測定ができるの
で、使い捨てとなる測定容器12にあっても、比較電極
部9は洗浄することなくそのまま継続使用することが可
能になる。
【0088】(実施の形態3)図14は本発明の実施の
形態3における測定容器を示す断面図である。
【0089】図示する測定容器12にあっては、実施の
形態2において説明した測定容器12に対して、電極孔
36内に緩衝溶液20が充填されたものである。
【0090】なお、本実施の形態においては、緩衝溶液
20が輸送中や保管中に流出しないように、電極孔36
の表面には断絶フィルム34が貼着されている。したが
って、比較電極部9は、この断絶フィルム34を突き破
って電極孔36にセットされる。
【0091】このように、電極孔36に緩衝溶液20を
充填することにより、比較電極部9の緩衝溶液22と電
解液10との間の電子とイオンの行き来がよりスムーズ
に行われて比較電極部9と溶液と間に安定した導通をと
ることができ、より高精度の酸度測定が可能になる。ま
た、本実施の形態においても、比較電極部9の液絡部1
8が直接電解液10に浸されることなく酸度測定ができ
るので、比較電極部9は洗浄することなくそのまま継続
使用することが可能になる。
【0092】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、酸度測
定のための大掛かりな設備は不要になるので、操作性よ
く被測定液の酸度測定を行うことが可能になるという有
効な効果が得られる。
【0093】また、本発明によれば、測定容器がボルタ
ンメトリー測定装置に対して着脱自在に設けられている
ので、測定容器だけを使い捨てにし、新たな測定容器を
ボルタンメトリー測定装置にセットして順次酸度測定を
行うことができ、付着した溶液の洗浄作業をすることな
く連続して酸度測定を行うことが可能になるという有効
な効果が得られる。
【0094】作用電極、対極、比較電極部を容器カバー
に着脱自在に取り付けることにより、これらの電極を継
続使用することができるという有効な効果が得られる。
【0095】作用電極、対極、比較電極をコネクタから
離脱した後に使い捨てするようにすることにより、測定
準備時間が短縮されるという有効な効果が得られる。
【0096】比較電極部を容器カバーの電極孔内に所定
寸法だけ挿入するようにすることにより、挿入量が一定
化できるので再現性のある安定した測定が可能になると
いう有効な効果が得られる。
【0097】電極孔の一方端に破断可能なフィルムを装
着することにより、測定容器内の電解液が流出しないと
いう有効な効果が得られる。
【0098】電極孔の電解液収容部側に、共存電解液が
電極孔内に浸入するのを阻止するとともに、比較電極部
内の緩衝溶液と共存電解液間とを導通させる容器側液絡
部を設けることにより、比較電極部をそのまま洗浄する
ことなく継続使用することができるという有効な効果が
得られる。
【0099】電極孔内に緩衝溶液を充填することによ
り、比較電極部の緩衝溶液と電解液との間の電子とイオ
ンの行き来がスムーズに行われて安定した導通をとるこ
とができるので、より高精度の酸度測定が可能になると
いう有効な効果が得られる。
【0100】そして、このような測定容器が用いられた
酸度測定装置によれば、安価且つ迅速に高精度の酸度測
定を行うことができるという有効な効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1による測定容器を示す斜
視図
【図2】図1の測定容器を示す断面図
【図3】図1の測定容器に取り付けられた比較電極部を
示す概略図
【図4】図1の測定容器に取り付けられた作用電極を示
す斜視図
【図5】図4の作用電極の電極面積と還元電流との関係
を示すグラフ
【図6】図4の作用電極を流れる還元電流と酸価度との
関係を示すグラフ
【図7】オルトベンゾキノン誘導体を混合した酸含有の
共存電解液のボルタンメトリーによる酸度測定の電流−
電位の関係を示すグラフ
【図8】本発明の実施の形態1におけるボルタンメトリ
ー測定装置を示す外観斜視図
【図9】図8のボルタンメトリー測定装置に測定容器が
取り付けられた酸度測定装置を示す外観斜視図
【図10】本発明の実施の形態1におけるボルタンメト
リー測定装置の制御系を示すブロック図
【図11】本発明の実施の形態1におけるボルタンメト
リー測定装置のボルタンメトリー回路のオペアンプから
の出力電圧を示すグラフ
【図12】本発明の実施の形態1におけるボルタンメト
リー測定装置のボルタンメトリー回路の積分回路からの
出力電圧を示すグラフ
【図13】本発明の実施の形態2における測定容器を示
す断面図
【図14】本発明の実施の形態3における測定容器を示
す断面図
【符号の説明】
4 コネクタ 7 対極 8 作用電極 9 比較電極部 10 電解液 12 測定容器 12a 容器本体部 12b 容器カバー 18 液絡部 19 容器側液絡部 20 緩衝溶液 21 比較電極 22 緩衝溶液 35 電解液収容部 36 電極孔 38 ボルタンメトリー測定装置

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電解液と酸含有の被測定液とが混合された
    共存電解液が収容される電解液収容部が形成された容器
    本体部と、 前記電解液収容部を覆うことができる容器カバーと、 それぞれが前記容器カバーに取り付けられるとともに前
    記共存電解液に浸漬される作用電極および対極と、 同じく前記容器カバーに取り付けられ、前記共存電解液
    に浸漬される比較電極部とを備え、 前記比較電極部には、内部に緩衝溶液が収容されるとと
    もに、前記緩衝溶液と前記共存電解液間とを導通させる
    液絡部と、前記緩衝溶液に浸漬される比較電極とがそれ
    ぞれ設けられており、 且つ、前記作用電極と前記対極と前記比較電極のそれぞ
    れの端部は、ボルタンメトリー回路に設けられたコネク
    タに着脱自在であることを特徴とする測定容器。
  2. 【請求項2】前記比較電極部は、容器カバーに着脱自在
    に取り付けられていることを特徴とする請求項1記載の
    測定容器。
  3. 【請求項3】前記作用電極と前記対極の何れか、若しく
    は何れもが前記容器カバーに着脱自在に取り付けられて
    いることを特徴とする請求項1または2記載の測定容
    器。
  4. 【請求項4】前記作用電極と前記対極と前記比較電極の
    それぞれの端部を前記コネクタから離脱した後、使い捨
    てされることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に
    記載の測定容器。
  5. 【請求項5】前記容器カバーには電極孔が形成され、前
    記比較電極部は前記電極孔内に所定寸法だけ挿入するこ
    とができることを特徴とする請求項2記載の測定容器。
  6. 【請求項6】前記比較電極部を前記コネクタから離脱
    後、使い捨てされることを特徴とする請求項2または5
    記載の測定容器。
  7. 【請求項7】前記作用電極と前記対極の何れか、若しく
    は何れもを前記コネクタから離脱後、使い捨てされるこ
    とを特徴とする請求項3記載の測定容器。
  8. 【請求項8】前記電極孔の一方端には、破断可能なフィ
    ルムが装着されていることを特徴とする請求項5記載の
    測定容器。
  9. 【請求項9】前記電極孔の電解液収容部側には、前記共
    存電解液が前記電極孔内に浸入するのを阻止するととも
    に、前記比較電極部内の前記緩衝溶液と前記共存電解液
    間とを導通させる容器側液絡部が設けられていることを
    特徴とする請求項5記載の測定容器。
  10. 【請求項10】前記電極孔内には緩衝溶液が充填されて
    いることを特徴とする請求項9記載の測定容器。
  11. 【請求項11】作用電極の電位を比較電極の電位から所
    定の電位差の範囲内で掃引して前記作用電極と対極との
    間を流れる電流を検出するボルタンメトリー回路と、 前記ボルタンメトリー回路が検出した電流のプレピーク
    値を検出し、このプレピーク値から被測定液の酸度を算
    出する制御部とを備えたことを特徴とするボルタンメト
    リー測定装置。
  12. 【請求項12】前記ボルタンメトリー回路には、前記作
    用電極、前記対極および前記比較電極と接続されるコネ
    クタが設けられていることを特徴とする請求項11記載
    のボルタンメトリー測定装置。
  13. 【請求項13】請求項1〜10の何れか一項に記載の測
    定容器と、請求項11または12記載のボルタンメトリ
    ー測定装置とを備えたことを特徴とする酸度測定装置。
JP27548297A 1997-10-08 1997-10-08 測定容器、ボルタンメトリー測定装置および酸度測定装置 Expired - Fee Related JP3633237B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP27548297A JP3633237B2 (ja) 1997-10-08 1997-10-08 測定容器、ボルタンメトリー測定装置および酸度測定装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP27548297A JP3633237B2 (ja) 1997-10-08 1997-10-08 測定容器、ボルタンメトリー測定装置および酸度測定装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH11108892A true JPH11108892A (ja) 1999-04-23
JP3633237B2 JP3633237B2 (ja) 2005-03-30

Family

ID=17556147

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP27548297A Expired - Fee Related JP3633237B2 (ja) 1997-10-08 1997-10-08 測定容器、ボルタンメトリー測定装置および酸度測定装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3633237B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JP3633237B2 (ja) 2005-03-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6638415B1 (en) Antioxidant sensor
JPH06313760A (ja) 酵素電極による検体測定方法
Kotani et al. A portable voltammetric sensor for determining titratable acidity in foods and beverages
CN103983669A (zh) 检测试片、检测装置及检测方法
DE19849539A1 (de) Portables Blutzuckermeßgerät
AU2022200894A1 (en) Analyte detection meter and associated method of use
Huang et al. Impedimetric sensing of honey adulterated with high fructose corn syrup
EP0859234B1 (en) Method for measuring acidity
JP3633237B2 (ja) 測定容器、ボルタンメトリー測定装置および酸度測定装置
RU2263904C2 (ru) Сенсор на антиоксиданты
JP4207286B2 (ja) 酸度測定装置及び酸度測定方法
JP3577906B2 (ja) 酸度測定装置
JPH11101768A (ja) 測定容器及びそれが取り付けられた酸度測定装置
JPH1183800A (ja) 酸度測定方法および装置
JP4356130B2 (ja) 酸度測定装置
JPH1164280A (ja) 測定容器およびそれが取り付けられた酸度測定装置
JP3531436B2 (ja) 酸度測定装置
JPH11118762A (ja) 酸度測定方法および装置
JPH1164281A (ja) 酸度測定装置および酸度測定方法
CA2423837A1 (en) Small volume in vitro analyte sensor and methods
JPH05264503A (ja) 脂肪酸定量方法及びその装置
JPS632465B2 (ja)
JP4461540B2 (ja) 酸度測定用電極及びそれを使用した酸度測定装置並びにその測定方法
JP3377785B2 (ja) 油脂量推定機能を内蔵するpov計
JP4482993B2 (ja) 電気化学的測定方法

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Effective date: 20040326

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

A131 Notification of reasons for refusal

Effective date: 20040420

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

A521 Written amendment

Effective date: 20040615

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20041207

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Effective date: 20041220

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080107

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 4

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090107

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100107

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 6

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110107

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110107

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120107

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 8

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130107

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130107

Year of fee payment: 8

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees