JPH11108635A - 品質検査装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 検査精度を向上させて検査の信頼性を向上さ
せることができる品質検査装置を提供する。 【解決手段】 被検査物１の被検査面３を撮像する撮像
カメラ２と、被検査面３を照明するための照明光５、７
を出射する第１、第２の照明光源４、６と、照明光５、
７を散乱させる光拡散部材８と、撮像カメラ２からの出
力をもとに被検査面３の欠陥の有無を判定する判定手段
８とを備える。照明光５、７を光拡散部材８により散乱
させて被検査面３を照明することにより、被検査面３が
うねり部１０等を有していても、全面に亘ってほぼ均一
な照度で照明することができ、撮像データに縞模様状の
濃淡がほとんど生じないようにして傷等の欠陥と明確に
識別することができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、長尺物、枚葉印刷
物等、各種の被検査物において、例えば、搬送に際して
搬送方向でうねり、跳ね上がり等を生じる被検査面の
傷、印刷ミス、汚れ等、各種の欠陥を検出するために用
いる品質検査装置、特に、その照明装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、この種の品質検査装置の一例とし
て、走行する被検査物の被検査面を光源により照明して
撮像カメラにより撮像し、撮像によって得られた画像信
号を微分して被検査面の濃度変化を検出し、この微分波
形を二値化処理して得られる信号パターンをあらかじめ
作成しておいたマスターパターンと比較対照することに
より、被検査面の欠陥の有無を検出するようにした構成
が知られている。

【０００３】従来の他の例として、走行する被検査物の
被検査面を光源により照明して撮像カメラにより撮像
し、撮像によって得られた画像信号から多階調画像デー
タを得、この多階調画像データの各部の濃度レベルをマ
スタ画像の各部の濃度レベルと比較対照することによ
り、被検査面の欠陥の有無を検出するようにした構成が
知られている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】ところで、例えば、被
検査面がカラーインクによる印刷面である場合には、撮
像カメラにおいて暗視野となる照明光を用いると、被検
査面で反射して撮像カメラに入射する際、照度を抑える
ことができて色成分を識別しやすく、印刷ミス等を正確
に検出することができ、また、被検査面が金・銀の梨地
である場合にも暗視野照明光を用いると、乱反射成分を
得やすく、明暗が生じないため、傷等の欠陥と明確に識
別しやすく、高精度に検出することができる。一方、例
えば、被検査面が鏡面である場合には、暗視野照明光で
は鏡面からの反射光が撮像カメラに入射しないため、撮
像カメラにより鏡面を撮像してその欠陥の有無を検出す
ることができず、このような被検査面の場合には撮像カ
メラにおいて明視野用となる照明光源を用いる必要があ
る。

【０００５】しかしながら、例えば、枚葉印刷物等のよ
うに被検査面が搬送に際して搬送方向でうねり、跳ね上
がり等を生じる場合には、暗視野照明光を用いた場合は
勿論のこと、明視野照明光を用いた場合においても、う
ねりの後方部分、跳ね上がり部等で撮像カメラに入射す
る反射光量が極端に減少し、撮像データが濃淡を伴う縞
模様状となるため、傷等の欠陥と明確に識別し難く、欠
陥を高精度に検出することができない。

【０００６】本発明は、上記のような従来の問題を解決
するものであり、うねり、跳ね上がり部等を有する被検
査面を全面に亘ってほぼ均一な照度で照明することがで
き、撮像データに縞模様状の濃淡がほとんど生じないよ
うにして傷等の欠陥と明確に識別することができ、した
がって、検出精度を向上させて検査の信頼性を向上させ
ることができるようにした品質検査装置を提供すること
を目的とするものである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の品質検査装置は、被検査物の被検査面を照
明するための照明光を出射する照明光源と、この照明光
源を散乱光が得られるように被覆する光拡散部材と、上
記照明光の散乱光により照明された被検査面を撮像する
撮像手段と、この撮像手段からの出力をもとに上記被検
査面の欠陥の有無を判定する判定手段とを備えたもので
ある。

【０００８】そして、上記構成において、照明光源が、
撮像手段に対してほぼ明視野位置となるように配置され
た第１の照明光源と、上記撮像手段に対してほぼ暗視野
位置となるように配置された第２の照明光源とを備え、
上記光拡散部材を、上記第１および第２の照明光源から
ほぼ均一な散乱光を得ることができるように構成するこ
とができる。

【０００９】また、光拡散部材を、アクリル樹脂等の半
透明材料により照明光源の前方へ突出する曲面状に形成
することができ、または光拡散部材を、第１と第２の照
明光源で凹入するように傾斜させ、第１と第２の照明光
源から出射されて拡散される照明光が互いに回り込まな
いようにアクリル樹脂等の半透明材料により形成するこ
とができ、または光拡散部材を、アクリル樹脂等の半透
明材料により平板状に形成することができる。

【００１０】また、第１の照明光源と第２の照明光源の
いずれか、若しくは両方から被検査面に出射される照明
光量を検査対象に対応して調整するように構成すること
ができる。

【００１１】また、判定手段を、撮像手段の出力から得
られる多階調画像データの濃度レベルを基準濃度レベル
と比較して欠陥の有無を判定するように構成するのが好
ましい。

【００１２】上記のように構成された本発明によれば、
照明光源から出射する照明光を光拡散部材により種々の
方向へ拡散させて被検査面を照明させるので、被検査面
がうねり、跳ね上がり等を有していても被検査面の全面
に亘ってほぼ均一な照度で照明することができ、撮像デ
ータに縞模様状の濃淡がほとんど生じないようにして傷
等の欠陥と明確に識別することができる。

【００１３】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照しながら説明する。まず、本発明の第１の
実施形態について説明する。図１は本発明の第１の実施
形態による品質検査装置を示す一部破断概略側面図、図
２は同品質検査装置により検査する被検査物の一例を示
す説明用平面図、図３（ａ）は同品質検査装置による図
２のＣＬ−ＣＬ線における検査原理説明図、図３（ｂ）
は比較例の検査原理説明図である。

【００１４】図１において、１は被検査物、図示例では
枚葉印刷物であり、例えば、チェン等の搬送手段（図示
省略）の走行により把持具（図示省略）に端部が把持さ
れた状態でガイド（図示省略）上を矢印方向に水平状態
で搬送される。２は搬送される被検査物１の被検査面３
をその全幅に亘って順次撮像する手段であるＣＣＤライ
センサ等のカメラであり、被検査面３から入射する光軸
を被検査面３に対して傾斜させるように配置されてい
る。４は撮像カメラ２に対してほぼ明視野位置となるよ
うに配置され、被検査面３を照明するための照明光５を
出射する第１の照明光源であり、１箇所、若しくは複数
箇所（図示例では１箇所）に配置されている。６は撮像
カメラ２に対してほぼ暗視野位置となるように配置さ
れ、被検査面３を照明するための照明光７を出射する第
２の照明光源であり、１箇所、若しくは複数箇所（図示
例では２箇所）に配置されている。第１および第２の照
明光源４と６は、複数個のランプが列設され、若しくは
直管状のランプが用いられ、被検査面３をその全幅に亘
ってほぼ均一な照度で照明することができるように設定
されている。８は第１および第２の照明光源４および６
の前方を、これらの照明光源４、６から出射する照明光
５、７が全体にほぼ均一に散乱するように被覆する光拡
散部材（カバー）であり、この光拡散部材８は乳白色の
アクリル樹脂等の半透明材料により照明光源４、６の前
方へ突出する曲面状（かまぼこ屋根状）に形成されてい
る。９は撮像カメラ２の出力から得られる多階調画像デ
ータの濃度レベルを基準濃度レベルと比較して被検査面
３の欠陥の有無について判定する判定手段である。

【００１５】以上の構成において、以下、その動作につ
いて説明する。本実施形態における被検査物１はその被
検査面３がうねり部１０を有し、図２に示すように、一
部に明欠陥１１と暗欠陥１２を有しているとする。この
被検査物１を走行させ、この走行の途中で第１の照明光
源４から出射する照明光５および第２の照明光源６から
出射する照明光７を光拡散部材８によりほぼ均一に種々
の方向に散乱させて走行する被検査面３を順次全面に亘
って種々の方向からほぼ均一な照度で照明し、被検査面
３をその幅方向の全長にわたって撮像カメラ２により順
次撮像する。判定手段８においては、撮像カメラ２から
順次出力される２５６段階の多階調ライン画像のデータ
から多階調エリア画像を作成し、この多階調エリア画像
の各部の濃度レベルを基準画像の２５６段階の多階調エ
リア画像の対応する各部の濃度レベルと比較し、両画像
の対応する部分の濃度レベル差の許容値をもとに欠陥の
有無を判定する。

【００１６】図３（ａ）に示すように、例えば、基準濃
度レベルを１００レベルに設定し、「明」側と「暗」側
の許容値をそれぞれ１０レベルに設定しているとする。
そして、図２に示すように、被検査面３にうねり部１０
と明欠陥１１と暗欠陥１２が存在しているとすると、図
３（ａ）に示すように、基準濃度レベルに対し、被検査
面３の濃度レベルが明欠陥１１の位置で、「明」側に、
うねり部１０と暗欠陥１２の位置で「暗」側にそれぞれ
パルス形状の変化として現われ、この変化部分が許容値
を超えている場合には欠陥を判定する。被検査面３がう
ねり部１０を有していても、上記のように照明光５およ
び照明光７を光拡散部材８により種々の方向に均一に散
乱させることにより、うねり部１０の後方をも他の部分
とほぼ等しい照度で照明して反射させることができるの
で、影がほとんど発生しないようにしてパルス形状を小
さくし、許容値の範囲内に納めるようにして欠陥ではな
いと判定し、許容値を超えて欠陥と判定される「暗」側
の欠陥１２との誤認識を防止することができる。

【００１７】一方、比較例として光拡散部材８を用いな
い場合には、図３（ｂ）に示すように、うねり部１０の
後方部分は照明光５、７により直接的に照明することが
できず、極端に照度が低下して影となるため、パルス形
状が大きくなって、「暗」側の欠陥１２のパルス形状と
同程度の大きさで現われ、「暗」側の欠陥であると誤認
識するおそれがある。

【００１８】したがって、被検査面３がうねり部１０を
有する場合においては、光拡散部材８を用いてほぼ均一
な散乱光により被検査面３の全面をほぼ等しい照度で照
明することにより、うねり部１０を有していても欠陥と
誤認識することなく、実際の欠陥のみを精度良く検出す
ることができる。

【００１９】次に、本発明の第２の実施形態について説
明する。図４は本発明の第２の実施形態による品質検査
装置を示す要部の一部破断概略側面図である。

【００２０】本実施形態において、図４に示すように、
光拡散部材８がアクリル樹脂等の半透明材料製で、第１
の照明光源４と第２の照明光源６との間で凹入される二
枚の傾斜板８ａ、８ｂから成り、第１の照明光源４から
出射される照明光５と第２の照明光源６から出射される
照明光７とが拡散される際に、互いに回り込んで干渉し
ないで、より一層均一に拡散されるように構成された点
に特徴を有する。その他の構成については上記第１の実
施形態と同様である。

【００２１】次に本発明の第３の実施形態について説明
する。図５は本発明の第３の実施形態による品質検査装
置を示す要部の一部破断概略側面図である。

【００２２】本実施形態においては、図５に示すよう
に、光拡散部材８がアクリル樹脂等の半透明材料により
平板状に形成され、照明光源４、６から出射される照明
光５、７が全体にほぼ均一に散乱するように構成された
ものであり、形状が単純で安価な点に特徴を有する。そ
の他の構成については上記第１の実施形態と同様であ
る。

【００２３】なお、上記実施形態においては枚葉印刷物
１を水平方向に搬送している際にうねり１０を生じた場
合の検査について説明したが、枚葉印刷物１の端部が圧
胴に対して押圧しているゴム胴から離脱した際に跳ね上
がりを生じた場合についても同様にして均一な照度で照
明して精度良く検出することができる。また、本発明に
おける検査対象は上記実施形態に限定されるものではな
く、長尺物等、種々の検査対象に適用することができ
る。また、検査対象に応じ、第１および第２の照明光源
４および６から出射される照明光５および７について単
独で光量を調整し、若しくは両方の光量を調整すること
もできる。また、照明光源は複数箇所に配置せず、一箇
所に配置してもよい。更に、光拡散部材８は上記各実施
形態以外の形状に形成してもよい。このほか、本発明
は、その基本的技術思想を逸脱しない範囲で種々設計変
更することができる。

【００２４】

【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、照
明光源から出射する照明光を光拡散部材により種々の方
向へ拡散させて被検査面を照明させるので、被検査面が
うねり、跳ね上がり等を有していても被検査面の全面に
亘ってほぼ均一な照度で照明することができ、撮像デー
タに縞模様状の濃淡がほとんど生じないようにして傷等
の欠陥と明確に識別することができる。したがって、検
出精度を向上させて検査の信頼性を向上させることがで
きる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１の実施形態による品質検査装置を
示す概略構成図である。

【図２】同品質検査装置により検査する被検査物の一例
を示す説明用平面図である。

【図３】（ａ）は同品質検査装置による図２のＣＬ−Ｃ
Ｌ線における検査原理説明図、（ｂ）は比較例の検査原
理説明図である。

【図４】本発明の第２の実施形態による品質検査装置の
要部を示す一部破断概略側面図である。

【図５】本発明の第３の実施形態による品質検査装置の
要部を示す一部破断概略側面図である。

【符号の説明】

１ 被検査物 ２ 撮像カメラ ３ 被検査面 ４ 第１の照明光源 ５ 照明光 ６ 第２の照明光源 ７ 照明光 ８ 光拡散部材 ９ 判定手段

Claims (7)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 被検査物の被検査面を照明するための照
   明光を出射する照明光源と、この照明光源を散乱光が得
   られるように被覆する光拡散部材と、上記照明光の散乱
   光により照明された被検査面を撮像する撮像手段と、こ
   の撮像手段からの出力をもとに上記被検査面の欠陥の有
   無を判定する判定手段とを備えた品質検査装置。
2. 【請求項２】 照明光源が、撮像手段に対してほぼ明視
   野位置となるように配置された第１の照明光源と、上記
   撮像手段に対してほぼ暗視野位置となるように配置され
   た第２の照明光源とを備え、上記光拡散部材が、上記第
   １および第２の照明光源からほぼ均一な散乱光を得るこ
   とができるように構成された請求項１記載の品質検査装
   置。
3. 【請求項３】 光拡散部材が、半透明材料により照明光
   源の前方へ突出する曲面状に形成された請求項１または
   ２記載の品質検査装置。
4. 【請求項４】 光拡散部材が、第１と第２の照明光源間
   で凹入するように傾斜され、第１と第２の照明光源から
   出射されて拡散される照明光が互いに回り込まないよう
   に半透明材料により形成された請求項２記載の品質検査
   装置。
5. 【請求項５】 光拡散部材が、半透明材料により平板状
   に形成された請求項１または２記載の品質検査装置。
6. 【請求項６】 第１の照明光源と第２の照明光源のいず
   れか、若しくは両方から被検査面に出射される照明光量
   が検査対象に対応して調整されるように構成された請求
   項２ないし５のいずれかに記載の品質検査装置。
7. 【請求項７】 判定手段が、撮像手段の出力から得られ
   る多階調画像データの濃度レベルを基準濃度レベルと比
   較して欠陥の有無を判定する請求項１ないし６のいずれ
   かに記載の品質検査装置。