JPH11108264A - 油井管継手 - Google Patents

油井管継手

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JPH11108264A
JPH11108264A JP28465297A JP28465297A JPH11108264A JP H11108264 A JPH11108264 A JP H11108264A JP 28465297 A JP28465297 A JP 28465297A JP 28465297 A JP28465297 A JP 28465297A JP H11108264 A JPH11108264 A JP H11108264A
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JP
Japan
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pin
box
sealing
contact
metal contact
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Application number
JP28465297A
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English (en)
Inventor
Kazushi Maruyama
和士 丸山
Haruyuki Nagayoshi
治之 永吉
Kunihiko Okamura
邦彦 岡村
Eiji Tsuru
英司 津留
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 大きな曲げ荷重が作用しても気密性を損なう
ことなく、かつ安価に製造可能な油井管継手を提供す
る。 【解決手段】 ピンネジなし部17、17aに、階段状
に配置された2カ所の肩部を備えたピン13、13aと
ピンネジなし部17、17aの形状に対応する1カ所の
肩部を備えたボックス16との締め込みの初期におい
て、ピン側金属接触気密部12、12aとボックス側金
属接触気密部15、15aによって形成される第1の密
封部23、23aと、締め込みの完了時において、ピン
側ストッパー兼密封部19、19aとボックス側ストッ
パー兼密封部22、22aによって形成される第2の密
封部24、24aとを備え、かつ第2の密封部24、2
4aの接触面が管軸に垂直な面に対しボックス16の中
心側に傾斜している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、油(ガス)井の坑
井保護及び採油に使用される油井管(ケーシングパイ
プ、チュービングパイプ)の管継手に関し、製造コスト
が安く、高い外圧、大きな曲げ荷重など苛酷な荷重条件
下でも高い気密性能を発揮する油井管継手に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、気密性能を付与した油井管継手と
して、一般に図4に示す形態に代表される油井管継手5
0が知られている。油井管継手50はテーパ雄ネジ部5
1の先端にピン側ネジなしテーパ部52を管の端部に備
えたピン53、53aと、両端部にテーパ雄ネジ部51
に螺合するテーパ雌ネジ部54及び内側中間部に突起部
55を設けたボックス56とからなっている。油井管継
手50において、ピン側ネジなしテーパ部52と該ピン
側ネジなしテーパ部52と当接するボックス側ネジなし
テーパ部57及び突起部55には、主として2点の効用
がある。第一は、ピン側ネジなしテーパ部52とボック
ス側ネジなしテーパ部57を継手嵌合時に締まりばめ状
態にすることにより、高い気密性が得られる。第二は、
ボックス56の突起部55がテーパ雄ネジ部51の締め
込み時ストッパーの役目をし、テーパ雄ネジ部51とテ
ーパ雌ネジ部54とからなるネジ嵌合部58及びピン側
ネジなしテーパ部52とボックス側ネジなしテーパ部5
7とからなる気密部59に所定の干渉代(雄側外径−雄
側外径に対応する雌側内径)を付与できる。このこと
は、ボックス56に生ずる周方向引張応力及び気密圧力
を設計する上できわめて重要な点である。
【0003】また、気密性能を付与した油井管継手とし
て、図5に示すように、テーパ雄ネジ部61の先端にピ
ン側ネジなし平行部62を具備したピン63、63a
と、テーパ雄ネジ部61に螺合するテーパ雌ネジ部64
に接続されたボックス側ネジなし平行部67を具備し、
かつ中央部に突起部を有していないボックス66とから
なる油井管継手60(特開昭56−150689号公
報)が知られている。さらに、図6に示すように、ボッ
クス76の中央の突起部75を油井管継手50に比較し
て低く抑え、雄ネジ部71の位置決め機能を付与するた
めだけに留め、大部分は油井管継手60と同様に、ピン
73、73aの雄ネジ部71、71aの先端同志が突き
当たるように構成した油井管継手70(特開昭60−6
9388号公報)も知られている。また、図6の油井管
継手70と位置決め機能は同じであるが、気密機構が異
なる継手として、図7に示す油井管継手80(特開昭6
2−171583号公報)も知られている。なお、油井
管継手60、70、80における各構成要素の符号は、
油井管継手50と同じ機能を有する要素には下一桁の数
字を同一としている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来例の油井管継手においては、以下に述べる解決すべき
課題を有している。図4の油井管継手50においては、
製造者側から見れば、コスト高の要因が2つある。第一
は、ボックス56に突起部55があるために、パイプ本
体の雄ネジ側の肉厚が厚くなる程、ボックス56の内側
の機械加工による削り代が増え、生産性を低下させると
いう要因がある。第二は、厚肉素管の焼き入れ性を確保
するため、薄肉素管では不要な合金元素Cr、Moなど
の添加が必要となるという要因がある。図5〜図7に示
す油井管継手60、70、80においては、中央部の突
起部を除去又はその高さを低く抑えながら、金属接触に
よる気密機能を、中央部に突起部55付きの油井管継手
50と同様に維持している点は高く評価できる。しかし
ながら、平成元年頃から盛んに行われるようになった水
平堀油井開発や北海における高温・高圧井(通称HTH
P:High Temperature High P
ressure)など、継手に大きな曲げ荷重や外圧が
作用する過酷な油(ガス)井戸環境においては、十分な
気密機能を有しているとは言い難い。例えば、大きな曲
げモーメントが作用すれば、図8に破線で示すように、
圧縮曲げ応力側のパイプ内面のネジなしテーパ(又は平
行)部の金属接触による気密部に隙間Gが空きやすくな
る。また、大きな外圧が作用すれば、外側からネジ嵌合
部を介して侵入した高圧流体が金属接触部にまで到達し
て、ネジなしテーパ(又は平行)部は容易に内側に縮管
し、隙間Gをさらに大きくして気密性を損なうという問
題がある。
【0005】本発明は、かかる事情に鑑みてなされたも
ので、大きな外圧や曲げモーメントが作用しても気密性
を損なうことなく、かつ安価に製造可能な油井管継手を
提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記目的に沿う請求項1
記載の油井管継手は、内面の両側にテーパ雌ネジ部が形
成されたボックスに、外面に前記テーパ雌ネジ部と螺合
するテーパ雄ネジ部が形成されたピンを対向して締め込
む油井管継手において、前記ピンには、前記テーパ雄ネ
ジ部に接続するピンネジなし部に、階段状に配置された
2カ所の肩部を構成するピン側ストッパー兼密封部及び
ピン先端衝接部と、前記ピン側ストッパー兼密封部と前
記ピン先端衝接部の中間部に円錐面を構成するピン側金
属接触気密部とが形成され、前記ボックスには、前記ピ
ンネジなし部の形状に対応する1カ所の肩部を構成する
前記ピン側ストッパー兼密封部に当接するボックス側ス
トッパー兼密封部と、前記ピン側金属接触気密部に当接
するボックス側金属接触気密部とが形成され、前記ピン
と前記ボックスとの締め込みの初期において、前記ピン
側金属接触気密部と前記ボックス側金属接触気密部の金
属対金属接触によって形成される第1の密封部と、前記
締め込みの完了時において、前記ピン側ストッパー兼密
封部と前記ボックス側ストッパー兼密封部の金属対金属
接触によって形成される第2の密封部とを備え、かつ該
第2の密封部の接触面が管軸に垂直な面に対し、半径方
向に前記ボックスの中心側に傾斜した傾斜角度θを付与
している。
【0007】請求項2記載の油井管継手は、請求項1記
載の油井管継手において、前記ボックスの両端面の一部
もしくは全部が、前記ピンのテーパ雄ネジ部に接続する
と共に肩部を構成する当接密封面に締め込み時に当接
し、該当接密封面と前記ボックスの両端面とで形成され
る第3の密封部の接触面が管軸に垂直な面に対し、半径
方向に前記ボックスの中心側に傾斜している。請求項3
記載の油井管継手は、請求項1又は2記載の油井管継手
において、前記ピン先端衝接部の端面同士が、前記締め
込みの完了時において、前記ボックス中央部で衝接する
ように構成している。請求項4記載の油井管継手は、請
求項1〜3のいずれか1項に記載の油井管継手におい
て、前記ボックスの外径が前記ピンの外径より大きい。
【0008】
【発明の実施の形態】続いて、添付した図面を参照しつ
つ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発
明の理解に供する。ここに、図1は本発明の一実施の形
態に係る油井管継手の主要部分の説明図、図2は同油井
管継手の密封面の説明図、図3は本発明の変形例に係る
油井管継手の説明図である。図1に示すように、本発明
の一実施の形態に係る油井管継手10は、従来の安価な
油井管継手の不十分な気密性を解決するものであり、そ
の構造を説明すると、外面にテーパ状の雄ネジが形成さ
れたテーパ雄ネジ部11、11aのそれぞれの先端に円
錐テーパ状のピン側金属接触気密部12、12aを備え
て対向して配置された継手部を構成する一対のピン1
3、13aと、両端部にテーパ雄ネジ部11、11aの
それぞれに螺合する内面にテーパ状の雌ネジが形成され
たテーパ雌ネジ部14、14a及びテーパ雌ネジ部1
4、14a間にピン側金属接触気密部12、12aのそ
れぞれと当接する対となるボックス側金属接触気密部1
5、15aからなる中央突起部25を備えたボックス1
6とから構成されている。以下詳細に説明する。
【0009】管の一端部のピン13、13aの基端側に
テーパ雄ネジ部11、11aが加工されており、テーパ
雄ネジ部11、11aの先端側には2カ所の肩部であ
る、ピン側ストッパー兼密封部19、19a及びピン先
端衝接部20、20aがそれぞれ管軸の垂直面と傾斜角
度θをなして及び管軸と垂直に加工されている。さら
に、ピン側ストッパー兼密封部19、19a及びピン先
端衝接部20、20aの中間部にそれぞれ円錐面を構成
するピン側金属接触気密部12、12aが加工されてい
る。ピン13、13aのピンネジなし部17、17aに
は、テーパ雄ネジ部11、11aにそれぞれ接続してテ
ーパ状の傾斜面18、18aが形成され、傾斜面18、
18aの先端側には、階段状に配置した2カ所の肩部、
即ちピン側ストッパー兼密封部19、19a及びピン先
端衝接部20、20aとピン側金属接触気密部12、1
2aとが形成されている。
【0010】ボックス16には前記テーパ雄ネジ部1
1、11aに螺合するテーパ雌ネジ部14、14aが加
工され、ピン13、13aの先端形状に対応するよう
に、管軸の垂直面と傾斜角度θをなす1カ所の肩部であ
るボックス側ストッパー兼密封部22、22aとボック
ス側金属接触気密部15、15aが加工されている。ボ
ックス16のテーパ雌ネジ部14、14aの奥側には、
テーパ雌ネジ14、14aに接続してテーパ状の傾斜面
21、21aが傾斜面18、18aと隙間Sを確保して
形成され、傾斜面21、21aに接続して両端が肩部を
構成し、ピン側ストッパー兼密封部19、19aと当接
するボックス側ストッパー兼密封部22、22aが形成
されると共に、ボックス側ストッパー兼密封部22、2
2aに接続された前記ピン側金属接触気密部12、12
aがそれぞれ当接可能なボックス側金属接触気密部1
5、15aを有する中央突起部25がボックス16の内
側中心部に形成されている。
【0011】図2は本発明の一実施の形態に係る油井管
継手10の全体構成図である。図に示すように、油井管
継手10はカップリングタイプの油井管継手で、ボック
ス16の内面には図1に示した形状が形成されており、
さらに、ボックス16の両端部は図4に示す従来例に係
る油井管継手50と同様の形状を有している。
【0012】かかる構成を有する油井管継手10の作用
について説明する。テーパ雄ネジ部11、11aの先端
側に形成されている前記2カ所の肩部は、ネジ側に近い
ピン側ストッパー兼密封部19、19aとボックス側ス
トッパー兼密封部22、22aとの締め付け位置を制御
すること及びトルク抵抗を制御することを目的に配置さ
れており、ピン先端衝接部20、20aの端部同志が中
央部で軽微に衝接することによりパイプ内面を完全フラ
ッシュにし、隙間腐食などを防止することができるよう
になっている。従って、ピン側金属接触気密部12、1
2a及びボックス側金属接触気密部15、15aのテー
パ面長さMと、テーパ面長さMの2倍と対応するボック
ス16の中央突起部25の長さNは、2カ所の肩部が接
触するように狭い公差で加工されている。
【0013】本実施の形態に係る油井管継手10の締め
込み時の態様としては、ピン13、13aとボックス1
6との締め込みの初期において、ピン側金属接触気密部
12、12aとボックス側金属接触気密部15、15a
との金属対金属接触による第1の密封部23、23a
と、締め込みの完了時において、ピン側ストッパー兼密
封部19、19aが、これに対応するボックス側ストッ
パー兼密封部22、22aと衝接して金属対金属接触に
よる形成される第2の密封部24、24aとを備えてい
る。さらに、第2の密封部24、24aには接触面が管
軸に垂直な面に対して、半径方向にボックス16の中心
側に傾斜角度θの傾きを持たせているため、第2の密封
部24、24aはピン13、13aの半径方向内側への
変位を拘束する機能を果たし、締め込み完了時において
は、ボックス16の両端側から締め込まれたピン13、
13aのピン先端衝接部20、20aの端面同志がボッ
クス16内部の中央部で衝接し、完全内面フラッシュを
具備するという特徴を有している。
【0014】従って、かかる構成を有する本発明の一実
施の形態に係る油井管継手10の気密性能は次の通りで
ある。ネジ締め付けによって、最初にピン13、13a
のピン側金属接触気密部12、12aとこれに対応する
ボックス側金属接触気密部15、15aとが接触して第
1の密封部23、23aを形成する。次いで、締め込み
が進むにつれピン側金属接触気密部12、12aとボッ
クス側金属接触気密部15、15aとの接触面の干渉代
すなわち面圧は増大し、第2の密封部24、24aの密
封効果は向上する。
【0015】ここで、高い気密性を確保するため、ピン
ネジなし部17、17aには周方向に圧縮変形を十分に
与えたほうがよいが、使用時にボックス16に大きな外
圧が作用したとき、ピンネジなし部17、17aは縮管
変形をさせられるので、その時ピン13、13aの先端
部が過度に降伏しないように、締め込み時の金属接触部
の干渉代の上限は組み合わせ円筒の考え方を適用して以
下のように制御している。組み合わせ円筒に外圧が作用
したとき内筒の周方向応力σt1は(1)式で、直径干渉
代δを与えた組み合わせ円筒の内筒の周方向応力σt2
(2)式で算出される。従って、両者の周方向応力の和
(σt1+σt2)が材料の降伏応力を超えないように、嵌
合時の金属接触部の直径干渉代δを調節しておく。ま
た、第1の密封部23、23aの面圧は組み含わせ円筒
の接触面圧Pm (3)式で推定できるので、直径干渉代
δは接触面圧Pm が、気密すべき内圧の3〜5倍になる
ように設定することが望ましい。
【0016】
【数1】
【0017】
【数2】
【0018】
【数3】
【0019】締め込みの最終段階では、ピン側ストッパ
ー兼密封部19、19aとボックス側ストッパー兼密封
部22、22aとを衝接させ、続くネジ締め付けによっ
てピン側ストッパー兼密封部19、19a及びボックス
側ストッパー兼密封部22、22aは第2の密封部2
4、24aを形成し、締め込みを完了する。ここで、第
2の密封部24、24aが高い外圧を受けても、なおガ
スや油等の内圧に対して高い気密性能を確保するために
は、第2の密封部24、24aの働きは2重の意味で重
要である。
【0020】第一は、万一高い圧力のガスや油等が管外
からネジ部に侵入し、さらに第2の密封部24、24a
も通過すれば、高圧が直接ピン13、13aのピンネジ
なし部17、17aに作用することになり、ピン13、
13aの先端部の縮管変形を助長し、所期の金属接触部
の直径干渉代δは失われてしまうことになる。従って、
第2の密封部24、24aには十分な締め込みトルクを
付加し、緊密に接触させておく必要がある。そのために
はテーパ面長さMを管理し、ピン13、13aの端面同
志の接触が邪魔をして第2の密封部24、24aに隙間
が空くことのないようにしている。第二は、第2の密封
部24、24aを傾斜角度θ傾斜させた構造にしている
ために、たとえ高圧の流体がピンネジなし部17、17
aに作用するようなことがあっても、縮管変形を抑制す
る効果があり、金属接触部の直径干渉代δを維持するこ
とができる。また、継手の曲げ荷重に対しても、この傾
斜したストッパー構造のお陰で、ピン13、13aとボ
ックス16とは一体として変形することが期待でき、曲
げ荷重によってピン13、13aの先端気密部26が、
対応するボックス側気密部27から離脱し直径干渉代δ
を失う危険を回避できる。
【0021】締め込みが完了すると、ピン13のピン先
端衝接部20は相対する反対側から締め込まれたピン1
3aのピン先端衝接部20aとボックス16中央部で軽
度な接触を行い、ピン13、13aの内面はパイプ厚さ
に関係なく完全フラッシュである。ピン先端衝接部2
0、20a同士を過度に衝接させると、肝心の前記第2
の密封部24、24aに隙間が空く恐れがあるので、軽
度の接触に留めている。従って、この部分には気密性を
あまり期待していない。
【0022】以上説明したように、本実施の形態に係る
油井管継手10においては、ボックス16の肉厚を薄く
できるという本来の狙いを担保したままで、従来の技術
に引用した同様の狙いの従来例の油井管継手に比して、
大きな外圧及び曲げ荷重など近年特に問題視される外的
作用に対しても、高い気密性能を発揮できるものであ
る。
【0023】図3は本発明の一実施の形態に係る油井管
継手10の変形例である油井管継手10aのボックス1
6aの両端部の密封面の説明図である。油井管継手10
aは、図2と同様ボックス16aの内面には図1に示し
た形状が形成されており、さらに、ボックス16aの両
端部には、図1に示した第2の密封部24、24aと同
様の形状を有する第3の密封部30、30aを構成する
ように、ボックス16aの両端部及び該両端部に対応す
るピン13b、13cの形状が形成されている。即ち、
ボックス16aの両端面28、28aが、ピン13b、
13cのテーパ雄ネジ部11、11aに接続すると共
に、肩部を構成する当接密封面29、29aに締め込み
時に当接し、当接密封面29、29aと両端面28、2
8aとで形成される第3の密封部30、30aの接触面
が管軸に垂直な面に対し、半径方向に前記ボックス16
aの中心側に傾斜するように構成している。このような
円錐面による第3の密封部30、30aによって、継手
の外から中への高圧の流体の漏洩を防止することができ
る。
【0024】さらに、図3の破線で示すように、ボック
ス16aの外径Db をパイプ(又はピン)の外径Dp
り大きくすることもでき、これにより、ボックス16a
の継手強度を高めることも可能である。この場合には、
ピンの肩部を構成する当接密封面はボックスの両端面の
一部としか当接しない。
【0025】
【実施例】以下、本実施の形態に係る油井管継手の実施
例について説明する。本発明者らは、図2に示すような
油井管継手の性能試験を以下の条件で実施した。AP
I、L80グレード、外径Dp が193.68mm、肉
厚tが12.7mmの鋼管に、APIバットレスを切っ
たネジ継手に、ピンネジなし部17、17aの先端肩部
の肉厚S1 、S2 をそれぞれ2.65mm、5mmと
し、ピン及びボックス側金属接触気密部12、12a及
び15、15aの密封面Tのテーパを1/10、直径干
渉代δを0.5mm、テーパ面長さMを10mmとし、
その寸法公差はピン13、13a、ボックス16aとも
±25ミクロン、ピン及びボックス側ストッパー兼密封
部19、19a及び22、22aの密封面の傾斜角度θ
を15°とした。
【0026】性能試験の結果によると、締め付け緩めを
5回繰り返した後、継手に管体の圧潰強度の80%に相
当する外圧力496気圧をかけた後、管体の降伏内圧の
80%に相当する窒素ガス圧516気圧及び管体の降伏
強度の80%に相当する引張荷重325トンを同時に負
荷して、さらに163℃と67℃での温度内で熱サイク
ルを100回加えたが、何ら気密性を損なうことなく、
使用上優れた気密性を有することが確認された。
【0027】
【発明の効果】請求項1〜4記載の油井管継手において
は、ピンには、階段状に配置された2カ所の肩部を構成
するピン側ストッパー兼密封部及びピン先端衝接部とそ
れらの中間部にピン側金属接触気密部とが形成され、一
方ボックスには、ピン先端部の形状に対応する1カ所の
肩部を構成するボックス側ストッパー兼密封部とピン側
金属接触気密部に当接するボックス側金属接触気密部と
により、高さの抑えられた中央突起部が形成されている
ので、締め込みの初期において、ピン側金属接触気密部
とボックス側金属接触気密部との金属対金属接触によっ
て第1の密封部が形成されると共に、締め込みの完了時
において、ピン側ストッパー兼密封部とボックス側スト
ッパー兼密封部との金属対金属接触によって第2の密封
部が形成される。しかも第2の密封部の接触面が管軸に
垂直な面に対し、半径方向に前記ボックスの中心側に傾
斜した傾斜角度θを付与しているので、たとえ高圧の流
体がピンネジなし部に作用するようなことがあっても、
縮管変形を抑制する効果があり、金属接触部の直径干渉
代を維持することができると共に、継手の曲げ荷重に対
しても、この傾斜した接触面によって、ピンとボックス
とは一体として変形することが期待でき、曲げ荷重によ
ってピンの先端気密部が、対応するボックス側気密部か
ら離脱し直径干渉代を失う危険を回避できる。従って、
高い外圧、大きな曲げ荷重など苛酷な荷重条件下でも高
い気密性能を発揮することができる。
【0028】特に、請求項2記載の油井管継手において
は、ボックスの両端面の一部もしくは全部が、ピンのテ
ーパ雄ネジ部に接続すると共に肩部を構成する当接密封
面に締め込み時に当接し、当接密封面とボックスの両端
面とで形成される第3の密封部の接触面が管軸に垂直な
面に対し、半径方向に前記ボックスの中心側に傾斜して
いるので、前記第2の密封部と同様な効果を奏する。請
求項3記載の油井管継手においては、ピン先端衝接部の
端面同士が、締め込みの完了時において、ボックス中央
部で衝接するように構成しているので、第2の密封部に
隙間が空く恐れがないため、さらに高い気密性能を発揮
できると共に、ピン先端衝接部での気密性も確保でき
る。請求項4記載の油井管継手においては、ボックスの
外径がピンの外径より大きいので、ボックスの継手強度
を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る油井管継手の主要
部分の説明図である。
【図2】同油井管継手の全体構成図である。
【図3】変形例に係る油井管継手の全体構成図である。
【図4】従来例に係る油井管継手の主要部分の説明図で
ある。
【図5】従来例に係る油井管継手の主要部分の説明図で
ある。
【図6】従来例に係る油井管継手の主要部分の説明図で
ある。
【図7】従来例に係る油井管継手の主要部分の説明図で
ある。
【図8】曲げ変形のため気密部が変形した状況の説明図
である。
【符号の説明】
10 油井管継手 10a 油井管継
手 11 テーパ雄ネジ部 11a テーパ雄
ネジ部 12 ピン側金属接触気密部 12a ピン側金
属接触気密部 13 ピン 13a ピン 13b ピン 13c ピン 14 テーパ雌ネジ部 14a テーパ雌
ネジ部 15 ボックス側金属接触気密部 15a ボックス
側金属接触気密部 16 ボックス 16a ボックス 17 ピンネジなし部 17a ピンネジ
なし部 18 傾斜面 18a 傾斜面 19 ピン側ストッパー兼密封部 19a ピン側ス
トッパー兼密封部 20 ピン先端衝接部 20a ピン先端
衝接部 21 傾斜面 21a 傾斜面 22 ボックス側ストッパー兼密封部 22a ボックス側ストッパー兼密封部 23 第1の密封部 23a 第1の密
封部 24 第2の密封部 24a 第2の密
封部 25 中央突起部 26 先端気密部 27 ボックス側気密部 28 端面 28a 端面 29 当接密封面 29a 当接密封面 30 第3の密封
部 30a 第3の密封部 θ 傾斜角度 δ 直径干渉代 Db ボックスの外
径 Dp パイプの外径 M テーパ面長さ N 中央突起部の長さ S 隙間 S1 肉厚 S2 肉厚 T 密封面 t 肉厚
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 津留 英司 千葉県富津市新富20−1 新日本製鐵株式 会社技術開発本部内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内面の両側にテーパ雌ネジ部が形成され
    たボックスに、外面に前記テーパ雌ネジ部と螺合するテ
    ーパ雄ネジ部が形成されたピンを対向して締め込む油井
    管継手において、 前記ピンには、前記テーパ雄ネジ部に接続するピンネジ
    なし部に、階段状に配置された2カ所の肩部を構成する
    ピン側ストッパー兼密封部及びピン先端衝接部と、前記
    ピン側ストッパー兼密封部と前記ピン先端衝接部の中間
    部に円錐面を構成するピン側金属接触気密部とが形成さ
    れ、 前記ボックスには、前記ピンネジなし部の形状に対応す
    る1カ所の肩部を構成する前記ピン側ストッパー兼密封
    部に当接するボックス側ストッパー兼密封部と、前記ピ
    ン側金属接触気密部に当接するボックス側金属接触気密
    部とが形成され、 前記ピンと前記ボックスとの締め込みの初期において、
    前記ピン側金属接触気密部と前記ボックス側金属接触気
    密部の金属対金属接触によって形成される第1の密封部
    と、前記締め込みの完了時において、前記ピン側ストッ
    パー兼密封部と前記ボックス側ストッパー兼密封部の金
    属対金属接触によって形成される第2の密封部とを備
    え、かつ該第2の密封部の接触面が管軸に垂直な面に対
    し、半径方向に前記ボックスの中心側に傾斜した傾斜角
    度θを付与していることを特徴とする油井管継手。
  2. 【請求項2】 前記ボックスの両端面の一部もしくは全
    部が、前記ピンのテーパ雄ネジ部に接続すると共に肩部
    を構成する当接密封面に締め込み時に当接し、該当接密
    封面と前記ボックスの両端面とで形成される第3の密封
    部の接触面が管軸に垂直な面に対し、半径方向に前記ボ
    ックスの中心側に傾斜している請求項1記載の油井管継
    手。
  3. 【請求項3】 前記ピン先端衝接部の端面同士が、前記
    締め込みの完了時において、前記ボックス中央部で衝接
    するように構成した請求項1又は2記載の油井管継手。
  4. 【請求項4】 前記ボックスの外径が前記ピンの外径よ
    り大きい請求項1〜3のいずれか1項に記載の油井管継
    手。
JP28465297A 1997-09-30 1997-09-30 油井管継手 Withdrawn JPH11108264A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002130552A (ja) * 2000-10-24 2002-05-09 Sumitomo Metal Ind Ltd 環境保全性に優れた油井管用ネジ継手
WO2005121622A1 (ja) * 2004-06-09 2005-12-22 Metal One Corporation 油井管用ネジ継手

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JP2002130552A (ja) * 2000-10-24 2002-05-09 Sumitomo Metal Ind Ltd 環境保全性に優れた油井管用ネジ継手
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