JPH11107346A - 真空排水設備 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 真空排水設備真空弁の閉弁不良を検出し、適
切に対処できるようにする。 【解決手段】 真空弁４が閉弁不良になると封水が真空
配管５へ吸い出されることにより封水センサ２１が封水
を検出しなくなる。そこで、給水弁１３をあけて洗浄水
を補給したり、真空弁４を開閉させたりする。また、遮
断弁２０を閉弁してエアリークを防止する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は真空配管が真空弁を
介して接続された真空水洗便器などの真空排水設備に係
り、特に真空弁に動作不良が生じた場合の対策を有した
真空排水設備に関する。

【０００２】

【従来の技術】特開平４−３８３３６号、特開平７−３
８５７号などに記載されているように、便器の排水口に
真空弁を介して真空配管を接続した真空便器システムに
おいては、便器に洗浄水を供給すると共に該真空弁を開
弁させ、便器鉢内容物を真空配管に排出させる。

【０００３】この真空弁としては第２図に示すように、
ゴムチューブ１の側部に作動室２を配置すると共にこの
作動室２内に該ゴムチューブ１を閉径させる方向に付勢
するバネ３を配置した構成のものが多く用いられてい
る。この真空弁４の流出ポートに接続された真空配管５
と該作動室２とが負圧伝達管６で接続され、この負圧伝
達管６の途中にコントロールバルブ７が設けられてい
る。

【０００４】コントロールバルブ７を開くことにより、
該作動室２内に真空配管５内の負圧を導入すると、第２
図（ｂ）の如くゴムチューブ１が拡径し、開弁状態とな
る。コントロールバルブ７を閉じることにより作動室２
への負圧導入を停止すると、バネ３によってゴムチュー
ブ１が縮径し、第２図（ａ）の閉弁状態となる。

【０００５】第３図はこの真空弁４を備えた真空便器の
設置構成図である。

【０００６】便器１０の鉢１１の上縁のリム部に射水管
１２が周設され、給水弁１３及び給水管１４を介して洗
浄水が該射水管１２に供給可能とされている。この射水
管１２の底面には所定間隔をおいて射水孔が穿設されて
いる。鉢１１の排水口には真空弁４を介して真空配管５
が接続されている。この真空配管５は真空ポンプを有し
た負圧源に接続されている。

【０００７】真空弁４よりも下流側の真空配管５と真空
弁４の作動室２とを連通する負圧伝達管６の途中に逆止
弁１５とコントロールバルブ７とが設けられている。こ
のコントロールバルブ７及び給水弁１３には制御器１６
から制御信号が入力される。制御器１６に対しては洗浄
スイッチ１７から信号が入力される。

【０００８】このように構成された真空便器設備におい
て、洗浄スイッチ１７を押すと、給水弁１３及び真空弁
４が開弁し、鉢１１に洗浄水が供給されると共に、鉢１
１の内容物が真空配管５へ吸引排出される。

【０００９】給水弁１３及び真空弁４が開弁してから所
定時間が経過すると、まず、真空弁４が閉弁し、次いで
給水弁１３が閉弁する。これにより鉢１１に溜水が溜ま
った使用待機状態となる。

【００１０】

【発明が解決しようとする課題】この真空配管には、１
個の真空便器だけでなく他の真空便器や洗面器、各種流
しなどの衛生器具が接続されていることが一般的であ
る。この場合、１つの衛生器具の真空弁が完全には閉弁
せず該真空弁からエアリーク（大気吸込）が生じると、
当該真空配管内の負圧が不足し、該真空配管に接続され
た他の衛生器具において吸引排水不良が生じてしまう。

【００１１】本発明は真空弁の動作不良による真空排水
システムの全体的なシステム作動不全を防止することを
目的とする。なお、真空弁に閉弁不良が生じると衛生器
具内の封水が真空配管に吸い出されてしまう。本発明
は、この衛生器具の封水を検出して真空弁の閉弁不良を
検知するようにした真空排水設備を提供することを目的
とする。

【００１２】

【課題を解決するための手段】本発明の真空排水設備
は、衛生器具の排水流路に負圧源が接続され、負圧によ
って作動する真空弁が該排水流路に設けられている真空
排水設備において、該排水流路の該真空弁よりも下流側
に設けられた遮断弁と、該衛生器具の封水を検出する封
水検出手段とを備えたことを特徴とするものである。

【００１３】かかる真空排水設備にあっては、例えば真
空弁が閉弁しているにもかかわらず封水検出手段が封水
を検出しなくなったときには衛生器具に洗浄水を供給
し、封水を溜めるよう制御する。

【００１４】なお、第３図の真空便器のように衛生器具
に設けられた洗浄水供給手段が真空弁の開弁と連動して
供給作動するものである場合において、遮断弁が開弁状
態にあり且つ真空弁が閉弁状態にあるときに封水検出手
段が封水を検出しなくなったときには、真空弁の開弁と
洗浄水の供給とを行い、その後真空弁を閉弁させ、さら
に所要時間経過後に洗浄水供給を停止し、衛生器具に封
水を溜めるようにしても良い。このように真空弁の開閉
と洗浄水供給とを行うことにより、例えば真空弁に引掛
っていた異物が取り除かれ真空弁の動作が正常に復帰す
ることがある。なお、この真空弁の開閉と洗浄水供給手
段の作動とを複数回繰り返しても良い。

【００１５】このように封水切れを検出して洗浄水を衛
生器具に供給したにもかかわらずその後真空弁の開弁前
に再度封水が検出されなくなった場合には、真空弁に何
らかの閉弁異常があるものと判定し、遮断弁を閉弁させ
ることにより、真空配管への大気リークを防止できる。

【００１６】本発明では、真空弁が閉弁状態にあるとき
に封水検出手段が封水を検出しなくなったときに遮断弁
を閉弁させるようにしても良い。

【００１７】本発明では、この遮断弁を閉弁させる場合
に併せて警報装置を作動させても良い。

【００１８】

【発明の実施の形態】第１図は実施の形態に係る真空便
器設備の系統図であり、真空弁４に接続された真空配管
５の途中に遮断弁２０が設けられている。なお、以下、
この遮断弁２０と真空弁４との間の真空配管に符号５Ａ
を付す。前記負圧伝達管６はこの真空配管５Ａと真空弁
４の作動室とを連通している。

【００１９】真空弁４よりも上流側の便器排水口近傍に
は封水を検出する封水センサ２１が設けられ、この封水
センサ２１の検出信号は制御器１６に入力されている。
なお、封水センサ２１としては水を検知することができ
る各種のセンサを採用することができる。

【００２０】トイレルームの壁面には、真空弁４の動作
が不良であることを示す警報を発生する警報器２２が設
けられている。この警報器２２としては音や光によって
警報を発生する各種のものを採用できる。また、警報器
２２の設置位置はトイレルーム以外の廊下や居室、管理
室などであっても良い。警報器２２は複数箇所に設けら
れても良い。制御器１６からは前記コントロールバルブ
７及び給水弁１３のほか、遮断弁２０に制御信号が与え
られると共に、警報器２２にも作動信号が与えられる。

【００２１】第１図のその他の構成は第３図と同様であ
り、同一符号は同一部分を示している。

【００２２】このように構成された真空便器設備におい
て、遮断弁２０は通常時にあっては開弁している。そし
て、洗浄スイッチ１７を押すと、給水弁１３及び真空弁
４が開弁し、鉢１１に洗浄水が供給されると共に、鉢１
１の内容物が真空配管５へ吸引排出される。

【００２３】給水弁１３及び真空弁４が開弁してから所
定時間が経過すると、まず、真空弁４が閉弁し、次いで
所要時間後に給水弁１３が閉弁する。これにより鉢１１
に溜水が溜まった使用待機状態となる。

【００２４】真空弁４に閉弁不良が生じた場合の作動例
について次に説明する。

【００２５】遮断弁２０が開弁している場合、真空弁４
に閉弁不良が生じると、封水が吸い出され大気が真空配
管５にリークするようになるので、この実施の形態にあ
っては例えば次の〜のいずれかの対策をとることに
よりエアリークを防止したり、警報を発生させて早急に
修理が行われるようにする。

【００２６】 コントロールバルブ７が閉弁しており
それ故に真空弁４が閉弁しているはずであるにもかかわ
らず封水センサ２１が封水を検出しなくなったときに
は、遮断弁２０を閉じる。これにより真空配管５へのエ
アリークが防止される。この場合、警報器２２を作動さ
せて真空弁４に閉弁不良が生じていることを知らせ、早
急に真空弁４の修理が行われるようにするのが好まし
い。また、警報器２２が作動することにより、次回の便
器使用が回避されるようになる。

【００２７】 コントロールバルブ７が閉弁しており
それ故に真空弁４が閉弁しているはずであるにもかかわ
らず封水センサ２１が封水を検出しなくなったときに
は、給水弁１３を所定時間だけ開弁させ、鉢１１に洗浄
水を供給する。これにより、例えば真空弁４に付着して
真空弁４を開きにくくしている原因となっていた異物が
新たな洗浄水によって流去され、真空弁４が全閉状態に
なることがある。また、エアリークがごく微量であると
きには、封水を鉢１１に溜めることによりしばらくの間
エアリークを防止できることもある。このの場合、洗
浄水を鉢１１に補給してから所定時間内に真空弁４が開
弁作動する前に再び封水センサ２１が水を検出しなくな
ったときには遮断弁２０を閉弁させても良い。好ましく
は、遮断弁２０を閉弁させると共に警報器２２を作動さ
せて真空弁４が早急に修理されるようにする。

【００２８】 コントロールバルブ７が閉弁しそれ故
に真空弁４が閉弁しているはずであるにもかかわらず封
水センサ２１が封水を検出しなくなったときに、まずコ
ントロールバルブ７を開弁させて真空弁４を開弁させる
と共に給水弁１３を開弁させて洗浄水を鉢１１に供給
し、その後コントロールバルブ７を閉弁させて真空弁４
を閉弁させ、所要時間後に給水弁１３を閉弁させる。こ
れにより真空弁４が全閉すれば鉢１１には水が所要量溜
まる。なお、真空弁４を一旦開いてから閉動作させるこ
とにより、真空弁４に引掛っていた異物が除去され真空
弁４が全閉になることがある。なお、このように真空弁
４の開閉及び給水弁１３の開閉はつづけて複数回（例え
ば２回）行われても良い。また、このの場合、真空弁
４の開閉及び給水弁１３の開閉を１回又は複数回行って
から所定時間内に真空弁４が開弁作動する前に再び封水
センサ２１が水を検出しなくなったときには遮断弁２０
を閉弁させても良い。好ましくは、遮断弁２０を閉弁さ
せると共に警報器２２を作動させて真空弁４が早急に修
理されるようにする。

【００２９】このような〜の対策をとることによ
り、真空配管５へエアリークすることが防止され、他の
衛生器具を正常に作動させることができる。また、警報
器２２を作動させることにより修理が速やかに開始され
るようになると共に、警報に接した人員は次の便器使用
を控えるようになる。

【００３０】上記実施の形態にあっては真空便器設備が
示されているが、真空式の小便器、和風便器、手洗器、
洗面器、各種流しなどの真空排水設備にも本発明を適用
することができる。

【００３１】

【発明の効果】以上の通り、本発明によると真空排水設
備の真空弁に閉弁不良が生じても他の真空式衛生器具に
影響が及ばないようになる。また、真空弁の修理が早急
に行われるようにすることもできる。

【図面の簡単な説明】

【図１】実施の形態に係る真空便器設備の構成図であ
る。

【図２】真空便器の真空弁を示す断面図である。

【図３】従来例に係る真空便器設備の構成図である。

【符号の説明】

１ ゴムチューブ ２ 作動室 ３ バネ ４ 真空弁 ５ 真空配管 ６ 負圧伝達管 ７ コントロールバルブ １０ 便器 １１ 鉢 １２ 射水管 １３ 給水弁 １７ 洗浄スイッチ ２０ 遮断弁 ２１ 封水センサ ２２ 警報器

Claims (6)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 衛生器具の排水流路に負圧源が接続さ
   れ、負圧によって作動する真空弁が該排水流路に設けら
   れている真空排水設備において、 該排水流路の該真空弁よりも下流側に設けられた遮断弁
   と、 該衛生器具の封水を検出する封水検出手段とを備えたこ
   とを特徴とする真空排水設備。
2. 【請求項２】 請求項１において、前記衛生器具に洗浄
   水を供給する洗浄水供給手段が設けられており、前記真
   空弁が閉弁状態にあるときに封水検出手段が封水を検出
   しなくなったときに洗浄水供給手段が作動して衛生器具
   に水が供給されることを特徴とする真空排水設備。
3. 【請求項３】 請求項２において、前記洗浄水供給手段
   は前記真空弁の開弁と連動して供給作動するものであ
   り、 前記遮断弁が開弁状態にあり且つ前記真空弁が閉弁状態
   にあるときに前記封水検出手段が封水を検出しなくなっ
   たときに該真空弁の開弁と洗浄水供給手段の供給作動と
   を行わせ、その後まず真空弁を閉弁させ、所要時間後に
   洗浄水供給手段の給水作動を停止させることを特徴とす
   る真空排水設備。
4. 【請求項４】 請求項２又は３において、前記封水検出
   手段が封水を検出しなくなって衛生器具に水が供給さ
   れ、その後真空弁の開弁前に再び封水検出手段が封水を
   検出しなくなった場合に遮断弁が閉弁されることを特徴
   とする真空排水設備。
5. 【請求項５】 請求項１ないし３のいずれか１項におい
   て、真空弁が閉弁状態にあるときに封水検出手段が封水
   を検出しなくなったときに前記遮断弁を閉弁作動させる
   ことを特徴とする真空排水設備。
6. 【請求項６】 請求項４又は５において、前記遮断弁の
   閉弁に加えて警報装置の作動が行われることを特徴とす
   る真空排水設備。