JPH11106280A - 単結晶の製造方法 - Google Patents

単結晶の製造方法

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JPH11106280A
JPH11106280A JP26889897A JP26889897A JPH11106280A JP H11106280 A JPH11106280 A JP H11106280A JP 26889897 A JP26889897 A JP 26889897A JP 26889897 A JP26889897 A JP 26889897A JP H11106280 A JPH11106280 A JP H11106280A
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sealing material
liquid sealing
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single crystal
crucible
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JP26889897A
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Yoshihiko Sakashita
由彦 坂下
Kazuhiro Uehara
一浩 上原
Takeo Kawanaka
岳穂 川中
Hiroshi Okada
広 岡田
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Kobe Steel Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 結晶成長終了後における降温過程での液体封
止材の固化に起因する結晶品質の低下やるつぼの破損
を、より簡単な装置構成で抑制し得る単結晶の製造方法
を提供する。 【解決手段】 成長結晶13を囲う液体封止材の融液1
4が固化する前に、例えば雰囲気ガス圧力を減圧させる
操作を行い、それまで融液14中に溶け込んでいた雰囲
気ガスを融液14中に気泡15として発生させる。これ
により、その後に液体封止材が固化し収縮する際に発生
する応力は気泡15に吸収される。この結果、成長結晶
13に過大な応力が作用しないので転位の増加が抑えら
れ、したがって、構成が複雑な装置を用いずとも、良質
の単結晶を得ることが可能になり、また、るつぼ6の破
損も防止できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、結晶成長用の原料
融液表面を液体封止材で覆って原料融液から単結晶を成
長させる単結晶の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】GaAs等のIII-V族化合物半導体やCdTe等
のII−IV族化合物半導体など、構成元素として高解離圧
成分を有する化合物半導体の単結晶の製造方法として、
液体封止引上げ法(LEC法)、液体封止垂直ブリッジマン
法(LE−VB法)、蒸気圧制御式引上げ法、蒸気圧制御式
垂直ブリッジマン法などが提案されている。
【0003】なかでも、LE−VB法は、液体封止材(例え
ば、B2O3)の作用による高解離圧成分元素の解離防止や
雰囲気からの不純物の混入防止と共に、ブリッジマン法
による低転位結晶に有利であることなどから注目されて
いる。このLE−VB法では、例えばArガスの供給により所
定の高圧ガス雰囲気を形成する高圧単結晶製造装置が用
いられ、このガス雰囲気中で、るつぼ内の成長結晶用原
料と液体封止材原料とが加熱溶融される。このとき、液
体封止材の融液は、原料融液の表面を覆うと共に、るつ
ぼの壁面に沿って介在する状態となる。
【0004】その後、所定の温度勾配中でるつぼを下降
させる操作が行われ、これによって、原料融液がその下
端側の種結晶に接する側から順次固化し、単結晶として
成長する。原料融液が全て固化し結晶成長が終了する
と、室温付近まで温度を降温させる操作が行われて装置
内からるつぼが取り出され、その後、るつぼを逆さまに
保持した状態で、このるつぼの底を軽くたたく、軽くも
む等の方法でるつぼからの成長結晶の取り出しが行われ
る。
【0005】ところで、上記のようにるつぼ内に成長結
晶を収容したまま室温まで降温する従来の方法では、こ
の降温の過程において、液体封止材が固化し収縮すると
きに成長結晶に応力が加わり、これによって、転位の増
大や亀裂が入ったり、あるいはるつぼが破損するという
ような不具合が生じる。さらに、るつぼから成長結晶を
取り出す際には、固化した液体封止材によってるつぼが
蓋された形となっており、このため、成長結晶の取り出
しが困難なだけでなく、取り出す際に、成長結晶に無理
な力が掛かり、成長結晶に亀裂が入るようなことがあ
る。
【0006】これを解消するために、るつぼ全体をメチ
ルアルコールに浸漬し、これに液体封止材を溶解させて
除去した後、成長結晶を取り出すことも行われている
が、この場合には、液体封止材が溶解してこれが除去さ
れるまでに数日かかり、このため、成長結晶の取り出し
効率が大幅に低下する。そこで、例えば特開平5-70288
号公報に、上記のような不具合を解消することを目的と
した単結晶の製造法が記載されている。この公報記載の
方法では、図3(a) に示すように、高圧容器40の底壁を
貫通するるつぼ支持軸41内に、この支持軸41とは独立に
昇降可能な種結晶支持軸42を備える装置が使用され、ま
た、るつぼ43内の底部には、このるつぼ43下端部の中心
穴を貫通する細管状の種結晶保持部44aを備える種結晶
保持具44が装着されている。
【0007】上記装置を用いて、前記とほぼ同様に、高
圧容器40内を加圧ガス雰囲気とした状態で、ヒータ45へ
の通電により原料融液46とこの原料融液46の表面を覆う
液体封止材の融液47とを形成し、その後、るつぼ43の全
体を下降させて、原料融液46を種結晶48に接する下端側
から固化させ単結晶を成長させる操作が行われる。そし
て、原料融液47が全て固化して結晶成長が終了すると、
るつぼ支持軸41の下降を継続したまま、種結晶支持軸42
の下降を停止する操作が行われる。これによって、同図
(b) に示すように、種結晶保持具44上に支持された成長
結晶49は、下降したるつぼ43から上方に分離し、また、
液体封止材47もるつぼ43内の底部側へと流下して、この
液体封止材47からも分離された状態となる。この結果、
その後の降温の過程での液体封止材47の固化に起因する
前記の結晶品質の低下や、るつぼの破損、結晶取り出し
効率の低下などの不具合を解消することが可能となって
いる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記公
報記載の方法を実施するための装置は、その構成が複雑
であり、この結果、装置コストが高くなり、ひいては、
単結晶の製造コストが高くなるという問題を有してい
る。すなわち、上記装置においては、るつぼ支持軸41と
種結晶支持軸42との双方を独立に制御して駆動し得る機
構が必要なだけでなく、例えば気密性の観点から、構造
的にもこれら各支持軸41・42の構成は非常に複雑なもの
となる。特に、細い棒状の種結晶支持軸42においては、
座屈強度の問題の他、垂直に動かす際のベアリング等に
特殊なものが必要になるなど、多くの問題点を内在して
いる。
【0009】本発明は、上記した問題点に鑑みなされた
もので、結晶品質の向上や、原料容器としてのるつぼの
破損防止、結晶取り出し効率の向上をより簡単な装置構
成で行うことが可能であり、これによって、製造コスト
をより安価なものとなし得る単結晶の製造方法を提供す
ることを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの本発明の単結晶の製造方法は、原料容器内に収容し
た結晶成長用原料と液体封止材原料とを加熱溶融した
後、結晶成長用原料を固化させて単結晶を成長させる単
結晶の製造方法において、結晶成長終了後、降温の過程
で液体封止材が固化するまでの間に、液体封止材中に気
泡を付与することを特徴としている(請求項1)。
【0011】上記方法によれば、液体封止材中に気泡が
付与されることにより、この液体封止材が固化して収縮
する際には、これに囲われる成長結晶(単結晶)に大き
な応力が加わるより先に、液体封止材中の気泡が潰れ、
したがって、これら気泡に応力が吸収される。この結
果、単結晶に大きな応力は作用しなくなり、これによっ
て亀裂の発生が防止され、さらに、転位の少ない高品質
の単結晶を得ることができる。また、同様の理由によっ
て、原料容器にも大きな応力は加わらず、原料容器が破
損することが防止される。
【0012】さらに、原料容器内からの単結晶の取り出
しを行う際に、例えばメチルアルコール等に液体封止材
を溶解させて除去する場合には、液体封止材中に付与し
た気泡によって液体封止材の表面積が増大するため、溶
解にかかる時間が短縮され、したがって、結晶取り出し
効率が向上する。液体封止材中への気泡の付与は、例え
ば、請求項2のように、単結晶の成長を所定の高圧ガス
雰囲気中で行った後、降温の過程で液体封止材が固化す
るまでの間に雰囲気ガス圧力を減圧させることによって
行うことができる。
【0013】すなわち、液体封止材が固化するまでの間
に雰囲気ガス圧力を減圧させると、液体封止材中へのガ
スの溶解度が低下し、これによって、それまで液体封止
材中に溶け込んでいた雰囲気ガスを液体封止材中に気泡
として発生させることができる。この場合、降温の過程
で液体封止材が固化する前に減圧操作を行えば良く、し
たがって、気泡の付与を行うための専用の機構を別途設
ける必要はないことから、全体の装置構成が簡単にな
り、この結果、単結晶の製造コストをより安価なものと
することができる。
【0014】また、液体封止材中への気泡の付与は、請
求項3のように、結晶成長終了後、液体封止材が固化す
るまでの間に液体封止材を機械的に攪拌し、これによっ
て、雰囲気ガスを液体封止材中に取り込ませる方法や、
請求項4のように、液体封止材中に気体を吹き込む方法
を採用することも可能である。これらの場合、気泡付与
のために攪拌装置やガス導入管などを別途付設すること
が必要になるものの、前記した従来公報記載のような特
殊な機構やるつぼ構造を必要とする装置に比べ、全体的
な装置構成をより簡素なものとすることができ、したが
って、単結晶の製造コストをより安価なものとすること
ができる。
【0015】
【発明の実施の形態】次に、本発明の一実施形態につい
て図面を参照しながら説明する。図2には、液体封止垂
直ブリッジマン法(LE−VB法)による単結晶の成長に使
用される高圧単結晶製造装置を示している。この装置
は、耐圧構造を有する炉体としての高圧容器1が、円筒
容器2と、この円筒容器2の上端開口を塞ぐ上蓋3と、
下端開口に着脱自在に装着されてこの開口を塞ぐ下蓋4
とを設けて構成されている。下蓋4の中心には、これを
気密に貫通して昇降されるるつぼ軸5が設けられ、この
るつぼ軸5の上端部に、結晶成長用原料を収容するるつ
ぼ(原料容器)6が載置されている。
【0016】高圧容器1内には、るつぼ6が昇降される
空間に所定の温度分布を形成するために、多段ゾーンヒ
ータから成る加熱装置7が上記したるつぼ昇降空間を囲
うように設置されている。さらに、この加熱装置7を外
側から囲うように、円筒容器2の内面および上蓋3の下
面に沿う形状の断熱体8が配設されている。上記るつぼ
6は、例えばp-BN等の高純度耐熱材から成り、下端側の
逆円錐台形状のコーン部6aを、るつぼ軸5上端に形成さ
れているテーパ孔に嵌合させて直立状態で支持され、コ
ーン部6aの下側には種結晶11が挿入される細管部6bが、
また、コーン部6aの上方には、上端が開口すると共に上
側ほど径大となるようにややテーパ状に形成された胴部
6cがそれぞれ設けられている。
【0017】一方、前記上蓋3には、図示してはいない
が、Ar等の不活性ガスを高圧容器1内に加圧注入し、ま
た、排気するためのガス供給排出路が設けられ、さら
に、高圧容器1内を真空排気するために真空ポンプが接
続された真空排気路が設けられている。上記構成の装置
を用いて、例えば、III-V族化合物半導体として最も一
般的なGaAs単結晶を製造した際の具体的な手順の一例に
ついて以下に説明する。
【0018】まず、下蓋4をるつぼ軸5と共に下降させ
て高圧容器1を開放した状態で、るつぼ軸5上に前記形
状のるつぼ6を載置し、このるつぼ6の細管部6bにGaAs
単結晶からなる種結晶11を挿入した後、その上に、GaAs
多結晶からなる結晶成長用原料2000gを投入し、さら
に、液体封止材としてのB2O3を 600g投入した。その
後、下蓋4をるつぼ軸5と共に上昇させて高圧容器1を
密閉状とし、次いで、高圧容器1内の真空排気と、アル
ゴンガスの供給とを二回繰返し、これによって、高圧容
器1内を大気雰囲気からアルゴンガス雰囲気に置換し、
引き続き、アルゴンガスにより高圧容器1内を40気圧に
加圧した。
【0019】次いで、加熱装置7へ通電してるつぼ6の
加熱を開始し、その後、加熱装置7への電力を調節し
て、種結晶11における上端側の高さ位置をGaAsの融点(=
1238℃)に相当する温度にし、この高さ位置よりも上方
をより高温、下方をより低温とする温度勾配を形成し
た。この加熱操作により、るつぼ6内の液体封止材と結
晶成長用原料とを順次融解させると共に、種結晶11の上
端側一部を融解させて約2時間保持した。
【0020】その後、上記した温度勾配を保持したま
ま、るつぼ軸5を3mm/hで下降させ、原料融液12を種結
晶11に接する下端側から順次固化させて、GaAs単結晶
(以下、成長結晶という)13を成長させた。なお、図2
に示されているように、前記加熱の過程で溶融した液体
封止材の融液14は、この結晶成長の間も、その大半が原
料融液12の上部に浮かぶ形となって原料融液12の表面を
覆い、さらに、るつぼ6の内面と原料融液12および成長
結晶13との間にも介在する状態となっている。そして、
これに高圧ガスが印加されていることにより、原料融液
12や成長結晶13からのAsの蒸散が抑えられ、組成変化の
ないGaAs単結晶が製造される。また、液体封止材融液14
が成長結晶13とるつぼ6内面との間にも介在しているこ
とで、るつぼ6の壁面との接触に起因する結晶欠陥の発
生が抑制され、良質の単結晶が製造される。
【0021】上記の操作を継続し、るつぼ6の上端が前
記融点温度域の下側に位置するまで下降させて、原料融
液12の全体を全て結晶化させた。こうして結晶成長を終
了した後、加熱装置7の出力を制御しながら温度を下降
させていき、B2O3(融点約 450℃)から成る液体封止材
融液14が固化する温度以上、例えば 650℃に達したとき
に降温を中断して上記温度に保持し、この状態で、炉内
雰囲気ガスであるアルゴンガスを放出し、圧力容器1内
の圧力を低下させた。
【0022】この操作によって、図1に示すように、液
体封止材の融液14中に多数の気泡15が発生する。これ
は、例えば炭酸水から泡(気泡)が生じるのと原理的に
同じであり、上記のような減圧処理に伴って、液体封止
材の融液14中に溶け込んでいた高圧のアルゴンガスが圧
力差により出てくるものであって、このときの減圧速度
により、発生する気泡15の大きさを調整することができ
る。例えば、減圧速度が速いと差圧が大きくなり、単位
時間当たりに出てくるアルゴンガスが多くなって大きな
気泡が生じ、減圧速度が遅いと小さな気泡が生じる。
【0023】こうして液体封止材の融液14中に気泡15を
発生させた後、降温操作を再開し、その後、加熱装置7
への通電を停止して室温付近まで温度が低下した段階
で、下蓋4を下降させ、圧力容器1を開放してるつぼ6
を取り出した。その後、成長結晶13をるつぼ6から取り
出すために、メチルアルコール中にるつぼ6の全体を浸
漬し、これに、固化した液体封止材14' を溶かして除去
した後、るつぼ6内から成長結晶13を取り出した。得ら
れた結晶は、転位などの結晶欠陥の少ない良質の単結晶
であった。
【0024】このように、本実施形態においては、結晶
成長終了後の降温操作の過程で、成長結晶13を取り囲む
液体封止材の融液14中に気泡15を発生させ、その後、室
温まで降温させる。この過程で、液体封止材が固化し、
この固化時の収縮による応力が成長結晶13に加わること
になるが、液体封止材中には多数の気泡15が存在するの
で、これら気泡15に応力集中が生じる。したがって、上
記の応力に伴う変形及び破壊が液体封止材に生じ、成長
結晶13には大きな応力は作用しない。この結果、成長結
晶13に亀裂が入ることはなく、また、応力による転位の
増加もないことから、品質に優れた単結晶を得ることが
可能となっている。
【0025】しかも、液体封止材の融液14中への気泡15
の付与は、液体封止材が固化するまでの間に雰囲気ガス
圧力を減圧させるという操作で行うことができ、気泡の
付与を行うための専用の機構を別途設ける必要がないこ
とから、全体の装置構成が簡単になり、この結果、単結
晶の製造コストがより安価なものとなる。さらに、成長
結晶13をるつぼ6から取り出すためにメチルアルコール
中にるつぼ6を浸漬させた際、液体封止材中に気泡15が
点在することにより、液体封止材の表面積が増え、これ
によって、従来よりも短時間で液体封止材を除去するこ
とが可能となって、生産性が向上する。さらに、液体封
止材が前記した降温の過程で固化する際には、るつぼ6
にも大きな応力が加わらず、これによって、るつぼ6の
破損も生じることがなくなり、寿命が従来よりも長くな
るので、これによっても、非常に低コストで高品質の単
結晶製造が可能となっている。
【0026】なお、本発明は上記実施形態に限定される
ものではなく、本発明の範囲内で種々の変更が可能であ
る。例えば、上記実施形態では、液体封止材中に気泡を
付与する方法として、この液体封止材が降温の過程で固
化する前に高圧容器1内を減圧する操作を行う例を挙げ
て説明したが、例えば、機械的な攪拌装置を上部より挿
入し、るつぼ上部の液体封止材中に攪拌部(ファン)を
設置し、強制的に攪拌することによって、雰囲気ガスを
液体封止材中に取り込むようにすることも可能である。
また、ガスの導入パイプを液体封止材中に挿入し、装置
内の雰囲気ガスよりも高圧のガスを液体封止材中に導入
することで、気泡を液体封止材中に付与するようにする
ことも可能である。
【0027】さらに、上記実施形態では、GaAsの単結晶
をLE-VB 法によって成長させる例を挙げたが、GaP など
のその他のIII-V族半導体化合物や、CdTe,ZnSe などの
II−VI族半導体化合物の単結晶成長に本発明を適用する
ことが可能であり、さらに、垂直グラディエント・フリ
ージング法などのその他の製造方法に本発明を適用する
ことが可能である。
【0028】
【発明の効果】以上の説明のように、本発明によれば、
結晶成長終了後の降温過程で液体封止材が固化する前
に、例えば結晶成長時の高圧ガス雰囲気を減圧させる操
作や、液体封止材を攪拌させる操作、液体封止材中にガ
スを吹き込む操作などによって、液体封止材中に気泡が
付与される。これにより、その後に液体封止材が固化し
て収縮する際には、気泡の潰れを伴って液体封止材が変
形することになり、成長結晶や原料容器には大きな応力
は作用しない。この結果、構成が複雑な装置を用いずと
も、亀裂の発生や転位の増加が抑えられた良質の単結晶
を得ることが可能になり、また、原料容器の破損も防止
される。
【0029】さらに、原料容器からの成長結晶の取り出
しを行うために、液体封止材を例えばメチルアルコール
等に溶解させて除去する際には、液体封止材中の気泡に
よって液体封止材の表面積が増大するために、溶解にか
かる時間が短縮され、したがって、結晶取り出し効率が
向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る結晶成長終了後にお
ける降温過程でのるつぼ内の状態を示す縦断面図であ
る。
【図2】上記結晶成長に使用される高圧単結晶製造装置
の概略構成を示す縦断面図である。
【図3】従来の単結晶の製造方法を示すものであって、
同図(a) はるつぼ内の結晶成長用原料および液体封止材
を融解させたときの状態を示す縦断面図、同図(b) は結
晶成長終了後の状態を示す縦断面図である。
【符号の説明】
1 高圧容器 5 るつぼ軸 6 るつぼ6(原料容器) 7 加熱装置 8 断熱体 11 種結晶 12 原料融液 13 成長結晶 14 液体封止材融液 15 気泡
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岡田 広 兵庫県神戸市西区高塚台1丁目5番5号 株式会社神戸製鋼所神戸総合技術研究所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原料容器内に収容した結晶成長用原料と
    液体封止材原料とを加熱溶融した後、結晶成長用原料を
    固化させて単結晶を成長させる単結晶の製造方法におい
    て、 結晶成長終了後、降温の過程で液体封止材が固化するま
    での間に、液体封止材中に気泡を付与することを特徴と
    する単結晶の製造方法。
  2. 【請求項2】 単結晶の成長を所定の高圧ガス雰囲気中
    で行った後、降温の過程で液体封止材が固化するまでの
    間に雰囲気ガス圧力を減圧させることによって液体封止
    材中に気泡を発生させることを特徴とする請求項1記載
    の単結晶の製造方法。
  3. 【請求項3】 結晶成長終了後、液体封止材が固化する
    までの間に、液体封止材を機械的に攪拌することによ
    り、液体封止材中に気泡を付与することを特徴とする請
    求項1記載の単結晶の製造方法。
  4. 【請求項4】 結晶成長終了後、液体封止材が固化する
    までの間に、液体封止材中に気体を吹き込むことによ
    り、液体封止材中に気泡を付与することを特徴とする請
    求項1記載の単結晶の製造方法。
JP26889897A 1997-10-01 1997-10-01 単結晶の製造方法 Pending JPH11106280A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010202504A (ja) * 2009-02-09 2010-09-16 Sumitomo Electric Ind Ltd Iii−v族化合物半導体結晶の製造方法、iii−v族化合物半導体基板の製造方法およびiii−v族化合物半導体基板

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010202504A (ja) * 2009-02-09 2010-09-16 Sumitomo Electric Ind Ltd Iii−v族化合物半導体結晶の製造方法、iii−v族化合物半導体基板の製造方法およびiii−v族化合物半導体基板

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