JPH11105405A - 厚膜印刷方法 - Google Patents

厚膜印刷方法

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JPH11105405A
JPH11105405A JP28627597A JP28627597A JPH11105405A JP H11105405 A JPH11105405 A JP H11105405A JP 28627597 A JP28627597 A JP 28627597A JP 28627597 A JP28627597 A JP 28627597A JP H11105405 A JPH11105405 A JP H11105405A
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ink
printing
gas
filled
thick
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JP28627597A
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Satoshi Takeuchi
敏 武内
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Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
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Publication date
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    • HELECTRICITY
    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05KPRINTED CIRCUITS; CASINGS OR CONSTRUCTIONAL DETAILS OF ELECTRIC APPARATUS; MANUFACTURE OF ASSEMBLAGES OF ELECTRICAL COMPONENTS
    • H05K1/00Printed circuits
    • H05K1/02Details
    • H05K1/09Use of materials for the conductive, e.g. metallic pattern
    • H05K1/092Dispersed materials, e.g. conductive pastes or inks
    • HELECTRICITY
    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05KPRINTED CIRCUITS; CASINGS OR CONSTRUCTIONAL DETAILS OF ELECTRIC APPARATUS; MANUFACTURE OF ASSEMBLAGES OF ELECTRICAL COMPONENTS
    • H05K3/00Apparatus or processes for manufacturing printed circuits
    • H05K3/10Apparatus or processes for manufacturing printed circuits in which conductive material is applied to the insulating support in such a manner as to form the desired conductive pattern
    • H05K3/20Apparatus or processes for manufacturing printed circuits in which conductive material is applied to the insulating support in such a manner as to form the desired conductive pattern by affixing prefabricated conductor pattern

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 唯1回の印刷によって任意のインキ膜厚を形
成する。特に厚いインキ膜厚を形成する。 【解決手段】 ガス透過性を有する多孔性基板の一面
に、少なくともその底部を多孔性基板面とする所望のパ
ターン状のインキ充填部を形成し、該インキ充填部に厚
膜印刷用のインキを充填し、インキ充填部を被印刷体と
密着させ、多孔性基板のインキ充填部側とは反対側の面
からガス圧をかけ、インキ充填部から充填されていたイ
ンキ全体を押し出し、被印刷体にインキを転写する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は厚膜印刷法に関し、
特に唯一回の印刷により、20μm以上の所望の厚さの
インキ膜厚を得ることができる厚膜印刷法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、厚膜印刷法とは、平版印刷法や凸
版印刷法では不可能な、被印刷体面にインキを厚く印刷
する方法を言い、通常スクリーン印刷による厚膜印刷法
が常用されている。スクリーン印刷による厚膜印刷法で
は、インキ膜厚を数ミクロンから30ミクロン程度まで
印刷することが出来、一般的には5〜20ミクロン膜厚
が安定的に印刷可能である。他の厚膜印刷方法として凹
版印刷法がある。凹版印刷法は印刷版に任意の深さの凹
部を形成し、その凹部にインキを充填した後、被印刷体
面に圧着転写して印刷する方法である。凹版印刷法によ
り印刷時に形成されるインキ膜厚は前記スクリーン印刷
法と同程度である。より厚いインキ膜を被印刷体面に形
成させようとする場合には、通常の凹版印刷法では不可
能であり、スクリーン印刷法では何回も刷り重ねて厚膜
化する方法が採られる。凹版印刷法でのより厚い印刷が
不可能な埋由は、如何に凹部を深く形成させた印刷版を
用いても、インキを転移させる場合に凹部充填インキの
一部しか被印刷体面に転移させることができないからで
ある。何故なら充填インキと凹部の壁面、底面の接着力
と、被印刷体面との接着力との引き合いになり、充填イ
ンキの一部が構造破壊を起こして被印刷体面に転移する
に過ぎず、従って凹部を一定の深さ以上に深くしても1
回の印刷膜厚は余り変化しない。
【0003】ここで、従来の通常の凹版印刷によりイン
キ膜形成する方法を図5に基づいて、説明しておく。第
5図(a)は凹部515を形成した基板(凹版印刷版と
も言う)510で、簡単には、図5(b)に示すよう
に、基板510の凹部515に粘性なインキ530を充
填させた後、図5(c)に示すように被印刷体550の
面550Sに密着させて、インキ530を被印刷体55
0へ転移させるものである。図5(b)のように凹部5
15のみにインキ530の充填を行うが、比較的低い粘
性のインキの場合には版面にインキを供給しながらドク
ターブレードで掻く(ドクタリングと言う)と、凹部5
15のみにインキが充填され表面部510Sのインキは
掻き取り除去されてインキ充填版が容易に完成する。一
方、高粘度のインキを用いる場合には、ドクタリング法
では細かい凹部515にインキを充填し難いので、通常
インキローラーやバフ様のものでインキを凹部515に
押し込む方法を用いて充填した後、基板510表面部5
10Sのインキを掻き取り除去してインキ充填版510
Aを形成する。図5(d)はインキ充填版(図5(b)
の510A)から被印刷体面550Sにインキを転移さ
せたときの転移状態を示すモデル図である。基板510
の凹部515に充填されたインキ530は、図5(c)
に示すように被印刷体550に圧着された後引き剥がす
と、充填インキ530の一部が被印刷体面550Sに転
移する。この時、図5(d)に示すように基板510の
凹部515内と被印刷体面550S上とにインキが分離
し凹部残留インキ530aと被印刷体面550Sへの転
移インキ530bとなる。このように転移が行われるの
が一般的な凹版印刷である。転移インキ530bの量は
使用インキの粘度や凹部515の壁面515Aと被印刷
体面550Sとの接着力、及びインキの構造破壊のし易
さなどによって決まるが、例え凹部515の深さが小さ
くても全てのインキ530が被印刷体面550S上に転
移することはない。この状態のまま出来るだけ転移イン
キ530bの量を多くする為に取られる対策としては、
インキの粘度を上げて構造破壊をし難くするか、又は凹
部515の壁面515Aにインキの接着性(又は摩擦
力)を低下させるような薄い剥離層を予め設けておくこ
とがよく取られる。例えばシリコーン樹脂などの剥離層
形成法などが利用される。尚、低粘度インキの使用では
本質的に厚いインキ膜が得られない。しかし、剥離性の
壁面515Aをもつと、特に構造破壊のし難い高粘性イ
ンキなどでは凹部に押し込むことが困難になると言う逆
効果を生むこととなる。これらの全てを考慮して実際の
凹版適用印刷による転移インキ量は限定され、利用範囲
が制限されてしまうのが現状の技術水準である。結局、
上記のインキ膜厚(5〜20μm)程度が適当となる。
【0004】又、スクリーン印刷法のように何回も反復
刷り重ねて厚膜化する事は、実用的に技術的課題が多い
ので通常は利用されることか少なかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
〔発明が解決しようとする課題〕上記のように、従来の
図5に示す凹版印刷法や、スクリーン印刷法を用いて2
0μm以上の厚膜印刷をする場合には、それぞれ問題が
あり、この対応が求められていた。本発明は、これに対
応するもので、唯1回の印刷によって任意のインキ膜厚
を形成しようとするものである。特に、20μm以上の
厚いインキ膜厚を形成しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の厚膜印刷方法
は、ガス透過性を有する多孔性基板の一面に、少なくと
もその底部を多孔性基板面とする所望のパターン状のイ
ンキ充填部を形成し、該インキ充填部に厚膜印刷用のイ
ンキを充填し、インキ充填部を被印刷体と密着させ、多
孔性基板のインキ充填部側とは反対側の面からガス圧を
かけ、インキ充填部から充填されていたインキ全体を押
し出し、被印刷体にインキを転写することを特徴とする
ものである。上記におけるガス圧は、高圧源から供給さ
れる高圧の空気等のガス圧であることを特徴とするもの
である。そして、ガス圧をかける領域を、少なくとも所
望のパターン状のインキ充填部全体を含む領域として、
該領域内のインキを一括押し出し転写することを特徴と
するものであり、また、ガス圧をかける領域を漸次ずら
して、所望のパターン状のインキ充填部全体のインキを
押し出し転写するものであることを特徴とするものであ
る。また、上記におけるガス圧は、熱時ガス発生するガ
ス発生剤から発生したガスのガス圧であり、多孔性基板
のインキ充填部側と反対側の面にガス発生剤層を形成し
ておき、非印刷体にインキ充填部を密着させ、更に前記
ガス発生剤層の上にガス非透過性基板を圧着した状態
で、加熱し、ガス発生剤層からガスを発生させるもので
あることを特徴とするものである。そして、上記におい
て、ガス圧によるインキの押し出しを容易にするため
に、インキ充填部の壁面および多孔性基板からなる底面
に転写補助層として、その融点が充填するインキやイン
キ充填部を形成する材質よりも低い低融点材料からなる
薄膜を形成し、その後にインキを充填して、転写時に熱
をかけ、該低融点材料からなる薄膜を融解させて、被印
刷体にインキを転写することを特徴とするものてある。
また、上記において、インキ充填部の深さが20μm以
上であることを特徴とするものである。また、上記にお
いて、厚膜印刷用のインキとして、硬化性のインキを用
い、半硬化又は硬化後転写することを特徴とするもので
ある。また、上記において、インキ充填部に充填するイ
ンキの被印刷体と接する側の版面又は被印刷体面に接着
剤層を形成しておくことを特徴とするものである。尚、
ここで言う、高圧源から供給されるとは、高圧タンク
(容器)ないしコンプレッサ等から供給されることを意
味している。
【0007】
【作用】本発明の厚膜印刷方法は、このような構成にす
ることにより、唯1回の印刷によって任意のインキ膜厚
の形成を可能としている。特に20μm以上の所望の厚
いインキ膜厚を形成することを可能としている。20μ
m以上の厚さにインキ膜厚を形成する厚膜印刷をする場
合の、従来の図5に示す凹版印刷法や、スクリーン印刷
法に於ける問題を解決している。詳しくは、ガス透過性
を有する多孔性基板の一面に、少なくともその底部を多
孔性基板面とする所望のパターン状のインキ充填部を形
成し、該インキ充填部に厚膜印刷用のインキを充填し、
インキ充填部を被印刷体と密着させ、多孔性基板のイン
キ充填部側とは反対側の面からガス圧をかけ、インキ充
填部から充填されていたインキ全体を押し出し、被印刷
体にインキを転写することにより、これを達成してい
る。即ち、インキ充填部の深さを所望の深さとすること
により、その深さに対応した厚さのインキ膜厚で、印刷
することを可能としている。
【0008】また、インキ充填部の壁面および多孔性基
板からなる底面に転写補助層としての低融点材料からな
る薄膜を形成し、その後にインキを充填して、転写時に
熱をかけ、該低融点材料からなる薄膜を融解させて、被
印刷体にインキを転写することにより、インキとインキ
充填部の底面、壁面との接着力ないし摩擦力を小さいも
のとし、ガス圧によるインキの押し出しを一層容易なも
のとしている。
【0009】また、厚膜印刷用のインキとして、硬化性
のインキを用い、半硬化又は硬化後転写することによ
り、その作業性を良いものとでき、且つ品質的にも良い
ものとししている。そして、厚膜印刷用のインキは、数
万〜数十万センチポイズの高粘度であることにより、2
0μm以上のインキ膜厚を可能としていると同時に、解
像性の良いものとしている。更に、インキ充填部に充填
するインキの被印刷体と接する側の版面又は被印刷体面
に接着剤層を形成しておき、転写を行うことにより、転
写性の良いものとしている。
【0010】
【実施の形態】本発明の厚膜印刷方法の実施の形態を挙
げて図に基づいて説明する。図1は、本発明の厚膜印刷
方法の実施の形態の第1の例を示した処理工程の要部断
面図で、図2は実施の形態の第2の例を示した処理工程
の要部断面図で、図3は高圧ガスによる転写を説明する
ための図で、図4は実施形態の第3の例を示した処理工
程の要部断面図である。図1、図2、図3、図4中、1
10は多孔性基板、120はインキ充填部作成基材、1
25は凹部(インキ充填部)、125Aは壁面、125
Bは底面、130は低融点材料層(転写補助層)、14
0はインキ、150は熱時ガス発生剤層、160は被印
刷体、160Sは被印刷体面、170は粘着接着剤層
(接着剤層)、175は粘着剤層、180はガス非透過
性基板、310は多孔性基板、320はインキ充填部作
成基材、330はインキ、340は被印刷体、350は
耐圧容器、351は配管、352は高圧ガス源、355
はガス圧である。 はじめに、図1に示す実施の形態の
第1の例を説明する。第1の例は、ガス透過性を有する
多孔性基板の一面に所望のパターン状のインキ充填部を
形成し、該インキ充填部に厚膜印刷用のインキを充填
し、インキ充填部を被印刷体と密着させ、多孔性基板の
インキ充填部側とは反対側の面から高圧の空気等のガス
圧をかけ、インキ充填部から充填されていたインキ全体
を押し出し、被印刷体にインキを転写するものである。
【0011】先ず、図1(a)に示すように、ガス透過
性の多孔性基板110の一面にインキ充填部作成基材1
20により、インキを充填するための凹部125を形成
する。多孔性基板110は、ガス透過性を有する多孔性
のもので、例えば薄いセラミック基板やメッシュ基板
(金属製、繊維製)、紙、布等が挙げられる。凹部12
5を形成するためのインキ充填部作成基材120として
は、樹脂、金属その他が使用可能であり、凹部125の
作成は、従来から使用されているフォトリソグラフィー
のエッチング法や、精密な機械切削やレーザー切削など
によって物埋的に正確な凹部を形成させる方法が用いら
れる。また、容易に所望パターン状に凹部125を形成
でき、且つ凹部形成後、多孔性基板110との密着性が
凹部125に充填されるインキよりも良い、市販のレジ
スト類を製版して用いることも可能である。例えば市販
のドライフィルムレジストを数層重ねてインキ充填部作
成基材120とし製版により凹部を形成する。凹部12
5の深さは、本発明の場合、特に制限はされない。例え
ば数ミクロンから数百ミクロンの深さに容易に適用可能
である。インキ充填部作成基材120として金属を用い
る場合、比較的浅い凹部125を形成する為には、従来
から使用されているフォトリソグラフィーのエッチング
法が有利である。しかし、このエッチング法の場合、数
10から100ミクロン以上の深さになると、サイドエ
ッチなどが起こって凹部の形状が不正確になること、及
びエッチングの断面形状は凹レンズ型になるので凹部内
容量が不安定となるなど正確なインキ転移量を定めるこ
とが難しくなる。金属基板の精密な機械切削やレーザー
切削などによって物埋的に正確な凹部を形成させる方法
が存在するので、これらの方法を利用するとかなり深い
凹部を持つ凹版を作成することが出来る。凹部125の
深さは数百ミクロンクラスが可能である。導電性多孔基
板(金属メッシュ、表面金属被膜した繊維メッシュ等)
の場合には、金属めっき法を利用して凹部125を作成
する方法もある。ドライフィルムの発達により数10ミ
クロンの厚さの転写型感光性樹脂フィルム複数枚を同一
基板に重ねて転写し、例えば200ミクロン程度の膜厚
の感光性樹脂層を作り、適当なマスクパターンを密着し
た後、強力な平行光源(又は点光源)を用いて露光、現
像、乾燥すると厚い凹凸の正確な感光性樹脂パターンが
得られる。この凹凸樹脂パターン面に公知の電解めっき
法により金属電解めっき層(一般にAg,Cu,Niな
どの汎用金属が適する)を形成させ、数10ミクロン〜
数100ミクロン厚付けした後、表面を平滑化すること
によって、図1(a)に示す凹部125を得ることがで
きる。また、平滑な金属板(ステンレス等)を用いて同
様に金属メッキをしたのち、多孔性基板面に接着剤を用
いて転写して凹部125を得ることもできる。
【0012】次いで、凹部125の壁面125Aおよび
多孔性基板からなる底面125Bに、その融点が凹部1
25を形成するための基材や凹部125に充填するイン
キよりも低い、低融点物質(好ましくは40℃〜150
℃の軟化点を有する)を含む低粘度インキを充填させた
後、そのまま乾燥させたり、或いは凹部125を下向き
にしてドクタリングしたり、更には紙などに印刷操作で
一部吸収させたりしてから乾燥し、薄い低融点材料層
(転写補助層)130を凹部125の壁面125Aや底
面125Bに残留形成させる。(図1(b)) この低融点物質は転写補助層として後述するガス圧によ
るインキの押し出しを容易にするためのもので、必要に
応じて設ける。インキ充填部作成基材120として金属
を用いた場合、凹部125の壁面125Aは機械的切削
又は金属めっき法等の如何に関わらず微細な凹凸があ
り、この凹凸が従来法におけるインキと壁面との接着力
(摩擦力)を増加させているのであるが、その微細な凹
凸は1〜2ミクロン程度或いはそれ以下であるので、低
融点材料層130の厚さはそれを平滑化する程度、即ち
2〜4ミクロン程度で良い。しかし実際には完全に平滑
化できなくても接着力(摩擦力)を低減する効果がある
から必ずしもこれに限定されるものではない。
【0013】次いで低融点材料層130をその壁面12
5Aや底面125Bに設けた凹部125に、高粘度なイ
ンキ140を凹部125に充填する。(図1(c)) 高粘度なインキ140の凹部125への充填は、インキ
ローラーやバフ様のものでインキを凹部125に押し込
む方法を用いて行う。
【0014】続いてインキ140側(版面側)を被印刷
体面160Sに密着し(図1(d1))、低融点材料層
130が軟化もしくは融解する温度に加熱しつつ、多孔
性基板110のインキ充填部側(凹部125側)と反対
側の面側から高圧 の空気等のガス圧をかけ、凹部12
5に充填されていたインキ140全体を押出す。そし
て、被印刷体は多孔性基板側から引き離され、凹部12
5に充填されていたインキ140は、熱軟化もしくは融
解した低融点材料層130と共に被印刷体面160Sに
全量容易に転移される。(図1(e1)) この場合に充填インキ140は全て容易に転移するが、
低融点材料層130は一部凹部壁面に残留する。しか
し、この残留物は新たに低融点材料層を形成させるとき
にそのまま利用できるので何らの支障も起こさない。図
1(e1)は概要形態図なので低融点材料層130と転
移した充填インキ140との間で明確に層分離して示し
てあるが、実際には低融点材料層130が薄膜であるか
ら不明確な状態となる。いわば転移したインキ層を薄く
覆っていると見ればよい。
【0015】上記説明のように高粘度なインキを使用し
て被印刷体160へのインキの転移ができるが、図1
(c)において、必要に応じ、凹部125の形状を正確
に再現する為に熱や放射線による硬化性のインキを用い
て転移前に硬化させる硬化処理を行い、次いで熱転移さ
せることもできる。このような硬化後にインキを転移す
る方法では凹部125の形状を正確に再現することが出
来るので転移形状とともにインキの転移量も安定させる
ことができる。
【0016】一方、図1(c)において硬化処理を施し
た後の充填インキ140は一般に粘着性が低下するか或
いは皆無となり、被印刷体160に転移しにくくなる
か、あるいは転移しなくなるから、予め被印刷体面16
0Sに接着剤(粘着剤)層170を通常法で形成させて
おき、図1(d2)に示すように、インキ140側(版
面側)を被印刷体面160Sに密着させ、低融点材料層
130が軟化もしくは融解する温度に加熱しつつ、多孔
性基板110のインキ充填部側(凹部125側)と反対
側の面側から高圧源から供給される高圧の空気等のガス
圧をかけ、凹部125に充填されていたインキ140全
体を押出す。そして、被印刷体は多孔性基板側から引き
離され、図1(e2)に示すように被印刷体160への
インキ140が転移される。尚、更に、使用インキが電
気回路等の無機インキである場合には、この後焼成する
ことにより、インキを転移した所定の領域以外の有機接
着剤層170は容易に除去できる。
【0017】本発明に用いる低融点材料層130は一般
に低分子有機化合物及び高分子有機化合物が用いられ、
特に高分子化合物の利用が推奨される。低分子有機化合
物の利用も可能であるが、一般に多くの溶剤に溶け易い
ので印刷インキに含まれる溶媒にも可溶な物が多く、又
被膜性が乏しいため低融点材料層130が容易に形成で
きる材料選択の幅が狭い。一方、高分子有機化合物(樹
脂類或いはプラスチック類)の軟化温度は150℃以下
のものが多く、インキ化に際し溶媒可溶性や塗布時の被
膜性に富んでいる。しかも安価な汎用材料が多く利用に
際し材料選択幅が非常に広いので適性材料の選別が技術
的、経済的に容易である。例えばPVC、PAC、その
他のビニール系樹脂類、PMA.PMMAその他のアク
リル系樹脂類、ポリエステル樹脂類、ポリアミド樹脂
類、ポリイミド樹脂類、エポキシ樹脂類、ポリオレフィ
ン樹脂類、ポリスチレン樹脂類、シリコーン樹脂類、合
成ゴム類、その他多くの樹脂類か使用できる。又、天然
高分子物質としてレジン類、ワックス類、ゴム類、その
他が存在する。選択する低融点材料は被膜形成後印刷イ
ンキに含まれる溶媒に不溶であるか又は少なくとも一定
時間難溶性であることが望まれる。これは低融点材料層
120をインキ充填後も維持させる為に必要である。従
って膨潤状態になっても印刷時までに層が存続できるな
ら使用可能である。
【0018】厚膜印刷用のインキ140については通常
スクリーン印刷や凹版印刷に使用する市販インキを使用
することか出来る。担し、これらのインキは比較的低粘
度(他の平版用等のインキに比べて高粘度ではある。)
なので、厚いインキパターンを印刷すると僅かに流動し
て「だれ」と称するパターンの流れを生じ、解像性が低
下すると同時に厚膜パターンのインキ膜厚が低下する現
象を起こす。より高粘度インキを用いるとある程度の解
像性劣化を防止できるので一般には高粘度インキを用い
るのが好ましい。通常のスクリーン厚膜印刷における印
刷膜厚をより厚く印刷する目的は、上記高粘度インキを
使用することでほぼ達成できるが、一定の線幅で100
〜200ミクロンの膜厚に印刷する為には、凹版(基板
110)の凹部125を充填するインキ140を予め硬
化させることが推奨される。硬化性インキは熱重合性材
料を用いて短時間で半硬化又は硬化を達成するのが好ま
しいが、酸化重合型材料を用いて一定時間放置して半硬
化又は硬化を完成させることも出来る。この方法は一種
のモールドであるから凹版(基板110)の凹部125
の形状に応じた厚膜の成形ができ、これを転移させると
凹部125の形状を再現した厚膜印刷が完成する。粘性
インキはそれ自体粘着性を持つが硬化インキは粘着性が
消滅し転移が難しくなる。しかし半硬化状態では比較的
型崩れなく、且つ粘着性もある程度保持できるのでこの
半硬化状態を利用するのが有利である。完全硬化後は粘
着性を持たないのでインキ充填部に接着剤(市販品で
可)を塗布するか、又は被印刷体面に接着剤を塗布して
おき硬化インキの転移接着を補助することが望ましい。
【0019】次に図2に基づいて本発明の実施の形態の
第2の例を説明する。図1に示す場合と同様にして、イ
ンキ充填工程(図2(c))までを終えた後、インキ充
填側の面に粘着剤層175を薄く塗布形成してインキ表
面に粘着性(接着性)を付与する。(図2(d)) この後、インキ140側(版面側)を被印刷体面160
Sに密着させ(図2(e))、低融点材料層130が軟
化もしくは融解する温度に加熱しつつ、多孔性基板11
0のインキ充填部側(凹部125側)と反対側の面側か
ら高圧 の空気等のガス圧をかけ、凹部125に充填さ
れていたインキ140全体を押出す。そして、被印刷体
は多孔性基板側から引き離され、図2(f)に示すよう
に被印刷体160へインキ140が転移される。更に、
ガラスやセラミック等の無機基板を用い、前述した無機
インキの場合には、この後焼成することにより、インキ
を転移した所定の領域以外の有機粘着剤(接着剤)と有
機バインダーを完全に除去することができる。(図2
(g))以上のように、本発明においては、従来不可能
であったか又は非常に複雑な工程を用いて作成する方法
を、極めて簡便な凹版の1回刷り印刷に転換できものと
している。そして、品質面においても高精度であり、生
産性や経済性にも優れている。
【0020】尚、図1や図2に示す実施の形態例におけ
る、薄い低融点材料層(転写補助層)130を凹部11
5の壁面115Aや底面115Bに形成させる方法とし
ては、上記に限定されない。例えば、静電的に低融点ト
ナー被膜を付着堆積させて、低融点材料層(転写補助
層)130として形成させても良い。
【0021】ここで、図3に基づいて、図1や図2に示
す高圧による凹部125に充填されたインキ140の被
印刷体160への転写を簡単に説明しておく。図3に示
すように、被印刷体340にインキ330側を密着さ
せ、両者を高圧にも耐える剛性を持つ支持台(載置台)
360へ置き、一面が開放された箱型の耐圧容器350
の開放部350Aを多孔性基板310の凹部側(インキ
330側)でない面に当て(接し)た状態で、高圧ガス
源352から電磁弁353を介して高圧ガスを耐圧容器
350へ供給すると、高圧ガス355は多孔性基板31
0の微小孔(図示していない)を通り、充填されたイン
キ330を被印刷体340へと押し出す。図3(b)に
示すように、耐圧容器350の開放部は、インキ330
が充填している全領域を一度に覆っていないため、矢印
で示すX方向範囲で移動させ、併せて、充填している全
インキ330を被印刷体340へと転写する。尚、耐圧
容器350の開放部350Aが、インキ330を充填し
ている全領域を覆うようにしておけば、一括して全領域
のインキを被印刷体340へ転写することができる。ま
た、耐圧容器350の開放部350Aを更に小さくし
て、X、Y両方向に移動させても良い。そして、電磁弁
353を高圧ガス供給、非供給を任意に選択できるスイ
ッチとして使用して充填されたインキ140の転写領域
を選択するようにしても良い。尚、高圧ガス源とは、高
圧タンク(容器)ないしコンプレッサ等を意味してい
る。
【0022】更に、図4に基づいて本発明の実施の形態
の第3の例を説明する。図1に示す第1の例の、図2に
示す第2の例の場合と同様にして、多孔性基板110の
一面に凹部125を形成し(図4(a))、凹部125
の壁面125A、底面125Bに低融点材料層(転写補
助層)130を形成した(図4(b))後、インキ14
0を凹部に充填するとともに、多孔性基板110の凹部
側でない面に熱時ガス発生剤層150を配設しておく。
(図4(c)) 次いで、インキ面側を被印刷体160の面160Sに密
着させ、且つ熱時ガス発生剤層150をガス非透過性基
板180で覆った状態で、オーブン中で加熱し(図4
(d))、低融点材料層(転写補助層)130を融解さ
せると伴に、熱時ガス発生剤層150からガスを発生さ
せ、発生したガスのガス圧により、インキ140を被印
刷体160へ押し出し、被印刷体160を多孔性基板1
10から引き離し、インキ140を被印刷体へと転写す
る。(図4(e)) 図4に示す第3の例においても、転写性を良くするため
に、被印刷体160の面160Sに接着剤層を塗布して
おいたり、インキ表面に粘着剤層を薄く塗布形成してイ
ンキ表面に粘着性(接着性)を付与しておいても良い。
尚、熱時ガス発生剤層150としては、ジニトロソペン
タメチレンテトラミン(190〜205℃)、N,N’
−ジメチル−N,N’−ジニトロソテレフタルアミド
(105℃)、ベンゼンスルホニルヒドラジド(90〜
95℃)、p−トルエンスルホニルヒドラジド(110
℃)、トルエン−2,4−ジスルホニルヒドラジド(1
50℃)、p−トルエンスルホニルヒドラゾーン(13
5℃)、トルエン−2,4−ジスルホニルヒドラゾーン
(145℃)、4、4’−オキシビスベンゼンスルホニ
ルヒドラジド(140〜160℃)、アゾビスイソブチ
ロニトリル(100〜lI5℃)、アゾジカルボンアミ
ド(175〜200℃)、ジアゾアミノベンゼン(97
〜103℃)等の発泡剤を単体で、または他のバインダ
ー内に混合して用いる。上記括弧内の温度は発泡する温
度を示している。尚、必要に応じ、発泡温度を低下させ
る発抱助剤、例えぱ尿素系材料、サリチル酸、無水フタ
ール酸、ステアリン酸、ラウリン酸等の有機酸系助剤を
加える。
【0023】
【実施例】更に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明
する。 〔実施例l〕実施例1は、多孔性基板として、ナイロン
織布をスクリーン印刷用の金属枠に貼り付けた多孔性基
板を用い、市販のドライフィルムレジストにて凹部を作
製し印刷版としたもので、印刷版の凹部に転写補助層と
しての低融点材料層を設けず、光(紫外線)硬化型のイ
ンキを用い、該インキを凹部に充填し紫外線により半硬
化状態とした後、高圧空気圧でインキを被印刷物に転写
するものである。先ず緻密に織られたナイロン織布を通
常のスクリーン印刷用の金属枠に、張力を掛けて均一に
貼り付けて多孔性基板を作成した。以下、図1に基づい
て実施例1を説明する。次いで上記多孔性基板の一面
に、厚み50ミクロンの市販ドライフィルムフォトレジ
スト(商品名:リストンFRA−063、デュポンMR
Cドライフィルム(株))を用いて活宇パターンを形成
した。活字は16ポイントから30ポイントまでのゴチ
ック体を選ぴ夫々1行からなる短文テストパターンで凹
部の深さは約20μmとした。レジスト処理は指定処方
に従い、基板温度60〜65℃、ラミネート温度110
〜140℃で基板にラミネートし、ラミネート後15〜
20分放置後、上記テストパターン原版を紫外線光源
(オーク杜製HMW−201B)を用いて焼き付けた。
現像は1.0%以下の炭酸ナトリウム水溶液で行い(温
度25℃)水洗後素早く乾燥して印刷版とした。(図1
(a)に相当) 得られたレジストのプロファイルは良好なアスペクト比
を有する切り立った形を示した。又、剥離テストを行っ
たところナイロン織布の目にレジストが絡まった構造と
なり強固な接着性を示した。次いで、凹部に光硬化性イ
ンキ(凹版用インキ)を充填した後、紫外線で半硬化さ
せた。(図1(c)にて低融点材料層130がなく、且
つインキ140が半硬化の状態に相当) ナイロン織布の反対面にインキが漏れ出ないように十分
に粘度の高いインキを選択して用いた。次いで、印刷版
の半硬化インキ充填部と被印刷体とを密着し、印刷版の
反対面に面に空気圧のかかるようにし、被印刷体及び印
刷版を載置するための、高圧空気圧で変形しない強固な
定板を持つ装置内で、高圧圧縮空気を送り込んで印刷し
た。(図1(d1)で低融点材料層130がなく、低融
点材料層130融解の加熱をしない状態に相当) 被印刷体としては、紙、ガラス、金属、5mmのアクリ
ル板の剛体板を試みたが、紙は勿論、剛体板面にも印刷
が出来、それぞれ、インキはほぽ全量転写できた。転写
された半硬化インキは、それぞれ、凹版の形状に従った
印刷断面を示した。(図1(e)に相当) 上記のように、多孔性基板を通して、空気圧が、直接半
硬化状態のインキに作用して、印刷版凹部に充填され半
硬化状態となったインキ全体を押し出した為、各種被転
写体へのインキ全体の転写が良好に行われた。
【0024】(比較例1)実施例1において、光(紫外
線)硬化型でない十分に粘度の高い凹版用インキを凹部
に充填し、被印刷体として紙、ガラス、金属、5mmの
アクリル板の剛体板を用い、夫々、ゴムローラ一で圧着
したところ、紙面には厚さ20ミクロンの活宇印刷が行
われたが、インキ全量の転写は出来なかった。また、ガ
ラス、金属、5mmのアクリル板の剛体板には、部分的
に印刷できたところと出来なかったところが発生した。
尚、被印刷体が剛体の場合、一部印刷できたのは印刷版
自体(織布とレジスト)が若干の柔軟性があった為であ
る。 (比較例2)実施例1において、高圧圧縮空気を用い
ず、印刷版の半硬化インキ充填部と被印刷体とを密着
し、夫々、ゴムローラ一で圧着した。被印刷体として
紙、ガラス、金属、5mmのアクリル板の剛体を用い
た。紙の場合はむらな印刷ができたが、剛体面には印刷
できなかった。この埋由は光硬化性インキの硬化収縮に
よって表面が凹型に凹み、被印刷体と接触不能となった
為である。紙の場合は圧着によって紙面が凹部に食い込
み若干の不均一な印刷が出来た。凹部への食い込みが不
均一なのでむら印刷となったと考えられる。
【0025】〔実施例2〕実施例2は実施例1におい
て、印刷版の凹部に転写補助層としての低融点材料層
(静電トナー層)を設けたものである。以下、図1に基
づいて実施例2を説明する。印刷版を実施例1と同様に
して形成した(図1(a)に相当)後、印刷版の凹部内
面に静電トナー(電子写真用市販品、黒色)層を薄く形
成させ(織布面に自然静電気があるので特段の処置はし
ないくてもよい)、次いでインキを充填させた後半硬化
させ、約100℃の雰囲気内で実施例1と同様に高圧の
空気圧を利用して印刷した(図1(d1)に相当)とこ
ろ、インキ全量が各種被転写体に転写でき(図1(e)
に相当)、転写活字のプロファイルは凹版断面をかなり
忠実に再現していた。
【0026】〔実施例3〕実施例2において、インキ充
填後半硬化させた凹版面と被印刷体面を密着させたまま
剛体定板上に載置し、凹版の反対面の端面に硬質ゴム製
の高圧空気吹き出し口(スリット状の)を有する移動式
高圧付与装置を配置し、吹き出し口を凹版背部に押しつ
け密着して後高圧空気を送り込み、その状態のまま順次
凹版背部を滑らしていったところ、移動式高圧付与装置
の通過にしたがって順次印刷が行われた。これは一般の
スクリーン印刷におけるスキージの役割を移動式高圧付
与装置に行わせたものである。
【0027】〔実施例4〕実施例3においては凹版面と
被印刷体とを密着状態で剛体定板上に載置したが、本実
施例では、被印刷体を剛体定板上に載置し、凹版部材は
被印刷体と3〜4mm離れた位置に固定した後、実例3
と同様にして、移動式高圧付与装置を設置して高圧空気
を送りながら凹版背部を摺動させて印刷転写させた。こ
の場合、移動式高圧付与装置の設置圧力によってスクリ
ーン印刷のスクリーンのように局部的に凹版面と被印刷
体が密着し、移動式高圧付与装置通過に伴って順次版と
被印刷体が引き剥がされつつ順次全面の印刷転写が可能
であった。この実験によってスクリーン印刷的操作が可
能であることが分かった。
【0028】〔実施例5〕プラズマディスプレイに用い
る背面板(ガラス基板)に必要な高さのリブ(障壁)を
作成する例である。図1に基づき実施例5を説明する。
先ず、以下のようにして印刷版を作った。スクリーン印
刷用に用いる金属枠の300メッシュステンレススクリ
ーンを用意し、該スクリーンの一面に厚さ1mmの通気
性セラミック基板(セラミック板は一般に通気性を示
す)を適宣メッシュ状に印刷された接着剤を用いて接着
し、多孔性基板を作成した。一方、別に、0.15mm
の平滑なステンレス板面に、ドライフィルム(商品名:
リストンFRA−517、デュポンMRCドライフィル
ム(株)製)を用いて200ミク口ンのレジストパクー
ンを作成した。200ミクロンのレジストパターンは前
記50ミクロン厚のドライフィルムを4枚用い、順次転
写して200ミクロンとしたものである。この膜厚の多
重形成法はFRA−517の使用法に示されており、そ
の資料にしたがって処埋した。露光・現像には注意が必
要である(同資料参照)。使用したパターンは線幅10
0ミクロン、ピッチ300ミクロンの平行線を用いた。
この方法で作成した200ミクロン厚の平行線レジスト
の断面形状は、切り立ったアスペクト比の良好なもので
あった。次いで、下記表1のCu浴を用いてCuめっき
を200ミクロンの厚さに行い、更にCu面に接着性電
着材を電着した。接着性電着材は電着塗装技術の一種
で、アクリルモノマー系に常用の熱重合開始剤(例、カ
リウムパーサルフェイト(KPS)、ベンゾイルパーオ
キサイド等)を添加したイオン性有機電着剤である。そ
して、前記多孔性基板(通気性セラミック)面に、電着
物面を圧着して接着転写し、電着Cuパターンを形成さ
せて印刷版とした。(図1(a)に相当) (表1) 硫酸鋼めっき浴処方 硫酸銅 220g/l 硫酸 50m1/1 浴温 20〜25℃(室温) 電流密度 4〜5A/dm2
【0029】次いで軟化点60〜70℃のアクリル系樹
脂を溶解した5%トルエン溶液を用いてスキージ法で凹
部の底部と側面に薄く塗布・乾燥した。(図1(b)に
相当) 続いて市販の低融点ガラス粉とアルミナやシリカ粉を主
成分とする電子回路厚膜印刷用絶縁性ペーストインキ
(汎用品)を、柔らかいスキージを往復させなから凹部
に充填し、最後に金属スキージを用いて表面の余分なイ
ンキを掻き取り除去した。(図1(c)に相当) 次に、印刷版のインキ充填面と既に電極が形成されてい
るガラス基板面をアライメントしながら重ね、前例の装
置の定板に載置し、その装置内の必要な印刷領域部に高
圧圧縮空気を導入し、その空気温度を100〜ll0℃
に保ち、空気圧によって凹部のインキをガラス面に接着
させた後、常圧に戻してから印刷版とガラス版を剥離し
た。(図1(d1)に相当) この方法によってガラス板面に良好なアスペクト比を保
持した200ミクロンのリブ印刷が得られ、又印刷版は
多数回反復使用することが出来た。次いで、若干の加温
下に放置し残留溶剤を乾燥した後、約600℃の電気炉
で焼成して絶縁性リブ付きガラス基板を得た。焼成によ
って印刷時に含有していた有機成分が先全に除去された
り、他の埋由によって残留成分が減少するため、焼成前
200ミクロンのものが焼成後180ミク口ンの厚さに
なった。このリブ付きガラス基板を用いて最終的に良好
なプラズマディスプレイを作成することが出来た。
【0030】
【発明の効果】本発明は、上記のように、唯1回の印刷
によって任意のインキ膜厚を形成することを可能として
いる。特に20μm以上の厚さのインキ膜厚の形成を可
能としている。このため、一般画像印刷におけるより厚
い印刷膜厚で立体感を有する高級印刷(シート面への印
刷や建築材料等構造材の自然感の豊富な印刷など)に利
用すると効果がある。また、本発明により、電子部品に
おける導体、抵抗体、絶縁体印刷における高解像性厚膜
細線印刷が、従来の厚膜スクリーン印刷以上の容易さと
精度で可能となる。更に、プラズマディスプレイパネル
におけるリブの形成にはガラス基板面に幅数10ミクロ
ン、高さ約200ミクロンが必要だが、従来スクリーン
印刷法で先刷り画線に目合わせしながら10回前後の重
複印刷をして作成している現状に対し、本発明の方法で
は唯l回の印刷でリブ形成を可能としている。また、セ
ラミック基板の電子部品印刷やプラズマディスプレイの
リブ形成では低融点ガラスバインダーを用いて印刷後、
数100℃で焼成し、有機物を除去するのであるが、本
発明の方法においては、用いたインキ内の有機接着剤、
あるいは後天的に塗布された有機接着剤は容易に焼成除
去されるので、本発明の方法は極めて効果的な利用方法
となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の厚膜印刷方法の実施の形態の1例を示
した図
【図2】本発明の厚膜印刷方法の実施の形態の1例を示
した図
【図3】高圧ガスを用いた転写を説明するための図
【図4】本発明の厚膜印刷方法の実施の形態の1例を示
した図
【図5】通常の凹版印刷を説明するための工程図
【符号の説明】
110 多孔性基板 120 インキ充填部作成基材 125 凹部(インキ充填部) 125A 壁面 125B 底面 130 低融点材料層(転写補助層) 140 インキ 150 熱時ガス発生剤層 160 被印刷体 160S 被印刷体面 170 粘着接着剤層(接着剤層) 175 粘着剤層 180 ガス非透過性基板 310 多孔性基板 320 インキ充填部作成基材 330 インキ 340 被印刷体 350 耐圧容器 351 配管 352 高圧ガス源 355 ガス圧 360 支持台(載置台) 510 基板(凹版) 510S 面 515 凹部 515A 壁面 530 インキ 550 被印刷体 550S 被印刷体面

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガス透過性を有する多孔性基板の一面
    に、少なくともその底部を多孔性基板面とする所望のパ
    ターン状のインキ充填部を形成し、該インキ充填部に厚
    膜印刷用のインキを充填し、インキ充填部を被印刷体と
    密着させ、多孔性基板のインキ充填部側とは反対側の面
    からガス圧をかけ、インキ充填部から充填されていたイ
    ンキ全体を押し出し、被印刷体にインキを転写すること
    を特徴とする厚膜印刷方法。
  2. 【請求項2】 請求項1におけるガス圧は、高圧源から
    供給される高圧の空気等のガス圧であることを特徴とす
    る厚膜印刷方法。
  3. 【請求項3】 請求項2において、ガス圧をかける領域
    を、少なくとも所望のパターン状のインキ充填部全体を
    含む領域として、該領域内のインキを一括押し出し転写
    することを特徴とする厚膜印刷方法。
  4. 【請求項4】 請求項2において、ガス圧をかける領域
    を漸次ずらして、所望のパターン状のインキ充填部全体
    のインキを押し出し転写するものであることを特徴とす
    る厚膜印刷方法。
  5. 【請求項5】 請求項1におけるガス圧は、熱時ガス発
    生するガス発生剤から発生したガスのガス圧であり、多
    孔性基板のインキ充填部側と反対側の面にガス発生剤層
    を形成しておき、非印刷体にインキ充填部を密着させ、
    更に前記ガス発生剤層の上にガス非透過性基板を圧着し
    た状態で、加熱し、ガス発生剤層からガスを発生させる
    ものであることを特徴とする厚膜印刷方法。
  6. 【請求項6】 請求項2ないし5において、ガス圧によ
    るインキの押し出しを容易にするために、インキ充填部
    の壁面および多孔性基板からなる底面に転写補助層とし
    て、その融点が充填するインキやインキ充填部を形成す
    る材質よりも低い低融点材料からなる薄膜を形成し、そ
    の後にインキを充填して、転写時に熱をかけ、該低融点
    材料からなる薄膜を融解させて、被印刷体にインキを転
    写することを特徴とする厚膜印刷方法。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし6において、インキ充填
    部の深さが20μm以上であることを特徴とする厚膜印
    刷方法。
  8. 【請求項8】 請求項1ないし7において、厚膜印刷用
    のインキとして、硬化性のインキを用い、半硬化又は硬
    化後転写することを特徴とする厚膜印刷方法。
  9. 【請求項9】 請求項1ないし8において、インキ充填
    部に充填するインキの被印刷体と接する側の版面又は被
    印刷体面に接着剤層を形成しておくことを特徴とする厚
    膜印刷方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2014102903A1 (ja) * 2012-12-25 2014-07-03 三菱電機株式会社 印刷方法および印刷装置、太陽電池の製造方法
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