JPH11105212A - 積層フィルム - Google Patents

積層フィルム

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JPH11105212A
JPH11105212A JP27258697A JP27258697A JPH11105212A JP H11105212 A JPH11105212 A JP H11105212A JP 27258697 A JP27258697 A JP 27258697A JP 27258697 A JP27258697 A JP 27258697A JP H11105212 A JPH11105212 A JP H11105212A
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JP
Japan
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resin
polyolefin
film
propylene
upper layer
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JP27258697A
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English (en)
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Tatsuhiko Usui
達彦 薄井
Takashi Sumiki
隆 隅木
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DIC Corp
Original Assignee
Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 印刷を施した着色ポリプロピレンフィルムに
対し、コロナ処理及び熱接着性シール剤等の前処理無し
に十分なラミネート強度を有する積層フィルムを提供す
る。 【解決手段】 プロピレン・エチレン共重合体を含有す
る上層と、ポリオレフィン系接着性樹脂からなる下層の
間に、上層の樹脂と相溶性を有する樹脂及び下層の樹脂
と相溶性を有する樹脂とを含有する中間層を設けたこと
を特徴とする積層フィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鋼板及び建築内装
材等に表面保護の目的で貼合される積層フィルムに関わ
り、特に熱によるラミネートにおいて容易かつ確実なラ
ミネート強度を有する共押出積層フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】建築内装材における化粧シートに関し
て、元来着色ポリ塩化ビニルフィルムに通常の方法で印
刷を施し、印刷保護として透明ポリ塩化ビニルフィルム
を熱ラミネートと同時にエンボス加工を施すこと(ダブ
リング)により積層した化粧シートが使用されてきた。
しかし、近年建装材業界の脱ポリ塩化ビニル素材の要求
に対応した、ポリオレフィン系化粧シートが知られるよ
うになった。ポリオレフィン系化粧シートは、着色ポリ
プロピレンフィルムに通常の方法で印刷を施し、印刷保
護として透明ポリプロピレンフィルムを積層した化粧シ
ートであり、また立体感、意匠性の向上を図るため前記
化粧シートにエンボス加工を施し、エンボス凹部にイン
キを充填し導管模様を表現した化粧シートも知られてい
る。
【0003】通常の方法で印刷を施した着色ポリプロピ
レンフィルムと透明ポリプロピレンフィルムの積層方法
としては、通常のドライラミネートや特開平8−340
58のように電子線硬化型接着剤等によるラミネート法
が知られている。
【0004】ただし、前記のようなドライラミネート及
び電子線硬化型接着剤による方法では、従来のポリ塩化
ビニル化粧シート用のダブリング加工装置が稼働できな
いという問題が生じる。そこで、着色ポリプロピレンフ
ィルムに通常の方法で印刷を施した後、印刷面上に熱接
着性シール剤を塗布し、更に透明ポリプロピレンフィル
ムにコロナ処理を施した後熱接着性シール剤を塗布、し
かる後にそれぞれのフィルムのシール剤塗布面を前記ダ
ブリング加工装置にて積層する方法がとられてきた。
【0005】しかし、前記のような熱接着性シール剤を
用いた積層フィルムでは、透明ポリプロピレンフィルム
と熱接着性シール剤の間で剥離を生じ、着色ポリプロピ
レンフィルムに印刷を施したフィルムと透明ポリプロピ
レンフィルムのラミネート強度は十分とは言えなかっ
た。また、透明ポリプロピレンフィルムにはコロナ処理
と熱接着性シール剤の塗布、着色ポリプロピレンフィル
ムには印刷の上に熱接着性シール剤の塗布が必要とな
り、従来のポリ塩化ビニル化粧シートに比べ大幅な加工
コストの増大を招いた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、保護
のための貼合用透明積層フィルムにおいてコロナ処理及
び熱接着性シール剤等の前処理を不要とし、かつ着色ポ
リプロピレンフィルムに通常の方法で印刷を施したフィ
ルムと、十分なラミネート強度を有する透明共押出積層
フィルムを提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決するため、鋭意検討の結果、保護のための積層フィ
ルムに於いて上層と下層の間にそれぞれに相溶性を有す
る中間層を設けることにより課題を解決し本発明の完成
に至った。即ち、本発明は、プロピレン・エチレン共重
合体を含有する上層と、ポリオレフィン系接着性樹脂か
らなる下層の間に、上層の樹脂と相溶性を有する樹脂及
び下層の樹脂と相溶性を有する樹脂とを含有する中間層
を設けたことを特徴とする積層フィルムに関する。
【0008】又、本発明は、中間層が、上層の樹脂と相
溶性を有する樹脂と、下層の樹脂と相溶性を有する樹脂
の混合比率を段階的に変化させた複数の層である積層フ
ィルムに関する。
【0009】更に、本発明は、中間層が、ポリオレフィ
ン系熱可塑性エラストマーと、スチレン系熱可塑性樹脂
及びポリオレフィン樹脂からなる群から選ばれる少なく
とも1種以上の樹脂を含有する積層フィルムに関する。
【0010】又更に、本発明は、プロピレン・エチレン
共重合体を含有する上層に、プロピレン・エチレンブロ
ック共重合体及びポリオレフィン系熱可塑性エラストマ
ーからなる群から選ばれる少なくとも1種以上の樹脂を
含有する積層フィルムに関する。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明は、プロピレン・エチレン
共重合体を含有する上層と、ポリオレフィン系接着性樹
脂からなる下層との間に、上層の樹脂と相溶性を有する
樹脂及び下層の樹脂と相溶性を有する樹脂とを含有する
中間層を設けたことを特徴とする積層フィルムに関する
ものであり、上層に含有されるプロピレン・エチレン共
重合体としては、耐寒性、耐衝撃性、耐折り曲げ白化性
等2次加工適性を考慮すると、エチレン含有量が1〜1
0重量%が好ましい。また、表面の硬度、耐擦傷性及び
耐熱性等が要求される場合は、プロピレンの単独共重合
体の使用も可能である。両者の特性の兼ね合いからエチ
レン含有量が1〜5重量%のプロピレン・エチレン共重
合体の使用がより好ましいと言える。また上層には、耐
折り曲げ白化、耐擦傷性等の改善を目的とした軟質成分
を添加しても良い。
【0012】軟質成分としては、ポリエチレン樹脂ある
いは、スチレン系熱可塑性樹脂、あるいはポリエチレン
またはポリプロピレンをハードセグメントとしエチレン
・プロピレンラバー(EPR)や加硫ゴム(EPDM)
等オレフィン系ゴムをソフトセグメントとしたポリオレ
フィン系熱可塑性エラストマーが使用できる。ポリオレ
フィン系熱可塑性エラストマーは、単純ブレンドタイ
プ、動的架橋タイプ、インプラントタイプのいずれでも
構わないが、プロピレンとエチレン・プロピレンラバー
のインプラント共重合タイプが好ましい。軟質成分の添
加量としては、フィルムの使用状況に応じて適宜選択す
れば良いが、5〜25重量%が好ましい。5%未満で
は、前述の改善効果が小さく、25%超ではフィルムの
表面硬度、剛性等の低下が大きくなる。
【0013】下層のポリオレフィン系接着性樹脂として
は、ポリオレフィン樹脂に不飽和カルボン酸またはその
誘導体から選ばれた少なくとも1種のモノマーをグラフ
トした変性ポリオレフィン樹脂が使用できる。これらの
樹脂には、合成石油樹脂または天然樹脂による粘着付与
剤樹脂が添加されたものであっても構わない。接着性樹
脂のベースポリマーは、ポリオレフィン樹脂であれば特
に限定されるものではないが、積層フィルムの剛性、耐
熱性等考慮するとポリプロピレン系接着性樹脂又はポリ
エチレン系接着性樹脂が好ましい。またラミネート時
の、より強力な接着力の点から、線状低密度ポリエチレ
ンをベースポリマーとした接着性樹脂がより好適に使用
できる。
【0014】線状低密度ポリエチレンをベースポリマー
とした接着性樹脂としては、密度0.880〜0.95
0g/cm3 、融点80℃以上、メルトフローレート
(MFR)0.5〜10g/10minのものが好まし
いが、成形性、耐熱性の点で好適に使用できることか
ら、密度0.920〜0.950g/cm3 、融点11
0℃以上、メルトフローレート3〜8g/10minの
ものがより好ましい。
【0015】プロピレン・エチレン共重合体を含有する
上層の樹脂と良好な相溶性を有する樹脂としては、ポリ
オレフィン樹脂及びスチレン系熱可塑性樹脂からなる群
から選ばれる少なくとも1種以上の樹脂が使用できる。
ポリオレフィン樹脂としては特に限定されるものではな
いが、上層樹脂との相溶性の点でポリプロピレン樹脂が
より好ましい。スチレン系熱可塑性樹脂としては、ポリ
プロピレン樹脂との相溶性が良好で成形時の耐熱安定性
や環境に対する安定性に優れる水添スチレン系熱可塑性
樹脂がより好ましく、例えばスチレン・エチレン・ブチ
レン・スチレンブロック共重合体等がある。
【0016】下層の線状低密度ポリエチレン系接着性樹
脂と相溶性を有する樹脂としては、ポリオレフィン樹脂
及びスチレン系熱可塑性樹脂からなる群から選ばれる少
なくとも1種以上の樹脂であるが、下層に線状低密度ポ
リエチレン系接着性樹脂を使用する場合、下層樹脂との
相溶性の点でポリエチレン樹脂が好ましい。またポリエ
チレン樹脂としては、特に限定されるものではなく、低
密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエ
チレン、線状低密度ポリエチレンいずれであっても構わ
ないが、接着性樹脂のベースポリマーと同種の線状低密
度ポリエチレンがより好ましいと言える。また、線状低
密度ポリエチレン樹脂としては密度0.880〜0.9
50g/cm3 、融点100℃以上、メルトフローレー
ト 0.5〜10g/10minのものが好ましいが、
層間強度の向上、剛性の保持、耐熱性向上及び成形性の
点から密度0.910〜0.930g/cm3 、融点1
05℃以上、メルトフローレート3〜8g/10min
の線状低密度ポリエチレンがより好ましい。
【0017】本発明は、上層の樹脂と相溶性を有する樹
脂と、下層の樹脂と相溶性を有する樹脂の混合比率を段
階的に変化させた複数の中間層を設けることで、層間接
着力を更に強めることに成功した。
【0018】例えば、プロピレン・エチレン共重合体を
含有する上層(A)と線状低密度ポリエチレン系接着性
樹脂からなる下層(B)に対し、上層に隣接する中間層
(C)として重量比でプロピレン・エチレン共重合体:
線状低密度ポリエチレン=80:20の混合系を、下層
に隣接する中間層(D)として重量比でプロピレン・エ
チレン共重合体:線状低密度ポリエチレン=50:50
の混合系を使用し、A/C/D/Bの4層から構成され
るフィルムを製作したところ、該フィルムのヒートシー
ル試験において3.2kgf/inchの強度で層間剥
離を生じることなく該フィルムが破断した。更に必要に
応じて適宜中間層樹脂の混合比率を細分化し、中間層を
2層以上とすることで上層から下層に至る各層間を更に
強力に接着させることが可能となる。
【0019】次に本発明は、プロピレン・エチレン共重
合体を含有する上層に、プロピレン・エチレンブロック
共重合体及びポリオレフィン系熱可塑性樹脂からなる群
から選ばれる少なくとも1種以上の樹脂を含有すること
を特徴とする。本発明のフィルムは、下層に接着性樹脂
層を有しているため滑り性、耐ブロッキング性等に劣る
が、ラミネート強度を阻害するため滑剤、抗ブロッキン
グ剤等の添加剤は必要最小限に抑えなければならない。
そこで本発明では、上層にプロピレン・エチレンブロッ
ク共重合体またはポリオレフィン系熱可塑性エラストマ
ーからなる群から選ばれる少なくとも1種以上の樹脂を
添加することで、あたかもエンボス加工を施したかのよ
うな上層表面の粗面化を可能とし、成膜性の向上、耐ブ
ロッキング性の向上を果たした。また上層表面に印刷を
施す用途においては、作業性及びインキの密着性の向上
にも役立つ。
【0020】また、前述のような効果を発現する粗面度
としてはRa=0.3〜0.7が好ましく、プロピレン
・エチレンブロック共重合体及びポリオレフィン系熱可
塑性樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種以上の
樹脂の添加量としては、10〜30重量%が好ましい範
囲となる。
【0021】本発明のフィルムの総厚みとしては、建築
内装材の保護フィルムとしては70〜160μmが、鋼
板等の保護フィルムとして使用される場合30〜100
μmが望ましい。各層の構成比率としては、上層がフィ
ルムの2次加工適性、フィルムの剛性保持の点から20
%〜50%、下層はラミネート強度の維持及びコストの
点から15%〜30%が好ましい。中間層は上層及び下
層の決定後、適宜決定されれば良い。
【0022】さて既述してきたフィルムには、必要に応
じて上層面あるいは下層面にコロナ処理またはオゾン処
理等を施して、印刷適性及びラミネート適性の向上を図
っても良い。また、ラミネート強度や処理度を損なわな
い程度に熱安定剤、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収
剤等を適宜添加して機能性を高めても良い。これらの添
加剤としては、ポリオレフィン用に公知のものを使用す
れば良い。
【0023】
【実施例】
〔実施例1〕エチレン含有量3重量%、密度0.900
g/cm3 、メルトフローレート10g/10minの
プロピレン・エチレン共重合体とポリプロピレンをハー
ドセグメントとし、エチレン・プロピレンラバーをソフ
トセグメントとしたポリオレフィン系熱可塑性エラスト
マー(密度0.900g/cm3 、メルトフローレート
2.5g/10min、融点162℃)の混合系で、混
合比が80:20重量%からなる上層(A)と、ポリプ
ロピレンをハードセグメントとしエチレン・プロピレン
ラバーをソフトセグメントとしたポリオレフィン系熱可
塑性エラストマー(密度0.900g/cm3 、メルト
フローレート10g/10min)と線状低密度ポリエ
チレン(密度0.920g/cm3 、融点115℃、メ
ルトフローレート4.0g/10min)の混合系で、
混合比が80:20重量%からなる中間層(C)と、ポ
リプロピレンをハードセグメントとしエチレン・プロピ
レンラバーをソフトセグメントとしたポリオレフィン系
熱可塑性エラストマー(密度0.900g/cm3 、メ
ルトフローレート10g/10min)と線状低密度ポ
リエチレン(密度0.920g/cm3 、融点115
℃、メルトフローレート4.0g/10min)の混合
系で、混合比が50:50重量%からなる中間層(D)
と、密度0.935g/cm3 、融点122℃、メルト
フローレート3.0g/10minの線状低密度ポリエ
チレン系接着性樹脂からなる下層(B)から、A/C/
D/B=30%/40%/10%/20%のように積層
してなる総厚み80μmの共押出積層フィルム(構成
1)を製造した。このフィルムを、理研ビニル工業
(株)製着色ポリプロピレンフィルムに2液ウレタン系
インキで通常の方法により化粧シート用の木目柄印刷を
施したフィルムと熱ラミネートした。熱ラミネートは小
型のラミネーターを使用し、加熱ロール温度140℃、
接触時間10sec、ニップ圧0.2MPaの条件で実
施した。
【0024】〔実施例2〕エチレン含有量3重量%、密
度0.900g/cm3 、メルトフローレート10g/
10minのプロピレン・エチレン共重合体とポリプロ
ピレンをハードセグメントとしエチレン・プロピレンラ
バーをソフトセグメントとしたポリオレフィン系熱可塑
性エラストマー(密度0.900g/cm3 、メルトフ
ローレート2.5g/10min、融点162℃)の混
合系で、混合比が80:20重量%からなる上層(A)
と、ポリプロピレンをハードセグメントとしエチレン・
プロピレンラバーをソフトセグメントとしたポリオレフ
ィン系熱可塑性エラストマー(密度0.900g/cm
3 、メルトフローレート10g/10min)とスチレ
ン・エチレン・ブチレン・スチレンブロック共重合体
(密度0.990g/cm 3 、メルトフローレート8.
0g/10min、スチレン/ゴム比=13/87)の
混合系で、混合比が80:20重量%からなる中間層
(C)と、ポリプロピレンをハードセグメントとしエチ
レン・プロピレンラバーをソフトセグメントとしたポリ
オレフィン系熱可塑性エラストマー(密度0.900g
/cm3 、メルトフローレート10g/10min)と
線状低密度ポリエチレン(密度0.920g/cm3
融点115℃、メルトフローレート4.0g/10mi
n)の混合系で、混合比が60:40重量%からなる中
間層(D)と、密度0.935g/cm3 、融点122
℃、メルトフローレート3.0g/10minの線状低
密度ポリエチレン系接着性樹脂からなる下層(B)か
ら、A/C/D/B=30%/40%/10%/20%
のように積層してなる総厚み80μmの共押出積層フィ
ルム(構成2)を製造した。このフィルムを、理研ビニ
ル工業(株)製着色ポリプロピレンフィルムに2液ウレ
タン系インキで通常の方法により化粧シート用の木目柄
印刷を施したフィルムと熱ラミネートした。熱ラミネー
トは小型のラミネーターを使用し、加熱ロール温度14
0℃、接触時間10sec、ニップ圧0.2MPaの条
件で実施した。
【0025】〔比較例1〕エンボスロールにより物理的
にエンボス加工が施された理研ビニル工業(株)製の透
明ポリプロピレン単層フィルムの片面に420μN/c
mのコロナ処理を施し、該コロナ処理面に2液ウレタン
系熱接着性シール剤を塗布した。またこれとは別に、理
研ビニル工業(株)製着色ポリプロピレンフィルムの片
面に420μN/cmのコロナ処理を施し、該コロナ処
理面に2液ウレタン系インキで通常の方法により化粧シ
ート用の木目柄印刷を施し、更に該印刷面に1液塩酢ビ
系熱接着性シール剤を塗布した。次にこれら透明フィル
ムと着色フィルムの熱接着性シール剤面を、小型のラミ
ネーターを使用し、加熱ロール温度140℃、接触時間
10sec、ニップ圧0.2MPaの条件で熱ラミネー
トした。
【0026】〔比較例2〕エチレン含有量3重量%、密
度0.900g/cm3 、メルトフローレート10g/
10minのプロピレン・エチレン共重合体からなる上
層(A)と、ポリプロピレンをハードセグメントとしエ
チレン・プロピレンラバーをソフトセグメントとしたポ
リオレフィン系熱可塑性エラストマー(密度0.900
g/cm3、メルトフローレート10g/10min、
融点140℃)とスチレン・エチレン・ブチレン・スチ
レンブロック共重合体(密度0.990g/cm3 、メ
ルトフローレート8.0g/10min、スチレン/ゴ
ム比=13/87)の混合系で、混合比が80:20重
量%からなる中間層(C)と、ポリプロピレンをハード
セグメントとしエチレン・プロピレンラバーをソフトセ
グメントとしたポリオレフィン系熱可塑性エラストマー
(密度0.900g/cm3 、メルトフローレート10
g/10min、融点140℃)と線状低密度ポリエチ
レン(密度0.920g/cm3 、融点115℃、メル
トフローレート4.0g/10min)の混合系で、混
合比が60:40重量%からなる中間層(D)と、密度
0.934g/cm3 、融点86℃、メルトフローレー
ト3.0g/10minの変性エチレン・酢酸ビニル共
重合系接着性樹脂からなる下層(B)から、A/C/D
/B=30%/40%/10%/20%のように積層し
てなる総厚み80μmの共押出積層フィルム(構成3)
を製造した。このフィルムを、理研ビニル工業(株)製
着色ポリプロピレンフィルムに2液ウレタン系インキで
通常の方法により化粧シート用の木目柄印刷を施したフ
ィルムと熱ラミネートした。熱ラミネートは小型のラミ
ネーターを使用し、加熱ロール温度140℃、接触時間
10sec、ニップ圧0.2MPaの条件で実施した。
【0027】〔比較例3〕エチレン含有量3重量%、密
度0.900g/cm3 、メルトフローレート10g/
10minのプロピレン・エチレン共重合体からなる上
層(A)と、密度0.935g/cm3 、融点122
℃、メルトフローレート3.0g/10minの線状低
密度ポリエチレン系接着性樹脂からなる下層(B)か
ら、A/B=80%/20%のように積層してなる総厚
み80μmの共押出積層フィルム(構成5)を製造し
た。このフィルムを、理研ビニル工業(株)製着色ポリ
プロピレンフィルムに2液ウレタン系インキで通常の方
法により化粧シート用の木目柄印刷を施したフィルムと
熱ラミネートした。熱ラミネートは小型のラミネーター
を使用し、加熱ロール温度140℃、接触時間10se
c、ニップ圧0.2MPaの条件で実施した。
【0028】〔比較例4〕エチレン含有量3重量%、密
度0.900g/cm3 、メルトフローレート10g/
10minのプロピレン・エチレン共重合体からなる上
層(A)と、ポリプロピレンをハードセグメントとしエ
チレン・プロピレンラバーをソフトセグメントとしたポ
リオレフィン系熱可塑性エラストマー(密度0.900
g/cm3 、メルトフローレート10g/10min)
と線状低密度ポリエチレン(密度0.900g/cm
3 、融点95℃、メルトフローレート4.0g/10m
in)の混合系で、混合比が80:20重量%からなる
中間層(C)と、ポリプロピレンをハードセグメントと
しエチレン・プロピレンラバーをソフトセグメントとし
たポリオレフィン系熱可塑性エラストマー(密度0.9
00g/cm3 、メルトフローレート10g/10mi
n)と線状低密度ポリエチレン(密度0.900g/c
3 、融点95℃、メルトフローレート4.0g/10
min)の混合系で、混合比が50:50重量%からな
る中間層(D)と、密度0.935g/cm 3 、融点1
22℃、メルトフローレート3.0g/10minの線
状低密度ポリエチレン系接着性樹脂からなる下層(B)
から、A/C/D/B=30%/40%/10%/20
%のように積層してなる総厚み80μmの共押出積層フ
ィルム(構成4)を製造した。このフィルムを、理研ビ
ニル工業(株)製着色ポリプロピレンフィルムに2液ウ
レタン系インキで通常の方法により化粧シート用の木目
柄印刷を施したフィルムと熱ラミネートした。熱ラミネ
ートは小型のラミネーターを使用し、加熱ロール温度1
40℃、接触時間10sec、ニップ圧0.2MPaの
条件で実施した。
【0029】このようにして得られた各ラミネートフィ
ルムに対し、透明積層フィルムと着色フィルムの180
゜剥離試験を行い、剥離強度及び積層フィルム層間の状
態を比較した。また表面粗さ計により各フィルム上層表
面の粗さを測定し、構成1〜構成5の積層フィルム製造
時に長尺巻きした際のブロッキングの有無を評価した。
更に実施例1、2及び比較例2について、70℃の熱水
に2時間浸した際のラミネート部の剥離の有無について
評価したところ実施例1、2は剥離は観察されなかった
が、比較例2については接着層とインキ層の界面での剥
離が観察された。これらの結果を表1に示す。
【0030】
【表1】
【0031】
【発明の効果】本発明により、ダブリング加工装置を用
いたポリオレフィン系化粧シートの加工に於いて、従来
のような透明フィルムへのコロナ処理、熱接着性シール
剤の塗布、及び印刷を施した着色基材への熱接着性シー
ル剤の塗布が不要となるばかりでなく、従来法よりも強
固なラミネート接着力を持った積層フィルムを提供する
ことができる。又、上層面の粗面化に於いて、エンボス
ロールによる物理的な加工ではなく、改質剤の添加によ
り同様な効果を発現させていることから、成形スピード
の向上等高い生産性を有した積層フィルムを提供でき
る。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プロピレン・エチレン共重合体を含有す
    る上層と、ポリオレフィン系接着性樹脂からなる下層の
    間に、上層の樹脂と相溶性を有する樹脂及び下層の樹脂
    と相溶性を有する樹脂とを含有する中間層を設けたこと
    を特徴とする積層フィルム。
  2. 【請求項2】 中間層が、上層の樹脂と相溶性を有する
    樹脂と、下層の樹脂と相溶性を有する樹脂の混合比率を
    段階的に変化させた複数の層である請求項1に記載の積
    層フィルム。
  3. 【請求項3】 中間層が、ポリオレフィン系熱可塑性エ
    ラストマーと、スチレン系熱可塑性樹脂及びポリオレフ
    ィン樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種以上の
    樹脂を含有する、請求項1又は2に記載の積層フィル
    ム。
  4. 【請求項4】 プロピレン・エチレン共重合体を含有す
    る上層に、プロピレン・エチレンブロック共重合体及び
    ポリオレフィン系熱可塑性エラストマーからなる群から
    選ばれる少なくとも1種以上の樹脂を含有する請求項1
    〜3のいずれかに記載の積層フィルム。
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