JPH11104089A - 心機能診断装置 - Google Patents

心機能診断装置

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JPH11104089A
JPH11104089A JP9271758A JP27175897A JPH11104089A JP H11104089 A JPH11104089 A JP H11104089A JP 9271758 A JP9271758 A JP 9271758A JP 27175897 A JP27175897 A JP 27175897A JP H11104089 A JPH11104089 A JP H11104089A
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pulse wave
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pulse
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 脈波波形について1周期分以上を処理するこ
とのなく、簡易な構成によって心機能状態を診断する。 【解決手段】 生体から脈波波形を検出する脈波検出部
10と、脈波波形から心臓の心室拡張期を特定するとと
もに、心室拡張期における切痕の血圧値と切痕波のピー
ク時における血圧値との血圧値差を算出するピーク点抽
出・波形解析部40と、血圧値差を脈波波形の歪率dに
変換する歪率変換テーブル50と、歪率dから脈波波形
の形状を特定する診断部70とを備え、特定された脈波
波形の形状に対応する診断内容を診断内容記憶部80か
ら読み出し、告知部90によって告知する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、被験者の抹消部で
検出される脈波波形のうち、心臓の拡張期に相当する波
形の一部または全部を解析して、当該被験者の心機能を
診断・評価する心機能診断装置に関する。
【0002】
【従来の技術】脈波は、一般的に言えば、心臓から拍出
されて血管を伝搬する血液の波である。このため、脈波
を検出して解析することにより、種々の医学的情報を得
られることが知られている。そして、脈波の研究が進む
につれ、人体から採取した脈波を種々の手法で解析する
ことによって、血圧や心拍数だけではわからない様々な
情報が得られ、これら情報をもとに診断ができることが
わかってきた。ここで、本願と同じ発明者は、PCT/JP96
/01254(発明の名称:生体状態の診断装置及び制御装
置)において、脈波波形の形状とその歪率との関係につ
いて着目し、被験者の脈波波形を検出して処理し、これ
により当該脈波波形の歪率を算出し、この歪率から脈波
波形の形状を特定して当該被験者の生体状態の診断を可
能とさせた。
【0003】ここで、上記出願において述べられている
脈波波形の形状とその歪率との関係について簡単に説明
しておく。まず、脈波波形の分類には様々なものがあ
り、その形状も多岐にわたるが、ここでは、東洋伝承医
学の一つである中国医学の分類による代表的な脈波波形
の形状について説明する。図27(a)〜(c)は、こ
の分類による代表的な脈波波形の形状を示す図である。
同図(a)に示す脈波波形の形状は、「平脈」といわ
れ、正常な健康人の脈象である。この「平脈」は、図示
のように、ゆったりとして緩和であり、リズムが一定で
乱れが少ないことが特徴である。次に、同図(b)に示
す脈波波形の形状は、「滑脈」といわれ、血流状態に異
常を有する者の脈象であり、急に立ち上がった直後すぐ
に下降し、大動脈切痕が深く切れ込むと同時にその後の
峰が通常よりもかなり高いのが特徴である。この「滑
脈」は、浮腫や、肝腎疾患、呼吸器疾患、胃腸疾患、炎
症性疾患などの病気によって、脈の往来が非常に流利・
円滑になって生じると考えられる。また、同図(c)に
示す脈波波形の形状は、「弦脈」といわれ、血管壁の緊
張度が上昇している者の脈象であり、急激に立ち上がっ
てすぐに下降せず高圧の状態が一定時間持続するのが特
徴である。この「弦脈」は、肝胆疾患や、皮膚疾患、高
血圧、疼痛性疾患などの病気によって現れ、自律神経系
の緊張によって血管壁が緊張し弾力性が減少し、拍出さ
れた血液の拍動の影響が現れにくくなったことに原因す
ると考えられる。なお、同図(a)〜(c)のグラフに
おいて、縦軸および横軸は、それぞれ血圧(mmH
g)、時間(秒)である。
【0004】そして、このような脈波波形の形状とその
歪率dとは、図28に示すような相関関係がある。ここ
で、脈波波形の歪率dは、次式(1)により定められ
る。
【0005】
【数1】
【0006】なお、この式(1)において、A1は脈波
における基本波成分の振幅であり、A2、A3、……、A
nはそれぞれ脈波の第2次、第3次、第n次調波成分に
おける振幅である。したがって、被験者の脈波波形を検
出し、例えば、FFT(高速フーリエ変換)処理を施し
て振幅A1〜Anをそれぞれ求めて歪率dを算出すれば、
図28に示した相関関係により脈波波形の形状を定量的
に特定することが可能となり、被験者の心機能状態を診
断することが可能となる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来技術においては、脈波波形の形状と心機能状態との関
係を述べたにとどまり、脈波波形のうちどの部分が歪率
に影響を与えるかについは判明していなかった。したが
って、脈波波形の歪率を求めるにあたっては、脈波波形
の1周期分以上をFFT処理などして、基本波および各
次高調波成分の振幅の大きさを求める必要があり、この
結果、必然的に、心機能の診断には、高い処理能力が要
求されるといった問題があった。この問題は、特に、診
断装置を小型化・軽量化する場合に顕著となる。
【0008】本発明は、上記問題鑑みてなされたもので
あり、その目的とするところは、脈波波形の1周期分以
上を処理することのなく、簡易な構成により、心機能の
状態を診断することが可能な心機能診断装置を提供する
ことにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明にあっては、生体から脈波波形を検出する脈
波検出手段と、前記脈波波形から心臓の拡張期を特定す
る拡張期特定手段と、前記脈波波形のうち、前記拡張期
特定手段により特定された拡張期に相当する波形の一部
あるいは全部を解析する解析手段と、前記解析手段によ
る解析結果に基づいて、当該生体の心機能状態を評価す
る評価手段とを具備することを特徴としている。
【0010】
【発明の実施の形態】
<1:第1実施形態>はじめに、本発明の第1実施形態
に係る心機能診断装置について説明する。
【0011】<1−1:第1実施形態の理論的根拠>言
うまでもなく、心臓は、収縮拡張を繰り返すことによっ
て血液を駆出している。ここで、1サイクルの収縮拡張
によって心臓から血液が流れ出る時間は、駆出時間と呼
ばれる。この駆出時間は、運動等により単位時間当たり
の心臓の収縮回数である拍数が高くなると、アドレナリ
ンなどのカテコールアミンが放出される結果、短くなる
傾向にある。これは、心筋の収縮力が増大していること
を意味する。また、この駆出時間が長くなるにつれて、
1サイクルの収縮拡張によって心臓から流出する拍出量
が大きくなる傾向にある。さて、人が運動等すると、心
筋や骨格筋などに酸素を多く供給する必要から、拍数と
拍出量との積、すなわち、単位時間あたりに心臓から送
り出される血液流量は増加する。ここで、拍数が増加す
る結果、駆出時間は短くなるので、拍出量は逆に小さく
なる。ただし、拍数の増加率は拍出量の減少率を上回る
ため、拍数と拍出量との積は、全体的にみれば増加する
ことになる。
【0012】次に、心臓の動きと血圧波形との関係につ
いて説明する。図15(a)は、心電波形を示すもので
あり、一般に、図におけるR点からT波の終点Uまでが
心室収縮期と言われ、これが上記駆出時間に相当するも
のである。また、U点から次のR点までが心室拡張期で
あると言われている。ここで、心室収縮期において、心
室の収縮は一様に発生するのではなく、外側から内側に
収縮が進行するにつれてゆっくりとなる。このため、心
臓直後における大動脈起始部での血圧波形は、同図
(b)に示すように、大動脈弁解放から閉鎖までの心室
収縮期において、上に凸の形状となる。
【0013】このような大動脈起始部での血圧波形が、
末梢部(橈骨動脈)においてどのような波形となるかに
ついての一例を同図(c)に示す。すなわち、同図
(c)は、抹消部での脈波波形の一例を示すものであ
る。このような形状となるのは、まず、心臓からの血液
の拍出により駆出波と呼ばれる第1波が生じ、続いて、
心臓に近い血管分岐部分での反射に起因して退潮波と呼
ばれる第2波が生じ、この後、大動脈弁閉鎖に伴う切痕
が生じて、切痕波と呼ばれる第3波が現れる、と考えら
れている。したがって、脈波波形においては、最も血圧
値の低い点から切痕までが心室収縮期に相当し、切痕か
ら次のサイクルにおいて最も血圧値の低い点までが心室
拡張期に相当することになる。ここで、脈波波形におい
て大動脈弁解放に相当する点は、血圧値の最小極小点で
あり、脈波波形において大動脈弁閉鎖に相当する点は、
時系列的にみれば、当該最小極小点から第3番目に現れ
る極小点であり、また、血圧値の大小でみれば、当該最
小極小点から第2番目の極小点である。なお、同図
(c)に示す脈波波形は、実際には、同図(b)に示す
大動脈血圧波形に対して時間的に遅れるが、ここでは説
明のため、この時間遅れを無視し、位相を揃えている。
【0014】次に、同図(c)に示した脈波波形につい
て検討してみる。被験者の末梢部で検出される脈波波形
は、いわば、拍動性のポンプたる心臓と導管たる血管系
とからなる閉鎖系を経た血液の圧力波であるため、第1
に、心臓のポンプ機能、すなわち、心機能状態によって
規定されるほか、第2に、血管径や、血管の収縮・伸
展、血液粘性抵抗などの影響を受ける。このため、脈波
波形を検出して解析すれば、当該被験者の動脈系の状態
のほか、心機能状態を評価することができる、と考えら
れる。
【0015】ここで、脈波波形のうち、どの部分を解析
するかについて検討してみる。まず、本願発明者は、脈
波波形について、その形状の特徴を定める波形パラメー
タを、図16で示されるように定めた。すなわち、波形
パラメータを、 脈波波形の血圧値が最小であって1拍の立ち上がりピ
ーク点P0(最小極小点)から、次の拍の立ち上がりピ
ーク点P6までの時間t6、 脈波波形において順次現れるピーク点(極大点および
極小点)P1〜P5の血圧値(差)y1〜y5、および、 脈波開始時点のピーク点P0(最小極小点)から、上
記各ピーク点P1〜P5が現れるまでの経過時間t1
5 として定めた。なお、この場合、y1〜y5は、それぞれ
ピーク点P0の血圧値を基準とした相対的な血圧値を示
すことになる。
【0016】そして、本願発明者は、22歳〜46歳ま
での健常な成人74名に対して脈波を実際に検出し、こ
れらの波形パラメータをそれぞれ求める一方、当該脈波
波形を、前述のPCT/JP96/01254と同様に、FFT処理し
て上記式(1)を用いて当該脈波波形の歪率dを求め
た。
【0017】そして、本願発明者は、求めた歪率dと各
波形パラメータ単体やこれらの差等との相関関係を個別
に検討した結果、歪率dは、切痕波の切痕からの振幅で
ある血圧値差(y5-y4)に対し、相関係数(R2)が
0.77という高い相関関係を有することが判明した。
この相関関係を図17に示す。したがって、血圧値差
(y5-y4)を求めるのに必要な構成を採用すれば、こ
れとの相関関係により歪率dが求められ、さらに、この
歪率dから当該脈波波形の形状が特定でき、この形状か
ら心機能を診断することが可能となる。
【0018】一方、本願発明者は、拍数についても、各
波形パラメータ単体やこれらの差等との個別的な相関関
係を検討した。この結果、拍数は、心室拡張期に相当す
る期間(t6-t4)に対して、相関係数(R2)が0.9
2という高い相関関係を有することも判明した。このた
め、期間(t6-t4)を求めるのに必要な構成を採用す
れば、これとの相関関係により拍数が求めることが可能
となる。なお、拍数については、積極的に心機能評価の
判断材料として用いても良いし、後述するような前提に
あれば、検出しない構成としても良い。
【0019】<1−2:第1実施形態の機能構成>本実
施形態に係る心機能診断装置は、以上のような理論的根
拠に基づいて構成されるものであり、被験者から検出し
た脈波波形を解析して血圧値差(y5-y4)を求め、そ
の値から歪率dを介して、その脈波波形の形状を特定す
る一方、脈波波形の解析により心室拡張期に相当する期
間(t6-t4)を求めて、その期間から拍数を算出した
後、特定した脈波波形の形状と算出した拍数とから当該
被験者の心機能を総合的に診断するものである。
【0020】図1に、本実施形態に係る心機能診断装置
の機能構成を示すブロック図を示す。この図において、
脈波検出部10は、例えば、被験者の末梢部(例えば、
橈骨動脈)における脈波波形を検出して、その検出信号
をMHとして体動除去部30に出力するものである。一
方、体動検出部20は、例えば、加速度センサなどから
構成され、被験者の体の動きを検出して、その検出信号
を信号THとして波形処理部21に出力するものであ
る。波形処理部21は、ローパスフィルタ等で構成さ
れ、体動検出部20から出力される信号THを波形整形
処理して、体動成分を示す信号MHtとして出力するも
のである。体動除去部30は、脈波検出部10による信
号MHから体動成分を示す信号MHtを減算して、脈波
成分を示す信号MH’として出力するものである。
【0021】本実施形態にかかる心機能診断装置は、被
験者から検出した脈波波形を処理するものであるが、被
験者がなんらかの動きを伴っている場合、脈波検出部1
0により検出された信号MHには、脈波成分を示す信号
MH’のほか、被験者の体動成分を示す信号MHtも重
畳されることになる。このため、MH=MHt+MH’
となり、脈波検出部10から出力される信号MHは、被
験者の脈波波形を正確に示すものではない。
【0022】一方、血流は血管や組織などの影響を受け
るので、信号MHに含まれる体動成分MHtは、被験者
の体動を示す信号THそのものではなく、それを鈍らせ
たものになると考えられる。このため、被験者の体動を
直接的に示す体動検出部20による信号THを波形処理
部21によって波形整形して、体動成分を示す信号MH
tとして用い、これを、脈波検出部10による信号MH
から減算し、これにより体動の影響を除去して、脈波成
分を示す信号MH’として出力しているのである。な
お、波形処理部21におけるローパスフィルタの形式
や、段数、定数などは、実際に測定したデータから定め
られる。
【0023】次に、ピーク点抽出・波形解析部40は、
脈波成分を示す信号MH’について、波形パラメータに
関するピーク点P0〜P6の各点に関連した「ピーク情
報」と呼ばれる情報を抽出して、図16に示した波形パ
ラメータを求めるとともに、これらの波形パラメータか
ら血圧値差(y5-y4)および期間(t6-t4)をそれぞ
れ算出するものである。なお、ピーク点抽出・波形解析
部40の詳細構成およびピーク情報の内容については、
後述することとする。また、ピーク点抽出・波形解析部
40は、血圧値差(y5-y4)および期間(t6-t4)を
求めるにあたって、ピーク点P0およびP4を特定する
が、このことは、必然的に心室収縮期および心室拡張期
を特定することを意味する。すなわち、ピーク点P0は
駆出波の立ち上がり開始点に相当するから、これを求め
ることは、心室収縮期の始点(心室拡張期の終点)を特
定することを意味し、また、ピーク点P4は大動脈弁閉
鎖に伴う切痕に相当するから、心室収縮期の終点(心室
拡張期の始点)を特定することを意味する。したがっ
て、ピーク点抽出・波形解析部40は、必然的に心室収
縮期および心室拡張期を特定する機能も有する。
【0024】さて、歪率変換テーブル50は、図17に
示す相関関係を予め記憶して、ピーク点抽出・波形解析
部40により求められた血圧値差(y5-y4)を歪率d
に変換するものである。拍数変換テーブル60は、期間
(t6-t4)と拍数との相関関係を予め記憶して、ピー
ク点抽出・波形解析部40に求められた期間(t6-
4)を拍数に変換するものである。なお、拍数を直接
的あるいは正確に求めるのであれば、ピーク点抽出・波
形解析部40によって時間t6を求めて、この換算値か
ら算出すれば良い。
【0025】診断部70は、歪率dを主として脈波波形
の形状を特定し、被験者の心機能を診断するものであ
る。具体的には、拍数が安静状態の値である場合、前述
のPCT/JP96/01254によれば、歪率dと脈波波形の形状と
には図28に示した関係があるから、この関係を用いて
診断部70は、歪率dにより脈波波形の形状を特定す
る。ただし、拍数が高くなるにつれて歪率dが低下する
傾向があるので、診断部70は、拍数を従として脈波波
形の形状を特定する。なお、診断部70は、拍数がしき
い値以上であって、かつ、体動検出部20による信号T
Hによって安静状態にあると判断される場合、当該被験
者が精神的な緊張状態にあるかと診断しても良い。診断
内容記憶部80は、脈波波形の形状の各々に対応して診
断内容を予め記憶する一方、診断部70により特定され
た形状の診断内容を出力するものである。ここで、診断
内容記憶部80は、例えば、脈波波形の形状が「滑脈」
に対しては「平常である」旨を、また「平脈」に対して
は「血流状態が異常である」旨を、さらに「弦脈」に対
しては「血管壁の弾力が減少している」旨を示すメッセ
ージデータ等をそれぞれ記憶する。告知部90は、診断
内容記憶部80の診断内容を表示あるいは音声等により
外部に出力するものである。
【0026】<1−2−1:ピーク点抽出・波形解析部
の詳細構成>ここで、ピーク点抽出・波形解析部40の
詳細について説明する。図2は、その詳細構成を示すブ
ロック図である。図において、マイクロコンピュータ4
01は、各構成部分を制御するものであり、内部に図示
しないレジスタを有する。波形メモリ402は、RAM
等によって構成され、A/D変換器403およびローパ
スフィルタ404を介して供給される信号MH’の値、
すなわち、脈波成分を示す信号の波形値Wを順次記憶す
る。波形値アドレスカウンタ405は、マイクロコンピ
ュータ401から波形採取指示STARTが出力されて
いる期間、サンプリングクロックφをカウントし、その
カウント結果を、波形値Wの波形値アドレスADR1
(書込アドレス)として出力するものである。この波形
値アドレスADR1は、マイクロコンピュータ401に
より監視される。また、セレクタ406は、波形メモリ
402へのアドレスを選択するものであり、マイクロコ
ンピュータ401によってセレクト信号S1が出力され
ていない場合、波形値アドレスカウンタ405によって
出力される波形値アドレスADR1を選択する一方、セ
レクト信号S1が出力されている場合、マイクロコンピ
ュータ401によって出力される読出アドレスADR4
を選択する。
【0027】一方、微分回路411は、ローパスフィル
タ404から順次出力される波形値Wを時間微分して出
力する。零クロス検出回路412は、波形値Wが極大値
または極小値となることによって波形値Wの時間微分が
ゼロとなった場合に、零クロス検出パルスZを出力する
ものである。さらに詳述すると、零クロス検出回路41
2は、図16に示した波形パラメータのピーク点P0〜
P6を検出するために設けられた回路であり、これらの
ピーク点に対応した波形値Wが入力された場合に零クロ
ス検出パルスZを出力する。
【0028】次に、ピークアドレスカウンタ413は、
マイクロコンピュータ401によって波形採取指示ST
ARTが出力されている期間、零クロス検出パルスZを
カウントし、そのカウント結果をピークアドレスADR
2として出力するものである。移動平均算出回路414
は、現時点までに微分回路411によって出力された波
形値Wの時間微分値を過去所定個数分だけ蓄積して、そ
の平均値を算出し、その結果を現時点に至るまでの脈波
の傾斜を表す傾斜情報SLPとして出力するものであ
る。
【0029】ピーク情報メモリ415は、図3に示すピ
ーク情報を記憶するために設けられたものであり、その
内容の詳細については次の通りである。 波形値アドレスADR1 ローパスフィルタ404から出力される波形値Wが極大
値または極小値となった時点において、波形値アドレス
カウンタ405から出力されている波形値アドレスであ
る。換言すれば、波形メモリ402にて、極大値または
極小値に相当する波形値Wが書き込まれたアドレスであ
る。 ピーク種別B/T 上記波形値アドレスADR1に書き込まれた波形値Wが
極大値T(Top)であるか極小値B(Bottom)であるか
を示す情報である。 波形値W 上記極大値または極小値に相当する波形値である。 ストローク情報STRK 直前のピーク値から当該ピーク値に至るまでの波形値の
変化分である。 傾斜情報SLP 当該ピーク値に至るまでの過去所定個数分の波形値の時
間微分の平均値である。
【0030】<1−3:第1実施形態の動作>次に、図
1に示した第1実施形態の動作について説明する。脈波
検出部10により出力される信号MHには、被験者の体
動に伴う体動成分が重畳されるが、体動成分除去部30
により当該体動成分が除去されて、脈波成分のみを示す
信号MH’となって、ピーク点抽出・波形解析部40に
供給される。ピーク点抽出・波形解析部40において
は、後述するように信号MH’のデータが蓄積・解析さ
れて、脈波波形の波形パラメータが算出され、さらに、
これらの波形パラメータから脈波波形における切痕から
切痕波ピークまでの血圧値差(y5-y4)および心室拡
張期の期間(t6-t4)がそれぞれ求められる。求めら
れた血圧値差(y5-y4)は、歪率変換テーブル50に
よって脈波波形の歪率dに変換される一方、期間(t6-
4)は、拍数変換テーブル60によって拍数に変換さ
れる。診断部70において、歪率dを主とし、拍数を従
として脈波波形の形状が「滑脈」、「平脈」あるいは
「弦脈」のいずれかに特定されると、特定された脈波波
形の形状に対応する診断内容が診断内容記憶部80から
読み出される。そして、告知部90によって、読み出さ
れた診断内容が表示されたり、音声等により通知された
りして、被験者に告知される。
【0031】<1−3−1:ピーク点抽出・波形解析部
の動作>ここで、図2に示したピーク点抽出・波形解析
部40の動作について説明する。ピーク点抽出・波形解
析部40は、脈波波形を取得してから、波形パラメータ
を求め、さらに、血圧値差(y5-y4)および期間(t6
-t4)を求めるまでを、複数の段階で行う。そこで、ピ
ーク点抽出・波形解析部40の動作については、各段階
に分けて説明することとする。
【0032】<1−3−1−1:脈波波形の蓄積および
そのピーク情報の採取>まず、ピーク点抽出・波形解析
部40においては、信号MH’が図2における波形メモ
リ402に蓄積されるとともに、当該信号MH’で示さ
れる脈波波形のピーク情報が採取される。この動作は、
詳細には次のようにして実行される。まず、脈波波形の
採取開始を指示する旨の信号STARTがマイクロコン
ピュータ401によって出力されると、波形値アドレス
カウンタ405およびピークアドレスカウンタ413の
リセットが解除される。この結果、サンプリングクロッ
クφのカウントが波形値アドレスカウンタ405によっ
て開始され、そのカウント値たる波形値アドレスADR
1が、セレクタ406を介して波形メモリ402に書込
アドレスとして供給される。そして、体動信号除去部3
0から出力された脈波成分を示す信号MH’がA/D変
換器403に入力され、サンプリングクロックφにした
がってディジタル信号に順次変換され、ローパスフィル
タ404を介し波形値Wとして順次出力される。このよ
うにして出力された波形値Wは、波形メモリ402に順
次供給され、その時点において波形値アドレスADR1
で指定される記憶領域に書き込まれる。以上の動作によ
り、例えば、図4に例示する脈波波形における一連の波
形値Wが波形メモリ402に蓄積されることとなる。
【0033】一方、この蓄積動作と並行して、ピーク情
報の採取およびピーク情報メモリ205への書き込み
が、以下のようにして実行される。まず、脈波成分を示
す信号MH’の波形値Wが微分回路411によって時間
微分され、この結果が零クロス検出回路412および移
動平均算出回路414にそれぞれ供給される。このよう
にして波形値Wの時間微分値が供給される毎に、移動平
均算出回路414は、過去所定個数の時間微分値の平均
値(すなわち、移動平均値)を演算し、演算結果を傾斜
情報SLPとして出力する。ここで、波形値Wが上昇中
もしくは上昇を終えて極大状態となっている場合は傾斜
情報SLPとして正の値が出力され、下降中もしくは下
降を終えて極小状態となっている場合は傾斜情報SLP
として負の値が出力される。
【0034】例えば、図4に示す脈波波形がローパスフ
ィルタ404から出力されると、ピーク点P’1は極大
点であるから、時間微分としてゼロが微分回路411か
ら出力される。このため、零クロス検出パルスZが、零
クロス検出回路412によって出力される。この結果、
マイクロコンピュータ401により、その時点における
波形値アドレスカウンタ405のカウント値たる波形値
アドレスADR1、波形値W、ピークアドレスカウンタ
のカウント値であるピークアドレスADR2(この場
合、ADR2=0)および傾斜情報SLPが取り込まれ
る。また、零クロス検出パルスZが出力されることによ
ってピークアドレスカウンタ203のカウント値たるピ
ークアドレスADR2が「1」になる。
【0035】一方、マイクロコンピュータ401は、取
り込んだ傾斜情報SLPの符号に基づいてピーク種別B
/Tを作成する。このようにピーク点P’1の波形値W
が出力されている場合、その時点における傾斜情報SL
Pが正の値となるので、マイクロコンピュータ401
は、ピーク情報B/Tの値を極大点に対応した「T」と
する。そして、マイクロコンピュータ401は、ピーク
アドレスカウンタ413から取り込んだピークアドレス
ADR2(この場合、ADR2=0)をそのまま書込ア
ドレスADR3として指定し、波形値W、この波形値W
に対応した波形値アドレスADR1、ピーク種別B/
T、傾斜情報SLPを第1回目のピーク情報としてピー
ク情報メモリ415に書き込む。なお、ピーク情報の書
き込みが第1回目の場合、直前のピーク情報がないため
ストローク情報STRKの作成および書き込みは行わな
い。
【0036】その後、図4に示す脈波波形において、ピ
ーク点P’2に対応した波形値Wがローパスフィルタ4
04から出力されると、上述と同様に零クロス検出パル
スZが出力され、波形値アドレスADR1、波形値W、
ピークアドレスADR2(=1)、傾斜情報SLP(<
0)がマイクロコンピュータ401により取り込まれ
る。そして、上記と同様、マイクロコンピュータ401
により、傾斜情報SLPに基づいてピーク種別B/Tが
決定される。ここでは、ピーク点P’2は極小点なの
で、その時点における傾斜情報SLPは負の値となり、
ピーク情報B/Tの値は極小点に対応した「B」とな
る。また、マイクロコンピュータ401によって、ピー
クアドレスADR2よりも「1」だけ小さいアドレスが
読出アドレスADR3としてピーク情報メモリ415に
供給される。これにより、第1回目に書き込まれた波形
値Wが読み出される。そして、マイクロコンピュータ4
01によって、ローパスフィルタ404から今回取り込
んだ波形値Wと、ピーク情報メモリ415から読み出し
た第1回目の波形値Wとの差分が演算され、ストローク
情報STRKが求められる。このようにして求められた
ピーク種別B/T、ストローク情報STRKが、波形値
アドレスADR1、波形値W、傾斜情報SLPととも
に、第2回目のピーク情報としてピーク情報メモリ41
5のピークアドレスADR3=1に対応した記憶領域に
書き込まれる。以後、ピーク点P’3、P’4、…、が
検出された場合も同様の動作が実行される。そして、所
定のタイミングで、マイクロコンピュータ401により
波形採取指示STARTの出力が停止され、波形値Wお
よびピーク情報の採取が終了する。
【0037】<1−3−1−2:1拍分の脈波波形を特
定>このようにして図4に例示した脈波波形のピーク点
P’1〜のピーク情報を採取しても、それだけでは、図
16に定めた波形パラメータを求めたことにはならな
い。すなわち、図4に示した脈波波形1拍分を特定して
はじめて、図16で定めた波形パラメータと対応するの
である。このため採取したピーク点P’1〜のピーク情
報から脈波波形を1拍分特定する必要がある。この特定
処理は、次のようにして実行される。
【0038】まず、この特定にあたっては、脈波波形の
特徴、すなわち、脈波波形の血圧値が心室収縮期の開始
点、すなわち、大動脈弁解放に相当するピーク点P0に
おいて最低となり、その直後の駆出波に相当するピーク
点P1において最高となる、という特徴を利用する。そ
のため、マイクロコンピュータ401は、ピーク情報メ
モリ415から各ピーク点P’1、P’2、…、に対応
した傾斜情報SLPおよびストローク情報STRKを順
次読み出す。次いで、マイクロコンピュータ401は、
各ストローク情報STRKの中から正の傾斜に対応した
ストローク情報(すなわち、対応する傾斜情報SLPが
正の値となっているもの)を選択し、さらに、これらの
ストローク情報の中から値の大きなものを所定個数だけ
抽出する。すなわち、マイクロコンピュータ401は、
第1に、極大点であるピーク点をとりあえず選択し、第
2に、その中から直前ピーク点との変化分が大きいピー
ク点を抽出する。ここで、ピーク点を所定個数抽出して
いるが、これは、複数周期分について検討する趣旨であ
る。
【0039】次に、マイクロコンピュータ401は、抽
出したピーク点に対応するストローク情報STRKの中
から中央値に相当するものを特定する。これにより、1
拍分の脈波波形の立上部分(例えば、図4において符号
STRKMによって示した部分)に相当するストローク
情報が特定される。なお、この特定は、複数周期分の脈
波波形についてピーク情報が採取されていることを前提
としているから、測定異常と考えられるものを除外する
趣旨である。そして、マイクロコンピュータ401は、
当該ストローク情報のピークアドレスよりも「1」だけ
前のピークアドレスに相当するピーク点を、波形パラメ
ータのピーク点P0とし、以下のピークアドレスに相当
するピーク点を、順次、波形パラメータのピーク点P1
〜P6と特定する。例えば、図4でいえば、立上部分S
TRKMの直前に位置するピーク点P’6が、波形パラ
メータの算出基準となるピーク点P0と特定され、以下
に続くピーク点P’7〜P’12が順次波形パラメータ
のピーク点P1〜P6と特定される。すなわち、ピーク
点P0を基準として時系列にピーク点P1〜P6が特定
される。このように各ピーク点P1〜P6は、最小極小
点となるピーク点P0を基準として時系列に特定され
る。例えば、心室収縮期および心室拡張期を定めるピー
ク点P4は、ピーク点P0から時系列に数えて第2番目
に現れる極小点として特定される。なお、各ピーク点P
1〜P6は、最小極小点となるピーク点P0を基準とし
て、値の大小関係で特定されても良い。例えば、ピーク
点P4は、値の大きさが下から2番目の極小点、すなわ
ち、ピーク点P0に次いで小さい極小点として特定され
ても良い。
【0040】<1−3−1−3:波形パラメータの算出
>マイクロコンピュータ401は、上記1拍分の脈波波
形に対応した各ピーク情報を参照して各波形パラメータ
を算出する。例えば、ピーク点P’6〜P’12が、波
形パラメータの基準となるピーク点P0〜P6と特定さ
れた場合、次のようにして求められる。 血圧値y1〜y5 ピーク情報のうちピーク点P’6〜P’11の波形値W
に係数を乗じたものを、それぞれy1〜y5とする。な
お、この係数は、脈波検出部10の感度や、A/D変換
器403の特性、ローパスフィルタ404の回路構成な
どにより決定されるものである。 時間t1 ピーク点P’7に対応する波形アドレスからピーク点
P’6に対応する波形アドレスを差し引き、その結果に
対してサンプリングクロックφの周期を乗じてt1を算
出する。 時間t2〜t6 上記t1と同様、対応する各ピーク点間の波形アドレス
差に基づいてそれぞれ演算する。マイクロコンピュータ
401は、以上のようにして得られた各波形パラメータ
を、内部のレジスタに蓄積する。
【0041】<1−3−1−4:血圧値差(y5-y4
および期間(t6-t4)の算出>マイクロコンピュータ
401は、第1に、内部のレジスタから、y4、y5、t
4およびt6をそれぞれ読み出し、第2に、読み出したy
4およびy5に基づいて血圧値差(y5-y4)を算出し、
第3に、読み出したt4およびt6に基づいて期間(t6-
4)を算出する。このようにして、血圧値差(y5-
4)および期間(t6-t4)はそれぞれ算出されて、診
断部70の基礎とされることとなる。
【0042】なお、本実施形態にかかる心機能診断装置
においては、体動検出部20により被験者の体動成分を
検出する構成となっていたが、被験者が体動していない
状態にあることを前提として診断するならば、脈波検出
部10により信号MHは、そのまま脈波成分のみを示す
信号MH’となるので、体動検出部20および波形処理
部21は不要である。くわえて、本装置においては、心
室拡張期に相当する期間(t6-t4)から拍数を求める
構成としたが、波形パラメータの期間t6から求めても
良いのはもちろんであるし、また、被験者の拍数が十分
に低い状態にあることを前提として診断するならば、拍
数を求めるための構成そのものも不要となる。このた
め、拍数を検出するための拍数変換テーブル60や拍数
を考慮に入れる評価許可部70は、あくまでも任意的な
要件である。
【0043】以上のように、第1実施形態に係る心機能
診断装置によれば、ただ単に被験者から検出した脈波波
形のピーク点を抽出して、切痕から切痕波ピークまでの
血圧値差(y5-y4)を求めるだけで、当該被験者の心
機能状態をある程度診断することが可能となる。したが
って、脈波波形について周波数解析処理をしなくて済む
ので、処理の負担を低減することができ、装置の小型化
や簡易化などに大いに貢献することが可能となる。
【0044】<1−4:応用例>次に、上述した第1実
施形態に係る心機能診断装置の応用例について説明す
る。
【0045】<1−4−1:心室拡張期の脈波波形を規
定する指標>本願発明者は、循環(血行)の状態を非侵
襲的に求めるため、大動脈起始部から抹消部までの動脈
系の挙動を電気的モデルによりシミュレートして、血管
の粘性抵抗やコンプライアンスなどの循環動態に関する
パラメータを近似的に算出する技術を提案している(特
開平6-205747号:発明の名称「脈波解析装置」や、PCT/
JP96/03211:発明の名称「生体状態測定装置」などを参
照)。この技術は、端的に言えば、動脈系の挙動をシミ
ュレートした電気的モデルに、被験者の大動脈起始部の
圧力波に対応する電気信号を与えたとき、その応答波形
が、実際に検出された脈波波形と一致するように、電気
的モデルを構成する各素子の値を定めることで、各素子
に対応する循環動態のパラメータを近似的に算出するも
のである。この電気的モデルについては、図18(a)
に示すような四要素集中定数モデルや、同図(b)に示
すような五要素集中定数モデルがある。特に、後者の五
要素集中定数モデルについては、人体の循環動態の挙動
を決定する要因のうち、四要素集中定数モデルで採用さ
れる中枢部での血液による慣性、中枢部での血液粘性に
よる血管抵抗(粘性抵抗)、末梢部での血管のコンプラ
イアンス(粘弾性)、および、末梢部での血管抵抗(粘
性抵抗)、以上4つのパラメータに対し、さらに、大動
脈コンプライアンスを追加して、これらのパラメータを
電気回路としてモデリングしたものである。
【0046】以下、集中定数モデルを構成する各素子と
各パラメータとの対応関係を記す。 静電容量Cc :大動脈コンプライアンス[cm5/dyn] 電気抵抗Rc :動脈系中枢部での血液粘性による血管抵抗[dyn・s/cm5] インダクタンスL:動脈系中枢部での血液による慣性[dyn・s2/cm5] 静電容量C :動脈系末梢部での血管コンプライアンス[cm5/dyn] 電気抵抗Rp :動脈系末梢部での血液粘性による血管抵抗[dyn・s/cm5
【0047】また、集中定数モデルに流れる電流i、i
p、ic、isは、各々対応する各部を流れる血流[cm5/
s]に相当する。なかでも、電流iは大動脈血流に相当
し、電流isは左心室から拍出される血流に相当してい
る。また、入力電圧eは左心室圧[dyn/cm2]に相当
し、電圧v1は大動脈起始部での圧力[dyn/cm2]に相当
する。さらに、静電容量Cの端子電圧vpは橈骨動脈部
での圧力[dyn/cm2]に相当する。くわえて、ダイオー
ドDは、大動脈弁に相当するものであって、心室の収縮
期に相当する期間においてオン(弁が開いた状態)とな
る一方、拡張期に相当する期間においてオフ(弁が閉じ
た状態)となる。
【0048】このように、大動脈起始部から抹消部まで
の動脈系は、図18(a)や(b)などの電気的モデル
によりシミュレートして考えることが可能である。ここ
で、動脈系を一種の電気的モデルとして考えた場合にお
いて、心室拡張期における脈波波形につき、再び考察し
てみる。心室拡張期は、上述のように大動脈弁の閉鎖期
間をいうから、理論的には、この期間において血液は拍
出されない。にかかわらず、心室収縮期において抹消部
には、切痕波という1つのなだらかな波が現れる。この
現象を、上記電気的モデルに置き換えて考えてみると、
心室収縮期において拍出される血液波形に相当する電気
信号をパルスとして電気的モデルの入力端に印加したな
らば、その出力端に、入力パルスに応答する第1の波形
(駆出波)と、この波形に続く第2の波形(退潮波)と
が現れ、さらに、入力パルスの消滅後、第3の波形(切
痕波)が、が現れたことを意味する。
【0049】したがって、心室拡張期に相当する脈波波
形は、心臓という電源と動脈系という負荷とを接続した
場合であって、かつ、心臓という電源が動作を中断して
いる場合、すなわち、大動脈弁が閉鎖している場合にお
いて、動脈系の過渡的な遅れ特性により定まる波形と言
える。このため、心室拡張期に相当する脈波波形を解析
することは、第1に、心臓に対する動脈系の過渡的特性
を評価することにつながる、と考えられる。もちろん、
心室拡張期に相当する脈波波形は、それ以前の収縮期で
の波形に依存するものであるから、拡張期における脈波
波形を解析することは、第2に、当該波形前の、心室拡
張期の脈波波形を解析することにもつながる、と考えら
れる。ここで、心室拡張期に相当する脈波波形を解析す
る方法として、その波形を規定する指標を求めること
や、退潮波を周波数解析することなどが考えられる。こ
の指標には、例えば、第1実施形態における切痕波の振
幅や、期間、さらに、これらを心室拡張期の期間や最小
最大血圧値差で正規化した値などが考えられ、また、周
波数解析には、第2実施形態で述べるウェーブレット変
換や第3実施形態で述べる級数展開などが考えられる。
くわえて、これらの時間的変化率も有用であると考えら
れる。この場合、第1実施形態にかかるピーク点抽出・
波形解析部40が、各波形パラメータから必要とする指
標を算出する構成により、心室拡張期に相当する脈波波
形を規定する指標を求めることができ、さらに、これら
の指標を時系列的に記憶する構成とすれば、当該指標の
時間的推移の作成も可能であるし、算出間隔で変化分を
除算する構成とすれば、当該指標の時間的変化率を求め
ることも可能である。
【0050】ここで、時間的変化率を求める場合におけ
る告知の種々の例について説明する。まず、図5に示す
ように、例えば、指標の変化率を6段階にランク付けす
るとともに、それらのランク付けにそれぞれ対応する診
断メッセージを評価内容として記憶させておき、算出さ
れた指標の変化率に対応する診断メッセージを読み出し
て告知する構成とすることが考えられる。また、診断メ
ッセージではなくて、図6に示すようなフェイスチャー
トを、算出された指標の変化率に対応して表示する構成
としても良い。もちろん、指標そのものを告知する構成
としても良い。
【0051】また、指標の時間的推移は、例えば、次の
ようにして作成される。具体的には、ピーク点抽出・波
形解析部40により算出された指標をその算出時刻とと
も組にして時系列的に記憶する一方、複数の組を読む出
して、読み出したデータのうち時刻をx軸に、指標をy
軸にそれぞれとることにより、当該指標の時間的推移が
作成される。この場合、図7に示すように、x軸を、読
み出した最も古い時刻を基準とする経過時間とし、さら
に、y軸について言えば、読み出した最も古い時刻に対
する指標の大きさを「1.0」として、それ以外の時間
をその割合で示しても良い。なお、図示の例では、測定
が2分間隔で行われる場合を示す。
【0052】<1−4−2:外部機器へのデータ転送>
心機能診断装置に小型化・軽量化が要求される場合、図
1および図2に示す構成を1個の装置として集約する構
成では、その評価・診断も医師等の判断が入り込む余地
がないものとなる。そこで、被験者の脈波波形を検出し
た後、図1における診断部70に供給すべき歪率dおよ
び拍数を外部機器にデータ転送して、医師等の第三者が
詳細な診断・解析を可能とする構成が考えられる。
【0053】図1において波線で示した通信I/F(イ
ンターフェイス)76がそのための構成である。通信I
/F76は、内部にデータバッファを有し、歪率d、拍
数および、これらの算出時刻を組にして、所定の測定期
間分だけ蓄積した後、通信I/F76にデータ転送する
構成となっている。ここで、通信I/F76は、外部機
器と光通信にてデータ転送するためのLEDおよびフォ
トトランジスタを有するものである。また、歪率dおよ
び拍数が算出された時刻については、図示しないタイマ
等により出力されることとする。
【0054】一方、図8は、このような外部機器の構成
を示すブロック図である。この図のように、外部機器
は、機器本体600や、ディスプレイ601、キーボー
ド602、プリンタ603などから構成されて、以下の
点を除いて通常のパーソナルコンピュータと同じもので
ある。すなわち、機器本体600は、図1における診断
部70以降の構成を構築するとともに、送信データを光
に変換して送信するためのLED604を有する一方、
受信光をデータに変換するためのフォトトランジスタ6
05を有している。これらLED604、フォトトラン
ジスタ605には、心機能診断装置の通信I/F76に
設けられるLEDおよびフォトトランジスタの特性と同
一もしくは近似しているものがそれぞれ用いられる。こ
こでは、近赤外線タイプ(例えば中心波長が940nm
のもの)が望ましい。そして、近赤外線タイプを用いる
場合には、可視光を遮断するための可視光カット用のフ
ィルタが、機器本体600の前面に設けられ、光通信用
の通信窓606となっている。
【0055】このような構成にかかる心機能診断装置
は、データ転送を行わない場合には、単独でも歪率dお
よび拍数に基づいて上述した被験者の心機能状態を評価
・診断を行う一方、データ転送を行う場合には、歪率変
換テーブル50により変換された歪率d、拍数変換テー
ブル60により変換された拍数、および、これらの算出
時刻からなる組を、所定の測定期間分だけ通信I/F7
6のデータバッファに蓄積する。ここで、医師等の第三
者がキーボード601を操作して、データ要求を指示す
ると、外部機器は、データリクエスト信号をLED60
4を介して送信した後、データを受信するための待機状
態となる。一方、心機能診断装置側における通信I/F
76のフォトトランジスタがデータリクエスト信号を受
信すると、通信I/F76のデータバッファに蓄積され
た組データが、通信I/F76のLEDにより送信され
る。この組データをフォトトランジスタ605が受信す
ることにより、外部機器では、被験者における脈波波形
の歪率d、被験者の拍数、および、これらが算出された
時刻が取得されることになる。この後、外部機器では、
図1における診断部70以降の構成を構築することによ
り、脈波波形の歪率dや拍数、これらの算出時刻に基づ
いて被験者の心機能状態を評価・診断や、蓄積したデー
タにより医師等の診断も可能となる。
【0056】なお、データ転送には、脈波波形の歪率d
や、拍数ではなく、その前段階である血圧値差(y5-y
4)や期間(t6-t4)でも良い。また、このほかに、被
験者の体動状態も併せて外部機器に送信することや、逆
に、歪率dや拍数に対応する診断メッセージなどを外部
機器側にて設定して、その内容を心機能装置側に送信す
ることなどが考えられる。
【0057】<2:第2実施形態>次に、本発明の第2
実施形態に係る心機能診断装置について説明する。
【0058】<2−1:第2実施形態の理論的根拠>従
来より、脈波波形を周波数解析して得られる周波数スペ
クトルが当該脈波波形の特徴を表す情報となる得ること
が判明している。このため、被験者の脈波波形を周波数
解析することは、それなりの意義がある。ところで、上
述したように、切痕から切痕波ピークまでの血圧値差
(y5-y4)とその脈波波形の歪率dとには高い相関関
係がある。このことは、脈波波形における高次調波成分
が血圧値差(y5-y4)を定める切痕および切痕波近傍
に集中していることを意味する。このため、脈波波形の
周波数解析結果は、脈波波形の1周期分全域にわたって
解析した場合と、脈波波形の切痕および切痕波近傍に限
定して解析した場合とにおいて大きな相違を有しないと
考えられる。したがって、被験者の脈波波形を周波数解
析するにあたっては、1周期分以上周波数解析する必要
がなく、切痕および切痕波近傍に限定して解析するだけ
十分である考えられる。
【0059】<2−2:第2実施形態の機能的構成>第
2実施形態に係る心機能診断装置は、以上のような理論
的根拠に基づいて構成されるものであり、第1に、予め
典型的な症状に対応する脈波波形の解析結果を求め、第
2に、脈波波形の周波数解析を切痕および切痕波近傍に
限定して実行し、第3に、その結果得られた解析結果と
最も近似する症状を特定し、第4に、特定した症状に対
応する診断内容を告知する、というものである。図9
は、本実施形態に係る心機能診断装置の機能構成を示す
ブロック図である。この図において、図1に示した心機
能診断装置と相違する部分は、ウェーブレット変換部2
00、周波数補正部210、サンプル記憶部220およ
び診断部71を設けた点のほか、ピーク点抽出・波形解
析部40の機能などである。以下、これらの相違点を中
心に説明することとする。
【0060】ピーク点抽出・波形解析部40は、脈波成
分を示す信号MH’から脈波波形の各ピーク点を抽出し
て波形パラメータを算出し、期間(t6-t4)を求める
点は第1実施形態と同じであるが、本実施形態にあって
は、さらに、内部の波形メモリ402に蓄積した脈波波
形のうち心室拡張期に相当する脈波波形MDを読み出し
て、ウェーブレット変換部200に供給する。
【0061】また、ウェーブレット変換部200は、後
述する構成によって、ピーク点抽出・波形解析部40か
ら読み出された心室拡張期に相当する脈波波形MDに対
し、ウエーブレット変換を実行して、脈波解析データM
KDを生成するものである。一般に、信号を時間と周波
数との両面から同時に捉える時間周波数解析において、
ウエーブレットは、信号の部分を切り出す単位となる。
ウエーブレット変換は、この単位で切り出した信号各部
の大きさを表している。ここで、ウエーブレット変換を
定義するために基底関数として、時間的にも周波数的に
も局在化した関数ψ(x)をマザー・ウエーブレットと
して導入すると、関数f(x)のマザー・ウエーブレッ
トψ(x)によるウエーブレット変換は、次のように定
義される。
【0062】
【数2】
【0063】この式(2)において、bは、マザー・ウ
エーブレットψ(x)をトランスレート(平行移動)す
る際に用いるパラメータであり、一方、aはスケール
(伸縮)する際のパラメータである。したがって、式
(2)において、ウエーブレットψ((x−b)/a)
は、マザー・ウエーブレットψ(x)をbだけ平行移動
し、aだけ伸縮したものである。この場合、スケールパ
ラメータaに対応してマザー・ウエーブレットψ(x)
の幅は伸長されるので、1/aは周波数に対応するもの
となる。なお、ウェーブレット変換部200の詳細な構
成については後述するものとする。
【0064】次に、周波数補正部210は、ウェーブレ
ット変換部200による脈波解析データMKDを周波数
補正して、補正解析データMKD’を生成するものであ
る。詳細には、上記した式(2)には周波数に対応する
「1/√a」の項があるが、異なる周波数領域間でデー
タを比較する場合には、この項の影響を補正する必要が
ある。このため周波数補正部210が設けられたのであ
り、ウエーブレットデータに係数√aを乗算して、解析
補正データMKD’を生成する。これにより、脈波解析
データMKDは、対応する各周波数に基づいて、周波数
当たりのパワー密度が一定になるように補正されること
となる。
【0065】一方、サンプル記憶部220は、典型的な
脈波波形の形状に対応する解析結果を記憶するものであ
る。本実施形態にあっては、たとえば、予め「滑脈」、
「平脈」および「弦脈」の形状に対応する脈波波形を、
心室拡張期に相当する期間においてウェーブレット変換
し、さらに、周波数補正しておき、これらに対応する解
析結果がサンプルとして、例えば、図11(b)に示す
ように、時間成分と周波数成分とが各8分割されたデー
タ形式で記憶されている。
【0066】次に、診断部71は、サンプル記憶部22
0に記憶されているサンプルのうち、周波数補正部21
0による補正解析データMKD’と最も近似するもの
を、高い成分が存在する位置や各成分の分布などから判
断して、被験者の脈波波形を特定するものである。ただ
し、診断時の拍数がサンプルを求めたときの値と乖離す
れば、誤った判断をする可能性が生じるので、診断部7
1は、歪率変換テーブル60の拍数を補助的に入力し、
サンプルを求めたときの拍数との差が一定値以上あれば
診断しないようにしている。
【0067】<2−2−1:ウェーブレット変換器の構
成>ここで、ウエーブレット変換部200の詳細構成に
ついて説明する。かかるウエーブレット変換部200
は、上記式(2)の演算処理を行うものであり、その構
成は図10に示すように次の要素からなる。すなわち、
ウエーブレット変換部200は、マザー・ウエーブレッ
トψ(x)を記憶する基底関数記憶部W1、スケールパ
ラメータaを変換するスケール変換部W2、バッファメ
モリW3、トランスレートを行う平行移動部W4、およ
び、乗算部W5から構成される。なお、基底関数記憶部
W1に記憶するマザー・ウエーブレットψ(x)として
は、ガボールウエーブレットの他、メキシカンハット、
Haarウエーブレット、Meyerウエーブレット、
Shannonウエーブレット等が適用できる。また、
ウェーブレット変換部200は、心室拡張期の始点たる
ピーク点P4からその終点たるピーク点P6までの期間
Tを示す信号を入力して、当該期間Tを8分割した時間
間隔で脈波解析データを出力するようになっている。
【0068】<2−3:第2実施形態の動作>次に、図
9に示した第2実施形態の動作について説明する。脈波
検出部10により出力される信号MHには、被験者の体
動に伴う体動成分が重畳されるが、体動成分除去部30
により当該体動成分が除去されて、脈波成分のみを示す
信号MH’となって、ピーク点抽出・波形解析部40に
供給される。ピーク点抽出・波形解析部40は、第1実
施形態と同様に、信号MH’のデータを蓄積・解析し
て、脈波波形の波形パラメータを算出し、これらの波形
パラメータから脈波波形における心室拡張期の期間(t
6-t4)を求めた後、さらに次の動作を行う。すなわ
ち、図2において、ピーク点抽出・波形解析部40のマ
イクロコンピュータ401は、各波形パラメータを算出
後、第1に、ピーク情報メモリ415から、ピーク点P
4、P6に特定したピーク点の波形値アドレスをそれぞ
れ読み出し、第2に、セレクト信号S1を出力し、第3
に、読み出したピーク点P4に相当するピーク点の波形
値アドレスを、ピーク点P6に相当するピーク点の波形
値アドレスまでサンプリングクロックφで歩進させて、
これを波形メモリの読出アドレスADR4として出力す
る。これにより、波形メモリ402からは、切痕に相当
するピーク点P4から切痕波の終期に相当するピーク点
P0までの脈波波形MD、すなわち、心室拡張期に相当
する脈波波形MDが読み出されることとなる。
【0069】心室拡張期に相当する脈波波形MDは、後
述するように、ウェーブレット変換部200によってウ
ェーブレット変換されて、この結果、時間領域および周
波数領域において各8分割された脈波解析データMKD
が生成される。この脈波解析データMKDは、さらに、
周波数補正部210によって周波数補正されて、補正解
析データMKD’となる。一方、拍数変換テーブル60
においては、ピーク点抽出・波形解析部40により算出
された期間(t6-t4)が拍数に変換される。次に、診
断部71においては、第1に、歪率変換テーブル60に
よる拍数とサンプル記憶部220に記憶されているサン
プルを求めたときの拍数との差を求め、第2に、その差
がしきい値以上であるか否かを判断して、しきい値以上
であれば、診断を行わない旨の信号を出力する一方、し
きい値以下であれば、解析補正データMKD’とサンプ
ル記憶部220に記憶されているサンプルとを互いに比
較し、解析補正データMKD’と最も近似するサンプル
を判断して被験者の脈波波形を特定し、その形状を示す
信号を出力する。そして、特定された脈波波形の形状に
対応する診断内容(あるいは診断を行わない旨の内容)
が、診断内容記憶部80から読み出され、第1実施形態
と同様に、告知部90によって、読み出された内容が表
示されたり音声等により通知されたりして、被験者に告
知される。
【0070】<2−3−1:ウェーブレット変換器の動
作>ここで、ウェーブレット変換部200の動作につい
て説明する。まず、基底関数記憶部W1からマザー・ウ
エーブレットψ(x)が読み出されると、スケール変換
部W2は、スケールパラメータaの変換を行う。ここ
で、スケールパラメータaは周期に対応するものである
から、aが大きくなると、マザー・ウエーブレットψ
(x)は時間軸上で伸長される。この場合、基底関数記
憶部W1に記憶されるマザー・ウエーブレットψ(x)
のデータ量は一定であるので、aが大きくなると単位時
間当たりのデータ量が減少してしまう。スケール変換部
W2は、これを補うように補間処理を行うとともに、a
が小さくなると間引き処理を行って、関数ψ(x/a)
を生成する。このデータはバッファメモリW3に一旦格
納される。次に、平行移動部W4はバッファメモリW3
からトランスレートパラメータbに応じたタイミングで
関数ψ(x/a)を読み出すことにより、関数ψ(x/
a)の平行移動を行い関数ψ(x−b/a)を生成す
る。
【0071】そして、乗算部W5は、変数1/√a、関
数ψ(x−b/a)および脈波データMDを乗算してウ
エーブレット変換を行い、脈波解析データMKDを生成
する。図11(b)は、同図(a)に示す脈波波形を心
室拡張期においてウェーブレット変換して、その結果得
られる脈波解析データMKDを示すものである。なお、
図2における波形メモリ402からは、脈波波形の1拍
分ではなく、ピーク点P4からピーク点P6までの心室
拡張期に相当する脈波波形MDが読み出される点に留意
すべきである。図11(b)に示すように、脈波解析デ
ータMKDは、0Hz〜0.5Hz、0.5Hz〜1.
0Hz、1.0Hz〜1.5Hz、1.5Hz〜2.0
Hz、2.0Hz〜2.5Hz、2.5Hz〜3.0H
z、3.0Hz〜3.5Hz、3.5Hz〜4.0Hz
といった8つの周波数領域に分割され、かつ、心室拡張
期の始点たるピーク点P4からその終点たるピーク点P
6までの期間Tを8分割した時間間隔で得られる。結
局、脈波解析データMKDは、M11からM88までの
64個のデータから構成されることとなる。このように
して、生成された脈波解析データMKDは、周波数補正
部210によって周波数補正が施され、補正解析データ
MKD’として出力され、診断部71において診断の基
礎とされる。
【0072】なお、ウエーブレット変換においては、周
波数分解能と時間分解能とは互いにトレードオフの関係
にあるので、周波数分解能を犠牲にすれば、より短い時
間間隔で脈波解析データを得ることもできる。また、第
2実施形態にあっては、心室拡張期に相当する脈波波形
をウェーブレット変換して診断を行うこととしたが、脈
波波形の歪率dと相関関係の高いのは、(y5-y4)で
あるから、ピーク点P4からピーク点P5までに限って
ウェーブレット変換する構成としても良い。さらに、補
正解析データMKD’から歪率dを求めて、これとの相
関関係から脈波波形の形状を特定しても良いのは、もち
ろんである。くわえて、第2実施形態にあっても、心室
拡張期に相当する期間(t6-t4)から拍数を求める構
成としたが、波形パラメータの時間t6から求めても良
いのはもちろんであるし、また、被験者の拍数が十分に
低い状態にあることを前提として診断するならば、拍数
を求めるための構成そのものも不要である。このため、
拍数を検出するための拍数変換テーブル60や拍数を考
慮に入れる診断部71が、任意的な要件であることは、
第1実施形態と同様である。
【0073】以上のように、第2実施形態に係る心機能
診断装置によれば、被験者から検出した脈波波形のピー
ク点を抽出して心室拡張期を特定し、その期間における
脈波波形をウェーブレット変換するだけで、当該被験者
の心機能状態を診断することが可能となる。したがっ
て、脈波波形について1周期分以上、周波数解析処理を
しなくて済むので、処理の負担を低減することができ、
装置の小型化や簡易化などに大いに貢献することが可能
となる。
【0074】<3:第3実施形態>次に、本発明の第3
実施形態に係る心機能診断装置について説明する。
【0075】<3−1:第3実施形態の理論的根拠>第
2実施形態に係る心機能診断装置は、心室拡張期に相当
する脈波波形を解析するにあたりウェーブレット変換を
用いたが、この第3実施形態に係る心機能診断装置は、
周波数解析処理としてFFTを用いるものである。ただ
し、ウェーブレット変換とは異なり、ただ単に心室拡張
期に限ってFFT処理する構成では、処理に伴う高調波
成分が解析結果に現れてしまうので、本実施形態にあっ
ては、1拍分の脈波波形のうち心室拡張期に相当する期
間に対応する窓関数を乗じて、心室拡張期に相当する脈
波波形をスムージングさせて取り出し、これをFFT処
理する構成とした。
【0076】<3−2:第3実施形態の機能的構成>図
12は、本実施形態に係る心機能診断装置の機能構成を
示すブロック図である。この図において、図1に示した
心機能診断装置と相違する部分は、窓関数記憶部23
0、窓関数読出部240、乗算部250、FFT処理部
260、サンプル記憶部270および診断部72を設け
た点のほか、ピーク点抽出・波形解析部40の機能など
である。そこで、以下、これらの相違点を中心に説明す
ることとする。
【0077】ピーク点抽出・波形解析部40は、脈波成
分を示す信号MH’から脈波波形の各ピーク点を抽出し
て波形パラメータを算出し、期間(t6-t4)を求める
点は第1実施形態と同じであるが、本実施形態にあって
は、さらに、内部の波形メモリ402に蓄積した脈波波
形のうち心室拡張期に相当する脈波波形MDを読み出し
て、乗算部250の入力端に供給するものである。ま
た、窓関数記憶部230は、図13に示す関数を予めテ
ーブル化して記憶するものであり、実際には、例えば、
x=−πを「0000」、x=πを「FFFF」とする
連続アドレスで記憶する。窓関数読出部240は、生成
した読出アドレスをサンプリングクロックφに同期して
窓関数記憶部230に供給することによって、そこに記
憶された窓関数を読み出すものである。詳細には、窓関
数読出部240は、ピーク点P4からP6までに相当す
る脈波波形MDが波形メモリ402(図2参照)から読
み出された場合に、ピーク点P4およびP6が窓関数の
x=−πおよび+πにそれぞれ一致するように、読出ア
ドレスを供給する。
【0078】乗算部250は、心室拡張期に相当する脈
波波形に対し、窓関数を乗算することによって、FFT
処理すべき脈波波形をスムージングするものである。F
FT処理部260は、スムージングされた脈波波形に対
して公知のFFT処理を施すものである。一方、サンプ
ル記憶部270は、典型的な脈波波形の形状に対応する
解析結果を記憶するものである。本実施形態にあって
は、第2実施形態と同様に、予め「滑脈」、「平脈」お
よび「弦脈」の形状に対応する脈波波形に対し、窓関数
記憶部230に記憶された窓関数を乗じてFFT処理し
た解析結果がサンプルとして記憶されている。
【0079】次に、診断部72は、サンプル記憶部27
0に記憶されているサンプルのうち、FFT処理部21
0による解析結果と最も近似するものを、強い成分が存
在する位置や、各成分の分布などから判断して、脈波波
形の形状を特定するものである。ただし、第2実施形態
と同様に、診断時の拍数とサンプルを求めたときの拍数
とが乖離すれば、誤った判断をする可能性が生じるの
で、診断部72は、歪率変換テーブル60の拍数を補助
的に入力し、サンプルを求めたときの拍数との差が一定
値以上あれば診断しないようにしている。
【0080】<3−3:第3実施形態の動作>次に、第
3実施形態の動作について説明する。脈波検出部10に
より出力される信号MHには、被験者の体動に伴う体動
成分が重畳されるが、体動成分除去部30により当該体
動成分が除去されて、脈波成分のみを示す信号MH’と
なって、ピーク点抽出・波形解析部40に供給される。
ピーク点抽出・波形解析部40は、第1実施形態と同様
に、信号MH’のデータを蓄積・解析して脈波波形の波
形パラメータを算出し、これらの波形パラメータから脈
波波形における心室拡張期の期間(t6-t4)を求めた
後、さらに、次の動作を行う。すなわち、図2におい
て、ピーク点抽出・波形解析部40のマイクロコンピュ
ータ401は、各波形パラメータを算出後、第1に、ピ
ーク情報メモリ415から、ピーク点P4、P6に相当
する波形値アドレスをそれぞれ読み出し、第2に、これ
を窓関数読出部240に供給し、第3に、セレクト信号
S1を出力し、第4に、読み出したピーク点P4に相当
するピーク点の波形値アドレスを、ピーク点P6に相当
するピーク点の波形値アドレスまでサンプリングクロッ
クφで歩進させて、これを波形メモリの読出アドレスA
DR4として出力する。これにより、波形メモリ402
からは、切痕に相当するピーク点P4から切痕波の終期
に相当するピーク点P0までの脈波波形MD、すなわ
ち、心室拡張期に相当する脈波波形MDが読み出される
こととなる。
【0081】次に、窓関数読出部240は、ピーク点P
4からピーク点P6までに相当する波形値アドレスが図
に示した窓関数のアドレス「0000」から「FFF
F」までに対応するように、窓関数の読出アドレスを決
定する。例えば、ピーク点P4に相当するピーク点の波
形値アドレスが「1000」であって、ピーク点P6に
相当するピーク点の波形値アドレスが「1FFF」であ
る場合、窓関数記憶部230への窓関数の読出アドレス
を「0000」、「0010」、「0020」、……の
ように「10」毎にサンプリングクロックφで歩進させ
る。これにより、窓関数記憶部230から読み出される
窓関数は脈波波形の心室拡張期に一致してスケーリング
されることとなる。そして、図14(a)に示すよう
に、ピーク点抽出・波形解析部40の波形メモリ402
から読み出された心室拡張期に相当する脈波波形MDに
は、同図(b)に示すように、心室拡張期に対応してス
ケーリングされた窓関数が乗算部250によって乗算さ
れ、同図(c)に示される乗算結果がFFT処理部26
0によってFFT処理されることとなる。
【0082】次に、診断部72は、第1に、歪率変換テ
ーブル60による拍数がサンプル記憶部270に記憶さ
れているサンプルを求めたときの拍数との差を求め、第
2に、その差がしきい値以上であるか否かを判断して、
しきい値以上であれば、診断を行わない旨の信号出力す
る一方、しきい値以下であれば、FFT処理による解析
結果とサンプル記憶部270に記憶されているサンプル
とを互いに比較して、解析結果と最も近似するサンプル
を判断して、被験者の脈波波形を特定する信号を出力す
る。そして、特定された脈波波形の形状に対応する診断
内容(あるいは診断を行わない旨の内容)が、診断内容
記憶部80から読み出され、告知部90によって、読み
出された内容が表示されたり、音声等により通知された
りして、被験者に告知される。
【0083】なお、第3実施形態にあっては、窓関数を
コサイン関数としたが、脈波波形をスムージングするも
のであれば、特にコサイン関数を含む三角関数に限られ
ない。また、本実施形態にあっては、心室拡張期に相当
する脈波波形に窓関数を乗じてFFT処理し、この解析
結果から診断を行うこととしたが、脈波波形の歪率dと
相関関係の高いのは、(y5-y4)であるから、ピーク
点P4からピーク点P5までに対応して窓関数を乗じて
FFT処理する構成としても良い。さらに、第2実施形
態と同様に、FFT処理結果を式(1)に適用して歪率
dを求め、これとの相関関係から脈波波形の形状を特定
しても良いのは、もちろんである。くわえて、第3実施
形態にあっても、心室拡張期に相当する期間(t6-
4)から拍数を求める構成としたが、波形パラメータ
の時間t6から求めても良いのはもちろんであるし、ま
た、被験者の拍数が十分に低い状態にあることを前提と
して診断するならば、拍数を求めるための構成そのもの
も不要である。このため、拍数を検出するための拍数変
換テーブル60や拍数を考慮に入れる診断部71が、任
意的な要件であることは、第1および第2実施形態と同
様である。
【0084】以上のように、第3実施形態に係る心機能
診断装置によれば、被験者から検出した脈波波形のピー
ク点を抽出して心室拡張期を特定し、心室拡張期におけ
る脈波波形と、その期間に対応してスケーリングした窓
関数とを乗じて、この乗算結果をFFT処理して、その
解析結果に基づいて当該被験者の心機能状態を診断す
る。したがって、第1および第2実施形態と同様に、脈
波波形について1周期分以上、周波数解析処理をしなく
て済むので、処理の負担を低減することができ、装置の
小型化や簡易化などに大いに貢献することが可能とな
る。
【0085】<4:各実施形態の外観的構成>次に、上
述した第1〜第3実施形態に係る心機能診断装置の構成
例のいくつかについて説明する。
【0086】<4−1:腕時計型A>まず、各実施形態
に係る心機能診断装置1を腕時計型とした場合の構成例
について、図19を参照して説明する。同図(a)およ
び(b)に示すように、心機能診断装置1は、主に、腕
時計構造を有する装置本体100と、この装置本体10
0に接続されるケーブル101と、このケーブル101
の先端側に設けられた脈波検出部10とから構成されて
いる。このうち、装置本体100には、リストバンド1
02が取り付けられている。詳細には、リストバンド1
02の12時方向から被験者の左腕に巻き付いて、その
他端が装置本体100の6時方向で固定されている。装
置本体100の6時方向には、また、コネクタ部103
が設けられている。このコネクタ部103には、ケーブ
ル101の端部となっているコネクタピース104が着
脱自在に取り付けられている。なお、このコネクタピー
ス104を取り外すと、コネクタ部103には、同図
(c)に示すように、ケーブル101との接続ピン11
1、112のほか、上述したデータ転送を行うためのL
ED113、フォトトランジスタ102が設けられてい
る。
【0087】一方、脈波検出部10は、同図(b)に示
すように、センサ固定用バンド11によって遮光されな
がら、被験者の人差し指の根本に装着される。このよう
に、脈波検出部10を指の根本に装着すると、ケーブル
101が短くて済むので、装着しても邪魔にならない。
また、掌から指先までの体温の分布を計測すると、寒い
ときには、指先の温度が著しく低下するのに対し、指の
根本の温度は比較的低下しない。したがって、指の根本
に脈波検出部10を装着すれば、寒い日に外出しても、
脈波波形を正確に検出できる。また、装置本体100の
表面側には、液晶パネルからなる表示部110が設けら
れている。この表示部110は、セグメント表示領域
や、ドット表示領域などを有し、現在時刻や診断内容な
ど表示する。すなわち、表示部110は、各実施形態に
おける告知部90に対応している。
【0088】一方、装置本体100の内部には、図示せ
ぬ加速度センサが組み込まれており、被験者の腕の振り
や、体の上下動によって生じる体動を検出している。す
なわち、この加速度センサが、各実施形態における体動
検出部20に対応している。また、装置本体100の内
部には、各種演算や変換などを制御するCPUが設けら
れ(図示省略)、図2におけるマイクロコンピュータ4
01を兼ねている。さらに、装置本体100の外周部に
は、各種操作や指示を行うためのボタンスイッチSW1
およびSW2がそれぞれ設けられている。
【0089】<4−1−1:脈波検出部の詳細構成>次
に、脈波検出部10の構成について図20を参照して説
明する。この図に示すように、脈波検出部10は、LE
D12、フォトトランジスタ13などから構成される。
スイッチSWがon状態となり、電源電圧が印加される
と、LED12から光が照射される。この照射光は、被
験者の血管や組織によって反射した後に、フォトトラン
ジスタ13によって受光される。したがって、フォトト
ランジスタ12の光電流を電圧に変換したものが、脈波
検出部10の信号MHとして出力される。
【0090】ここで、LED12の発光波長は、血液中
のヘモグロビンの吸収波長ピーク付近に選ばれる。この
ため、受光レベルは血流量に応じて変化する。したがっ
て、受光レベルを検出することによって、脈波波形が検
出されることとなる。また、LED12としては、In
GaN系(インジウム−ガリウム−窒素系)の青色LE
Dが好適である。青色LEDの発光スペクトルは、例え
ば450nmに発光ピークを有し、その発光波長域は、
350nmから600nmまでの範囲にある。この場
合、かかる発光特性を有するLEDに対応させてフォト
トランジスタ13として、GaAsP系(ガリウム−砒
素−リン系)を用いればよい。このフォトトランジスタ
13の受光波長領域は、例えば、主要感度領域が300
nmから600nmまでの範囲にあって、300nm以
下にも感度領域がある。このような青色LEDとフォト
トランジスタとを組み合わせると、その重なり領域であ
る300nmから600nmまでの波長領域において、
脈波が検出されるて。以下の利点がある。
【0091】まず、外光に含まれる光のうち、波長領域
が700nm以下の光は、指の組織を透過しにくい傾向
があるため、外光がセンサ固定用バンドで覆われていな
い指の部分に照射されても、指の組織を介してフォトト
ランジスタ33まで到達せず、検出に影響を与えない波
長領域の光のみがフォトトランジスタ33に達する。一
方、300nmより低波長領域の光は、皮膚表面でほと
んど吸収されるので、受光波長領域を700nm以下と
しても、実質的な受光波長領域は、300nm〜700
nmとなる。したがって、指を大掛かりに覆わなくと
も、外光の影響を抑圧することができる。また、血液中
のヘモグロビンは、波長が300nmから700nmま
での光に対する吸光係数が大きく、波長が880nmの
光に対する吸光係数に比して数倍〜約100倍以上大き
い。したがって、この例のように、ヘモグロビンの吸光
特性に合わせて、吸光特性が大きい波長領域(300n
mから700nm)の光を検出光として用いると、その
検出値は、血量変化に応じて感度よく変化するので、血
量変化に基づく脈波波形MHのS/N比を高めることが
できる。
【0092】<4−2:腕時計型B>次に、心機能診断
装置1を腕時計型とした場合において、他の構成例につ
いて、図21を参照して説明する。この構成では、被験
者の脈波波形をLEDやフォトトランジスタ等によって
光電的に検出するのではなく、圧力センサを用いて検出
するものである。同図(a)に示すように、脈波診断装
置1には、一対のバンド102、102が設けられてお
り、その一方の締着具120の締め付け側には、圧力セ
ンサ130の弾性ゴム131が突出して設けられてい
る。締着具120を備えるバンド102は、圧力センサ
130による検出信号を供給するべくFPC(Flexible
Printed Circuit)基板を軟性プラスチックで被覆した
構造(詳細は図示省略)となっている。
【0093】また、使用時においては、同図(b)に示
すように、締着具120に設けられた弾性ゴム131が
橈骨動脈140の近傍に位置するべく、腕時計構造の脈
波診断装置1が被験者の左腕150に巻回される。この
ため、脈波を恒常的に検出することが可能となる。な
お、この巻回については通常の腕時計の使用状態と何等
変わることがない。こうして弾性ゴム131が、被験者
の橈骨動脈140近傍に押圧されると、該動脈の血流変
動(すなわち脈波)が弾性ゴム131を介して圧力セン
サ130に伝達され、圧力センサ130はこれを血圧と
して検知する。
【0094】<4−3:ネックレス型>また、各実施形
態に係る心機能診断装置1を、図22に示すようなネッ
クレス型とすることが考えられる。この図において、圧
力センサ130はケーブル101の先端に設けられてお
り、例えば、図23に示すように、粘着テープ170な
どを用いて、被験者の頸動脈部に取り付けられる。ま
た、図22において、中空部を有するブローチのような
形状をした装置本体100には、この装置の主要部分が
組み込まれているとともに、その前面には表示部11
0、スイッチSW1、SW2が設けられている。なお、
ケーブル101はその一部が鎖160に埋め込まれてお
り、圧力センサ130により出力される信号MHを、装
置本体100に供給している。
【0095】<4−4:眼鏡型>各実施形態に係る心機
能診断装置1の形態例としては、図24に示すような眼
鏡型とすることが考えられる。この図に示すように、装
置本体は、ケース100aとケース100bとに分か
れ、それぞれ別々に眼鏡の蔓181に取り付けられ、蔓
181内部に埋め込まれたリード線を介して互いに電気
的に接続される。ケース100aのレンズ182側には
その側面に液晶パネル183が取り付けられるととも
に、該側面の一端には鏡184が所定の角度で固定され
る。また、ケース100aには光源(図示略)を含む液
晶パネル183の駆動回路と、表示データを作成するた
めの回路が組み込まれており、これらが、表示部110
を構成している。この光源から発射された光は、液晶パ
ネル183を介して鏡184で反射されて、レンズ18
2に投射される。また、ケース100bには装置の主要
部が組み込まれており、その上面には上述したスイッチ
SW1、SW2が設けられている。一方、圧力センサ1
30は、ケーブル101を介して、ケース100bと電
気的に接続されており、ネックレスの場合と同様に頸動
脈部に貼り付けられる。なお、ケース100aとケース
100bとを接続するリード線は蔓181に沿って這わ
せるようにしても良い。また、この例では装置本体をケ
ース100aとケース100bとの2つに分ける構成と
したが、これらを一体化したケースで構成しても良い。
さらに、鏡184については、液晶パネル183との角
度を調整できるように可動式としても良い。
【0096】<4−5:カード型>また、他の形態例と
して、図25に示すようなカード型とすることが考えら
れる。このカード型の装置本体100は、例えば、被験
者の左胸ポケットに収容されるものである。圧力センサ
130は、ケーブル101を介して、装置本体100と
電気的に接続されており、ネックレスや眼鏡の場合と同
様に、被験者の頸動脈部に貼り付けられる。
【0097】<4−6:万歩計型>さらに、他の形態例
として、図26(a)に示すような万歩計型も考えられ
る。この万歩計の装置本体100は、同図(b)に示す
ように、被験者の腰ベルト191に取り付けられるもの
である。圧力センサ130は、ケーブル101を介し
て、装置本体100と電気的に接続されており、粘着テ
ープによって、被験者の股関節部において大腿動脈部に
固定され、さらに、サポータ192によって保護されて
いる。この際、ケーブル101については、被験者の日
常生活に支障をきたさないように、衣服に縫い込むなど
の対策を施すのが望ましい。
【0098】<5:告知部による告知>次に、各実施形
態の告知部90の告知について説明する。各実施形態に
おいては、告知部90が解析・診断結果を表示や音声な
どによる告知する、として説明したが、本願発明はこれ
に限られない。すなわち、視覚や聴覚のほか、種々の感
覚によって告知することが可能である。例えば、触覚に
訴える告知としては、腕時計等の裏面に電極を設け、こ
の電極に通電させることによって電気的刺激を与える構
成などが考えられる。また、腕時計等の携帯機器の裏か
ら突起物を出し入れ可能な構造として、この突起物によ
って機械的刺激与える構成などが考えられる。一方、嗅
覚に訴える告知として、装置に香料等の吐出機構を設け
るとともに、告知内容と香りとを対応させておき、告知
内容に応じた香料を吐出する構成などが考えられる。ち
なみに、香料等の吐出機構には、マイクロポンプなどが
好適である。なお、これらを、単独で使用するのみなら
ず複数の手段を組み合わせても良いことは勿論である。
【0099】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
被験者から検出した脈波波形について、1周期分以上を
処理することのなく、当該被験者の心機能状態を診断す
ることが可能となる。したがって、心機能の状態を、よ
り簡易な構成によって診断できることとなり、装置の小
型化・軽量化に大いに貢献することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態にかかる心機能診断装
置の構成を示すブロック図である。
【図2】 同実施形態におけるピーク点抽出・波形解析
部の詳細構成を示すブロック図である。
【図3】 ピーク情報メモリの記憶内容を説明するため
の図である。
【図4】 波形メモリに記憶される脈波波形の一例を示
す図である。
【図5】 変化率と評価内容との対応を示す図である。
【図6】 変化率と表示内容との対応を示す図である。
【図7】 指標の時間的推移を示す表示の一例を示す図
である。
【図8】 外部機器の構成の一例を示す図である。
【図9】 本発明の第2実施形態にかかる心機能診断装
置の構成を示すブロック図である。
【図10】 同実施形態におけるウェーブレット変換部
の詳細構成を示すブロック図である。
【図11】 (a)は、同実施形態において波形メモリ
から読み出されてウェーブレット変換される脈波波形を
説明するための図であり、(b)は、その解析結果を示
す図である。
【図12】 本発明の第3実施形態にかかる心機能診断
装置の構成を示すブロック図である。
【図13】 同実施形態における窓関数記憶部に記憶さ
れる窓関数を示す図である。
【図14】 (a)は、同実施形態において波形メモリ
から読み出される脈波波形を示す図であり、(b)は、
窓関数記憶部から読み出される窓関数を示す図であり、
(c)は、脈波波形と窓関数との乗算結果であって、F
FT処理される波形を説明するための図である。
【図15】 (a)は心電図であり、(b)は大動脈血
圧波形を示す図であり、(c)は抹消部での脈波波形を
示す図である。
【図16】 脈波波形と波形パラメータとの対応を説明
するための図である。
【図17】 血圧値差(y5-y4)と歪率dとの相関関
係を示す図である。
【図18】 (a)は、人体の動脈系をシミュレートし
た四要素集中定数モデルの構成を示す回路図であり、
(b)は、同じく五要素集中定数モデルの構成を示す回
路図である。
【図19】 (a)〜(c)は、それぞれ実施形態の構
成を腕時計型とした場合の外観構成を示す図である。
【図20】 実施形態における脈波検出部の構成を示す
図である。
【図21】 (a)は、実施形態の構成を別の腕時計型
とした場合の外観構成を示す図であり、(b)は、その
装着状態を示す図である。
【図22】 実施形態の構成をネックレス型とした場合
の外観構成を示す図である。
【図23】 脈波検出部を頚動脈に取り付けた様子を示
す図である。
【図24】 実施形態の構成を眼鏡型とした場合の外観
構成を示す図である。
【図25】 実施形態の構成をカード型とした場合の外
観構成を示す図である。
【図26】 (a)は、実施形態の構成を万歩計型とし
た場合の外観構成を示す図であり、(b)は、その装着
状態を示す図である。
【図27】 (a)〜(c)は、それぞれ典型的な脈波
波形の形状を示す図である。
【図28】 歪率dと脈波波形の形状との相関関係を示
す図である。
【符号の説明】
10……脈波検出部(脈波検出手段)、20……体動検
出部(体動検出手段)、30……体動成分除去部(体動
成分除去手段)、40……ピーク点抽出・波形解析部
(拡張期特定手段、ピーク点検出手段、解析手段)、5
0……歪率変換テーブル(歪率算出手段)、60……拍
数変換テーブル、70、71、72……診断部(評価手
段)、80……診断内容記憶部、90……告知部(告知
手段)、200……ウェーブレット変換部、260……
FFT処理部(200あるいは260が周波数解析手
段)、210……周波数補正部(正規化手段)、22
0、260……サンプル記憶部(記憶手段)、230…
…窓関数読出部、240……窓関数記憶部(230およ
び240により窓関数生成手段)、250……乗算部
(乗算手段)

Claims (26)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 生体から脈波波形を検出する脈波検出手
    段と、 前記脈波波形から心臓の拡張期を特定する拡張期特定手
    段と、 前記脈波波形のうち、前記拡張期特定手段により特定さ
    れた拡張期に相当する波形の一部あるいは全部を解析す
    る解析手段と、 前記解析手段による解析結果に基づいて、当該生体の心
    機能状態を評価する評価手段とを具備することを特徴と
    する心機能診断装置。
  2. 【請求項2】 前記拡張期特定手段は、 少なくとも1周期分以上の脈波波形についての極小点を
    検出し、当該脈波波形において心臓の大動脈弁閉鎖に相
    当する極小点から弁解放に相当する極小点までを心臓の
    拡張期として特定することを特徴とする請求項1記載の
    心機能診断装置。
  3. 【請求項3】 前記拡張期特定手段は、 検出した極小点のうち、値が最小の極小点となる点を心
    臓の大動脈弁解放に相当する極小点とする一方、値が下
    から2番目の極小点を心臓の大動脈弁閉鎖に相当する点
    とすることを特徴とする請求項2記載の心機能診断装
    置。
  4. 【請求項4】 前記拡張期特定手段は、 検出した極小点のうち、値が最小の極小点となる点を心
    臓の大動脈弁解放に相当する極小点とする一方、当該最
    小極小点から数えて第3番目に現れる極小点を心臓の大
    動脈弁閉鎖に相当する点とすることを特徴とする請求項
    2記載の心機能診断装置。
  5. 【請求項5】 前記評価手段は、 典型的な心機能状態に対応する解析結果とそれに対応す
    る診断内容とを予め記憶する記憶手段と、 前記解析手段による解析結果に対応する診断内容を前記
    記憶手段から読み出す読出手段とを備えることを特徴と
    する請求項1記載の心機能診断装置。
  6. 【請求項6】 前記脈波検出手段により検出された脈波
    波形から拍数を算出する拍数算出手段を有し、 前記評価手段は、前記解析手段による解析結果とともに
    前記拍数算出手段による拍数に基づいて、当該生体の心
    機能状態を評価することを特徴とする請求項1記載の心
    機能診断装置。
  7. 【請求項7】 前記拍数検出手段は、 前記拡張期特定手段により特定された拡張期の期間から
    拍数を求めることを特徴とする請求項6記載の心機能診
    断装置。
  8. 【請求項8】 前記拍数算出手段は、予め記憶しておい
    た拡張期の期間と拍数との関係から、対応する拍数を求
    めることを特徴とする請求項7記載の心機能診断装置。
  9. 【請求項9】 前記評価手段による評価結果を告知する
    告知手段を有することを特徴とする請求項1ないし8い
    ずれか記載の心機能診断装置。
  10. 【請求項10】 前記解析手段は、 前記拡張期特定手段により特定された拡張期に相当する
    脈波波形を解析して、当該波形を規定する指標を算出
    し、 前記評価手段は、当該指標により当該生体の心機能状態
    を評価することを特徴とする請求項1記載の心機能診断
    装置。
  11. 【請求項11】 前記解析手段が解析する波形は、動脈
    系の特性で定まる波形であることを特徴とする請求項1
    0記載の心機能診断装置。
  12. 【請求項12】 前記解析手段は、 前記指標として、前記拡張期特定手段により特定された
    拡張期に相当する脈波波形の起伏の有無あるいは起伏の
    大きさを用い、 前記評価手段は、当該起伏の有無あるいは起伏の大きさ
    により、当該生体の心機能状態を評価することを特徴と
    する請求項10記載の心機能診断装置。
  13. 【請求項13】 前記解析手段は、 少なくとも1周期分以上における脈波波形の極大値ある
    いは極小値のうち、値の大きさが最小の極大値と値の大
    きさが下から2番目の極小値とが存在するか否かにより
    前記起伏の有無を判別し、あるいは、両者の差により前
    記起伏の大きさを判別することを特徴とする請求項12
    記載の心機能診断装置。
  14. 【請求項14】 前記解析手段は、 少なくとも1周期分以上の脈波波形の極小点あるいは極
    大点のうち、当該脈波波形において心臓の大動脈弁閉鎖
    に相当する極小点と、当該極小点直後に現れる極大点と
    が存在するか否かにより前記起伏の有無を判別し、ある
    いは、当該極小点の血圧値と当該極大点の血圧値との差
    により、前記起伏の大きさを判別することを特徴とする
    請求項12記載の心機能診断装置。
  15. 【請求項15】 前記解析手段は、さらに前記起伏の大
    きさに対応して脈波波形の歪率を求める歪率算出手段を
    備え、 前記評価手段は、前記歪率算出手段により求められた脈
    波波形の歪率により当該生体の心機能状態を評価するこ
    とを特徴とする請求項12記載の心機能診断装置。
  16. 【請求項16】 前記歪率算出手段は、 前記差に対応する歪率を、予め記憶しておいた差と歪率
    との関係から求めることを特徴とする請求項15記載の
    心機能診断装置。
  17. 【請求項17】 前記指標の変化率を算出する変化率算
    出手段を有し、 前記評価手段は、前記変化率算出手段により算出された
    変化率に対応して当該生体の心機能状態を評価すること
    を特徴とする請求項10記載の心機能診断装置。
  18. 【請求項18】 前記評価手段は、予め変化率を値の大
    きさに応じて複数段階に分類するとともに、各段階毎に
    評価内容をそれぞれ対応させておく一方、前記変化率算
    出手段により算出された変化率の属する段階に対応する
    評価内容を、当該生体の心機能状態として評価すること
    を特徴とする請求項17記載の心機能診断装置。
  19. 【請求項19】 前記指標に関する時間的推移を作成す
    る手段を有することを特徴とする請求項10記載の心機
    能診断装置。
  20. 【請求項20】 前記生体の体動を示す体動波形を検出
    する体動検出手段と、 前記体動波形から前記脈波波形に存する体動成分を生成
    するとともに、当該脈波波形から当該体動成分を除去し
    て、前記解析手段に供給する体動成分除去手段とを備え
    ることを特徴とする請求項10記載の心機能診断装置。
  21. 【請求項21】 前記解析手段は、 前記脈波検出手段により検出された脈波波形のうち、前
    記拡張期特定手段により特定された拡張期に相当する波
    形の一部あるいは全部を解析する周波数解析する周波数
    解析手段であり、 前記評価手段は、当該周波数解析結果に基づいて、当該
    生体の心機能状態を評価することを特徴とする請求項1
    記載の心機能診断装置。
  22. 【請求項22】 前記周波数解析手段は、 前記脈波検出手段により検出された脈波波形のうち、前
    記拡張期特定手段により特定された拡張期に相当する波
    形の一部あるいは全部をウェーブレット変換して周波数
    領域毎の解析データを生成し、 前記評価手段は、前記解析データに基づいて、当該生体
    の心機能状態を評価することを特徴とする請求項21記
    載の心機能診断装置。
  23. 【請求項23】 前記生体の体動を示す体動波形を検出
    する体動検出手段と、 前記体動波形から前記脈波波形に存する体動成分を生成
    して、当該脈波波形から当該体動成分を除去する体動成
    分除去手段とを備え、前記周波数解析手段は、前記体動
    成分除去手段により体動成分が除去された脈波波形に対
    しウェーブレット変換することを特徴とする請求項22
    記載の心機能診断装置。
  24. 【請求項24】 前記解析データに対し、周波数あたり
    のパワーを正規化する正規化手段を備え、 前記評価手段は、前記正規化手段によって正規化された
    解析データに基づいて、当該生体の心機能状態を評価す
    ることを特徴とする請求項22記載の心機能診断装置。
  25. 【請求項25】 前記周波数解析手段は、 前記脈波検出手段により検出された脈波波形のうち、前
    記拡張期特定手段により特定された拡張期に相当する波
    形の一部あるいは全部を抽出するための関数を生成する
    関数生成手段と、 前記脈波検出手段により検出された脈波波形と、前記関
    数生成手段により生成された関数とを乗算する乗算手段
    と、 前記乗算手段による乗算結果に対して級数展開する処理
    手段とを備えることを特徴とする請求項21記載の心機
    能診断装置。
  26. 【請求項26】 前記生体の体動を示す体動波形を検出
    する体動検出手段と、 前記体動波形から前記脈波波形に存する体動成分を生成
    して、当該脈波波形から当該体動成分を除去する体動成
    分除去手段とを備え、前記乗算手段は、前記体動成分除
    去手段により体動成分が除去された脈波波形に対し関数
    を乗算することを特徴とする請求項25記載の心機能診
    断装置。
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