JPH1110295A - 連続鋳造方法 - Google Patents
連続鋳造方法Info
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Abstract
質の改善。 【解決手段】鋳型長辺1A外側の上段U、中段Mおよび下段
Lに静磁場を印加しながら溶融金属を注入しながら凝固
させる連続鋳造方法であって、鋳型1内の溶融金属に非
定常流れが発生したとき、これを検出し、上段および中
段に印加方向が等しく磁場強度を1500〜3000ガウスの静
磁場を印加し、かつ下段には上段および中段の磁場強度
の小さい方の0.3倍から0.7倍までの静磁場を印加する非
定常流れ発生時における連続鋳造方法、さらに、下段へ
の磁場印加方向を上段および中段と反対方向にするのが
望ましい。
Description
溶融金属の非定常流れによるメニスカス湯面の変動を沈
静化させ、鋳造の高速化と鋳片の品質の改善を可能にす
る導電性溶融金属の連続鋳造方法に関する。
いて溶融金属(以下、これを「溶鋼」というときもあ
る)を鋳型内に注入し、連続的に凝固させて鋳片を得る
方法である。浸漬ノズルは鋳型の中心位置に設けられ、
金属板を得る断面長方形の鋳片(スラブ)では、鋳型長
手方向に均一に溶融金属を注入するため、浸漬ノズルの
吐出孔は鋳型断面の長辺に平行な方向に向けて左右に設
けられている。
金属介在物や地金が付着(ノズル閉塞)して鋳型内の溶
融金属の流れが、ノズル位置の左右で異なる非定常流れ
(以下、これを単に「片流れ」という)が発生すること
がある。
模式図である。浸漬ノズル2から鋳型短辺側壁1Bに向け
て溶融金属を注入すると、吐出流15が発生する。この吐
出流が鋳型短辺側壁に突き当たると、反転して二次上昇
流16と二次下降流18とを生ずる。しかし、左右の吐出量
が異なり、図示するように左側のノズル吐出孔が付着物
19によって閉塞すると溶融金属の流れが左右で対称にな
らず、特に二次上昇流の不均一はメニスカス流17に変動
を与え、メニスカス部の湯面を波打ちさせる。
激しくなり、溶融パウダー11または浸漬ノズルの付着物
が剥離して不純物となり、メニスカス7直下で巻き込ま
れて鋳型壁面近傍で凝固シェル8に捕捉され、鋳片表皮
下欠陥の原因となる。そして冷延鋼板となったとき、た
とえばスリバー疵、ヘゲ疵、ピンホールなどの表皮欠陥
の発生原因となる。
なったときに起こるので、これを防止するのはスライデ
ィングゲートでの注入量の調整では困難であり、従来、
鋳造速度を低下させ、溶鋼流動のバランスを安定させる
方法が採られてきた。しかし、鋳造速度を低下させるこ
とは、生産性の低下につながり好ましくない。
で、ノズル閉塞を防止する技術が提案されている。たと
えば、特開平6-179056号公報には、ノズル内部の耐火物
材質をNa2O−低SiO2系として低融点化することによって
付着した不純物を洗い流すようにした浸漬ノズルが提案
されている。
の連続鋳造に際し、ノズル閉塞により鋳型内の溶融金属
に片流れが発生したときでも、メニスカス部の湯面を安
定させ、ブレークアウトを発生させることなく、かつ表
面欠陥がなく内質の良好な鋳片を製造することができる
連続鋳造方法を提供することにある。
溶鋼に片流れが発生したときでも、メニスカス部の湯面
を安定させる方法について研究を行い、鋳型長辺の両側
壁外面の上段、中段および下段に、各段で鋳片の引き抜
き方向から見てコの字形の磁石を異極が対向するように
設けた鋳造装置を用い、各段の静磁場強度を設定する連
続鋳造方法を用いると、湯面が安定することを見いだ
し、本発明を完成した。本発明の要旨は、下記の連続鋳
造方法にある。
中段Mおよび下段Lに静磁場を印加し、溶融金属を注入し
ながら凝固させる連続鋳造方法であって、鋳型1内の溶
融金属に非定常流れ(片流れ)が発生したとき、これを
検知し、上段および中段に等しい方向の磁場を印加し、
下段には上段および中段の小さい方の磁場強度の0.3倍
から0.7倍までの磁場を印加する連続鋳造方法(図1参
照)。
る磁場方向と反対方向の磁場を印加するのが望ましい。
の吐出流路を含まない上方部分、 中段:浸漬ノズルからの吐出流路を含む中間部分、 下段:浸漬ノズルからの吐出流路を含まない下方部分。
いときの浸漬ノズルから吐出された溶融金属が鋳型短辺
の側壁に衝突するまでの流路である。また、片流れの検
知には、渦流式レベル計を使用することができる。
用いた装置の斜視図である。また、図2は、図1のX-X
で示す断面を鋳型の短辺側から見た縦断面図である。
面の上段U、中段Mおよび下段Lの3段に鋳込み方向から
見てコの字形の鉄心3Bを配置し、鉄心の平行部3Cにコイ
ル3Aを巻回し、図2に示すように可変抵抗器4を介して
直流電源5を接続する。鋳片1の短辺を挟んで相対する磁
極3Dの極性を反対にして、鋳型1の短辺1B方向に磁場を
形成させる。それぞれのコイル3Aに供給する電流の大き
さ、または方向を変えることによって、磁場強度または
磁場分布を変えることができる。
通常の鋳造状態に基づいて定められる。即ち、前述の図
4に破線で示すように、吐出流15が斜め下方に進行し、
鋳型短辺側1Bの側壁に衝突するまでの流路を「吐出流路
15B」と定義し、中段Mは、この吐出流路15Bの少なくと
も一部を含む位置に設定する。上段Uは、吐出流路15Bを
含まず、それよりも上方にあり、かつ鋳型内溶融金属6
のメニスカス7を含む領域、すなわちメニスカス流17を
含む領域である。下段Lは、吐出流路15Bを含まず、上記
中段Mより下方の領域である。
磁場強度を変化させて湯面を安定化させた状態を示す鋳
型短辺中心縦断面図である。
金属6に片流れが発生したとき、図1に示す磁場印加装
置を用いて上段Uと中段Mの磁場の印加方向を等しくし、
図3に示すように吐出量の多い片方の吐出流15にブレー
キをかけてメニスカス7を安定させること、および下段L
に印加する静磁場強度を上段および中段よりも小さくし
て二次下降流18に対する二次上昇流16の割合を小さくす
ることにある。吐出量の多い片方の吐出流は、吐出量の
少ない方の吐出流よりも流速が高いので、同じ磁場強度
であっても流速の高い方が抑制力が大きくなる。これに
より、メニスカスでのパウダーの巻き込みや、浸漬ノズ
ル内に付着した不純物が剥離してもパウダーに捕捉さ
れ、鋳型内に巻き込まれることがなく、鋳片の表皮下欠
陥および内質欠陥の発生を防止することができる。
は、磁力線分布と磁場強度分布を示す図であり、(a)は
全ての段の印加方向を等しくし、下段の磁場強度を小さ
くした場合、(b)は下段の磁場強度を小さくし、かつ印
加方向を反対にした場合、(c)は上段と中段への印加方
向を反対にした場合を示す図である。
の磁場印加は、同方向に印加することによって二次上昇
流の抑制効果を高め、メニスカス部湯面変動を抑制する
ことができる。さらに、同図(b)に示すように、中段と
下段との間に磁場強度がゼロになる領域が存在すると、
二次上昇流の抑制効果を高め、メニスカス部湯面変動を
抑制することができる。しかし、同図(c)に示すように
上段と中段で反対方向に印加すると上段と中段との間で
磁束密度がゼロとなる領域が存在し、湯面変動を抑制で
きなくなる。
長辺1600mm、短辺270mm、高さ900mmの場合に、上段、中
段のそれぞれで静磁場強度が1500ガウス未満ではその効
果がなく、3000ガウスを超えると二次上昇流が過剰に抑
制されるため、メニスカスへの熱の供給が不足し、温度
低下によるパウダーの不純物捕捉能力が低下する。な
お、上段と中段は、同じ磁場強度でなくともよい。
加は、二次下降流の抑制を調整して鋳片の内部欠陥の発
生を低減させる効果がある。そして下段への磁場印加強
度は、上段および中段への磁場印加強度に応じて調整す
る。下段への磁場印加強度は、上段および中段への磁場
印加強度の小さい方の0.3倍未満では鋳片の内部欠陥が
増加する。また、0.7倍を超えると内部欠陥は減少する
が鋳片表面性状(表皮下介在物)が悪化する。したがっ
て、下段への磁場印加強度は、上段および中段への磁場
印加強度の小さい方の0.3倍から0.7倍までの範囲とし
た。
した場合、各段に静磁場を印加したときの鋳型内溶融金
属の流れは次のようになる。
磁場を印加することにより、中段磁極中心線13の位置で
吐出流15の垂直方向成分の流速にブレーキがかかり抑制
され、静磁場強度が低い領域に沿って吐出抑制流15Aが
ほぼ水平方向に生ずる。このとき、左右の吐出流速に差
があり、流速の高いほど磁場印加による抑制力が大きく
なるので、左右の吐出抑制流の流速が等しくなる。浸漬
ノズルの閉塞度合いに応じて中段の静磁場強度を調整す
ると、鋳型短辺側壁1Bに衝突する吐出抑制流15Aの流速
をノズルの左右で安定化させ、メニスカス近傍の凝固シ
ェル8や溶融パウダー11に熱を供給する二次上昇流16が
安定化する。なお、浸漬ノズルの閉塞度合いは、前述し
た片流れの検出方法と同じ方法で検出することができ
る。
則となっていたメニスカス温度の変化が抑制され、安定
した凝固シェルの成長、溶融パウダー11の安定した非金
属介在物(不純物)吸収能の確保ができる。二次上昇流
16は、ほぼ垂直上方に上昇し、静磁場強度が調整された
上段磁極中心線12の位置で、流速が適度に抑制される。
そして、二次上昇抑制流16Aはメニスカス近傍で水平方
向に転じて流速変動のない弱いメニスカス流17を生ず
る。これにより、片流れにより不規則となった吐出流を
安定化させ、湯面変動が抑制され、溶融パウダー11の巻
き込みを防止することができる。
しては、上段および中段へ同一方向に磁場を印加するこ
とにより、二次上昇流抑制効果を高め、鋳型内メニスカ
ス部湯面変動を効果的に抑制することが可能となる。
反転して生ずる二次下降流18は、垂直方向に下降し、中
段磁極中心線13の位置で弱い二次下降抑制流18Aを生じ
る。この抑制流は、静磁場強度が調整された下段磁極中
心線14の位置で失速する。これにより、二次下降流18に
随伴して下降する非金属介在物(不純物)や気泡が鋳片
9の内部に侵入し、浮上しないまま捕捉されるのを防止
する。
それよりも小さく設定することにより鋳型内溶融金属の
流動制御を行い、鋳片内部欠陥を抑制することが可能と
なる。
造中に発生する溶融金属の片流れ発生時に鋳造速度を落
とすことなく、鋳型内の溶融金属に所定の流れを形成す
ることにより、表面性状、内質が良好な鋳片を製造する
ことができる。
さ 900 mm の水冷銅鋳型を備えた図1に示すスラブ連続
鋳造機を用い、上段と下段にそれぞれ2200ガウス、中段
に3000ガウスの磁場を印加し、低炭素アルミキルド鋼を
スループット6.7トン/分の条件で鋳造試験を行った。
鋳造中に片流れの発生を渦流式湯面レベル計によって検
知し、上段、中段および下段の静磁場強度を表1に示す
ように変化させた。
積)×(鋳片引き抜き速度)×(比重)によって計算さ
れる溶融金属量である。
び中段への磁場印加方向を等しくし、磁場強度を1500〜
3000ガウスの範囲内に変えて印加した。下段への磁場印
加強度は、上段および中段の0.3倍から0.67倍までの範
囲の磁場を印加した。
は中段に反対方向の磁場を印加した。比較例2のチャー
ジ10および11は、上段に1000ガウスまたは3500ガウス
(本発明で定める範囲外の磁場強度)を印加した。比較
例3のチャージ12および13は、下段の磁場強度が上段お
よび中段の0.25倍または1.0倍の磁場を印加した場合
で、いずれも上段および中段との磁場強度割合が、本発
明で定める範囲外とした場合である。
って測定し、チャージNo.13を基準値1とし、その相対
値で示し、その値が1.0よりも小さい方が良好である。
20μm以上の介在物個数を計量し、チャージNo.13を基
準値1とし、その相対値で示し、その値が1.0よりも小
さい方が良好である。
の領域について、顕微鏡により鋳片内の20μm以上の介
在物個数を計量し、チャージNo.13を基準値1とし、そ
の相対値で示し、その値が1.0よりも小さい方が良好で
ある。
指数が0.6〜0.9の範囲、鋳片内介在物指数が0.7〜1.0の
範囲、表面性状指数が0.6〜0.9の範囲にあり良好であ
る。また、チャージNo.2、4および7に示すように下段の
磁場印加方向を反対にした場合でも良好である。図5(b)
に示すように磁場を中段と下段で反対方向に印加する
と、中段と下段との間で磁束密度がゼロとなり、二次下
降流の抑制を低減し、鋳片内介在物指数が僅かに増加す
る傾向がみられた。これらの発明例のなかでは、チャー
ジNo.7が最も改善されているといえる。
び9は、上段と中段の磁場印加方向をそれぞれ反対にし
ているため、湯面変動指数がいずれも1.3と大きく、表
面清浄指数も1.2と高く悪化している。これは図5(c)に
示すように、上段と中段の磁場印加方向を反対にする
と、上段と中段の間で磁束密度がゼロとなる領域が存在
する。そのため、上段と中段の間で溶鋼の流速が抑制で
きない領域が存在し、上段に2000ガウスの静磁場を印可
しても湯面変動を抑制できないと考えられる。
0ガウスの磁場を印加したので磁場が小さく、湯面変動
指数が1.1、鋳片内介在物指数が1.1および表面性状指数
が1.1といずれも大きく、悪化している。チャージNo.11
では、上段に3500ガウスの磁場を印加したので磁場強度
が大きく、湯面変動指数が0.8、鋳片内介在物指数が0.9
と良好であるが、二次上昇流が過大に抑制されるためメ
ニスカス部への熱供給が不十分となり表面清浄指数が1.
1と悪化している。
段および中段の0.25倍(500ガウス)の磁場強度を印加
したので湯面変動指数は0.9、表面清浄指数が0.9と良好
であるが、二次下降流の抑制が不十分なため、鋳片内介
在物指数が1.2と悪化した。チャージNo.13は、下段の磁
場強度が上段と同じ(1.0倍、2200ガウス)とし、中段
を3000ガウスとしたため、下降流の抑制が強くなり、湯
面変動を大きくしたものと考えられる。
型内の溶融金属に片流れが発生した場合、上段、中段お
よび下段に配置した磁場印加装置によって、それぞれの
磁場印加強度を調整することにより、メニスカス湯面を
沈静化させ、鋳片の表面欠陥や内部欠陥の発生を低減す
ることができる。また、片流れが発生しても鋳造速度を
低下させる必要がないので、生産性が向上する。本発明
は、普通鋼の鋳造のみならず、ステンレス鋼や銅のよう
な非鉄金属の連続鋳造にも適用することができる。
ある。
縦断面図である。
化させて湯面を安定化させた状態を示す鋳型短辺中心縦
断面図である。
る。
(a)は全ての段の印加方向を等しくし、下段の磁場強度
を小さくした場合、(b)は下段の磁場強度を小さくし、
かつ印加方向を反対にした場合、(c)は上段と中段への
印加方向を反対にした場合を示す図である。
流 16:二次上昇流 16A:二次上昇抑制流 17:メニスカス流 18:二次下降流 18A:二次下降抑制流 19.付着物
Claims (2)
- 【請求項1】鋳型長辺外側の下記に示す上段、中段およ
び下段に静磁場を印加し、溶融金属を注入しながら凝固
させる連続鋳造方法であって、鋳型内の溶融金属に非定
常流れが発生したとき、これを検知し、上段および中段
には等しい方向の磁場を印加し、下段には上段および中
段の小さい方の磁場強度の0.3倍から0.7倍までの範囲の
磁場を印加することを特徴とする連続鋳造方法。 上段:メニスカスを含み、浸漬ノズルからの吐出流路を
含まない上方部分、 中段:浸漬ノズルからの吐出流路を含む中間部分、 下段:浸漬ノズルからの吐出流路を含まない下方部分。 ここで、吐出流路とは、静磁場を印加しないときの浸漬
ノズルから吐出された溶融金属が鋳型短辺の側壁に衝突
するまでの流路である。 - 【請求項2】上記下段には、上段および中段への磁場印
加方向と反対方向の磁場を印加することを特徴とする請
求項1に記載の連続鋳造方法。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP17233897A JP3147824B2 (ja) | 1997-06-27 | 1997-06-27 | 連続鋳造方法 |
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JP17233897A JP3147824B2 (ja) | 1997-06-27 | 1997-06-27 | 連続鋳造方法 |
Publications (2)
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---|---|
JPH1110295A true JPH1110295A (ja) | 1999-01-19 |
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Family Applications (1)
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