JPH11101791A - アルデヒド類の分析方法 - Google Patents

アルデヒド類の分析方法

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JPH11101791A
JPH11101791A JP10219723A JP21972398A JPH11101791A JP H11101791 A JPH11101791 A JP H11101791A JP 10219723 A JP10219723 A JP 10219723A JP 21972398 A JP21972398 A JP 21972398A JP H11101791 A JPH11101791 A JP H11101791A
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JP
Japan
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dnph
filler
alkyl group
sample
aldehyde
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JP10219723A
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English (en)
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Masami Fukumoto
昌巳 福本
Kimiko Yoshida
貴三子 吉田
Mamoru Kubota
守 久保田
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Fujifilm Wako Pure Chemical Corp
Original Assignee
Wako Pure Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】高速液体クロマトグラフィー(HPLC)によ
る2,4―ジニトロフェニルヒドラジン(DNPH)―ア
ルデヒド類の分析方法、特にDNPH―n−ブチルアル
デヒドとDNPH―イソブチルアルデヒドの分離分析方
法の提供。 【解決手段】炭素数22以上のアルキル基が導入された
充填剤を用いて、HPLCにより分析を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、炭素数22以上の
アルキル基が導入された充填剤を用いる、高速液体クロ
マトグラフィー(以下、HPLCと略記する。)による
2,4-ジニトロフェニルヒドラジン(DNPH)で誘導体
化されたアルデヒド類(以下、DNPH−アルデヒド類
と略記する。)の分析方法、特にDNPH−n―ブチル
アルデヒドとDNPH−イソブチルアルデヒドの分離分
析方法に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車の排気ガス中等に含まれ悪臭の原
因となっているアルデヒド(アセトアルデヒド、プロピ
オンアルデヒド、n−ブチルアルデヒド、イソブチルア
ルデヒド、n−バレルアルデヒド、イソバレルアルデヒ
ド)6種は、我が国の悪臭防止法の悪臭物質に指定され
ており、その分析方法としては、例えば衛生試験法に規
定されたガスクロマトグラフィー(以下、GCと略記す
る。)による分析方法がある(「衛生試験法・注解199
0,付.追補(1995)」,1856〜1860頁,日本薬学会編,1990年
版第4刷,金原出版(株),平成7年12月30日発行)。GC
による分析方法は、試料のアルデヒドをDNPHで誘導
体化した後にGCにより分析する方法である。上記の衛
生試験法におけるGCによる分析では、DNPHで被覆
した粒状オクタデシルシリル化シリカゲル又は同等以上
の性能を有する捕集剤を充填した試料捕集管を用いて、
捕集管に試料を通すことによりアルデヒド類の捕集およ
びDNPH誘導体化を行い、これをアセトニトリルで溶
出する。しかしながら、GCにより分析するためには、
このようにして得られた試料に、検出器保護のための強
カチオン交換樹脂による未反応DNPH除去処理及び、
アセトニトリル除去処理を行い、更には得られた残渣を
酢酸エチルに溶解する必要があるため、操作が大変煩雑
であるという問題点を有している。
【0003】一方、アルデヒド類を測定する方法として
は、別にHPLCによる方法が知られている。HPLC
で上記悪臭物質の分析を行う場合には、未反応のDNP
Hは保持時間が短くフロントに目的物質と分離して溶出
されるので、GC分析のようにサンプルから除去する必
要がなく、更にサンプルはアセトニトリル溶液のまま注
入分析が可能で、また、汎用の紫外(UV)検出器で検
出できるので、GCに比較して操作が簡便であるという
利点を有している。しかし、現在行われているシリカゲ
ル表面にオクタデシル基(C18H37)を結合した充填剤
を用いるHPLCによるアルデヒド分析は、DNPH−
n−ブチルアルデヒドとDNPH−イソブチルアルデヒ
ドの分離が不可能であるという問題点を有している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記した如き
状況に鑑みなされたもので、炭素数22以上のアルキル
基が導入された充填剤を用いることを特徴とする、HP
LCによるDNPH―アルデヒド類の分析方法、特にD
NPH―n−ブチルアルデヒドとDNPH―イソブチル
アルデヒドの分離分析方法を提供することを目的とす
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、炭素数22以
上のアルキル基が導入された充填剤を用いることを特徴
とする、HPLCによるDNPHで誘導体化されたアル
デヒド類の分析方法の発明である。また、本発明は炭素
数22以上のアルキル基が導入された充填剤を用いるこ
とを特徴とする、HPLCによるDNPH−n−ブチル
アルデヒドとDNPH−イソブチルアルデヒドの分離分
析方法の発明である。即ち、本発明者らは多種類のアル
デヒド類の内、従来HPLCによる分析では分離分析が
不可能であったDNPH−n−ブチルアルデヒドとDN
PH−イソブチルアルデヒドの2成分を簡便、迅速に分
析する方法を開発すべく鋭意研究の結果、充填剤として
炭素数22以上のアルキル基が導入された充填剤を用い
れば、上記2成分を分離分析することができることを見
いだし、本発明を完成するに至った。
【0006】本発明に係る充填剤の基材に導入させるア
ルキル基としては、炭素数22以上のものであれば直鎖
状のものでも分枝状のものでもよいが、原料入手の容易
さや、得られた充填剤の定量性の面などを考慮すると、
好ましくは炭素数22以上の直鎖状のアルキル基、より
好ましくは炭素数22〜30程度の直鎖状のアルキル
基、更に好ましくは炭素数30の直鎖状のアルキル基が
挙げられる。
【0007】本発明に係る充填剤の基材としては、HP
LCに於いて一般に用いられる充填剤であれば特に限定
されることなく用いられるが、例えば有機系基材や無機
系基材が挙げられ、有機系基材としては、例えばアルキ
ル化ポリビニルアルコール系樹脂、例えばメタクリル酸
エステル系樹脂等の合成樹脂系基材が挙げられる。ま
た、無機系基材としてはシリカ系基材、又はアルミナ系
基材等が挙げられる。尚、グラジェント溶出によるHP
LC分析を行う場合には、耐圧性等の点を考慮すると、
例えばシリカゲル等のシリカ系基材が好ましく挙げられ
る。
【0008】本発明に係る充填剤としては、上記した如
き基材に、炭素数22以上のアルキル基が導入されたも
のであれば何れのものも用いることができる。本発明に
係る炭素数22以上のアルキル基が導入された充填剤
は、市販されているものを用いてもよいし、上記した如
き適当な基材に炭素数22以上のアルキル基を例えば化
学結合による方法、被覆等の物理的吸着による方法等に
より導入させたものを用いてもよい。また、本発明に係
る充填剤には、いわゆるモノメリックタイプのものやポ
リメリックタイプのもの(例えば"ADVANCES IN CHROMAT
OGRAPHY",25,J.Calvin Giddings et al.,139-218,1986
等)が含まれるが、分離効率の点を考慮すると、ポリメ
リックタイプのものが好ましく用いられる。中でも耐圧
性、耐久性に優れたシリカゲルを基材に用い、これに炭
素数22以上のアルキル基をもつシラン化合物、より好
ましくは炭素数30前後のアルキル基をもつシラン化合
物を非プロトン性有機溶媒中、水の共存下で反応させて
得られるポリメリックタイプの充填剤が好ましい。
【0009】基材に炭素数22以上のアルキル基を導入
させる方法を、シリカゲルを基材として用いた場合を例
に挙げて説明すると、以下の如くなる。即ち、例えば、
粒子径:3〜10μm、好ましくは4〜7μm、比表面
積:200〜700m2/g、好ましくは300〜550m2
/g、細孔容量:0.6〜1.4ml/g、好ましくは0.8〜
1.2ml/g、細孔直径:50〜300オングストロー
ム、好ましくは80〜150オングストロームの物性値
を有するシリカゲルを、例えばトルエン等の非プロトン
性有機溶媒中、要すれば水共存下で、シリカゲル中の反
応可能部位の0.5倍当量以上、好ましくは0.5〜5.
0倍当量、より好ましくは0.5〜3.0倍当量の、例え
ばドコシルジメチルクロロシラン、トリアコンチルジメ
チルクロロシラン等の一反応性アルキルシラン類、例え
ばドコシルメチルジクロロシラン、トリアコンチルメチ
ルジクロロシラン等の二反応性アルキルシラン類、例え
ばドコシルトリクロロシラン、トリアコンチルトリクロ
ロシラン等の三反応性アルキルシラン類等と共に、6〜
10時間、加熱若しくは還流下で、撹拌下に反応させれ
ば良い。反応後、生成物を濾取し、有機溶媒、水等で適
宜洗浄し、乾燥する等、常法により後処理を行えば目的
物が容易に得られる。
【0010】上記の反応に於いて、無水条件下でシリカ
ゲルと、一反応性、二反応性、三反応性アルキルシラン
類とを反応させると、シリカゲル表面にアルキルシリル
基の単一層を形成させたモノメリックタイプの充填剤が
得られるし、水存在下で、シリカゲルと、二反応性、三
反応性アルキルシラン類とを反応させると、シリカゲル
表面にシロキサン結合を介したアルキルシリル基の多重
層を形成したポリメリックタイプの充填剤が得られ
る("ADVANCES IN CHROMATOGRAPHY",25,J.Calvin Giddi
ngs et al.,139-218,1986等)。また、このようにして
得られるポリメリックタイプの充填剤の中でも、三反応
性アルキルシラン類を用いて得られるものが特に好まし
い。尚、シリカゲル以外の基材を用いて本発明にかかる
充填剤を調製する場合も、上記の方法に準じて行えばよ
く、また、その際には、基材の種類に応じて、上記した
如きアルキルシラン類の代わりに炭素数22以上のアル
キル基を持つハロゲン化物、酸、アルコール、アミド類
等を適宜用いればよい。
【0011】本発明のDNPH−アルデヒド類の分析方
法としては、充填剤として炭素数22以上のアルキル基
が導入された充填剤を用いる以外は、例えば「衛生試験
法・注解1990,付.追補(1995)」,1404〜1406頁,日本薬学
会編,1990年版第4刷,金原出版(株),(平成7年12月30日
発行)等に記載された公知のHPLCを用いる方法に準
じて行えば良い。
【0012】本発明に於いて、試料の採取方法として
は、例えば「衛生試験法・注解1990,付.追補(1995)」,1
858頁,日本薬学会編,1990年版第4刷,金原出版(株),(平
成7年12月30日発行)等に記載された公知の試料の採取
方法等に従い、行えばよい。例えば、未使用の試料捕集
剤を充填した試料捕集管の両端のキャップをはずし、吸
引ポンプおよびガスメーターを直列に接続して、捕集剤
による乾式採取法により1L/min程度の流速で屋外大
気30L程度を吸引して、試料を試料捕集管に捕集す
る。捕集後、試料をアセトニトリル抽出処理し、得られ
たアセトニトリル抽出液を実試料とする。
【0013】本発明に於いて、アルデヒド類はDNPH
で誘導体化された後、HPLCによる分析に供される。
その誘導体化の方法としては、例えば「衛生試験法・注
解1990,付.追補(1995)」,1404〜1406頁,日本薬学会編,1
990年版第4刷,金原出版(株),平成7年12月30日発行に
記載されたHPLCを用いる方法(1406頁)や、「分析
化学」,vol.46,No.1,p.31〜36(1977)等に記載された方
法に従って行えばよい。
【0014】HPLC分析に用いられる溶離液として
は、例えばメタノール、アセトニトリル等の有機溶媒を
50〜100%含有するものが用いられる。また、該溶
離液中に塩を共存させるとより分離能が高くなるので好
ましい。塩は、例えば緩衝剤を用いても良い。この場合
に用いられる緩衝剤としては、例えばリン酸塩、酢酸
塩、ぎ酸塩、クエン酸塩等の一般的な緩衝剤が使用でき
る。また、塩濃度は、HPLCに於いて普通に用いられ
る、5〜200mMの範囲で用いればよい。また、溶離液
のpHは、低いpHではピーク形状に異常を起こしやすい
(リーディング、テーリング等)ため、pH6〜8の中
性域が適当である。溶出方法としてはアイソクラテック
溶出、グラジエント溶出のいずれの方法でも良い。HP
LCによる溶出時の流速は、通常0.3〜2.0ml/min、
好ましくは0.5〜1.3ml/min、カラム温度は、通常2
0〜60℃、好ましくは30〜40℃である。
【0015】本発明の分析方法は、例えば以下の如くし
て実施することができる。即ち、例えば本発明に係る炭
素数22以上のアルキル基が導入された充填剤を充填し
た分析カラムをHPLC装置に装着し移動相で平衡化し
た後、DNPH−アルデヒド類のサンプルを注入し、上
記した如き溶離液を用いて流速0.3〜2.0ml/min程
度、カラム温度20〜60℃の条件下アイソクラテック
またはグラジエント溶出を行えば、DNPH−n−ブチ
ルアルデヒドとDNPH−イソブチルアルデヒドとの分
離分析が可能となり、DNPH−アルデヒド類を簡便、
迅速に一斉分析することができる。以下に実施例を挙げ
て本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらによ
り何ら限定されるものではない。
【0016】
【実施例】
参考例1 (充填剤) (1)ポリメリックタイプのトリアコンチルシリルシリ
カゲル充填剤(充填剤A)の製造 シリカゲル(細孔径120オングストローム、平均粒子
径5μmの球状シリカゲル)15gにトルエン400ml
を加えて撹拌、加熱し、水−トルエン共沸混合物150
mlを留去、放冷後、水0.94mlを加えて1時間撹拌
後、一夜静置した。これにトリアコンチルトリクロロシ
ラン11.3gを加え、撹拌しながら7時間還流下に反
応させた。放冷後、生成物を濾取し、80℃のトルエン
200mlで洗浄した。続いてクロロホルム、メタノー
ル、水、メタノール、アセトンの順に洗浄を行い、乾燥
後、ポリメリックタイプのトリアコンチルシリルシリカ
ゲル20.0g(充填剤A)を得た。
【0017】(2)モノメリックタイプのトリアコンチ
ルシリルシリカゲル充填剤(充填剤B)の製造 シリカゲル(細孔径120オングストローム、平均粒子
径5μmの球状シリカゲル)15gにトルエン400ml
を加えて撹拌、加熱し、水−トルエン共沸混合物150
mlを留去、放冷後、一夜静置した。これにトリアコンチ
ルトリクロロシラン10.0gおよび乾燥ピリジン15m
lを加え、撹拌しながら7時間還流下に反応させた。放
冷後、生成物を充填剤Aと同様に後処理を行いモノメリ
ックタイプのトリアコンチルシリルシリカゲル19.0
g(充填剤B)を得た。
【0018】(3)モノメリックタイプのトリアコンチ
ルシリルシリカゲル充填剤(充填剤C)の製造 シリカゲル(細孔径120オングストローム、平均粒子
径5μmの球状シリカゲル)15gにトルエン400ml
を加えて撹拌、加熱し、水−トルエン共沸混合物150
mlを留去、放冷後、一夜静置した。これにトリアコンチ
ルジメチルクロロシラン9.3gおよび乾燥ピリジン1
5mlを加え、撹拌しながら7時間還流下に反応させた。
放冷後、生成物を充填剤Aと同様に後処理を行いモノメ
リックタイプのトリアコンチルシリルシリカゲル17.
4g(充填剤C)を得た。
【0019】(4)ポリメリックタイプのドコシルシリ
ルシリカゲル充填剤(充填剤D)の製造 シリカゲル(細孔径120オングストローム、平均粒子
径5μmの球状シリカゲル)15gにトルエン400ml
を加えて撹拌、加熱し、水−トルエン共沸混合物150
mlを留去、放冷後、水1.0mlを加えて1時間撹拌後、
一夜静置した。これにドコシルトリクロロシラン9.6
gを加え、撹拌しながら7時間還流下に反応させた。放
冷後、生成物を充填剤Aと同様に後処理を行いポリメリ
ックタイプのドコシルシリルシリカゲル22.7g(充
填剤D)を得た。
【0020】実施例1 (試料)アルデヒドおよびアセトンのDNPH誘導体標
準品(シク゛マアルト゛リッチシ゛ャハ゜ン(株)製)を用いて、アセトア
ルデヒド、プロピオンアルデヒド、アセトン、イソブチ
ルアルデヒド、n−ブチルアルデヒド、イソバレルアル
デヒド及びn−バレルアルデヒド相当で各0.75μg/ml
となるようにアセトニトリルに溶解したものを試料とし
た。 (操作法)参考例1で得られた充填剤A〜Dを4.6φ
×150mmのステンレスカラム((株)杉山商事製)に
湿式スラリー法により充填し、HPLC装置にセットし
て下記の分析条件により分析した。 分析条件 移動相:水/メタノール=30/70(V/V) 流速:1.0ml/min(ポンプ;880−PU 日本分光
(株)製) カラム温度:35℃(カラムオーブン;860−CO
日本分光(株)製) 検出:UV 360nm、0.016AUFS(検出
器;875−UV 日本分光(株)製) 試料注入量:10μl (結果)充填剤Aを用いて得られた結果を図1に、充填
剤Bを用いて得られた結果を図2に、充填剤Cを用いて
得られた結果を図3に、充填剤Dを用いて得られた結果
を図4に夫々示す。尚、図1〜4に於ける各ピーク番号
は夫々以下のアルデヒドおよびアセトンのDNPH誘導
体7成分を示す。 1:アセトアルデヒド、2:プロピオンアルデヒド、
3:アセトン、4:イソブチルアルデヒド、5:n−ブ
チルアルデヒド、6:イソバレルアルデヒド、7:n−
バレルアルデヒド。
【0021】比較例1 (充填剤)市販品のオクタデシルシリルシリカゲル充填
剤(カラムサイズ:4.6φ×150mm) (試料) 実施例1で用いたものと同じ。 (操作法) 実施例1の分析条件と同じ。 (結果) 得られた結果を図5に示す。 図5の結果と図1〜4の結果を比較すると、従来のC1
8シリカゲル充填剤を用いたHPLCを用いた場合(図
5)にはDNPH−イソブチルアルデヒド(4)とDN
PH−n−ブチルアルデヒド(5)のピークが分離せ
ず、この2成分を分離分析することができないが、充填
剤として本発明に係る炭素数22以上のアルキル基を結
合させた充填剤を用いた場合(図1〜4)には、DNP
H−イソブチルアルデヒド(4)とDNPH−n−ブチ
ルアルデヒド(5)が異なる保持時間で分離されて溶出
し、これら2成分の分離分析、及びDNPH−アルデヒ
ド類の一斉分析が可能であることが判る。
【0022】実施例2 (試料)各種アルデヒドおよびアセトンのDNPH誘導
体標準品16成分を各種アルデヒドおよびアセトン相当
で各0.75μg/mlとなるようにアセトニトリルに溶解
したものを試料とした。 (充填剤および操作法)参考例1(1)で得られた充填
剤Aを4.6φ×250mmのステンレスカラム((株)
杉山商事製)に湿式スラリー法により充填し、HPLC
装置にセットして下記の分析条件により分析した。 分析条件 移動相:A液;水/メタノール=30/70(V/V) B液;メタノール 0→15min、B:0%、15→35min、B:0
→100%、35→40min、B:100% 流速:1.0ml/min(ポンプA、B;880−PU 日
本分光(株)製) カラム温度:32℃(カラムオーブン;860−CO
日本分光(株)製) 検出:UV 360nm、0.016AUFS(検出
器;875−UV 日本分光(株)製) 試料注入量:10μl (結果)得られた結果を図6に示す。尚、図6に於ける
各ピーク番号は夫々以下のアルデヒドおよびアセトンの
DNPH誘導体16成分を示す。 1:ホルムアルデヒド、2:アセトアルデヒド、3:プ
ロピオンアルデヒド、4:アクロレイン、5:アセト
ン、6:イソブチルアルデヒド、7:n−ブチルアルデ
ヒド、8:クロトンアルデヒド、9:イソバレルアルデ
ヒド、10:n-バレルアルデヒド、11:ベンズアルデ
ヒド、12:n-ヘキシルアルデヒド、13:o−トルア
ルデヒド、14:m−トルアルデヒド、15:p−トルア
ルデヒド、16:2,5−ジメチルベンズアルデヒド。 図6の結果から、充填剤Aを分析カラムに用いた場合、
DNPH−イソブチルアルデヒド(6)とDNPH−n
−ブチルアルデヒド(7)が異なる保持時間で分離され
て溶出し、これら2成分の分離分析、及びDNPH−ア
ルデヒド類の一斉分析が可能であることが判る。
【0023】実施例3:緩衝液を用いない系(塩を添加
しない系) (試料) (1)実試料 速やかに未使用の試料捕集管(ウォーターズ社 Sep-Pak
DNPHーSilica)の両端のキャップをはずし、吸引ポンプお
よびガスメーターを直列に接続して1L/minの流速で
屋外大気30Lを吸引して、各種アルデヒドを捕集し
た。捕集後、試料捕集管をアセトニトリル抽出処理し、
得られたアセトニトリル抽出液を実試料とした。 (2)DNPH誘導体標準品試料 各種アルデヒドおよびアセトンのDNPH誘導体標準品
16成分を各種アルデヒドおよびアセトン相当で各0.75
μg/mlとなるようにアセトニトリルに溶解したものを
DNPH誘導体標準品試料とした。 (充填剤および操作法)参考例1(1)で得られた充填剤
Aを4.6φ×250mmのステンレスカラム((株)杉山商事製)
に湿式スラリー法により充填し、HPLC装置にセット
して下記の分析条件により分析した。 分析条件 移動相:A液;水/メタノール=30/70(V/V) B液;メタノール 0→16min、B:10%、16→35min、B:10→
90%、35→40min、B:90% 流速:0.6ml/min(ポンプA、B;LC-10AD (株)島津
製作所製) カラム温度:37℃(カラムオーブン;CTO-10A (株)島
津製作所製) 検出:UV 360nm、0.016AUFS(検出器;SPD-10A
(株)島津製作所製) 試料注入量:10μl (結果)DNPH誘導体標準品試料について得られた結
果を図7に、実試料について得られた結果を図8に夫々
示す。図7及び8に於ける各ピーク番号は夫々以下のア
ルデヒドおよびアセトンのDNPH誘導体16成分を示
す。 1:ホルムアルデヒド、2:アセトアルデヒド、3:プ
ロピオンアルデヒド、4:アクロレイン、5:アセト
ン、6:イソブチルアルデヒド、7:n−ブチルアルデ
ヒド、8:クロトンアルデヒド、9:イソバレルアルデ
ヒド、10:n-バレルアルデヒド、11:ベンズアルデ
ヒド、12:n-ヘキシルアルデヒド、13:o−トルア
ルデヒド、14:m−トルアルデヒド、15:p−トルア
ルデヒド、16:2,5−ジメチルベンズアルデヒド。
【0024】実施例4 (試料)実施例3で用いたDNPH誘導体標準品試料及
び実試料と同じものを用いた。 (充填剤および操作法)参考例1(1)で得られた充填剤
Aを4.6φ×250mmのステンレスカラム((株)杉山商事製)
に湿式スラリー法により充填し、HPLC装置にセット
して下記の分析条件により分析した。 分析条件 移動相:A液;20mM酢酸ナトリウム緩衝液(pH7.
5)=30/70(V/V) B液;メタノール 0→16min、B:10%、16→35min、B:10→
90%、35→40min、B:90% 流速:0.6ml/min(ポンプA、B;LC-10AD (株)島津
製作所製) カラム温度:37℃(カラムオーブン;CTO-10A (株)島
津製作所製) 検出:UV 360nm、0.016AUFS(検出器;SPD-10A
(株)島津製作所製) 試料注入量:10μl (結果)DNPH誘導体標準品試料について得られた結
果を図9に、実試料について得られた結果を図10に夫
々示す。尚、図9及び図10に於ける各ピーク番号は夫
々以下のアルデヒドおよびアセトンのDNPH誘導体1
6成分を示す。 1:ホルムアルデヒド、2:アセトアルデヒド、3:プ
ロピオンアルデヒド、4:アクロレイン、5:アセト
ン、6:イソブチルアルデヒド、7:n−ブチルアルデ
ヒド、8:クロトンアルデヒド、9:イソバレルアルデ
ヒド、10:n-バレルアルデヒド、11:ベンズアルデ
ヒド、12:n-ヘキシルアルデヒド、13:o−トルア
ルデヒド、14:m−トルアルデヒド、15:p−トルア
ルデヒド、16:2,5−ジメチルベンズアルデヒド。 図7〜図10の結果から、充填剤Aを分析カラムに用い
た場合、DNPH−イソブチルアルデヒド(6)とDNP
H−n−ブチルアルデヒド(7)が異なる保持時間で分離
されて溶出し、これら2成分の分離分析、及びDNPH
−アルデヒド類の一斉分析が実試料についても可能であ
ることが判る。また、図7と図9、及び図8と図10を
比較すると、溶離液に塩(酢酸ナトリウム)を共存させ
ることにより、実試料注入時に現れるベースライン上の
ブロードな妨害ピークが消失することが判る。例えば、
ピーク2において、塩を共存させた場合にはピークのテ
ーリング及びリーディングが抑えられ、明瞭なピークが
出現している。
【0025】
【発明の効果】以上述べた如く、本発明は、従来のHP
LCによる分析では分離分析することができなかったD
NPH−n−ブチルアルデヒドとDNPH−イソブチル
アルデヒドの分離分析が可能な方法を提供するものであ
り、本発明を用いれば、これら2成分を含むDNPH−
アルデヒド類の試料を簡便且つ短時間に一斉分析できる
ので、斯業に貢献するところ大なる発明である。
【0026】
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1に於いて、充填剤Aを用いて得られた
クロマトグラムを示す。
【図2】実施例1に於いて、充填剤Bを用いて得られた
クロマトグラムを示す。
【図3】実施例1に於いて、充填剤Cを用いて得られた
クロマトグラムを示す。
【図4】実施例1に於いて、充填剤Dを用いて得られた
クロマトグラムを示す。
【図5】比較例1で得られたクロマトグラムを示す。
【図6】実施例2で得られたクロマトグラムを示す。
【図7】実施例3に於いて、16品目のDNPH誘導体
標準品を用いて得られたクロマトグラムを示す。
【図8】実施例3に於いて、実試料を用いて得られたク
ロマトグラムを示す。
【図9】実施例4に於いて、16品目のDNPH誘導体
標準品を用いて得られたクロマトグラムを示す。
【図10】実施例4に於いて、実試料を用いて得られた
クロマトグラムを示す。
【0027】
【符号の説明】
図1〜5に於いて、図中の各番号は夫々以下化合物のD
NPH誘導体のピークを示す。 1 アセトアルデヒド 2 プロピオンアルデヒド 3 アセトン 4 イソブチルアルデヒド 5 n−ブチルアルデヒド 6 イソバレルアルデヒド 7 n−バレルアルデヒド 図6〜10に於いて、図中の各番号は夫々以下化合物の
DNPH誘導体のピークを示す。 1 ホルムアルデヒド 2 アセトアルデヒド 3 プロピオンアルデヒド 4 アクロレイン 5 アセトン 6 イソブチルアルデヒド 7 n−ブチルアルデヒド 8 クロトンアルデヒド 9 イソバレルアルデヒド 10 n-バレルアルデヒド 11 ベンズアルデヒド 12 n-ヘキシルアルデヒド 13 o−トルアルデヒド 14 m−トルアルデヒド 15 p−トルアルデヒド 16 2,5−ジメチルベンズアルデヒド

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】炭素数22以上のアルキル基が導入された
    充填剤を用いることを特徴とする、高速液体クロマトグ
    ラフィーによる2,4―ジニトロフェニルヒドラジン(D
    NPH)で誘導体化されたアルデヒド類の分析方法。
  2. 【請求項2】アルキル基が直鎖アルキル基である、請求
    項1記載の分析方法。
  3. 【請求項3】アルキル基が炭素数22〜30のものであ
    る、請求項1又は2に記載の分析方法。
  4. 【請求項4】DNPHで誘導体化されたアルデヒド類が
    DNPH−n−ブチルアルデヒド又は/及びDNPH−
    イソブチルアルデヒドである、請求項1〜3の何れかに
    記載の分析方法。
  5. 【請求項5】充填剤の基材が有機系基材である、請求項
    1〜4の何れかに記載の分析方法。
  6. 【請求項6】充填剤の基材が無機系基材である、請求項
    1〜4の何れかに記載の分析方法。
  7. 【請求項7】有機系基材が合成樹脂系基材である、請求
    項5記載の分析方法。
  8. 【請求項8】無機系基材がシリカ系又はアルミナ系のも
    のである、請求項6記載の分析方法。
  9. 【請求項9】充填剤がポリメリックタイプのものであ
    る、請求項1〜8の何れかに記載の分析方法。
  10. 【請求項10】充填剤がポリメリックタイプのシリカ系
    充填剤である、請求項1〜4の何れかに記載の分析方
    法。
  11. 【請求項11】炭素数22以上のアルキル基が導入され
    た充填剤を用いることを特徴とする、高速液体クロマト
    グラフィーによるDNPH−n−ブチルアルデヒドとD
    NPH−イソブチルアルデヒドの分離分析方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPWO2015115010A1 (ja) * 2014-01-30 2017-03-23 株式会社堀場エステック 有機化合物の捕集方法
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