JP3970702B2 - 液体クロマトグラフィー用ods化シリカゲル充填剤の製造方法 - Google Patents

液体クロマトグラフィー用ods化シリカゲル充填剤の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術の分野】
本発明は、液体クロマトグラフィー用ODS化シリカゲル充填剤を製造する方法に関する。
【0002】
【従来技術】
シリカゲルを基材とした液体クロマトグラフィー(HPLC)用充填剤は、高純度シリカゲルを原料とすることで飛躍的な進歩を遂げ、分離選択性の極めて高い固定相が数多く開発・市販されるに至っている。
これらの中でもオクタデシルシリル化(ODS)シリカゲル充填剤はHPLCの発展を支えてきた主役である。しかしながら、この充填剤は、その開発以来の問題点として、シリカゲル由来のシラノールによる不可逆的な二次相互作用を起こすことも周知の事実であり、この不可逆的二次相互作用を解消することを目的にこれまで数多くODS化シリカゲル充填剤の不活性化(エンドキャッピング)の技術が開発・報告され、かつ実用化されている。
【0003】
これまで、報告されてきたエンドキャッピングの代表的な技術をまとめると、1.トルエン還流法
本方法はトルエンを溶媒として使用し、トリメチルクロロシラン(TMCS)およびヘキサメチルジシラザン(HMDS)を単独もしくは混合液でピリジン(K. Jinno, S. Shimura, N. Tanaka, J. C. Fetze, R. Biggs Chromatographia, 27, 285 (1989))もしくはジエチルアミン(N. Tanaka, H. Kinoshita, M. Araki, J. Chromatogr., 332, 57(1985))の存在下、反応する一段階エンドキャッピングの方法である。
【0004】
2.高温液相法
トルエン還流温度下で一次エンドキャッピングの終了したODS化シリカゲル充填剤にTMCS及びHMDSを単独または混合液で加え、さらに高温(230℃〜250℃)でエンドキャッピングをおこなう二段階反応。
密閉系の反応(細田誠、酒井芳博 Chromatography, 17, 39(1996))、流動パラフィン(酒井芳博、浜川大爾、太田鈴枝 第2回LCテクノプラザ講演要旨集BP2、51(1997))、特開2002−22721等の方法が存在する。
【0005】
3.気相方法(特開平4-2212058号)
ODS化シリカゲルを合成した後、これを密閉容器中でシラン化剤と共に加熱反応する方法。一段階もしくは二段階エンドキャップ反応。
【0006】
4.超臨界法(鎗田孝、井原俊英、堀本能之、野村明 第4回LCテクノプラザ講演要旨集、BP2 36(1999)、特許第2818857号)
ODS化シリカゲルを合成した後、超臨界流体中でHMDS等でエンドキャッピングする一段階エンドキャップ反応。
等があり、この中でエンドキャッピング剤(シラン化剤)の種類、反応条件(雰囲気、温度等)が検討されてきた。
【0007】
このように、さまざまなエンドキャッピングの技術が開発されているが、前記1.のトルエン還流法は、最も古くから実用化されており、かつ最も一般的なエンドキャッピングの技術である。現在実施されているトルエン還流温度下におけるODS化シリカゲル充填剤の合成方法(エンドキャッピングを含む)において特徴的なことは、シリル化反応を促進するために使用される塩基がODS化及びエンドキャッピング共に同じ化合物が使用されている点にある。すなわち、ODS化シリカゲルの合成にジエチルアミン(DEA)(第二級アミン)を反応促進剤として使用するとすれば、エンドキャッピングにおいてもDEAが使用されており、ピリジン(第三級アミン)をODS化シリカゲルの合成に使用すればエンドキャッピングにもピリジンを使用する方法が採用されていることに特徴がある。しかしながら、本トルエン還流法は、長時間(24時間以上)の反応を行っても完全エンドキャッピングが困難である点に問題がある。
【0008】
また、前記2.〜前記4.は前記1.の技術では不完全であるエンドキャッピングをより完全にするために開発された技術であるが、反応の雰囲気(オートクレーブ中、超臨界流体中)等、特殊な条件を必要とするとともに、これらの方法においてもODS化シリカゲル充填剤がフルエンドキャッピングされていないため、オキシン銅のような配位性化合物や強塩基性化合物を分析するにはピークテーリングが生じるなど測定結果に再現性がないという問題点があった。
一方で、近年シリカゲルを基材とした液体クロマトグラフィー(HPLC)用充填剤については、測定しようとする対象成分の用途に合わせて分離選択性の極めて高いものが数多く開発・市販されるに至っている。たとえば、ゴルフ場農薬分析用、糖分析用、アミノ酸分析用、光学活性物質分析用などのカラムが市販されている。
その中の一つ、ゴルフ場農薬は公共水域等で監視が必要であり、1993年度版(上水試験方法 1993年版)上水試験方法においては、オキシン銅などを含む8種類の農薬をHPLC法によりODS化シリカゲル充填剤を充填したカラムで試験する方法が採用されている。
しかしながら、昨年改定された上水試験法の2001年版(上水試験方法 2001年版)では、第一優先に使用されるカラムの充填剤が、ODS化シリカゲル系充填剤からポリマー系充填剤へ変更されている。
ポリマー系充填剤の使用が優先される原因として、対象成分の溶離が安定しているためと考えられ、すなわち、ODS化シリカゲル系充填剤では、ODS化シリカゲル充填剤のロット間で、残存シラノールによる品質のばらつきが依然存在しているためであると考えられる。
しかしながら、ポリマー系充填剤は価格が高く、カラムの理論段数が低く対象物質の分離が不十分という問題点があった。
【0009】
したがって、現状の上水試験法においては、ODS化シリカゲル充填剤を使用した場合、50mmol/lりん酸カリウム水溶液(pH3.5)を溶離液に用いるとともに、再現性を確保することを目的にエチレンジアミン四酢酸2ナトリウム(EDTA−2Na)を溶離液に添加することでオキシン銅の溶離を安定化している。
しかし、EDTA−2Na等の塩基性物質を溶離液に添加することは、ODS化シリカゲル充填剤にダメージを与え、化学的な耐久性を短くすると共に、EDTA−2Naは残存シラノールが多いカラムに入るとなかなかカラム外に排出されにくく、一般の分析を行う際、再現性に問題が発生する可能性が高くなるといった問題点があった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、上記のような問題点を解消し、短時間に簡便にODS化シリカゲルをフルエンドキャッピングし、さらに再現性よく、微少量まで対象物質を測定することができるODS化シリカゲル充填剤の製造方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、ODS化シリカゲル充填剤の製造方法において、反応条件が穏和で、かつ特殊な装置を必要とせず、短時間にエンドキャッピングをすることにより、残存するシラノールを完全になくし、有機溶媒を含む洗浄液および/または酸を含む洗浄液により洗浄することで、従来困難であった、極めて微少量の配位性化合物や強塩基性化合物を良好なピーク形状で再現性よく測定することを可能とするODS化シリカゲル充填剤の製造法を見いだし、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、ODS化シリカゲル充填剤を製造する方法であって、反応促進剤として2種以上の異なるアミン化合物を用いてエンドキャッピングを行うことを含む、前記方法に関する。
また本発明は、2種以上の異なるアミン化合物が、第二級アミンおよび第三級アミンの組み合わせであることを特徴とする、前記方法に関する。
さらに本発明は、第二級アミンがジエチルアミンであり、第三級アミンがトリエチルアミンであることを特徴とする、前記方法に関する。
さらにまた本発明は、エンドキャッピングを2回以上に分けて行うことを特徴とする、前記方法に関する。
【0012】
本発明は、各エンドキャッピングを、級の異なるアミン化合物を用いて行うことを特徴とする、前記方法に関する。
また本発明は、各エンドキャッピング後、有機溶媒を含む洗浄液により30〜110℃の温度でおよび/または酸を含む洗浄液により洗浄することを特徴とする、前記方法に関する。
また本発明は、1次エンドキャッピング後の洗浄を有機溶媒を含む洗浄液で行い、2次エンドキャッピング後の洗浄を酸を含む洗浄液で行うことを特徴とする、前記方法に関する。
さらに本発明は、有機溶媒が、メタノールであることを特徴とする、前記方法に関する。
さらにまた本発明は、酸が、りん酸であることを特徴とする、前記方法に関する。
【0013】
本発明によれば、シリル化反応の特異性(E. Colin "Silicon in Organic Synthesis" Buttrworks 1981)およびシリカゲル表面のシラノールの構造を考慮し、エンドキャッピングを異なるアミン化合物(シリル化剤と反応し、シリルアミンとしてシリカゲルに作用する)を用いて行い、有機溶媒を含む洗浄液および/または酸を含む洗浄液により洗浄することで、特殊な条件および装置を用いることなく、従来困難であった完全なフルエンドキャッピングを短時間で簡便に行え、バッチ間でも再現性よく製造することができる。
また、本発明の方法で得られたODS化シリカゲル充填剤は、従来ポリマー系充填剤を使用しなければ困難であった極めて微少量の金属配位性化合物および塩基性化合物のいずれの溶離も良好で、再現性よく測定できる。
さらに、本発明によるODS化シリカゲル充填剤を用いればEDTA−2Naを含まない溶離液で配位性化合物等を測定することができ、化学的耐久性のあるHPLC用充填剤として優れるものである。
また、本発明によればオキシン銅等の配位性の強い化合物に対しても、ODS化シリカゲル充填剤のエンドキャッピングが十分に行われるので、残存シラノールと不可逆的二次相互作用を引き起こすことなく、カラムの材質にかかわらず、再現性よく分析することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明に用いられるシリカゲルは、化学修飾を高効率に行える50〜800m2/gの比表面積のものが好適に用いられる。より好ましくは200〜400m2/gである。さらに、粒子径2〜200μm、より好ましくは2〜15μm、細孔径40〜1000Å、より好ましくは40〜200Åのものが好適に用いられる。
シリカゲルに化学結合させるODS基としては、ジメチルオクタデシル基、メチルオクタデシル基、オクタデシル基のようなオクタデシル基を有するものであればいずれも使用することができる。
【0015】
本発明におけるODS化およびエンドキャッピングに反応促進剤として用いられるアミン化合物は、第一級、第二級および第三級のアミンのいずれも用いることができる。第一級アミンは、エチルアミン、ブチルアミン、プロピルアミン等が例示され、第二級アミンは、ジエチルアミン(DEA)、ジブチルアミン、ジイソプロピルアミン、モルフォリン、ヘキサメチルジシラザン等が例示され、第三級アミンは、トリエチルアミン(TEA)、トリブチルアミン、ピリジン等が例示される。常温で液体であり、使い易さの点から、第二級アミンのジエチルアミン、ヘキサメチルジシラザン、第三級アミンのトリエチルアミン、ピリジンが好適に用いられる。さらに組み合わせとしては、ジエチルアミンとトリエチルアミン、ヘキサメチルジシラザンとピリジンが挙げられる。
【0016】
本発明に用いられるODS化シリカゲル充填剤のエンドキャッピング方法は、トルエンまたは流動パラフィンなどを溶媒とする公知の方法が用いられる。
ヘキサメチルジシラザンを反応促進剤に使用する場合は、より短時間にエンドキャッピングを行うために、流動パラフィンを溶媒に用いることが望ましい。
エンドキャッピングは、2種以上の異なるアミン化合物を用いて行うのであれば、いずれの方法を用いて行ってもよいが、例えば、同じ反応系でトリメチルクロロシランおよび異なるアミン化合物を連続して加える、または異なるアミン化合物をそれぞれ分けて異なる反応系で行うなどして、2回以上に分けてエンドキャッピングを行うこともできる。それぞれの反応促進剤により行われるエンドキャッピングを完全なものとするためには、異なる反応系で行うことが好ましい。また異なるアミンの組み合わせとしては、級の異なるものが好ましく、さらに第二級および第三級アミン化合物の組み合わせが好ましい。
【0017】
例えば、ODS化にDEA等の第二級アミンを反応促進剤として使用した場合、エンドキャッピングは反応促進剤としてDEA、ヘキサメチルジシラザン等の第二級アミンの存在下トリメチルクロロシランを作用させた後、さらに級の異なるピリジンやTEA等の第三級アミンの存在下トリメチルクロロシランを作用させ、フルエンドキャッピングを行う。3〜4時間の反応時間で金属配位性化合物(酸性条件下でのオキシン銅の溶離等)および強塩基化合物(中性条件下でのベンジルアミンの溶離等)の溶離が良好になり完全疎水化が可能となる。
【0018】
また、例えば、ODS化反応に第三級アミンであるTEAを反応促進剤に使用した場合、エンドキャッピングは反応促進剤としてピリジンやTEA等の第三級アミンの存在下トリメチルクロロシランを作用させた後、さらに級の異なるDEA、ヘキサメチルジシラザン等の第二級アミンの存在下トリメチルクロロシランを作用させ、フルエンドキャッピングを行う。3〜4時間反応させることで金属配位性化合物および塩基性化合物の溶離が可能となる。
また、本発明によるODS化反応には、特開2002−22721などの公知の方法を用いることができる。
【0019】
さらに本発明では、エンドキャッピング後、温めた有機溶媒を含む洗浄液でODS化シリカゲルを洗浄することが好ましい。再現性良く対象物質を測定するためには、さらに酸を含む洗浄液で洗浄することが好ましい。
2回以上に分けてエンドキャッピングを行う場合、それぞれの洗浄に有機溶媒を含む洗浄液および酸を含む洗浄液を使用しても、有機溶媒を含む洗浄液または酸を含む洗浄液のいずれかを使用してもよい。この場合、有機溶媒を含む洗浄液および酸を含む洗浄液の使用する順序、回数は問わない。一次エンドキャッピング時に用いるピリジン等の反応促進剤を効率よく除き、二次エンドキャッピング以降のエンドキャッピングを十分進行させるためには、一次エンドキャッピング後に有機溶媒を含む洗浄液で、二次エンドキャッピング後に酸を含む洗浄液で洗浄することが好ましい。
【0020】
かかる有機溶媒は、メタノール、エタノール、変性アルコールなどのアルコール類、ヘキサン、アセトン、酢酸エチルなどの脂肪族有機化合物、トルエンなどの芳香族有機化合物などを用いることができる。比較的取り扱い易く、水と混和するメタノールが好適に用いられる。
また、一次エンドキャッピング後のODS化シリカゲルが十分洗浄されれば、1種の有機溶媒を用いてもよく、2種以上の有機溶媒を組合せて用いてもよく、2種以上の有機溶媒を混合して用いてもよい。また、水と混和する有機溶媒にあっては、水と組み合わせて用いてもよい。より効率よく洗浄するためには、水および水と混和する有機溶媒を混合して用いることが好ましい。水と混和する有機溶媒にメタノールを用い、メタノール水溶液とした場合、その濃度は、20〜80%が好ましく、より好ましくは30〜70%、さらに好ましくは40〜60%である。
また、ピリジンなどの反応促進剤を効率よく除去するためには、30〜110℃に温めた有機溶媒を用いることが好ましい。温めたメタノール水溶液を用いる場合は、20〜70℃が好ましく、50〜60℃がより好ましい。温めた有機溶媒を含む洗浄液による洗浄を実施しないと二次エンドキャッピング工程において反応中にODS化シリガゲルが褐色に変化する場合があり、本発明が目的とするODS化シリカゲル充填剤が得られないことがある。
これは、反応促進剤のアミンが、塩酸塩としてODS化シリカゲル表面に残存し、これを除去しないまま2次エンドキャッピングを行うと、温度上昇により、アミンやODS化シリカゲルが炭化するためであると思われる。
したがって、本発明が目的とするODS化シリカゲル充填剤を得るためには、残存アミンを完全に除去することが必要である。
洗浄時間に特に制限はないが、30分〜6時間が好ましく、特に好ましくは3〜4時間である。
【0021】
一次エンドキャッピングでの温めた有機溶媒を含む洗浄液による洗浄後、ODS化シリカゲルの洗浄効果を高めるために、さらに再度メタノール、エタノール、変性アルコールなどのアルコール類、ヘキサン、アセトン、酢酸エチルなどの脂肪族有機化合物、トルエンなどの芳香族有機化合物などの有機溶媒で洗浄し、乾燥させることが好ましい。また、乾燥は、二次エンドキャッピングに影響を与えないように100〜150℃で1〜4時間乾燥することが好ましい。
洗浄方法は、ODS化シリカゲルを有機溶媒などが入ったビーカーなどの容器に浸漬させて洗浄を行っても、攪拌しながら行なってもよく、また直接有機溶媒などをかけてもよい。
【0022】
エンドキャッピング後、酸を含む洗浄液で洗浄する場合、その酸は、りん酸、酢酸、塩酸、硫酸、などを用いることができるが、比較的取り扱い易く、カラムの洗浄として一般的に用いられているりん酸または酢酸が好適に用いられる。
これらの酸はODS化シリカゲル充填剤の耐久性などに影響を与えなければ1種で用いても、2種以上を組合せても、2種以上混合して用いてもよい。また、これらの酸を水溶液として用いることもできる。効率よく洗浄を行うためには、酸の水溶液を用いることが好ましい。その場合の濃度はODS化シリカゲル充填剤の耐久性などに影響を与えなければよく、りん酸水溶液を用いる場合0.5〜5%が好ましく、0.5〜1%がより好ましい。また、酢酸水溶液を用いる場合0.5〜5%が好ましく、0.5〜1%がより好ましい。さらに、酸およびメタノール、エタノール、変性アルコールなどのアルコール類、アセトン、酢酸エチルなどの脂肪族有機化合物などの有機溶媒を混合して使用すれば残存する有機物、例えばパラフィンなどを取り除くことができ好適である。
この場合の混合比率は、酸/有機溶媒にりん酸水溶液/メタノールを使用する場合、30/70〜70/30(vol/vol)が好ましく、40/60〜60/40(vol/vol)がさらに好ましい。
【0023】
エンドキャッピングは、塩基性条件下で行われるため、ODS化シリカゲル表面は塩基性となっており、このままでは、オキシン銅との相互作用が大きく溶離が不十分となるので、ODS化シリカゲル表面を中性にするため、酸を含む洗浄液で洗浄することが好ましい。
したがって、かかる酸を含む洗浄液で洗浄して得た、ODS化シリカゲル充填カラムは、試料の分析時にカラム洗浄を行わなくとも簡便に対象物質を再現性よく分析できる。洗浄時間に特に制限はないが、本発明が目的とするODS化シリカゲル充填剤を得るためには30分〜6時間が好ましく、特に好ましくは3〜4時間である。
酸を含む洗浄液で洗浄後、ODS化シリカゲルの洗浄効果を高めるために、さらに有機溶媒で洗浄し、乾燥させることが好ましい。この場合の有機溶媒は、メタノール、エタノール、変性アルコールなどのアルコール類、ヘキサン、アセトン、酢酸エチルなどの脂肪族有機化合物、トルエンなどの芳香族有機化合物などの有機溶媒を用いることができるが、残存するりん酸などを取り除くためにメタノールが好適に用いられる。そして、エンドキャッピング後のODS化シリガゲルを完全に乾燥させるため、120℃で2時間乾燥させることが好ましい。
この様にして製造したODS化シリカゲル充填剤は、カラムに充填されHPLC測定に用いられる。カラムの材質は、ステンレス性もしくはポリエチレン、ポリプロピレンまたはポリスチレンなどの樹脂性であってもよい。
【0024】
本発明によるODS化シリカゲル充填剤で測定できる物質に特に制限はない。例えば、オキシン銅、チウラム、アシュラム、メコプロップ、ベンスリドなどのゴルフ場農薬、アルジカルブ、メチオカルブなどのカーバメート系農薬、ベンジルアミン、プロカインアミドなどの塩基性物質、安息香酸、ソルビン酸、デヒドロ酢酸などの有機酸やそのエステル類、カフェインやフェノールなどの種々の物質が挙げられる。これらの中でも、従来再現性よく分析することが困難であったオキシン銅に特に好ましく適用することができる。
本発明により、不可逆的な二次相互作用を起こす残存シラノ―ルを完全にエンドキャッピングしたODS化シリカゲル充填剤を製造することが可能となり、さらに一次エンドキャッピング後の温メタノール水溶液による洗浄と、二次エンドキャッピング後の1%りん酸水溶液/メタノール混合液による洗浄により1ngのオキシン銅を特別な前処理(EDTA−2Na等の添加等)をすることなく安定して溶離させることが可能となった。
【0025】
【実施例】
〔実施例1〕エンドキャッピングの効果
(1) ODS化シリカゲル充填剤の合成
シリカゲルのODS化は、シリカゲルの酸洗浄を行った後、それぞれシリル化反応を実施することで合成した。
(1)−1. シリカゲルの洗浄
液体クロマトグラフィー用シリカゲル(粒子径5μm、比表面積350m2/g、細孔直径12nm、細孔容積1.1ml/g)50gを6mol/l塩酸200ml中で5時間加熱還流する。シリカゲルは、ろ過後純水にてろ液が中性になるまで洗浄される。その後、アセトン50mlにて洗浄し130℃で4時間乾燥する。
【0026】
(1)−2. 第二級アミン(DEA)と第三級アミン(TEA)の組み合わせによるODS化シリカゲル充填剤(ODS-DEA)の合成
<ODS化> 塩酸洗浄したシリカゲル25gを1リットルの丸底四つ口フラスコ中で、乾燥トルエン500mlに分散させる。その後ジメチルクロロオクタデシルシラン (DMCODS)45g、DEA25gを順次加え約5時間加熱還流する。生成物はろ過した後テトラヒドロフラン(THF)200ml・メタノール(MeOH)100mlで順次洗浄し120℃で4時間乾燥する。この充填剤をODS−D−1とする。
【0027】
<一次エンドキャッピング> 充填剤ODS−D−1、25gを乾燥トルエン500mlに分散させ、トリメチルクロロシラン(TMCS)10mlとDEA20mlを加え3〜4時間加熱還流することで第二級アミンによるシリル化反応を完了させる。生成物はろ過後THF200ml、MeOH 100mlで順次洗浄し、120℃で4時間乾燥する。この充填剤をODS−D−2とする。
<二次エンドキャッピング> 充填剤ODS−D−2、20gを乾燥トルエン300mlに分散させ、TMCS10mlとTEA20mlを加え3〜4時間加熱還流しエンドキャッピングを行う。生成物はろ過後THF200ml、MeOH100mlで順次洗浄し、120℃で4時間乾燥する。この様にして合成されたODS化シリカゲル充填剤をODS‐DEAとする。
【0028】
(1)−3. 第三級アミン(TEA)と第二級アミン(DEA)の組み合わせによるODS化シリカゲル充填剤の合成(ODS-TEA)
<ODS化> 塩酸洗浄したシリカゲル25gを1リットルの丸底四つ口フラスコ中で乾燥トルエン500mlに分散させる。その後DMCODS45g、TEA25gを順次加え約5時間加熱還流する。生成物はろ過した後THF200ml・MeOH100mlで順次洗浄し120℃で4時間乾燥する。この充填剤をODS−T−1とする。
【0029】
<一次エンドキャッピング> 乾燥した充填剤ODS−T−1、25gを乾燥トルエン500mlに分散させ、TMCS10mlと TEA20mlを加え3〜4時間加熱還流することで第三級アミンによるシリル化を完了させる。生成物はTHF200ml、MeOH100mlで順次洗浄し、120℃で4時間乾燥する。この充填剤をODS−T−2とする。
<二次エンドキャッピング> 充填剤ODS−T−2、20gを乾燥トルエン300mlに分散させ、TMCS10mlとDEA20mlを加え3〜4時間加熱還流する。生成物はろ過した後THF200ml、MeOH100mlで順次洗浄し、120℃で4時間乾燥する。この様にして合成されたODS化シリカゲル充填剤をODS‐TEAとする。
【0030】
(2)ODS化シリカゲル充填剤の評価
合成された各ODS化シリカゲル充填剤はスラリー法で内径4.6mmφ、長さ150mmのステンレスカラムに充填されエンドキャッピングの評価をおこなった。
エンドキャッピングの評価はオキシン銅(pH2.1の溶離液)およびベンジルアミン(pH7.6の溶離液)をHPLCで測定することにより実施した。
【0031】
溶離試験条件を下記に示す。
▲1▼オキシン銅溶離試験条件
溶離液 : 20mmol/lりん酸水溶液:アセトニトリル=95:5
流 速 : 1.0ml/min
温 度 : 40℃
検 出 : UV 250nm
試 料 : 5μl(ウラシル;4.5μg、オキシン銅;20μg、カフェイン150μg/ml)
【0032】
▲2▼ベンジルアミン溶離試験
ベンジルアミン試験は、田中試験(K. Kimata, K. Iwaguchi, S. Onishi, K. Jinno, R. Eksteen, K. Hosoya, M. Araki, N. Tanaka, J. Chromatogr. Sci., 721, 27, 1989)として知られているイオン交換性シラノールの良否を確認する手法であるが、中性付近のpH(pH=7.6)下でベンジルアミンの溶離状況を測定するものである。以下に溶離条件を示す。
溶離液 : 20mmol/lりん酸カリウム水溶液:メタノール=70:30
流 速 : 0.6ml/min
温 度 : 40℃
検 出 : UV 254nm
試 料 : 10μl(ベンジルアミン0.59mg、フェノール0.41mg/ml)
【0033】
(3)結果及び考察
前記方法に従って合成された2種類の充填剤のオキシン銅およびベンジルアミンの溶離状況を図1(ODS‐DEA)a)、b)および図2(ODS‐TEA)a)、b)に示す。
従来、エンドキャッピングの良否の判定手段としてピリジン/フェノール法が広く使用されてきたが、今回我々はこの方法より更に厳しくエンドキャッピングの良し悪しを確認することができるオキシン銅評価(配位性化合物とシラノールの相互作用を確認する方法)とベンジルアミン評価(イオン交換性シラノールと強塩基性化合物の相互作用を確認する方法)の2種類を採用した。
オキシン銅試験は弱酸性付近で活性化される水素結合性シラノールを確認する試験であり、ベンジルアミン試験は、中性でのイオン交換性シラノールの存在を確認する試験である。
【0034】
図1a)、b)および図2a)、b)に示されるように、ODS-DEA、ODS-TEA共にオキシン銅およびベンジルアミンは良好なピーク形状で溶離している。特にオキシン銅のピーク対称性はODS-DEAが1.33、ODS-TEAが1.30という結果を得た。これはすなわち充填剤との不可逆的な相互作用が小さいことを示しており、良好にエンドキャッピングが進行したことを意味している。
この様に本発明におけるODS化シリカゲル充填剤の合成方法により、従来困難であった完全に不活性化されたODS化シリカゲル充填剤の合成が可能となることが判明した。
【0035】
〔実施例2〕ODS化シリカゲル充填剤の合成
(1)ODS化
6mol/l塩酸で洗浄し乾燥した液体クロマトグラフィー用高純度シリカゲルa(粒子径 5μm、表面積270m/g、細孔径13nm、細孔容積 1.0ml/g)の50gを乾燥トルエン500ml中に分散させる。これにジメチルクロロオクタデシルシラン(DMCODS)90gを加えた後、ジエチルアミン(DEA)50mlを加え約5時間加熱還流する。冷却後、生成物をろ集し、テトラヒドロフラン(THF)500ml、メタノール(MeOH)500ml、50%メタノール水溶液500mlで洗浄した後、120℃で約2時間乾燥する。
これにより、炭化水素量15%のODS化シリカゲルが得られた。
同様にして、高純度シリカゲルb(粒子径 5μm、表面積340m/g、細孔径12nm、細孔容積1.1ml/g)も処理し、シリカゲルbを用いた場合は炭化水素量20%のODS化シリカゲルが得られた。
【0036】
(2)一次エンドキャッピング
(1)で得られた炭化水素量15%のODS化シリカゲルa 50gを乾燥トルエン500ml中に分散させる。これにトリメチルクロロシラン(TMCS)20mlとピリジン25mlを順次加え約5時間加熱還流する。
反応終了後、生成物をろ集し、THF500ml、MeOH500ml、50%MeOH水溶液500mlで順次洗浄し、50%MeOH水溶液で3〜4時間50〜60℃で加熱洗浄する。ろ過後MeOHで洗浄し、120℃で約2時間乾燥する。
炭化水素量20%のODS化シリカゲルb 50gについても、同様に1次エンドキャッピングを行った。
【0037】
(3)二次エンドキャッピング
炭化水素量15%のODS化シリカゲルaを用いて、(2)で一次エンドキャッピングが終了したODS化シリカゲルの25gを流動パラフィン500ml中に分散させる。これにTMCS5mlとヘキサメチルジシラザン(HMDS)17mlを加え、約230℃の温度で約3時間反応する。
冷却後、生成物をろ集しヘキサン300ml、THF300ml、MeOH300mlそして50%MeOH水溶液300mlで順次洗浄した後、1%りん酸水溶液/MeOH=50/50(vol/vol)250mlで60℃2時間洗浄する。更に50%MeOH水溶液で3〜4時間加熱還流し洗浄する。ろ過後、MeOH300mlで洗浄した後、120℃で2時間乾燥させる。
これにより、本発明の目的とするODS化シリカゲル充填剤(以下、ODS化シリカゲル充填剤Aと略す。)を合成することができた。
炭化水素量20%のODS化シリカゲルb 25gについても、同様に2次エンドキャッピングを行い、ODS化シリカゲル充填剤(以下、ODS化シリカゲル充填剤Bと略す。)を合成することができた。
【0038】
〔実施例3〕一次エンドキャピング後の洗浄効果
一次エンドキャッピング後の洗浄効果を比較するために、実施例2でシリカゲルbを用いて合成したODS化シリカゲル充填剤Bと実施例2の(2)において温50%MeOH水溶液洗浄を行なわない以外は実施例2と同様に操作して得た、ODS化シリカゲル充填剤を用いてオキシン銅の分析を行った。
オキシン銅の溶離試験は基本的に上水試験方法1993年版のHPLC条件に準じて実施したが、溶離液にはEDTA−2Naを添加せずに使用した。以下に測定条件を示す。なお、使用したカラムは、本発明による充填剤をスラリー法により長さ150mm、内径4.6mmφのステンレスカラムに充填し、アントラセンをサンプルとして理論段数90,000段/mm以上のカラム性能を示すものを使用した。
オキシン銅のHPLCによる測定条件(pHは3.5)を以下に示す。
溶離液: 50mmol/lりん酸カリウム水溶液:アセトニトリル=60:40
検出 : UV 230nm
温度 : 40℃
流速 : 1ml/min
注入量: 1μl(オキシン銅溶液 1μg/ml;調製方法は浄水試験法2001年版に従った)
結果を図3に示す。a)は温メタノール洗浄の後二次エンドキャッピングを行った場合、b)は温メタノール洗浄を行わず二次エンドキャッピングを行った場合のODS化シリカゲル充填剤を使用したオキシン銅のクロマトグラムである。4分付近のピークがオキシン銅のものであり、図3a)、b)より、エンドキャッピング後に温メタノール洗浄を行った場合は、1ngという微小量までのオキシン銅が溶離可能となった。
温メタノール洗浄を行なわず二次エンドキャッピングを行なった場合、1ngという微少量まで、再現性よく溶離をおこなうことはできない。これは、二次エンドキャッピング工程におけるエンドキャッピング時の温度が上昇するにしたがって反応溶液が着色し、すなわち、ODS化シリカゲルおよび残存する反応促進剤が炭化するためと考えられる。したがって、1ngという微少量まで分析を行うためには、反応促進剤を十分除去することが必要であり、一次エンドキャピング時の十分な洗浄が必要であることがわかった。
【0039】
〔実施例4〕二次エンドキャップ後の洗浄効果
二次エンドキャッピング後の洗浄効果を比較するために、実施例2でシリカゲルaを用い合成したODS化シリカゲル充填剤Aと実施例2の(3)において1%りん酸水溶液/メタノール混合液で洗浄を行なわない以外は実施例2と同様に操作して得たODS化シリカゲル充填剤を用いてオキシン銅の分析を行った。
その結果を図4に示す。a)が1%りん酸水溶液/メタノール混合液で洗浄を行った場合、b)が1%りん酸水溶液/メタノール混合液で洗浄を行わなかった場合を示しており、3分付近がオキシン銅のピークである。溶離条件および使用カラムは実施例3と同様である(注入量1μl)。
図4b)では、1ngオキシン銅は、わずかにピークを確認できるにすぎないが、図4a)では1ngの測定においても最初から良好なピーク形状を示すことが明らかとなった。したがって、二次エンドキャッピング後りん酸水溶液/メタノール混合液で十分な洗浄を行うことで、オキシン銅の溶離が改善されることが分かった。
【0040】
〔実施例5〕実施例2で合成したODS化シリカゲル充填剤を充填したカラムを用いたオキシン銅の分析
ODS化シリカゲル充填剤A、BおよびEDTA−2Naを含まないpH3.5の溶離液を用い、1ngのオキシン銅を測定した。そのクロマトグラムを図5に示す。溶離条件および使用カラムは実施例3記載の条件にしたがい、1μl注入した。いずれのODS化シリカゲル充填剤を用いてもオキシン銅が良好なピーク形状で溶離することが確認された。
【0041】
〔実施例6〕樹脂カラム及びステンレスカラムによるオキシン銅の溶出挙動
ピーク樹脂カラムとステンレスカラムを用いた場合のオキシン銅の溶出挙動を比較した。その結果を図6に示す。いずれのカラムについても、ODS化シリカゲル充填剤Aを使用し、溶離条件および使用したカラムは実施例3にしたがった(注入量20μl)。
図6に示すとおり、ほとんどその溶出挙動に差異は認められなかった。したがって、オキシン銅の溶出挙動は、本発明のODS化シリカゲル充填剤を用いれば、カラムの材質に影響されないことが確認された。
【0042】
〔実施例7〕検出における再現性の測定
ODS化シリカゲル充填剤Aを実施例3記載の方法により充填し、理論段数90,000段/m以上のカラム性能を示すものを使用し、上水試験法の溶離液下で1ng、5ng、10ngのオキシン銅の再現性を測定した。比較試験として、オキシン銅との不可逆的二次相互作用のないポリマー系充填剤を充填したカラム(ゴルフパック:Waters社製)を同様に試験した。その結果を表に示す。変動係数(CV値)はそれぞれの濃度で5回測定し、その面積値から求めた。溶離条件は実施例3に従った。
【0043】
【表1】
Figure 0003970702
【0044】
表に示すように、本発明のオキシン銅分析用カラムは1ngの測定において、その繰り返し再現性を示すピーク面積の変動係数は9%であった。また、オキシン銅の注入量が5ng、10ngと増えていくと変動係数が小さくなることも判明した。これら変動係数をポリマー系カラムのそれと比較すると、ほとんど両者に差は見られないことも判明した。
また本発明は、上水試験法で示される20ngの濃度における面積の変動係数20%以内を満たしており、さらに環境省令で示される検出限界5ng を分析した場合、ピーク面積の変動係数5.46%と良好な値を示している。
【0045】
〔比較例1〕1種類のアミン化合物を用いてエンドキャッピングを1回実施した場合の塩基性化合物の溶離に与える効果
ODS化シリカゲル充填剤の合成において反応促進剤が果たす役割を解明するために、ODS−D−1をTEA-TMCS(第三級シリルアミン)で1回エンドキャッピングした充填剤とODS−T−1をDEA-TMCS(第二級シリルアミン)で1回エンドキャッピングした充填剤を使用しベンジルアミンの溶離状況を評価することでODS化およびエンドキャッピングにおける反応促進剤の塩基性化合物の溶離に与える効果を比較した。
【0046】
この結果を図7a)、b)に示す。溶離条件および使用カラムは実施例1と同様である。
図7の結果は、シリル化剤の役割を良く表した結果を示した。8分付近がベンジルアミンのピークであるが、ODS−D−1をTEA-TMCSでエンドキャッピングした充填剤は、ベンジルアミンの溶離において相互作用の強いテーリングピークを示している。しかしながらODS−T−1をDEA-TMCS(第二級シリルアミン)でエンドキャッピングをした充填剤では、比較的良好なクロマトグラムを見せている。
この結果により、第二級シリルアミンによるエンドキャッピングは、塩基性物質の溶離に効果的であることが示唆された。
【0047】
〔比較例2〕1種類のアミン化合物を用いてエンドキャッピングを1回実施した場合の金属配位性化合物の溶離に与える効果
ODS化シリカゲル充填剤の合成において反応促進剤が果たす役割を解明するために、ODS−T−1、ODS−T−1にDEA-TMCS(第二級シリルアミン)で1回エンドキャッピング処理した充填剤、およびODS−T−1にTEA-TMCS(第三級シリルアミン)で1回エンドキャッピング処理したODS−T−2を使用し、ODS化およびエンドキャッピングにおける反応促進剤の金属配位性化合物の溶離に与える効果を比較した。
図8は、金属配位性化合物の溶離の状況を示すが、この場合評価のための試料としてデヒドロ酢酸を使用した。その理由として、本来であればオキシン銅を使用することが最も良策であるがエンドキャッピングが不十分であると図9に示すようにオキシン銅は溶離しないため、比較的溶離しやすいデヒドロ酢酸を選択した。
【0048】
図8a)は、ODS−T−1のクロマトグラム、図8b)は、ODS−T−1にDEA-TMCS(第二級シリルアミン)で1回エンドキャッピング処理した充填剤(図7b)と同じ)のクロマトグラム、図8c)は、ODS−T−2のクロマトグラムであり、デヒドロ酢酸は、9分付近のピークである。
以下に溶離条件を示す。
溶離条件(pH=4.6)
溶離液: 20mmol/l酢酸ナトリウム水溶液:アセトニトリル=2:1
流速 : 0.5ml/min
温度 : 40℃
検出 : UV 254nm
注入量: 5μl(試料は、ソルビン酸20mg、安息香酸20mg、デヒドロ酢酸20mg/l)
図8a)とb)を比較すると、未エンドキャッピング品であるODS−T−1も、DEA-TMCSエンドキャッピング品でもほとんど同じクロマトグラムを示している。特に図8b)に示す充填剤は、図7b)に示したようにベンジルアミンが比較的良好に溶離しているにもかかわらず、デヒドロ酢酸の溶離に問題がある。この結果は、ODS化と異なるアミン化合物による第二級シリルアミンを使用し1回のエンドキャッピングを行ってもほとんど金属配位性化合物の溶離に対して効果がないことを示している。しかしながら、図8c)に示すTEA-TMCS(第三級シリルアミン)で1回エンドキャッピングを実施したODS-T2充填剤においては相互作用することなくデヒドロ酢酸は溶離することが確認された。
この結果により、第三級シリルアミンによるエンドキャッピングは、金属配位性化合物の溶離には効果的であることが示唆された。
【0049】
〔比較例3〕1種のアミン化合物を使用し、エンドキャッピングを二回実施した場合における溶離状況
図10は、実施例1におけるODS−D−1を使用し、第二級アミンを反応促進剤として2回エンドキャッピングを実施したODS化シリカゲル充填剤の結果を示すa)はオキシン銅、b)はベンジルアミンのクロマトグラムを示す。溶離条件は、実施例1と同様である。塩基性化合物であるベンジルアミン(6分付近のピーク)は比較的良好に溶離しているが、オキシン銅(5分付近のピーク)は吸着が強くテーリングの激しいクロマトグラムを示している。塩基性化合物の溶離には効果を見せるが、金属配位性化合物の溶離改善には効果が見られていないことを示している。
【0050】
比較例の結果からもわかるように、2回のエンドキャッピングに同じ反応促進剤を使用する限りにおいて、ODS化シリカゲル充填剤の完全不活性化は困難であることを示している。
以上示してきたように、第二級アミンを反応促進剤に使用して合成されたODS化シリカゲル充填剤は、第二級アミンの存在下TMCSでエンドキャッピングを行った後、第三級アミンの存在下TMCSでさらにエンドキャッピングすることにより、また第三級アミンを反応促進剤に使用して合成されたODS化シリカゲル充填剤は、第三級アミンの存在下TMCSでエンドキャッピングを行った後、第二級アミンの存在下TMCSでさらにエンドキャッピングすることにより、強塩基性化合物および金属配位性化合物を相互作用なく溶離する完全疎水化が実現できることが明らかとなった。
【0051】
〔比較例4〕上水試験法に準じたオキシン銅の溶離試験
種々のカラムを用いて上水試験法の方法でEDTA−2Na無添加溶離液を用いてオキシン銅を比較測定した。使用したカラムはODS化シリカゲル充填剤Aを実施例3に記載の方法でカラムに充填し、理論段数90,000段/m以上のカラム性能を示すものおよび比較カラムとして、Wakosil‐Cu、Wakopak Navi C18-5 GT(和光純薬製)、GL ODS-Cu(GLサイエンス社製)、Capcell Pack UG 120(資生堂製)を使用し、カラムサイズは、いずれも長さ150mm、内径4.6mmφのものを使用した。結果を図11に示す。溶離条件は実施例3にしたがった(注入量20μl)。
クロマトグラムは、a)ODS化シリカゲル充填剤Aを充填したカラム、b)Wakosil Cu、c)Wakopak Navi C18-5 GT、d)GL ODS-Cu、e)Capcell Pack UG120Aの結果を示しており、保持時間約3〜4分付近のピークがオキシン銅を示している。
a)に示すとおり、ODS化シリカゲル充填剤Aを充填したカラムは、良好なピーク形状を示していることがわかるが、その他のカラムは、c)を除けば、不可逆的な二次相互作用が強く、ほとんどピークとして検出することが困難であることを示している。
c)とd)は、両カラムともに、上水試験法でカラムを評価しオキシン銅分析用として市場に提供されているカラムであるが、EDTA−2Naを添加しない溶離液の場合、図11a〜eに示すように非常に強い二次相互作用を示すことが明らかとなった。
【0052】
〔比較例5〕オキシン銅の溶離におけるpH依存性
オキシン銅のHPLC分析は、従来pH2付近の強酸性溶離液を使用することが多くまた、pHを上げると二次相互作用が強くなることが見うけられることから、オキシン銅のHPLC測定においては、基本的にいかなるpHでもオキシン銅は溶出する必要がある。そこで、オキシン銅の溶離におけるpH依存性を測定した。
使用したODS化シリカゲル充填剤は、ODS化シリカゲル充填剤Aを使用し、実施例3に記載の方法でカラムに充填し、理論段数90,000段/m以上のカラム性能を示すものを使用した。測定pHは、2.1、3.5、4.5を使用し、溶離液以外のHPLC条件実施例3にしたがった(注入量20μl)。
その結果を図12に示す。
図12に示すようにODS化シリカゲル充填剤Aを充填したカラムは、pHが上昇するに従って溶離時間は遅れていくものの、良好にオキシン銅が溶離することが確認された。
【0053】
一方、他社のカラムにおいても同様に測定した。その結果を図13aから図15cに示す。
pH2.1の場合は(図13a、図14a、図15a)比較的良好なピーク形状を示しているが、pHが高くなるにしたがってオキシン銅と充填剤の二次相互作用が強くなり、溶出が困難になっていることが明らかとなった。
特に図15a〜cのCapcell PakC18UG 120Aは、pH3.5においては他のカラムに比べ良好なピーク形状を見せているが(図15b)、pH4.5になると溶離時間が遅くなるとともに、ピークのテーリングも大きくなり、充填剤とオキシン銅との二次相互作用が顕著に現れている(図15c)。
この結果は、すなわちCapcell PakC18UG 120Aは、残存シラノールが多い充填剤であると考えられる。
この様に溶離液のpHが高くなるとオキシン銅の二次相互作用が強くなる理由は、溶離液のpHが高くなると、充填剤表面の残存シラノール基が活性化されることにより、オキシン銅のオキシンと水素結合を生じるためと考えられる。
【0054】
【発明の効果】
本発明によれば、エンドキャッピング後に有機溶媒を含む洗浄液および/または酸を含む洗浄液でODS化シリカゲルを洗浄することにより、再現性良く、耐久性のあるODS化シリカゲル充填剤を製造することが可能となった。また、本発明によるODS化シリカゲル充填剤は、低濃度のオキシン銅を精度良く、しかも再現性よく、さらにEDTA-2Naを含まない溶離液を用いて分析できることが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のエンドキャッピング方法によるODS−DEA充填剤の評価結果を示す。
a)オキシン銅試験(クロマトグラムは順にウラシル、オキシン銅、カフェインを示す。)
b)ベンジルアミン試験(クロマトグラムは順にベンジルアミン、フェノールを示す。)
溶離条件は、実施例1(2)に示した。
【図2】 本発明のエンドキャッピング方法によるODS−TEA充填剤の評価結果を示す。
a)オキシン銅試験のクロマトグラム(クロマトグラムは順にウラシル、オキシン銅、カフェインを示す。)
b)ベンジルアミン試験のクロマトグラム(クロマトグラムは順にベンジルアミン、フェノールを示す。)
溶離条件は、実施例1(2)に示した。
【図3】 一次エンドキャッピング後の温メタノール洗浄の効果を示す。
a)温メタノールで洗浄した場合のクロマトグラム
b)温メタノールで洗浄をしなかった場合のクロマトグラム
溶離条件は実施例3に示した。4分付近のピークがオキシン銅である。
【図4】 二次エンドキャッピング後の1%りん酸水溶液/メタノール混合液による洗浄効果を示す。
a)1%りん酸水溶液/メタノール混合液で洗浄した場合のクロマトグラム
b)1%りん酸水溶液/メタノール混合液で洗浄しなかった場合のクロマト グラム
溶離条件は実施例3に示した。3分付近のピークがオキシン銅である。
【図5】 実施例2で合成したODS化シリカゲル充填剤を充填したカラムによるオキシン銅の溶離の結果を示す。
a)ODS化シリカゲル充填剤Aを用いた場合のクロマトグラム
b)ODS化シリカゲル充填剤Bを用いた場合のクロマトグラム
溶離条件は実施例3に示す。注入量は1μlで行なった。3分付近のピークがオキシン銅である。
【図6】 ピーク樹脂カラムとステンレスカラムの比較を示す。
a)ピーク樹脂カラムのクロマトグラム
b)ステンレスカラムのクロマトグラム
溶離条件は実施例3に示した。3分付近のピークがオキシン銅である。
【図7】 1種の反応促進剤を使用してエンドキャッピングを1回行った場合における、ベンジルアミンの溶離状況を示したクロマトグラムである。
a)ODS−D−1をTEA-TMCSでエンドキャッピングした充填剤のクロマトグラム(ピークは順にベンジルアミン、フェノール)
b)ODS−T−1をDEA-TMCSでエンドキャッピングした充填剤のクロマトグラム(ピークは順にベンジルアミン、フェノール)
溶離条件は、実施例1(2)に示した。
【図8】 1種の反応促進剤を使用してエンドキャッピングを1回行った場合における、デヒドロ酢酸の溶離状況を示したクロマトグラムである。
a)ODS−T−1のクロマトグラム(ピークは順に安息香酸、ソルビン酸、デヒドロ酢酸)
b)ODS−T−1をDEA-TMCSでエンドキャッピングした充填剤のクロマトグラム(ピークは順に安息香酸、ソルビン酸、デヒドロ酢酸)
c)ODS−T−2のクロマトグラム(ピークは順に安息香酸、ソルビン酸、デヒドロ酢酸)
溶離条件は、比較例2に示した。
【図9】 ODS−T−1を第二級シリルアミンでエンドキャッピングした充填剤を使用したオキシン銅の溶離状況を示したクロマトグラム(クロマトグラムは順にウラシル、カフェイン)である。
溶離条件は、実施例1(2)に示した。
【図10】 ODS−D−1を第二級シリルアミンで2回エンドキャッピングした充填剤の評価結果を示す。
a)オキシン銅試験のクロマトグラム(ピークは順にウラシル、オキシン銅、カフェイン)
b)ベンジルアミン試験のクロマトグラム(ピークは順にベンジルアミン、フェノール)
溶離条件は、実施例1(2)に示した。
【図11a】 上水試験法の溶離液pH3.5(EDTA−2Na無)を用い、実施例2で合成したODS化シリカゲル充填剤Aを充填したカラムを使用した場合のオキシン銅(20ng)の溶離挙動を示す。
溶離条件は、実施例3に示した。3〜4分付近のピークがオキシン銅である。
【図11b】 上水試験法の溶離液pH3.5(EDTA−2Na無)を用い、Wakosil-Cuカラムを使用した場合のオキシン銅(20ng)の溶離挙動を示す。
溶離条件は、実施例3に示した。3〜4分付近のピークがオキシン銅である。
【図11c】 上水試験法の溶離液pH3.5(EDTA−2Na無)を用い、Wakopak Navi C18-5カラムを使用した場合のオキシン銅(20ng)の溶離挙動を示す。
溶離条件は、実施例3に示した。3〜4分付近のピークがオキシン銅である。
【図11d】 上水試験法の溶離液pH3.5(EDTA−2Na無)を用い、GL ODS-Cuカラムを使用した場合のオキシン銅(20ng)の溶離挙動を示す。
溶離条件は、実施例3に示した。3〜4分付近のピークがオキシン銅である。
【図11e】 上水試験法の溶離液pH3.5(EDTA−2Na無)を用い、Capcell Pak UG 120Aカラムを使用した場合のオキシン銅(20ng)の溶離挙動を示す。
溶離条件は、実施例3に示した。3〜4分付近のピークがオキシン銅である。
【図12】 ODS化シリカゲル充填剤Aを充填したカラムによるオキシン銅の溶離におけるpH依存性の結果を示す。
a)pH2.1の場合
b)pH3.5の場合
c)pH4.5の場合
溶離条件は実施例3に示した。3〜5分付近のピークがオキシン銅である。
【図13a】 Wakosil Cuによるオキシン銅の溶離におけるpH2.1の場合のクロマトグラムを示す。
溶離条件は実施例3に示した。4〜5分付近のピークがオキシン銅である。
【図13b】 Wakosil Cuによるオキシン銅の溶離におけるpH3.5の場合のスペクトルを示す。
溶離条件は実施例3に示した。4〜5分付近のピークがオキシン銅である。
【図13c】 Wakosil Cuによるオキシン銅の溶離におけるpH4.5の場合のクロマトグラムを示す。
溶離条件は実施例3に示した。4〜5分付近のピークがオキシン銅である。
【図14a】 GL ODS-Cuによるオキシン銅の溶離におけるpH2.1の場合のクロマトグラムを示す。
溶離条件は実施例3に示した。3〜5分付近のピークがオキシン銅である。
【図14b】 GL ODS-Cuによるオキシン銅の溶離におけるpH3.5の場合のクロマトグラムを示す。
溶離条件は実施例3に示した。3〜5分付近のピークがオキシン銅である。
【図14c】 GL ODS-Cuによるオキシン銅の溶離におけるpH4.5の場合のクロマトグラムを示す。
溶離条件は実施例3に示した。3〜5分付近のピークがオキシン銅である。
【図15a】 Capcell Pak C18UG 120Aによるオキシン銅の溶離におけるpH2.1の場合のクロマトグラムを示す。
溶離条件は実施例3に示した。3〜4分付近のピークがオキシン銅である。
【図15b】 Capcell Pak C18UG 120Aによるオキシン銅の溶離におけるpH3.5の場合のクロマトグラムを示す。
溶離条件は実施例3に示した。3〜4分付近のピークがオキシン銅である。
【図15c】 Capcell Pak C18UG 120Aによるオキシン銅の溶離におけるpH4.5の場合のクロマトグラムを示す。
溶離条件は実施例3に示した。3〜4分付近のピークがオキシン銅である。

Claims (8)

  1. ODS化シリカゲル充填剤を製造する方法であって、反応促進剤として2種以上の異なるアミン化合物を用いるエンドキャッピングを行うことを含み、エンドキャッピングは2回以上に分けて行われ、アミン化合物として各エンドキャッピングにおいて相互に異なるものが用いられる、前記方法。
    前記方法。
  2. 2種以上の異なるアミン化合物が、第二級アミンおよび第三級アミンの組み合わせであることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. 第二級アミンがジエチルアミンであり、第三級アミンがトリエチルアミンであることを特徴とする、請求項2に記載の方法。
  4. 各エンドキャッピングを、級の異なるアミン化合物を用いて行うことを特徴とする、請求項1〜のいずれかに記載の方法。
  5. 各エンドキャッピング後、有機溶媒を含む洗浄液により30〜110℃の温度でおよび/または酸を含む洗浄液により洗浄することを特徴とする、請求項1〜のいずれかに記載の方法。
  6. 1次エンドキャッピング後の洗浄を有機溶媒を含む洗浄液で行い、2次エンドキャッピング後の洗浄を酸を含む洗浄液で行うことを特徴とする、請求項1〜のいずれかに記載の方法。
  7. 有機溶媒が、メタノールであることを特徴とする、請求項またに記載の方法。
  8. 酸が、りん酸であることを特徴とする、請求項のいずれかに記載の方法。
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