JPH11101420A - ストーカ式焼却炉 - Google Patents

ストーカ式焼却炉

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Publication number
JPH11101420A
JPH11101420A JP27798097A JP27798097A JPH11101420A JP H11101420 A JPH11101420 A JP H11101420A JP 27798097 A JP27798097 A JP 27798097A JP 27798097 A JP27798097 A JP 27798097A JP H11101420 A JPH11101420 A JP H11101420A
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JP
Japan
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stoker
combustion chamber
type incinerator
air
combustion
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Application number
JP27798097A
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English (en)
Inventor
Junzo Hino
順三 日野
Kazuo Masuda
一夫 増田
Ryoji Miyabayashi
良次 宮林
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Nippon Mining Holdings Inc
Eneos Corp
Original Assignee
Nippon Mining and Metals Co Ltd
Nippon Mining Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 最終排ガス中のCOの濃度を低下させ且つ排
ガスがダイオキシン等の有害有機塩素化合物を含まない
ようにできるストーカ式焼却炉を提供する。 【解決手段】煙道構造体12の下方部側面に一次燃焼室
16を形成して、汚泥、シュレッダダストなどの燃焼物
を投入する供給口18、ストーカ17及び着火バーナ2
2を配置し、燃焼物を該一次燃焼室16で一次空気をス
トーカ下方より供給しながら燃焼し、焼却灰は煙道構造
体12底部から排出し、一方、燃焼ガスは煙道内側の二
次燃焼室32で燃焼させた後、冷却炉42により所定温
度以下に冷却して排出するストーカ式焼却炉10におい
て、一次燃焼室16の側面壁及び煙道構造体12の側面
壁から、二次空気を供給して該一次燃焼室において燃焼
ガスをタールガス等の未燃分を含まない程度まで燃焼さ
せると共に、二次燃焼室内の温度を所定温度範囲以内に
維持する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、汚泥、シュレッダ
ダストなどの一般、産業廃棄物、さらには、燃焼処理を
行うことが好ましい廃液を合理的且つ効率的に燃焼する
ことができるストーカ式焼却炉に係り、特に、亜鉛の乾
式精錬に用いられる電熱蒸留炉を転用して構成したスト
ーカ式焼却炉に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のストーカ式焼却炉としては種々の
ものが提供されており、その一例が、例えば、特開平3
−225106号及び特開平2−166306号に記載
されている。図5は、旧来のストーカ式焼却炉を概略的
に示したものである。ごみ1をホッパ2から焼却炉の炉
本体3内に投入し、該本体3の底部を移動するごみ1に
燃焼用空気4を供給しながら該本体3のホッパ2側に配
置したバーナ(図示せず)により、過熱、乾燥、燃焼過
程を行なっていた。燃焼処理の立上げ後、炉内温度が所
定の温度となったところでバーナを停止し、その後は自
燃させていた。
【0003】かかる旧来のストーカ式焼却炉では、ごみ
1の燃焼過程において、本体3底部のホッパ2に近い側
のゴミ1からCO,タ−ルを含む未燃焼ガス5が発生
し、本体3底部のホッパ2から遠い側から酸素を比較的
多く含み完全燃焼したガス6が発生する。これらガス
は、炉本体3の排出部であるX位置で混ざりあい、高温
の二次燃焼室で完全燃焼する設計となっていたが、現実
には、十分に混合されずに煙道に導かれていた。その結
果、CO,タ−ル含む未燃焼ガス5は一部そのままガス
冷却設備に導入されて冷却され、炉本体3内で発生した
ダイオキシン類がより多く排出される結果となってい
た。
【0004】前述の特開平2−166306号では、図
6に示すように、二次燃焼室を有する煙道構造体の手前
に遮蔽板7を設置し、未燃焼ガス5と酸素を比較的多く
含む完全燃焼したガス6とを十分に混合すると共に、当
該部位に長い時間滞留させておくことにより燃焼を促進
させている。一方、特開平3−225106号では、図
7に示すように、排気ガスと供給された二次空気とが十
分に混合して燃焼が完全に行なわれるように空気噴射口
が1つの水平仮想円の接戦方向を向いている3以上の二
次空気供給ノズル8を煙道に配置している。
【0005】ところで、図8はZnの電熱蒸留炉50の
概略図であり、セント ジョセフリード社が1950年
代に開発したものである。炉は、円形断面の竪形炉52
で中央付近にベーパーリング54と呼ばれる中空部を持
っている。竪形炉体の上下に設けられる黒鉛電極56を
一組として、炉内挿入物の抵抗により通電加熱し、一定
電圧になるように自動的に制御される。電極は炉の大き
さにより炉周上に上下6又は9本設置されている。挿入
物は厳密に整粒された焼結鉱とこれと同容積の整粒コク
スで、予熱炉58(回転炉)で予熱してから挿入し、炉
中を降下しつつ還元揮発をうける。Zn蒸気はベーパー
リング部54から溶融Znを溜めたU字形の凝縮室60
に入り、溶融Zn中を通過する際に急冷凝縮される。
【0006】残滓は固体のまま残留コークスとともに炉
底部回転排鉱機62により排出され、風力選別、磁力選
別によりコークス、金属Fe分などを回収する。凝縮し
たZnは、コンデンサ60に連結された湯溜りから抜き
出される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】図6及び図7に示した
従来のストーカ式焼却炉では、いずれも、一次燃焼室が
800℃以下となっており、また、一次空気の流れが一
定方向を向いたままとなっているため、発生したタール
ガス及びCOがそのまま二次燃焼室に導入されてしまっ
たり、二次空気の量が無いため一次燃焼室における温度
を高くできない等の欠点があった。これらの理由によ
り、最終排ガス中の有害物質、例えば、CO濃度が連続
的に100ppm以上となったり、ダイオキシン等が排
ガス中に多量に含まれたりする等政府で定める環境基準
を満たすことができない欠点があった。
【0008】また、上述した電熱蒸留炉50は、195
0年代に開発されたものであるが、高価な電力を使用す
るので自己発電施設を有する工場以外では他の方式の炉
に交換されつつある。例えば、インペリアル スメルテ
イング社のISP法では、予熱コークスとともに装入し
たPb,Zn焼結鉱は羽口から吹き込まれた熱風により
燃焼し、Pb,Znは加熱還元を受け、精製したZn蒸
気は炉ガスとともに上昇して炉頂から約1300Kでコ
ンデンサに入り、コンデンサ中のZn溶液に急冷凝縮さ
れPb中に溶け込む。その後、冷却樋及び溶離炉を経て
Znは分離され、Pbは再びコンデンサに戻され循環使
用される。
【0009】このようにその役割を終わりつつある電熱
蒸留炉は、耐用年数が未だ到来していないにもかかわら
ず不使用又は解体されるのを待っている状態にあり、有
効利用の道を模索している。
【0010】一方、産業廃棄物の総量は、年々増加の一
途を辿っているにもかかわらず、それを処理する施設の
方は広い敷地面積を確保することができず新規施設の建
設は難しくなっている。特に、写真現像液などの燃焼処
理することが好ましいとされる廃液は、完全燃焼させる
ために必要な高温の二次燃焼室と高い炉塔とが必要であ
り、新規に建設すると莫大な費用がかかる欠点があっ
た。
【0011】また、従来のストーカ式焼却炉では、シュ
レッダダストのようなZn及びCuを僅かに含む産業廃
棄物を焼却した場合、焼却灰中のそれらの濃度は極めて
低く従来周知の回収プラントで回収しても採算が採れ
ず、セメント材料として使用されるに止まっており再利
用ができなかった。
【0012】本発明は、上述した従来技術の課題に鑑み
なされたもので、一次燃焼室内に十分な二次空気を供給
して一次燃焼室内を高温状態に維持して有害ガスをほと
んど含まない程度まで燃焼させることにより、最終排ガ
ス中のCOの濃度を低下させ且つ排ガスがダイオキシン
等の有害有機塩素化合物を含まないようにできるストー
カ式焼却炉を提供することである。
【0013】本発明は、また、既存の亜鉛の乾式精錬に
用いられる電熱蒸留炉を転用して、従って、比較的小さ
な設備の変更だけで不足ぎみの産業廃棄物、特に、写真
現像液などの燃焼処理することが好ましいとされる廃液
をも燃焼できる処理施設とすることができるストーカ式
焼却炉を提供することを目的とする。
【0014】本発明は、また、シュレッダダストのよう
なZn及びCuを僅かに含む産業廃棄物を焼却した場合
に、それらをその焼却灰中に高濃度に含むようにして再
利用を可能とするストーカ式焼却炉を提供することを目
的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明は、煙道構造体の
下方部側面に一次燃焼室を形成して、汚泥、シュレッダ
ダストなどの燃焼物を投入する供給口、ストーカ及び着
火バーナを配置し、燃焼物を該一次燃焼室で一次空気を
ストーカ下方より供給しながら燃焼し、焼却灰は煙道構
造体底部から排出し、一方、燃焼ガスは煙道内側の二次
燃焼室で燃焼させた後、冷却炉により所定温度以下に冷
却して排出するストーカ式焼却炉において、一次燃焼室
の側面壁及び煙道構造体の側面壁から、二次空気を供給
して該一次燃焼室において燃焼ガスをタールガス等の未
燃分を含まない程度まで燃焼させると共に、二次燃焼室
内の温度を所定温度範囲以内に維持することを特徴とす
るストーカ式焼却炉を提供する。
【0016】一次燃焼室内に十分な二次空気が供給され
ると共に、一次空気による空気流れに加えて二次空気の
流れが一次燃焼室内に形成され、空気と未燃焼ガスとが
十分に混合される。これにより、一次燃焼室内での乾燥
過程で発生するタールガス及びCOは、一次燃焼室後半
の高温領域、例えば、1000℃〜1300℃の領域を
通過し、ほぼ完全に燃焼する。酸素が不足する時は、こ
の領域で二次空気を多量に吹き込むことにより、完全燃
焼を容易に達成することができる。さらに、二次燃焼室
でも、二次空気を供給することにより完全燃焼を促進
し、所定範囲以内、例えば、900℃±50℃の高温状
態を達成してダイオキシン等の有害塩素有機化合物を完
全に分解する。
【0017】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
のストーカ式焼却炉において、一次燃焼室に供給される
二次空気が、燃焼物に対し30〜45度の角度で向かう
ように設定されていることを特徴とする。
【0018】燃焼物の隙間を通って上昇する一次空気と
二次空気とが対面式にぶつかり合い、その乱流効果で空
気と未燃焼ガスとの混合とがより十分に行なわれる。請
求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載のストー
カ式焼却炉において、一次燃焼室に供給される二次空気
が、供給口から投入され上段プッシャ前方位置に堆積さ
れた燃焼物及び該上段プッシャに押されて下段プッシャ
前方に落とされた燃焼物にそれぞれ向かうように、対向
する側面壁に一対ずつ設けられた空気口から噴射される
ことを特徴とする。
【0019】請求項4に記載の発明は、請求項1〜3の
いずれか1項に記載のストーカ式焼却炉において、一次
燃焼室の対向する側面壁に設けられた合計4つの空気口
が、該一次燃焼室の長手方向に相互にずれており、最も
供給口に近い空気口及び最も遠い空気口が一方の側面壁
に、中間の2つの空気口が他方の側面壁に設置されてい
ることを特徴とする。
【0020】請求項5に記載の発明は、請求項1〜4の
いずれか1項に記載のストーカ式焼却炉において、二次
燃焼室に供給される二次空気が、煙道構造体の側面壁の
高さ方向に相互にずれた位置に設けられた2つの空気口
から噴射されるようにされており、下方の空気口は燃焼
補助用の重油バーナとほぼ同じ高さであって煙道構造体
の周方向に90度ずれた位置に配置されていることを特
徴する。
【0021】請求項6に記載の発明は、請求項1〜5の
いずれか1項に記載のストーカ式焼却炉において、二次
空気量が、供給空気量の約30%で、各空気口からほぼ
均等量ずつ噴射することを特徴とする。
【0022】請求項7に記載の発明は、請求項1〜6の
いずれか1項に記載のストーカ式焼却炉において、二次
燃焼室の温度が900℃±50℃とされていることを特
徴とする。
【0023】本発明の第二の態様は、竪形炉体の下方部
側面に一次燃焼室を形成して、汚泥、シュレッダダスト
などの燃焼物を投入する供給口、ストーカ及び着火バー
ナを配置し、燃焼物を該一次燃焼室で燃焼して焼却灰は
竪形炉体の底部に設けられている回転床に排出して燃え
残りのない状態まで該回転床に置いた後該竪形炉体の底
部から排出し、一方、燃焼ガスは竪形炉体内側の二次燃
焼室で燃焼させた後、竪形炉体の頂部から排出して冷却
水を噴射し、さらに、予熱炉を転用した冷却炉により2
10℃以下に冷却して排出してなる亜鉛の乾式精錬に用
いられる電熱蒸留炉を転用して構成したストーカ式焼却
炉であって、一次燃焼室の側面壁及び竪形炉体の側面壁
から、二次空気を供給して該一次燃焼室において燃焼ガ
スをタールガス等の未燃分を含まない程度まで燃焼させ
ると共に、二次燃焼室内の温度を所定温度範囲以内に維
持することを特徴とするストーカ式焼却炉を提供する。
【0024】請求項9に記載の発明は、請求項1〜8の
いずれか1項に記載のストーカ式焼却炉において、二次
燃焼室に、写真現像液などの廃液を噴射する噴射口を設
けたことを特徴とする。請求項10に記載の発明は、請
求項8又は9に記載のストーカ式焼却炉において、竪形
炉体に設けられていた空気吹込みノズルの一部に二次燃
焼用の燃料を噴射する二次燃焼バーナを装着してなるこ
とを特徴とする。
【0025】請求項11に記載の発明は、請求項8〜1
0のいずれか1項に記載のストーカ式焼却炉において、
竪形炉体に設けられていた空気吹込みノズルの一部に汚
泥を二次燃焼室に噴射する汚泥噴射ノズルを装着してな
ることを特徴とする。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、図面を用いて本発明に係る
ストーカ式焼却炉について詳細に説明する。
【0027】図1は、本発明に係るストーカ式焼却炉の
一実施形態の中央縦断面図であり、図2(a)〜(e)
は、図1のストーカ式焼却炉におけるA−A,B−B,
C−C,D−D及びE−E線断面図である。
【0028】図示された本発明に係るストーカ式焼却炉
10は、亜鉛の乾式精錬に用いられる電熱蒸留炉を転用
して構成したもので、竪形炉体12の下方部側面にスト
ーカ炉14を新たに新設してその内部に一次燃焼室16
を形成している。ストーカ炉14の入口には、汚泥、シ
ュレッダダストなどの燃焼物を投入する供給口18が設
けられている。
【0029】供給口18の下方には、油圧シリンダによ
って駆動されるプッシャ20が設けられている。プッシ
ャ20によってストーカ炉14の一次燃焼室16内に押
し出された燃焼物は、ストーカ19上で燃焼される。一
次燃焼室16における着火のために、ストーカ炉14の
側面壁には着火バーナ22が設置されている。ストーカ
炉14内のストーカ19としては、従来周知の種々の方
式のストーカを用いることができる。例えば、並列揺動
階段式ストーカ、階段摺動式ストーカ、階段上向き摺動
式ストーカ、階段摺動式ストーカ、あるいは、多段円筒
回転式ストーカなど各種のストーカを用いることができ
る。
【0030】本発明の特徴は、一次燃焼室16の側面壁
及び竪形炉体12の側面壁から、二次空気を供給して一
次燃焼室16において燃焼ガスをタールガス等の未燃分
を含まない程度まで燃焼させると共に、二次燃焼室32
内の温度を所定温度範囲以内に維持することにある。
【0031】一次燃焼室16内に十分な二次空気が供給
されると共に、一次空気による上方向への空気流に加え
て二次空気の流れが一次燃焼室16内に形成され、空気
と未燃焼ガスとが十分に混合される。これにより、図3
に概略的に示したように、一次燃焼室16内での乾燥過
程で発生するタールガス及びCOは、一次燃焼室後半の
高温領域、例えば、1000℃〜1300℃の領域を通
過し、ほぼ完全に燃焼する。酸素が不足する時は、この
領域で二次空気を多量に吹き込むことにより、完全燃焼
を容易に達成することができる。さらに、二次燃焼室3
2でも、二次空気を供給することにより完全燃焼を促進
し、さらなる高温状態を達成してダイオキシン等の有害
塩素有機化合物を完全に分解する。
【0032】図示された好ましい実施形態では、図2
(a)及び(b)に最も良く示されているように、一次
燃焼室に供給される二次空気が、燃焼物に対し30〜4
5度の角度で向かうように設定されている。これによ
り、ストーカ19及び燃焼物の隙間を通って上昇する一
次空気と二次空気とが対面式にぶつかり合い、その乱流
効果で空気と未燃焼ガスとの混合とがより十分に行なわ
れる。一次燃焼室に供給される二次空気が、供給口18
から投入され上段プッシャ19前方位置に堆積された燃
焼物及び該上段プッシャに押されて下段プッシャ19前
方に落とされた燃焼物にそれぞれ向かうように、対向す
る側面壁に一対ずつ設けられた空気口17から噴射され
る。特に、図2(c)に示されているように、合計4つ
の空気口17を一次燃焼室16の長手方向に相互にずら
して設置することが好ましい。そして、最も供給口18
に近い空気口及び最も遠い空気口17を一方の側面壁
(図1において黒丸で示した)に、中間の2つの空気口
17を他方の側面壁(図1において白丸で示した)に設
置すると、図において一点鎖線で示したように、水平面
内において対流が発生し、空気と未燃焼ガスとの混合と
がさらに十分に行なわれる。
【0033】図1に最も良く示されているように、二次
燃焼室32に供給される二次空気を、竪形炉体12の側
面壁の高さ方向に相互にずれた位置に設けられた2つの
空気口33から噴射するようにしている。下方の空気口
33は、図2(d)に示されているように、燃焼補助用
の重油バーナ34とほぼ同じ高さであって竪形炉体12
の周方向に90度ずれた位置に配置してある。上方の空
気口33は、下方の空気口33と周方向に90度ずれた
位置に配置することが好ましい。二次空気量は、供給空
気量の約30%で、各空気口からほぼ均等量ずつ噴射す
ることを特徴とする。例えば、二次空気量の総量を27
00立方m/時とした場合、各空気口33から噴射され
る二次空気量は450立方m/時となる。使用するパイ
プとしては80mmのものを用い、流速は25m/秒と
する。
【0034】かかるストーカ式焼却炉10において、二
次燃焼室32の温度が900℃±50℃となり、従来よ
り半分の温度範囲内になり温度制御が精密なった。その
結果、有害排気ガスの排出量が大きく減少した。特に、
COは、従来連続して100ppm以上が排出されてい
たものが、10〜20ppm以下となり、それも間欠的
になった。
【0035】ストーカ炉14では、着火バーナ22によ
り燃焼物に火を付けた後は燃焼物自らの燃焼熱により燃
焼する。従って、ストーカの下方及び側面壁から送風機
24より空気を供給しながら燃焼物を前進・攪拌するこ
とによりほぼ完全に燃焼させることができる。ストーカ
より落下する灰は、プッシャ26で回転床28へ排出さ
れ、ここでも燃焼する。
【0036】ストーカ炉14により燃焼された燃焼物の
焼却灰は、竪形炉体12の底部に設けられている回転床
28上に排出される。図1に最も良く示されているよう
に、竪形炉体12の炉壁下方部に設けられていた空気吹
込みノズルに二次燃焼用の燃料を噴射する二次燃焼バー
ナ30が装着されている。二次燃焼バーナ30からの火
炎により、燃焼灰を燃え残りのない状態まで燃焼した後
竪形炉体12の底部から排出する。燃焼灰の排出は、従
来周知の掻き出し棒28aによって行い、排出された灰
は、線屑分離機に送られ、銅線等を回収し、亜鉛製錬工
場へ送られる。灰は、シリカ、ライムを多く含むので燒
結バインダとして有効である。
【0037】一次燃焼室16からの燃焼ガスは、ストー
カ炉14から竪形炉体12内側の二次燃焼室32で90
0℃±50℃の高温で燃焼される。図示された好ましい
実施形態においては、竪形炉体12の炉壁中央部に設け
られていた空気吹込みノズルに二次燃焼用の燃料を噴射
する二次燃焼バーナ34が装着されている。これによ
り、竪形炉体12の二次燃焼室32内における温度低下
を防止し、高温雰囲気下に燃焼ガスを長い時間置くこと
ができ、ガスを完全燃焼させると共にダイオキシンの発
生を抑制することができる。
【0038】竪形炉体12のほぼ中央には、ベイパーリ
ング部と呼ばれる空隙部が形成されているが、これを改
造して写真現像液などの廃液や汚泥を噴射する噴射口3
6とすることができる。この部分は、ガス流の影響が小
さいので、吹込みノズルが損耗されにくい。汚泥は、ま
た、より高温である竪形炉体12の炉壁中央部に設けら
れた汚泥噴射ノズル38より二次燃焼室32内に噴射す
ることができる。
【0039】竪形炉体12の頂部における排ガス温度は
約800℃であり、これを冷却水ノズル40から冷却水
をスプレーして冷却した後、電熱蒸留炉における予熱炉
を転用した冷却炉42により210℃以下に冷却して、
集じん機、例えば、マルチクロンに排出する。
【0040】(実施例)次に、かかるストーカ式焼却炉
10を用いて各種の産業廃棄物を燃焼処理したシステム
について説明する。
【0041】図3は、本発明のストーカ式焼却炉を用い
て各種の産業廃棄物を燃焼処理するシステムのフローチ
ャートである。
【0042】シュレッダダストは、表1のような性状を
有するものであるが、これらは、産廃収集運搬業者によ
ってダンプカーを使って集められ、コークス鉱舎を改造
して作ったシュレッダダスト受入設備に蓄積し、これを
必要量ずつ電炉建物内のシュレッダダスト置場に運ぶ。
シュレッダダスト受入設備への収集量は5日分で180
トン(600m3 )とし、シュレッダダスト置場には1
日分で36トン(120m3 )とする。
【0043】
【表1】 水分の少ない汚泥及びシュレッダダストはストーカ式焼
却炉10に運び、ホッパ供給口18内に投入する。これ
ら燃焼物は、開閉可能な扉が開いた時に、プッシャ20
によって一次燃焼室16内に押し出され燃焼される。一
次燃焼室16内への燃焼物の供給は、5m3 /時とす
る。
【0044】写真現像液などの廃液や汚泥も、産廃収集
運搬業者により収集し、それぞれ、廃液タンク及び汚泥
ピットに貯蔵する。廃液タンクは、30m3 程度のもの
を3基と20m3 及び15m3 のものを1基ずつ設置す
る。汚泥は、水分の少ないものを汚泥置場に30m3 程
度堆積し、水分の多いものをTl滓ピットを転用した3
0m3 の汚泥ピットに2ケ所貯蔵する。し尿及びし尿浄
化槽に係る汚泥などの水分の多いものは貯液槽(容量2
00トン)に一旦貯蔵し、その上澄液を廃液タンクに貯
蔵された廃液と一緒に噴射口36から二次燃焼室32に
噴射する。噴射量は、0〜2トン/時とする。
【0045】一次燃焼室16及び二次燃焼室32に供給
する空気量を17000Nm3 /時とすると、二次燃焼
室32の温度は850〜950℃となる。炉頂温度は、
750〜800℃で排ガス量は20000Nm3 /時と
なるため、冷却水ノズル40より6トン/時の冷却水を
噴射する。冷却炉42でさらに冷却して、20000N
m3 /時、210℃の排ガスとした後、ガス管を経由し
てマルチサイクロンに導入する。その後、法規制に従っ
た従来周知の各種の排ガス処理を行い最終的に排気塔か
ら空気中に排出する。
【0046】一方、竪形炉体12の底部から排出された
燃焼灰は、0.5〜0.6トン/時となるが、この焼却
灰は、従来周知の線屑分離機に送られる。線屑分離機で
分離された鋼線屑などは、鋼線屑置場などに分別して置
き、一方、残りの焼却灰は残滓処理される。
【0047】上述した数値は、もちろん、説明のために
一例としてあげたもので、これに限定されるものではな
い。
【0048】
【発明の効果】本発明は、煙道構造体の下方部側面に一
次燃焼室を形成して、汚泥、シュレッダダストなどの燃
焼物を投入する供給口、ストーカ及び着火バーナを配置
し、燃焼物を該一次燃焼室で一次空気をストーカ下方よ
り供給しながら燃焼し、焼却灰は煙道構造体底部から排
出し、一方、燃焼ガスは煙道内側の二次燃焼室で燃焼さ
せた後、冷却炉により所定温度以下に冷却して排出する
ストーカ式焼却炉において、一次燃焼室の側面壁及び煙
道構造体の側面壁から、二次空気を供給して該一次燃焼
室において燃焼ガスをタールガス等の未燃分を含まない
程度まで燃焼させると共に、二次燃焼室内の温度を所定
温度範囲以内に維持するため、一次燃焼室内での乾燥過
程で発生するタールガス及びCOは、一次燃焼室後半の
高温領域、例えば、1000℃〜1300℃の領域を通
過し、ほぼ完全に燃焼する。酸素が不足する時は、この
領域で二次空気を多量に吹き込むことにより、完全燃焼
を容易に達成することができる効果を有する。
【0049】さらに、二次燃焼室でも、二次空気を供給
することにより完全燃焼を促進し、さらなる高温状態を
達成してダイオキシン等の有害塩素有機化合物を完全に
分解することができる効果を有する。
【0050】本発明の第二の態様は、竪形炉体の下方部
側面に一次燃焼室を形成して、汚泥、シュレッダダスト
などの燃焼物を投入する供給口、ストーカ及び着火バー
ナを配置し、燃焼物を該一次燃焼室で燃焼して焼却灰は
竪形炉体の底部に設けられている回転床に排出して燃え
残りのない状態まで該回転床に置いた後該竪形炉体の底
部から排出し、一方、燃焼ガスは竪形炉体内側の二次燃
焼室で燃焼させた後、竪形炉体の頂部から排出して冷却
水を噴射し、さらに、予熱炉を転用した冷却炉により2
10℃以下に冷却して排出してなる亜鉛の乾式精錬に用
いられる電熱蒸留炉を転用して構成したストーカ式焼却
炉であって、一次燃焼室の側面壁及び竪形炉体の側面壁
から、二次空気を供給して該一次燃焼室において燃焼ガ
スをタールガス等の未燃分を含まない程度まで燃焼させ
ると共に、二次燃焼室内の温度を所定温度範囲以内に維
持するため、上記効果を保有した上で、比較的小さな設
備の変更だけで不足ぎみの産業廃棄物、特に、写真現像
液などの燃焼処理することが好ましいとされる廃液をも
燃焼できる処理施設とすることができる利点を有してい
る。
【0051】また、ストーカ式焼却炉でシュレッダダス
トなどの産業廃棄物を燃焼した場合、焼却灰中のZn及
びCu濃度が高濃度となり、従来周知の回収プラントに
よっても十分採算が採れ、それら元素の再利用が図れる
効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るストーカ式焼却炉の一実施形態
の中央縦断面図である。
【図2】 (a)〜(e)は、図1のストーカ式焼却炉
におけるA−A,B−B,C−C,D−D及びE−E線
に沿って採った概略断面図である。
【図3】 本発明に係るストーカ式焼却炉における燃焼
状態を説明するための該略図である。
【図4】 本発明のストーカ式焼却炉を用いて各種の産
業廃棄物を燃焼処理するシステムのフローチャートであ
る。
【図5】 旧来のストーカ式焼却炉の燃焼状態を説明す
るための概略中央縦断面図である。
【図6】 従来のストーカ式焼却炉の一例における概略
断面図である。
【図7】 (a)及び(b)は、従来のストーカ式焼却
炉の他の例における概略断面図及び煙道の要部横断面図
である。
【図8】 セント ジョセフ リード社が1950年代
に開発したZnの電熱蒸留炉の概略図である。
【符号の説明】
10 ストーカ式焼却炉 12 竪形炉体 14 ストーカ炉 16 一次燃焼室 17 空気口 18 供給口 19 ストーカ 20 プッシャ 22 着火バーナ 23 空気口 24 送風機 26 プッシャ 28 回転床 30、34 二次燃焼バーナ 32 二次燃焼室 33 空気口 36 噴射口 38 汚泥噴射ノズル 40 冷却水ノズル 42 冷却炉
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成9年11月4日
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図7
【補正方法】変更
【補正内容】
【図7】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI F23G 7/04 ZAB F23G 7/04 ZAB 601 601J 601L 602 602Z

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 煙道構造体の下方部側面に一次燃焼室を
    形成して、汚泥、シュレッダダストなどの燃焼物を投入
    する供給口、ストーカ及び着火バーナを配置し、燃焼物
    を該一次燃焼室で一次空気をストーカ下方より供給しな
    がら燃焼し、焼却灰は煙道構造体底部から排出し、一
    方、燃焼ガスは煙道内側の二次燃焼室で燃焼させた後、
    冷却炉により所定温度以下に冷却して排出するストーカ
    式焼却炉において、 前記一次燃焼室の側面壁及び前記煙道構造体の側面壁か
    ら、二次空気を供給して該一次燃焼室において燃焼ガス
    をタールガス等の未燃分を含まない程度まで燃焼させる
    と共に、前記二次燃焼室内の温度を所定温度範囲以内に
    維持することを特徴とするストーカ式焼却炉。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のストーカ式焼却炉にお
    いて、前記一次燃焼室に供給される二次空気は、燃焼物
    に対し30〜45度の角度で向かうように設定されてい
    ることを特徴とするストーカ式焼却炉。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載のストーカ式焼却
    炉において、前記一次燃焼室に供給される二次空気は、
    供給口から投入され上段プッシャ前方位置に堆積された
    燃焼物及び該上段プッシャに押されて下段プッシャ前方
    に落とされた燃焼物にそれぞれ向かうように、対向する
    側面壁に一対ずつ設けられた空気口から噴射されること
    を特徴とするストーカ式焼却炉。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1項に記載のス
    トーカ式焼却炉において、前記一次燃焼室の対向する側
    面壁に設けられた合計4つの空気口は、該一次燃焼室の
    長手方向に相互にずれており、最も供給口に近い空気口
    及び最も遠い空気口が一方の側面壁に、中間の2つの空
    気口が他方の側面壁に設置されていることを特徴とする
    ストーカ式焼却炉。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか1項に記載のス
    トーカ式焼却炉において、前記二次燃焼室に供給される
    二次空気は、前記煙道構造体の側面壁の高さ方向に相互
    にずれた位置に設けられた2つの空気口から噴射される
    ようにされており、下方の空気口は燃焼補助用の重油バ
    ーナとほぼ同じ高さであって煙道構造体の周方向に90
    度ずれた位置に配置されていることを特徴するストーカ
    式焼却炉。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれか1項に記載のス
    トーカ式焼却炉において、二次空気量は、供給空気量の
    約30%で、各空気口からほぼ均等量ずつ噴射すること
    を特徴とするストーカ式焼却炉。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれか1項に記載のス
    トーカ式焼却炉において、前記二次燃焼室の温度は90
    0℃±50℃とされていることを特徴とするストーカ式
    焼却炉。
  8. 【請求項8】 竪形炉体の下方部側面に一次燃焼室を形
    成して、汚泥、シュレッダダストなどの燃焼物を投入す
    る供給口、ストーカ及び着火バーナを配置し、燃焼物を
    該一次燃焼室で燃焼して焼却灰は竪形炉体の底部に設け
    られている回転床に排出して燃え残りのない状態まで該
    回転床に置いた後該竪形炉体の底部から排出し、一方、
    燃焼ガスは竪形炉体内側の二次燃焼室で燃焼させた後、
    竪形炉体の頂部から排出して冷却水を噴射し、さらに、
    予熱炉を転用した冷却炉により210℃以下に冷却して
    排出してなる亜鉛の乾式精錬に用いられる電熱蒸留炉を
    転用して構成したストーカ式焼却炉であって、 前記一次燃焼室の側面壁及び前記竪形炉体の側面壁か
    ら、二次空気を供給して該一次燃焼室において燃焼ガス
    をタールガス等の未燃分を含まない程度まで燃焼させる
    と共に、前記二次燃焼室内の温度を所定温度範囲以内に
    維持することを特徴とするストーカ式焼却炉。
  9. 【請求項9】 請求項1〜8のいずれか1項に記載のス
    トーカ式焼却炉において、前記二次燃焼室に、写真現像
    液などの廃液を噴射する噴射口を設けたことを特徴とす
    るストーカ式焼却炉。
  10. 【請求項10】 請求項8又は9に記載のストーカ式焼
    却炉において、前記竪形炉体に設けられていた空気吹込
    みノズルの一部に二次燃焼用の燃料を噴射する二次燃焼
    バーナを装着してなることを特徴とするストーカ式焼却
    炉。
  11. 【請求項11】 請求項8〜10のいずれか1項に記載
    のストーカ式焼却炉において、前記竪形炉体に設けられ
    ていた空気吹込みノズルの一部に汚泥を前記二次燃焼室
    に噴射する汚泥噴射ノズルを装着してなることを特徴と
    するストーカ式焼却炉。
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