JPH11100615A - 超微細粒を有する熱延鋼板及び冷延鋼板の製造方法 - Google Patents

超微細粒を有する熱延鋼板及び冷延鋼板の製造方法

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JPH11100615A
JPH11100615A JP26172297A JP26172297A JPH11100615A JP H11100615 A JPH11100615 A JP H11100615A JP 26172297 A JP26172297 A JP 26172297A JP 26172297 A JP26172297 A JP 26172297A JP H11100615 A JPH11100615 A JP H11100615A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 超微細粒を容易かつ安定して得るとともに、
延性、特にr値などの加工性に優れ、かつかかる機械的
性質の異方性が少ない加工用熱延鋼板や冷延鋼板を製造
する。 【解決手段】 C:0.01wt%以下の熱延鋼板用素材を溶
製し、直ちに又は一旦冷却して1200℃以下に加熱して熱
間圧延を施す際、動的再結晶域での圧下を4スタンド以
上の圧下パスにて行い、直ちに20℃/s以上で冷却し、Ar
3 変態点以下での圧延を少なくとも1パス行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、熱延ままで超微
細フェライト粒を有し、延性、r値などの加工性に優
れ、また、これらの異方性が小さい熱延鋼板に関するも
のであり、自動車用、家電用、機械構造用、建築用等の
使途に適用して有利な鋼板を提案しようとするものあ
る。また、上記熱延鋼板を素材として、加工性に優れた
冷延鋼板を得ようとするものである。
【0002】
【従来の技術】自動車用材、構造材等に用いられる鋼材
には、強度、加工性、じん性といった機械的性質に優れ
ることが求められる。これらの機械的性質を総合的に高
める手段としては組織を微細化することが有効であるこ
とから、微細な組織をめざす製造方法が数多く模索され
てきた。また、高張力鋼板においては、近年、低コスト
と高機能特性を両立できる高張力鋼板のニーズが強く、
かつ、このニーズに適合する鋼板の開発に目標が移行し
つつあり、高張力化に伴う延性、じん性、耐久比などの
劣化を抑える目的で高張力鋼における組織の微細化も重
要な課題となっている。更には、同じく自動車用材等に
用いられる冷延鋼板において、素材とする熱延鋼板の細
粒化は、加工性、特にr値(ランクフォード値)の向上
に有効であるとされており、冷延母材としての熱延鋼板
の組織の細粒化も重要な課題となっている。
【0003】組織を微細化するには、一般に、大圧下圧
延法、制御圧延法、制御冷却法などが知られている。こ
のうち、大圧下圧延による組織微細化法としては、例え
ば特開昭58−123823号公報等に代表される提案
がある。これらの方法における微細化機構の要点は、オ
ーステナイト粒に大圧下を加えることによるγ→α歪誘
起変態を促進させることにあり、かかる方法により、あ
る程度の微細化は達成される。しかし、一パス当たりの
圧下量を40%以上にするなど、一般的なホットストリッ
プミルでは実現し難いという問題がある他、かかる実現
し難い条件になることによって、得られる最終組織の微
細化には限界があった。特にC:0.01wt%以下の極低炭
素鋼の場合は、粒成長が極めて速いために、結晶粒の微
細化は容易ではなかった。また、大圧下圧延によって結
晶粒は偏平となるため、機械的特性に異方性が生じた
り、セパレーションにより破壊吸収エネルギーが低下す
るという問題もあった。更に、加工性についても未だ十
分だとはいえなかった。
【0004】一方、制御圧延法や制御冷却法に属する結
晶微細化法を適用した鋼板としては、NbもしくはTiを含
む析出強化型鋼板がある。これらの鋼板は、Nb、Tiの析
出強化作用を利用して高張力化を図るとともに、Nb、Ti
がそなえるオーステナイト粒の再結晶抑制作用を利用し
て低温仕上圧延を施したときの未再結晶変形オーステナ
イト粒からのγ→α歪誘起変態によってフェライト結晶
粒を微細化するものである。しかし、かかる微細化法を
C:0.01wt%以下の極低炭素鋼に適用しようとしても、
極低炭素鋼の場合は、生成する析出物量が少ないために
上記のような析出物を利用した結晶粒の微細化は大して
得られない。
【0005】以上述べたように、C:0.01wt%以下の極
低炭素鋼の場合は、大圧下圧延法、制御圧延法、制御冷
却法による微細化が困難である。したがって、かかる極
低炭素鋼板の微細化のためには圧延直後に急冷すること
が最も有効であり、実際に適用が試みられている。しか
しながら、極低炭素鋼板は、粒成長が極めて速いため
に、この方法によっても、容易かつ安定して10μm 未満
の微細な結晶粒を得ることはできなかった。また、加工
性について更なる改善が求められている今日では、特に
r値については、未だ十分だとはいえなかった。
【0006】一方、極低炭素鋼のr値を改善する技術と
して、熱間圧延をAr3 変態点以下で終了し、母板焼鈍す
る方法が知られており、加工用熱延鋼板や、当該熱延鋼
板を冷延母板とした加工用冷延鋼板に適用が考えられて
いる。ところが、一般に熱延鋼板もしくは冷延鋼板にお
いてAr3 変態点以下で終了すると、加工用鋼板としては
好ましくない「リジング」と呼ばれる現象を生じやす
い。リジングは、薄鋼板に加工を加えた際に表面に細か
い筋状のしわを生ずる現象で、表面の美麗性を損ない、
著しい場合には加工破断や疲労破断の起点となる。リジ
ングの発生原因については未だ統一された見解はない
が、鋳造スラブもしくは粗圧延後のシートバーにおける
粗大なオーステナイト粒が関与しているという点ではほ
ぼ一致している。そのため、この粗大なオーステナイト
粒の影響を低減すべく、熱間粗圧延におけるパス間時間
を長くしたり熱延板焼鈍もしくはパス間焼鈍を施す
(「鉄と鋼 Vol.77, No.8 (1991) p.84 」、「鉄と鋼 V
ol.78, No.4(1992) p.124」、あるいは、熱間仕上げ圧
延の後段で高歪み速度で強圧下を加える(特開晶63−
121623号公報)などの方法が開示されている。し
かし、これらにおいても、粗大なオーステナイト粒の問
題を根本的に解決するものではないため、安定してリジ
ングを解消するものではない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述したように極低炭
素鋼に関する従来技術においては、微細な最終フェライ
ト粒を容易かつ安定して得ることは困難であった。ま
た、加工性、特にr値については、更なる向上が求めら
れているところ、この要望に対し十分な特性が得られて
いるとはいえなかった。また、Ar3 変態点以下の熱間圧
延を施して加工性を向上する際にリジングの発生を十分
に抑制することも困難であった。
【0008】この発明は、上記の問題を解決するため
に、10μm 未満の超微細粒を容易かつ安定して得るとと
もに、延性、特にr値などの加工性に優れ、かつかかる
機械的性質の異方性が少ない加工用熱延鋼板や冷延鋼板
を得ることのできる製造方法を提案することを目的とす
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】この発明は、C:0.01wt
%以下の熱延鋼板用素材を溶製し、直ちに又は一旦冷却
して1200℃以下に加熱して熱間圧延を施す際、動的再結
晶域での圧下を4スタンド以上の圧下パスにて行い、直
ちに20℃/s以上で冷却し、Ar3 変態点以下での圧延を少
なくとも1パス行うことを特徴とする超微細粒を有する
熱延鋼板の製造方法である。この発明では、温間圧延を
施した後、650 〜550 ℃で巻き取ることが有利であり、
また、この発明の熱延鋼板に、圧下率50〜95%の冷間圧
延、次いで600 〜Ac 3 変態点以下での焼鈍を施して、冷
延鋼板を製造することもできる。この発明におけるフェ
ライト粒の平均粒径は、常法に従い、圧延方向断面にお
ける平均粒径とする。
【0010】
【発明の実施の形態】さて、発明者らは、上記問題を解
決すべく研究開発を重ねた結果、熱間圧延時において、
動的再結晶域において繰り返し圧下を行うことにより、
フェライトを超微細粒にすることができることを見出し
た。そして、かかる動的再結晶域での圧下は大圧下とす
る必要がなく、そのため、フェライト粒のアスペクト比
(フェライト粒の長径と短径との比。実用上は、フェラ
イト粒は圧延方向に伸びるので、圧延方向断面上の長径
と短径の比で代用される。)が1.5 未満という良好な組
織が得られるために、機械的特性の異方性も解消される
ことを併せて見出した。
【0011】この発明により得られる極低炭素熱延鋼板
は、平均フェライト粒径がおよそ10μm 未満と結晶粒が
微細であるため、強度、じん性、延性などの機械的特性
が特に優れているばかりでなく、フェライト粒のアスペ
クト比が1.5 未満になるから、諸特性の異方性も少な
い。なお、この発明の組織は、フェライト単相又は第2
相として極少量の(体積分率で2%以下)パーライトな
いしはセメンタイトを含有する組織になる。
【0012】また、発明者らは、熱間圧延の際に、上記
の動的再結晶域での圧下を行った後、直ちに20℃/s以上
で冷却し、Ar3 変態点以下での圧延を少なくとも1パス
行うことにより、特にr値で代表される加工性が向上す
ることを見出し、この発明を完成するに至ったのであ
る。また、このような熱間圧延工程により、Ar3 変態点
以下の圧延前に粗大なオーステナイト粒を細粒化してフ
ェライト変態させるため、リジングの問題も根本的に解
決されることを見い出したのである。
【0013】以上のような特質を具備するこの発明に従
う熱延鋼板は、軟鋼板から、自動車構造用鋼板、加工用
自動車高張力用鋼板、家電用鋼板、構造用鋼板等として
て幅広い分野、用途の鋼板に適用することが可能である
(以下、この明細書で加工用鋼板とは、これらの用途を
全て包含する意味で用いる。)。
【0014】上述した極低炭素鋼板の成分組成範囲は、
特に限定するものではないが、好適な含有量は次のとお
りである。 (C:0.01wt%以下)C量が0.01wt%を超えると深絞り
性が劣化するために上限を0.01wt%とする。 (Si:2.0 wt%以下)Siは、固溶強化成分として強度−
伸びバランスを改善しつつ強度上昇に有効に寄与するた
め、強度を必要とする場合は適宜含有させることができ
るが、過剰な添加は、延性や表面性状を劣化させるため
に上限を2.0 wt%とする。 (Mn:3.0 wt%以下)Mnは鋼を強化する作用があり、強
度を必要とする場合は適宜含有させることができ、ま
た、有害な固溶SをMnS として無害化する作用を有する
が、あまりに多量の添加は鋼が硬化して延性を劣化させ
るので上限を3.0 wt%とする。
【0015】(P:0.3 wt%以下)Pは、Mnと同様に鋼
を強化する作用があるため、強度を必要とする場合は適
宜含有させることができるが、Pは粒界に偏析し易いた
め、過剰な添加は深絞り性や脆性を劣化させる原因とな
るため、上限は0.3 wt%とする。
【0016】以上の成分の他、必要に応じてTi、Nb、Cu
等の以下の成分を含有させることができる。Ti、Nb、
V、Moは、炭窒化物を形成して固溶C、固溶Nを固定し
て鋼を清浄化する作用があり、加工性の向上に有用な成
分であり、かかるの作用を発揮させるためには、0.01wt
%以上を含有されるのが好ましく、あまりに多量の添加
では、作用が飽和する他にコストアップの要因になるの
で、上限は0.3 wt%、より好ましくは0.1 wt%以下とす
る。なお、Tiは、TiO2を形成して溶接部の結晶粒粗大化
を防止する効果もある。
【0017】Cr、Cu、NiもMn同様に強化成分として必要
に応じて含有させることができるが、あまりに多量の添
加ではかえって強度−延性バランスを劣化させるので上
限は1.0 wt%程度とする。なお、その作用効果を十分に
発揮させるためには、0.01wt%程度は含有させるのが好
ましい。
【0018】Ca、REM 、Bは、硫化物の形状制御や粒界
強度の上昇を通じて加工性を改善する効果があるため、
必要に応じて含有させることができるが、過剰な添加で
は清浄性や再結晶性に悪影響を及ぼすおそれがあるの
で、50ppm 程度以下が好ましい。なお、Bには、加工後
の二次加工ぜい性を軽減したり、冷延鋼板を連続焼鈍で
得る際に、時効性を低減させる効果もある。
【0019】以上の成分組成範囲に調整した溶鋼を、連
続鋳造又は造塊−分塊圧延により圧延素材とし、この圧
延素材に熱間圧延を施すのであるが、圧延に供する際に
は、一旦冷却して1200℃以下に再加熱しても良いし、ま
た、直送圧延やホットチャージローリング(HCR)で
も構わない。また、薄スラブ連続鋳造法のように、連続
鋳造により鋳造されたスラブを直接熱間圧延しても構わ
ない。再加熱する場合は1200℃以下の低温加熱の方が、
結晶粒が粗大化しないので有利である。直送圧延の場合
も、1200℃以下まで冷却後に圧延開始するのが圧延中の
粒成長の抑制の上で望ましい。いずれの場合も下限は仕
上圧延温度が確保できれば良く、現状では900 ℃程度で
ある。
【0020】熱間圧延は、この発明の最も重要な点であ
る。すなわち、熱間圧延を動的再結晶域での圧下を4ス
タンド以上の圧下パスにて行うことが、この発明で所期
した超微細なフェライト粒を有する組織を得るために肝
要である。動的再結晶域での圧下を加えるには、例え
ば、仕上圧延の前段で、圧延素材の温度低下を極力防止
しながら連続する4スタンド以上で圧下を加えることが
有効である。そのためには、その最初のスタンド入側と
最後のスタンド出側の鋼板温度の温度差が60℃以下、よ
り好ましくは30℃以下にすると良い。なお、連続する4
スタンドとは、実際に圧延を行うスタンドを表し、例え
ば開放状態で圧下しないスタンドを挟んでも無論問題は
ない。動的再結晶域での圧下を行う最後のスタンド出側
の鋼板温度は、Ar3 変態点以上、具体的には、950 〜85
0 ℃が好ましい。
【0021】以上のような仕上圧延は、通常の仕上圧延
設備においても熱延時の鋼板及び設備の冷却を極度に低
減することで実施することができるが、仕上圧延スタン
ド間に加熱手段を設置して、被圧延材又はロールを加熱
することは、仕上圧延中の鋼板の温度低下をより簡単に
防止することができる。
【0022】図1に、かかる加熱手段の一例を示す。同
図(a) 示した例は高周波加熱装置であり、鋼板に交番磁
場を印加することにより、誘導電流を生起させて鋼板を
加熱するものである。この発明の加熱手段は、同図(a)
の高周波加熱装置に限らず、同図(b) のようなヒーター
加熱でもよく、更に、直接通電加熱ヒーターであっても
良い。
【0023】なお、動的再結晶域における各スタンドの
圧下率は、大圧下は不要で、最高でも30%もあれば良
く、できれば20%以下のスタンドを多くとるのが(3ス
タンド以上)、異方性を小さくする上で好ましい。。な
お、圧下率の下限は、動的再結晶が生ずる範囲であれ
ば、特に限定するものではないが4%以上が好ましい。
動的再結晶域で圧延する合計圧下率は50〜75%程度が好
ましい。
【0024】動的再結晶域での圧下を4スタンド以上で
行った後、直ちに20℃/s以上の冷却速度でAr3 変態点以
下の温度域まで冷却してから、1パス以上の圧延を行
う。この冷却は、次工程の圧下をAr3 変態点以下で行う
ために行われる。冷却速度が20℃未満では、連続する圧
延スタンドで動的再結晶域での圧下及びAr3 変態点以下
での圧下の両者を行うことが難しくなる。より好ましい
冷却速度は50℃/s以上である。かかる20℃/s以上の冷却
は、スプレー式、ミスト式などの水冷設備をスタンド間
に設けることによって容易に達成することができるし、
また、スタンドの冷却用に設けられた設備以外に特別な
冷却設備を設けなくても、連続する数スタンドで圧下を
行わずに通板させ、その間における空冷によっても達成
することができる。
【0025】上記した冷却の後、Ar3 変態点以下での圧
延を少なくとも1パス行う。このAr 3 変態点以下での圧
延は、いわば温間圧延に相当するから、2回冷延−2回
焼鈍と同じ効果を奏する。すなわち、Ar3 変態点以下で
の圧延の鋼の集合組織は、(111)強度が大きくなっ
て、製品のr値が良好になる。したがって、この発明で
は、熱間圧延の前段で結晶粒を微細化する圧延を、後段
では集合組織を良好にする圧延を行うことで、両方の作
用の組み合わせにより加工用鋼板として特に優れた特性
が得られるのである。なお、熱間圧延時においては、潤
滑を施しつつ圧下を行っても良く、これにより、加工性
の向上や異方性の改善を図ることができる。
【0026】Ar3 変態点以下での圧延は、成分にもよる
が、およそ800 ℃以下である。圧延温度の下限は、特に
限定するものではなく、巻取温度の関係で定めればよ
い。およそ500 ℃以上である。圧下率は、この発明の目
的を達成するために20%以上、より好ましくは30%以上
とする。圧下パス回数は、少なくとも1回を行う。上限
は特に定めないが、熱間圧延設備のスタンド数との兼ね
合いにもよる。
【0027】上記のような熱間圧延を経た鋼板は、巻き
取ってコイルとする。巻取温度は、650 〜550 ℃の範囲
が好ましい。これは、高温巻取によって自己焼鈍させる
ことにより、更なる加工性の向上を図ることができるた
めである。なお、従来の温間圧延鋼板においては、900
℃程度の高温に保持しないと十分焼鈍(再結晶)が進行
しないが、本発明鋼においては、再結晶サイトとなる結
晶粒界が豊富にあるため、550 ℃以上で十分である。な
お、650 ℃を超えると結晶粒径のコイル内ばらつきが増
大し好ましくない。なお、熱間圧延後、直ちに冷却を行
う直近急冷を行うことは、結晶粒の粗大化が防止できる
ので、超微細粒を得るこの発明の鋼板を得るために、よ
り好ましい。
【0028】この発明のフェライト粒径を満足する鋼板
は、熱延鋼板として種々の用途に用いられる他、冷延鋼
板用の素材としても適用することができる。結晶粒が微
細かつ均質であり、更にr値に優れているため、特に加
工用冷延鋼板用等として好適であり、優れたr値の鋼板
が得られる。
【0029】かかる加工用冷延鋼板を製造するには、圧
下率50〜95%での冷延、600 〜Ac3変態点での焼鈍を行
う。圧下率が50%未満では、良好な加工性が得られず、
95%を超える圧下を加えても特性が飽和する。焼鈍温度
が600 ℃に満たない場合及びAc3 点変態点を超える場合
のいずれも、良好な加工性が得られない。焼鈍後に急冷
してから過時効処理を行ってもよい。また、連続焼鈍の
みならず、コイルに巻き取って、箱焼鈍にする方法でも
良い。
【0030】
【実施例】表1に示す各組成の鋼素材を表2に示す条件
で熱間圧延を施した。なお、動的再結晶域での圧下を行
う最後のスタンドの出側温度は860 〜880 ℃とし、動的
再結晶域における累積圧下率は60%以上70%以下とし
た。
【0031】
【表1】
【0032】
【表2】
【0033】なお、例えば表2中、No. 6の例では粗圧
延を3スタンドで行ったのち、7スタンドからなる仕上
圧延設備にて、第1〜5スタンドにおいて動的再結晶で
の圧延を行い、第6スタンドは圧下を行わずに第6スタ
ンド付属の冷却設備を稼働しつつ通板されることにより
50℃/sの冷却速度で冷却し、第7スタンドでAr3 変態点
以下で圧下を行い、750 ℃で仕上げた。なお、圧下の際
は潤滑圧延を行い、熱間圧延終了後は直ちに(0.2 秒
後)冷却を開始した。かかる熱間圧延により板厚2mm
(No. 1)、3mm(No. 2)及び4mm(No. 3〜10)の
熱延鋼板を得た。
【0034】得られた熱延鋼板の機械的性質を調べた結
果を表3に示す。フェライト粒のアスペクト比は1.4 程
度、引張強度T.S.は全て40kgf/mm2 以上、ΔEl. は全て
3.5%以下であった。なお、リジング性については、リ
ジング評価指数を用いて判定し、JIS 5 号引張試験片に
加工した鋼板に15%引張歪を与え、目視により0〜5の
間で数値評価した。値が小さい方がリジングは小さく、
2以下で実用可能なレベル,1以下はほとんどリジング
なしである。
【0035】
【表3】
【0036】次に、上記の熱延鋼板に表4の条件にて冷
間圧延及び焼鈍を行って冷延鋼板を得た。これらの冷延
鋼板の機械的特性を表4に併記する。これらの鋼板は、
引張強度T.S.が38kgf/mm2 以上であった。
【0037】
【表4】
【0038】
【発明の効果】この発明の熱延鋼板の製造方法によれ
ば、超微細粒を有するとともに、r値に優れる極低炭素
熱延鋼板を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】仕上圧延設備における鋼板加熱手段を示す図で
ある。
【符号の説明】
1 ロールスタンド 2 圧下ロール 3 バックアップロール 4 被圧延材 5 高周波加熱装置 6 ヒーター加熱装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 古君 修 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社技術研究所内 (72)発明者 岡田 進 東京都千代田区内幸町2丁目2番3号 川 崎製鉄株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 C:0.01wt%以下の熱延鋼板用素材を溶
    製し、直ちに又は一旦冷却して1200℃以下に加熱して熱
    間圧延を施す際、動的再結晶域での圧下を4スタンド以
    上の圧下パスにて行い、直ちに20℃/s以上で冷却し、Ar
    3 変態点以下での圧延を少なくとも1パス行うことを特
    徴とする超微細粒を有する熱延鋼板の製造方法。
  2. 【請求項2】 温間圧延を施した後、650 〜550 ℃で巻
    き取る請求項1記載の超微細粒を有する熱延鋼板の製造
    方法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の熱延鋼板に、圧下
    率50〜95%の冷間圧延、次いで600 〜Ac3 変態点以下で
    の焼鈍を施す冷延鋼板の製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN1107728C (zh) * 2000-04-25 2003-05-07 钢铁研究总院 一种合金结构钢的晶粒超细化方法
JP2020186434A (ja) * 2019-05-14 2020-11-19 日本製鉄株式会社 熱延鋼板の製造方法

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