JPH1099050A - ステーキ用肉製品の製造方法 - Google Patents

ステーキ用肉製品の製造方法

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JPH1099050A
JPH1099050A JP8280373A JP28037396A JPH1099050A JP H1099050 A JPH1099050 A JP H1099050A JP 8280373 A JP8280373 A JP 8280373A JP 28037396 A JP28037396 A JP 28037396A JP H1099050 A JPH1099050 A JP H1099050A
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JP
Japan
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meat
steak
binder
minced
weight
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JP8280373A
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Kazuko Miura
和子 三浦
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SHINWA SHOKUHIN KK
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SHINWA SHOKUHIN KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、味、食感等が天然のステーキ肉と
同等以上で、保存性及び保管性に優れた外観が天然のス
テーキ肉と変わらないステーキ用肉製品を、簡便かつ少
ない作業工程で、形状、大きさ、及び肉質を天然のステ
ーキ肉よりも自在に成形でき、かつ天然のステーキ肉よ
りも極めて安価に製造することができるステーキ用肉製
品の製造方法の提供を目的とする。 【解決手段】 本発明は、畜肉の細切肉に酸化防止剤と
結着剤を添加して混合してから結着成形する結着工程
と、結着工程により得られた細切肉の結着物に脂身肉を
結着剤により貼り合わせる添着工程と、添着工程により
得られた結着物と脂身肉の添着物を包装袋内に減圧包装
する包装工程と、を備えた構成よりなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、輪切りにすること
により各種肉のステーキが得られるステーキ用肉製品の
製造方法に関する。詳しくは牛肉、豚肉、鳥肉、羊肉、
馬肉等の食用肉から得られる薄切り状、細切れ状、又は
ミンチ状等の細切肉、特にすね肉や屑肉等の安価な細切
肉と、種々の脂身肉とを一体成形したステーキ用肉製品
の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】牛肉、豚肉、鳥肉、羊肉、馬肉等の種々
の食用肉から得られる細切り状又はミンチ状の肉片と、
種々の脂身肉を用いて天然のステーキ用に成形したステ
ーキ用肉製品が研究されている。このようなステーキ用
肉製品の製造方法として、特公昭58−20589号公
報(以下、イ号公報と略称する。)には「合成肉製品の
製造方法」が開示されている。イ号公報に記載の合成肉
製品の製造方法は、種々の赤身肉の原料肉を塩漬にして
味付けしてからミンチまたは細切りにし、これに食塩や
リン酸塩を添加してミックスするように赤身肉を加工
し、一方種々の脂身肉の原料肉に食塩等を添加してミン
チまたは細切りにし、これに植物性蛋白、水、食塩等を
添加してエマルジョンになるように脂身肉を加工した
後、前記赤身肉と脂身肉とを、圧縮成型機の2本の送肉
管から別々に送り、途中でモールド型を上下方向から加
圧して一体に圧縮させながら断面任意形状の棒状態で、
且つ外観天然ステーキ肉状に押出成形するものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のステーキ用肉製品の製造方法は、以下のような課題
を有していた。 1)赤身肉をミンチ又は細切りにする工程と、脂身肉を
ミンチ又は細切りにした後エマルジョン化する工程を有
し、赤身肉及び脂身肉について各々個別に前処理が必要
であるため、前処理作業が煩雑で作業時間が長く、生産
性に欠ける。 2)赤身肉と脂身肉を一体成形するために、圧縮成型機
と所望するステーキ用肉製品の形状に応じたモールド型
が必要で、生産量の増加や形状の多様化とともに成形作
業のための設備投資が多大になるとともに、設備の維持
管理のために多大な労力を要する。 3)赤身肉及び脂身肉の前処理と、これらの肉を圧縮成
形機により一体成形する必要があるため、工程が複雑で
作業性に欠ける。 4)所望する肉製品の形状に応じて、各々個別にモール
ド型を準備し、圧縮成形機に取り付け、又は既に取り付
けられているモールド型と取り替える必要があり、赤身
肉と脂身肉を一体成形する際の作業性に欠ける。 5)圧縮成形機において2本の送肉管から赤身肉と脂身
肉を別々に送り、モールド型で加圧して一体に圧縮成形
するため、脂身を含まない状態で赤身肉が成形され、赤
身肉と脂身が適度に混じった霜降り状態のステーキ用肉
製品を得ることができない。 6)結着剤として多量の食塩やリン酸塩を要すが、特に
食塩は高血圧症等を惹起し易く低塩化が要求されている
現在、改善が要望されており、またリン酸塩は食品衛生
上問題を有し、低塩で食品衛生上安全なステーキ用肉製
品を得ることができない。
【0004】本発明は上記従来の課題を解決するもので
あり、味、食感等が天然のステーキ肉と同等以上で、保
存性及び保管性,流通性に優れ、低塩で食品衛生上極め
て安全で、外観が天然のステーキ肉と変わらないステー
キ用肉製品を、簡便かつ少ない作業工程で、形状、大き
さ、及び肉質を天然のステーキ肉よりも自在に成形で
き、かつ天然のステーキ肉よりも極めて安価に製造する
ことができるステーキ用肉製品の製造方法の提供を目的
とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明は、食用肉の細切肉に酸化防止剤と結着剤を添
加して混合してから結着成形する結着工程と、結着工程
により得られた細切肉の結着物に脂身肉を結着剤により
貼り合わせる添着工程と、添着工程により得られた結着
物と脂身肉の添着物を包装袋内に減圧包装する包装工程
と、を備えた構成よりなる。
【0006】この構成により、細切肉の結着物に脂身肉
を貼り合わせて減圧包装するという極めて簡便かつ作業
工程の少ない方法で、味、食感等が天然のステーキ肉と
同等以上で、外観が天然のステーキ肉と変わらないステ
ーキ用肉製品を製造することが可能になる。細切肉とし
ては牛肉、豚肉、鳥肉、羊肉、馬肉,兎肉,猪肉,鴨肉
等の食用肉の精肉だけでなく、これらのスネ肉やいわゆ
る屑肉等を用いることができるため、製造コストを抑え
ることが可能で、天然のステーキ肉に比べて低原価で量
産でき安価に提供することができる。脂身肉としては、
牛や豚,鶏,鴨等を用いることができ、その形態として
は細切状やミンチ状,スライス状のものが用いられる。
混合機で混合し、細切肉を結着させて所定の大きさに手
で又は容器に詰めてステーキ状,ブロック状,ハンバー
グ状若しくは断面が三角や四角,五角形や丸型等の棒状
の形状の結着物に成形することにより、極めて簡便な作
業で天然のステーキ肉よりも形状、大きさ、及び肉質等
の自在性に優れたステーキ用肉製品を製造することがで
きる。包装袋内で減圧包装して得られるステーキ用肉製
品は、保管中に結着剤のいわゆる塩溶作用と結着作用に
より細切肉が内部まで一体的に結着され、かつ細切肉の
結着物と脂身肉とが一体化されており、輪切りや調理す
る際にも、細切肉と脂身肉が分離することなく、天然の
ステーキ肉風の外観を維持することができる。また、肉
製品に分散した結着剤の結着作用で組織が網状化しエキ
ス分等の旨味成分のドリップの生成を防止し組織内に一
体的に閉じ込めるので旨味に優れるとともに、従来ドリ
ップで系外に排出されていた低分子栄養成分を組織内に
保持するので著しく栄養化を高めることができる。細切
肉に酸化防止剤と結着剤を添加して結着成形することに
より、肉の変色や肉質の変化、及び身崩れを防止し、保
存性が向上するとともに、得られるステーキ用肉製品は
包装袋内で減圧包装された状態であることから、製造後
においても肉質を劣化させることなく保管性に優れてい
る。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1に記載の発明
は、食用肉の細切肉に酸化防止剤と結着剤を添加して混
合してから結着成形する結着工程と、結着工程により得
られた細切肉の結着物に脂身肉を結着剤により貼り合わ
せる添着工程と、添着工程により得られた結着物と脂身
肉の添着物を包装袋内に減圧包装する包装工程と、を備
えた構成よりなる。この構成により、細切肉の結着物に
脂身肉を貼り合わせて減圧包装するという極めて簡便か
つ作業工程の少ない方法で、味、食感等が天然のステー
キ肉と同等以上で、外観が天然のステーキ肉と変わらな
いステーキ用肉製品を製造することが可能になるという
作用を有する。また、細切肉としては従来、商品価値が
低く有効利用されずペット等の飼料にされていたスネ肉
や屑肉等を有効利用することができ、低原価で量産でき
るため製造コストを抑えることが可能で、天然のステー
キ肉に比べて安価に提供することができるという作用を
有する。鳥肉や牛肉等を各種混合し臭いやアクのない新
品種のステーキ肉を作ることができ、また脂味も用途に
合わせて牛や豚,鶏や鴨の脂身肉を用いることができ、
幼児や老人,病人等に合ったステーキ用肉製品を得るこ
とができるという作用を有する。また、成型機等を用い
ることなく、細切肉を結着させて所定の形状の結着物に
成形する極めて簡便な作業で天然のステーキ肉よりも形
状、大きさ、及び肉質等の自在性に優れたステーキ用肉
製品を製造することができるという作用を有する。ま
た、包装袋内で減圧包装して得られるステーキ用肉製品
は、結着剤が肉表面の自由水を一体化し肉内部の塩溶化
を促進し、内部の細切肉まで一体的に結着され肉ブロッ
クのようになり、かつ細切肉の結着物と脂身肉とが一体
化されており、添着物を輪切りや角切り等するだけでス
テーキ肉やサイコロ肉が得られるとともに、輪切り等の
際や調理する際にも、細切肉と脂身肉が分離することな
く、天然のスーテキ肉風の外観を維持することができる
という作用を有する。また、細切肉に酸化防止剤と結着
剤を添加して結着成形することにより、肉の変色や肉質
の変化、及び身崩れを防止し、保存性が向上するととも
に、得られるステーキ用肉製品は包装袋内で減圧包装さ
れた状態であることから、製造後においても肉質を劣化
を防止することができるという作用を有する。
【0008】ここで、酸化防止剤としてはアスコルビン
酸ナトリウム,ビタミンC,ビタミンE等が用いられ、
これらは単独で用いても、混合して用いてもよい。アス
コルビン酸ナトリウム,ビタミンC,ビタミンE等を用
いる場合には、酸化防止とともに栄養強化作用も得られ
る。また、結着剤としては、蛋白質を主成分とするもの
や、水酸化カルシウムを主成分とするもの等が用いられ
る。蛋白質を主成分とする結着剤の具体例としては、味
の素社製のアクティバ等があり、また水酸化カルシウム
を主成分とする結着剤の具体例としては、鳥越製粉社製
のイノベートや千葉製粉社製のパールミート等がある。
【0009】また、細切肉に酸化防止剤や結着剤を添加
する方法としては、粉末の酸化防止剤や結着剤と細切肉
を混合しても、酸化防止剤と結着剤を分散溶解した水溶
液と細切肉を混合してもよいが、後者の方が細切肉に酸
化防止剤と結着剤を均一に分散混合できるとともに、得
られる結着物の増量作用も得られる。
【0010】また、包装袋としては、食品包装用でPE
等のオレフィン樹脂やPET等の樹脂フィルム等からな
り、かつ減圧包装又は真空包装が可能なものが用いられ
る。
【0011】本発明の請求項2に記載の発明は、請求項
1の発明において、食用肉の細切肉に対する酸化防止剤
の添加量が0.01重量%〜3重量%、好ましくは0.
08重量%〜0.12重量%であり、結着剤の添加量が
0.2重量%〜4重量%、好ましくは0.8重量%〜
1.5重量%である構成を有している。ここで、酸化防
止剤の添加量は細切肉の重量に対して0.01重量%〜
3重量%、好ましくは0.08重量%〜0.12重量%
が添加される。酸化防止剤の添加量が、0.08重量%
よりも小さくなると酸化防止効果が十分に得られず、細
切肉の変色等が発生する傾向を生じ、また0.12重量
%よりも大きくなると酸化防止剤の過剰使用とともに、
結着物の食感を損なう傾向を生じるため、いずれも好ま
しくない。また、酸化防止剤を水に分散溶解した水溶液
として添加する場合には、上記と同様な理由から、水に
対して酸化防止剤を2〜2.5重量%混合した水溶液
を、細切肉の重量に対して2〜8重量%添加するのが好
ましい。この範囲で細切肉全体に酸化防止剤を浸漬した
りまぶすことができ、この範囲よりも少ないと酸化防止
剤の添加斑が生じ、また多すぎると肉が水っぽくなるの
で好ましくない。
【0012】結着剤の添加量は細切肉の重量に対して
0.2重量%〜4重量%、好ましくは0.8重量%〜
1.5重量%が添加される。結着剤の添加量が、0.8
重量%よりも小さくなると細切肉に十分な塩溶作用と結
着作用が得られなくなる傾向を生じ、また1.5重量%
よりも多くなると細切肉の結着性が強くなる傾向が生
じ、食用肉の種類にもよるが、ステーキ肉の食感を損な
う傾向を生じるため、いずれも好ましくない。また、結
着剤を水に分散溶解した水溶液として添加する場合に
は、上記と同様な理由から、水に対して結着剤を20〜
25重量%混合した水溶液を、細切肉の重量に対して2
〜10重量%添加するのが好ましい。この範囲で細切肉
全体に結着剤を浸漬したりまぶすことができ、この範囲
よりも少ないと結着剤の添加斑が生じ、また多すぎると
肉が水っぽくなるので好ましくない。
【0013】この構成により、酸化防止剤が肉中に分散
しているので、その抗酸化性により肉色が変色せず精肉
同様に肉色を保つ作用を有する。また結着剤が肉中に分
散しているので、同種又は異種の細切肉の混合物でも、
詳細は不明であるが、結着剤のいわゆる塩溶作用により
溶出したアクチンやミオシン等の溶出成分の結着作用に
より網状化現象を誘起するためと思われるが弾力性のあ
る肉塊に形成され、ドリップの流出を防ぎ旨味成分や低
分子栄養成分を肉塊内に保持し栄養価を著しく向上させ
ることができる。
【0014】本発明の請求項3に記載の発明は、請求項
1又は2のいずれか1項に記載の発明において、包装工
程の後、包装袋を冷凍保持する冷凍保持工程を備えた構
成よりなる。この構成により、細切肉の結着物の内部で
塩溶作用やそれに続く結着作用を全体に浸透させるの
で、短時間で内部まで一体的に結着させ、またその結着
性を高めることができるとともに、添着物における細切
肉と脂身肉との一体化を促進させることができるという
作用を有する。また、得られるステーキ用肉製品が包装
袋内で減圧包装され、さらに冷凍された状態となるた
め、製造後においても肉質を劣化させることなく保存性
及び保管性,流通性を向上させることができるという作
用を有する。
【0015】また、本発明の請求項4に記載の発明は、
請求項1乃至3の内のいずれか1項に記載の発明におい
て、結着工程が、細切肉に細切状又はミンチ状、筋状の
脂身肉を混合する構成よりなる。ここで、脂身肉の混合
量としては細切肉に対し3重量%〜50重量%、好まし
くは6重量%〜40重量%、更に好ましくは8重量%〜
25重量%混合される。脂身肉が8重量%よりも少なく
なるにつれ、霜降り状若しくはロース状の形態に加工し
難くなり、また、25重量%を超えるにつれ脂身が多す
ぎて食味を損なう傾向が認められるので、いずれも好ま
しくない。この構成により、結着工程において細切肉と
ともに適量の脂身肉を混合して結着物を成形することに
より、得られるステーキ用肉製品の食感や肉質の自在性
をより向上できるとともに、ステーキに加工した際、赤
身の間に脂身が混じった霜降り状態のステーキや脂肪分
の多いトンカツ用のステーキが得られるという作用を有
する。
【0016】以下に、本発明の実施の形態の具体例を図
面を参照しながら説明する。 (実施の形態)図1は本発明の一実施の形態によるステ
ーキ用肉製品の添着工程で細切肉の結着物に脂身肉を貼
り合わした状態を示す斜視図、図2は本発明の一実施の
形態によるステーキ用肉製品の包装工程で細切肉の結着
物に脂身肉を貼り合わした添着物を包装袋内に減圧包装
した状態を示す斜視図である。図1及び図2において、
1は細切肉の結着物、2は脂身肉、3は添着物、4は包
装袋である。
【0017】以下に、本発明の一実施の形態によるステ
ーキ用肉製品の製造方法を図面を参照しながら説明す
る。まず、結着工程として、牛肉、豚肉、鳥肉、羊肉、
馬肉等の種々の細切肉の内、スネ肉や屑肉等の安価な細
切肉(1〜2mm厚程度)のスジ等の固い部分をトリミ
ングする。この細切肉に、アスコルビン酸ナトリウム等
の酸化防止剤と蛋白質又は水酸化カルシウムを主成分と
する結着剤を分散溶解した水溶液を混合する。これによ
り細切肉に結着性が得られ、これを手作業で所定の形状
に成形して細切肉の結着物を得る。この細切肉の結着物
の形状としては、その断面が略半円形、略円形、略楕円
形等が好適である。尚、結着工程においては、必要に応
じて結着性を高めるための食塩や、結着物を霜降り状態
とする場合には細切肉にラードやヘッド等の脂身肉の肉
片を適量混合してもよい。また、細切肉の大きさは、ス
ライス状であれば一例として縦が2〜5cm程度、横が
3〜9cm、厚みが1mm〜10mm程度でよいが、特
にこの形状に限定するものではない。
【0018】次に、添着工程として、脂身肉を略方形状
等の所定の形状に切り出したものの片面に、前述の結着
剤の粉末又は結着剤を水に分散溶解した溶液をまぶした
後、図1に示したようにその面を結着工程で得られた細
切肉の結着物1に押し当てて、細切肉の結着物1上に脂
身肉2を貼り合わせた添着物3を得る。次に、包装工程
として、添着工程により貼り合わされた細切肉の結着物
1と脂身肉2からなる添着物3を図2に示したように包
装袋4に減圧包装する。これにより、包装袋4内の酸素
や水分を除去して結着物1や脂身肉2の酸化を防止しな
がら添着物3を保持し、細切肉の結着物1における細切
肉の結着性、及び結着物1と脂身肉2との結着性を高
め、また添着物3を一体化し、その外形を整える。
【0019】さらに、冷凍保持工程として、添着物3を
包装した包装袋4を冷凍保持する。冷凍保持する際の保
持温度としては−18℃〜−25℃、特に−20℃程度
が好適である。これにより、短時間で細切肉の結着物1
の内部まで細切肉が結着された状態となり、また結着物
1と脂身肉2とが一体化され、天然のステーキ肉と同様
な外観のステーキ用肉製品が得られる。このように冷凍
保持されたステーキ用肉製品を食する場合には包装袋を
開封し、所望の大きさに切断した後、調理する。尚、保
持時間は減圧包装される添着物3の重量や形状、及び厚
み等によって適宜調整する必要がある。
【0020】以上のように本実施の形態によれば、細切
肉の結着物に脂身肉を貼り合わせて減圧包装し、冷凍保
持するという極めて簡便かつ作業工程の少ない方法であ
りながら、味、食感等が天然のステーキ肉と同等以上
で、外観が天然のステーキ肉と変わらないステーキ用肉
製品を、天然のステーキ肉に比べて安価に製造すること
が可能になる。また、成型機等を用いることなく極めて
簡便な作業で、天然のステーキ肉に比べて、形状や大き
さを任意に変えることができ、また細切肉の結着物と脂
身肉との割合や厚みを調整して肉質を自在に変化させる
ことができる。また、得られるステーキ用肉製品は輪切
りや調理する際にも、細切肉と脂身肉が分離することな
く、天然のステーキ肉風の外観を維持し、酸化防止剤と
結着剤の作用によって、肉の変色や肉質の変化、及び身
崩れを防止し、保存性を向上させることができる。ま
た、ステーキ用肉製品は包装袋内で冷凍された状態であ
ることから、製造後においても肉質を劣化させることな
く保管性に優れている。さらに、結着工程において細切
肉とともに適量の脂身肉を混合して結着物を成形するこ
とにより、得られるステーキ用肉製品の食感や肉質の自
在性をより向上できるとともに、赤身の間に脂身が混じ
った霜降り状態のステーキ用肉製品が得られる。
【0021】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、味、食感
等が天然のステーキ肉と同等以上で、保存性及び保管性
に優れた外観が天然のステーキ肉と変わらないステーキ
用肉製品を、簡便かつ少ない作業工程で製造できること
から、ステーキ用肉製品の作業性及び生産性を著しく高
めることができるという優れた効果が得られる。また、
細切肉の結着物に脂身肉を貼り合わせて減圧包装し、冷
凍保持するという簡便な方法でありながら、天然のステ
ーキ肉よりも形状、大きさ、及び肉質の自在性に調整す
ることが可能で、かつ製造量の大小によって製造設備等
の設備投資を伴うことなく、量産性に優れたステーキ用
肉製品の製造方法を提供できるという優れた効果が得ら
れる。また、包装袋内に冷凍された状態で完成品が得ら
れるため、出荷の際に保存のための余分な作業を要しな
いとともに、輸送時や保管時における保存性及び保管性
を著しく高めることができるという優れた効果が得られ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態によるステーキ用肉製品
の添着工程で細切肉の結着物に脂身肉を貼り合わした状
態を示す斜視図
【図2】本発明の一実施の形態によるステーキ用肉製品
の冷凍保持工程で細切肉の結着物に脂身肉を貼り合わし
た添着物を包装袋内に減圧包装した状態を示す斜視図
【符号の説明】
1 細切肉の結着物 2 脂身肉 3 添着物 4 包装袋

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 食用肉の細切肉に酸化防止剤と結着剤を
    添加して混合してから結着成形する結着工程と、前記結
    着工程により得られた前記細切肉の結着物に脂身肉を前
    記結着剤により貼り合わせる添着工程と、前記添着工程
    により得られた前記結着物と前記脂身肉の添着物を包装
    袋内に減圧包装する包装工程と、を備えたことを特徴と
    するステーキ用肉製品の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記食用肉の細切肉に対する前記酸化防
    止剤の添加量が0.01重量%〜3重量%、好ましくは
    0.08重量%〜0.12重量%であり、前記結着剤の
    添加量が0.2重量%〜4重量%、好ましくは0.8重
    量%〜1.5重量%であることを特徴とする請求項1に
    記載のステーキ用肉製品の製造方法。
  3. 【請求項3】前記包装工程の後、前記包装袋を冷凍保持
    する冷凍保持工程を備えたことを特徴とする請求項1又
    は2の内いずれか1項に記載のステーキ用肉製品の製造
    方法。
  4. 【請求項4】前記結着工程が、前記細切肉に細切状又は
    ミンチ状、筋状の脂身肉を3重量%〜50重量%、好ま
    しくは6重量%〜40重量%を混合し一体にして結着成
    形することを特徴とする請求項1乃至3の内のいずれか
    1項に記載のステーキ用肉製品の製造方法。
JP8280373A 1996-09-29 1996-09-29 ステーキ用肉製品の製造方法 Withdrawn JPH1099050A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006280306A (ja) * 2005-04-01 2006-10-19 Itoham Foods Inc 合成食肉及びその製造方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006280306A (ja) * 2005-04-01 2006-10-19 Itoham Foods Inc 合成食肉及びその製造方法

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