JPH1098345A - 対環境音音量調整装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 環境音レベルが変化しやすい環境下でも良好
な音量調整を実施することができる対環境音音量調整装
置を提供する。 【解決手段】 対環境音音量調整装置は、環境音取得手
段１６で環境音を取得する。取得した環境音に基づいて
出力手段１２の出力音量は調整される。環境音追従緩和
手段１７は、環境音の変動に追随する出力音量の変化を
緩和させる。環境音の激しい変動に追従しすぎない快適
な自動音量調整を実現することができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、携帯型音響機器に
用いられ、取得した環境音に基づいて出力手段の出力音
量を調整する対環境音音量調整装置に関する。携帯型音
響機器には、例えば、ヘッドホンステレオや携帯電話、
パーソナルハンディホン、携帯情報端末などが含まれ
る。

【０００２】

【従来の技術】この種の対環境音音量調整装置は、例え
ば、特開平４−３５２２９９号公報や特開平５−２３５
７８９号公報に開示される。こういった対環境音音量調
整装置では、マイクロホンで拾った環境音に基づいて音
信号の増幅率を調整している。環境音レベルが増加する
と、音信号の増幅率が自動的に増加され、その結果、ス
ピーカからの出力音量が聞き取り可能なレベルに保持さ
れる。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】従来の対環境音音量調
整装置では、環境音のいかなる種類のレベル変化にも増
幅率の調整が追従することから、環境音レベルの変動の
激しい環境では、出力音量のレベルが変化しすぎ、携帯
型音響機器の使用者の不快感を誘引することがあった。

【０００４】本発明は、上記実情に鑑みてなされたもの
で、環境音レベルが変化しやすい環境下でも良好な音量
調整を実施することができる対環境音音量調整装置を提
供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、第１発明によれば、環境音を取得する環境音取得手
段と、音信号に基づいて音を出力する出力手段とを備
え、取得した環境音に基づいて出力手段の出力音量を調
整する対環境音音量調整装置において、前記環境音の変
動に追随する出力音量の変化を緩和させる環境音追従緩
和手段を備えることを特徴とする対環境音音量調整装置
が提供される。

【０００６】環境音追従緩和手段は、前記環境音の時間
変化を平滑化する平滑化手段を備えればよい。また、環
境音追従手段は、前記環境音のレベル値を段階的に区分
けする段階分け手段を備えてもよい。

【０００７】対環境音音量調整手段は、任意の増幅率で
音信号を増幅して前記出力手段に伝達する増幅手段と、
前記環境音に基づいて前記増幅率を変化させる増幅率制
御手段とをさらに備えてもよい。

【０００８】前記増幅率制御手段には、操作者が要求す
る音量レベルを入力する音量調節手段が接続されてもよ
い。

【０００９】

【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照しつつ本発
明の好適な実施形態を説明する。

【００１０】図１は本発明の一実施形態に係る対環境音
音量調整装置が適用された携帯型音響機器ＰＨを示す。
この携帯型音響機器ＰＨは例えば音信号の受信装置とい
った音信号生成手段１０を備える。音信号生成手段１０
で生成された音信号は、増幅手段１１によって任意の増
幅率で増幅された後、スピーカといった出力手段１２に
送り込まれる。出力手段１２は、空間を伝播する音波
に、増幅された音信号を変換する。

【００１１】音量調整装置１３は、増幅手段１１の増幅
率を変化させる増幅率制御手段１４を備える。この増幅
率制御手段１４には、携帯型音響機器ＰＨの使用者が要
求する音量レベルを入力可能な音量調節手段としての音
量調節操作器１５が接続される。使用者は、音量調節操
作器１５を操作して、快適に音を聞き取ることができる
出力音量を得る。

【００１２】マイクロホンといった環境音取得手段１６
で取得された環境音は、環境音追従緩和手段１７を通じ
て増幅率制御手段１４に送り込まれる。音量調整装置１
３は、環境音取得手段１６で取得した環境音に基づい
て、出力手段１２の出力音量を自動的に調整する。

【００１３】環境音追従緩和手段１７は、図２に示すよ
うに、環境音取得手段１６で取得された環境音の時間軸
に沿った変動を平滑化する平滑化手段１８と、環境音取
得手段１６で取得された環境音のレベル値を段階的に区
分けする段階分け手段１９とを備える。平滑化手段１８
は、例えば伝達関数Ｇ（ｓ）の低域通過フィルタによっ
て構成されてもよい。この場合、伝達関数は例えばＧ
（ｓ）＝ω／（ｓ＋ω）で規定されることができる。こ
こで、ｓはラプラス演算子（複素周波数）であって、ω
はカットオフ周波数である。

【００１４】いま、任意の出力音量レベルで使用者が出
力手段１２から音を聞いている場合を想定する。屋外と
いった外部環境下で使用者が携帯型音響機器ＰＨを使用
していると仮定すれば、使用者が移動するにつれて環境
音の音量レベルは変動すると考えられる。平滑化手段１
８では、伝達関数Ｇ（ｓ）の働きによって、時系列で細
かく変動する環境音レベル値ｘ１から低域成分のみの抽
出され、図３に示すように滑らかな環境音レベル値ｘ２
が出力される。したがって、増幅率制御手段１４では、
平滑化された環境音レベルごとに予め決められた増幅率
を増幅手段１１に自動的に設定することができ、激しい
環境音の時間的に変化に追従しすぎない快適な音量調整
が実現される。

【００１５】さらに、段階分け手段１９では、出力を段
階分けしたことから、図４に示すような環境音レベル値
ｘ３が得られる。その結果、段階分けしたレベル内では
出力音量の変化がないことから、小さなレベル変化には
左右されない快適な音量調整を実現することができる。

【００１６】なお、環境音追従緩和手段１７では、必ず
しも平滑化手段１８および段階分け手段１９の両者を同
時に設ける必要はなく、いずれか一方のみを設けてもよ
い。

【００１７】

【発明の効果】以上のように本発明によれば、前記環境
音の変動に追随する出力音量の変化を緩和させる環境音
追従緩和手段を備えることから、環境音レベルが変動し
やすい環境下でも、環境音に追従しすぎない快適な音量
調整を実現することができる。

【００１８】また、環境音追従緩和手段に、前記環境音
の時間変化を平滑化する平滑化手段を設ければ、滑らか
な環境音変化に基づいて音量調整を実施することがで
き、環境音追従手段に、前記環境音のレベル値を段階的
に区分けする段階分け手段を設ければ、細かな環境音レ
ベルの変動に追従しない安定した音量調整を実施するこ
とができる。

【００１９】また、対環境音音量調整手段に、任意の増
幅率で音信号を増幅して前記出力手段に伝達する増幅手
段と、前記環境音に基づいて前記増幅率を変化させる増
幅率制御手段とをさらに設ければ、増幅率の変化に基づ
いて簡単に音量調整を実施することができる。

【００２０】さらに、前記増幅率制御手段に、操作者が
要求する音量レベルを入力する音量調節手段を接続させ
れば、操作者の要望に合致した快適な音量レベルを実現
することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明に係る対環境音音量調整装置が適用さ
れた携帯型音量機器の概略ブロック図である。

【図２】 環境音追従緩和手段の構成を示す図である。

【図３】 平滑化手段の処理結果を示すグラフである。

【図４】 段階分け手段の処理結果を示すグラフであ
る。

【符号の説明】

１１ 増幅手段、１２ 出力手段、１４ 増幅率制御手
段、１５ 音量調節操作器、１６ 環境音取得手段、１
８ 平滑化手段、１９ 段階分け手段。

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 環境音を取得する環境音取得手段と、音
   信号に基づいて音を出力する出力手段とを備え、取得し
   た環境音に基づいて出力手段の出力音量を調整する対環
   境音音量調整装置において、前記環境音の変動に追従す
   る出力音量の変化を緩和させる環境音追従緩和手段を備
   えることを特徴とする対環境音音量調整装置。
2. 【請求項２】 前記環境音追従緩和手段は、前記環境音
   の時間変化を平滑化する平滑化手段を備えることを特徴
   とする請求項１に記載の対環境音音量調整装置。
3. 【請求項３】 前記環境音追従手段は、前記環境音のレ
   ベル値を段階的に区分けする段階分け手段を備えること
   を特徴とする請求項１または２に記載の対環境音音量調
   整装置。
4. 【請求項４】 任意の増幅率で音信号を増幅して前記出
   力手段に伝達する増幅手段と、前記環境音に基づいて前
   記増幅率を変化させる増幅率制御手段とをさらに備える
   ことを特徴とする請求項１〜３のいずれかに記載の対環
   境音音量調整装置。
5. 【請求項５】 前記増幅率制御手段には、操作者が要求
   する音量レベルを入力する音量調節手段が接続されるこ
   とを特徴とする請求項４に記載の対環境音音量調整装
   置。